JP6131867B2 - 異常診断装置 - Google Patents

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Description

この発明は、異常診断装置に関し、特にEGRクーラの異常診断の精度を向上させることが出来る異常診断装置に関する。
排気ガス浄化の一環として排気還流制御弁を介して、自動車用エンジンの排気ガスの一部をエンジンの吸気系に還流させる排気再循環(Exhaust Gas Recirculation:以下、EGRとも称す。)システムが知られている。
特開平11−200914号公報(特許文献1)には、還流される排気ガス(以下、還流ガスとも称す。)の温度からEGRシステムの異常を診断する構成が記載されている。
また、特開2008−261297号公報(特許文献2)には、還流ガスを冷却してエンジン効率を向上させるため、エンジン冷却水との間で熱交換を行なうEGRクーラが記載されている。特開2008−261297号公報の構成においては、このEGRクーラの下流側に、還流ガスの温度を検出するガス温度検出センサが設けられており、EGRクーラを通過した還流ガスの温度が所定の温度を超えるとEGRクーラに異常が生じているとの診断が行なわれる。
特開平11−200914号公報 特開2008−261297号公報
たとえば、エンジンの高負荷状態が連続すると、EGRクーラの冷却能力を上回る高温の排気ガスがEGRクーラに流入する場合がある。この場合、EGRクーラの下流側においてガス温度検出センサにより検出される還流ガスの温度も高温状態となり得る。そのため、上述のような還流ガスの温度としきい値との比較のみでEGRクーラの異常診断を行なう異常診断装置では、検出された高温の還流ガス温度がEGRクーラの異常によるものなのか、あるいは、異常な状態ではないにも拘わらず、EGRクーラの冷却容量を上回るガス量の通過によるものなのかを区別することが出来ず、EGRクーラが異常な状態であると誤診断してしまうおそれがあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、EGRクーラの異常診断装置において正常に機能しているEGRクーラを、異常な状態であると誤診断する可能性を減少させることである。
本発明によるEGRクーラの異常診断装置は、エンジンを動力源とする車両に設けられ、エンジンの排気管から吸気管に還流される還流ガスを冷却水によって冷却するEGRクーラの異常診断を行なう異常診断装置である。制御部は、還流ガスの温度を検出する温度センサと、温度センサで検出された還流ガスの温度が所定温度を上回る場合に、EGRクーラの異常と診断する。制御部は、異常診断可能な許可領域の範囲外である禁止領域の場合には、EGRクーラの異常診断を禁止するとともに、エンジンの運転状態が禁止領域から許可領域に復帰した場合であっても、許可領域に復帰した時点から所定期間が経過するまでの間は異常診断が禁止された状態を維持する。
本発明による異常診断装置によれば、エンジンの運転状態が異常診断可能な許可領域の範囲外の場合には、EGRクーラの異常診断が禁止される。このため、たとえば高負荷運転のようなEGRクーラの冷却容量を上回るガス量の通過によってEGRクーラの異常の区別がつかない状態では異常診断が行なわれないため、誤診断を抑制することが可能となる。
また、たとえば通常運転中でかつ低負荷状態のような、異常診断可能な許可領域にエンジンの運転状態が復帰した場合であっても、異常診断可能な許可領域に復帰した時点から所定期間が経過するまで、EGRクーラの異常診断は禁止状態に維持される。このため、エンジンの運転状態の遷移から遅れて還流ガスの温度が低下するまでタイムラグがあっても、高温状態の温度センサの周囲の還流ガスを検知することがない。したがって、過渡的な温度遷移中の不安定な温度状態において異常診断を行なうことが防止され、還流ガスの温度が安定して、異常診断可能な許可領域にエンジンの運転状態が復帰してから、異常が生じていると誤診断してしまうおそれを減少させることができる。
本発明によれば、正常に機能しているEGRクーラを、異常が生じている状態であると誤診断してしまう可能性を減少させることができる異常診断装置が提供される。
