JP6130685B2 - 鞍乗型車両用内燃機関 - Google Patents

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本発明は、比較的小型の内燃機関においてもクラッチ操作性を向上できる鞍乗型車両用内燃機関に関する。
鞍乗型車両用内燃機関においては従来、例えば下記特許文献1に示されるプロペラシャフト駆動のものでは、クラッチレリーズシリンダが、ファイナルギヤカバーのメイン軸軸端側への延在部に設けられているものはあるが、比較的小型の内燃機関の場合には、カウンタ軸に駆動スプロケットが設けられるものが多く、クランクケースのメイン軸軸端側の側面は駆動スプロケットおよび駆動チェーンとの干渉を受け易く、クラッチワイヤ式に代えてクラッチレリーズシリンダを用いた油圧操作式クラッチレリーズ機構を採用する時は、クラッチレリーズシリンダの取付けが課題となっていた。
特開昭60−143128号公報(第1図〜第3図)
本発明は、上記従来技術に鑑み、比較的小型の鞍乗型車両用内燃機関においても、クラッチレリーズシリンダのスペース確保が容易となり、従来のクラッチワイヤ式に対して、クラッチレリーズシリンダによってクラッチ操作性を向上することができる鞍乗型車両用内燃機関を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、クランク軸と平行に、一端側と他端側を配向させた一対の変速歯車軸としてメイン軸とカウンタ軸とをクランクケース内に支持する鞍乗型車両用内燃機関において、
前記メイン軸の前記一端側にクラッチが支持され、前記カウンタ軸の前記他端側には駆動輪への出力部材が設けられ、前記他端側に位置して前記クランク軸の端部から、前記メイン軸の他端側まで延出させたカバー部材が設けられ、同カバー部材に、前記メイン軸内を軸方向に挿通し前記クラッチを操作するプッシュロッドが通る開口部を備えた延長部設けられ、同開口部を塞ぐように、前記プッシュロッドを操作するクラッチレリーズシリンダが取付けられ、前記クランク軸を覆う前記カバー部材は、クランク軸の前記端部に設けられる発電機の発電機カバーであり、前記クラッチレリーズシリンダには、前記発電機カバーの前記延長部と前記クランクケースとの双方に対する締結ネジによる締結取付け部が上下に分散して設けられたことを特徴とする鞍乗型車両用内燃機関である
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鞍乗型車両用内燃機関において、前記クラッチレリーズシリンダは車幅方向において、前記クランク軸を覆う前記カバー部材の外側面と前記駆動輪への出力部材との間に設けられたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の鞍乗型車両用内燃機関において、前記駆動輪への出力部材は、駆動チェーンを駆動する駆動スプロケットであり、その径方向と重なるように前記プッシュロッドが通る開口部が設けられたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関において、発電機カバーの延長部における前記開口部は、前記クラッチレリーズシリンダに設けられた挿入嵌装部が嵌装されるレリーズシリンダ取付け穴を有し、前記クラッチレリーズシリンダの前記締結取付け部は、クラッチレリーズシリンダから径方向外方へ張り出す複数のフランジ部であり、各フランジ部に前記締結ネジが挿通される締結孔が設けられたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の鞍乗型車両用内燃機関において、前記クラッチレリーズシリンダは、前記発電機カバーのクランクケースとの周囲合せ面を跨ぐように配置されたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関において、前記締結取付け部は、前記クラッチレリーズシリンダから半径方向に延びる操作油供給部をまたぐ2か所と、同2か所と前記クラッチレリーズシリンダの筒状本体部を挟んだ1か所とに設けられたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の鞍乗型車両用内燃機関において、前記操作油供給部には、エア抜き用のブリーダが一体に構成されたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項4ないし請求項7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