JP6131100B2 - 回転電機のロータ - Google Patents

回転電機のロータ Download PDF

Info

Publication number
JP6131100B2
JP6131100B2 JP2013105181A JP2013105181A JP6131100B2 JP 6131100 B2 JP6131100 B2 JP 6131100B2 JP 2013105181 A JP2013105181 A JP 2013105181A JP 2013105181 A JP2013105181 A JP 2013105181A JP 6131100 B2 JP6131100 B2 JP 6131100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
gap
circumferential
rotor
circumferential direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013105181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014226008A (ja
Inventor
慎吾 相馬
慎吾 相馬
英治 白土
英治 白土
靖典 伊達
靖典 伊達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2013105181A priority Critical patent/JP6131100B2/ja
Publication of JP2014226008A publication Critical patent/JP2014226008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6131100B2 publication Critical patent/JP6131100B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は、回転電機のロータに関する。
従来から、回転電機に使用されるロータとしては、ロータコアの内部に周方向に所定の間隔で複数個の永久磁石を配置したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
図20に示すように、特許文献1のロータ110では、ロータコア111の永久磁石112の周方向端面側に径方向のフラックスバリア(磁束遮断部)113、114が設けられる。また、フラックスバリア113,114の外周側端部には、突出部113a,114aが設けられ、フラックスバリア113,114の間隔100Lが、永久磁石112の幅100Wよりも短くなるように構成される。また、フラックスバリア113,114の突出部113a,114aと永久磁石112との間には、鉄心部分115が設けられる。
このように構成することによって、永久磁石112の磁束短絡を抑制して、永久磁石112の磁束の分布を最適化し、ロータトルクを向上させることを図っている。
特許第3659055号公報
しかしながら、特許文献1のロータ110では、フラックスバリア113、114の内周側において、ロータコア111と永久磁石112の周方向端面112aとが当接するように配置されているため、永久磁石112の外周面112bから周方向端面112aに直接回り込む短絡磁束の経路が発生してしまう恐れがある。
さらに、フラックスバリア113、114の周方向内側端面113b、114bは、永久磁石112の周方向端面112aの延長線上に形成されている。したがって、永久磁石112の外周面112bの周方向端部からステータ側(外周側)へ向かう磁束の経路の幅が狭くなってしまい、永久磁石112の外周面112bの周方向端部からステータ側へ向かう磁束の経路における透磁率が低下し、永久磁石112の周方向端部のパーミアンスが低下してしまう。この結果、永久磁石112が減磁し易くなってしまう。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、永久磁石の磁束の短絡を抑制しつつ、パーミアンスの低下を抑制可能な回転電機のロータを提供することにある。
前述した目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
ロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア20)と、
前記ロータコアの内部に、周方向に所定の間隔で配置された複数の磁極部(例えば、後述の実施形態における磁極部50)と、
を備え、
前記磁極部が、径方向に磁化されており且つ周方向で交互に磁化方向が異なるように構成された回転電機のロータ(例えば、後述の実施形態における回転電機のロータ10)であって、
前記磁極部は、前記ロータコアに形成された磁石挿入孔(例えば、後述の実施形態における磁石挿入孔40)に永久磁石(例えば、後述の実施形態における永久磁石3030)が挿入されることによって構成され、
前記永久磁石の周方向端面(例えば、後述の実施形態における周方向外側端面32d)と隣接する部分には、磁気的空隙からなる側方バリア(例えば、後述の実施形態における側方バリア60)が形成され、
前記側方バリアは、前記永久磁石の前記周方向端面と、少なくとも前記周方向端面の径方向厚み(例えば、後述の実施形態における径方向厚み32L)全体に亘って対向する径方向厚み(例えば、後述の実施形態における径方向厚み60L)を有し、
前記側方バリアは、前記永久磁石の外周面(例えば、後述の実施形態における外周面32b)の延長線(例えば、後述の実施形態における延長線32bL)上に延びる延長線上縁部(例えば、後述の実施形態における延長線上縁部61)と、前記延長線上縁部の周方向における前記磁極部端部側の端部から、前記永久磁石の前記外周面の延長線よりも外周側に向かって突出した突出バリア部(例えば、後述の実施形態における突出バリア部62)と、を有し、
前記突出バリア部の周方向における前記磁極部中央側の周縁部(例えば、後述の実施形態における中央側周縁部62b)と、前記永久磁石の前記外周面の周方向端部と、の各々に対向する領域には、前記突出バリア部及び前記磁石挿入孔とは離間した磁気的空隙からなる空隙部(例えば、後述の実施形態における第1空隙部70)が形成され、
