JP6130685B2 - 鞍乗型車両用内燃機関 - Google Patents
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Description
前記メイン軸の前記一端側にクラッチが支持され、前記カウンタ軸の前記他端側には駆動輪への出力部材が設けられ、前記他端側に位置して前記クランク軸の端部から、前記メイン軸の他端側まで延出させたカバー部材が設けられ、同カバー部材に、前記メイン軸内を軸方向に挿通し前記クラッチを操作するプッシュロッドが通る開口部を備えた延長部が設けられ、同開口部を塞ぐように、前記プッシュロッドを操作するクラッチレリーズシリンダが取付けられ、前記クランク軸を覆う前記カバー部材は、クランク軸の前記端部に設けられる発電機の発電機カバーであり、前記クラッチレリーズシリンダには、前記発電機カバーの前記延長部と前記クランクケースとの双方に対する締結ネジによる締結取付け部が上下に分散して設けられたことを特徴とする鞍乗型車両用内燃機関である。
また、発電機と駆動スプロケットとの距離を近づけつつ、クラッチレリーズシリンダを安定して取付けることができる。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る鞍乗型車両用内燃機関を鞍乗型車両に備えた状態での車両(鞍乗型車両)の向きに従うものとする。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
なお、本実施形態において「鞍乗型車両」は、オフロード系の自動二輪車である。
なお、自動二輪車1は、載置台18に載置された状態で、やや斜視図的に図示されている。
自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ20から後方に延出したメインフレーム21が下方に湾曲して延び、ヘッドパイプ20から下方に延出したダウンフレーム22の下端とメインフレーム21の下端のセンタフレーム23がボトムプレート24で連結されてループ状を構成して、その中に内燃機関3が位置して、ダウンフレーム22とセンタフレーム23に懸架されている。
ヘッドパイプ20に回動自在に軸支されたフロントフォーク10の下端に前輪11が軸支され、操向ハンドル12により操向される。
リヤフォーク14とシートレール25の前部との間には、図示しないリヤクッションが介装されている。
内燃機関3の上方において燃料タンク16がメインフレーム21に支持され、燃料タンク16の後方にシート17がシートレール25に支持されて設けられている。
クランク軸31を車幅方向に配向して搭載されたクランクケース30に、シリンダブロック32とシリンダヘッド33を略上方にやや前傾起立した姿勢で、車体フレーム2に支持され、シリンダヘッド33の後部の吸気ポート35には後方に吸気系4が連結されている。
シリンダヘッド33の前部の排気ポート36から前方に延出した排気管51は、シリンダヘッド33を右方に廻り込んで内燃機関3の右側に沿って後方に延びて、シートレール25の後部に吊設されたマフラー52に連結され、排気系5が構成されている。
クランク室30Cにはシリンダブロック32が若干前傾した姿勢で嵌合し、シリンダブロック32の上にシリンダヘッド33が重ねられてクランクケース30に締結され、さらにシリンダヘッド33の上にシリンダヘッドカバー34が被せられて締結されている。
ミッション室30M内には、クランク軸31の回転動力を伝達する変速機6が配設されている。
メイン軸61はクランク軸31の後方でやや上方に位置し、その右端側にクラッチ7が支持され、クラッチ7を介してクランク軸31の動力が伝達される。
メイン軸31の右端部には、クラッチ7のクラッチインナ72が嵌着され、クラッチ7のクラッチアウタ71はメイン軸31に回転自在に軸支されるとともに、クラッチインナ72の外周囲を覆っており、その間でクラッチアウタ71にスプライン嵌合する駆動摩擦板73と、クラッチインナ72にスプライン嵌合する被動摩擦板74が軸方向に交互に重なり、クラッチインナ72に形成された左側の受圧板76と、クラッチインナ72に軸方向に摺動自在に支持された右側の加圧板75との間に挟まれている。
加圧板75はクラッチスプリング77により左方向に付勢されている。
