JP6129964B2 - たばこ原料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、たばこ原料の製造方法に関する。
原料葉たばこの香喫味を改善しようとする試みは従来からなされている。例えば特許文献1には、葉たばこのたる詰め熟成工程前に、葉たばこにエチルアルコールを添加する方法が記載されている。
この技術によれば、葉たばこに吸着されたエチルアルコールの化学作用により、葉たばこ中のタンパク質系高分子化合物、含窒素化合物、糖類等の酸化反応、分解、脱アミノ化等が活発になり、炭酸ガスを多量に放出しながら熟成が進行する。そしてこのような発酵を経て得られた葉たばこを用いたシガレットの喫煙時の煙には、ギ酸、酢酸のような有機酸が多く含まれることが記載されている。また、喫煙時の異臭、刺激の原因になるアセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、アセトール等が低減したことが記載されている。
特開昭56−51976号公報
特許文献1に記載の方法によれば、葉たばこにエチルアルコールを付与することで、付与された葉たばこを用いたシガレットの喫煙時の煙に含まれる有機酸の含有量を増加させることができることが記載されているものの、増加させた化合物は有機酸に関するもののみである。
これに対し、本発明では、たばこ原料に香喫味を付与する成分として、エステル化合物に着目した。そして、そのような香喫味成分をたばこ原料において増加させることで、たばこ原料の香喫味を増強させる方法を提供する。
本発明者が鋭意検討した結果、乾燥たばこ葉を燻製処理する工程と、燻製処理された乾燥たばこ葉にアルコールを添加する工程と、アルコール添加されたたばこ葉を蔵置する工程を含む製造方法により得られるたばこ原料において、香喫味を増強するエステルの含有量が増加することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1] 乾燥たばこ葉を燻製処理する工程と、燻製処理された乾燥たばこ葉にアルコールを添加する工程と、アルコール添加されたたばこ葉を蔵置する工程を含む、たばこ原料の製造方法。
[2] 前記蔵置する工程の後に、たばこ葉にポリオールを添加する工程をさらに含む、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記蔵置する工程が、室温〜70℃で行われ、その期間が1週間以上である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 前記蔵置する工程が密閉条件下で行われる、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 前記燻製処理が冷燻法によるものである、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] [1]〜[5]のいずれかの製造方法により製造されたたばこ原料を含むたばこ製品。
本発明によれば、香喫味成分であるエステル化合物の含有量が増強されているたばこ原料を製造する方法が提供される。
たばこ葉の燻製処理の回数と有機酸含有量との関係を示す図である。(a)酢酸の含有量。(b)イソブタン酸、ブタン酸、イソ吉草酸、2−メチルブタン酸、吉草酸の含有量。 たばこ葉を燻製処理する際に用いる木材の種類を変えたときに得られる有機酸組成の差異を示す図である。 燻製処理を行う工程のみの場合と、燻製処理の工程の後にエタノールを添加する工程を経た場合と、燻製処理を行う工程の後にメンソールを添加する工程を経た場合と、燻製処理の工程の後にエタノールとメンソールを添加する工程を経た場合の各たばこ原料中の有機酸の含有量を示す図である。 燻製処理された乾燥たばこ葉にアルコールを添加する工程の後(図中の横軸の1)と、アルコール添加されたたばこ葉を1週間ずつ蔵置する工程の後(図中の横軸の2〜4)に、各濃度でプロピレングリコールを添加したときのたばこ原料中の有機酸エステルの変化量を示す図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
本発明のたばこ原料の製造方法は、乾燥たばこ葉を燻製処理する工程と、燻製処理された乾燥たばこ葉にアルコールを添加する工程と、アルコールが添加されたたばこ葉を蔵置する工程を含む。
本発明の製造方法において燻製処理を施されるたばこ葉は、乾燥処理されたものである。乾燥処理としては公知の方法を挙げることができる。本発明でいう乾燥処理されたたばこ葉とは、たばこ葉の含水率が概ね15重量%未満になるまで乾燥させたものをいう。
乾燥処理については特段の限定なく公知の方法を用いることができる。
用いるたばこ葉は特に制限されず、ニコチアナ属であり、ニコチアナタバカムの黄色種・バーレー種、ニコチアナルスチカのブラジリア種などを挙げることができる。
これらのたばこ葉を公知の方法により裁断し、たばこ刻を作製する。
<燻製処理する工程>
たばこ葉を燻製処理する方法としては、公知の方法を挙げることができ、例えば熱燻処理や温燻処理、冷燻処理を挙げることができる。
熱燻処理は、品温60〜120℃程度でたばこ葉を燻す処理である。処理時間は必要とする有機酸の付与量に基づいて任意に設定できるが、例えば10分〜1時間程度である。
