JP6129373B1 - 船舶 - Google Patents

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Abstract

【課題】船尾端から派生する造波現象およびシンケージによる摩擦抵抗を減少させるとともに、船尾船側部の造波現象を抑えることが可能な船舶を提供する。【解決手段】船舶1は、船尾側10aの船底10bの船体中心線を挟む両側位置に設けられ、所定長さを有する第1突縁部21と、第1突縁部21の外側位置に設けられ、所定長さを有する第2突縁部22と、第1突縁部21間に設けられ、凹状を呈する第1流路31と、第1突縁部21と第2突縁部22との間に設けられ、凹状を呈する第2流路32と、第1流路31の船尾端10aに、第1突縁部21間をつなぐように設けられる第1後端突出部41と、第2流路32の船尾端10aに、第1突縁部21と第2突縁部22とをつなぐように設けられる第2後端突出部42とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、船舶に関し、特にフルード数が0.2〜0.4程度で航行する船舶に関する。
フルード数Fn(Fn=船速/(垂線間長×重力加速度)1/2)が0.2〜0.4程度で航行するフェリーまたは自動車専用運搬船などの船舶は、プロペラが発生する推進力により航行する。このような船舶は、航行時の船体抵抗が小さいことが、船速力の向上につながり、運航性能が良好な船舶と言われている。そのため、船舶の設計に当たっては、運航状態および排水量などの設計条件を満たしつつ、実験または経験を駆使して船体抵抗が小さくなるような形状を見出して決定されている。船体抵抗は通常、船首部の造波現象、船側に沿って流れる船側波の起伏を伴う造波現象、船尾端から派生する船尾波の隆起現象などに起因して増大する。そのため、船体抵抗を減少させるために、船首部の造波現象、船側波による造波現象、および、船尾波の隆起現象を改善することが望まれている。
一般に船舶では、船首からの船底面および船側面に沿って流れてきた水流が、船尾端でいきなり船体が途切れることで、水面近傍の船尾端中央付近で水流が隆起し、船側付近では船側流が拡散する。また、船舶が航行する際には、船体が水面下へ沈み込むシンケージという現象が発生する。水面下の船体表面には粘性を有する海水との間に摩擦抵抗が生じるが、浸水面積が増大するほど摩擦抵抗が増大し、この摩擦抵抗が船体抵抗となる。このなかでも特に、船尾端の水流の隆起による船尾波と、シンケージによって生じる摩擦抵抗とに着目して船体抵抗を減少させた船舶として、特許文献1〜3の船舶が知られている。
特開2001−219892号公報 特許第3490392号公報 特許第5634567号公報
しかしながら、このような船舶は、いずれも船尾端にトリムタブまたはウェッジと称される後端突出部を設けることで船尾端から派生する船尾波の隆起現象を抑制するとともに、シンケージによって生じる摩擦抵抗を減少させているが、船尾船側部の造波現象を抑制することまでは難しく、十分な船体抵抗の低減を得ることができないという問題が生じていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、船尾端から派生する造波現象およびシンケージによる摩擦抵抗を減少させるとともに、船尾船側部の造波現象を抑えることが可能な船舶を提供する。
本発明に係る船舶は、船尾側の船底の船体中心線を挟む両側位置に設けられ、所定長さを有する第1突縁部と、第1突縁部の外側位置に設けられ、所定長さを有する第2突縁部と、第1突縁部間に設けられ、凹状を呈する第1流路と、第1突縁部と第2突縁部との間に設けられ、凹状を呈する第2流路と、第1流路の船尾端に、第1突縁部間をつなぐように設けられる第1後端突出部と、第2流路の船尾端に、第1突縁部と第2突縁部とをつなぐように設けられる第2後端突出部とを備える。
