JP6125798B2 - パターンの製造方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

パターンの製造方法および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、変形照明法を利用する極紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)リソグラフィに関するものである。
半導体デバイス(半導体集積回路装置)は、回路パターンが描かれた原版であるマスクに露光光を照射し、上記回路パターンを縮小光学系を介して半導体基板の主面上に転写する光リソグラフィ工程を繰り返し行うことによって量産されている。
近年、半導体デバイスの微細化への要求に応じて、光リソグラフィの露光波長をより短くして解像度を上げる方法が検討されている。これまでに波長193nmのフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ光を用いたArFリソグラフィが主に開発されてきたが、これよりも短い波長(例えば13.5nm)のEUV光を用いるリソグラフィの開発が進められている。EUV光の波長領域では透過型マスクが物質の光吸収の関係で使えないため、モリブデン(Mo)およびシリコン(Si)等の多層膜による反射を利用した多層膜反射基板がEUVリソグラフィ(EUVLと称する)用マスクブランクス(以下、マスクブランクと称する)として使用されている。そして、EUVL用マスクとしては、例えば石英ガラスまたは低熱膨張ガラス基板の上にMoおよびSi等の多層膜が形成されたマスクブランクの表面に、低反射領域としてEUV光を吸収する吸収体パターンが形成された構造を有するものが知られている(例えば非特許文献1)。
また、EUVL用の光学素子には、透過屈折型の光学素子を使用することができないため、多層膜反射鏡が用いられる。例えば特許文献1に記載されているように、EUV露光装置の投影光学系には反射型の投影光学系が使用される。光源からの光は反射型の照明光学系を介して均一化されてEUVL用マスクに照射される。EUVL用マスクに照射された光は、EUVL用マスクで反射し、反射型の投影光学系を経て半導体基板に到達して、EUVL用マスクの吸収体パターンが半導体基板の主面上に投影される。EUV露光装置の照明光学系からEUVL用マスクに照射される光の主光線は、EUVL用マスク面に垂直ではなくEUVL用マスクの面法線に対して所定の角度(例えば6度)で入射し、その正反射光は入射角度と同一の反射角度(例えば6度)をもって投影光学系に入射する。これは、照明光学系と投影光学系とが干渉することを防止するためである。
特開2001−244168号公報
田邊功、竹花洋一、法元盛久著、「入門フォトマスク技術」、工業調査会、2006年12月発行、p.266−268
従来、解像度を上げる方法としては、上記の露光波長を短くする手法の他に、投影光学系の開口数(NA)を大きくする手法や変形照明法が知られている。そのため、EUV露光装置においても、従来の露光装置と同様に、投影光学系の開口数(NA)を大きくして解像度を向上させるとともに、さらに変形照明法を採用して例えば線幅20nm以下の微細なラインパターンの転写を実現する試みがなされている。
この場合、投影光学系の開口数(NA)の増大とともに、EUVL用マスクに照射される光の主光線の入射角度が大きくなる。また、変形照明の種類に応じて、実際にEUVL用マスクを照明する光の入射角度の角度分布が大きくなる。特に、ダイポール照明の場合、EUVL用マスクへの照明光の主光線を中心として2方向から対称的に照明するため、照明光の入射角度の角度分布はより大きくなる。
しかしながら、EUVL用マスクの多層膜の反射率は入射角度依存性が強いため、照明光の入射角度の角度分布が大きいと、入射角度によっては多層膜の反射率が低下し、EUVL用マスクとしての性能が低下する。さらに、投影光学系の開口数(NA)の増大および変形照明法を組み合わせると、照明光の入射角度の拡がりがさらに大きくなるため、入射角度によって多層膜の反射率が大幅に変化し、微細なラインパターンの転写が困難になる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、変形照明法を利用して微細なラインパターンを精度良く転写することができるパターンの製造方法および半導体装置の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板上に多層膜および吸収体パターンが形成された反射型マスクを用い、照明光学系を用いてEUV光を上記反射型マスクに照射し、投影光学系を用いて上記反射型マスクの上記吸収体パターンを被処理基板上に形成されたレジスト膜に投影し、上記反射型マスクおよび上記レジスト膜が形成された上記被処理基板を同期走査して露光を行う露光工程を有するパターンの製造方法であって、上記吸収体パターンは、複数の平行な最小寸法のラインパターンを有し、上記照明光学系は、上記反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行い、上記露光工程では、上記反射型マスクの走査方向と、上記最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行であることを特徴とするパターンの製造方法を提供する。