温燻処理は、品温30〜60℃程度でたばこ葉を燻す処理である。処理時間は必要とする有機酸の付与量に基づいて任意に設定できるが、例えば10分〜1日程度である。
冷燻処理は、品温15〜30℃程度でたばこ葉を燻す処理である。処理時間は必要とする有機酸の付与量に基づいて任意に設定できるが、例えば10分〜4週間程度である。
燻煙を発生させるために用いる木材の種類は特に制限されないが、例えば、ホワイトオーク、サクラ、クルミ、リンゴ、ビーチブナ、オーク、ヒッコリーを挙げることができる。また、燻煙を発生させるために木材を燃焼させてもよいし加熱してもよい。加熱温度は350℃〜650℃とすることができ、好ましくは450℃〜500℃である。
いずれの燻製処理も、公知の燻製器等を用いて行うことができる。
燻製処理をたばこ葉に施すことで、たばこ葉に酢酸、ブタン酸、イソブタン酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチルブタン酸等の有機酸が付与される。
上記の燻製処理のいずれを用いてもたばこ葉に有機酸を付与することができる。燻製処理は、製造装置の取り扱い(洗浄の容易性)の観点では冷燻処理で行う態様を挙げることができる。この際の燻製処理時間は好ましくは10分〜1日であり、より好ましくは1時間〜3時間である。
<アルコールを添加する工程>
燻製処理を経て得られたたばこ葉に添加されるアルコールは、特に制限されるものではなく、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2,2−ジメチルエタノール、シクロヘキサノールのような一価の脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールなどの芳香族置換基を有する一価アルコールや、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、ソルビタン、キシロース、アラビノース、マンノース、トレハロースのような糖アルコールを挙げることができる。
これらのアルコールは単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
燻製処理されたたばこ葉には上記のように有機酸が付与されており、たばこ葉にアルコールが添加され、その後にこれを蔵置させることで、有機酸とアルコールが反応してエステル化が起こる。これにより、得られるたばこ原料におけるエステル化合物の含有量が増強される。
たばこ葉に添加されるアルコールは、たばこ葉の重量1に対して、0.000001〜0.1の割合で添加することができる。
アルコールの添加は、たばこ葉の刻に対してできだけ均一に塗布されるように、噴霧のような一般的な方法を用いて行う。
また、アルコールを添加する工程において、上記のアルコールだけでなく、その他の香料も添加してもよい。そのような香料としては、メンソール、ラム、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、ハッカオイル、ローズマリーオイル、リコリスエキス、セントジョンズエキス、ココアなどの精油またはエキス香料から選択される1以上を挙げることができる。
たばこ葉に添加される香料は、たばこ葉の重量1に対して0.000001〜0.1の割合で添加することができる。
<蔵置する工程>
アルコール添加されたたばこ葉を蔵置する工程としては、蔵置の最中に生成したエステル化合物が揮散しないような条件下で行われることが好ましい。そのような条件として、密閉された条件を挙げることができる。
密閉された条件としては、密閉容器を用いることで形成される条件を挙げることができる。また、密閉された条件としては、低分子のエステル化合物のような揮発性成分が揮散しない程度の条件を挙げることができる。
蔵置する期間としては、エステル化合物が生成するために十分な期間であれば特に制限はないが、1週間以上であることが、十分な反応を起こさせるために好ましい。
蔵置させる際の期間の上限は基本的に制限されるものではないが、作製されるたばこ原料の出荷までの期間を考慮して、30週間程度を挙げることができる。
蔵置させる際の温度としては、エステル化合物の生成が十分に起こる温度であることが好ましい。
そのような温度としては、たばこ葉に含まれるエステル化反応を促進する酵素が活性化する温度であるとともに、化学的なエステル化反応が生じやすくなる温度であることが好ましい。
具体的な温度としては、室温〜70℃の範囲で適宜調整する態様が挙げられ、30〜80℃の範囲で適宜設定する態様も挙げることができる。
燻製処理で付与される有機酸に加え、たばこ葉には、もともと含まれる有機酸、例えばミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等も含まれている。このことから、上記のアルコールを添加する工程と、蔵置させる工程を経ることによって、これらのたばこ葉にもともと含まれている有機酸と添加されたアルコールとのエステルも生成する。
また、たばこ葉は、アルコールとしてメタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールも含んでおり、上記の本発明の工程を得ることで、これらのアルコールもエステルの生成に寄与すると考えられる。