前記空隙部は、前記突出バリア部において最も外周側に位置する頂部(例えば、後述の実施形態における頂部62a)と略同一半径であり前記ロータの回転軸を中心とした円の円周(例えば、後述の実施形態における円周62aC)上に配置された第2空隙(例えば、後述の実施形態における第2空隙72a、72b)と、前記第2空隙と前記永久磁石の前記外周面との間の半径方向位置に配置された第1空隙(例えば、後述の実施形態における第1空隙71)と、を有し、
前記延長線上縁部と、前記突出バリア部の周方向における前記磁極部中央側の周縁部と、がなす角度(例えば、後述の実施形態における角度α)は、75度から90度の間に形成される
ことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
前記側方バリアの内周側縁部(例えば、後述の実施形態における内周側縁部64c)から前記ロータコアの一部が外周側に突出して、前記永久磁石の前記周方向端面と当接する当接部(例えば、後述の実施形態における当接部23)が形成される
ことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、
前記第2空隙は、前記突出バリア部の前記頂部と略同一半径の前記円周上において、周方向に沿って複数形成され、
複数の前記第2空隙の周方向における間で、且つ複数の前記第2空隙よりも内周側に前記第1空隙が配置される
ことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜の何れか1項に記載の構成に加えて、
前記突出バリア部は、前記頂部と、前記頂部の周方向における前記磁極部中央側に接続して内周側に延びる中央側周縁部(例えば、後述の実施形態における中央側周縁部62b)と、前記頂部の周方向における前記磁極部端部側に接続して内周側に向かって延びる端部側周縁部(例えば、後述の実施形態における端部側周縁部62c)と、を備えて略三角形状に形成され、
前記第2空隙は、前記端部側周縁部の延長線(例えば、後述の実施形態における延長線62cL)上又は延長線よりも内径側に設けられる
ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、側方バリアは、永久磁石の外周面の延長線上に延びる延長線上縁部と、延長線上縁部の周方向における磁極部端部側の端部から、永久磁石の外周面の延長線よりも外周側に向かって突出した突出バリア部と、を備えている。これにより、永久磁石の周方向端部において、ステータ側へ向かう磁束の経路の幅を広げることができ、永久磁石の周方向端部からステータ側へ向かう磁束の経路における透磁率の低下を抑制でき、永久磁石の周方向端部のパーミアンスが低下してしまうことを抑制できる。
また、永久磁石の周方向端部に作用するステータの反磁界が、永久磁石の外周面に対して垂直に近い方向から作用するため、永久磁石の周方向端部を減磁しにくくすることができる。
また、永久磁石の磁束は、突出バリア部の頂部とロータコアの外周面との間を回り込むようにして短絡するが、第2空隙が突出バリア部の頂部と略同一半径でありロータの回転軸を中心とした円の円周上に配置されていることにより、磁束の回り込みの経路上に配置されることとなり、永久磁石の磁束短絡を効果的に抑制することができる。
また、空隙部の第1空隙を、第2空隙と永久磁石の外周面との間の半径方向位置に配置することにより、永久磁石の外周面から延長縁部を通じて永久磁石の周方向端面へ向かう経路における磁束の短絡を抑制することができる。したがって、永久磁石の周方向端部において、ステータ側へ向かう磁束の経路の幅を広げつつ、永久磁石の磁束短絡をより効果的に抑制することができる。
また、延長線上縁部と、突出バリア部の周方向における磁極部中央側の周縁部と、がなす角度は、90度から角度が小さくなっていくにつれて、永久磁石の周方向端部において、ステータ側へ向かう磁束の経路の幅が狭くなってしまうが、75度〜90度の範囲に設定することで、永久磁石の周方向端部におけるステータ側へ向かう磁束の経路の幅を確保することができる。
また、延長線上縁部と、突出バリア部の周方向における磁極部中央側の周縁部と、がなす角度は、90度から角度が小さくなっていくにつれて、突出バリア部の周方向における磁極部中央側の周縁部の周囲において発生する応力が大きくなりやすくなってしまうが、75度〜90度の範囲に設定することで、応力の集中を抑制することができる。
請求項の発明によれば、側方バリアに永久磁石の外周面の延長線上に延びる延長線上縁部が形成されている場合であっても、当接部が永久磁石の周方向端面と当接することにより永久磁石を位置決めすることができ、永久磁石の位置ずれを抑制することができる。
仮に、側方バリアの外周側端部に、永久磁石の周方向端面と当接する当接部を設けた場合には、ロータコア及び永久磁石に作用する遠心力によって当接部に比較的大きな応力が発生してしまうが、側方バリアの内周側縁部における当接部によって永久磁石を位置決めするため、当接部における応力の集中を抑制することができる。
また、側方バリアは、永久磁石の周方向端面と、少なくとも周方向端面の径方向厚み全体に亘って対向する径方向厚みを有しており、且つ当接部は側方バリアの内周側縁部から外周側に突出して、永久磁石の円周方向端面と当接する。したがって、従来の特許文献1のように永久磁石の周方向端面に直接短絡磁束の回り込んでしまう経路が発生することを抑制でき、永久磁石の磁束短絡を抑制することができる。
請求項の発明によれば、第1空隙と複数の第2空隙との間、及び複数の第2空隙同士の間にそれぞれリブが形成されることとなるため、ロータの回転時に永久磁石及びロータコアに遠心力が作用した場合においても、ロータの強度の低下を抑制することができる。
また、磁束短絡を抑制しながら、第1空隙と複数の第2空隙との間に形成されたリブと、複数の第2空隙同士の間に形成されたリブと、を介してステータ側へ向かう磁路を確保しやすくなるため、透磁率の低下を抑制して、パーミアンスの低下を抑制することができる。したがって、永久磁石の減磁を抑制することができるとともに、B−Hカーブにおける永久磁石の動作点をB軸側にシフトさせることができ、トルクを向上させることができる。