実施の形態に従う異常診断装置が設けられた車両の全体の構成を説明するブロック図である。 発明の実施の形態に従うEGRクーラの異常診断装置の詳細構成を説明する模式的なシステム図である。 還流ガスの流量と、還流ガスの温度および冷却水の水温との関係を説明するグラフである。 エンジン回転数の減少に伴って、禁止領域(高負荷状態)から許可領域(低負荷状態)に移行する際の還流ガス温度の変動を示すタイムチャートである。 エンジンECUで実行される異常診断処理を説明するフローチャートである。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態に従う異常診断装置を備えた車両100の全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、車両100は、エンジン10と、EGRとエンジンECU60とを備える。また、車両100は、エンジン10の出力軸4が接続される変速機2と、駆動輪3と、変速機2と駆動輪3との間を連結する駆動軸5とを備える。エンジン10で発生した駆動力は、出力軸を介して変速機2に伝達される。変速機2により増速/減速された駆動力は、駆動軸5を介して駆動輪3に伝達される。
エンジン10には、エアフィルタ81を通して外気を導入する吸気管80と、エンジン10からの燃焼ガスを排出する排気管90とが接続されている。排気管90の後端部に開口形成された排出口には、マフラー91が装着されている。
これらの排気管90と吸気管80との間には、EGRシステムの還流通路20が接続されている。エンジン10で燃焼された燃焼ガスの一部は、還流通路20により還流される。この還流ガスは、酸素を含まずもしくは含有酸素濃度が希薄である。EGRシステムは、吸気管80のエアフィルタ81を介して導入された外気に還流ガスを混合して、混合ガス中の酸素を大気に比べて低減させることによってエンジン10の燃焼室内で燃料を燃焼させる際の(ピーク)燃焼温度を低下させることができる。これによってEGRシステムは、窒素酸化物(NOx)を減少させて排気ガスの浄化を行なうとともに、ポンピングロスの低減などによりエンジン10の効率向上を達成することができる。
図2は、この発明の実施の形態に従うEGRクーラの異常診断装置の詳細構成を説明する模式的なシステム図である。EGRシステムの還流通路20には、還流ガスを冷却してEGRシステムの効率をさらに向上させるため、EGRクーラ30が設けられている。EGRクーラ30は、冷却水を循環させる冷却水通路140を介して車両100の前部に設けられているラジエータ110と接続されている。
還流通路20の内部を通過する高温状態となった還流ガスは、EGRクーラ30を通過する際にラジエータ110から冷却水ポンプ150の駆動により循環される冷却水により冷却されて、同一体積における吸気還流ガス重量を増大させる。このため、冷却されていない状態の還流ガスに比べて、エンジン10に吸気される際の吸気充填効率を向上させることが可能となる。
熱交換により温められた冷却水は、冷却水通路140に設けられた冷却水ポンプ150により、ラジエータ110へ送られる。ラジエータ110では、外気との間で熱交換が行なわれて、冷却された冷却水が再びEGRクーラ30に戻される。
冷却水通路140には、冷却水の水温を検出する冷却水温センサ50が設けられている。冷却水温センサ50は、検出した冷却水通路140内の冷却水の温度を示す信号をエンジンECU60に出力する。
EGRクーラ30よりも下流側の還流通路20には、EGRバルブ120が設けられている。EGRクーラ30は、このEGRバルブ120を介して吸気管80に接続されている。
EGRクーラ30の下流側で、かつEGRバルブ120の上流側の還流通路20には、EGRクーラ30で冷却された後の還流ガスの温度を計測する温度センサ40が設けられている。温度センサ40は、還流通路20内の還流ガスの温度を検出し、その検出信号をエンジンECU60に出力する。エンジンECU60は、温度センサ40により検出された還流ガスの温度が予め定められたしきい値を超えた場合に、EGRクーラ30が異常であると診断するように構成されている。
このEGRバルブ120には、EGRバルブアクチュエータ130が設けられている。EGRバルブアクチュエータ130は、エンジンECU60からの指令により、EGRバルブ120を開閉させて、EGRシステムの還流通路20を通過する還流ガスの流量を調整する。EGRクーラ30の冷却能力(以下、冷却容量とも称す)は、還流ガスと冷却水との間で熱交換可能な熱量によって規定される。
還流通路20の出口側端部は、吸気管80における吸気流量を調整するためのスロットルバルブ70とエンジン10との間に接続されている。このため、EGRクーラ30を通じて吸気管80内に導入された還流ガスは、スロットルバルブ70の下流側において外気と混合される。