一方、プッシュロッド81の左端部は、左クランクケース30Lを貫通して、クラッチレリーズシリンダ8のレリーズピストン80に嵌着されている。
左クランクケース30Lには、交流発電機9の範囲をカバーし、その周縁に左方へ突出する環状の発電機カバー取付け周壁30Laが一体に形成され、発電機カバー取付け周壁30Laの左端面には、発電機カバー(本発明の「カバー部材」)37がその周囲合せ面37cを当接させて締結取付けられて、交流発電機9が発電機カバー取付け周壁30Laの内側において発電機カバー37に覆われる。
交流発電機9のロータ91は、クランク軸31の左端部に取り付けられ、ステータ92は、ロータ91の内周側に位置して発電機カバー37の内面に取り付けられている。
開口部40の左端は、メイン軸61の軸芯と直角の面をなすレリーズシリンダ取付け坐41に形成され、メイン軸61と同心となるようにレリーズシリンダ取付け穴42(図6、図7参照)が形成されている。
フランジ部86には、レリーズシリンダ取付け坐41に設けられた締結ネジ孔43に螺入させる締結ネジ87を挿通させる締結孔(本発明の「締結取付け部」)88が設けられている。
そのため、クラッチレリーズシリンダ8と交流発電機9との距離がより大きく取れて、発電機9を大型化でき、その慣性マスの増大により低中速域の乗り心地が向上している。
そのため、フランジ部86が上下に長く細くなるので、前後に位置する交流発電機9と駆動スプロケット63との距離を近づけつつ、クラッチレリーズシリンダ8を安定して取付けることができ、締結孔88に締結される締結ネジ87を、少ない本数としながら、操作油供給部85を保護できる。
したがって、クラッチレリーズシリンダ8が作動してレリーズピストン80がプッシュロッド81を右方に押すと、レリーズ部材82を介して加圧板75をクラッチスプリング77のばね力に抗して右方に移動させて、クラッチスプリング77のばね力により接続していたクラ
ッチ7を切断することができる。
クラッチ7の接続は、マスター油圧シリンダから供給される操作油の圧力を解除し戻すことで行なわれる。
そのため、クラッチレリーズシリンダ8による内燃機関3の車幅方向への張り出しを防止しつつ、小型内燃機関においてもクラッチ操作性を向上できるものとなった。
図3に示されるように、操作油供給管89のコネクタ89aはオイルボルト101によって操作油供給部85に締結されるとともに、オイルボルト101に中心軸に沿って穿孔された通孔101aを経由して操作油の供給がなされるが、オイルボルト101には通孔101aを外気に対して解放、閉塞させるためのブリーダスクリュ102が、通孔101aに同軸方向に螺入されて、操作油供給部85と一体に空気抜きのためのブリーダ100が構成されている。
ブリーダスクリュ102には、螺入反対側(外気側)が開放し、螺入側(先端側)は閉じたブリーダ孔102bが穿孔され、ブリーダ孔102bは、螺入先端102aの近傍側方において側孔部102cで開放されている。
従って、ブリーダスクリュ102を退かせ、ブリーダ100が「開」の状態では、クラッチレリーズシリンダ8内は、オイルボルト101の通孔101aから、ブリーダスクリュ102の側孔部102c、ブリーダ孔102bを経由して外気に開放される。
そのようにして、クラッチレリーズシリンダ8の操作油を新たに充填する場合、または更新する場合、充填に伴いクラッチレリーズシリンダ8内の空気を抜く(ブリード)ことができる。
なお、図3中103は、通常、ブリーダスクリュ102を覆うゴムキャップである。
そのため、発電機カバー37の取り外し時に露出するプッシュロッド81の発電機カバー37側の部分である左側ロッド部分81Lが、アルミ材より強固な鋼製のものとなっており、メンテナンス性が向上している。
なお、中央側ロッド部分81Cの右側には、前述のレリーズ部材82が筒状のメイン軸61内で連結されている。
すなわち、シリンダヘッド33周辺は付属機器等の配置でスペースの制約があるが、例えば、本実施形態のように水冷内燃機関で水冷用のウォータジョイント47がある場合等にも、それらを避けて配向して各部材の操作性に支障がないように、スペース確保が得られるものとしている。
ず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
