本発明の実施の形態について説明すると、図1は実施の形態にかかる充放電システム1の構成の概略を示しており、この充放電システム1においては、図2、図3に示した可逆セル10を複数枚、例えば数十〜数百枚程度を積層したセルスッタ2を有している。
図2は、前記可逆セル10の内部(平面断面)を模式的に示しており、図3は、後述する可逆セル10に使用されるセパレータ15の正面を示している。この可逆セル10においては、電極触媒層が両面に形成された固体高分子電解質膜11の両面に、方形の酸素側集電体12と水素側集電体13が配置されている。そして酸素側集電体12の外側には、流路14を形成するセパレータ15が配置され、水素側集電体13の外側には、流路16を形成するセパレータ17が配置されている。
そして本実施の形態においては、図3にも示したように、酸素側集電体12は、水素側集電体13よりも大きく(面積が広く)、酸素側集電体12の縁部が、全周に渡って、水素側集電体13の縁部の外方に位置している。
セパレータ15の内面側(固体高分子電解質膜11側)には、方形の凹部15aが形成され、当該凹部15a内に、酸素側集電体12が設けられている。セパレータ15における当該凹部15aの外周側、すなわち、酸素側集電体12の外方側には、酸素側集電体12を囲むように、溝15bが形成され、当該溝15b内に、Oリングなどのシール部材21が設けられている。
一方、セパレータ17の内面側(固体高分子電解質膜11側)にも、方形の凹部17aが形成され、当該凹部17a内に、水素側集電体13が設けられている。セパレータ17における当該凹部17aの外周側、すなわち、水素側集電体13の外方側には、水素側集電体13を囲むように、溝17bが形成され、当該溝17b内に、Oリングなどのシール部材22が設けられている。
なお図2、3に示したセパレータ15、17の形状は、数mmの厚みを有しているが、その材質は、セパレータ表面に反応流体を流通させる流路14、16を形成したり、構成部材を挿入するための凹部15a、17aを、モールドや切削加工等により設けることができるものが好ましく、たとえば樹脂セパレータや金属厚板セパレータを用いることができる。またセパレータの形状は図2、図3に示した例に限らず、公知となっている形状のものでもよい。
そして、セパレータ17に設けられるシール部材22の位置は、図2に示したように、固体高分子電解質膜11を介して、酸素側集電体12の面と対面する位置に設定されている。すなわち、シール部材22の位置は、固体高分子電解質膜11を介して酸素側集電体12の縁部よりも内方側に位置するように設定されている。
なお図3において、セパレータ15におけるシール材21の左右両側に位置するのは、冷却水用のマニホールド24、25であり、同じくシール材21の上側に位置しているのは、反応流体用のマニホールド、26、27、同じくシール材21の下側に位置しているのは、反応流体用のマニホールド28、29である。これら各マニホールド24〜29の外周には、Oリングなどのシール部材30が夫々各マニホールド24〜29を囲むように設けられている。
セパレータ15の流路14の一部は、図3に示したように、そのヘッダ部14a、セパレータ15の内部に形成された連通孔31を介して、マニホールド26と連通している。またセパレータ15の流路14の他の一部は、そのヘッダ部14b、セパレータ15の内部に形成された連通孔32を介して、マニホールド29と連通している。
同様に、セパレータ17の流路16の一部は、そのヘッダ部(図示せず)、セパレータ17内部に形成された連通孔(図示せず)を介して、マニホールド27と連通している。またセパレータ17の流路16の他の一部は、そのヘッダ部(図示せず)、セパレータ17の内部に形成された連通孔(図示せず)を介して、マニホールド28と連通している。
かかる構成を有する可逆セル10を採用することで、実施の形態にかかる充放電システム1では、例えば水素側1MPa(abs)、酸素側0.1MPa(abs)での水電解運転を行える。したがって、酸素極側に、圧力制御を行なうための格別なポンプ、加圧機等は必要がなく、後述のように、水電解運転時に発生した高温多湿の純酸素から、極めて容易に水分、熱を回収して、これを利用することが可能となっている。
図1に示したように、この充放電システム1は、原料水(たとえば純水)を補給するタンク41を有しており、電磁弁V1を有する配管42を介して、このタンク41の底部と、酸素側の気液分離タンク43とが連通している。気液分離タンク43内の原料水(たとえば純水)が、セルスタック2の原料水入口(水電解運転時)兼空気出口(燃料運転時)となるポートAに対して供給されて、水電解運転がなされる。すなわち、気液分離タンク43からの水は、タンク内の底部に接続された配管44、セルスタック2に通ずる配管45を介して、配管44に設けられたポンプ46によって、セルスタック2の酸素側のポートAに対して供給可能である。ポートAに出入りするガスの圧力は、配管45に設けられた圧力計P1によって計測される。