本発明の製造方法を経て得られるたばこ原料において増強される有機酸エステルとしては、例えば、酢酸エチル、吉草酸エチル、クロトン酸エチル、ヘキサン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、コハク酸エチルを挙げることができる。
本発明の製造方法では、蔵置する工程の後、たばこ葉の刻にポリオールを添加する工程を含んでもよい。ポリオールとしては、プロピレングリコール、グリセリン、またはこれらの混合物を使用することができる。ポリオールは、たばこ葉の刻に対して0.1〜5重量%の量で添加することができる。
ポリオールの添加は、噴霧等、たばこ製造工程で使用されている一般的な方法により、たばこ葉の刻全体にポリオールが行き渡るように行うことが好ましい。
ポリオールは、後述の実験例に示されるとおり、添加したアルコールと有機酸とのエステル化反応を抑制する機能を有する。このため、蔵置する工程の後にポリオールを添加することにより、添加したアルコールが更なる反応を起こすことにより生成するエステル化合物の生成を抑制することができ、これにより、本発明は、蔵置する工程で生成されたエステル化合物の組成が経時的に変化しにくくなる。
これは、添加したポリオールがアルコールよりも優先的に有機酸とエステルを形成するためであると考えられる。
ポリオールを添加する工程を経た後は、添加したアルコールと有機酸とのエステル化反応を十分に抑制する観点から、約1週間以上は蔵置しておくことが好ましい。また、その蔵置は密封条件下で行うことが好ましい。
本発明の製造方法では、任意の工程において、上記の精油やエキス香料などの添加物を任意の量で添加することができる。
<たばこ製品>
本発明のたばこ原料を例えばオーラルたばこ製品とする場合、スヌースを例として挙げることができる。この場合は、上述した製造方法で作製したたばこ原料を例えば不織布のような原料を用いた包装材に公知の方法を用いて充填することで得られる。例えばたばこ原料の量を調整して充填し、ヒートシールなどの手段によりシールしてスヌースを得る。
包装材としては特段の限定なく用いることができるが、セルロース系の不織布などが好ましく用いられる。
オーラルたばこ製品として、例えばガムとする場合は、本発明の製造方法を用いて得られる上記たばこ原料を公知のガムベースと公知の方法を用いて混合することで得られる。かみたばこやかぎたばこ、圧縮たばこについても、本発明の製造方法を用いて得られる上記たばこ原料を用いること以外は、公知の方法を用いて得ることができる。また、可食フィルムについても本発明の製造方法を用いて得られる上記たばこ原料を用いること以外は、公知の材料や方法を用いて得ることができる。
本発明のたばこ原料は、通常のたばこ刻に任意の割合で混合し、それを用いてシガレットを製造してもよい。また、本発明のたばこ原料は、公知のシガレットのフィルター部分に配置してもよい。フィルター部分の配置として、例えば、キャビティー内への配置やフィルター繊維へ分散させての配置とすることができる。
本発明のたばこ原料は、加温あるいは非加熱タイプのシガレット代替製品に用いることもできる。
本発明の製造方法によって、香喫味成分が増強されたたばこ原料を供給することが可能になる。また、本発明の方法により製造されたたばこ原料は、たばこ製品中のたばこ原料の全部として使用されてもよいし、たばこ製品中のたばこ原料の一部として使用されてもよい。本発明により得られるたばこ原料は、たばこ製品中のたばこ原料の一部として使用される場合、任意の割合で使用することができる。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
<実験例1>
たばこ葉の燻製処理による短鎖脂肪酸の付与
(燻製処理詳細)
ホワイトオークのウッドチップ20gをアルミホイル上で秤量し、燻製器の底部に敷いた。
たばこ刻20gを燻製器内の網上に載せた。燻製器の蓋を閉め、ヒーターをON(600W)にした。煙が出始めてから5分間そのまま600Wで加熱を持続し、ヒーター電源をOFFにした。煙が出始めるまでの時間はおよそ6〜7分であった。燻製器の蓋を閉じた状態で30分放置した(冷却)。
処理したたばこ刻をさらに燻製処理する場合、上記の操作を繰り返した。
上記の処理では品温が100℃程度であり、ウッドチップの温度は600℃程度であった。
(分析法)
燻製処理を行ったたばこ葉に含まれる酢酸の濃度は以下の手順により測定した。
燻製処理されたたばこ刻0.5gに超純水10mLを加え、30分振とうして抽出を行った。
抽出液について限外濾過(分子量分画3000)し、ろ液を回収した。検量線の範囲に収まるように超純水でろ液を希釈してキャピラリー電気泳動(DAD検出器)による定量分析を実施した。
次に、その他の有機酸類の分析はSPE-GCMSにより行った。
燻製処理されたたばこ刻0.5gに超純水50mLを加え、30分振とうして抽出を行った。
抽出液をろ過・回収後、塩酸を加えpH2に調整した。
ジエチルエーテル・メタノール・0.01N塩酸水溶液各約20mLでコンディショニングした固相抽出カートリッジ(OasisHLB)に抽出液を通過させた後、カートリッジを窒素気流により乾燥させた。カートリッジに吸着された有機酸類をジエチルエーテルで溶出し、GCMS分析により定量した。