スロットルバルブ70には、バルブ開度を可変するためのスロットルアクチュエータ72とバルブ開度を検出するためのスロットル開度センサ74とが設けられている。スロットルアクチュエータ72は、エンジンECU60から出力される制御信号によって制御され、スロットル開度を可変させてエンジン10の燃焼室へ吸入される空気量を調整する。スロットル開度センサ74は、スロットル開度を検出して、その検出信号をエンジンECU60に出力する。
また、スロットルバルブ70の上流側には、エアフローメータ75が装着されている。エアフローメータ75は、車外から吸気管80へ流入する吸入空気量を測定し、その測定信号をエンジンECU60に出力する。
エンジンECU60は、いずれも図2には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両100の各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
エンジンECU60は、車両100に搭載されたエンジン10における、スロットル開度、エンジン10に設けられた吸気バルブの作動特性の変更や燃料噴射装置の噴射量などを制御する。
エンジンECU60は、ユーザのアクセル操作に対応したアクセル開度センサ160からの要求信号に基づき、スロットル開度センサ74からのスロットル開度の検出信号とエアフローメータ75からの測定信号とを用いてフィードバック制御を行なうことにより、所望のスロットル開度および吸入空気量が実現されるように構成されている。
本実施の形態の車両100では、エンジンECU60は、温度センサ40で検出された還流ガス温度に基づいてEGRクーラ30に異常が生じているか否かを判定する異常診断制御を行なう。
なお、図2においては、エンジンECU60として1つの制御装置を設ける構成としているが、たとえば、エンジン10用の制御装置や変速機2用の制御装置などのように、機能ごとまたは制御対象機器ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。
一般的にEGRクーラ30の冷却容量は、この通常走行状態で正常にEGRクーラ30が機能している場合、エンジン10に吸入される空気を冷却できるように、設置スペースおよび重量などを考慮して冷却容量が設定されている。
エンジン10の高負荷状態が連続すると、高温多量の排気ガスがエンジン10から排出されて、EGRクーラ30の冷却容量を上回る高温の排気ガスが多量にEGRクーラ30に流入する場合がある。この場合、EGRクーラ30の下流側における還流通路20内の還流ガスの温度を計測する図2に示されるような構成では、大量の高温の還流ガスのためにEGRクーラ30による冷却が追いつかず温度センサ40の周囲が高温状態となり得る。
上述のように、本実施の形態においては、エンジンECU60にて温度センサ40で検出された還流ガスの温度を用いて、EGRクーラ30が異常な状態であるのか否かの判定が行なわれる。しかしながら、このような単に温度としきい値との比較のみでは、高温状態となる原因が、EGRクーラ30が実際に異常となったことによるものなのか、あるいは、上述のように高負荷状態のためにEGRクーラ30の冷却容量を上回ったことによるものであるかを区別することが出来ない状態となってしまい、EGRクーラ30が正常に機能しているにも拘らず、EGRクーラ30に異常が生じていると誤診断されてしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態においては、EGRクーラ30の異常診断を行なう際に、エンジンECU60は、エンジン10の運転状態が低負荷状態である場合は、異常診断可能な許可領域の範囲内であるとともに、運転状態が高負荷状態である場合は、異常診断可能な許可領域の範囲外であるとして、EGRクーラ30の異常診断を禁止する。そして、エンジンECU60は、エンジン10の運転状態がEGRクーラ30の異常診断が禁止される禁止領域から、許可領域に運転状態が復帰した場合には、許可領域に復帰した時点から所定期間が経過するまで異常診断が禁止された状態を維持するような異常診断制御を行なう。
これによって、エンジン10の運転状態が異常診断可能な許可領域の範囲外の場合、すなわち、EGRクーラ30の冷却容量を上回る場合には、EGRクーラ30の異常診断が禁止される。これによりEGRクーラの異常診断における、誤診断を抑制することが可能となる。