また本発明は、下地膜およびレジスト膜が積層された半導体基板を準備する準備工程と、基板上に多層膜および吸収体パターンが形成された反射型マスクを用い、照明光学系を用いてEUV光を上記反射型マスクに照射し、投影光学系を用いて上記反射型マスクの上記吸収体パターンを上記レジスト膜に投影し、上記反射型マスクおよび上記レジスト膜が形成された上記半導体基板を同期走査して露光を行う露光工程と、露光された上記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、上記レジストパターンを用いて上記下地膜をパターニングするパターン形成工程とを有する半導体装置の製造方法であって、上記吸収体パターンは、複数の平行な最小寸法のラインパターンを有し、上記照明光学系は、上記反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行い、上記露光工程では、上記反射型マスクの走査方向と、上記最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行であることを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
本発明においては、反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を用いる場合に、反射型マスクの走査方向と最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行になるように反射型マスクとレジスト膜が形成された基板とを同期走査して露光を行うことにより、反射型マスクへの照明光の入射角度の角度分布を小さくすることができる。したがって、反射型マスクへの照明光の主光線の入射角度が少し大きい場合であっても、照明光のすべての入射角度で多層膜の反射率を均一かつ高くすることができ、微細なラインパターンを精度良く転写することが可能である。
本発明においては、微細なラインパターンを精度良く転写することができるという効果を奏する。
本発明に用いられる反射型マスクの一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明に用いられるEUV投影露光装置の一例を示す模式図である。 EUVLにおける露光工程を説明するための模式図である。 本発明のパターンの製造方法および半導体装置の製造方法における露光工程の一例を示す模式図である。 EUVLにおける露光工程の一例を示す模式図である。 反射型マスクにおける多層膜の反射率の入射角度依存性の一例を示すグラフである。 本発明に用いられる反射型マスクの吸収体パターンの一例を示す概略平面図である。 本発明に用いられる変形照明を実現する有効光源の形状の一例を示す概略平面図である。 本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の一例を示す概略平明図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明に用いられる反射型マスクの吸収体パターンの他の例を示す概略平面図である。
以下、本発明のパターンの製造方法および半導体装置の製造方法について詳細に説明する。
A.パターンの製造方法
まず、本発明のパターンの製造方法について説明する。
本発明のパターンの製造方法は、基板上に多層膜および吸収体パターンが形成された反射型マスクを用い、照明光学系を用いてEUV光を上記反射型マスクに照射し、投影光学系を用いて上記反射型マスクの上記吸収体パターンを被処理基板上に形成されたレジスト膜に投影し、上記反射型マスクおよび上記レジスト膜が形成された上記被処理基板を同期走査して露光を行う露光工程を有するパターンの製造方法であって、上記吸収体パターンは、複数の平行な最小寸法のラインパターンを有し、上記照明光学系は、上記反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行い、上記露光工程では、上記反射型マスクの走査方向と、上記最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行であることを特徴とする。
本発明のパターンの製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明に用いられる反射型マスクの一例を示す概略平面図であり、図1(b)は本発明に用いられる反射型マスクの一例を示す概略断面図である。図1(a)に例示するように、反射型マスク1は、中央部には回路パターンが形成されている回路パターン領域11を有し、周辺部にはアライメントマークが形成されているアライメントマーク領域12を有している。また、図1(b)に例示するように、反射型マスク1は、基板2と、基板2上に形成された多層膜3と、多層膜3上に形成されたキャッピング層4と、キャッピング層4上に形成された吸収体パターン5と、吸収体パターン5上に形成された反射防止層6とを有している。また、基板2の裏面には、反射型マスク1を静電チャックするための導電膜7が形成されている。
図2は、本発明に用いられるEUV投影露光装置の一例を示す模式図である。反射型マスク1は、図2に例示するEUV投影露光装置50に載置されてパターン転写に使用される。図2に例示するように、光源51から発する中心波長13.5nmのEUV光は、多層膜反射鏡からなる照明光学系52を介して反射型マスク1の吸収体パターンが形成された面(以下、パターン面と称する)に照射される。パターン面からの反射光は多層膜反射鏡からなる投影光学系53を通過して、レジスト膜が形成された半導体基板20上に反射型マスク1の回路パターンを転写する。レジスト膜が形成された半導体基板20はステージ54に搭載されており、ステージ54の移動およびパターン転写の繰り返しにより、レジスト膜が形成された半導体基板20の所望の領域に反射型マスクの回路パターンを多数転写する。
