JP2017133383A - 内燃機関の排気還流システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の高負荷運転時にも排気再循環ガスを導入可能とすること。【解決手段】内燃機関20から排出された排気ガスを車外に排出する排気通路LAには、その流路面積を変更する第1の流路調整機構40が設けられている。第1の流路調整機構40より排気ガス流れ上流側の排気通路LAからは、排気ガスを内燃機関20の吸気通路LDに還流する排気再循環通路LBが分岐している。内燃機関20の負荷が第1の所定値以上の場合、第1の流路調整機構40は、排気通路LAの流路面積を制限し、内燃機関20の下流側通路の圧力を上昇させる。【選択図】図7
Description
本発明は、内燃機関の排気還流システムに関する。
従来、内燃機関から排出された排気ガスを吸気通路に還流して再度燃焼に用いることにより、車両の排気性能および燃費の向上を図る排気還流システムが開発されている。
例えば、下記特許文献1には、内燃機関に排気通路を流れる排気の一部を取り出して吸気通路に還流する排気再循環装置と、冷却水と排気通路から取り出された排気の一部との間で熱交換を行う熱交換器と、内燃機関の内部を通じて冷却水を循環させることで内燃機関の冷却を行う冷却装置とを備えており、熱交換器において排気の排熱で冷却水を昇温して内燃機関の暖機を図る技術が開示されている。
例えば、下記特許文献1には、内燃機関に排気通路を流れる排気の一部を取り出して吸気通路に還流する排気再循環装置と、冷却水と排気通路から取り出された排気の一部との間で熱交換を行う熱交換器と、内燃機関の内部を通じて冷却水を循環させることで内燃機関の冷却を行う冷却装置とを備えており、熱交換器において排気の排熱で冷却水を昇温して内燃機関の暖機を図る技術が開示されている。
内燃機関の高負荷運転時は内燃機関の温度が高くなりノッキングが生じやすくなる。ノッキングの抑制には、通常よりも点火タイミングを遅らせる点火リタードや排気再循環ガスの導入が有効である。
しかしながら、従来の排気還流システムでは、内燃機関の負荷が高くなると吸気通路と排気通路との差圧が小さくなり、排気再循環ガスの導入が行えなくなる。このため、点火リタードによってノッキングの抑制を行うのが一般的であるが、点火リタードを行うと内燃機関のエネルギー効率が低下し最大トルクが低減するという課題がある。
しかしながら、従来の排気還流システムでは、内燃機関の負荷が高くなると吸気通路と排気通路との差圧が小さくなり、排気再循環ガスの導入が行えなくなる。このため、点火リタードによってノッキングの抑制を行うのが一般的であるが、点火リタードを行うと内燃機関のエネルギー効率が低下し最大トルクが低減するという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、内燃機関の高負荷運転時にも排気再循環ガスの導入を可能とすることにある。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、内燃機関から排出された排気ガスを車外に排出する排気通路の流路面積を変更する第1の流路調整機構と、前記第1の流路調整機構より排気ガス流れ上流側の前記排気通路から分岐し前記排気ガスを前記内燃機関の吸気通路に還流する排気再循環通路と、を備え、前記内燃機関の負荷が第1の所定値以上の場合、前記第1の流路調整機構は、前記排気通路の流路面積を制限する、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記排気再循環通路の流路面積を変更する第2の流路調整機構を更に備え、前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値以上の場合、前記第2の流路調整機構は前記排気再循環通路の流路面積を最大に維持する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記排気再循環通路上に設けられ、冷却媒体により前記排気ガスを冷却する排気クーラを更に備える、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記排気クーラの排気ガス流れ下流側かつ前記第2の流路調整機構の排気ガス流れ上流側の前記排気再循環通路から分岐し前記第1の流路調整機構より前記排気ガス流れ下流側の前記排気通路へと接続するバイパス通路の流路面積を変更する第3の流路調整機構を更に備え、前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値以上の場合、前記第3の流路調整機構は前記バイパス通路の流路面積を制限する、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値未満の場合、前記第2の流路調整機構は前記排気再循環通路の流路面積を最小にするとともに、前記第1の流路調整機構および前記第3の流路調整機構はそれぞれの調整対象通路の流路面積を制限し、前記第2の流路調整機構より上流の前記排気再循環通路内に前記排気ガスを導入する、ことを特徴とする。