また、上記の禁止領域から、異常診断可能な許可領域にエンジンの運転状態が復帰した場合であっても、異常診断可能な許可領域に復帰した時点から所定期間が経過するまで、EGRクーラ30の異常診断は禁止状態に維持されるので、エンジン10の状態変化に対する温度変化の遅れ(タイムラグ)に起因する誤診断を減少させることが可能となる。
図3は、還流ガスの流量Eaと、還流ガスの温度Tgおよび冷却水の水温Twとの関係を説明するグラフである。図3においては、横軸に還流ガスの流量Eaが示され、縦軸には温度T[℃]が示されている。
図1および図2に示すような車両100においては、一般的に、EGRクーラ30から排出された下流の還流ガスの温度Tg(曲線L1)は、還流ガスの流量Eaの増大とともに上昇するといった一定の相関関係を有する。
エンジン10の冷却水は、ほぼ一定の水温Tw(曲線L2)を保ちながら、EGRクーラ30内を通過する還流ガスを熱交換により冷却している。しかしながら、負荷が増大してEGRクーラ30で冷却可能な還流ガスの流量が許容限界点a1に達すると、冷却容量オーバとなり、還流ガスの温度Tgは上昇を開始する。
したがって、許容限界点a1より流量が低い低負荷領域においては、正常診断できるが、許容限界点a1を上回る高負荷領域では、排気温度が上昇するために誤判定し易くなる。そのため、本実施の形態においては、還流ガスの流量Ea<a1(a1未満)を「許可領域A」、還流ガスの流量Ea≧a1(a1以上)を「禁止領域B」と定める。
ここで、排気管90から還流通路20によって分岐されたEGRクーラ30を通過する還流ガス量は、エンジン10の吸入空気量の増加に伴って増加する関係にある。
そのため、エアフローメータ75で検出される吸入空気量を用いて、還流ガスがEGRクーラ30を通過する流量を推定することができる。これにより、エンジンECU60は、エアフローメータ75の測定値を用いて、エンジン10の運転状態が異常診断可能な低負荷状態である許可領域A内であるか、または許容限界点a1で区切られた許可領域A外の異常診断が禁止される高負荷状態である禁止領域B内であるかを判定できる。
図4は、エンジン回転数の減少に伴って、禁止領域(高負荷状態)から許可領域(低負荷状態)に移行する際の還流ガス温度の変動を示すタイムチャートである。図4においては、横軸に時間(sec)が示され、縦軸には、上からエンジン回転数(rpm)、吸入空気量、還流ガスの流量(l/s)、還流ガスの温度(℃)が示されている。
エンジン10のエンジン回転数Na(曲線L11)は、アクセル開度の変更などにより時刻(t1)から低下して、高負荷状態である禁止領域Bから低負荷状態である許可領域Aにとなるまでの切換えられる途中で状態遷移領域Cを通りながら低下する。
エンジン10のエンジン燃焼室に流入する吸入空気量Ia(曲線L12)と、還流ガスの流量Ea(曲線L22)とは、それぞれアクセル開度の減少とともに低下する。
エアフローメータ75で測定される吸入空気量Iaが予め設定されたしきい値Ia(TH)を下回る時刻t2で、エンジン10の運転状態は低負荷状態の許可領域Aに遷移するが、還流ガスの温度Tg(曲線l13)の変化は、還流通路20内の残留熱やEGRバルブ120の開度の変更による掃気量の減少により、負荷状態の遷移に対してタイムラグが生じ得る。そのため、センサによって検出される還流ガス温度Tgは、しきい値Ia(TH)を超えた時刻t2からさらに所定期間c1遅れた時刻t3で異常検出しきい値Taを下回る。
そうすると、許可領域Aに移行した時刻t2からただちにEGRクーラ30の異常診断を行なうと、時刻t3までの間は、還流ガス温度Tgが異常検出しきい値Taよりも高いため、EGRクーラ30が異常であると判定してしまう状態となり得る。
したがって、エアフローメータ75で測定された吸入空気量Iaがしきい値Ia(TH)を下回る時刻t2となって許可領域Aに復帰しても、復帰した時刻t2から所定期間c1(時刻t2から時刻t3まで)が経過する時刻t4まで、異常診断の禁止状態を維持するように制御することによって、高負荷状態から低負荷状態に切換わった際の誤診断を防止することができる。
なお、さらに好ましくは、還流ガスの温度Tgが許可領域Aでの安定温度に到達したことをさらに条件として加えてもよい。