関において、前記プッシュロッドは、軸方向で分割構造をなし、前記カバー部材側に位置する鋼製ロッドが、中央側のアルミ材製ロッドに、前記メイン軸内で連結される構造を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、クランク軸の端部の発電機を覆うカバー部材のメイン軸の領域にいたる延長部に、メイン軸内を軸方向に挿通しクラッチを操作するプッシュロッドが通る開口部を設けて、クラッチレリーズシリンダをカバー部材と共にクランクケースにクラッチレリーズシリンダの締結取付け部で取付けたので、クラッチレリーズシリンダのスペース確保が容易となり、従来のクラッチワイヤ式に対して、クラッチレリーズシリンダによって小型内燃機関においてもクラッチ操作性を向上することができ、しかも、クラッチレリーズシリンダの組立てが容易になり、重ね締結構造により補強がなされる。
また、発電機と駆動スプロケットとの距離を近づけつつ、クラッチレリーズシリンダを安定して取付けることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、クラッチレリーズシリンダによる内燃機関の車幅方向への張り出しを防止しつつ、小型内燃機関においてもクラッチ操作性を向上することができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、メイン軸とカウンタ軸をより接近させることができ、変速歯車軸間の大型化が防止され、駆動チェーンとその周囲との隙間が確保される。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれか一項の発明の効果に加え、締結ネジによる重ね締結構造により補強がなされる。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、クラッチレリーズシリンダと発電機との距離がより大きく取れて、発電機を大型化でき、その慣性マスの増大により低中速域の乗り心地が向上する。
請求項6の発明によれば、請求項1ないし3のいずれか一項の発明の効果に加え、締結取付け部に締結される締結ネジを、少ない本数としながら、操作油供給部を保護できる。
請求項7の発明によれば、請求項6の発明の効果に加え、別体のエア抜き用のブリーダを接続させないので、クラッチレリーズシリンダの外周の大型化を防止し、ブリーダを狭いスペースに配置できる。
請求項8の発明によれば、請求項4ないし請求項7のいずれか一項の発明の効果に加え、カバー部材の取り外し時に露出するプッシュロッドの部分を、アルミ材より強固な鋼製のものとしているので、メンテナンス性が向上する。
本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両用内燃機関を搭載したオフロード系の自動二輪車の左側面図である。 図1の自動二輪車に搭載された姿勢の鞍乗型車両用内燃機関の全体を左側から視た、一部断面とする概略左側面図である。 図2中III矢視部に示される発電機カバーの延長部の開口部に取付けられる、クラッチレリーズシリンダの左外側面図である。 図2中、IV−IV矢視による鞍乗型車両用内燃機関の断面展開図である。 図4中V−V矢視によるシリンダヘッドおよびシリンダヘッドカバーの頂面図である 図4中、クラッチレリーズシリンダ周辺部分の拡大図である。 図6中、VII−VII矢視による、クラッチレリーズシリンダを取り付ける発電機カバーの延長部の開口部周辺の、内面図(右面図)である。
図1から図7に基づき、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両用内燃機関につき説明する。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る鞍乗型車両用内燃機関を鞍乗型車両に備えた状態での車両(鞍乗型車両)の向きに従うものとする。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
なお、本実施形態において「鞍乗型車両」は、オフロード系の自動二輪車である。
図1は、本実施形態に係る鞍乗型車両用内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)3を搭載したオフロード系の自動二輪車1の、左側面図である。
なお、自動二輪車1は、載置台18に載置された状態で、やや斜視図的に図示されている。
