JP6133230B2 - サーキット特定装置およびサーキット特定方法 - Google Patents
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Description
従来、現在の自車の位置を、GPSにより取得したデータと地図情報とから特定し、サーキット路であれば操舵力アシスト量を変える車両運動制御装置が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、GPSにより取得したデータは誤差があり、自車位置がサーキット内か判定する精度としては十分ではない。
本発明の他の態様によると、自車の車両性能を制限または抑制するリミッタを解除するリミッタ解除ユニットと、をさらに備える。サーキット判定ユニットは、自車がサーキット内に位置すると判定されたことを条件として、リミッタの解除の実行を許可する。
本発明の他の態様によると、サーキットの近傍は、境界から所定距離以内の範囲である。
本発明の他の態様によると、サーキットの近傍は、境界からGPSの精度による誤差に基づく範囲である。
図1は、本発明の実施形態に係るサーキット特定装置の概略構成を示すブロック図である。
サーキットは、一般的には舗装路施設に対してのみ使われるが、本実施形態ではダートと呼ばれる未舗装路も含むことができる。
GPS装置10は、測位用のデータを含むGPS(Global Positioning System)信号を複数のGPS衛星から受信して現在位置の緯度及び経度を算出する。GPS装置10は、GPS信号のほか、携帯電話の基地局が送信する電波をさらに受信して、基地局の位置情報に基づいて、現在位置の緯度及び経度を算出することもできる。
携帯端末20は、持ち運び可能な電子機器であり、車外から車内に持ち込んで使用される。携帯端末20は、たとえば、スマートフォンと呼ばれる多機能携帯電話を用いることができる。携帯端末20は内部にGPS装置を含む。携帯端末20と処理装置80とは、USB(Universal Serial Bus)などの有線通信、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの無線通信で情報の伝達を行う。
カメラ30は車両の前部分に装着され、車両の進行方向の画像を撮影する。カメラ30は2つ以上でもよく、車両の前方方向だけではなく、他のカメラで車両の周囲の画像を撮影してもよい。
レーダー40は、ミリ波などの電波を発射し、その反射波を測定することにより対象物を検知する装置である。レーダー40は、車両の前部分に装着され、車両の前方を前後方向、左右方向、上下方向にスキャンすることにより、車両の前方に存在する物体を検知することができる。レーダー40は、2つ以上でもよく、車両の前方方向だけではなく他のレーダーで車両の周囲の画像を撮影してもよい。
また、レーダー40は、ミリ波レーダーに代えて、または加えて、レーザレーダを用いてもよい。
タイマー60は、時間計測装置であり、時間を算出することに使用される。
入力装置70は、テンキーやカーソル移動キーなどを備え、運転者または乗員が処理装置80へ各種設定をすることに使用される。
なお、処理装置80が備える上記各ユニットは、プログラムの実行により実現されるほか、それぞれ一つ以上の電気部品を含む専用のハードウエアとして構成することもできる。
時間算出ユニット110は、タイマー60からの情報で時間を算出する。算出した内容はサーキット総合判定ユニット150で使用される。
走行距離算出ユニット120は、回転パルス発生器50からの信号から車両の走行距離を算出する。また、GPS装置10からの自車位置の情報から、現在位置と過去位置を演算して算出してもよい。算出した内容はサーキット総合判定ユニット150で使用される。
地図上位置判定ユニット130は、自車位置がサーキットを区画する境界内またはサーキットの近傍にあることを判定する。
次に地図上位置判定ユニット130は、得られた経度及び緯度情報に基づいて、記憶装置90に保存されている地図データ210を検索し、自車位置が地図上のどの位置であるか認定する。
サーキットの境界の範囲外である場合、地図上位置判定ユニット130は、自車位置がサーキットの近傍に位置するか判定する。サーキットの近傍は、サーキットを区画する境界から所定距離内の範囲であるかを判定する。
所定距離はGPSの精度またはGPS装置10の測定誤差に基づいて設定する。たとえばGPSの精度による誤差が50mであれば、50mと設定する。
また所定距離は、GPSの精度による誤差に加え、地図データ210の精度や余裕を加えた距離に設定してもよい。また所定距離は、運転者や乗員により入力装置70から設定してもよい。
地図上位置判定ユニット130は、自車位置がサーキットの近傍に位置すると判定すれば、サーキット予測範囲内と判定する。
特徴物判定ユニット140は、カメラ30からの画像またはレーダー40からの信号に基づいて、記憶装置90に保存されている特徴物データ220を参照することによって特徴物が存在するか否かを判定する。
サーキットでは車線の区分けがないので道路に中央線はない。また片方向にしか車両は走行しないので、中央分離帯はない。また交差点はないので信号機はない。道路上には人間は立ち入り禁止であるので、歩行者は存在しない。また、横断歩道や歩道もない。
このような特徴物の画像データを記憶装置90の中の特徴物データ220に格納する。
中央線L1は道路に沿って平行に線状に存在する、という特徴がある。
図3は、中央分離帯を説明する概略図である。
中央分離帯L2は、道路の中央部に存在し、縁石などの高さがある構造物によって分離されている、という特徴がある。
横断歩道L3は、道路を横切る方向に梯子状の線が存在する、という特徴がある。