請求項の発明によれば、突出バリア部の端部側周縁部を周方向において磁極部中央側に延長させた延長線よりも外周側には、比較的大きな応力の発生する帯状の領域が生じることとなるが、第2空隙を帯状の領域よりも内径側に設けることによって、第2空隙を設けた場合であってもロータコアの強度低下を抑制することができる。
実施形態に係るロータの正面図である。 図1のロータコアの部分拡大図である。 図2のロータコアの要部拡大図である。 図3のロータコア中の応力分布を示す図である。 第1変形例に係るロータコアの部分拡大図である。 第2比較例に係るロータコアの部分拡大図である。 実施形態に係るロータコア中の磁路を示す部分拡大図である。 第1変形例に係るロータコア中の磁路を示す部分拡大図である。 第2比較例に係るロータコア中の磁路を示す部分拡大図である。 実施形態の永久磁石片のパーミアンス分布を示す図であり、(a)は無負荷時、(b)は負荷時の状態を示す図である。 第1変形例の永久磁石片のパーミアンス分布を示す図であり、(a)は無負荷時、(b)は負荷時の状態を示す図である。 第2比較例の永久磁石片のパーミアンス分布を示す図であり、(a)は無負荷時、(b)は負荷時の状態を示す図である。 実施形態の永久磁石片の減磁分布を示す図である。 第1変形例の永久磁石片の減磁分布を示す図である。 第2比較例の永久磁石片の減磁分布を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ第2比較例、第1比較例、実施形態の永久磁石の減磁率を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ第2比較例、第1比較例、実施形態のロータトルクを示す図である。 永久磁石の減磁曲線とパーミアンス線を示すグラフである。 永久磁石の減磁率を示す図である。 従来のロータコアの部分拡大図である。
以下、本発明の一実施形態に係る回転電機のロータを説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の回転電機のロータ10は、回転軸である略円筒状のロータシャフト(不図示)の外周側に取り付けられるロータコア20と、ロータコア20の内部に周方向に所定の間隔で形成された複数の磁極部50と、を備え、ステータ(不図示)の内周側に配置されている。
ロータコア20は、略同一形状の円環状の電磁鋼板例えばケイ素鋼板21を多数積層して形成されていると共に、周方向に所定の間隔で複数の磁石挿入孔40が形成され、隣り合う磁石挿入孔40の間には溝部29が凹設される。
磁極部50は、径方向に磁化され、且つ周方向で交互に磁化方向が異なるように、永久磁石30が磁石挿入孔40に挿入されて構成されている。より具体的には、永久磁石30Aが磁石挿入孔40に挿入されて構成された磁極部50Aにおいて、その外周側がN極とすると、隣接する磁極部50Bは、その外周側がS極となるように、永久磁石30Bが磁石挿入孔40に挿入されて構成されている。
永久磁石30は、周方向に分割された一対の永久磁石片32によって構成されており、一対の永久磁石片32は、同一の断面略矩状に形成される。
磁石挿入孔40は、周方向に分割された一対の磁石挿入孔片41によって構成されている。一対の磁石挿入孔片41は、周方向に隣り合う一対の永久磁石片32の外周面32b同士が180°未満の角度θをなすよう、断面略V字形状とされており、一対の永久磁石片32が一対の磁石挿入孔片41に挿入されることによって固定されている。また、磁石挿入孔片41は、内周縁部42及び外周縁部44がそれぞれ一対の永久磁石片32の内周面32a及び外周面32bと当接するように形成されており、一対の永久磁石片32を径方向に位置決めする。
また、磁石挿入孔片41の内周縁部42には、内周側に向かって複数の樹脂充填孔42aが凹設されており、この樹脂充填孔42aに樹脂を充填することにより、ロータコア20に対する一対の永久磁石片32の固定をより強固なものとする。
図3も参照し、ロータコア20は、永久磁石片32の周方向外側端面32dと隣接する部分に、軸方向に貫通して磁気的空隙を構成する側方バリア60が形成される。
側方バリア60は、永久磁石片32の外周面32bの延長線32bL上に延びる延長線上縁部61と、延長線上縁部61の周方向における磁極部50端部側(図3中、右側)の端部から、延長線32bLよりも外周側に向かって突出した突出バリア部62と、突出バリア部62よりも内周側に配置された内周側バリア部64と、が一体に形成されて構成される。
突出バリア部62は、最も外周側に位置する頂部62aと、頂部62aの周方向における磁極部50中央側(図3中、左側)に接続して、磁極部50端部側(図3中、右側)且つ内周側に向かって延びる曲線状の中央側周縁部62bと、頂部62aの周方向における磁極部50端部側に接続して、磁極部50端部側且つ内周側に向かって延びる曲線状の端部側周縁部62cと、を有して断面略三角形状に形成されている。
ここで、延長線上縁部61と、突出バリア部62の中央側周縁部62bと、がなす角度αは、75度から90度の間に設定される。また、突出バリア部62の頂部62aと、ロータコア20の外周面20aと、の間の肉厚Lは、磁束短絡を抑制しつつ、ロータ回転時に発生する遠心力に耐えられる強度となるよう、適宜設定されている。
内周側バリア部64は、突出バリア部62の端部側周縁部62cに接続し、磁極部50端部側且つ内周側に向かって延びる曲線状の外周側縁部64aと、外周側縁部64aに接続し、内周側に向かって延びる直線状の延出縁部64bと、延出縁部64bに接続し、内周側に向かう凸である曲線状の内周側縁部64cと、を有する。
ここで、内周側バリア部64の内周側縁部64cの最も内周側の部分は、永久磁石片32の内周面32aの延長線32aL上に位置している(図2参照)。したがって、側方バリア60の径方向厚み60Lは、突出バリア部62の径方向厚み62L分だけ、永久磁石片32の径方向厚み32Lよりも厚く形成される。すなわち、側方バリア60は、永久磁石片32の周方向外側端面32dと、少なくとも当該周方向外側端面32dの径方向厚み32L全体に亘って対向する径方向厚み60Lを有する。なお、内周側バリア部64の内周側縁部64cの最も内周側の部分が、永久磁石片32の内周面32aの延長線32aLよりも内周側に位置するように形成される構成としても構わない。