配管44には、配管44内を流れる水の一部を、気液分離タンク43に戻すための戻し管47が接続されており、この戻し管47には、流量調整弁V2、熱交換器48、イオン交換樹脂塔49、フィルタ50が設けられており、これらの装置を通じて戻し水が処理されることで、気液分離タンク43内の水の水質が維持される。気液分離タンク43内には、タンク内の水の水位を検出する液面センサ51が設けられている。
配管45には、湿度交換器61に通ずる配管62、湿度交換器61と熱交換器63を結ぶ配管64、熱交換器63と熱交換器65を結ぶ配管66、熱交換器65の出口側と外部の放出口(図示せず)を結ぶ放出管67が接続されている。配管62には、電磁弁V3が設けられている。なお湿度交換器61には、例えば回転式全熱交換器を用いることができる。その他、静止型全熱交換器や気化式加湿器として用いられているもの、とりわけ中空糸膜、多孔質膜、浸透膜を用いたものが好適であるが、必要な機能としては、ガスを流すことで、当該ガス中の水分を容易に吸脱着できるものであればよい。また熱交換器63に使用する熱交換器のタイプとしては、例えばプレート式熱交換器がよい。もちろんこれに限られるものではない。また熱交換器65では、たとえば別途設置する冷却用チラー(図示せず)の冷媒と熱交換されるようになっている。
放出管67には、その途中で、タンク41の底部と接続される配管68が分岐接続されている。また配管66と、タンク41の上部との間には、配管69が接続されている。そしてタンク41には、純水製造装置70からの水(純水)が供給される。タンク41には、タンク内の水の水位を検出する液面センサ71が設けられている。そして前記した配管62には、気液分離タンク43の上部に通ずる配管72が分岐している。
セルスタック2の原料水と酸素の出口(水電解運転時)兼空気入口(燃料電池運転時)となるポートBには、配管81の一端部が接続されている。この配管81の他端部には、電磁三方弁V4を介して、気液分離タンク43の上部に通ずる配管82と、湿度交換器61、熱交換器63を経て、ファン84に通じる配管83、85、86が接続されている。ポートBに出入りするガスの圧力は、配管81に設けられた圧力計P2によって計測される。
セルスタック2には、電源装置91が接続され、各可逆セル10に対して、直流の電力が供給される。電源装置91は、制御装置92によって制御される。
セルスタック2には、冷却用の冷却水を循環させる配管93が接続され、熱交換器94にて熱交換された冷却水が、ポンプ95の駆動により、セルスタック2内を循環し、各可逆セル10を冷却する。ここで熱交換器94にて熱交換された熱は、温熱として利用できる。温熱利用を必要としない場合には、熱交換器94にラジエータを用いて放熱するようにし、冷却水を降温させればよい。
セルスタック2の水素出口(水電解運転時)となるポートCには、配管101が接続され、この配管101は、水素側の気液分離機能を行なう気液分離タンク102に通じている。気液分離タンク102の底部と、酸素側の気液分離タンク43内の上部気層部(タンク内において貯留する水の液面より上の部分であり、貯留する液面が上昇しても、液面が達することのない部分)との間には、配管103が接続されている。配管103には、電磁弁V5、流量調整弁V6が設けられている。気液分離タンク102内には、タンク内の水の水位を検出する液面センサ104が設けられている。
気液分離タンク102の気層部は、配管105を介して、水素貯蔵部106の入口側に通じている。この例での水素貯蔵部106は、水素貯蔵タンク(高圧容器)であり、タンク内の圧力は、圧力計P3によって計測される。配管105には背圧弁V7、逆止弁V8が設けられている。また配管105における背圧弁V7の上流側でかつ気液分離タンク102の下流側には、放出管107が接続され、放出管107には、電磁弁V9が設けられている。
水素貯蔵部106の出口側には、配管111が接続され、この配管111は、セルスタック2の水素入口(燃料電池運転時)となるポートDに接続されている。配管111には、圧力調整弁V10、電磁弁V11が設けられ、さらに電磁弁V11の下流側(ポートD側)には、圧力計P4が設けられている。
そして配管111と気液分離タンク102の気層部との間には、配管112が接続されている。この配管112には、ガス循環ポンプ113、および電磁弁V12が設けられている。
実施の形態にかかる充放電システム1は、以上のような構成を有しており、次にその運転例について説明する。
まず、水電解運転開始時は、電磁三方弁V4に接続されている配管81、82を開通状態としてからポンプ46を起動する。これによって、酸素側の気液分離タンク43に貯留されている水は、配管45を通じてポートAからセルスタック2の可逆セル10に供給される。また気液分離タンク43から出た純水の一部は、電解水の水質維持のためのバイパス系統の配管47に送られ、流量調整弁V2、熱交換器48、イオン交換樹脂塔49、フィルタ50を介して気液分離タンク43に返水される。