自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ20から後方に延出したメインフレーム21が下方に湾曲して延び、ヘッドパイプ20から下方に延出したダウンフレーム22の下端とメインフレーム21の下端のセンタフレーム23がボトムプレート24で連結されてループ状を構成して、その中に内燃機関3が位置して、ダウンフレーム22とセンタフレーム23に懸架されている。
メインフレーム21の上部からは後方にシートレール25が延びている。
ヘッドパイプ20に回動自在に軸支されたフロントフォーク10の下端に前輪11が軸支され、操向ハンドル12により操向される。
ピボット軸13によってセンタフレーム23に前端を軸支されたリヤフォーク14が後方に延び、リヤフォーク14の上下に揺動自在の後端に後輪15が軸支されている。
リヤフォーク14とシートレール25の前部との間には、図示しないリヤクッションが介装されている。
内燃機関3の上方において燃料タンク16がメインフレーム21に支持され、燃料タンク16の後方にシート17がシートレール25に支持されて設けられている。
以上のように自動二輪車1に搭載される本実施形態の内燃機関3は、水冷式単気筒の4バルブ方式の4ストロークサイクル内燃機関である。
クランク軸31を車幅方向に配向して搭載されたクランクケース30に、シリンダブロック32とシリンダヘッド33を略上方にやや前傾起立した姿勢で、車体フレーム2に支持され、シリンダヘッド33の後部の吸気ポート35には後方に吸気系4が連結されている。
シリンダヘッド33の前部の排気ポート36から前方に延出した排気管51は、シリンダヘッド33を右方に廻り込んで内燃機関3の右側に沿って後方に延びて、シートレール25の後部に吊設されたマフラー52に連結され、排気系5が構成されている。
図2は、自動二輪車1に搭載された姿勢の内燃機関3全体を左側から視た概略左側面図(一部断面)であり、図3は、図2中III矢視部に示される発電機カバー37の延長部37aの開口部40に取付けられる、クラッチレリーズシリンダ8の左外側面図である。
内燃機関3のクランクケース30は左右割り構造であり、左クランクケース30Lと右クランクケース30Rが締結されて構成され、前側にクランク室30C、後側にミッション室30Mが形成され、内燃機関3はいわゆるパワーユニットを形成する。
クランク室30Cにはシリンダブロック32が若干前傾した姿勢で嵌合し、シリンダブロック32の上にシリンダヘッド33が重ねられてクランクケース30に締結され、さらにシリンダヘッド33の上にシリンダヘッドカバー34が被せられて締結されている。
図4は、図2中、IV−IV矢視による内燃機関3の断面展開図であり、クランク室30C内では、車幅方向(左右方向)に指向してクランクケース30に回転自在に軸支されたクランク軸31と、シリンダブロック32のシリンダボア32a内を往復摺動するピストン38とを、コンロッド39が連結している。
ミッション室30M内には、クランク軸31の回転動力を伝達する変速機6が配設されている。
変速機6は、常時噛合い式のギヤ変速機であり、クランク軸31と平行に、左端側と右端側を配向させた一対の変速歯車軸をなすメイン軸61とカウンタ軸62が、左、右クランクケース30L、Rに回転自在に支持される。
メイン軸61はクランク軸31の後方でやや上方に位置し、その右端側にクラッチ7が支持され、クラッチ7を介してクランク軸31の動力が伝達される。
図4に示されるように、一対の変速歯車軸であるメイン軸61とカウンタ軸62には、それぞれ装着される変速ギヤ群61g、62gが備えられ、互いに対となるギヤ同士を噛合しており、変速機6の図示しない変速操作機構によってギヤ切換えがなされて、変速が行われる。
カウンタ軸62は、内燃機関1の出力軸でもあり、クランク軸31およびメイン軸61の後方に位置し、クランクケース30を左方に貫通して外部に突出させたその左端側には、後輪(本発明の「駆動輪」)15への出力部となる駆動スプロケット(本発明の「駆動部材」)63が嵌着され、後輪15の被動スプロケット64との間に駆動チェーン65が掛け渡され(図1参照)、動力が後輪15に伝達される。
メイン軸61の右端部に支持されたクラッチ7は、公知の多板式の摩擦クラッチであり、クランク軸31の回転がクラッチ7を介してメイン軸61に伝達される。クランク軸31の回転動力は、クランク軸31側のプライマリドライブギヤ31aとクラッチ7側のプライマリドリブンギヤ7aを介してクラッチ7に伝達されるが、クラッチ7は、変速機6のギヤ切換え中にはクランク軸31の回転動力を変速機6に伝達せず、変速機6のギヤ切換えが終了するとともにクランク軸31の回転動力を変速機6に伝達するように構成されている。