また、内周側バリア部64の内周側縁部64cから、ロータコア20の一部が外周側に突出して当接部23が形成される。そして、当接部23は、永久磁石片32の周方向外側端面32dと当接し、磁石挿入孔片41の周方向内側縁部43は、一対の永久磁石片32の周方向内側端面32cと当接し、これら当接部23及び磁石挿入孔片41の周方向内側縁部43によって永久磁石片32が周方向に位置決めされて保持される。
また、ロータコア20において、突出バリア部62の中央側周縁部62bと、永久磁石片32の外周面32bの周方向外側端部と、の各々に対向する領域には、突出バリア部62及び磁石挿入孔40(永久磁石片32)とは離間し、軸方向に貫通して磁気的空隙を構成する第1空隙部70が形成される。
第1空隙部70は、突出バリア部62の頂部62aよりも内周側、より具体的には頂部62aと略同一半径の円周62aCよりも内周側に配置された第1空隙71と、頂部62aと略同一半径の円周62aC上で、周方向に沿って配置された2つの第2空隙72a、72bと、からなる空隙群によって構成されている。なお、第1空隙71と第2空隙72a、72bとは、略同一の直径を有する円形状に形成されている。
第1空隙71は、2つの第2空隙72a、72bとの間の周方向位置、且つ2つの第2空隙72a、72bと永久磁石片32の外周面32bとの間の半径方向位置に配置されている。言い換えると、第1空隙71の中心位置が、2つの第2空隙72a、72bの中心位置との間の周方向位置、且つ2つの第2空隙72a、72bの中心位置と永久磁石片32の外周面32bとの間の半径方向位置に配置されている。
なお、図3においては、第1空隙71の中心位置は、第2空隙72a、72bの中心位置よりも、第1空隙71及び第2空隙72a、72bの直径程度だけ内周側にずれた位置に配置されている。
また、図3において、2つの第2空隙72a、72bとの間の周方向間隔を狭めることにより、第1空隙71の一部と、2つの第2空隙72a、72bの一部と、が互いに周方向にオーバーラップするように配置されていてもよい。また、中間リブ75の幅方向の中央に沿って延びる仮想線方向から見たときに、第1空隙71の一部と、2つの第2空隙72a、72bの一部と、が互いにオーバーラップするように配置されていてもよい。
第2空隙72a、72bは、その外周側縁部73が突出バリア部62の端部側周縁部62cを周方向において磁極部50中央側に延長させた延長線62cLよりも内周側に設けられる。ここで、図4には、ロータコア20中の応力分布が濃淡によって示されており、濃い部分は遠心応力が大きく、淡い部分は遠心応力が小さいことを示している。このように、上記延長線62cLよりも外側には、比較的大きな遠心応力が発生する帯状の領域が生じるが、第2空隙72a、72bを延長線62cLよりも内周側に設けることによって、ロータコア20の強度低下が抑制される。したがって、第2空隙72a、72bは、その外周側縁部73が延長線62cLよりも内周側に設けられる構成に限定されず、延長線62cL上に配置されても構わない。
なお、以下、2つの第2空隙72a、72bのうち、周方向における磁極部50中央側の第2空隙72aを中央側第2空隙と呼び、磁極部50端部側の第2空隙72bを端部側第2空隙と呼ぶことがある。
このように第1空隙部70を構成することによって、ロータコア20は、第1空隙71と中央側第2空隙72aとの間に中央側リブ74が形成され、2つの第2空隙72a、72bの間には中間リブ75が形成され、第1空隙71と端部側第2空隙72bとの間には端部側リブ76が形成される。
また、ロータコア20において、側方バリア60と、ロータコア20の外周面20a及び溝部29と、の間には、周方向及び径方向に延び、永久磁石片32の外周側の領域と溝部29の内周側の領域とを接続する接続リブ25が形成される。
接続リブ25には、軸方向に貫通して磁気的空隙を構成する第2空隙部80が形成されており、第2空隙部80は、円周62aC上において互いに離間して配置された2つの第3空隙82によって構成されている。
(実施形態と第1及び第2比較例との比較)
次に、実施形態のロータコア20(図2参照)と、第1及び第2比較例としてのロータコア200A、200B(図5及び図6参照)と、を比較するため、永久磁石片32のパーミアンス分布の解析、及びロータコア20、200A、200B中の磁気回路(磁路)の解析を行った。
図5に示すように、第1比較例に係るロータコア200Aは、実施形態に係るロータコア20において、第1及び第2空隙部70、80を設けない構成である。
図6に示すように、第2比較例に係るロータコア200Bは、側方バリア60が、延長線上縁部61を有しておらず、突出バリア部62の中央側周縁部62bが、頂部62aから周方向における磁極部50中央側且つ内周側に向かって延び、磁石挿入孔片41の外周縁部44と接続する点で、第1比較例のロータコア200Aと相違するが、他の構成は同一である。
図7、図8、及び図9には、それぞれ実施形態、第1比較例、及び第2比較例における、ロータコア20、200A、200B中の磁路が示されている。図10、図11、図12には、それぞれ実施形態、第1比較例及び第2比較例における永久磁石片32のパーミアンス分布が濃淡によって示されており、図10(a)、図11(a)、図12(a)は無負荷時の、図10(b)、図11(b)、図12(b)は負荷時の状態を示すものである。ここで、永久磁石片32において濃い部分はパーミアンスPが大きく、淡い部分はパーミアンスPが小さいことを示している。図13、図14、図15には、それぞれ実施形態、第1比較例及び第2比較例における一対の永久磁石片32の減磁分布が濃淡によって示されており、永久磁石片32において濃い部分は減磁量が大きく、淡い部分は減磁量が小さいことを示している。図16(a)〜(c)には、第2比較例の永久磁石30の減磁率を100とした場合において、それぞれ第2比較例、第1比較例、実施形態における永久磁石30の減磁率が示されている。図17(a)〜(c)には、第2比較例のロータトルクを100とした場合において、それぞれ第2比較例、第1比較例、実施形態におけるロータトルクが示されている。
先ず、第1比較例と第2比較例とを比較すると、第1比較例に係る永久磁石片32(図11参照)は、第2比較例に係る永久磁石片32(図12参照)に比べ、外周側の周方向外側端部(図12及び図11中、左側端部)においてパーミアンスが高いことがわかる。