この状態で電源装置91から可逆セル10に電力を供給すれば、その電力に応じた水が陽極上で水素イオン、酸素イオンに電気分解される。そのうち酸素イオンは触媒上で酸素分子(純酸素)となり、循環水と共にポートBからセル外に排出される。ポートBから導出された酸素は、配管81、82を通じて、酸素側の気液分離タンク43に送られて、気液分離が行なわれ、随伴水は気液分離タンク43に貯留される。一方、水素イオンは、随伴水を伴って水素側に移動し、水素側触媒上で水素分子となってポートCからセル外に排出される。排出された純水素は、ポートCから配管101を通じて、水素側の気液分離タンク102に送られて、気液分離が行なわれる、随伴水は気液分離タンク102に貯留される。
そして純水素は配管105から背圧弁V7に送られ、その後水素貯蔵部106に供給、貯蔵される。一方、気液分離タンク43にて気液分離された後の、高温多湿の純酸素は、配管72から燃料電池運転時の空気加湿用の湿度交換器61に送られ、湿度交換器61の加熱と加湿を行なう。その後配管64から燃料電池運転時の空気加熱用の熱交換器63に送られ、熱交換器63の加熱をする。その間、凝縮した水は、配管69からタンク41に送られる。また配管66に送られた純酸素と水蒸気は、熱交換器65で冷媒と熱交換され、それによって凝縮した水は、放出管67、配管68を介してタンク41に返水され、純酸素はそのまま放出管67から系外に排出される。
かかる水電解運転により、気液分離タンク43の水位は減少し、一方タンク41の水位は上昇するが、本実施の形態で採用した可逆セル10は、図2、図3で示したような構成を有する極間差圧耐性を有するセルであるため、常に水素側圧力の方が酸素側圧力(ほぼ大気圧)よりも高くなる。
そのため、水素側の気液分離タンク102の水位計104の水位が、104aから104bになったら、電磁弁V5を開にすることで、その圧力差によって気液分離タンク102の水を、配管103を通じて、酸素側の気液分離タンク43に返水することができる。なおここで気液分離タンク102の水を、タンク41に返水しないのは、系内の電解水温度をできるだけ速やかに昇温させるためである。
そして、圧力計P3で計測される水素貯蔵部106の圧力が、あらかじめ設定した充電終了圧力(以降、完全充電状態)に到達したとき、あるいは充電終了信号が制御回路(図示せず)から制御装置92に送られてきたら、電源装置91による電源供給を遮断し充電を終了させる。なお当該制御回路は、例えば制御装置92の中に組み込んでもよい。その他、バルブの開閉や各種の計測値をモニタリングして、何らかの制御信号を出力したり、機器類のオン−オフを指示する回路であってもよい。
水電解運転終了時は、水素極側では電磁弁V9を開とし、系内を大気圧近傍まで減圧する。一方酸素極側ではポンプ46を停止して、気液分離タンク43から可逆セル10への純水の供給を停止する。また電磁三方弁V4の配管81と配管83を開通状態にし、また電磁弁V3を開とする。そしてファン84を一定時間起動して系内に空気を供給し、系内及び可逆セル10内に残存した水を、配管45、62、64、66、69を介して、タンク41に返水する。一方、ファン84によって系内に供給された空気は、配管66、67を介して系外に排出される。ファン84の運転時間は、セル内の残留水の排水を目的とするものであれば、10秒程度である。もちろんこのファン84による空気の供給で、そのまま乾燥まで行ってもよいが、その場合には、後述のように、湿度交換器61、熱交換器63を迂回するバイパス管を経由して、ポートBに供給することが重要である。
なお、可逆セル10の乾燥方法については、適宜公知の方法を用いればよい。このようにして水素極側の減圧と可逆セル10の乾燥が終了したら、全電磁弁を閉として運転を終了するか、あるいは燃料電池運転に切替える。
そして燃料電池運転開始時は、電磁弁V11を開にして、水素貯蔵部106からの水素を配管111を通じてポートDからセルスタック2へと供給可能状態とする。また電磁弁V12を開とすると共に、ガス循環ポンプ113を起動させる。一方酸素極側では、電磁弁V3を開とし、さらに電磁三方弁V4の配管81と配管83が開通状態として、ファン84を起動してポートBからセルスタック2に対して空気を供給する。
この状態で可逆セル10に負荷を接続すれば、その負荷に応じてセルスタック2の可逆セル10は放電し(すなわち、負荷に電力が供給され)、可逆セル10において放電電流に応じた水素と酸素が消費される。ここで消費されなかった空気、並びに発生した生成水は、配管45、62を介して湿度交換器61に送られ、供給空気と湿度交換した後に熱交換器63に送られる。
