JP2011017296A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents
内燃機関の排気還流装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011017296A JP2011017296A JP2009162892A JP2009162892A JP2011017296A JP 2011017296 A JP2011017296 A JP 2011017296A JP 2009162892 A JP2009162892 A JP 2009162892A JP 2009162892 A JP2009162892 A JP 2009162892A JP 2011017296 A JP2011017296 A JP 2011017296A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling water
- exhaust
- internal combustion
- combustion engine
- egr
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
Abstract
【課題】燃費の悪化を招くことなく、EGRクーラーによるEGRガスの過冷却を抑制することのできる内燃機関の排気還流装置を提供する。
【解決手段】排気の一部をEGRガスとして吸気通路へと還流するEGRガス還流通路と、内燃機関1を通じて冷却水が循環される冷却水通路上に設けられて、その冷却水通路を流れる冷却水とEGRガスとの間で熱交換を行うEGRクーラー12と、冷却水通路上の内燃機関1とEGRクーラー12との間に設けられて、内燃機関1の排気通路を流れる排気と冷却水との間で熱交換を行う排気冷却装置5とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】排気の一部をEGRガスとして吸気通路へと還流するEGRガス還流通路と、内燃機関1を通じて冷却水が循環される冷却水通路上に設けられて、その冷却水通路を流れる冷却水とEGRガスとの間で熱交換を行うEGRクーラー12と、冷却水通路上の内燃機関1とEGRクーラー12との間に設けられて、内燃機関1の排気通路を流れる排気と冷却水との間で熱交換を行う排気冷却装置5とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、排気の一部をEGRガスとして吸気通路へと還流させる内燃機関の排気還流装置に関する。
周知のように、車載等の内燃機関に採用される装置として、内燃機関の排気の一部を吸気通路に還流する排気還流装置(EGR装置)がある。こうしたEGR装置による排気の還流によれば、内燃機関の燃焼温度を低下させることでの内燃機関のNOx排出量の低減や、不活性ガスであるEGRガスの新気への付加による内燃機関のポンプ損失の低減などを図ることができる。
ここで、吸気に還流されるEGRガスが高温であると、内燃機関の燃焼室に充填される吸気の温度が高くなり、吸気の密度が低下して、機関出力の低下を招く。そこで、EGRガスを冷却するEGRクーラーをEGR装置に設置することがある。EGRクーラーは、内燃機関を通じて冷却水が循環される冷却水通路上に設けられて、同通路を流れる冷却水とEGRガスとの間で熱交換を行う熱交換器として構成されている。
なお、こうしたEGRクーラーを備えるEGR装置では、内燃機関の冷間始動時には、冷却水の温度が低いため、EGRクーラーにおいてEGRガスが過冷却されることがある。EGRガスが過冷却されると、吸気温度が低くなり、燃焼温度が過度に低下するため、燃焼が不安定となってしまう。そこで従来、特許文献1には、冷却水通路のEGRクーラーの上流に燃焼式ヒーターを設置し、冷却水温が過度に低いときに燃焼式ヒーターを点火してEGRクーラーに導入される冷却水を加熱するEGR装置が提案されている。
こうした従来のEGR装置によれば、機関冷間時にも、EGRクーラーには、燃焼式ヒーターにより加熱された冷却水が導入されるようになるため、EGRガスの過冷却を抑制することが確かに可能ではある。しかしながら、燃焼式ヒーターの燃焼には、燃料の消費が必要であり、その消費分、燃費が悪化してしまうようになる。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、燃費の悪化を招くことなく、EGRクーラーによるEGRガスの過冷却を抑制することのできる内燃機関の排気還流装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、排気の一部をEGRガスとして吸気通路へと還流するEGRガス還流通路と、内燃機関を通じて冷却水が循環される冷却水通路上に設けられて、同通路を流れる冷却水と前記EGRガスとの間で熱交換を行うEGRクーラーと、前記冷却水通路上の前記内燃機関と前記EGRクーラーとの間に設けられて、前記内燃機関の排気通路を流れる排気と前記冷却水との間で熱交換を行う熱交換器と、を有することを要旨とする。
請求項1に記載の発明は、排気の一部をEGRガスとして吸気通路へと還流するEGRガス還流通路と、内燃機関を通じて冷却水が循環される冷却水通路上に設けられて、同通路を流れる冷却水と前記EGRガスとの間で熱交換を行うEGRクーラーと、前記冷却水通路上の前記内燃機関と前記EGRクーラーとの間に設けられて、前記内燃機関の排気通路を流れる排気と前記冷却水との間で熱交換を行う熱交換器と、を有することを要旨とする。
同構成によれば、EGRクーラーに導入される冷却水は、熱交換器で排気と熱交換されることによって昇温された後、EGRクーラーに至る。すなわち、冷却水は燃焼式ヒーターのような特別に燃料を消費する手段によって昇温されるのではなく、排気の熱を利用して昇温される。その結果、燃費の悪化を招くことなく、EGRクーラーによってEGRガスが過冷却されることを抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排気還流装置において、前記内燃機関の前記冷却水の温度が低いときには、前記熱交換器を通過した前記冷却水を前記EGRクーラーに導入し、前記内燃機関の前記冷却水の温度が高いときには、前記熱交換器を通過しない前記冷却水を前記EGRクーラーに導入するように前記冷却水通路における前記冷却水の流れを切り替える切替手段を備えることを要旨とする。
内燃機関の冷却水の温度が低いときにあっては、EGRガスの過冷却を抑制するためにEGRクーラーに導入される冷却水は昇温されることが好ましい。一方、内燃機関の冷却水の温度が高いときにEGRクーラーに導入される冷却水が昇温されてしまうと、EGRガスとEGRクーラーを流れる冷却水との温度差が小さくなり、両者の間で十分な熱交換がされなくなってしまう。その結果、EGRクーラーを通過したEGRガスは高温状態に維持されて吸気の密度が低下し、機関出力の低下を招く虞がある。