すなわち、クランク軸31のプライマリドライブギヤ31aからプライマリドリブンギヤ7aへ伝達された動力は、トルクダンパ71aを介してクラッチ7のクラッチアウタ71に伝達される。
メイン軸31の右端部には、クラッチ7のクラッチインナ72が嵌着され、クラッチ7のクラッチアウタ71はメイン軸31に回転自在に軸支されるとともに、クラッチインナ72の外周囲を覆っており、その間でクラッチアウタ71にスプライン嵌合する駆動摩擦板73と、クラッチインナ72にスプライン嵌合する被動摩擦板74が軸方向に交互に重なり、クラッチインナ72に形成された左側の受圧板76と、クラッチインナ72に軸方向に摺動自在に支持された右側の加圧板75との間に挟まれている。
加圧板75はクラッチスプリング77により左方向に付勢されている。
メイン軸61は、円筒状をなし、内部クラッチ7の断続を操作するプッシュロッド81が挿通しており、プッシュロッド81の右端は、メイン軸61より右方に突出するレリーズ部材82に連結され、レリーズ部材82を介して加圧板76に連結されている。
一方、プッシュロッド81の左端部は、左クランクケース30Lを貫通して、クラッチレリーズシリンダ8のレリーズピストン80に嵌着されている。
一方、図4に示されるように、左クランクケース30Lから左方へ突出したクランク軸31の左端部には、交流発電機(本発明の「発電機」)9が設けられる。
左クランクケース30Lには、交流発電機9の範囲をカバーし、その周縁に左方へ突出する環状の発電機カバー取付け周壁30Laが一体に形成され、発電機カバー取付け周壁30Laの左端面には、発電機カバー(本発明の「カバー部材」)37がその周囲合せ面37cを当接させて締結取付けられて、交流発電機9が発電機カバー取付け周壁30Laの内側において発電機カバー37に覆われる。
交流発電機9のロータ91は、クランク軸31の左端部に取り付けられ、ステータ92は、ロータ91の内周側に位置して発電機カバー37の内面に取り付けられている。
発電機カバー37は、図2、図4に示されるように、一対の変速歯車軸をなす一方のメイン軸61の左端側であって、クランク軸31の左端部を覆い、クランク軸31の左端部からメイン軸61の左端側まで延出されて形成されており、その発電機カバー37の延長部37aには、クラッチ7の断続を操作する上記のプッシュロッド81が通る開口部40が設けられている。
開口部40の左端は、メイン軸61の軸芯と直角の面をなすレリーズシリンダ取付け坐41に形成され、メイン軸61と同心となるようにレリーズシリンダ取付け穴42(図6、図7参照)が形成されている。
クラッチレリーズシリンダ8は、図4中クラッチレリーズシリンダ8周辺部分の拡大図である図6に詳細に示されるように、レリーズピストン80を内装する筒状本体部83と、レリーズシリンダ取付け穴42に挿入嵌装される挿入嵌装部84と、筒状本体部83の半径方向に向けて延設され、クラッチレリーズシリンダ8にレリーズピストン80の操作用の操作油を供給する操作油供給部85と、図3に示されるように、レリーズシリンダ取付け坐41に沿って延在して締結されるフランジ部86を備えている。
フランジ部86には、レリーズシリンダ取付け坐41に設けられた締結ネジ孔43に螺入させる締結ネジ87を挿通させる締結孔(本発明の「締結取付け部」)88が設けられている。
発電機カバー37の延長部37aの開口部40付近の発電機カバー37の内面図(右面図)である図7に示されるように、発電機カバー37の延長部37aの開口部40に形成されたレリーズシリンダ取付け穴42は、発電機カバー37のクランクケース30との周囲合せ面37cを跨ぐように配置されており、レリーズシリンダ取付け穴42に挿入嵌装部84(図6参照)が嵌装されるクラッチレリーズシリンダ8も、周囲合せ面37cを跨ぐように配置される。
そのため、クラッチレリーズシリンダ8と交流発電機9との距離がより大きく取れて、発電機9を大型化でき、その慣性マスの増大により低中速域の乗り心地が向上している。
また、クラッチレリーズシリンダ8を締結するための発電機カバー37の締結ネジ孔43は、クラッチレリーズシリンダ8のフランジ部86の締結孔88と同位置であり、図7に示されるように、発電機カバー37のクランクケース30との周囲合せ面37cに沿っているため、クラッチレリーズシリンダ8の締結ネジ87を共用して、クラッチレリーズシリンダ8と発電機カバー37を共にクランクケース30に締結でき、組み立て工数が低減される。