そして湿度交換器61で湿度交換されなかった水と、熱交換器63において供給空気と熱交換を行って凝縮した水は、配管66、69を介してタンク41に返水される。一方凝縮されなかった水蒸気は、熱交換器65に送られ、熱交換器65でさらに冷却除湿されて凝縮によって発生した水は、配管68を介してタンク41へ送られ、また冷却後のガスは、放出管67を介して大気に排気される。
一方燃料電池運転時に消費されなかった水素は、配管101を介して気液分離タンク102に送られ、配管112を介してガス循環ポンプ113に送られ、配管111を通じてポートDからセルスタック2の可逆セル10に供給される。一方、反応で消費された分の水素は、水素貯蔵部106から圧力調整弁V10で所定の圧力に調整された後に、配管111から水素循環経路(配管112→ポートD→ポートC→気液分離タンク102)に供給されることで補充される。
ここで、気液分離タンク102には、殆ど水が溜まらないため特段の排水対策は不要である。しかしながら、仮に気液分離タンク102に水が溜まる場合には、水素貯蔵部106が満充電状態から空状態になるまでに溜まる水を貯めておけるだけの容量を、気液分離タンク102に持たせ、次の水電解運転時に気液分離タンク43に返水するか、あるいは気液分離タンク102のサイズは変えずに、別途排水ルートを設けて、当該排水ルートに設けた電磁弁の開閉によってタンク41に適宜返水すればよい。このように、別途排水ルートを設けることにより、循環水素ガス中の水分のみならず、酸素極側から膜を介して拡散してくる不純物(主として空気中の窒素)も除去できる。
すなわち、前記したように排水ルートを別途設けることで、図1のシステムにおいて電磁弁V9が担う不純物除去の役割を受け持つことができ、燃料電池の安定運転に寄与できる。この場合、圧力調整弁V10の設定圧力を、空気側の系内圧力(圧力計P1の圧力値)よりも10kPa以上高く設定することで、ポンプを使用しなくても極間圧力差でタンク41へ返水できる。そして、圧力計P3によって計測される水素貯蔵部106の圧力が、あらかじめ設定した放電終了圧力(以降、完全放電状態)に到達したとき、あるいは放電終了信号が制御回路(図示せず)から送られてきたら、負荷を遮断し放電(燃料電池運転)を終了させる。なおかかる排水ルートとしては、気液分離タンク102〜気液分離43間の配管103と同じもの(適宜、バルブを有するもの)を、気液分離タンク102〜タンク41の気層部間に設けることが提案できる。
燃料電池運転終了時は、水素極側ではガス循環ポンプ113を停止し、電磁弁V11、V12を閉とする。酸素極側では、可逆セル10の内部基材が適度に乾燥する状態まで空気を供給した後、ファン84を停止し、電磁弁V3を閉として運転を終了する。そしてこの状態から水電解運転に切替える場合には、上述したような水電解開始フローの通りに起動すればよい。なお、ガス循環ポンプ113の代わりにエジェクターを使用してもよい。
ここで実施の形態にかかる充放電システム1の定格の運転温度は60〜80℃程度であり、運転温度が高いほどシステム効率が向上する。そのため、水電解運転と燃料電池運転のいずれの運転においても、効率的に運転するには運転温度を速やかに定格温度域に到達させる必要がある。水電解装置と燃料電池とを個別に設けた場合には、それぞれの昇温や降温が必要になり、起動停止時には熱ロスが生じる。
しかしながら、水電解装置と燃料電池とを一体化した可逆セル10を有する実施の形態の充放電システム1の場合、充放電を連続的に行う場合であれば、下記に詳述するように、運転を切替る時点で既に定格の運転温度とすることが可能であり、前記したような水電解装置と燃料電池とを個別に備える専用機で必要となる昇温や降温が不要になる。
具体的には、まず水電解運転から燃料電池運転に切替える場合には、水電解運転で例えば80℃になっている可逆セル10を、その温度のまま燃料電池運転するためには、セルの特性にもよるが燃料電池運転起動時点でセル温度に近い高露点の燃料(水素)と酸化剤(酸素)を可逆セル10に供給する必要がある。これは、固体高分子膜が湿潤状態ではプロトン伝導性が良好であり、膜の抵抗が低いために性能が上昇するが、低加湿の場合にはプロトン伝導性が悪くなり膜の抵抗が高くなるために性能が低下し、極端な場合には膜の破損に繋がるからである。
酸化剤として空気を用いる空気運転の場合には、水素極側の水素供給流量よりも空気側の供給流量の方が数倍になるため、特に空気側の露点を高くする必要がある。また、セル温度が高ければ高いほど、水蒸気分圧は急激に上昇するため、定格の運転温度が80℃やそれ以上になる場合には、その必要性がさらに高くなる。
実施の形態にかかる充放電システム1では、水電解運転で発生する高温多湿の純酸素を利用して、空気の湿度交換器61の温度と加湿側の湿度を十分高い状態に維持し、また、その下流の熱交換器63の温度も高い状態で維持しておくことで、いつ運転切替をしても、燃料電池運転開始時点から大気中の空気を高露点の空気として可逆セル10に供給することができる。