本発明の船舶は、船尾側の船底に第1突縁部および第2突縁部が設けられることで、船舶の航行時に、船尾の計画喫水線近傍の船体中央線付近の船底表面に沿った水流、および、船尾の船側に沿って流れる水流を引き寄せ、剥離現象などの乱れた流れを整流化し、船尾端に向かって誘導することができる。このとき、第1突縁部間には第1流路が設けられているため、水流が第1流路内で縮流加速される。そして、縮流加速された水流が第1流路の船尾端に設けられる第1後端突出部に当たることによって、船尾端から派生する水流の隆起が抑制される。また、第1突縁部と第2突縁部との間には第2流路が設けられているため、船尾船側波の造波現象を抑制することができる。さらに、船尾端には、第1後端突出部および第2後端突出部が設けられているため、船尾端に向かって加速誘導されてきた水流に対してアタックアングルを与えることができる。これにより、水流は下方後方へ減速偏向され、船尾端船底面の圧力を高くする翼理論効果がもたらされ、船体船尾部を持ち上げることができる。船舶が航行する際には、シンケージと称される船体全体が沈み込む現象を伴うが、第1後端突出部および第2後端突出部による船尾端の揚力効果により、航行時の姿勢を変化させ、全体的に船体を持ち上げることができる。これにより、船体の浸水面積が減少することで、船体表面の摩擦抵抗を低減させることができる。
好ましい実施形態の船舶においては、第1流路は、第1突縁部と船体中心線とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、第1突縁部と船体中心線との間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するものであり、第2流路は、第1突縁部と第2突縁部とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、第1突縁部と第2突縁部との間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するものである。
好ましい別実施形態の船舶においては、第1流路は、第1突縁部間を結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、第1突縁部間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するものであり、第2流路は、第1突縁部と第2突縁部とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、第1突縁部と第2突縁部との間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するものである。
このように、第1流路および第2流路を凹状に湾曲する滑らかな形状とすることで、第1流路および第2流路を通る水流が、流路の角部に当たって剥離したり波立ったりすることが抑制され、より船尾端から派生する水流の隆起または船尾船側波の造波現象を抑制することができる。
また、好ましい実施形態の船舶においては、第1流路は、計画喫水線から計画喫水の0.3倍下方の位置から上方に設けられており、第2流路は、計画喫水線から計画喫水の0.1倍下方の位置から上方に設けられている。
また、好ましい実施形態の船舶においては、第1流路および第2流路は、船尾垂線から垂線間長の0.2倍前方の位置から後方に設けられている。
また、好ましい実施形態の船舶においては、第1後端突出部の下端は、計画喫水線から計画喫水の0.2倍上方の位置から計画喫水線までの範囲内に位置しており、第2後端突出部の下端は、計画喫水線から計画喫水の0.3倍上方の位置から計画喫水線までの範囲内に位置している。
また、好ましい実施形態の船舶においては、フルード数が、0.2〜0.4である。
本発明に係る船舶によれば、船尾端から派生する造波現象およびシンケージによる摩擦抵抗を減少させるとともに、船尾船側部の造波現象を抑えることができる。
本発明の船舶の船尾部の一実施形態を示す斜視図である。 図1の船舶の側面図である。 図1の船舶の底面図である。 図2の船舶のA−A線端面図である。 図2の船舶のB−B線端面図である。 船尾船側波形の比較図である。 船体抵抗曲線の比較図である。 本発明の船舶の船尾部の他の実施形態を、図2のA−A線で切断して示す端面図である。 本発明の船舶の船尾部の他の実施形態を、図2のA−A線で切断して示す端面図である。 本発明の船舶の船尾部の他の実施形態を、図2のA−A線で切断して示す端面図である。 本発明の船舶の船尾部の他の実施形態を、図2のA−A線で切断して示す端面図である。 本発明の船舶の船尾部の他の実施形態を、図2のA−A線で切断して示す端面図である。
以下、本発明に係る船舶の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本発明の船舶1は、フルード数が0.2〜0.4程度で航行する、フェリーおよび自動車専用運搬船などの排水量型一般商船であり、船体10と、船尾において推進力を発生させるプロペラ2と、航行を操船する舵3とを備えている(図2参照)。なお、図1および図3は、図を分かり易くするために、プロペラ2および舵3を省略して示している。以下では、船首側を前方、船尾側を後方と定義し、水平面において、前後方向と直交する方向を左右方向とし、前後方向および左右方向と直交する方向を上下方向とする。また、前後方向つまり船長方向をX方向とし、左右方向つまり船幅方向をY方向とし、上下方向をZ方向とする。