請求項6の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記第3の流路調整機構は、前記バイパス通路の流路面積を前記第1の流路調整機構により制限された前記排気通路の流路面積以下とする、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記排気再循環通路の流路面積を変更する第2の流路調整機構を更に備え、前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値以上の場合、前記第2の流路調整機構は前記排気再循環通路の流路面積を最大に維持する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記排気再循環通路上に設けられ、冷却媒体により前記排気ガスを冷却する排気クーラを更に備える、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記排気クーラの排気ガス流れ下流側かつ前記第2の流路調整機構の排気ガス流れ上流側の前記排気再循環通路から分岐し前記第1の流路調整機構より前記排気ガス流れ下流側の前記排気通路へと接続するバイパス通路の流路面積を変更する第3の流路調整機構を更に備え、前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値以上の場合、前記第3の流路調整機構は前記バイパス通路の流路面積を制限する、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値未満の場合、前記第2の流路調整機構は前記排気再循環通路の流路面積を最小にするとともに、前記第1の流路調整機構および前記第3の流路調整機構はそれぞれの調整対象通路の流路面積を制限し、前記第2の流路調整機構より上流の前記排気再循環通路内に前記排気ガスを導入する、ことを特徴とする。
請求項6の発明にかかる内燃機関の排気還流システムは、前記第3の流路調整機構は、前記バイパス通路の流路面積を前記第1の流路調整機構により制限された前記排気通路の流路面積以下とする、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、内燃機関の負荷が第1の所定値以上の場合、排気通路の流路面積を制限し、内燃機関の下流側通路(排気ガス流れ下流側)の圧力を上昇させるので、下流側通路と吸気流路(内燃機関の上流側通路)との圧力差が大きくなり、排気再循環通路を介して吸気通路内に還流する排気ガス量が増大する。これにより、ノッキングが生じやすい内燃機関の高負荷運転時にも吸気通路への排気ガスの導入が可能となり、点火リタードによる出力低下を防止するとともに、内燃機関のノッキングを回避する上で有利となる。
請求項2の発明によれば、排気再循環通路の流路面積を最大に維持するので、排気通路および排気再循環通路と吸気通路とを連通させ、効率的に排気ガスを吸気通路に導入する上で有利となる。
請求項3の発明によれば、排気再循環通路上に排気クーラが設けられているので、吸気通路には排気クーラで冷却された排気ガスが導入される。これにより、内燃機関の筒内温度の上昇を回避し、より効果的にノッキングを防止する上で有利となる。
請求項4の発明によれば、バイパス通路の流路面積を制限することにより内燃機関の下流側通路の圧力を更に上昇させて、内燃機関の負荷が大きい高負荷運転時でも確実に排気ガスを再循環させる上で有利となる。
請求項5の発明によれば、内燃機関の負荷が小さく吸気通路への排気ガスの導入が行われていない間も排気再循環通路内に排気ガスを導入するので、内燃機関の負荷が大きくなった際に短時間で吸気通路への排気ガスの導入を開始する上で有利となる。
請求項6の発明によれば、排気通路の流路面積よりもバイパス通路の流路面積を小さくするので、排気再循環通路内の排気ガス圧が高くなり、排気ガスを吸気通路に導入する際の移送速度を向上させる上で有利となる。
請求項2の発明によれば、排気再循環通路の流路面積を最大に維持するので、排気通路および排気再循環通路と吸気通路とを連通させ、効率的に排気ガスを吸気通路に導入する上で有利となる。
請求項3の発明によれば、排気再循環通路上に排気クーラが設けられているので、吸気通路には排気クーラで冷却された排気ガスが導入される。これにより、内燃機関の筒内温度の上昇を回避し、より効果的にノッキングを防止する上で有利となる。
請求項4の発明によれば、バイパス通路の流路面積を制限することにより内燃機関の下流側通路の圧力を更に上昇させて、内燃機関の負荷が大きい高負荷運転時でも確実に排気ガスを再循環させる上で有利となる。
請求項5の発明によれば、内燃機関の負荷が小さく吸気通路への排気ガスの導入が行われていない間も排気再循環通路内に排気ガスを導入するので、内燃機関の負荷が大きくなった際に短時間で吸気通路への排気ガスの導入を開始する上で有利となる。
請求項6の発明によれば、排気通路の流路面積よりもバイパス通路の流路面積を小さくするので、排気再循環通路内の排気ガス圧が高くなり、排気ガスを吸気通路に導入する際の移送速度を向上させる上で有利となる。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる内燃機関の排気還流システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
以下の説明において、「上流」、「下流」とは、それぞれ「排気ガス流れ上流」、「排気ガス流れ下流」を指す。
図1は、実施の形態にかかる排気還流システム10の構成を示す説明図である。
内燃機関(エンジン)20から排出された排気ガスは、排気通路LAを通り車外へと排出される。排気通路LA上には、排気ガス中の有害成分を還元および酸化により浄化する触媒22、排気通路LAの流路面積を調整する第1の流路調整機構40、排気ガスが外部へ排出される際に発生する音を低減するマフラー24が設けられている。
以下の説明において、「上流」、「下流」とは、それぞれ「排気ガス流れ上流」、「排気ガス流れ下流」を指す。
図1は、実施の形態にかかる排気還流システム10の構成を示す説明図である。
内燃機関(エンジン)20から排出された排気ガスは、排気通路LAを通り車外へと排出される。排気通路LA上には、排気ガス中の有害成分を還元および酸化により浄化する触媒22、排気通路LAの流路面積を調整する第1の流路調整機構40、排気ガスが外部へ排出される際に発生する音を低減するマフラー24が設けられている。
排気通路LAのうち、第1の流路調整機構40より排気ガス流れ上流側の箇所P1からは、排気ガスを内燃機関20の吸気通路LDに還流する排気再循環通路LBが分岐している。本実施の形態では、排気再循環通路LBを第1の流路調整機構40の上流かつ触媒22の下流としている。排気再循環通路LBを通り内燃機関20で再度燃焼に用いられる排気ガスは、排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)ガスとなる。