例えば、本発明の鞍乗型車両は、実施形態の自動二輪車に限定されず、多様なバギー等も含む鞍乗型車両を含み、鞍乗型車両用内燃機関は、請求項1の要件を備える鞍乗型車両用内燃機関であればよく、空冷、水冷の種類、気筒数を問わない。
また、各機器の左右の配置は、説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものも、本発明に含まれる。
Claims (8)
- クランク軸(31)と平行に、一端側と他端側を配向させた一対の変速歯車軸としてメイン軸(61)とカウンタ軸(62)とをクランクケース(30)内に支持する鞍乗型車両用内燃機関(3)において、
前記メイン軸(61)の前記一端側にクラッチ(7)が支持され、
前記カウンタ軸(62)の前記他端側には駆動輪(15)への出力部材(63)が設けられ、
前記他端側に位置して前記クランク軸(31)の端部から、前記メイン軸(61)の他端側まで延出させたカバー部材(37)が設けられ、
同カバー部材(37)に、前記メイン軸(61)内を軸方向に挿通し前記クラッチ(7)を操作するプッシュロッド(81)が通る開口部(40)を備えた延長部(37a)が設けられ、
同開口部(40)を塞ぐように、前記プッシュロッド(81)を操作するクラッチレリーズシリンダ(8)が取付けられ、
前記クランク軸(31)を覆う前記カバー部材(37)は、クランク軸(31)の前記端部に設けられる発電機(9)の発電機カバー(37)であり、前記クラッチレリーズシリンダ(8)には、前記発電機カバー(37)の前記延長部(37a)と前記クランクケース(30)との双方に対する締結ネジ(87)による締結取付け部(88)が上下に分散して設けられたことを特徴とする鞍乗型車両用内燃機関。 - 前記クラッチレリーズシリンダ(8)は車幅方向において、前記クランク軸(31)を覆う前記カバー部材(37)の外側面(37b)と前記駆動輪(15)への出力部材(63)との間に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
- 前記駆動輪(15)への出力部材は、駆動チェーン(65)を駆動する駆動スプロケット(63)であり、その径方向と重なるように前記プッシュロッド(81)が通る開口部(40)が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
- 発電機カバー(37)の延長部(37a)における前記開口部(40)は、前記クラッチレリーズシリンダ(8)に設けられた挿入嵌装部(84)が嵌装されるレリーズシリンダ取付け穴(42)を有し、前記クラッチレリーズシリンダ(8)の前記締結取付け部(88)は、クラッチレリーズシリンダ(8)から径方向外方へ張り出す複数のフランジ部(86)であり、各フランジ部(86)に前記締結ネジ(87)が挿通される締結孔が設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
- 前記クラッチレリーズシリンダ(8)は、前記発電機カバー(37)のクランクケース(30)との周囲合せ面(37c)を跨ぐように配置されたことを特徴とする請求項4に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
- 前記締結取付け部(88)は、前記クラッチレリーズシリンダ(8)から半径方向に延びる操作油供給部(85)をまたぐ2か所と、同2か所と前記クラッチレリーズシリンダ(8)の筒状本体部(83)を挟んだ1か所とに設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
- 前記操作油供給部(85)には、エア抜き用のブリーダ(100)が一体に構成されたことを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
- 前記プッシュロッド(81)は、軸方向で分割構造をなし、前記カバー部材(37)側に位置する鋼製ロッド(81L)が、中央側のアルミ材製ロッド(81C)に、前記メイン軸(61)内で連結される構造を有することを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用内燃機関。
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