この点、同構成によれば、内燃機関の冷却水温度が低いときにはEGRクーラーでのEGRガスの過冷却が抑制されるように、また内燃機関の冷却水温度が高いときにはEGRクーラーでEGRガスがより冷却されるように、内燃機関の冷却水温度に応じてEGRクーラーに導入される冷却水の流れが切り替えられる。したがって、EGRクーラーによるEGRガスの冷却を適切に行うことができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気循環装置において、前記切替手段は、前記熱交換器を通過した前記冷却水の前記EGRクーラーへの導入と前記熱交換器を通過しない前記冷却水の前記EGRクーラーへの導入との切り替えに際して、前記熱交換器を通過した前記冷却水の前記EGRクーラーへの導入量と前記熱交換器を通過しない前記冷却水の前記EGRクーラーへの導入量との比率を徐々に変化させるように構成されてなることを要旨とする。
同構成によれば、熱交換器を通過してEGRクーラーに導入される冷却水と、熱交換器を通過しないでEGRクーラーに導入される冷却水との間に温度差がある場合であっても、EGRクーラーに導入されるこれらの冷却水の切替が徐々に行われる。そのため、EGRクーラー内の冷却水の急激な温度変化を抑えることができる。従って、例えば急激な温度変化によるEGRクーラーの損傷等を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気循環装置において、前記切替手段は、前記冷却水通路における前記冷却水の流れを開度調節を通じて切り替える切替弁からなり、前記冷却水の流れを切り替えるときには前記切替弁の開度は徐々に変化されてなることを要旨とする。
同構成によれば、熱交換器を通過してEGRクーラーに導入される冷却水と、熱交換器を通過しないでEGRクーラーに導入される冷却水との間に温度差がある場合であっても、EGRクーラーに導入されるこれらの冷却水の切替が切替弁の開度調節によって徐々に行われる。そのため、EGRクーラー内の冷却水の急激な温度変化を抑えることができる。従って、例えば急激な温度変化によるによるEGRクーラーの損傷等を抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気循環装置において、前記熱交換器は、前記排気通路の周囲に前記冷却水を流すことで排気の冷却を行う排気冷却装置であることを要旨とする。
同構成によれば、EGRクーラーに導入される冷却水は、排気冷却用に設置された排気冷却装置において、排気の熱を利用して昇温される。したがって、従来のように発熱構造の必要な燃焼式ヒーターを設ける場合と比較して、より簡易な構成にてEGRクーラーに導入される冷却水を昇温させることができるようになり、例えば部品点数の削減等を図ることも可能になる。
ちなみに、内燃機関から排出された排気の温度は、排気下流側に向かうにつれて低下していく傾向がある。従って、同構成においては、可能な限り排気上流側に上記排気冷却装置を設けることにより、冷却水を効果的に昇温させることができる。
以下、この発明にかかる内燃機関の排気還流装置を具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に、本実施形態における排気還流装置が設けられたガソリンエンジン(以下、内燃機関という)の吸排気系を示す。この図1に示すように、内燃機関1には吸気通路4が接続されている。吸気通路4の途中にはサージタンク2が設けられている。また、吸気通路4にあってサージタンク2の上流側には吸入空気量を調量するスロットルバルブ3が設けられている。
図1に、本実施形態における排気還流装置が設けられたガソリンエンジン(以下、内燃機関という)の吸排気系を示す。この図1に示すように、内燃機関1には吸気通路4が接続されている。吸気通路4の途中にはサージタンク2が設けられている。また、吸気通路4にあってサージタンク2の上流側には吸入空気量を調量するスロットルバルブ3が設けられている。
また、内燃機関1の排気ポート出口には排気冷却装置5が設けられている。この排気冷却装置5は、排気通路を構成する管部5aと同管部5aを取り囲む水冷部5bとで構成されており、同水冷部5bには内燃機関1の冷却水が供給される。この排気冷却装置5は、内燃機関1の排気通路を流れる排気と冷却水との間で熱交換を行う上記熱交換器を構成する。
排気冷却装置5には排気通路6が接続されている。また、排気通路6の途中には排気を浄化する触媒7が設けられている。
この内燃機関1では、吸気通路4を通過した新気と燃料噴射弁から噴射された燃料との混合気が燃焼室で燃焼され、燃焼によって生じた排気は、排気冷却装置5の管部5a、排気通路6、及び触媒7を通過した後、大気へと排出される。ここで、排気冷却装置5にあってその管部5aの周囲には冷却水が流されている。従って、排気が管部5aを通過するときに冷却水との間で熱交換が行われて、水冷部5b内の冷却水の温度は上昇し、管部5aを通過する排気の温度は低下する。これにより排気冷却装置5よりも排気下流側に配設された上記触媒7等の部品に対して、排気熱による熱害の影響が抑制される。
この内燃機関1では、吸気通路4を通過した新気と燃料噴射弁から噴射された燃料との混合気が燃焼室で燃焼され、燃焼によって生じた排気は、排気冷却装置5の管部5a、排気通路6、及び触媒7を通過した後、大気へと排出される。ここで、排気冷却装置5にあってその管部5aの周囲には冷却水が流されている。従って、排気が管部5aを通過するときに冷却水との間で熱交換が行われて、水冷部5b内の冷却水の温度は上昇し、管部5aを通過する排気の温度は低下する。これにより排気冷却装置5よりも排気下流側に配設された上記触媒7等の部品に対して、排気熱による熱害の影響が抑制される。
他方、内燃機関1には、排気の一部をEGRガスとして吸気通路4に還流する排気還流装置(以下、EGR装置という)が設けられている。このEGR装置には、排気通路6にあって触媒7の排気上流側から分岐されたEGRガス還流通路10が設けられており、このEGRガス還流通路10は上記サージタンク2に接続されている。また、EGRガス還流通路10の途中には、EGRガスと冷却水との間で熱交換を行うEGRクーラー12や、同通路10を流れるEGRガスの量を調整するEGR制御弁11が配設されている。排気通路6を通る排気の一部はEGRガスとしてEGRガス還流通路10に導入され、EGRクーラー12にて熱交換された後、吸気通路4へ還流されて新気とともに再び内燃機関1の燃焼室に導入される。こうした排気還流制御を実行してEGRガスを還流させることにより、混合気の燃焼温度が低下してNOxの排出量が低減される。また、EGRガスが吸気通路4に還流されると、燃焼室への新気の導入量が減少するため、そうした新気の導入量の減少を補うためにスロットルバルブ3の開度は大きくされ、これにより内燃機関1のポンプ損失が低減される。
図2に、本実施形態におけるEGR装置、より具体的にはEGRクーラー12の冷却系を示す。
この図2に示すように、内燃機関1の内部に形成された冷却水通路(例えばウォータジャケット等)に導入されて機関熱により昇温された冷却水の一部は、上記排気冷却装置5の水冷部5bに導入される。この水冷部5bには第1冷却水通路25の一端が接続されており、同第1冷却水通路25の他端は、切替弁である4方弁22に接続されている。なお、この4方弁22は、上記切替手段を構成する。
この図2に示すように、内燃機関1の内部に形成された冷却水通路(例えばウォータジャケット等)に導入されて機関熱により昇温された冷却水の一部は、上記排気冷却装置5の水冷部5bに導入される。この水冷部5bには第1冷却水通路25の一端が接続されており、同第1冷却水通路25の他端は、切替弁である4方弁22に接続されている。なお、この4方弁22は、上記切替手段を構成する。