すなわち、実施の形態の充放電システム1によれば、水電解運転時において発生した高温多湿の純酸素は一旦、湿度交換器61へと送られ、水分はこの湿度交換器61へと吸収され、保有される。そしてさらに熱交換器63へと送られ、当該熱交換器63を予熱する。したがって、燃料電池運転開始時には、当該予熱された熱交換器63、水分を保有した湿度交換器61を経由して、原料空気がポートBからセルスタック2に供給されるので、燃料電池運転起動時点で、好適な燃料電池運転に必要な温湿度を有する空気を、直ちにセルスッタク2に供給することが可能になっており、速やかな切り替え運転が可能である。
ここで、この純酸素の湿度交換や熱交換は、高温多湿の純酸素の除熱と除湿をし、その下流にある熱交換器65での冷却負荷を低減させる効果もある。そのため、運転切替をせず通常の水電解運転を継続している時であっても、それ自体が無駄になることはない。
なお湿度交換器61、熱交換器63で採用した交換器の構造、タイプにもよるが、予熱完了までに要する時間は、水電解運転で定格温度(例えば80℃)に到達するまでの時間となる。そして運転条件にもよるが、定格の運転条件で室温から定格温度になるまでの時間は15分程度である。したがって、水電解運転の時間が事前に決まっている場合は、水電解運転の最後15分間のみ、そのように高温多湿の純酸素によって、湿度交換器61への加湿、熱交換器63の予熱を行なうようにしてもよい。ただし、運転時間が決まっていない場合には、いつ燃料電池運転に切替ても切替直後から十分な湿度を確保するために、常時、湿度交換器61への加湿、熱交換器63の予熱を行なうことが好ましい。なお定格温度とは、セル自体の温度であり、より具体的には、水電解運転の場合には、電解水のセル入口温度、燃料電池運転の場合には、冷却水のセル入口温度である。
なお、基本的に水電解運転中は冷却水ポンプ95は運転しないが、燃料電池運転への切替時(例えば制御装置92による切替指令が出たとき)に、水電解運転の終了動作を開始すると同時に、ポンプ95を起動し、可逆セル10や原料水(純水)との間で熱交換することで冷却水温度をある程度上昇させてから燃料電池運転を行うことも可能である。またポンプ95を常時運転しなくても、冷却水温度をその時の水電解運転温度に近づけておくことを目的として、ポンプ95を間欠的に作動させてもよい。なお、あらかじめ水電解運転から燃料電池運転への運転切替のタイミングがわかっている場合には、そのタイミングに合わせて停止の少し前からポンプ95を起動し、冷却水温度を水電解運転の排熱により上昇させればよい。ここで、水電解運転中も運転温度を維持する目的で、可逆セル10の冷却用に冷却水を利用する場合には、前述のような制御は不要である。
なお水電解運転終了後、ファン84を起動させて配管86から配管81、ポートBに空気を供給して当該空気によるパージによって可逆セル10の乾燥を実施する場合には、そのままでは当該空気によって、熱交換機63を降温させたり、湿度交換器61を乾燥させてしまうおそれがあるので、図1において破線で示したように、適宜熱交換器63、湿度交換器61を迂回するバイパス管99を設け、当該乾燥時には、このバイパス管99を経由して配管81からポートBに空気を供給することが好ましい。
次に燃料電池運転から水電解運転に切替える場合には、燃料電池起動時のような可逆セル10のセルの破損に繋がる問題は無い。しかしながら、燃料電池の運転時間に応じて、気液分離タンク43の温度は自然放熱で徐々に低下していく。そのため、従来では、水電解起動初期に低温の原料水が供給されることで運転温度の低下が発生していた。
かかる問題を解決する方法としては、気液分離タンク43内に熱交換用のコイルを設け(図示せず)、当該熱交換用のコイルに燃料電池運転中の冷却水を常時循環させておくことで、気液分離タンク43の水温を冷却水温度と同等に保つようにさせれば良い。ここで、燃料電池運転時は排熱の外部供給をする場合があるため、気液分離タンク43の水温を維持するために気液分離タンク43に供給する熱量は少ない方がよい。この場合の排熱供給は、例えば、空調用温水の温熱源や給湯の温熱源としての利用が提案できる。また冷温水発生機の熱源も考えられる。また、常温状態からの水電解運転を起動することを考えても、速やかに運転温度を定格運転域まで上昇させるには気液分離タンク43の保有水量は少ない方がよい。そのため、気液分離タンク43の保有水量は、システムで原料水が循環するルート全てを水で満たすと仮定した容積+気液分離タンク43の下限水位の水量とするのが好適である。
さらに、冷却水の分岐箇所は、外部への排熱供給用の分岐の下流(図示せず)とし、外部への排熱供給を優先した。
もう1つの方法としては、水電解起動時にしばらくの間冷却水ポンプ95を循環させ、燃料電池運転時の残り熱により可逆セル10を介して気液分離タンク43の水温を上昇させてもよい。この場合は、気液分離タンク43内に熱交換用コイルを設けなくてもよく、熱交換器94の冷却水を循環させて、気液分離タンク43内の原料水と熱交換し、気液分離タンク43の水温と冷却水温度が同等になった時点で冷却水ポンプ95を止めれば良い。すなわち、冷却水の保有している熱量を原料水の昇温に利用し、原料水と冷却水とがほぼ同じ温度になった時点で冷却水ポンプ95を停止させ、冷却水の循環を停止させることで、可逆セル10を熱交換器として有効に利用することができる。
