JP6126441B2 - シャープペンシル - Google Patents
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Description
このようなノック操作に基づいて筆記芯を順次繰り出すための芯繰り出し機構の代表例として、コレットチャック機構(特許文献1)と呼ばれているものと、ボールチャック機構(特許文献2)と呼ばれているものが知られている。
そして、ノック操作に伴い前記チャック本体部が前進することで、リング状の締め具はチャック本体部との嵌合が外れ、その反作用により前記締め具が軸方向に後退して独自の衝撃音が発生する。
したがって、前記したコレットチャックによる芯繰り出し機構によると、ノック操作の度に『カチ・カチ』という衝撃音が伴われる。
また、前記したノック操作に伴って、軸方向に前進移動する第1部材が、これに係止された第2部材を前進移動させると共に、第2部材の所定の前進位置においてストッパーにより前進移動が阻止されるように構成される。したがって前記第2部材は第1部材との係止状態が解かれ、その反動により軸方向に後退移動して、第3部材に衝突するように動作する。
すなわち、前記した第2部材が従来のコレットチャックを構成するリング状締め具と同様の機能を果たすことになり、ボールチャックを採用しつつ、ノック操作においてはコレットチャックと同様の感触が得られるシャープペンシルを提供することができる。
図1に示されているように、シャープペンシルの外郭を構成する軸筒は、先軸1および後軸2により構成されており、前記先軸1および後軸2は、中央の連結部材3を介して直線状に連結されている。
この口先部4は前方に向かって内径が段状に細くなるように構成されており、その内部にはスライダー5が軸方向にスライド可能に収容されている。なお、前記スライダー5も前方に向かって外径が段状に細くなるように構成されており、スライダー5の先端部5aは円柱状に形成されて、前記口先部4の前端部に筒状に形成された孔より突出した状態で収容されている。
また、前記スライダー5の内部空間における前記したパイプ保持具7の直後には、中央に通孔を形成したゴム製の保持チャック8が収容されており、この保持チャック8の前記通孔は前記筆記芯Lの周面に摺接して筆記芯を一時的に摩擦により保持するように作用する。なお、前記した先軸1の前端部から口先部4の一部を覆うようにして円環状部材9が口先部4に嵌め込まれて取り付けられている。
一方、前記筆記芯Lを前方に引き出す力が働く場合には、チャック本体部13は前記ホルダー12による作用を受けないために、筆記芯Lを比較的抵抗なく前方に引き出すことができる。すなわち、ボールチャック11は、前記筆記芯Lの前進を許容し後退を阻止するように作用する。
そして、パイプ部材18において外径が若干太く成形された段部と、前記したスライダー5との間には、スプリング20が収容されている。
このスプリング20は前記スライダー5を前方に押し出すように作用するものであり、前記スプリング20を便宜上、スライダー押し出し用スプリングと称呼する。
さらに、前記ノック操作体27の後端部には、筆記芯Lの補給孔27aが形成されると共に、これを閉塞するようにして消しゴム29がノック操作体27に対して着脱可能に装着され、前記消しゴム29を覆うノック部材として機能するノックカバー30が、ノック操作体27の後端部の周面に着脱可能に取り付けられている。
これにより、チャック本体部13は筆記芯Lを銜えたままホルダー12に対して前進移動する。そしてノック操作の解除によりノック操作体27は、戻しスプリング28の作用により後退して図3に示す状態に復帰する。
したがって、前記したノック操作を繰り返すごとに、筆記芯Lを所定量ずつ繰り出すことができる。
なお図3〜図5は、図面の簡単な説明の欄に記載したとおり、ノック動作の進行にしたがって軸方向に移動する各主要部の位置関係を示したものであり、図6はノック操作に伴い衝撃音が発音される瞬間の状態を示している。
一方、前記第1部材27と後軸2との間には、円筒状に形成された第2部材36が軸方向に移動可能に配置されている。この第2部材36の内周面には、図6に示されているように縮径部36aが形成されており、前記第1部材27の大径部27bと前記第2部材36の縮径部36aが接する摩擦により、前記第1部材27に対して第2部材36が係止されるように構成されている。