この4方弁22は開度調整可能な弁体を有した電磁弁であって、同弁体の開度が制御されることにより、4方弁22を通過する冷却水の流れが切り替えられる。4方弁22の弁体はデューティ制御により開度が調整される。この4方弁22には、第1入口ポート22a、第2入口ポート22b、第1出口ポート22c、及び第2出口ポート22dが設けられている。これら各ポートのうち、第1入口ポート22aには上記第1冷却水通路25が接続されている。
第2入口ポート22bには、第2冷却水通路26の一端が接続されており、同第2冷却水通路26の他端は、内燃機関1のウォータジャケット出口に接続されている。
第1出口ポート22cには、第3冷却水通路27の一端が接続されており、同第3冷却水通路27の他端はサーモスタット40に接続されている。
第1出口ポート22cには、第3冷却水通路27の一端が接続されており、同第3冷却水通路27の他端はサーモスタット40に接続されている。
このサーモスタット40には、入口ポート40a、ラジエータ側ポート40b、及びバイパス側ポート40cが設けられており、入口ポート40aに上記第3冷却水通路27が接続されている。サーモスタット40のバイパス側ポート40cは、第4冷却水通路28を介して、冷却水循環用のウォーターポンプ21に設けられた吸入口に接続されている。
なお、ウォーターポンプ21の吐出口は、内燃機関1の内部に形成された上記冷却水通
路に接続されている。サーモスタット40のラジエータ側ポート40bは、第5冷却水通路41を介して放熱器であるラジエータ42の入口ポートに接続されており、ラジエータ42の出口ポートは、第6冷却水通通路43を介して上記第4冷却水通路28に接続されている。なお、このサーモスタット40は、周知のサーモスタットである。すなわち、内燃機関1の暖機が完了するまでは、入口ポート40a及びバイパス側ポート40cが連通されるとともに、ラジエータ側ポート40bは閉鎖されることにより、第3冷却水通路27と第4冷却水通路28とが連通されて、冷却水はラジエータ42を通過することなく内燃機関1に導入される。一方、内燃機関1の暖機が完了すると、入口ポート40a及びラジエータ側ポート40bが連通されるとともに、バイパス側ポート40cは閉鎖されることにより、第3冷却水通路27と第5冷却水通路41とが連通されて、冷却水はラジエータ42にて冷却された後に内燃機関1に導入される。
路に接続されている。サーモスタット40のラジエータ側ポート40bは、第5冷却水通路41を介して放熱器であるラジエータ42の入口ポートに接続されており、ラジエータ42の出口ポートは、第6冷却水通通路43を介して上記第4冷却水通路28に接続されている。なお、このサーモスタット40は、周知のサーモスタットである。すなわち、内燃機関1の暖機が完了するまでは、入口ポート40a及びバイパス側ポート40cが連通されるとともに、ラジエータ側ポート40bは閉鎖されることにより、第3冷却水通路27と第4冷却水通路28とが連通されて、冷却水はラジエータ42を通過することなく内燃機関1に導入される。一方、内燃機関1の暖機が完了すると、入口ポート40a及びラジエータ側ポート40bが連通されるとともに、バイパス側ポート40cは閉鎖されることにより、第3冷却水通路27と第5冷却水通路41とが連通されて、冷却水はラジエータ42にて冷却された後に内燃機関1に導入される。
上記4方弁22の第2出口ポート22dには、第7冷却水通路29の一端が接続されており、同第7冷却水通路29の他端は、EGRクーラー12の入口ポートに接続されている。EGRクーラー12の出口ポートには、第8冷却水通路30の一端が接続されており、同第8冷却水通路30の他端は、上記第3冷却水通路27にあって上記サーモスタット40の上流側に接続されている。
先の図1や図2に示すように、内燃機関1の機関運転状態等は各種センサによって検出される。例えば、エアフロメータ60により、内燃機関1に吸入される空気の量(吸入空気量GA)が検出される。また、クランクポジションセンサ61により、内燃機関1のクランクシャフトの回転角度、すなわちクランク角度が検出され、その検出信号に基づいて機関回転速度NEが算出される。また、水温センサ62により、内燃機関1の冷却水の温度(冷却水温THW)が検出される。
内燃機関1の各種制御は、電子制御装置8によって行われる。この電子制御装置8は、各種制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。電子制御装置8は、各種センサにて検出された機関運転状態に応じて、内燃機関1の燃料噴射制御、点火時期制御、スロットルバルブ3の開度制御等を行うとともに、上記EGR制御弁11の開度制御や上記4方弁22の開度制御を通じて上記排気還流制御を行う。
図3に、上記排気還流制御の処理手順を示す。なお、本処理は電子制御装置8によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、冷却水温THWが読み込まれ(S100)、次に冷却水温THWが第1判定温度T1を超えているか否かが判定される(S110)。この第1判定温度T1としては、内燃機関1の暖機が完了しているか否かを判定することのできる値が設定されている。
本処理が開始されるとまず、冷却水温THWが読み込まれ(S100)、次に冷却水温THWが第1判定温度T1を超えているか否かが判定される(S110)。この第1判定温度T1としては、内燃機関1の暖機が完了しているか否かを判定することのできる値が設定されている。
そして、冷却水温THWが第1判定温度T1以下である場合には(S110:NO)、現在、内燃機関1の暖機が完了していないと判断できる程度に冷却水温THWは低いと判断されて、暖機モードが実行される(S140)。
この暖機モードでは、図4(a)に示すように、4方弁22の第1入口ポート22aと第2出口ポート22dとが連通し、かつ4方弁22の第2入口ポート22bと第1出口ポート22cとの連通が遮断されるように同4方弁22に設けられた弁体の開度調整が行われる。より具体的には、弁体の開度は最小開度にされる。これにより、EGRクーラー12には、排気冷却装置5に接続された第1冷却水通路25を介して冷却水が導入される。すなわち、排気冷却装置5にて昇温された冷却水のみがEGRクーラー12に供給される。
このステップS140の処理が行われると、次に、冷却水温THWが第2判定温度T2を超えているか否かが判定される(S150)。この第2判定温度T2は上記第1判定温度T1よりも低い温度が設定されている。より詳細には、次のような値が設定されている。すなわち、機関温度が過度に低いときに低温のEGRガスが吸気通路4に還流されると混合気の燃焼状態が悪化するため、EGRガスを還流させるときの機関温度は、燃焼状態の悪化を抑えるために最低限必要な温度以上になっている必要がある。そこで、燃焼状態の悪化を抑えるために最低限必要な機関温度になっているときの冷却水温THWが予めの実験等を通じて求められており、そうして求められた冷却水温THWが上記第2判定温度T2として設定されている。
そして、冷却水温THWが第2判定温度T2を超えている場合には(S150:YES)、EGRガスの還流を行うべくEGR制御弁11は開弁されて(S130)、本処理は一旦終了される。なお、EGR制御弁11の開弁に際しては、EGRガスの還流量が機関運転状態に応じた量となるように同EGR制御弁11の開度制御が行われる。例えば、低回転低負荷領域ほどEGRガスの還流量が多くなるようにEGR制御弁11の開度制御が行われる。