なお、図4、図6においては、取り付け構造説明の便宜のため、クラッチレリーズシリンダ8の操作油供給部85が、カウンタ軸62に向く方向(後方)に延在して図示されているが、本実施形態においては実際は、図1、図2に図示されるように、クラッチレリーズシリンダ8の操作油供給部85は上方に向けて配設される。
クラッチレリーズシリンダ8のフランジ部86の締結孔88は、上下に分散して設けられており、クラッチレリーズシリンダ8の筒状本体部83から半径方向に延びる操作油供給部85をまたぐように2か所と、同2か所とクラッチレリーズシリンダ8の筒状本体部83を挟んだ1か所とに設けられており、それぞれの締結孔88において発電機カバー37のレリーズシリンダ取付け坐41に対応して形成された締結ネジ孔43に締結ネジ87で締結される。
そのため、フランジ部86が上下に長く細くなるので、前後に位置する交流発電機9と駆動スプロケット63との距離を近づけつつ、クラッチレリーズシリンダ8を安定して取付けることができ、締結孔88に締結される締結ネジ87を、少ない本数としながら、操作油供給部85を保護できる。
なお、図3においては、操作油供給部85に連結された操作油供給管89が、部材取付け関係図示のため、前方へ延在して図示されているが、本実施形態において実際は、操作油供給管89は右方向に延在し、クランクケース30を右側に乗り越え、メインフレーム21に沿って図示しないマスター油圧シリンダまで延設される。
本実施形態のクラッチレリーズシリンダ8は、図示しないECU(Engine Control Unit)により制御される図示しないマスター油圧シリンダから、あるいは図示しないクラッチレバーで直接操作されるマスター油圧シリンダから加圧供給される操作油が、操作油供給部85経由送給され、レリーズピストン80が操作される。
したがって、クラッチレリーズシリンダ8が作動してレリーズピストン80がプッシュロッド81を右方に押すと、レリーズ部材82を介して加圧板75をクラッチスプリング77のばね力に抗して右方に移動させて、クラッチスプリング77のばね力により接続していたクラ
ッチ7を切断することができる。
クラッチ7の接続は、マスター油圧シリンダから供給される操作油の圧力を解除し戻すことで行なわれる。
上記の本実施形態においては、クランク軸31の左端部を覆う発電機カバー37に、メイン軸61内を軸方向に挿通しクラッチ7を操作するプッシュロッド81が通る開口部40を設けて、クラッチレリーズシリンダ8を取付けたので、クラッチレリーズシリンダ8のスペース確保が容易となり、油圧操作式クラッチレリーズ機構が採用でき、従来のクラッチワイヤ式に対して、クラッチレリーズシリンダ8によって小型内燃機関においてもクラッチ操作性を向上することができるものとなった。
また、図4、図6に示されるように、クラッチレリーズシリンダ8は、車幅方向において、クランク軸31の左端を覆う発電機カバー37の外側面37bと、駆動輪としての後輪15への出力部材である駆動スプロケット63との間に設けられている。
そのため、クラッチレリーズシリンダ8による内燃機関3の車幅方向への張り出しを防止しつつ、小型内燃機関においてもクラッチ操作性を向上できるものとなった。
また、後輪1への出力部材として、駆動チェーン65を駆動する駆動スプロケット63を用い、その径方向と重なるようにプッシュロッド81が通る開口部40が設けられており、径方向寸法を要する駆動スプロケット63とクラッチレリーズシリンダ8が径方向において重なることが無いため(すなわち、相互の軸方向位置が異なるため)、駆動スプロケット63が嵌装されるカウンタ軸62と、クラッチレリーズシリンダ8が装着されるメイン軸61との間の大型化が防止され、駆動チェーン65とその周囲との隙間を確保することができた。
また、本実施形態の操作油供給部85には、エア抜き用のブリーダ100が一体に構成されている。
図3に示されるように、操作油供給管89のコネクタ89aはオイルボルト101によって操作油供給部85に締結されるとともに、オイルボルト101に中心軸に沿って穿孔された通孔101aを経由して操作油の供給がなされるが、オイルボルト101には通孔101aを外気に対して解放、閉塞させるためのブリーダスクリュ102が、通孔101aに同軸方向に螺入されて、操作油供給部85と一体に空気抜きのためのブリーダ100が構成されている。
すなわち、ブリーダスクリュ102の螺入先端102aは、オイルボルト101の通孔101aに形成された段部101bに、ブリーダスクリュ102の進退により接離して、ブリーダ100を開閉する。
ブリーダスクリュ102には、螺入反対側(外気側)が開放し、螺入側(先端側)は閉じたブリーダ孔102bが穿孔され、ブリーダ孔102bは、螺入先端102aの近傍側方において側孔部102cで開放されている。