これは、図9に示すように、第2比較例に係るロータコア200Bにおいては、側方バリア60の突出バリア部62が、永久磁石片32の周方向外側端面32dと周方向にオーバーラップするように形成されているので、永久磁石片32の周方向外側端部から、ステータ側(径方向外側)へ向かう磁束の経路の幅が狭くなってしまい、永久磁石片32の周方向外側端部からステータ側へ向かう磁束の経路における透磁率μ(永久磁石30からステータ側へ作用する磁束のループにおける磁束の通り易さを意味する。)が低下してしまうことに起因する。すなわち、パーミアンスPは、透磁率をμ、磁路断面積をA、磁路長をLとすると、P=μ×(A/L)で表されるので、第2比較例に係る永久磁石片32の周方向外側端部におけるパーミアンスPが低下する。
これに対し、図8に示すように、第1比較例に係るロータコア200Aにおいては、側方バリア60は、永久磁石片32の外周面32bの延長線32bL上に延びる延長線上縁部61と、延長線上縁部61の周方向における磁極部50端部側の端部から、延長線32bLよりも外周側に向かって突出した突出バリア部62と、を備えている。これにより、第2比較例に比べて、永久磁石片32の周方向外側端部において、ステータ側へ向かう磁束の経路の幅を広げることができ、永久磁石片32の周方向端部からステータ側へ向かう磁束の経路における透磁率μの低下を抑制でき、永久磁石片32の周方向外側端部のパーミアンスPが低下してしまうことを抑制できる。
ここで、図18に、縦軸を磁束密度{B(T)}、横軸を保磁力{−H(A/m)}として、永久磁石の減磁曲線とパーミアンス線を示すグラフを示した。永久磁石の動作点は、減磁曲線とパーミアンス線の交点(図18中、○で示した部分)で決まる。ステータに電流を印加すると永久磁石に反磁界が作用し、矢印C及びC´で示すようにパーミアンス線が負の方向に移動する。
永久磁石に作用する反磁界が小さい場合は、矢印Cで示されるようにパーミアンス線の負方向への移動も小さいので、減磁曲線とパーミアンス線との交点B1、B2、B3は、屈曲点の手前(図18中、上側)に位置する。したがって、永久磁石には減磁が発生せず、若しくは、減磁が発生した場合であってもその減磁量は小さい。
一方、永久磁石に作用する反磁界が大きい場合は、矢印C´で示されるようパーミアンス線の負方向への移動も大きいので、減磁曲線とパーミアンス線との交点B1´、B2´、B3´は、屈曲点近傍に位置し、永久磁石が減磁してしまうおそれがある。
このとき、永久磁石のパーミアンスが大きい箇所では、パーミアンス線の傾き(パーミアンス係数)が大きいので、減磁曲線とパーミアンス線との交点B1´は屈曲点の手前側(B軸側)に位置し、永久磁石の減磁量は小さい。さらに、B−Hカーブにおける永久磁石の動作点がB軸側に位置するので、磁束密度が大きく、トルクも大きくなる。
しかしながら、永久磁石のパーミアンスが小さい箇所では、パーミアンス線の傾きが小さく矢印Dで示す方向に傾くので、減磁曲線とパーミアンス線との交点B3´は屈曲点を越え、磁束密度が急激に小さくなる。したがって、永久磁石の一部において一旦屈曲点を越えて磁束密度が低下してしまった場合、反磁界の作用がなくなった際にも、永久磁石の磁束密度が元の磁束密度より低下し、永久磁石が減磁してしまう。
このように、パーミアンスが小さい程、永久磁石の減磁量は増大する。すなわち、パーミアンスが大きい程、永久磁石の減磁を抑制できる。
したがって、第1比較例に係る永久磁石片32の周方向外側端部のパーミアンスPは、第2比較例に係る永久磁石片32の周方向外側端部のパーミアンスPよりも大きいので、図14に示すように第1比較例に係る永久磁石片32の周方向外側端部の減磁率は、図15に示すように第2比較例に係る永久磁石片32の周方向外側端部の減磁率よりも小さくなる。
さらに、図16に示すように、永久磁石30としても、第1比較例における減磁率(図16(b)参照)は、第2比較例における減磁率(図16(a)参照)と比べて30%以上小さくなっており、第1比較例に係る回転電機のロータ10の構成は、減磁に対して有効であることが明らかとなった。
また、図17に示すように、第1比較例のロータトルク(図17(b)参照)は、第2比較例のロータトルク(図17(a)参照)に比べ、1.2%程度減少する。これは、第1比較例の側方バリア60には、延長線上縁部61が形成されたことによって、永久磁石片32の外周面32bから延長線上縁部61を介して永久磁石片32の周方向外側端面32dへ磁束の短絡経路が発生したためであると考えられる。
次に、実施形態(図10参照)について着目すると、第2比較例(図12参照)に比べて、永久磁石片32の外周側の周方向外側端部においてパーミアンスPが高いことがわかる。これは、実施形態は、第1比較例と同様に、側方バリア60が永久磁石片32の外周面32bの延長線32bL上に延びる延長線上縁部61を備えることにより、第2比較例に比べて、永久磁石片32の周方向外側端部においてステータ側へ向かう磁束の経路の幅を広げることが可能であるためである。
したがって、図13に示すように実施形態に係る永久磁石片32の周方向外側端部の減磁率は、図15に示すように第2比較例に係る永久磁石片32の周方向外側端部の減磁率よりも小さくなる。
また、実施形態では、ロータコア20に第1空隙部70、80が設けられるので、第1比較例に比べて、透磁率μが減少する結果、パーミアンスPが減少し(図10及び図11参照)、減磁率も大きくなる(図13及び図14参照)。
しかしながら、実施形態に係るロータコア20においては、第1空隙部70の第1空隙71が、頂部62aよりも内周側(円周62aCよりも内周側)に配置されるので、永久磁石片32の外周面32bから延長線上縁部61を介して永久磁石片32の周方向外側端面32dへ向かう経路における磁束の短絡が抑制され、透磁率μが大きくなる。また、第1空隙部70において形成される中央側リブ74、中間リブ75、及び端部側リブ76が、互いに接続されると共に、互いに角度を有して配置されるので、ステータへ向かう磁束経路が多くなり、透磁率μが大きくなる。また、2つの第1空隙71a、71bが円周62aC上で周方向に沿って配置されるので、短絡磁束の回り込みの経路上に配置されることとなり、磁束の短絡が抑制され、透磁率μが大きくなる。また、突出バリア部62の磁極部50端部側(接続リブ25)に、第2空隙部80が形成されるので、さらに磁束短絡が抑制され、透磁率μが大きくなる。