図5は、信号機を説明する概略図である。
信号機L4は、所定の高さに装着され、共通の形があり、決められた3色で発光する、という特徴がある。
歩行者L5は、頭部、胴体部、脚部が存在する、という特徴がある。
歩道L6は、道路に沿って、道路の端側に線または縁石で区画されている、という特徴がある。
特徴物データ220は、これらの特徴を、カメラ30からの画像データまたはレーダー40からの信号を生成したデータと比較できる形式で、格納されている。
サーキット総合判定ユニット150は、地図上位置判定ユニット130での判定の結果、自車位置がサーキット予測範囲内であり、かつ、特徴物判定ユニット140での判定の結果、特徴物が認識されていない、という場合に自車がサーキット内に位置すると判定する。
サーキット総合判定ユニット150は、自車位置がサーキット予測範囲内であっても、特徴物が認識された場合は、自車がサーキット内に位置しないと判定する。
また、総合判定を確実にするために、サーキット総合判定ユニット150は、特徴物の認識に関しては、所定距離以上に自車が走行したときに、自車がサーキット内に位置すると総合判定してもよい。所定距離は予め設定され、例えば10mとする。走行距離の測定は、走行距離算出ユニット120へ指令して行う。
リミッタ解除ユニット160は、自車の車両性能を制限または抑制するリミッタを解除する。このようなリミッタは、安全設定や燃料節約などのためにある諸機能を制限するリミッタである。
図7は、処理装置80の動作手順を示すフロー図である。
まずステップS110で、処理装置80は、自車位置がサーキット予測領域内にあるか判定する。この判定は、自車位置が、サーキットを区画する境界内またはサーキットの近傍にあることを判定することにより、行う。その結果、自車位置がサーキット予測領域内と判定されれば、ステップS120へ移行する。自車位置がサーキット予測領域内と判定されなければ、処理を終了する。
ステップS120で、処理装置80は、特徴物が認識されたか判定する。その結果、特徴物が認識されたと判定されれば、ステップS130へ移行する。特徴物が認識されたと判定されなければ、処理を終了する。
ステップS130で、処理装置80は、自車がサーキット内に位置すると判定する。本処理では、ステップS110とステップS120との組み合わせによる処理手順により、ステップS130で自車がサーキット内に位置すると総合判定する。
次にステップS140へ移行する。
ステップS140で、処理装置80は、自車の車両性能を制限または抑制するリミッタを解除する。その後処理を終了する。
なお、ステップS110とS120との処理の順序は、入れ替えてもよい。
携帯端末20は、上述したように、GPSにより自車位置を特定する自車位置特定ユニットであるGPS装置を含む。また携帯端末20は、一般道路における特徴物を認識するカメラを含む。さらに携帯端末20は、上述した、タイマーと、入力装置と、処理装置と、記憶装置とを含む。ここで、カメラを車両の外が撮影できるように車両に装着する。
携帯端末20の処理装置で、上述したように、自車位置がサーキットを区画する境界内またはサーキットの近傍にあることを判定することにより、サーキット予測領域内にあること判定した場合、かつ、特徴物が認識されていない場合、自車がサーキット内に位置すると判定することができる。
また、上述した処理装置80が行う内容を、携帯端末20の処理装置と車載の処理装置とに分割して分担してもよい。
これにより、GPSの精度によって一般道路をサーキット内と誤判定してしまうことを防止することができる。
Claims (5)
- 自車両の現在位置を特定する自車位置特定ユニットと、
一般道路における特徴物を認識する特徴物認識ユニットと、
自車両の現在位置が、サーキットを区画する境界内の範囲及び前記境界から所定距離内の範囲を含むサーキット予測領域内にあり、かつ、前記特徴物が所定時間以上のあいだ認識されず及び又は自車両の走行距離が所定距離以上となるまでのあいだ認識されないときに、自車両の現在位置が前記サーキット内に位置すると判定する、サーキット判定ユニットと、を備えた、
サーキット特定装置。 - 前記特徴物は、少なくとも、中央線、中央分離帯、横断歩道、信号機、歩行者、歩道のいずれか一つを含む、
請求項1に記載のサーキット特定装置。 - 前記自車の車両性能を制限または抑制するリミッタを解除するリミッタ解除ユニットと、をさらに備え、
前記サーキット判定ユニットは、
前記自車が前記サーキット内に位置すると判定されたことを条件として、前記リミッタの解除の実行を許可する、
請求項1または2に記載のサーキット特定装置。 - 前記所定距離は、前記自車位置特定ユニットにおける自車両の現在位置を特定する際の位置特定誤差に基づく範囲である、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のサーキット特定装置。 - 処理装置が実行するサーキット特定方法であって、
自車両の現在位置を取得するステップと、
自車両の現在位置が、サーキットを区画する境界内の範囲及び前記境界から所定距離内の範囲を含むサーキット予測領域内にあるか否かを判断するステップと、
一般道路における特徴物が認識されたか否かを判定する特徴物判定ステップと、
自車両の現在位置が前記サーキット予測領域内にあると判定され、かつ、前記特徴物が所定時間以上のあいだ認識されず及び又は自車両の走行距離が所定距離以上となるまでのあいだ認識されないときに、自車両の現在位置が前記サーキット内に位置すると判定する総合判定ステップと、
を含む、サーキット特定方法。
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