また、図4には、禁止領域Bから許可領域Aに遷移する際、EGRバルブ120を全閉状態とするとEGRクーラ30を還流ガスが通過しにくくなり、流量Eaclose(一点鎖線L23)がゼロに近くなるが設備保護のために無くならないことが示されている。この場合、高温ガスの滞留により還流ガス温度Tclose(一点鎖線L34)も低下しにくくなり、そのため、EGRバルブ120を全閉状態なっている場合も、異常診断を禁止とすることが望ましい。
図5は、この実施の形態の異常診断装置で行なわれるEGRクーラ30の異常診断の処理を説明するフローチャートである。図5に示されるフローチャートは、エンジンECU60に予め格納されたプログラムが所定周期で実行されることによって処理が実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図2および図5を参照して、EGRクーラの異常診断が開始されると、エンジンECU60は、ステップS10にてEGRクーラ30の異常診断が行なえる状態であるか否かの判定を行なう。エンジンECU60は、図3で説明したようにエアフローメータ75の吸入空気量Iaに基づいて、エンジン10の運転状態が異常診断が許可された許可領域Aであるか、または許可領域Aの範囲外で診断が禁止される禁止領域Bであるかを判定する。具体的には、エンジンECU60は、エンジン10の吸入空気量Iaが予め設定されたしきい値Ia(TH)を超えているか否かを判定する。
吸入空気量Iaが予め設定されたしきい値Ia(TH)以上(Ia≧Ia(TH))の場合(ステップS10でNO)、図3で示したようにEGRクーラ30の冷却容量オーバであるので、エンジンECU60は、EGRクーラ30の異常診断が禁止される禁止領域B内でエンジン10が運転中であるとして、ステップS30に処理を進める。エンジンECU60は、ステップS30でタイマカウンタの値を0カウントにリセットして、ステップS50に処理を進める。
ステップS50では、エンジンECU60は、カウンタが所定のしきい値を上回ったか否かを判定する。上記のようにステップS30がタイマカウンタ値=0の場合、ステップS50でNOが選択されて処理がステップS10に戻される。すなわち、後述するステップS70,ステップS80での異常判定が禁止される。
一方、吸入空気量Iaがしきい値Ia(TH)を下回る(Ia<Ia(TH))場合(ステップS10でYES)、エンジンECU60は、異常診断が許可された許可領域A内でエンジン10が運転中であるとしてステップS20に処理を進める。
ステップS20では、エンジンECU60は、EGRバルブ120が閉状態である場合(ステップS20にてNO)か否かを判定する。具体的には、エンジンECU60は、EGRバルブアクチュエータ130への開閉指令信号に基づいてEGRバルブ120の開閉状態を判定する。
エンジンECU60は、ステップS20で、EGRバルブ120が開状態である場合(ステップS20にてNO)、ステップS40に処理を進める。ステップS40では、エンジンECU60はタイマカウンタを1つカウントアップする処理を行ないステップS50に処理を進める。
ステップS50では、タイマカウンタがカウントアップしたか否かが判定され、まだカウンタ所定値未満ならステップS10に戻される。一方、タイマカウンタがカウントアップした場合には、ステップS60に処理が進められる。すなわち、このタイマカウンタは、判定の禁止/許可を示すものであり、エンジン10の状態が高負荷状態から低負荷状態される際の遷移時の判定の遅延条件を設定している。
EGRバルブ120が閉状態(ステップS20でNO)では、還流通路20を還流ガスが流れていない状態である。この場合、図4で説明したように、還流通路20内を流れる還流ガスで温度センサ40の周囲の高温の還流ガスが掃気されずに高温のガスが滞留して誤判定につながる。したがって、エンジンECU60は、タイマカウンタの値のカウントアップを行なわずに、ステップS50に処理が進める。
ステップS60に処理が進められると、エンジンECU60は、その他の診断条件が成立しているか否かを診断する。その他の診断条件としては、たとえば、還流ガスの温度検出センサが異常でないこと、空気量センサが異常していないこと、あるいは、EGR導入確認が行なえる状態であるなどが挙げられる。
その他の診断条件が成立していないと診断された場合は(ステップS60でNO)、ステップS10に処理が戻されて、EGRクーラの異常診断が継続される。
一方、その他の診断条件が成立していると診断された場合(ステップS60でYES)は、エンジンECU60は、ステップS70に処理を進める。ステップS70では、EGRクーラの異常診断が行なわれる。具体的には、エンジンECU60は、温度センサ40で検出された還流ガスの温度Tgが予め設定された異常検出しきい値Taを超えているか否かを判定する。