前記ストッパー2aは後軸2内に突出して形成された環状の段部がその機能を果たし、前記第2部材36の所定の前進移動位置において、第2部材36の大径部36bが前記ストッパー2aに軸方向に当接することで、第2部材36の前進移動が阻止される。
これにより、図5に示されているように、前記第1部材27の大径部(第1摺接部)27bと第2部材36の縮径部(第2摺接部)36aとは、係止状態が解かれる。
これにより、前記第1部材27に対する第2部材36の係止状態が解かれた反作用を受けて、第2部材のテーパ面36cが第1部材27の大径部(第1摺接部)27bから離れつつ、第2部材36は軸方向に後退移動する。
なお図6は前記したとおり、第2部材36の後端面36dが第3部材25aに衝突する直前の状態を示している。
そして、ノック操作の解除により第1部材27を構成する前記ノック操作体は、戻しスプリング28の作用により後退して図3に示す状態に復帰する。
この第2の実施の形態においては、前記した第1の実施の形態において備えられた各部材に加えて、図7に示されているように、筆記芯の回転駆動機構41がさらに備えられている。以下、この実施の形態において加えられた筆記芯の回転駆動機構41について、図8および図9に基づいて説明する。
この回転駆動機構41には、回転カムが具備され、図8に示されたボールチャック11に把持された筆記芯Lが受ける筆記圧による軸方向の僅かな後退動作および筆記圧の解除による筆記芯Lの軸方向の前進動作を受けて前記回転カムを一方向に回転駆動させるように作用する。
前記回転カム42は、その前端部付近が若干径を太くした太径部になされ、その太径部の一端面(後端面)には周方向に沿って連続的に鋸歯状になされた第1のカム面42aが形成されており、太径部の他端面(前端面)には同じく周方向に沿って連続的に鋸歯状になされた第2のカム面42bが形成されている。
前記した回転駆動機構41は、その中央部が芯ケース23を通す空間部になされて芯ケース23とは分離されており、前記した符号42〜47で示す各部材により一体に結合されてユニット化されている。
この第3の実施の形態においても、前記した第2の実施の形態と同様に筆記芯の回転駆動機構41を備えた構成にされているが、その発音機構35については第1および第2の実施の形態とは異なる構成が採用されている。
したがって図10〜図14については、すでに説明した各部と同一の機能を果たす部分を同一符号で示し、その詳細な説明は省略する。そして、第1および第2の実施の形態とは異なる特に発音機構35の構成について、以下詳細に説明する。
なお図11〜図13は、ノック動作の進行にしたがって軸方向に移動する各主要部の位置関係を示したものであり、図14はノック操作に伴い衝撃音が発音される瞬間の状態を示している。
一方、前記第1部材27の前端部側には、前記芯ケース3を囲むようにして、円筒状に形成された第2部材36が軸方向に移動可能に配置されている。この第2部材36における後端部側の外周面には、大径部36eが形成されており、前記第1部材27の縮径部27cと前記第2部材36の大径部36eが接する摩擦により、前記第1部材27に対して第2部材36が係止されるように構成されている。
前記ストッパー2aは後軸2内に突出して形成された環状の段部がその機能を果たし、前記第2部材36の所定の前進移動位置において、第2部材36の鍔部36fが前記ストッパー2aに軸方向に当接することで、第2部材36の前進移動が阻止される。
これにより、図13に示されているように、前記第1部材27の縮径部(第1摺接部)27cと第2部材36の大径部(第2摺接部)36eとは、係止状態が解かれる。
これにより、前記第1部材27に対する第2部材36の係止状態が解かれた反作用を受けて、第2部材のテーパ面36gが第1部材27の縮径部(第1摺接部)27cから離れつつ、第2部材36は軸方向に後退移動する。
なお図14は、第2部材36の鍔部36fが第3部材25bに衝突する直前の状態を示している。
そして、ノック操作の解除により第1部材27を構成する前記ノック操作体は、戻しスプリング28の作用により後退して図11に示す状態に復帰する。
前記ストッパーについては、この構成に限られることなく、軸筒1,2内に収容されて軸方向の前進移動が阻止される第4部材により構成されていてもよい。