内燃機関20の吸気通路LDに還流される排気ガス量は、排気再循環通路LBの流路面積を変更する第2の流路調整機構(EGRバルブ)42を用いて調整する。第2の流路調整機構42は、排気再循環通路LBのうち後述するバイパス通路LCとの分岐位置P2より下流に設けられている。
内燃機関20の吸気通路LDに還流される排気ガス量は、排気再循環通路LBの流路面積を変更する第2の流路調整機構(EGRバルブ)42を用いて調整する。第2の流路調整機構42は、排気再循環通路LBのうち後述するバイパス通路LCとの分岐位置P2より下流に設けられている。
排気再循環通路LB上には、高温の排気ガスを冷却する排気クーラ26が設けられている。排気クーラ26内には冷却液等の冷却媒体が循環し、この冷却媒体と排気ガスとが熱交換を行い、排気ガスを冷却する。
排気クーラ26には、冷却媒体が循環する排気クーラ冷却路28が接続されている。排気クーラ冷却路28は、排気クーラ26と内燃機関20とをつなぎ、排気クーラ26を経た冷却媒体と内燃機関20との間の熱交換を可能とする。
排気クーラ冷却路28内の冷却媒体を循環させ、積極的に排気との熱交換を行うために、ポンプ30を設置してもよい。ポンプ30は、少なくとも内燃機関20の暖機中に稼働するものとする。
排気クーラ26には、冷却媒体が循環する排気クーラ冷却路28が接続されている。排気クーラ冷却路28は、排気クーラ26と内燃機関20とをつなぎ、排気クーラ26を経た冷却媒体と内燃機関20との間の熱交換を可能とする。
排気クーラ冷却路28内の冷却媒体を循環させ、積極的に排気との熱交換を行うために、ポンプ30を設置してもよい。ポンプ30は、少なくとも内燃機関20の暖機中に稼働するものとする。
排気再循環通路LBのうち排気クーラ26の下流からは、排気クーラ26で冷却された排気ガスを吸気通路LDに還流せずに排気通路LAへと排出するバイパス通路LCが分岐している。すなわち、バイパス通路LCは、排気クーラ26の排気ガス流れ下流側かつ第2の流路調整機構44の排気ガス流れ上流側の排気再循環通路LBから分岐し、第1の流路調整機構40より排気ガス流れ下流側の排気通路LAへと接続する。本実施の形態では、バイパス通路LCの他端は、排気通路LA上のマフラー24よりも上流の位置P3に接続している。
また、バイパス通路LCのうち排気再循環通路LBとの分岐位置P2より下流には、バイパス通路LCの流路面積を変更する第3の流路調整機構44が設けられている。
また、バイパス通路LCのうち排気再循環通路LBとの分岐位置P2より下流には、バイパス通路LCの流路面積を変更する第3の流路調整機構44が設けられている。
また、排気再循環通路LBには通路内の圧力を検出する圧力センサ18が設けられている。
本実施の形態では、圧力センサ18が排気再循環通路LBのうち排気クーラ26の下流に設けられているものとするが、圧力センサ18の設置位置は、内燃機関20、第1の流路調整機構40、第2の流路調整機構42および第3の流路調整機構44で囲まれる領域R(図3の網掛け部)の圧力を検出できる箇所であればどこでもよい。例えば、圧力センサ18を排気クーラ26より下流で分岐位置P2より上流の排気再循環通路LBに配置した場合は、排気クーラ26で冷却された排気の圧力を検出するため排気ガスからの熱害を受けにくい。
本実施の形態では、圧力センサ18が排気再循環通路LBのうち排気クーラ26の下流に設けられているものとするが、圧力センサ18の設置位置は、内燃機関20、第1の流路調整機構40、第2の流路調整機構42および第3の流路調整機構44で囲まれる領域R(図3の網掛け部)の圧力を検出できる箇所であればどこでもよい。例えば、圧力センサ18を排気クーラ26より下流で分岐位置P2より上流の排気再循環通路LBに配置した場合は、排気クーラ26で冷却された排気の圧力を検出するため排気ガスからの熱害を受けにくい。
内燃機関20には、高負荷運転時等に発生するノッキングを検出するノックセンサ19が取り付けられている。ノックセンサ19は、内燃機関20のノッキング振動を圧電素子等で検出する。ノックセンサ19は後述するECU50に接続されており、ノックセンサ19によりノッキングが検出された場合、ECU50は内燃機関20での点火リタード等を行う。
また、内燃機関20には、燃焼室周辺にウォータージャケットが設けられており、ウォータージャケット内を循環する冷却媒体と燃焼室との間で熱交換を行うことにより、燃焼による内燃機関20の過熱を防止している。
前述した排気クーラ冷却路28は内燃機関20内のウォータージャケットと連通し、排気クーラ26を経た冷却媒体をウォータージャケット内に導入する。
なお、排気クーラ冷却路28には冷却媒体の温度を検出する温度センサ16が設けられている。
前述した排気クーラ冷却路28は内燃機関20内のウォータージャケットと連通し、排気クーラ26を経た冷却媒体をウォータージャケット内に導入する。
なお、排気クーラ冷却路28には冷却媒体の温度を検出する温度センサ16が設けられている。
また、ウォータージャケットにはエンジン冷却路34も連通されている。エンジン冷却路34は、内燃機関20とラジエータ32とをつなぎ、内燃機関20から熱を奪い温度が上昇した冷却媒体はラジエータ32で冷却され、内燃機関20へと還流される。
エンジン冷却路34には、ポンプ36およびサーモスタット弁38が設けられている。
ポンプ36は、エンジン冷却路34内の冷却媒体を循環させる。
サーモスタット弁38はラジエータ32の上流に設けられており、冷却媒体が所定温度(例えば70℃など)未満の場合、すなわち暖気中は閉となってラジエータ32への冷却媒体の進入を阻止する。この場合、冷却媒体はラジエータバイパス路34Aを通り、冷却されずに循環する。
また、冷却媒体が所定温度以上の場合、すなわち暖気完了後にはサーモスタット弁38は開となってラジエータ32に冷却媒体を進入させる。この場合、冷却媒体はラジエータ32で冷却され温度が低下する。