他方、上記ステップS110にて、冷却水温THWが第1判定温度T1を超えていると判定される場合には(S110:YES)、現在、内燃機関1の暖機が完了していると判断できる程度に冷却水温THWは高いと判断されて、暖機完了モードが実行される(S120)。
この暖機完了モードでは、図4(b)に示すように、4方弁22の第2入口ポート22bと第2出口ポート22dとが連通し、かつ4方弁22の第1入口ポート22aと第1出口ポート22cとが連通されるように同4方弁22に設けられた弁体の開度調整が行われる。より具体的には弁体の開度は最大開度にされる。これにより、EGRクーラー12には、内燃機関1のウォータジャケット出口に直接接続された第2冷却水通路26からの冷却水のみが導入される。すなわち、排気冷却装置5にて昇温されていない冷却水のみ、換言すれば排気冷却装置5にて昇温される前の冷却水と略同一の温度になっている冷却水のみがEGRクーラー12に供給される。
なお、ステップS120での暖機完了モードの実行に際して、4方弁22の弁体が既に最大開度に設定されている場合には、その最大開度の維持が行われる。一方、暖機完了モードの実行に際して、4方弁22の弁体が最大開度に設定されていない場合には、最大開度になるように弁体の開度が徐々に増大されていく。
そして、ステップS120の処理が行われると、上記ステップS130の処理、すなわちEGRガスの還流を行うべくEGR制御弁11は開弁されて、本処理は一旦終了される。なお、この場合にもEGR制御弁11の開弁に際しては、EGRガスの還流量が機関運転状態に応じた量となるように、同EGR制御弁11の開度は調整される。
次に、図5及び先の図4を参照して、冷間始動された内燃機関1の暖機過程における本実施形態のEGRクーラー12の入口水温TE等の変化態様を示す。
なお、同図5の実線L1には、本実施形態におけるEGRクーラー12の入口水温TEの推移を示す。また、一点鎖線L2には、本実施形態に対する比較例でのEGRクーラー12の入口水温TEの推移を示す。この比較例は、常に内燃機関1のウォータジャケット出口から直接供給される冷却水のみがEGRクーラー12に導入される場合の同EGRクーラー12の入口水温TEの推移、すなわち排気冷却装置5で昇温されていない冷却水のみが常にEGRクーラー12に導入される場合の同EGRクーラー12の入口水温TEの推移を示す。
なお、同図5の実線L1には、本実施形態におけるEGRクーラー12の入口水温TEの推移を示す。また、一点鎖線L2には、本実施形態に対する比較例でのEGRクーラー12の入口水温TEの推移を示す。この比較例は、常に内燃機関1のウォータジャケット出口から直接供給される冷却水のみがEGRクーラー12に導入される場合の同EGRクーラー12の入口水温TEの推移、すなわち排気冷却装置5で昇温されていない冷却水のみが常にEGRクーラー12に導入される場合の同EGRクーラー12の入口水温TEの推移を示す。
内燃機関1が冷間始動されると冷却水温THWは徐々に高くなっていき、この冷却水温THWの上昇により入口水温TEも徐々に上昇していく。ここで、機関始動直後における冷却水温THWは、上記第1判定温度T1や上記第2判定温度T2よりも低くなっているため、上記暖機モードが実行されて4方弁22の弁体は最小開度に設定されるとともに、EGR制御弁11は閉弁状態にされる。
この暖機モードでは、先の図4(a)に示したように、排気冷却装置5に接続された第1冷却水通路25を介してのみEGRクーラー12には冷却水が導入されるため、排気冷却装置5を通過した冷却水、すなわち排気冷却装置5にて昇温された冷却水のみがEGRクーラー12に供給される。従って、EGRクーラー12に導入される冷却水は、機関本体からの受熱のみならず排気冷却装置5からの受熱によっても昇温されている。一方、比較例におけるEGRクーラー12には、機関本体からの受熱によって昇温された冷却水が導入される。従って、実線L1にて示すように本実施形態での入口水温TEは、一点鎖線L2で示される比較例での入口水温TEに比して、排気冷却装置5による冷却水の昇温分だけ早期に上昇するとともに高温の状態に維持される。
そして、冷却水温THWが上記第2判定温度T2を超えると(時刻t1)、EGR制御弁11は開弁状態にされて吸気通路4へのEGRガスの導入が開始される。
第2判定温度T2を超えた冷却水温THWが更に上昇していき、上記第1判定温度T1を超えると(時刻t2)、上記暖機完了モードが実行される。ここで、時刻t2においては、それまで4方弁22の弁体が最小開度に設定されていたため、上記ステップS120での処理にて説明したように、4方弁22の弁体は、最小開度から最大開度に向けて徐々に増大されていく。こうした、いわば暖機モードから暖機完了モードへの移行過程では、4方弁22の弁体の開度が徐々に増大されていくため、EGRクーラー12に供給される冷却水の量については、排気冷却装置5にて昇温された冷却水の量は減少していく一方、排気冷却装置5にて昇温されていない冷却水の量は増大していく。すなわち、排気冷却装置5を通過した冷却水のEGRクーラー12への導入量と、排気冷却装置5を通過しない冷却水のEGRクーラー12への導入量との比率が徐々に変化するように、4方弁22の弁体の開度は変更されていく。これにより、EGRクーラー12の入口水温TEは徐々に低下していく。
第2判定温度T2を超えた冷却水温THWが更に上昇していき、上記第1判定温度T1を超えると(時刻t2)、上記暖機完了モードが実行される。ここで、時刻t2においては、それまで4方弁22の弁体が最小開度に設定されていたため、上記ステップS120での処理にて説明したように、4方弁22の弁体は、最小開度から最大開度に向けて徐々に増大されていく。こうした、いわば暖機モードから暖機完了モードへの移行過程では、4方弁22の弁体の開度が徐々に増大されていくため、EGRクーラー12に供給される冷却水の量については、排気冷却装置5にて昇温された冷却水の量は減少していく一方、排気冷却装置5にて昇温されていない冷却水の量は増大していく。すなわち、排気冷却装置5を通過した冷却水のEGRクーラー12への導入量と、排気冷却装置5を通過しない冷却水のEGRクーラー12への導入量との比率が徐々に変化するように、4方弁22の弁体の開度は変更されていく。これにより、EGRクーラー12の入口水温TEは徐々に低下していく。
そして、4方弁22の弁体が最大開度に達することで暖機完了モードへの移行が完了すると(時刻t3)、これ以降、4方弁22の弁体は最大開度に維持される。
このようにして暖機完了モードへの移行が完了すると、先の図4(b)に示したように、内燃機関1のウォータジャケット出口に直接接続された第2冷却水通路26を介してのみEGRクーラー12には冷却水が導入される。そのため、排気冷却装置5を通過していない冷却水、すなわち排気冷却装置5にて昇温されていない冷却水のみがEGRクーラー12に供給される。従って、時刻t3以降では、実線L1にて示される本実施形態での入口水温TEは、比較例での入口水温TEとほぼ同じになる。
このようにして暖機完了モードへの移行が完了すると、先の図4(b)に示したように、内燃機関1のウォータジャケット出口に直接接続された第2冷却水通路26を介してのみEGRクーラー12には冷却水が導入される。そのため、排気冷却装置5を通過していない冷却水、すなわち排気冷却装置5にて昇温されていない冷却水のみがEGRクーラー12に供給される。従って、時刻t3以降では、実線L1にて示される本実施形態での入口水温TEは、比較例での入口水温TEとほぼ同じになる。