船体10の船尾10a側の船底10bには、船体中心線CLを挟む両側位置に設けられる第1突縁部21と、第1突縁部21の外側位置に設けられる第2突縁部22とを備えている。ここで、船体中心線CLとは、船体10の船幅方向中央を通る線である。本実施形態では、船尾10a側の船底10bに、船体中心線CLに沿って突部23が設けられている(図4参照)。第1突縁部21と船体中心線CLとの間の船底10b部分には、第1流路31が設けられ、第1突縁部21と第2突縁部22との間の船底10b部分には、第2流路32が設けられている。また、第1流路31の船尾端10aには、第1突縁部21間をつなぐように、第1後端突出部41が設けられ、第2流路32の船尾端10aには、第1突縁部21と第2突縁部22とをつなぐように、第2後端突出部42が設けられている。
第1突縁部21および第2突縁部22は、図4および図5に示すように、先端がとがった断面形状を有し、船長方向(図1〜図3のX方向)に所定長さ延びている。具体的には、第1突縁部21および第2突縁部22は、船尾垂線APから所定距離Lだけ前方の位置から船尾端10aへ向かって延びている。所定距離Lは、船体抵抗の増加を回避するためには短い方が好ましく、概ね垂線間長Lppの0.2倍より短い長さとなっている。
第1突縁部21の前方端P21Fおよび後方端P21Aは、船体中心線CLからの距離B21FおよびB21Aがそれぞれ、船体10の最大半幅(最大幅の半分の長さ)BHの0.6倍以下となる位置に設けられている。また、第2突縁部22の前方端P22Fおよび後方端P22Aは、船体中心線CLからの距離B22FおよびB22Aがそれぞれ、距離B21FおよびB21Aより大きく、且つ、船体10の最大半幅BHの0.4倍以上となる位置に設けられている。
第1突縁部21の前方端P21Fおよび第2突縁部22の前方端P22Fは、船体抵抗とならないように、船底面10bと略同一面となっている。また、第1突縁部21の後方端P21Aおよび第2突縁部22の後方端P22Aも、船体抵抗とならないように、第1後端突出部41の下端および第2後端突出部42の下端と略同一の位置に位置している。
第1流路31は、第1突縁部21間に設けられ、本実施形態では、船体中心線CLに沿う突部23により第1流路31が左右に区分されている。第1流路31は、第1突縁部21と船体中心線CLとの間の中心線T1を有し、船体中心線CL寄りに配置されている。第1流路31の底面は、第1突縁部21と船体中心線CLとを結ぶ直線L1に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、中心線T1の前端PT1Fと後端PT1Aとを結ぶ直線L3に対して上方へ凹状に湾曲している。第1流路31は、計画喫水線DLより下方の浅い水面域から計画喫水線DLより上方へ配置されている。具体的には、第1流路31の中心線T1の前端PT1Fは、計画喫水線DLから下方への距離Z4が、計画喫水dの0.3倍以内であり、且つ、船尾垂線APから前方への距離Lが、垂線間長Lppの0.2倍以内となるように配置されている。
第2流路32は、第1突縁部21と第2突縁部22とによって形成され、第1突縁部21と第2突縁部22との間の中心線T2を有し、船側寄りに配置されている。第2流路32の底面は、第1突縁部21と第2突縁部22とを結ぶ直線L2に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、中心線T2の前端PT2Fと後端PT2Aとを結ぶ直線L4に対して上方へ凹状に湾曲している。第2流路32は、計画喫水線DLより下方の浅い水面域または計画喫水線DL付近から計画喫水線DLより上方へ配置されている。具体的には、第2流路32の中心線T2の前端PT2Fは、計画喫水線DLから上方または下方への距離Z3が、計画喫水dの0.1倍以内であり、且つ、船尾垂線APから前方への距離Lが、垂線間長Lppの0.2倍以内となるように配置されている。
第1流路31および第2流路32は、プロペラ2および舵3の上方にまで延びて設けられていることが好ましい。このような構成とすることで、船体中央線CL付近の船体10表面の水流が舵3に向かって整流化されて誘導されることとなる。これにより、舵3による抵抗増加を低減させ、操舵時の舵3の利きが良くなり、操船性能および安全性の向上に寄与することができる。