従って、ブリーダスクリュ102を退かせ、ブリーダ100が「開」の状態では、クラッチレリーズシリンダ8内は、オイルボルト101の通孔101aから、ブリーダスクリュ102の側孔部102c、ブリーダ孔102bを経由して外気に開放される。
そのようにして、クラッチレリーズシリンダ8の操作油を新たに充填する場合、または更新する場合、充填に伴いクラッチレリーズシリンダ8内の空気を抜く(ブリード)ことができる。
なお、図3中103は、通常、ブリーダスクリュ102を覆うゴムキャップである。
本実施形態では、そのように操作油供給部85には、エア抜き用のブリーダ100が一体に構成され、別体のエア抜き用のブリーダを接続させないので、クラッチレリーズシリンダ8の外周の大型化が防止され、狭いスペースに配置できる。
図4、図6に示されるように、プッシュロッド81は、軸方向で分割構造をなしており、発電機カバー37側に位置する左側ロッド部分(本発明の「鋼製ロッド」)81Lは鋼製ロッドとして、中央側ロッド部分(本発明の「アルミ材製ロッド」)81Cはアルミ材製ロッドとして、筒状のメイン軸61内で連結される構造を有している。
そのため、発電機カバー37の取り外し時に露出するプッシュロッド81の発電機カバー37側の部分である左側ロッド部分81Lが、アルミ材より強固な鋼製のものとなっており、メンテナンス性が向上している。
なお、中央側ロッド部分81Cの右側には、前述のレリーズ部材82が筒状のメイン軸61内で連結されている。
本実施形態における他の特徴を説明すると、図6に示されるように、交流発電機9のロータ91には、クラッチレリーズシリンダ8取付けのための発電機カバー37におけるレリーズシリンダ取付け坐41やレリーズシリンダ取付け穴42の裏面凸部との干渉を避けるために、外周面左端縁に逃げ部91aが設けられており、ロータ91を大きくしてフライホイール効果を高めつつ、交流発電機9とクラッチレリーズシリンダ8とをより近づけて、内燃機関3を小型化が図られている。
また、図4に示されるように、本実施形態の内燃機関3は、出力向上等のため1気筒に対して2個の点火プラグ45、46が備えられている。ここで気筒中央に近い点火プラグ45の取付けネジ45aのネジ径に対して、気筒側部に近い点火プラグ46の取付けネジ46aのネジ径が異なり、小さく設定されており、ネジ径を別個に選択することで、限られたシリンダヘッド33の形状、サイズに最適な点火プラグ配置、スペース確保が得られるものとしている。
またさらに、図4中V−V矢視によるシリンダヘッド33およびシリンダヘッドカバー34の頂面図である図5に示されるように、気筒中央に近い点火プラグ45の軸線C1は、真っ直ぐ右方に配向されているが、気筒側部に近い点火プラグ46の軸線C2は、真っ直ぐ右方に対してやや後方に向けて配向されている。
すなわち、シリンダヘッド33周辺は付属機器等の配置でスペースの制約があるが、例えば、本実施形態のように水冷内燃機関で水冷用のウォータジョイント47がある場合等にも、それらを避けて配向して各部材の操作性に支障がないように、スペース確保が得られるものとしている。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明の態様が上記実施形態に限定され
ず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
例えば、本発明の鞍乗型車両は、実施形態の自動二輪車に限定されず、多様なバギー等も含む鞍乗型車両を含み、鞍乗型車両用内燃機関は、請求項1の要件を備える鞍乗型車両用内燃機関であればよく、空冷、水冷の種類、気筒数を問わない。
また、各機器の左右の配置は、説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものも、本発明に含まれる。
1…自動二輪車(本発明の「鞍乗型車両」)、2…車体フレーム、3…内燃機関(鞍乗型車両用内燃機関)、6…変速機、7…クラッチ、7a…プライマリドリブンギヤ、8…クラッチレリーズシリンダ、9…交流発電機(本発明の「発電機」)、15…後輪、20…ヘッドパイプ、21…メインフレーム、22…ダウンフレーム、23…センタフレーム、30…クランクケース、30L…左クランクケース、30La…発電機カバー取付け周壁、30R…右クランクケース、31…クランク軸、31a…プライマリドライブギヤ、32…シリンダブロック、33…シリンダヘッド、37…発電機カバー(本発明の「カバー部材」)、37a…延長部、37b…外側面、37c…周囲合せ面、40…開口部、43…締結ネジ孔、61…メイン軸、62…カウンタ軸、63…駆動スプロケット(本発明の「出力部材」)、80…レリーズピストン、81…プッシュロッド、81L…左側ロッド部分(本発明の「鋼製ロッド」)、81C…中央側ロッド部分(本発明の「アルミ材製ロッド」)、82…レリーズ部材、83…筒状本体部、84…挿入嵌装部、85…操作油供給部、86…フランジ部、87…締結ネジ、88…締結孔(本発明の「締結取付け部」)、89…操作油供給管、89a…コネクタ、100…ブリーダ、101…オイルボルト、102…ブリーダスクリュ