上述のようにエンジン冷却路34および排気クーラ冷却路28は共に内燃機関20のウォータージャケットに連通しており、それぞれの冷却路を通った冷却媒体はウォータージャケット内で混合する。
エンジン冷却路34には、ポンプ36およびサーモスタット弁38が設けられている。
ポンプ36は、エンジン冷却路34内の冷却媒体を循環させる。
サーモスタット弁38はラジエータ32の上流に設けられており、冷却媒体が所定温度(例えば70℃など)未満の場合、すなわち暖気中は閉となってラジエータ32への冷却媒体の進入を阻止する。この場合、冷却媒体はラジエータバイパス路34Aを通り、冷却されずに循環する。
また、冷却媒体が所定温度以上の場合、すなわち暖気完了後にはサーモスタット弁38は開となってラジエータ32に冷却媒体を進入させる。この場合、冷却媒体はラジエータ32で冷却され温度が低下する。
上述のようにエンジン冷却路34および排気クーラ冷却路28は共に内燃機関20のウォータージャケットに連通しており、それぞれの冷却路を通った冷却媒体はウォータージャケット内で混合する。
第1の流路調整機構40および第3の流路調整機構44は、例えばバタフライ弁であり、弁棒Sを中心に弁体Dが0度から90度の範囲で回転することによって、それぞれの調整対象通路の流路面積を調整する。
図1は、第1の流路調整機構40および第3の流路調整機構44がそれぞれの調整対象通路の流路面積を最小(流路面積=ゼロ)、すなわち全閉にしている状態を図示している。この時、弁体Dの回転角度は0度である。弁体Dの回転角度が90度になると、通路の流路面積は最大(流路面積≒配管断面積)、すなわち全開となる。
図1は、第1の流路調整機構40および第3の流路調整機構44がそれぞれの調整対象通路の流路面積を最小(流路面積=ゼロ)、すなわち全閉にしている状態を図示している。この時、弁体Dの回転角度は0度である。弁体Dの回転角度が90度になると、通路の流路面積は最大(流路面積≒配管断面積)、すなわち全開となる。
また、第2の流路調整機構42は、例えば一般的なEGRバルブの構造であるグローブバルブである。
第2の流路調整機構42は、吸気通路LDへの排気ガスの還流量(EGRガス量)に基づいてその開度が制御される。
より詳細には、後述するECU50は、内燃機関20の負荷、回転数および領域Rの圧力と第2の流路調整機構42の開度(排気再循環通路LBの流路面積、EGRガス量)との関係を示すEGR導入マップを有しており、当該EGR導入マップに基づいて第2の流路調整機構42の開度を変更する。
第2の流路調整機構42が全閉になっている場合、排気再循環通路LBの流路面積は最小(流路面積=ゼロ)となり、第2の流路調整機構42が全開になっている場合、排気再循環通路LBの流路面積は最大(流路面積≒配管断面積)となる。
第2の流路調整機構42は、吸気通路LDへの排気ガスの還流量(EGRガス量)に基づいてその開度が制御される。
より詳細には、後述するECU50は、内燃機関20の負荷、回転数および領域Rの圧力と第2の流路調整機構42の開度(排気再循環通路LBの流路面積、EGRガス量)との関係を示すEGR導入マップを有しており、当該EGR導入マップに基づいて第2の流路調整機構42の開度を変更する。
第2の流路調整機構42が全閉になっている場合、排気再循環通路LBの流路面積は最小(流路面積=ゼロ)となり、第2の流路調整機構42が全開になっている場合、排気再循環通路LBの流路面積は最大(流路面積≒配管断面積)となる。
これら第1の流路調整機構40、第2の流路調整機構42および第3の流路調整機構44は、内燃機関20の運転状態を制御するECU50によってその開閉状態が制御されている。
図2は、ECU50の機能的構成を示す説明図である。
ECU(Engine Control Unit)50は、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
ECU50には、ドライバのアクセル操作量を検知するアクセルペダルセンサ52や車両各輪の回転速度を検知する車輪速センサ54、上述した温度センサ16および圧力センサ18、ノックセンサ19等の各種センサが接続されている。
図2は、ECU50の機能的構成を示す説明図である。
ECU(Engine Control Unit)50は、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
ECU50には、ドライバのアクセル操作量を検知するアクセルペダルセンサ52や車両各輪の回転速度を検知する車輪速センサ54、上述した温度センサ16および圧力センサ18、ノックセンサ19等の各種センサが接続されている。
本実施の形態では、ECU50は、冷却媒体の温度および内燃機関20の運転状態に基づいて、以下のように各流路調整機構の開閉状態を制御する。
<内燃機関20の暖機中>
図3は、内燃機関20の暖機運転中における排気還流システム10の状態を示す説明図である。
車両の始動直後等には内燃機関20の温度が低くなっているため、内燃機関20の暖機を促進する暖機運転を行う。暖機運転を行うか否かは、ECU50が温度センサ16の検出値を用いて判断する。すなわち、温度センサ16の検出値が所定温度未満の場合、ECU50は排気還流システム10を以下のような状態とする。
なお、図3では内燃機関20に負荷は与えられていない(例えばアイドリング状態)ものとする。
また、暖機運転中にはサーモスタット弁38が閉となっているため、ラジエータ32による冷却媒体の冷却は行われない。
<内燃機関20の暖機中>
図3は、内燃機関20の暖機運転中における排気還流システム10の状態を示す説明図である。
車両の始動直後等には内燃機関20の温度が低くなっているため、内燃機関20の暖機を促進する暖機運転を行う。暖機運転を行うか否かは、ECU50が温度センサ16の検出値を用いて判断する。すなわち、温度センサ16の検出値が所定温度未満の場合、ECU50は排気還流システム10を以下のような状態とする。
なお、図3では内燃機関20に負荷は与えられていない(例えばアイドリング状態)ものとする。