以上が定格温度を極力維持したままでの運転切替を行うための対策であるが、これとは別に、本発明では水電解運転時の気液分離タンク43の水温維持や、起動時の昇温速度の観点から、酸素側の気液分離タンク43と補給水を貯留するタンク41とが分離されている。すなわち、水電解運転時は、電気分解や排水により気液分離タンク43の水位が低下していくため、タンク41からの給水が必要になる。
本実施の形態では、タンク41の位置を、気液分離タンク43よりも常に1m以上高い位置に設置することで、重力を駆動力とした気液分離タンク43への補給を可能にした。ここで、もし気液分離タンク43からタンク41への水移動が必要になると、基本的に気液分離タンク43内は常に大気圧近傍であるため、ポンプ等の補機が必要になってしまう。そこで本実施の形態では、後述するように気液分離タンク43からタンク41への水移動のための専用ポンプ等を不要とすることで、システムの簡素化が図られている。
気液分離タンク43の水を移動させなければいけなくなるのは、気液分離タンク43の水位が上昇したときである。そこで、気液分離タンク43の水位の上昇を防止するため、気液分離タンク43へ水が流入しないような配管方法を採用することが望ましい。具体的には、気液分離タンク43に、相当量の水が流入する可能性があるのは燃料電池運転時のみであり、反応生成水や凝縮水がその対象である。そしてそれらの水が気液分離タンク43に流れ込むのは、配管44か、配管72からである。
したがって、これに対処するため、たとえば次のような配管構成を提案できる。図4に示したものは、配管44、72を、いわゆる上取り出しとすることで、前記した各種水が気液分離タンク43に流入することを防止することができる。すなわち、配管44、配管72については、配管62と気液分離タンク43との配管ルートにおいて、一旦配管62の上方に位置するように、適宜配管44、72を折曲させることで、電磁弁等何ら補機を設けることなく、気液分離タンク43への水の流入を防止することができ、またシステム構成を簡素化することが可能である。
なお、流路圧損低減の観点からすると、図5に示したように、配管44だけは、下取り出しとし、配管62との接続点近くに、電磁弁V13を設けてもよい。これによっても、気液分離タンク43への水の流入を防止することができ、また電磁弁の設置を
必要最小限に抑えることができる。
そして本実施の形態で用いた可逆セル10についていえば、水素側集電体13から酸素側集電体12に対して、正の差圧がかかったとしても、差圧がかかる固体高分子電解質膜11の部分は、全体が酸素側集電体12の平面部のみで完全に支持されている。通常、酸素側集電体12には、例えばチタンなどの金属製不織布やフォトケミカルエッチング、金属焼結体等により複数の微細孔を設けた金属薄板に白金鍍金を施したものが用いられるため、それ自体の剛性が非常に高く変形する恐れがない。したがって、固体高分子電解質膜11が変形する箇所は一切無く、シール部材22の面圧も確保できる。すなわち、所期のシール部材22の反力が得られ、それに応じたシール効果が得られる。
また、たとえ酸素側集電体12の端部と、セパレータ15の凹部15aとの間に隙間があったとしても、後述のように、酸素側はほぼ大気圧であるため、膜を変形させる力は作用しない。さらに、万が一酸素側集電体12の端部で膜が破損しても、図2に示したように、酸素側のシール部材21と水素側のシール部材22とは、直接対向しておらず、水素側のシール部材22が酸素側集電体12の端部よりも、内方側に配置されていることから、両極間のガスが混合する可能性は無く、可逆セル10外部への漏えい可能性もない。なお、水素側集電体13の端部とセパレータ17の凹部17aとの間に隙間があったとしても、前記したように、酸素側はほぼ大気圧であるから、酸素側から水素側に加圧されることはないので問題はない。
したがって本実施の形態で採用した可逆セル10によれば、水素側集電体13から酸素側集電体12に対して、正の差圧がかかったとしても、固体高分子電解質膜11の破損はなく、またガスがセル外部に漏れ出すこともない。発明者の試算では膜の強度を一切変更することなくセルの極間差圧耐性を数10MPaに高めることが可能である。そのため、従来装置では周辺装置側が担っていた安全上の負荷をすべてセル本体で担わせることができ、従来最も重要な制御であった差圧制御を一切行う必要が無くなり、それに伴い周辺装置を極めて簡素化できる。
そのような極間差圧耐性を持たないセルを使用した場合には、酸素極側において、圧力制御を行なう必要な装置構成が必要となる。