前記第4部材としての回転駆動機構41は、連結部材3との間に配置された軸スプリング42によって後方に向かって付勢されており、ノック操作により前記第2部材36が前進移動した場合、前記回転駆動機構41も前記軸スプリング42を収縮させて若干前進する。しかし、回転駆動機構(第4部材)41は前進移動に伴い、前記連結部材3に当接して、それ以上の前進が拒まれる。
2 後軸(軸筒)
2a ストッパー
3 連結部材
4 口先部
5 スライダー
6 先端パイプ(先端ガイド部材)
8 保持チャック
11 ボールチャック
12 ホルダー
13 チャック本体部
14 ボール
16 チャック用スプリング
18 パイプ部材
23 芯ケース
25 クリップ支持体
25a 環状面(第3部材)
25b 前端部(第3部材)
26 クリップ
27 ノック操作体(第1部材)
27b 大径部(第1摺接部)
27c 縮径部(第1摺接部)
28 戻しスプリング
30 ノックカバー
35 発音機構
36 第2部材
36a 縮径部(第2摺接部)
36b 大径部
36c テーパ面
36d 後端面
36e 大径部(第2摺接部)
36f 鍔部
36g テーパ面
41 回転駆動機構(第4部材)
42 軸スプリング
L 筆記芯
Claims (7)
- 軸芯に筆記芯の挿通孔が形成されると共に前端部が軸方向に形成された複数のスリットにより放射方向に分割されたチャック本体部と、円筒状に形成されて前方に向かって内径を拡大するテーパ面を備えたホルダーと、前記チャック本体部と前記ホルダーのテーパ面との間に介在された複数のボールとが備えられたボールチャック機構が軸筒内に収容され、ノック操作によって前記チャック本体部が前記ホルダーから前進動作するように構成されたシャープペンシルであって、
前記ノック操作に伴って、軸方向に前進移動する第1部材と、前記第1部材に係止して当該第1部材の前進移動に連動して前進移動する第2部材と、前記第2部材の所定の前進移動位置において前記第2部材の前進移動を阻止することで前記第1部材と第2部材の係止状態を解くストッパーと、前記第1部材に対する第2部材の係止状態が解かれた状態で、前記第2部材が軸方向に後退移動して衝突する第3部材とが具備されていることを特徴とするシャープペンシル。 - 前記第1部材27は外周面の一部に第1摺接部が形成され、前記第2部材は内周面の一部に第2摺接部が形成され、前記第1部材の第1摺接部と前記第2部材の第2摺接部とが接する摩擦により、前記第1部材に対して第2部材が係止されることを特徴とする請求項1に記載されたシャープペンシル。
- 前記第2部材には、前記内周面に形成された第2摺接部に続いて軸方向の前方に向かって内径を拡大するテーパ面が形成され、前記ノック操作に伴って、前記第1部材に対する第2部材の係止状態が解かれた状態で、前記第2部材に形成されたテーパ面が、前記第1部材に形成された第1摺接部から離れつつ、第2部材が軸方向に後退移動するように構成したことを特徴とする請求項2に記載されたシャープペンシル。
- 前記第1部材は内周面の一部に第1摺接部が形成され、前記第2部材は外周面の一部に第2摺接部が形成され、前記第1部材の第1摺接部と前記第2部材の第2摺接部とが接する摩擦により、前記第1部材に対して第2部材が係止されることを特徴とする請求項1に記載されたシャープペンシル。
- 前記第2部材には、前記外周面に形成された第2摺接部に続いて軸方向の前方に向かって内径を縮小するテーパ面が形成され、前記ノック操作に伴って、前記第1部材に対する第2部材の係止状態が解かれた状態で、前記第2部材に形成されたテーパ面が、前記第1部材に形成された第1摺接部から離れつつ、第2部材が軸方向に後退移動するように構成したことを特徴とする請求項4に記載されたシャープペンシル。
- 前記ストッパーは、前記軸筒内の一部、もしくは前記軸筒内に収容されて前進移動が阻止される第4部材により構成され、前記ストッパーに前記第2部材の一部が軸方向に当接することで、前記第2部材の前進移動を阻止するように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載されたシャープペンシル。
- 前記第1部材は、後端部に消しゴムが着脱可能に装着されると共に、前記消しゴムを覆うノックカバーが取り付けられてなるノック操作体であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載されたシャープペンシル。
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