また、暖機運転中にはサーモスタット弁38が閉となっているため、ラジエータ32による冷却媒体の冷却は行われない。
暖機運転中、ECU50は、第1の流路調整機構40、第2の流路調整機構42および第3の流路調整機構44により、排気通路LA、排気再循環通路LBおよびバイパス通路LCの流路面積をそれぞれ制限する。
より詳細には、例えば第1の流路調整機構40の弁体Dの回転角度を0度とし全閉状態とするとともに、第3の流路調整機構44を例えば弁体Dの回転角度を45度とし半開状態とする。すなわち、第3の流路調整機構44は、第1の流路調整機構40により制限された排気通路LAの流路面積よりもバイパス通路LCの流路面積を大きくする。
また、上述のように内燃機関20に負荷は与えられておらず、第2の流路調整機構42は全閉状態となっている。
より詳細には、例えば第1の流路調整機構40の弁体Dの回転角度を0度とし全閉状態とするとともに、第3の流路調整機構44を例えば弁体Dの回転角度を45度とし半開状態とする。すなわち、第3の流路調整機構44は、第1の流路調整機構40により制限された排気通路LAの流路面積よりもバイパス通路LCの流路面積を大きくする。
また、上述のように内燃機関20に負荷は与えられておらず、第2の流路調整機構42は全閉状態となっている。
この場合、内燃機関20から排出された排気ガスは、全量が排気再循環通路LBに導入され、排気クーラ26を通過する。また、バイパス通路LCを通過して車外に排出される排気ガス量が制限され、内燃機関20、第1の流路調整機構40、第2の流路調整機構42および第3の流路調整機構44で囲まれる領域R(網掛け部)内の圧力が上昇し、この領域R内の排気ガス温度が高くなる。また、領域R内における排気ガスの流速が遅くなり、領域R内に排気ガスが滞在する時間が長くなる。
これにより、排気クーラ26内で排気ガスから冷却媒体に移動する熱量が大きくなり、単に排気ガスを排気再循環通路LBに導入するよりも迅速に冷却媒体の温度を上昇させ、内燃機関20の暖機を図ることができる。
また、一般に触媒22は低温時に性能が低下することが知られているが、本実施の形態では触媒22が領域R内に配置されているため、短時間で触媒22の温度を上昇させることができ、触媒22の性能を効率的に発揮させることができる。
これにより、排気クーラ26内で排気ガスから冷却媒体に移動する熱量が大きくなり、単に排気ガスを排気再循環通路LBに導入するよりも迅速に冷却媒体の温度を上昇させ、内燃機関20の暖機を図ることができる。
また、一般に触媒22は低温時に性能が低下することが知られているが、本実施の形態では触媒22が領域R内に配置されているため、短時間で触媒22の温度を上昇させることができ、触媒22の性能を効率的に発揮させることができる。
図4は、暖機運転中に内燃機関20に負荷が与えられた場合の状態を示す説明図である。
暖機運転中にアクセルペダルが踏み込まれるなど内燃機関20に負荷が与えられた場合、内燃機関20からの排気ガス量が増加する。このため、図3に示す負荷が与えられていない状態よりも領域R内の圧力が上昇する。
なお、上述したEGR導入マップに従って適宜第2の流路調整機構42が開放されて、一部の排気ガスは排気再循環通路LBを介して吸気通路LDに還流される。
暖機運転中にアクセルペダルが踏み込まれるなど内燃機関20に負荷が与えられた場合、内燃機関20からの排気ガス量が増加する。このため、図3に示す負荷が与えられていない状態よりも領域R内の圧力が上昇する。
なお、上述したEGR導入マップに従って適宜第2の流路調整機構42が開放されて、一部の排気ガスは排気再循環通路LBを介して吸気通路LDに還流される。
圧力センサ18で検出された領域R内の圧力が所定圧以上となった場合、ECU50は、まず図4Aに示すように第3の流路調整機構44の開度を大きくしてバイパス通路LCの流路面積を拡大する。これにより、バイパス通路LCを介して車外に排出される排気ガス量が増加して領域R内の圧力が低下する。このとき第3の流路調整機構44の開度は、領域R内の圧力が所定圧未満となるまで広げられる。
また、内燃機関20からの排気ガス量が多い場合など、第3の流路調整機構44を全開にしてバイパス通路LCの流路面積を最大にした後も領域R内が所定圧以上である場合、ECU50は、図4Bに示すように第1の流路調整機構40の開度を大きくして排気通路LAの流路面積を拡大する。これにより、排気再循環通路LBに導入される排気ガス量が低減して領域R内の圧力が低下する。
このようにすることで、領域R内の圧力上昇により配管の破損等が生じるのを防止しながら、排気ガスから冷却媒体への熱量移動を促進させ、早期に内燃機関20の暖機を図ることができる。
なお、図4Aのように、まず第3の流路調整機構44のみの開度を調整するのは、第1の流路調整機構40の開度を大きくした場合、排気再循環通路LBに導入される排気ガス量が減少し、排気クーラ26における熱交換量が低減して暖機完了までの所要時間が長くなってしまうためである。
また、内燃機関20からの排気ガス量が多い場合など、第3の流路調整機構44を全開にしてバイパス通路LCの流路面積を最大にした後も領域R内が所定圧以上である場合、ECU50は、図4Bに示すように第1の流路調整機構40の開度を大きくして排気通路LAの流路面積を拡大する。これにより、排気再循環通路LBに導入される排気ガス量が低減して領域R内の圧力が低下する。
このようにすることで、領域R内の圧力上昇により配管の破損等が生じるのを防止しながら、排気ガスから冷却媒体への熱量移動を促進させ、早期に内燃機関20の暖機を図ることができる。
なお、図4Aのように、まず第3の流路調整機構44のみの開度を調整するのは、第1の流路調整機構40の開度を大きくした場合、排気再循環通路LBに導入される排気ガス量が減少し、排気クーラ26における熱交換量が低減して暖機完了までの所要時間が長くなってしまうためである。
また、冷却媒体の温度が所定温度以上となり、暖機が完了した場合、ECU50は第1の流路調整機構40の開度を大きくし、暖機中(冷却媒体の温度が所定温度未満のとき)よりも排気通路LAの流路面積を拡大する。