また前記した実施の形態では、固体高分子形の水電解装置と燃料電池を一体化した可逆セル10を使用したシステムであったが、本発明は、水電解装置機能と、燃料電池機能を各々個別に持った2種の専用セルを用いたシステムについても適用可能である。
図6は、そのように専用のセルを採用した充放電システム151の概要を示しており、図中、図1のシステムと同一の符号で示された装置、部材は、充放電システム1で採用されたものと同一のものである。
この充放電システム151では、燃料電池セルを有する燃料電池セルスタック152と、水電解セルを有する水電解セルスタック153とを有している。なおこれら燃料電池セル、水電解セルは、いずれも既述の可逆セル10と同様な極間差圧性能を有するセル構成を有している。
そして気液分離タンク43からの原料水(純水)は、配管44、45を経由して水電解セルスタック153のポートEに供給され、発生した酸素、随伴水、消費されなかった原料水は、水電解セルスタック153のポートFから配管154から気液分離タンク43へと戻される。そして気液分離タンク43で気液分離された後の酸素は、水蒸気とともに、配管155から湿度交換器61へと送られる。
一方、燃料電池セルスタック152の酸化剤入口となるポートGに対しては、ファン84によって送られる空気が、配管86、熱交換器63、配管85、熱交換器61を経た後、配管161を通じて供給可能となっている。そして燃料電池運転時に発生した水、残余の空気は、ポートHから導出されて、配管162から配管155へと送られ、その後湿度交換器61、配管64、熱交換器63へと送られるようになっている。
燃料電池セルスタック152の水素極側については、ポートKと配管112との間に、配管171が接続されている。そして電磁弁V12は、配管112における当該配管171との接続箇所と気液分離タンク102との間に設けられている。したがって、燃料電池運転においては、電磁バルブV12は閉となって、配管111、燃料電池セルスタック152、配管171とによって水素循環系が構成される。
かかる構成を有する充放電システム151の場合でも、水電解運転の際に水電解セルスタック153で発生した高温多湿の酸素は、湿度交換器61において水分が吸湿され、熱交換器63において熱が吸収される。そして燃料電池運転時には、酸化剤としてファン84によって燃料電池セルスタック152に送られる空気に対して、熱交換器63が保有している熱が当該空気に付与されて昇温し、次いで湿度交換器61が保有した水分を当該空気に対して放出することができる。
したがって、水電解運転の際に水電解セルスタック153で発生した高温多湿の酸素を有効利用できるとともに、燃料電池運転時に酸化剤として供給される空気に対して、前記高温多湿の酸素から得た水分、熱を付与して、燃料電池セルスタック152に対して、起動当初から、好適に加湿、加熱された空気を供給して、好適な燃料電池性能を確保することが可能になっている。
さらにまた充放電システム151の燃料電池セルスタック152、水電解セルスタック153に使用された燃料電池セル、水電解セルは、いずれも既述の可逆セル10と同様な極間差圧耐性を有するセル構成を有しているので、圧力調整のための専用の機器は不要であり、水素側の圧力が酸素側の圧力よりも高くなっても膜の破損、ガスの漏出は防止され、しかも別途設備を必要とせずに水素側の高い圧力で、水素側気液分離タンク102の水を、酸素側の気液分離タンク43に送ることができる。また好適に採用できる湿度交換機61が耐圧性の低いものであっても、酸素側の圧力は大気圧下でもよいので、そのまま耐圧性の低い湿度交換機61を用いることができる。したがって、湿度交換機61に格別な耐圧性能を付与することは不要である。
なお前記実施の形態の可逆セル10は、セパレータ15、17に形成された流路14、16は、各セパレータ15、17に形成した溝と、酸素側集電体12、水素側集電体13の面とで形成したものであったが、図7に示した構造を有する可逆セル201も提案できる。
この可逆セル201は、セパレータとして金属薄板セパレータを用いたものであり、図4は内部の流路断面(平面断面)を模式的に示している。この可逆セル201は、電極触媒層が両面に形成された固体高分子電解質膜11の両面に、方形の酸素側集電体12と水素側集電体13が配置されている。既述の可逆セル10と同様、酸素側集電体12は、水素側集電体13よりも大きく、酸素側集電体12の縁部が、全周に渡って、水素側集電体13の縁部の外方に位置している。
そして酸素側集電体12の外側には、反応流路202を形成するためのセパレータ203が配置され、水素側集電体13の外側には、反応流路204を形成するためのセパレータ205が配置されている。この例では、酸素側集電体12とセパレータ203との間の空間、及び水素側集電体13とセパレータ205との間の空間に、各々多孔質の金属メッシュを挿入することで各流路202、204が形成されている。そして各流路202、204が形成領域は、酸素側集電体12側の流路202の方が、水素側集電体13の流路204よりも大きく、流路202の形成領域外方端部は、流路204の形成領域外方端部よりも外方側に位置している。なお、各流路202、204が形成領域に大きさについては、これに限られるものではない。