このように、実施形態では、第1及び第2空隙部70、80が設けられたことにより、第1比較例に比べて、永久磁石片32の透磁率μ及びパーミアンスPが若干減少するものの、第1及び第2空隙部70、80を特徴ある構成とすることにより、透磁率μ及びパーミアンスPの減少量は最小限に抑制される。
これにより、図16に示すように、永久磁石30としても、実施形態における減磁率(図16(c)参照)は、第1比較例おける減磁率(図16(b)参照)と比べて数%程度の増加に留まっている。
さらに、図17に示すように、実施形態(図17(c)参照)では、上述したように第1空隙部70及び第2空隙部80が設けられたことにより、磁束の短絡が抑制されるので、第1比較例(図17(b)参照)に比べて、ロータトルクが増大する。この結果、実施形態のロータトルクを、第2比較例のロータトルク(図17(a)参照)に比べて0.6%程度の減少に留まらせることが可能である。
(実施例)
次に、実施形態のロータコア20において、延長線上縁部61と、突出バリア部62の中央側周縁部62bと、がなす角度α(図3参照)を、30度から120度の間に設定し、永久磁石30の減磁率について解析を行った。図19には、角度αを105度又は120度に設定した場合の永久磁石30の減磁率を1とした場合の永久磁石30の減磁率が示されている。
これによると、角度αが105度又は120に設定された場合よりも、角度αが90度以下に設定された場合の方が、減磁率が低いことがわかる。これは、角度αが90度以下に設定された場合、永久磁石片32の周方向外側端部に作用するステータの反磁界が、角度αが90度より大きく形成された場合に比べて、永久磁石片32の外周面32bに対して垂直に近い方向から作用するため、永久磁石片32の周方向外側端部を減磁しにくくなるからである。なお、角度αが90度より大きくした場合、永久磁石片32の周方向外側端部に作用するステータの反磁界が、永久磁石片32の外周面32bに対して斜めから作用するため、減磁しやすくなってしまう。
また、角度αが30度又は60度に設定された場合よりも、75度又は90に設定された場合の方が、減磁率が低いことがわかる。これは、角度αが90度から小さくなっていくにつれて、永久磁石片32の周方向外側端部からステータ側へ向かう磁束の経路の幅が狭くなってしまい、透磁率μが減少し、パーミアンスPが減少するためである。
このように、角度αは、75度〜90度の範囲に設定する構成が、永久磁石片32の周方向端部におけるステータ側へ向かう磁束の経路の幅を確保し、減磁率を減少させるために、最も好適であることが明らかとなった。
なお、角度αは、90度から小さくなっていくにつれて、突出バリア部62の中央側周縁部62bの周囲において発生する応力が大きくなるが、75度〜90度の範囲に設定することで、応力の集中を抑制することが可能である。
以上、説明したように、本実施形態の回転電機のロータ10によれば、側方バリア60は、永久磁石片32の外周面32bの延長線32bL上に延びる延長線上縁部61と、延長線上縁部61の周方向における磁極部端部側の端部から、延長線32bLよりも外周側に向かって突出した突出バリア部62と、を備えている。これにより、第2比較例に係るロータコア200Bのように、側方バリア60の突出バリア部62が、永久磁石片32の周方向外側端面32dと周方向にオーバーラップするように形成される場合に比べて、永久磁石片32の周方向端部において、ステータ側へ向かう磁束の経路の幅を広げることができ、永久磁石片32の周方向端部からステータ側へ向かう磁束の経路における透磁率μの低下を抑制でき、永久磁石片32の周方向端部のパーミアンスPが低下してしまうことを抑制できる。
また、延長線上縁部61と、突出バリア部62の中央側周縁部62bと、がなす角度αが、75度から90度の間に形成されるので、永久磁石片32の周方向端部に作用するステータの反磁界が、永久磁石片32の外周面32bに対して垂直に近い方向から作用するため、永久磁石片32の周方向端部を減磁しにくくすることができる。
また、突出バリア部62の中央側周縁部62bと、永久磁石片32の外周面32bの周方向外側端部と、の各々に対向する領域には、突出バリア部62及び磁石挿入孔片41とは離間した磁気的空隙からなる第1空隙部70が形成され、第1空隙部70は、突出バリア部62の頂部62aと略同一半径の円周62aC上に配置された第2空隙72a(72b)が形成される。したがって、永久磁石片32の磁束は、突出バリア部62の頂部62aとロータコア20の外周面20aとの間を回り込むようにして短絡するが、第2空隙72a(72b)が突出バリア部62の頂部62aと略同一半径の円周62aC上において、周方向に沿って配置されていることにより、磁束の回り込みの経路上に配置されることとなり、永久磁石片32の磁束短絡を効果的に抑制することができる。
また、第1空隙部70は、第2空隙72a(72b)と永久磁石片32の外周面32bとの間の半径方向位置に配置される第1空隙71を有する。これにより、永久磁石片32の外周面32bから延長線上縁部61を通じて永久磁石片32の周方向外側端面32dへ向かう経路における磁束の短絡を抑制することができる。したがって、永久磁石片32の周方向外側端部において、ステータ側へ向かう磁束の経路の幅を広げつつ、永久磁石片32の磁束短絡をより効果的に抑制することができる。
また、角度αは、90度から角度が小さくなっていくにつれて、永久磁石片32の周方向端部において、ステータ側へ向かう磁束の経路の幅が狭くなってしまうが、75度〜90度の範囲に設定することで、永久磁石片32の周方向端部におけるステータ側へ向かう磁束の経路の幅を確保することができ、透磁率μ低下を抑制し、パーミアンスP低下を抑制できる。
また、角度αは、90度から角度が小さくなっていくにつれて、突出バリア部62の中央側周縁部62bの周囲において発生する応力が大きくなりやすくなってしまうが、75度〜90度の範囲に設定することで、応力の集中を抑制することができる。
また、側方バリア60の内周側縁部64cからロータコア20の一部が外周側に突出して、永久磁石片32の周方向外側端面32dと当接する当接部23が形成されるので、側方バリア60に永久磁石片32の外周面32bの延長線32bL上に延びる延長線上縁部61が形成されている場合であっても、当接部23が永久磁石片32の周方向外側端面32dと当接することにより永久磁石片32を位置決めすることができ、永久磁石片32の位置ずれを抑制することができる。