第1後端突出部41および第2後端突出部42は、側面視において、船尾端10a側は垂直に延び、前方側は、所定角度に傾斜して延びる、略三角形状に形成されている。前方側の傾斜は、船尾端10aに向かって流れる水流に対してアタックアングルを与えられるような傾斜で有れば、任意の角度の傾斜とすることができる。第1後端突出部41の中心線T1における後端PT1Aは、計画喫水線DLから上方へ距離Z11の位置に配置されており、距離Z11は、計画喫水dの0.2倍以内となっている。同様に、第2後端突出部42の中心線T2における後端PT2Aも、計画喫水線DLから上方へ距離Z12の位置に配置されており、距離Z12は、計画喫水dの0.3倍以内となっている。
また、第1流路31の中心線T1の船長方向において最も凹んでいる部分の位置は、第1後端突出部41の中心線T1における後端PT1Aから距離Z21上方の位置であり、距離Z21は、計画喫水dの0.2倍以内となっている。同様に、第2流路32の中心線T2の船長方向において最も凹んでいる部分の位置は、第2後端突出部42の中心線T2における後端PT2Aから距離Z22上方の位置であり、距離Z22は、計画喫水dの0.2倍以内となっている。
次に、本発明の船舶1が、どの程度船側波を抑えることができ、どの程度船体抵抗を低減させることができるかを、比較例と対比して説明する。比較例1は、従来の一般の船舶で、船底に第1流路、第2流路、第1後端突出部および第2後端突出部を有さないタイプの船舶である。比較例2は、船底に第1流路31と第1後端突出部41とを設けたタイプの船舶である。
図6では、本発明、比較例1および比較例2の船側波形を示している。船側波形は、船長方向において船体中央から後方を示し、横軸のX/Lpp(垂線間長)において、0.0が船体中央の位置を示し、0.5が船尾垂線APの位置を示している。また。横軸0.52の位置が船尾端10aを示している。縦軸のZ/Lppは、波形の高さZを垂線間長Lppで除して無次元化した値である。図6に示されるように、本発明では、船尾端10aにおいて、比較例1よりも波形の高さが低くなっている。また、船尾端10aの前方でも、比較例1および2よりも波形が小さくなるとともに、船尾端10aから派生する船尾流(船尾端の後方の波形)の隆起も小さくなっている。このように波形の高さZが小さくなることは、船尾10aの造波現象が改善されていることを示し、図6から本発明が船尾10aの造波現象を抑えることができることが実証されている。
図7では、本発明、比較例1および比較例2の船体抵抗を示している。横軸Fnは航行時のフルード数で、縦軸rRは船体抵抗である。図7から明らかなように、航海速力付近のフルード数において、本発明は、比較例1および2に対して船体抵抗が小さくなっており、本発明が船体抵抗を低減できることが実証されている。
船舶1では、船首から船底面10bや船側面に沿って流れてきた水流が、船尾端10aでいきなり船体10が途切れることで、水面近傍の船尾端10a中央付近で水流が隆起し、船側付近で船側流が拡散し、引き波と称される船尾波が発生する。そして、これら船尾端部10aでの造波現象が大きいと船体抵抗の増加を招くことになる。
しかしながら、本実施形態では、船尾10a側の船底10bに第1突縁部21が設けられることで、船舶1の航行時に、船尾10aの計画喫水線DL近傍の船体中央線CL付近の船底表面10bに沿って見られる剥離現象などの乱れた水流を引き寄せて整流化しつつ加速誘導することができる。また、船尾10a側の船底10bに第2突縁部22が設けられることで、船尾10aの船側に沿って流れる水流を引き寄せ、船尾波の拡散現象を抑制しつつ加速誘導することができる。このとき、第1突縁部21間には第1流路31が設けられているため、水流が第1流路31内で縮流加速される。そして、縮流加速された水流が第1流路31の船尾端10aに設けられる第1後端突出部41に当たることで、船尾端10aから派生する水流の隆起が抑制される。また、第1突縁部21と第2突縁部22との間には第2流路32が設けられているため、船尾船側波の造波現象を抑制することができる。