これにより、排気再循環通路LBに導入される排気ガス量が減少して、排気クーラ26内で排気ガスから冷却媒体に移動する熱量が低減し、内燃機関20の過熱を防止することができる。
これにより、排気再循環通路LBに導入される排気ガス量が減少して、排気クーラ26内で排気ガスから冷却媒体に移動する熱量が低減し、内燃機関20の過熱を防止することができる。
<暖機完了後:EGRガス導入なし時>
つづいて、内燃機関20の暖機完了後の制御について説明する。温度センサ16の検出値が所定温度以上となった場合、ECU50は内燃機関20の負荷の大きさによって各流路調整機構の稼働状態を変更する。
なお、暖機完了後にはサーモスタット弁38が開となり、ラジエータ32による冷却媒体の冷却が行われる。
つづいて、内燃機関20の暖機完了後の制御について説明する。温度センサ16の検出値が所定温度以上となった場合、ECU50は内燃機関20の負荷の大きさによって各流路調整機構の稼働状態を変更する。
なお、暖機完了後にはサーモスタット弁38が開となり、ラジエータ32による冷却媒体の冷却が行われる。
図5は、暖機完了後かつEGRガス導入がない場合の排気還流システム10の状態を示す説明図である。
内燃機関の負荷がない、またはごく小さい(第2の所定値未満)場合、EGRガスの導入は行わないため、ECU50は第2の流路調整機構42は全閉状態とし、排気再循環通路LBの流路面積を最小(ゼロ)にする。
上述したように、暖機完了後、ECU50は、第1の流路調整機構40の開度を大きくし、暖機中(冷却媒体の温度が所定温度未満のとき)よりも排気通路LAの流路面積を拡大する。
一方で、ECU50は、第1の流路調整機構40の開度を全開にはせず排気通路の流路面積を制限し、排気ガスの一部が排気再循環通路LBに導入されるようにする。
内燃機関の負荷がない、またはごく小さい(第2の所定値未満)場合、EGRガスの導入は行わないため、ECU50は第2の流路調整機構42は全閉状態とし、排気再循環通路LBの流路面積を最小(ゼロ)にする。
上述したように、暖機完了後、ECU50は、第1の流路調整機構40の開度を大きくし、暖機中(冷却媒体の温度が所定温度未満のとき)よりも排気通路LAの流路面積を拡大する。
一方で、ECU50は、第1の流路調整機構40の開度を全開にはせず排気通路の流路面積を制限し、排気ガスの一部が排気再循環通路LBに導入されるようにする。
また、ECU50は、第3の流路調整機構44によりバイパス通路LCの流路面積を制限し、排気再循環通路LBに導入された排気ガスの一部が第2の流路調整機構42の上流に排気再循環通路内に滞留するようにする。
これにより、その後EGRガスの導入が指示されて第2の流路調整機構42が開となった際に、第2の流路調整機構42より下流の排気再循環通路LBおよび吸気通路LD内に排気ガスを迅速に導入することができ、EGRガス導入時における移送遅れを低減することができる。
これにより、その後EGRガスの導入が指示されて第2の流路調整機構42が開となった際に、第2の流路調整機構42より下流の排気再循環通路LBおよび吸気通路LD内に排気ガスを迅速に導入することができ、EGRガス導入時における移送遅れを低減することができる。
なお、図5において、例えば第1の流路調整機構40の開度≧第3の流路調整機構44の開度とし、バイパス通路LCの流路面積を排気通路LAの流路面積以下とするのが好ましい。これは、第3の流路調整機構44の開度が小さいほど、すなわちバイパス通路LCの流路面積が小さいほど第2の流路調整機構42上流における排気ガスの圧力が高くなり、吸気通路LDへの移送速度を高めることができるためである。
なお、この場合にも圧力センサ18で検出された領域R内の圧力が所定圧未満に維持されるよう、第3の流路調整機構44の開度を適宜制御する。
なお、この場合にも圧力センサ18で検出された領域R内の圧力が所定圧未満に維持されるよう、第3の流路調整機構44の開度を適宜制御する。
<暖機完了後:低〜中負荷時>
図6は、内燃機関20の負荷が低〜中程度の場合の状態を示す説明図である。
内燃機関20の負荷が低〜中程度の場合、ECU50は、第1の流路調整機構40の開度を図5(EGRガス導入なし時)よりもさらに大きくし、例えば全開状態とする。また、第3の流路調整機構44の開度は全閉状態とし、バイパス通路LCを介した排気ガスの排気通路LAへの還流を行わないようにする。
内燃機関20の負荷が低〜中程度の場合には、内燃機関20の上流にあるスロットルが絞られて吸気通路LDに負圧が発生するため、排気通路LAと吸気通路LDとの差圧により排気ガスが排気再循環通路LB内に引き込まれる。
ECU50は上述したEGR導入マップに基づいて第2の流路調整機構42の開度を変更し、吸気通路LDへの排気ガスの導入量を制御する。
すなわち、図6に示した状態は一般的な排気再循環システムと同様の状態である。
図6は、内燃機関20の負荷が低〜中程度の場合の状態を示す説明図である。
内燃機関20の負荷が低〜中程度の場合、ECU50は、第1の流路調整機構40の開度を図5(EGRガス導入なし時)よりもさらに大きくし、例えば全開状態とする。また、第3の流路調整機構44の開度は全閉状態とし、バイパス通路LCを介した排気ガスの排気通路LAへの還流を行わないようにする。
内燃機関20の負荷が低〜中程度の場合には、内燃機関20の上流にあるスロットルが絞られて吸気通路LDに負圧が発生するため、排気通路LAと吸気通路LDとの差圧により排気ガスが排気再循環通路LB内に引き込まれる。
ECU50は上述したEGR導入マップに基づいて第2の流路調整機構42の開度を変更し、吸気通路LDへの排気ガスの導入量を制御する。
すなわち、図6に示した状態は一般的な排気再循環システムと同様の状態である。
<暖機完了後:高負荷時>
図7は、内燃機関20が高負荷の場合の排気還流システム10の状態を示す説明図である。