このようにて本実施形態での入口水温TEは推移することにより、比較例に比して、図5に斜線で示す面積Hの分だけ、本実施形態ではEGRクーラー12を通過するときのEGRガスの受熱量が増大するようになる。
本実施形態のEGR装置では、上述した暖機モードが実行されることにより次の効果を得ることができる。
まず、EGRガスの導入に際して暖機モードが実行されているため、排気冷却装置5において排気により昇温された冷却水がEGRクーラー12に導入されている。従って、内燃機関1の暖機途中においてEGRガスは過冷却されることなく還流され、これにより過冷却されたEGRガスが還流されることによる燃焼の不安定化を抑えることができる。
まず、EGRガスの導入に際して暖機モードが実行されているため、排気冷却装置5において排気により昇温された冷却水がEGRクーラー12に導入されている。従って、内燃機関1の暖機途中においてEGRガスは過冷却されることなく還流され、これにより過冷却されたEGRガスが還流されることによる燃焼の不安定化を抑えることができる。
また、そうしたEGRガスの過冷却を抑えるための熱源が、従来のような燃料消費を伴う燃焼式ヒーターの燃焼熱ではなく、排気の熱となっている。従って、燃費の悪化を招くことなく、EGRガスの過冷却を抑えることができる。
また、先の図5に示したように、本実施形態の入口水温TE(実線L1)は、比較例での入口水温TE(一点鎖線L2)に比して早期に上昇するため、本実施形態では、EGRガスの温度も比較例似比して早期に上昇する。従って、燃焼悪化を招くEGRガスの低温領域をより早期に脱するようになり、比較例よりも早い時期にEGRガスの導入を開始することができる。そのため、EGRガス導入による上記効果を、暖機中のより早い時期から得ることが可能になる。
また、本実施形態の吸排気系では排気冷却装置5を通過した排気の一部をEGRガスとして取り出すようにしている。従って、排気冷却装置5を通過していない排気をEGRガスとして取り出す場合、あるいは排気冷却装置5を備えていない場合に比べて、本実施形態のEGR装置では取り出されたEGRガスの温度が低温になっている。したがって、このままでは、内燃機関1の暖機中にEGRガスを還流させた場合、取り出されたEGRガスがEGRクーラー12を通過することで更に低温化する虞がある。しかし、本実施形態のEGR装置では、内燃機関1の暖機中において、排気冷却装置5で昇温された冷却水がEGRクーラー12に導入されるため、排気冷却装置5にて排気から奪われた熱量がEGRクーラー12にて再度排気に与えられる。したがって、排気冷却装置5を通過した排気の一部をEGRガスとして取り出すようにしている本実施形態のEGR装置においては、EGRクーラー12によるEGRガスの過冷却が抑制される。
他方、本実施形態のEGR装置では、内燃機関1の暖機が完了すると、暖機モードから上述した暖機完了モードに切り替えられることにより次の効果を得ることができる。
まず、内燃機関1が暖機中であり、冷却水の温度が低いときには、上述したようにEGRガスの過冷却を抑制するべく、EGRクーラー12には排気冷却装置5にて昇温された冷却水が導入される。一方、内燃機関1の暖機が完了しており冷却水の温度や排気の温度が高いときにおいて、EGRクーラー12に昇温された冷却水が導入されると、EGRクーラー12を流れる冷却水とEGRガスとの温度差が小さくなり、両者の間で十分な熱交換がされなくなってしまう。その結果、EGRクーラー12を通過したEGRガスは高温状態に維持されて吸気の密度が低下し、機関出力の低下を招く虞がある。
まず、内燃機関1が暖機中であり、冷却水の温度が低いときには、上述したようにEGRガスの過冷却を抑制するべく、EGRクーラー12には排気冷却装置5にて昇温された冷却水が導入される。一方、内燃機関1の暖機が完了しており冷却水の温度や排気の温度が高いときにおいて、EGRクーラー12に昇温された冷却水が導入されると、EGRクーラー12を流れる冷却水とEGRガスとの温度差が小さくなり、両者の間で十分な熱交換がされなくなってしまう。その結果、EGRクーラー12を通過したEGRガスは高温状態に維持されて吸気の密度が低下し、機関出力の低下を招く虞がある。
この点、本実施形態では、冷却水温THWが上記第1判定温度T1を超えており、暖機が完了したと判断できる程度に冷却水の温度が高くなっているときには、上記暖機完了モードが実行される。この暖機完了モードでは、排気冷却装置5を通過していない冷却水がEGRクーラー12に供給される。そのため、暖機完了モードでEGRクーラー12に供給される冷却水の温度は、暖機モードにて供給される冷却水の温度に比して低温であり、これによりEGRクーラー12でのEGRガスと冷却水との熱交換が十分に行われる。従って、暖機完了後において排気冷却装置5を通過した冷却水をEGRクーラー12に導入する場合に比べて、EGRガスの温度がより低温化され、吸気密度の低下に起因する機関出力の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、暖機モードから暖機完了モードへの切り替えに際して、4方弁22の弁体の開度が徐々に増大されていくことにより次の効果を得ることができる。
先の図5に二点鎖線L3にて示すように、時刻t2での暖機モードから暖機完了モードへの切り替えに際して、4方弁22の弁体の開度が最小開度から最大開度に向けて即座に変更されると、EGRクーラー12には排気冷却装置5で昇温されていない冷却水が一気に導入される。そのため、同図5の二点鎖線L4に示すように、入口水温TEは急激に低くなってしまう。こうした場合には、冷却水の急激な温度変化によりEGRクーラー12が損傷してしまう虞がある。この点、本実施形態では4方弁22の弁体の開度が徐々に変更されていくため、EGRクーラー12に供給される冷却水は、排気冷却装置5を通過して昇温された冷却水から、排気冷却装置5を通過していない冷却水へと徐々に切り替えられていく。したがって、EGRクーラー12に導入される冷却水の流れの切り替えに際しては、EGRクーラー12の入口水温TEは徐々に低下していく。そのため、EGRクーラー12に導入される冷却水の急激な温度変化による同EGRクーラー12の損傷を抑制することができる。
先の図5に二点鎖線L3にて示すように、時刻t2での暖機モードから暖機完了モードへの切り替えに際して、4方弁22の弁体の開度が最小開度から最大開度に向けて即座に変更されると、EGRクーラー12には排気冷却装置5で昇温されていない冷却水が一気に導入される。そのため、同図5の二点鎖線L4に示すように、入口水温TEは急激に低くなってしまう。こうした場合には、冷却水の急激な温度変化によりEGRクーラー12が損傷してしまう虞がある。この点、本実施形態では4方弁22の弁体の開度が徐々に変更されていくため、EGRクーラー12に供給される冷却水は、排気冷却装置5を通過して昇温された冷却水から、排気冷却装置5を通過していない冷却水へと徐々に切り替えられていく。したがって、EGRクーラー12に導入される冷却水の流れの切り替えに際しては、EGRクーラー12の入口水温TEは徐々に低下していく。そのため、EGRクーラー12に導入される冷却水の急激な温度変化による同EGRクーラー12の損傷を抑制することができる。