なお、仮に、側方バリア60の外周側端部に、永久磁石片32の周方向外側端面32dと当接する当接部を設けた場合には、ロータコア20及び永久磁石片32に作用する遠心力によって当接部23に比較的大きな応力が発生してしまうが、側方バリア60の内周側縁部64cにおける当接部23によって永久磁石片32を位置決めするため、当接部23における応力の集中を抑制することができる。
また、側方バリア60は、永久磁石片32の周方向外側端面32dと、少なくとも周方向外側端面32dの径方向厚み32L全体に亘って対向する径方向厚みを有しており、且つ当接部23は側方バリア60の内周側縁部64cから外周側に突出して、永久磁石片32の周方向外側端面32dと当接する。したがって、従来の特許文献1(図20参照)のように永久磁石片32の周方向外側端面32dに直接短絡磁束の回り込んでしまう経路が発生することを抑制でき、磁束短絡を抑制することができる。
また、第2空隙72a、72bは、突出バリア部62の頂部62aと略同一半径の円周62aC上において、周方向に沿って複数形成され、複数の第2空隙72a、72bの周方向における間で、且つ複数の第2空隙72a、72bよりも内周側に第1空隙71が配置される。これにより、第1空隙71と中央側第2空隙72aとの間に中央側リブ74が形成され、複数の第2空隙72a、72bの間には中間リブ75が形成され、第1空隙71と端部側第2空隙72bとの間には端部側リブ76が形成されることとなるため、ロータ回転時に永久磁石片32及びロータコア20に遠心力が作用した場合においても、ロータ強度の低下を抑制することができる。
また、磁束短絡を抑制しながら、中央側、中間、端部側リブ74、75、76を介してステータ側へ向かう磁路を確保しやすくなるため、透磁率μの低下を抑制して、パーミアンスPの低下を抑制することができる。
したがって、永久磁石片32の減磁を抑制することができるとともに、B−Hカーブにおける永久磁石片32の動作点をB軸側にシフトさせることができ、トルクを向上させることができる。
また、突出バリア部62は、頂部62aと、頂部62aの周方向における磁極部50中央側に接続して内周側に延びる中央側周縁部62bと、頂部62aの周方向における磁極部50端部側に接続して内周側に向かって延びる端部側周縁部62cと、を備えて略三角形状に形成され、第2空隙72a(72b)は、端部側周縁部62cの延長線62cL上又は延長線62cLよりも内径側に設けられる。ここで、延長線62cLよりも外周側には、比較的大きな応力の発生する帯状の領域が生じることとなるが、第2空隙72a(72b)を帯状の領域よりも内径側に設けることによって、第2空隙72a(72b)を設けた場合であってもロータコア20の強度低下を抑制することができる。
なお、本発明の回転電機のロータ10は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能である。
10 回転電機のロータ
20 ロータコア
23 当接部
30、30A、30B 永久磁石
32 永久磁石片
32L 径方向厚み
32a 内周面
32aL 延長線
32b 外周面
32bL 延長線
32c 周方向内側端面
32d 周方向外側端面(周方向端面)
40 磁石挿入孔
50、50A、50B 磁極部
60 側方バリア
60L 径方向厚み
61 延長線上縁部
62 突出バリア部
62a 頂部
62aC 円周
62b 中央側周縁部
62c 端部側周縁部
62cL 延長線
64c 内周側縁部
70 第1空隙部(空隙部)
71 第1空隙
72a、72b 第2空隙
73 外周側縁部
74 中央側リブ
75 中間リブ
76 端部側リブ
80 第2空隙部
82 第3空隙
α 角度

Claims (4)

  1. ロータコアと、
    前記ロータコアの内部に、周方向に所定の間隔で配置された複数の磁極部と、
    を備え、
    前記磁極部が、径方向に磁化されており且つ周方向で交互に磁化方向が異なるように構成された回転電機のロータであって、
    前記磁極部は、前記ロータコアに形成された磁石挿入孔に永久磁石が挿入されることによって構成され、
    前記永久磁石の周方向端面と隣接する部分には、磁気的空隙からなる側方バリアが形成され、
    前記側方バリアは、前記永久磁石の前記周方向端面と、少なくとも前記周方向端面の径方向厚み全体に亘って対向する径方向厚みを有し、
    前記側方バリアは、前記永久磁石の外周面の延長線上に延びる延長線上縁部と、前記延長線上縁部の周方向における前記磁極部端部側の端部から、前記永久磁石の前記外周面の延長線よりも外周側に向かって突出した突出バリア部と、を有し、
    前記突出バリア部の周方向における前記磁極部中央側の周縁部と、前記永久磁石の前記外周面の周方向端部と、の各々に対向する領域には、前記突出バリア部及び前記磁石挿入孔とは離間した磁気的空隙からなる空隙部が形成され、
    前記空隙部は、前記突出バリア部において最も外周側に位置する頂部と略同一半径であり前記ロータの回転軸を中心とした円の円周上に配置された第2空隙と、前記第2空隙と前記永久磁石の前記外周面との間の半径方向位置に配置された第1空隙と、を有し、
    前記延長線上縁部と、前記突出バリア部の周方向における前記磁極部中央側の周縁部と、がなす角度は、75度から90度の間に形成される
    ことを特徴とする回転電機のロータ。
  2. 前記側方バリアの内周側縁部から前記ロータコアの一部が外周側に突出して、前記永久磁石の前記周方向端面と当接する当接部が形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機のロータ。
  3. 前記第2空隙は、前記突出バリア部の前記頂部と略同一半径の前記円周上において、円周方向に沿って複数形成され、
    複数の前記第2空隙の周方向における間で、且つ複数の前記第2空隙よりも内周側に前記第1空隙が配置される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機のロータ。
  4. 前記突出バリア部は、前記頂部と、前記頂部の周方向における前記磁極部中央側に接続して内周側に延びる中央側周縁部と、前記頂部の周方向における前記磁極部端部側に接続して内周側に向かって延びる端部側周縁部と、を備えて略三角形状に形成され、