内燃機関20の負荷が高い(第1の所定値以上)場合、ECU50は、第1の流路調整機構40の開度を図6(低〜中負荷時)よりも小さくして、排気ガスの一部を積極的に排気再循環通路LBに導入させる。また、第3の流路調整機構44の開度は図6(低〜中負荷時)と変わらず、例えば全閉状態とする。すなわち、第1の流路調整機構40および第3の流路調整機構44は、それぞれの調整対象通路の流路面積を制限する。
これにより、内燃機関20の下流側通路(領域R)の圧力が上昇し、内燃機関20の下流側通路側の排気ガスが内燃機関20の上流側通路(吸気通路LD)側に導入される。
一般に、高負荷時には吸気通路LD内の圧力が大きくなるため、吸気通路LDと排気通路LAとの差圧が小さくなり、吸気通路LDへのEGRガスの還流量が小さくなることが知られている。
一方、排気還流システム10では、第1の流路調整機構40および第3の流路調整機構44を閉じて内燃機関20の下流側通路の圧力を上昇させる。これにより、吸気通路LDと排気通路LAとの差圧が大きくなり、高負荷時にも積極的にEGRガスを還流させることができる。内燃機関20の高負荷運転時に排気再循環ガスを導入することにより、内燃機関20における混合気の比熱が大きくなり、筒内温度が低下して、内燃機関20の過熱によるノッキングを防止することができる。
図7は、内燃機関20が高負荷の場合の排気還流システム10の状態を示す説明図である。
内燃機関20の負荷が高い(第1の所定値以上)場合、ECU50は、第1の流路調整機構40の開度を図6(低〜中負荷時)よりも小さくして、排気ガスの一部を積極的に排気再循環通路LBに導入させる。また、第3の流路調整機構44の開度は図6(低〜中負荷時)と変わらず、例えば全閉状態とする。すなわち、第1の流路調整機構40および第3の流路調整機構44は、それぞれの調整対象通路の流路面積を制限する。
これにより、内燃機関20の下流側通路(領域R)の圧力が上昇し、内燃機関20の下流側通路側の排気ガスが内燃機関20の上流側通路(吸気通路LD)側に導入される。
一般に、高負荷時には吸気通路LD内の圧力が大きくなるため、吸気通路LDと排気通路LAとの差圧が小さくなり、吸気通路LDへのEGRガスの還流量が小さくなることが知られている。
一方、排気還流システム10では、第1の流路調整機構40および第3の流路調整機構44を閉じて内燃機関20の下流側通路の圧力を上昇させる。これにより、吸気通路LDと排気通路LAとの差圧が大きくなり、高負荷時にも積極的にEGRガスを還流させることができる。内燃機関20の高負荷運転時に排気再循環ガスを導入することにより、内燃機関20における混合気の比熱が大きくなり、筒内温度が低下して、内燃機関20の過熱によるノッキングを防止することができる。
また、このときECU50は、第2の流路調整機構42を全開とし、排気再循環通路LBの流路面積を最大に維持する。これにより、排気再循環通路LBと吸気通路LDとを連通させ、効率的に排気ガスを吸気通路LDに導入することができる。
この場合、EGRガスの還流量は第1の流路調整機構40の開度で制御する。より詳細には、ECU50は例えば内燃機関20の負荷および回転数と高負荷時における第1の流路調整機構40の開度(排気通路LAの流路面積)との関係を示す高負荷時EGR導入マップを有し、この高負荷時EGR導入マップに基づいて第1の流路調整機構40の開度を制御すればよい。
この場合、EGRガスの還流量は第1の流路調整機構40の開度で制御する。より詳細には、ECU50は例えば内燃機関20の負荷および回転数と高負荷時における第1の流路調整機構40の開度(排気通路LAの流路面積)との関係を示す高負荷時EGR導入マップを有し、この高負荷時EGR導入マップに基づいて第1の流路調整機構40の開度を制御すればよい。
なお、図6から図7の制御に切り替えるタイミングとしては、内燃機関20の負荷(スロットル開度等)の大きさが所定値以上となった場合の他、例えば内燃機関20に設けられたノッキングセンサによりノッキングが検知された際としてもよい。
以上説明したように、実施の形態にかかる排気還流システム10によれば、内燃機関20の負荷が第1の所定値以上の場合、排気通路LAの流路面積を制限し、内燃機関20の下流側通路(排気ガス流れ下流側)の圧力を上昇させるので、下流側通路と吸気流路LD(内燃機関の上流側通路)との圧力差が大きくなり、排気再循環通路LBを介して吸気通路LD内に還流する排気ガス量が増大する。これにより、ノッキングが生じやすい内燃機関20の高負荷運転時にも吸気通路LDへの排気ガスの導入が可能となり、点火リタードによる出力低下を防止するとともに、内燃機関20のノッキングを回避する上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、高負荷時には排気再循環通路LBの流路面積を最大に維持するので、排気通路LAおよび排気再循環通路LBと吸気通路LDとを連通させ、効率的に排気ガスを吸気通路に導入する上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、排気再循環通路LB上に排気クーラ26が設けられているので、吸気通路LDには排気クーラ26で冷却された排気ガスが導入される。これにより、内燃機関20の筒内温度の上昇を回避し、より効果的にノッキングを防止する上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、バイパス通路LCの流路面積を制限することにより内燃機関20の下流側通路の圧力を更に上昇させて、内燃機関20の負荷が大きい高負荷運転時でも確実に排気ガスを再循環させる上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、内燃機関20の負荷が小さく吸気通路LDへの排気ガスの導入が行われていない間も排気再循環通路LB内に排気ガスを導入するので、内燃機関20の負荷が大きくなった際に短時間で吸気通路LDへの排気ガスの導入を開始する上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、排気通路LAの流路面積よりもバイパス通路LCの流路面積を小さくするので、排気再循環通路LB内の排気ガス圧が高くなり、排気ガスを吸気通路LDに導入する際の移送速度を向上させる上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、高負荷時には排気再循環通路LBの流路面積を最大に維持するので、排気通路LAおよび排気再循環通路LBと吸気通路LDとを連通させ、効率的に排気ガスを吸気通路に導入する上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、排気再循環通路LB上に排気クーラ26が設けられているので、吸気通路LDには排気クーラ26で冷却された排気ガスが導入される。