燻製処理前後の有機酸分析値の比較データを図1に示す。
図1の結果から、たばこ葉に燻製処理を施すことで、たばこ葉に含まれる有機酸の含有量が増加したことが確認できた。また、燻製処理の回数を増やすことで、付与された有機酸の量が増加することも確認できた。
また、燻製に用いる木材の素材を変えたときに得られる酢酸の濃度の差異を調べた。
各素材に対して行った手順は上記のホワイトオークと同様の手順に従った。
結果を図2に示す。
図2の結果から、燻製処理に用いる木材の種類を変えてもたばこ葉中の有機酸の含有量が増加することが分かった。
<実験例2>
エステル化処理に伴う有機酸組成の変化
<エステル化処理操作>
ホワイトオークにて8回の燻製処理を行ったたばこ葉の刻10g及び各種アルコール素材(エタノール0.5g・メンソール0.5g・エタノール0.5g+メンソール0.5g)を50mL容量のスクリュー管に入れて密封した。これを所定温度(70℃)・所定期間(1週間)密閉容器中で加温しながら蔵置した。
上記のエステル化処理について、燻製処理(ホワイトオーク8回燻製)のみ、燻製処理後エタノール添加、燻製処理後メンソール添加、燻製処理後エタノールおよびメンソール添加について、それぞれ有機酸組成を調べた。結果を図3に示す。
有機酸の含有量の測定は、上記の実験例1と同様の方法により行った。
図3の結果から、アルコール添加して密封容器で加温したものについては、有機酸の含有量が減少しており、エステル化反応が起こっていたと推察できる。
<実験例3>
エステル化処理に伴う各種エステル類生成
<燻製刻のエチルエステル化とポリオール添加によるクエンチング>
エステル化およびクエンチング条件
エタノール(燻製処理後のたばこ葉刻の重量に対して5%)を添加し、40℃、1週間スクリュー管に入れて密封し、1週間蔵置した時点でプロピレングリコールを所定濃度(たばこ葉に対して1重量%、2重量%、5重量%)で添加した。
0週間経過時(未処理)と、エタノールを添加して一週間経過時(プロピレングリコール添加前)と、その後(プロピレングリコール添加後)一週間経過するたびに以下で示す操作により各有機酸エステルの分析を行った。
エステル化合物の分析は以下のように行った。
たばこ刻み0.5gをSPMEバイアル(20mL容量)に精確にはかりとり、バイアルキャップを取り付け密封し、SPME自動導入装置付きGCMSにより分析した。
また、別のSPMEバイアルにp−ブロモフェネチルアルコールのアセトニトリル溶液(1mg/mL)25μLを加えたサンプルを同様に分析し、分析対象成分とp−ブロモフェネチルアルコールのピーク面積の比を求め、求めた値で、各刻サンプル中に含まれる分析対象成分の量を比較した。
<分析条件>
装置: アジレント社製ガスクロマトグラフ分析装置(6890A)
アジレント社製質量検出器(5973N)
注入量: 1μL(パルスドスプリットレスモードで注入)
カラム: INNOWAX
オーブン: 40℃→250℃(3℃/min)
質量検出器: TICモード(質量数29〜550)
<分析対象成分>
エステル化合物:酢酸エチル、吉草酸エチル、ヘキサン酸エチル、クロトン酸エチル、ヘキサン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル
実験例3の結果を図4(a)〜(h)に示す。なお、図4における縦軸の数値は、有機酸エステルの濃度ではなく、GCMSの分析で得られたピーク面積値を示すものである。また、図4の横軸の数値は、経過した週数を示すものである。
図4から分かるように、アルコール添加を行ったたばこ葉を1週間蔵置したものでは、有機酸エステルが生成した。また、その後プロピレングリコールを添加したものでは、添加していないものに比べて時間が経過すると有機酸エステルの生成が抑制されていることが分かった。
本発明の製造方法によれば、有機酸エステルのような香喫味成分が増強されたたばこ原料の提供が可能になる。

Claims (6)

  1. 乾燥たばこ葉を燻製処理して、乾燥葉たばこに有機酸として酢酸、ブタン酸、イソブタン酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチルブタン酸を付与する工程と、燻製処理された乾燥たばこ葉にアルコールを添加する工程と、アルコール添加されたたばこ葉を蔵置して前記有機酸とアルコールのエステル化反応を起こさせて、エステル化合物を生成させる工程を含む、たばこ原料の製造方法。
  2. 前記蔵置する工程の後に、たばこ葉にポリオールを添加する工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記蔵置する工程が、室温〜70℃で行われ、その期間が1週間以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記蔵置する工程が密閉条件下で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記燻製処理が冷燻法によるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項の製造方法により製造されたたばこ原料を含むたばこ製品。
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