    前記第2空隙は、前記端部側周縁部の延長線上又は延長線よりも内径側に設けられる
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の回転電機のロータ。
JP2013105181A 2013-05-17 2013-05-17 回転電機のロータ Active JP6131100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013105181A JP6131100B2 (ja) 2013-05-17 2013-05-17 回転電機のロータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013105181A JP6131100B2 (ja) 2013-05-17 2013-05-17 回転電機のロータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014226008A JP2014226008A (ja) 2014-12-04
JP6131100B2 true JP6131100B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=52124284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013105181A Active JP6131100B2 (ja) 2013-05-17 2013-05-17 回転電機のロータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6131100B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10432043B2 (en) * 2016-12-16 2019-10-01 Ford Global Technologies, Llc Slotted rotor-bridge for electrical machines
WO2018235144A1 (ja) * 2017-06-19 2018-12-27 日産自動車株式会社 回転電機の回転子
KR102351792B1 (ko) 2020-01-22 2022-01-17 엘지전자 주식회사 전동기 및 이를 구비한 압축기

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8937420B2 (en) * 2010-02-08 2015-01-20 Mitsubishi Electric Corporation Rotor of permanent magnet embedded motor, blower, and compressor
JP2011199947A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Toyota Industries Corp 回転電機の永久磁石埋設型回転子及び回転電機
CN103280904A (zh) * 2013-05-03 2013-09-04 苏州和鑫电气股份有限公司 电动汽车用双层v型内置式永磁电机转子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014226008A (ja) 2014-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6110151B2 (ja) 回転電機のロータ
KR102097940B1 (ko) 회전 전기 기기, 회전자 철심의 제조 방법
JP5387033B2 (ja) 分割型回転子及び電動機
JP5732447B2 (ja) 回転電機のロータ
JP5353917B2 (ja) 回転電機用回転子
US8803394B2 (en) Rotor for rotary electric machine having a magnetic flux-restraining hole
JP5038475B2 (ja) ロータ
US9172279B2 (en) Automotive embedded permanent magnet rotary electric machine
CN108574355B (zh) 旋转电机的转子
US20150069874A1 (en) Rotating electric machine rotor
JP6131100B2 (ja) 回転電機のロータ
JP6748852B2 (ja) ブラシレスモータ
US20130207501A1 (en) Rotary electric machine
JP2009118687A (ja) 永久磁石式回転機
JP6627784B2 (ja) 回転電機ロータ
JP5307328B2 (ja) ステータ構造
JP6413788B2 (ja) リラクタンスモータ用のロータコア
EP4020778A1 (en) Rotor and motor
JP6112970B2 (ja) 永久磁石式回転電機
EP3425770B1 (en) Rotating electric machine and rotating electric machine manufacturing method
WO2020100675A1 (ja) 回転子およびそれを備えた回転電気機械
JP6349428B2 (ja) 回転電機のロータ
JP5481779B2 (ja) 永久磁石式電動機
JP6747064B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP2013132163A (ja) 永久磁石モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161004

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170321

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6131100

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150