これにより、内燃機関20の筒内温度の上昇を回避し、より効果的にノッキングを防止する上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、バイパス通路LCの流路面積を制限することにより内燃機関20の下流側通路の圧力を更に上昇させて、内燃機関20の負荷が大きい高負荷運転時でも確実に排気ガスを再循環させる上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、内燃機関20の負荷が小さく吸気通路LDへの排気ガスの導入が行われていない間も排気再循環通路LB内に排気ガスを導入するので、内燃機関20の負荷が大きくなった際に短時間で吸気通路LDへの排気ガスの導入を開始する上で有利となる。
また、排気還流システム10によれば、排気通路LAの流路面積よりもバイパス通路LCの流路面積を小さくするので、排気再循環通路LB内の排気ガス圧が高くなり、排気ガスを吸気通路LDに導入する際の移送速度を向上させる上で有利となる。
10……排気還流システム、20……内燃機関、26……排気クーラ、28……排気クーラ冷却路、32……ラジエータ、34……エンジン冷却路、40……第1の流路調整機構、42……第2の流路調整機構、44……第3の流路調整機構、50……ECU、52……アクセルペダルセンサ、54……車輪速センサ、LA……排気通路、LB……排気再循環通路、LC……バイパス通路。
Claims (6)
- 内燃機関から排出された排気ガスを車外に排出する排気通路の流路面積を変更する第1の流路調整機構と、
前記第1の流路調整機構より排気ガス流れ上流側の前記排気通路から分岐し前記排気ガスを前記内燃機関の吸気通路に還流する排気再循環通路と、を備え、
前記内燃機関の負荷が第1の所定値以上の場合、前記第1の流路調整機構は、前記排気通路の流路面積を制限する、
ことを特徴とする内燃機関の排気還流システム。 - 前記排気再循環通路の流路面積を変更する第2の流路調整機構を更に備え、
前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値以上の場合、前記第2の流路調整機構は前記排気再循環通路の流路面積を最大に維持する、
ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気還流システム。 - 前記排気再循環通路上に設けられ、冷却媒体により前記排気ガスを冷却する排気クーラを更に備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気再還流システム。 - 前記排気クーラの排気ガス流れ下流側かつ前記第2の流路調整機構の排気ガス流れ上流側の前記排気再循環通路から分岐し前記第1の流路調整機構より前記排気ガス流れ下流側の前記排気通路へと接続するバイパス通路の流路面積を変更する第3の流路調整機構を更に備え、
前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値以上の場合、前記第3の流路調整機構は前記バイパス通路の流路面積を制限する、
ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気再循環システム。 - 前記内燃機関の負荷が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値未満の場合、前記第2の流路調整機構は前記排気再循環通路の流路面積を最小にするとともに、前記第1の流路調整機構および前記第3の流路調整機構はそれぞれの調整対象通路の流路面積を制限し、前記第2の流路調整機構より上流の前記排気再循環通路内に前記排気ガスを導入する、
ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気還流システム。 - 前記第3の流路調整機構は、前記バイパス通路の流路面積を前記第1の流路調整機構により制限された前記排気通路の流路面積以下とする、
ことを特徴とする請求項4また5に記載の内燃機関の排気還流システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016012146A JP2017133383A (ja) | 2016-01-26 | 2016-01-26 | 内燃機関の排気還流システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=59502489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016012146A Pending JP2017133383A (ja) | 2016-01-26 | 2016-01-26 | 内燃機関の排気還流システム |
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Country | Link |
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-
2016
- 2016-01-26 JP JP2016012146A patent/JP2017133383A/ja active Pending
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