また、本実施形態では、排気と冷却水との熱交換を上記排気冷却装置5によって行うようにしている。この排気冷却装置5では、排気通路を構成する管部5aの周囲に冷却水が流されることで排気の冷却と冷却水の昇温とが行われる。従って、従来のように発熱構造の必要な燃焼式ヒーター設ける場合と比較して、より簡易な構成にてEGRクーラー12に導入される冷却水を昇温させることができるようになり、例えば部品点数の削減等を図ることも可能になる。
ちなみに、内燃機関1から排出された排気の温度は、排気下流側に向かうにつれて低下していく傾向がある。この点、本実施形態では、内燃機関の排気系にあって上流側となる内燃機関1の排気ポートに排気冷却装置5を接続するようにしている。従って、こうした排気ポートよりも下流側に排気冷却装置5を設ける場合と比較して、より高温状態になっている排気と低温の冷却水とを熱交換させることができる。従って、暖機モードにおける冷却水の昇温を効果的に行うこともできる。
以上説明したように、本実施形態のEGR装置によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)EGRガス還流通路10と、内燃機関1を通じて冷却水が循環される冷却水通路上に設けられてEGRガスとの間で熱交換を行うEGRクーラー12と、冷却水通路上の内燃機関1とEGRクーラー12との間に設けられて、内燃機関1の排気と冷却水との間で熱交換を行う排気冷却装置5(熱交換器)と備えるようにしている。
(1)EGRガス還流通路10と、内燃機関1を通じて冷却水が循環される冷却水通路上に設けられてEGRガスとの間で熱交換を行うEGRクーラー12と、冷却水通路上の内燃機関1とEGRクーラー12との間に設けられて、内燃機関1の排気と冷却水との間で熱交換を行う排気冷却装置5(熱交換器)と備えるようにしている。
従って、EGRクーラー12に導入される冷却水は、排気冷却装置5にて排気と熱交換されることによって昇温された後、EGRクーラー12に至る。すなわち、冷却水は、従来の燃焼式ヒーターのような特別に燃料を消費する手段によって昇温されるのではなく、排気の熱を利用して昇温される。その結果、燃費の悪化を招くことなく、EGRクーラー12によってEGRガスが過冷却されることを抑制することができる。
(2)内燃機関1の冷却水の温度が低いときには、排気冷却装置5を通過した冷却水をEGRクーラー12に導入し、内燃機関1の冷却水の温度が高いときには、排気冷却装置5を通過しない冷却水をEGRクーラー12に導入するように冷却水通路における冷却水の流れを切り替える切り替え手段、より具体的には上記4方弁22を備えるようにしている。したがって、EGRクーラー12によるEGRガスの冷却を適切に行うことができる。
(3)冷却水の流れを切り替えるときには4方弁22の開度を徐々に変化させるようにしている。そのため、排気冷却装置5を通過してEGRクーラー12に導入される冷却水と、排気冷却装置5を通過しないでEGRクーラー12に導入される冷却水との間に温度差がある場合であっても、EGRクーラー12に導入されるこれらの冷却水の切替が、4方弁22の開度調節によって徐々に行われる。従って、EGRクーラー12内の冷却水の急激な温度変化を抑えることができ、例えば急激な温度変化によるによるEGRクーラー12の損傷等を抑制することができる。
(4)排気冷却装置5には、内燃機関1の排気通路の一部を構成する管部5aが設けられており、この管部5aの周囲に冷却水を流すことで排気の冷却を行うようにしている。従って、EGRクーラー12に導入される冷却水は、排気冷却用に設置された排気冷却装置5において、排気の熱を利用して昇温される。そのため、従来のように発熱構造の必要な燃焼式ヒーターを設ける場合と比較して、より簡易な構成にてEGRクーラー12に導入される冷却水を昇温させることができるようになり、例えば部品点数の削減等を図ることも可能になる。
(5)排気冷却装置5を排気ポートに接続するようにしている。従って、冷却水を効果的に昇温させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・4方弁22の弁体が最大開度に設定されることで暖機モードにおける冷却水の流れが具現化され、4方弁22の弁体が最小開度に設定されることで暖機完了モードにおける冷却水の流れが具現化されるようにしてもよい。
・暖機モードから暖機完了モードへの移行過程において、4方弁22の弁体の開度を徐々に変更するようにしたが、先の図5に二点鎖線L3にて示したように、即座に変更するようにしてもよい。この場合でも、上記(1)、(2)、(4)、及び(5)に記載の効果を得ることができる。
・上記第1判定温度T1と冷却水温THWとを比較することで冷却水温THWが低いか高いかを判断するようにした。この他、第1判定温度T1よりも高い値に設定された判定温度T0を予め設定しておく。そして、冷却水温THWが第1判定温度T1以下である場合には、冷却水温THWは低いと判断して上記暖機モードを実行し、冷却水温THWが判定温度T0を超えている場合には、冷却水温THWは高いと判断して上記暖機完了モードを実行するようにしてもよい。なお、この場合において、冷却水温THWが第1判定温度T1と判定温度T0との間にあるときには、排気冷却装置5を通過した冷却水と排気冷却装置5を通過しない冷却水とがともに予め定められた比率にてEGRクーラー12に導入されるように、4方弁22の開度を中間開度に維持するようにしてもよい。
・冷却水の流れを切り替える切り替え手段として4方弁22を用いたが、この他の切り替え手段を用いるようにしてもよい。例えば、図6に示すように、2方弁70及び3方弁80を用いるようにしてもよい。この変形例でも、2方弁70及び3方弁80は、弁体の開度を調整可能な電磁弁で構成されており、弁体の開度は電子制御装置8によってデューティ制御される。また、この変形例では、3方弁80の入口ポート80aに上記第1冷却水通路25が接続されており、3方弁80の第1出口ポート80bに上記第3冷却水通路27が接続されており、3方弁80の第2出口ポート80cに上記第7冷却水通路29が接続されている。そして、上記第2冷却水通路26の途中に上記第2冷却水通路26が接続されており、その第2冷却水通路26の途中には、上記2方弁70が設けられている。
そして、冷却水温THWが上記第1判定温度T1以下であり、冷却水の温度が低いと判定されるときには、図6(a)に示すように、第2冷却水通路26内の冷却水の流れが遮断されるように2方弁70は閉弁される。そして、3方弁80については、入口ポート80aと第2出口ポート80cとが連通し、第1出口ポート80bが閉塞されるように弁体の開度が調整されて、排気冷却装置5を通過した冷却水がEGRクーラー12に導入される。これにより、上記実施形態における暖機モードと同一の態様にて冷却水がEGRクーラー12に供給される。
一方、冷却水温THWが上記第1判定温度T1を超えており、内燃機関1の冷却水温度が高いと判定されるときには、図6(b)に示すように、第2冷却水通路26内を冷却水が流れるように2方弁70は開弁される。そして、3方弁80については、入口ポート80aと第1出口ポート80bが連通し、第2出口ポート80cが閉塞されるように弁体の開度が調整されて、排気冷却装置5を通過しない冷却水がEGRクーラー12に導入される。これにより、上記実施形態における暖機完了モードと同一の態様にて冷却水がEGRクーラー12に供給される。