なお反応流路側の反応に伴い発生する熱を取り除くために設けられている冷却水流路等の部分についても、同様に金属メッシュで構成してもよい。多孔質の金属メッシュによってこれら流路を形成すると、高価となるが、セパレータ機構やシール形状を単純化できるメリットがある。
そしてこの可逆セル201においては、セパレータ203、205間における酸素側集電体12の外方端部と、水素側集電体13の外方端部に、各々対応するシール材211、212が配置され、セパレータ203、205によって挟持されている。そしてシール材211における酸素側集電体12の端部外周側には、固体高分子電解質膜11に凸に突出するリップ211aが、酸素側集電体12を囲むように形成され、一方、そしてシール材212における水素側集電体13の端部外周側には、固体高分子電解質膜11に凸に突出するリップ212aが水素側集電体13を囲むように、形成されている。リップ212aは、固体高分子電解質膜11を介して、酸素側集電体12の周辺部と対面している。各リップ211a、212aは、たとえば金型を用いて、シール材211、212と一体成型することで容易に形成できる。
またこれらシール材211、212は、セパレータ203、205と焼き付けや射出成型等により一体化するか、プレス加工でセパレータ203、205に溝を設けその部分にシール部材を埋め込むことによって、シール部材に内圧がかかってもシール部材が外方に移動しない構造とすることが好ましい。
かかる構成を有する可逆セル201によれば、流路202、204の端部位置、及び酸素側集電体12、水素側集電体13の端部位置が、各部材の重合方向(図4中の上下方向)からみて、いずれも重なっておらず、また断面的に凹凸のある流路202、204よりも、断面的に平滑な酸素側集電体12、水素側集電体13の方が全体的に一回り大きくなっており、平滑な集電体とシール部材のみで固体高分子電解質膜11を挟持する構造としている。そのため、シール材211、212が変形して流路202、204に入り込んで流路圧損上昇等の問題を生じたり、入り込むことでシール面圧が低下することは無い。したがって、前記した可逆セル1と同様、水素側から酸素側に向かう正の圧力差に対する耐性を確保できる。
また上記構成を有する可逆セル201では、セパレータ205との間の空間に、各々多孔質の金属メッシュを挿入することで各流路202、204が形成されているので、厚みが全面的に均等に製作できる。しかも集電体との接触が均一になるので、導体抵抗が低くなり、高効率での水素製造が可能である。その他、流路を構成するセパレータの厚みが薄く、かつ軽くでき、そのうえ金型が必要ないのでイニシャルコストがかからないというメリットも享有できる。
さらにまた図8に示した可逆セル251も提案できる。この可逆セル251は、金属薄板を波板形状にプレス成形したセパレータ252、253を用いたものであり、セパレータ252、253に、シール材211、212を焼付けや射出成型によって一体化したものである。そして酸素側集電体12とセパレータ252との間に形成される空間が、酸素側の反応流路14cとなり、セパレータ252の外側に形成される空間(実際には、同形の他の可逆セル251を積層した際に、当該他の可逆セル251のセパレータとによって形成される)が、酸素側の背面を流れる冷却水の流路14dとなる。同様に、水素側集電体13とセパレータ253との間に形成される空間が、水素側の反応流路16cとなり、セパレータ253の外側に形成される空間(実際には、同形の他の可逆セル251を積層した際に、当該他の可逆セル251のセパレータとによって形成される)が、水素側の背面を流れる冷却水の流路16dとなる。もちろん既述の可逆セル10、201と同様、酸素側集電体12は、水素側集電体13よりも大きく、酸素側集電体12の縁部が、全周に渡って、水素側集電体13の縁部の外方に位置している。
またこの可逆セル251においては、シール材211における外側であって、リップ211aと対応する位置に、外側に凸に突出する同形のリップ211bが設けられている。このリップ211bは、可逆セル251を積層してスタック構成とした際に、冷却水の流路の気密性を確保するためのものである。
かかる構成の可逆セル251によれば、流路を形成するセパレータをプレス加工によって容易に製作できるから、大量生産に適しており、それによって1枚あたりの単価を低廉にすることが可能である。もちろんかかるタイプの可逆セル251によれば、前記した可逆セル10、201と同様、極間差圧耐性を有するものであり、水素側から酸素側に対して、正の差圧がかかったとしても、固体高分子電解質膜の破損はなく、またガスがセル外部に漏れ出すこともない。