Claims (8)

  1. クランク軸(31)と平行に、一端側と他端側を配向させた一対の変速歯車軸としてメイン軸(61)とカウンタ軸(62)とをクランクケース(30)内に支持する鞍乗型車両用内燃機関(3)において、
    前記メイン軸(61)の前記一端側にクラッチ(7)が支持され、
    前記カウンタ軸(62)の前記他端側には駆動輪(15)への出力部材(63)が設けられ、
    前記他端側に位置して前記クランク軸(31)の端部から、前記メイン軸(61)の他端側まで延出させたカバー部材(37)が設けられ、
    同カバー部材(37)に、前記メイン軸(61)内を軸方向に挿通し前記クラッチ(7)を操作するプッシュロッド(81)が通る開口部(40)を備えた延長部(37a)設けられ
    同開口部(40)を塞ぐように、前記プッシュロッド(81)を操作するクラッチレリーズシリンダ(8)が取付けられ、
    前記クランク軸(31)を覆う前記カバー部材(37)は、クランク軸(31)の前記端部に設けられる発電機(9)の発電機カバー(37)であり、前記クラッチレリーズシリンダ(8)には、前記発電機カバー(37)の前記延長部(37a)と前記クランクケース(30)との双方に対する締結ネジ(87)による締結取付け部(88)が上下に分散して設けられたことを特徴とする鞍乗型車両用内燃機関。
  2. 前記クラッチレリーズシリンダ(8)は車幅方向において、前記クランク軸(31)を覆う前記カバー部材(37)の外側面(37b)と前記駆動輪(15)への出力部材(63)との間に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
  3. 前記駆動輪(15)への出力部材は、駆動チェーン(65)を駆動する駆動スプロケット(63)であり、その径方向と重なるように前記プッシュロッド(81)が通る開口部(40)が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
  4. 発電機カバー(37)の延長部(37a)における前記開口部(40)は、前記クラッチレリーズシリンダ(8)に設けられた挿入嵌装部(84)が嵌装されるレリーズシリンダ取付け穴(42)を有し、前記クラッチレリーズシリンダ(8)の前記締結取付け部(88)は、クラッチレリーズシリンダ(8)から径方向外方へ張り出す複数のフランジ部(86)であり、各フランジ部(86)に前記締結ネジ(87)が挿通される締結孔が設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
  5. 前記クラッチレリーズシリンダ(8)は、前記発電機カバー(37)のクランクケース(30)との周囲合せ面(37c)を跨ぐように配置されたことを特徴とする請求項4に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
  6. 前記締結取付け部(88)は、前記クラッチレリーズシリンダ(8)から半径方向に延びる操作油供給部(85)をまたぐ2か所と、同2か所と前記クラッチレリーズシリンダ(8)の筒状本体部(83)を挟んだ1か所とに設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
  7. 前記操作油供給部(85)には、エア抜き用のブリーダ(100)が一体に構成されたことを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
  8. 前記プッシュロッド(81)は、軸方向で分割構造をなし、前記カバー部材(37)側に位置する鋼製ロッド(81L)が、中央側のアルミ材製ロッド(81C)に、前記メイン軸(61)内で連結される構造を有することを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
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