さらに、船尾端10aには、第1後端突出部41および第2後端突出部42が設けられているため、船尾端10aに向かって加速誘導されてきた水流に対してアタックアングルを与えることができる。これにより、水流は下方後方へ減速偏向され、船尾端10aの船底面10bの圧力を高くする翼理論効果がもたらされ、船体船尾部10aを持ち上げることができる。船舶1が航行する際には、シンケージと称される船体10全体が沈み込む現象を伴うが、第1後端突出部41および第2後端突出部42による船尾端10aの揚力効果により、航行時の姿勢を変化させ、全体的に船体10を持ち上げることができる。これにより、船体10の浸水面積が減少することで、船体10表面の摩擦抵抗も低減させることができる。
また、本実施形態では、第1流路31および第2流路32を凹状に湾曲する滑らかな形状とすることで、第1流路31および第2流路32を通る水流が、流路の角部に当たって剥離したり波立ったりすることが抑制され、より船尾端10aから派生する水流の隆起または船尾船側波の造波現象を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1流路31および第2流路32を、計画喫水線DLより下方の浅い水面域から計画喫水線DLより上方へ配置し、且つ、船長方向に対しても、船尾垂線APから前方への距離Lが、垂線間長Lppの0.2倍以内となるように配置されている。このような位置に第1流路31および第2流路32を設けることで、第1流路31および第2流路32がプロペラ2より前方の船底10bに沿った水流の流れに影響を及ぼさず、結果、プロペラ2の性能への影響を最大限回避することができる。また、第1流路31を形成するための第1突縁部21が、船尾垂線APから大幅に前方の位置から設けられ、計画喫水線DLより下方の深い船底面10bまで設けられると、船底面10bに沿った水流が第1突縁部21に当たって抵抗が増加し、第1突縁部21が船底面10bに沿った水流に悪影響を及ぼすことが多く見受けられる。しかしながら、第1流路31を、計画喫水線DLより下方の浅い水面域から計画喫水線DLより上方へ配置し、且つ、船長方向に対しても、船尾垂線APから前方への距離Lが、垂線間長Lppの0.2倍以内となるように配置することで、船底面10bに沿った水流への悪影響を最大限抑制でき、船底10b付近の水流への悪影響による船体抵抗の増加を回避することができる。
さらに、本実施形態では、船体抵抗が減少することで、船舶1が航行する際に消費する燃費が改善され、効率の良い船舶運航が可能になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態で特定した距離L,B21F,B21A,B22F,B22A,Z11,Z12,Z21,Z22,Z3,Z4は、あくまで目安であり、船舶1の型によって適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、第1突縁部21および第2突縁部22は先端がとがった断面形状を有しているが、第1突縁部21および第2突縁部22の断面形状は、上記形態に限られない。例えば、図8に示すように、第1突縁部21および第2突縁部22は、先端が円弧状に湾曲した断面形状を有してもよい。また、図9に示すように、第1突縁部21は先端が円弧状に湾曲しており、第2突縁部22は先端がとがった断面形状としてもよい。その逆も当然可能である。
また、上記実施形態では、第1流路31は、船体中心線CLに沿う突部23により第1流路31が左右に区分されているが、第1流路31は、上記形態に限られない。例えば、図9に示すように、船体中心線CLを挟んで両側に設けられる第1突縁部21によって形成されることができる。この場合には、第1流路31の底面は、第1突縁部21間を結ぶ直線L5に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、第1突縁部21間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲すればよい。
また、上記実施形態では、第1流路31および第2流路32は、直線L1および直線L2に対して上方へ凹状に湾曲して形成されているが、必ずしもこの形態に限られない。例えば、図10または図11に示すように、第1流路31および第2流路32は、直線L1および直線L2に対して上方へ断面台形状または断面三角形状に凹むように形成してもよい。また、第1流路31および第2流路32は必ずしも同じ断面形状とする必要はなく、第1流路31は直線L1に対して方へ断面台形状に凹み、第2流路32は直線L2に対して上方へ断面三角形状に凹む等、種々の任意の組み合わせを採用することができます。その他にも、第1流路31および第2流路32の断面形状は、上方へ凹んでいれば任意の断面形状を取ることができる。