還流ガスの温度Tgが所定の温度の異常検出しきい値Ta以下とならない場合(ステップS70でNO)、エンジンECU60は、EGRクーラ30は正常に機能していると診断して、ステップS10に処理を戻す。
一方、ステップS70で、還流ガスの温度Tgが所定の温度の異常検出しきい値Taを上回る場合(ステップS70でYES)、エンジンECU60はステップS80に処理を進め、EGRクーラ30が異常な状態であると診断して処理を終了する。
このような処理に従って制御することによって、EGRクーラ30の異常診断装置は、冷却能力を超える高負荷では診断を禁止することにより誤診断を防止するとともに、高負荷(禁止領域B)から低負荷(許可領域A)にエンジン10の運転状態が移行した際に、禁止状態を所定期間継続することで、温度の遷移遅れによる誤判定を防止することができる。
なお、この実施の形態の異常診断装置では、異常診断が可能な領域に復帰させる場合についても、還流ガスの流量と比例してエアフローメータ75で検出可能な吸入空気量Iaを用いて、禁止領域Bと許可領域Aとの間のしきい値を設定しているが、図3に示すように、水温Twに還流ガスの温度Tgがクロスする位置に相当する吸入空気量Iaを用いてしきい値を設定してもよい。
また、エアフローメータ75に代えて、たとえば図2に示すアクセル開度センサ160などを用いて、エンジン10の負荷状態を判定してもよい。
さらに、遅延を時間で定めても良いし、所定の温度まで低下したことに応答して診断を再開するようにしてもよい。具体的には、冷却水の水温Twよりも低い第2の所定の温度まで、還流ガスの温度Tgが低下したタイミングで異常診断の禁止を解除して、診断可能な領域に復帰させるように構成してもよい。
最後に、本発明の実施の形態の車両100の異常診断装置について総括する。図1,図2を参照して、異常診断装置は、エンジン10を動力源とする車両100に設けられ、エンジン10の排気管90から吸気管80に還流される還流ガスを冷却水によって冷却するEGRクーラ30の異常診断を行なう異常診断装置である。異常診断装置は、還流ガスの温度を検出する温度センサ40と、温度センサ40で検出された還流ガスの温度が所定温度を上回る場合、EGRクーラ30の異常と診断するように構成されたエンジンECU60を備える。エンジンECU60は、エンジン10の運転状態が異常診断可能な許可領域の範囲外である禁止領域の場合には、EGRクーラ30の異常診断を禁止するとともに、エンジン10の運転状態が禁止領域から許可領域に復帰した場合であっても、許可領域に復帰した時点から所定期間が経過するまでの間は異常診断が禁止された状態を維持する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 変速機、3 駆動輪、4 出力軸、5 駆動軸、9 蓄電装置、10 エンジン、20 還流通路、30 EGRクーラ、40 温度センサ、50 冷却水温センサ、60 エンジンECU、70 スロットルバルブ、72 スロットルアクチュエータ、74 スロットル開度センサ、75 エアフローメータ、80 吸気管、81 エアフィルタ、90 排気管、100 車両、110 ラジエータ、120 EGRバルブ、130 EGRバルブアクチュエータ、140 冷却水通路、150 冷却水ポンプ、160 アクセル開度センサ。

Claims (1)

  1. エンジンを動力源とする車両に設けられ、前記エンジンの排気管から吸気管に還流される還流ガスを冷却水によって冷却するEGRクーラの異常診断を行なう異常診断装置であって、
    前記還流ガスの温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサで検出された還流ガスの温度が所定温度を上回る場合に、前記EGRクーラの異常と診断するように構成された制御部とを備え、
    前記制御部は、前記エンジンの運転状態が異常診断可能な許可領域の範囲外である禁止領域の場合には、前記EGRクーラの異常診断を禁止するとともに、前記エンジンの運転状態が前記禁止領域から前記許可領域に復帰した場合であっても、前記許可領域に復帰した時点から所定期間が経過するまでの間は前記異常診断が禁止された状態を維持する、異常診断装置。
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