こうした変形例でも上記(1)、(2)、(4)、及び(5)に記載の効果を得ることができる。また、2方弁70及び3方弁80の弁体の開度を変更する際に、その開度を徐々に変更することにより、上記(3)に記載の効果を得ることもできる。
・上記実施形態及びその変形例では、デューティ制御によって弁体の開度を調整するようにしたが、その他の方法で開度を調整するようにしてもよい。例えば、電気的な制御ではなく、機械的機構(例えばばね及びダンパを利用した弁体作動速度の調整や、バイメタルあるいは形状記憶合金など利用した弁体の開度調整など)により徐々に開度が変更されるようにしてもよい。
・また、上記実施形態における4方弁22や、変形例における2方弁70及び3方弁80は電磁弁であったが、これらを温感式の弁(例えばサーモスタットなど)にすることも可能である。この場合には、冷却水温THWが上記第1判定温度T1となったときに、機械的弁の開弁状態が徐々に変更されるように当該機械的弁の特性を調整しておけばよい。
・排気冷却装置5を排気ポートに接続するようにした。この他、排気ポートよりもさらに下流側の排気通路に排気冷却装置5を設けるようにしてもよい。
・EGRガス還流通路10を、排気冷却装置5の管部5aから分岐された通路にて構成するようにしてもよい。この場合には、排気通路6とEGRガス還流通路10との分岐部が排気冷却装置5に一体化されることにより、排気系の省スペース化を図ることができる。
・EGRガス還流通路10を、排気冷却装置5の管部5aから分岐された通路にて構成するようにしてもよい。この場合には、排気通路6とEGRガス還流通路10との分岐部が排気冷却装置5に一体化されることにより、排気系の省スペース化を図ることができる。
・上記実施形態及びその変形例では、内燃機関1の排気通路を流れる排気と冷却水との間で熱交換を行う熱交換器は、内燃機関1の排気通路の周囲に冷却水を流すことで排気の冷却を行う上記排気冷却装置5であった。しかし、熱交換器は同排気冷却装置5に限られるものではなく、要は排気と冷却水との間で熱交換を行う熱交換器であれば、適宜変更して実施することができる。
・4方弁22の開度を徐々に変化させることで、排気冷却装置5を通過した冷却水のEGRクーラー12への導入量と排気冷却装置5を通過しない冷却水のEGRクーラー12への導入量との比率が徐々に変化するようにした。しかし、各導入量の比率の徐変を必ずしも4方弁22の開度変更によって行う必要はなく、他の方法にて適宜行うようにしてもよい。この場合でも、排気冷却装置5を通過してEGRクーラー12に導入される冷却水と、排気冷却装置5を通過しないでEGRクーラー12に導入される冷却水との間に温度差があるときに、EGRクーラー12に導入されるこれらの冷却水の切替が徐々に行われることにより、EGRクーラー12内の冷却水の急激な温度変化を抑えることができる。従って、例えば急激な温度変化によるEGRクーラー12の損傷等を抑制することができる。
・内燃機関1の冷却水の温度が低いときには、排気冷却装置5を通過した冷却水をEGRクーラー12に導入し、同冷却水の温度が高いときには、排気冷却装置5を通過しない冷却水をEGRクーラー12に導入するように冷却水通路における冷却水の流れを切り替えるようにしたが、こうした切り替えを行わないようにしてもよい。より詳細には、冷却水の温度によらず、排気冷却装置5を通過した冷却水が常にEGRクーラー12に導入されるようにしてもよい。こうした変形例は、図7に示すように、先の図2で示した4方弁22、第2冷却水通路26、第7冷却水通路29、及び第8冷却水通路30を省略する。そして、第1冷却水通路25をEGRクーラー12の入口ポートに接続するとともに、第3冷却水通路27をEGRクーラー12の出口ポートに接続することにおり実施することができる。この変形例でも、EGRクーラー12に導入される冷却水は、排気冷却装置5にて排気と熱交換されることによって昇温された後、EGRクーラー12に至る。従って、上記(1)に記載の効果を得ることができる。
・上記実施形態では、本発明をガソリンエンジンに適用したが、ディーゼルエンジンにも同様に適用することができる。
1…内燃機関、2…サージタンク、3…スロットルバルブ、4…吸気通路、5…排気冷却装置、5a…管部、5b…水冷部、6…排気通路、7…触媒、8…電子制御装置、10…EGRガス還流通路、11…EGR制御弁、12…EGRクーラー、21…ウォーターポンプ、22…4方弁、22a…(4方弁の)第1入口ポート、22b…(4方弁の)第2入口ポート、22c…(4方弁の)第1出口ポート、22d…(4方弁の)第2出口ポート、25…第1冷却水通路、26…第2冷却水通路、27…第3冷却水通路、28…第4冷却水通路、29…第7冷却水通路、30…第8冷却水通路、20…サーモスタット、40a…(サーモスタットの)入口ポート、40b…(サーモスタットの)ラジエータ側ポート、40c…(サーモスタットの)バイパス側ポート、41…第5冷却水通路、42…ラジエータ、43…第6冷却水通通路、60…エアフロメータ、61…クランクポジションセンサ、62…水温センサ、70…2方弁、80…3方弁、80a…(3方弁の)入口ポート、80b…(3方弁の)第1出口ポート、80c…(3方弁の)第2出口ポート。
Claims (5)
- 排気の一部をEGRガスとして吸気通路へと還流するEGRガス還流通路と、
内燃機関を通じて冷却水が循環される冷却水通路上に設けられて、同通路を流れる冷却水と前記EGRガスとの間で熱交換を行うEGRクーラーと、
前記冷却水通路上の前記内燃機関と前記EGRクーラーとの間に設けられて、前記内燃機関の排気通路を流れる排気と前記冷却水との間で熱交換を行う熱交換器と、
を有する内燃機関の排気還流装置。 - 請求項1に記載の排気還流装置において、
前記内燃機関の前記冷却水の温度が低いときには、前記熱交換器を通過した前記冷却水を前記EGRクーラーに導入し、前記内燃機関の前記冷却水の温度が高いときには、前記熱交換器を通過しない前記冷却水を前記EGRクーラーに導入するように前記冷却水通路における前記冷却水の流れを切り替える切替手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の排気還流装置。 - 前記切替手段は、前記熱交換器を通過した前記冷却水の前記EGRクーラーへの導入と前記熱交換器を通過しない前記冷却水の前記EGRクーラーへの導入との切り替えに際して、前記熱交換器を通過した前記冷却水の前記EGRクーラーへの導入量と前記熱交換器を通過しない前記冷却水の前記EGRクーラーへの導入量との比率を徐々に変化させるように構成されてなる
請求項2に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記切替手段は、前記冷却水通路における前記冷却水の流れを開度調節を通じて切り替える切替弁からなり、前記冷却水の流れを切り替えるときには前記切替弁の開度は徐々に変化されてなる