また、図12に示すように、既存の船底10bに断面略三角形状の突起24を溶接等により取り付けることで第1突縁部21、第2突縁部22、第1流路31および第2流路32を形成してもよい。このとき、第1流路31および第2流路32は、突起24同士を結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するように突起24が形成されていることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1後端突出部41および第2後端突出部42の船尾端10a側が垂直に延びているが、第1後端突出部41および第2後端突出部42の船尾端10a側の形態はこの形態に限られない。例えば、船体10の船尾端10aが垂直面から上部が後側に位置するように傾斜した面を有する場合、第1後端突出部41および第2後端突出部42の船尾端10a側の面が、船体10の船尾端10aの面に沿って延びてもよい。また、第1後端突出部41および第2後端突出部42の船尾端10a側の面は、必ずしも船体10の船尾端10aの面に沿う必要はなく、垂直面に対して任意の傾斜を有して延びてもよい。
1 船舶
10a 船尾
10b 船底
21 第1突縁部
22 第2突縁部
31 第1流路
32 第2流路
41 第1後端突出部
42 第2後端突出部
AP 船尾垂線
CL 船体中心線
d 計画喫水
DL 計画喫水線
Lpp 垂線間長
T1 第1突縁部と船体中心線との間の中心線
T2 第1突縁部と第2突縁部との間の中心線
X 船長方向
Y 船幅方向

Claims (5)

  1. 船尾側の船底の船体中心線を挟む両側位置に設けられ、所定長さを有する第1突縁部と、
    前記第1突縁部の外側位置に設けられ、所定長さを有する第2突縁部と、
    前記第1突縁部間に設けられ、凹状を呈する第1流路と、
    前記第1突縁部と前記第2突縁部との間に設けられ、凹状を呈する第2流路と、
    前記第1流路の船尾端に、前記第1突縁部間をつなぐように設けられる第1後端突出部と、
    前記第2流路の船尾端に、前記第1突縁部と前記第2突縁部とをつなぐように設けられる第2後端突出部と、を備え
    前記第1流路および前記第2流路は、船尾垂線から垂線間長の0.2倍前方の位置から後方に設けられている船舶。
  2. 前記第1流路は、前記第1突縁部と前記船体中心線とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、前記第1突縁部と前記船体中心線との間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するものであり、
    前記第2流路は、前記第1突縁部と前記第2突縁部とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、前記第1突縁部と前記第2突縁部との間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するものである請求項1に記載の船舶。
  3. 前記第1流路は、前記第1突縁部間を結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、前記第1突縁部間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するものであり、
    前記第2流路は、前記第1突縁部と前記第2突縁部とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するとともに、前記第1突縁部と前記第2突縁部との間の中心線の前端と後端とを結ぶ直線に対して上方へ凹状に湾曲するものである請求項1に記載の船舶。
  4. 前記第1流路は、計画喫水線から計画喫水の0.3倍下方の位置から上方に設けられており、
    前記第2流路は、計画喫水線から計画喫水の0.1倍下方の位置から上方に設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の船舶。
  5. 前記第1後端突出部の下端は、計画喫水線から計画喫水の0.2倍上方の位置から計画喫水線までの範囲内に位置しており、
    前記第2後端突出部の下端は、計画喫水線から計画喫水の0.3倍上方の位置から計画喫水線までの範囲内に位置している請求項1〜のいずれか一項に記載の船舶。
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