請求項2に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記熱交換器は、前記排気通路の周囲に前記冷却水を流すことで排気の冷却を行う排気冷却装置である請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気還流装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009162892A JP2011017296A (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | 内燃機関の排気還流装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009162892A JP2011017296A (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | 内燃機関の排気還流装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011017296A true JP2011017296A (ja) | 2011-01-27 |
Family
ID=43595258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009162892A Pending JP2011017296A (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | 内燃機関の排気還流装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011017296A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013093997A1 (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | トヨタ自動車株式会社 | 冷却システムの制御装置 |
WO2014125570A1 (ja) * | 2013-02-12 | 2014-08-21 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
DE102016125285A1 (de) * | 2016-12-21 | 2018-02-01 | Mtu Friedrichshafen Gmbh | Brennkraftmaschine mit Abgasrückführung |
JP7428593B2 (ja) | 2020-06-03 | 2024-02-06 | ヤマハ発動機株式会社 | エンジンユニット |
-
2009
- 2009-07-09 JP JP2009162892A patent/JP2011017296A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013093997A1 (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | トヨタ自動車株式会社 | 冷却システムの制御装置 |
CN103998739A (zh) * | 2011-12-19 | 2014-08-20 | 丰田自动车株式会社 | 冷却系统的控制装置 |
JPWO2013093997A1 (ja) * | 2011-12-19 | 2015-04-27 | トヨタ自動車株式会社 | 冷却システムの制御装置 |
US9611811B2 (en) | 2011-12-19 | 2017-04-04 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control device for cooling system |
WO2014125570A1 (ja) * | 2013-02-12 | 2014-08-21 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP5943137B2 (ja) * | 2013-02-12 | 2016-06-29 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
US9551270B2 (en) | 2013-02-12 | 2017-01-24 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control device for coolant flow in an internal combustion engine |
JPWO2014125570A1 (ja) * | 2013-02-12 | 2017-02-02 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
DE102016125285A1 (de) * | 2016-12-21 | 2018-02-01 | Mtu Friedrichshafen Gmbh | Brennkraftmaschine mit Abgasrückführung |
JP7428593B2 (ja) | 2020-06-03 | 2024-02-06 | ヤマハ発動機株式会社 | エンジンユニット |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10473063B2 (en) | EGR system for internal-combustion engine | |
US10047704B2 (en) | Control device for internal combustion engine | |
JP2011047305A (ja) | 内燃機関 | |
JP6090138B2 (ja) | エンジンの冷却装置 | |
JP2011214566A (ja) | 車載内燃機関の冷却装置 | |
JP2006348793A (ja) | 内燃機関の排気還流装置 | |
JP4529709B2 (ja) | エンジンの冷却装置 | |
JP5541371B2 (ja) | エンジンの冷却装置 | |
JP2016000971A (ja) | 過給機付き内燃機関システム | |
JP2014009617A (ja) | 内燃機関の冷却装置 | |
JP2018178881A (ja) | Egr冷却装置 | |
JP4292888B2 (ja) | エンジンの冷却装置 | |
JP2011017296A (ja) | 内燃機関の排気還流装置 | |
JP6222157B2 (ja) | 内燃機関の冷却装置 | |
JP6414194B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP6222161B2 (ja) | 内燃機関の冷却装置 | |
JP5994450B2 (ja) | 可変流量型ポンプの制御装置 | |
JP2011214565A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2004197634A (ja) | Egrガスの冷却装置 | |
US8434452B2 (en) | Control device for internal combustion engine | |
JP6306337B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP6911634B2 (ja) | 内燃機関冷却制御装置 | |
JP6648536B2 (ja) | 内燃機関の暖機促進システム | |
JP2017133383A (ja) | 内燃機関の排気還流システム | |
JP2015124672A (ja) | 内燃機関 |