図3(a)、(b)は一般的なEUVLにおける露光工程の一例を示す模式図である。
投影光学系において、反射型マスクの吸収体パターンを精度良く一括転写できる領域は、図3(a)に例示するように反射型マスク1上の円弧領域13に限られる。ここで、反射型マスク1をx方向、すなわち投影光学系の光軸に垂直な面内の矢印14に示す向きに移動させると、円弧領域13は反射型マスク1のパターン面を矢印15に示す向き(矢印14と反対の向き)に移動することになる。そのため、例えば図2において、反射型マスク1とレジスト膜が形成された半導体基板20とを所定の位置に同期移動させて露光を行うことにより、反射型マスク1に形成されている所望の吸収体パターンのすべてをレジスト膜が形成された半導体基板20上に転写することができる。
反射型マスク1のパターン面は、図2に例示するように投影光学系53に向かって下向きに配置されている。図3(b)に例示するように、反射型マスク1への照明光21は、反射型マスク1の面法線nに対して入射角度θCを有する主光線22を中心として±角度θSの角度分布を有している。また、反射型マスク1からの反射光31は、反射型マスク1の面法線nに対して反射角度θRを有する正反射光32を中心として±角度θMNAの角度分布を有する回折光であり、この回折光が投影光学系に取り込まれる。
通常、照明光21の主光線22の入射角度θCと正反射光32の反射角度θRは同一であり、例えば6度〜9度程度である。反射光31(回折光)の拡がりを示す角度θMNAは投影光学系の開口数で決まる値であり、例えば3.6度〜8度程度である。また、通常、照明光21の角度分布を示す角度θSは、反射光31(回折光)の拡がりを示す角度θMNA以下の値となる。
図4(a)は本発明において変形照明を実現する有効光源の形状の一例を示す模式図であり、図4(b)〜(d)は本発明のパターンの製造方法における露光工程の一例を示す模式図である。図4(c)は図4(b)の領域Rの拡大図である。
図4(c)に例示するように、反射型マスク1の吸収体パターンは多数の平行な微細なラインパターン5aを有している。そして、図4(b)、(c)に例示するように、露光工程では、反射型マスク1の走査方向D1が反射型マスク1の最小寸法のラインパターン5aの長手方向D2に対して平行になるように、反射型マスク1およびレジスト膜が形成された半導体基板(図示なし)を同期走査して露光を行う。また、図4(a)に例示するように、変形照明を実現する有効光源55は2個の開口部56a、56bを有しており、この有効光源55によりダイポール照明を行うことができる。有効光源55では、照明光の主光線の位置を示す中心Qからは照明光は放出されない。一般的にダイポール照明においては、微細なラインパターンを形成するために、図4(a)〜(c)に示すように、有効光源55の開口部56a、56bは、反射型マスク1のラインパターン5aの長手方向D2と直交する方向に互いに離れて配置される。
上記のように、反射型マスク1の走査方向D1と、反射型マスク1の最小寸法のラインパターン5aの長手方向D2と、変形照明を実現する有効光源55の開口部56a、56bの配置とを所定の関係にした場合、反射型マスク1への照明光23a、23bおよび反射型マスク1からの反射光31は、図4(d)に例示するような進行経路を有する。有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bは反射型マスク1上で照明光の主光線22を中心として所定の角度で交差している。有効光源55の開口部56a、56bは、反射型マスク1の最小寸法のラインパターン5aの長手方向D2と直交する方向、すなわち反射型マスク1の走査方向D1と直交する方向に互いに離れて配置されているため、図4(d)に示すように、反射型マスク1の走査方向D1に平行な側面から見ると、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの入射角度の角度分布は、照明光の主光線22の入射角度θCを中心とした小さい値である。また、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの最大入射角度θSMAX1も主光線22の入射角度θCと比べて極度に大きくはならない。
例えば図4(d)において、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bは、反射型マスク1上で照明光の主光線22の入射角度θCに対して±4.4度で交差しており、つまり開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの交差角度は8.8度である。また、反射型マスク1への照明光の主光線22の入射角度θCは8度である。そのため、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの入射角度の中心角度は約9度である。また、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの入射角度自体の角度分布は小さく、入射角度の中心角度±1度程度である。そのため、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23b、すなわち実際に反射型マスク1に照明される照明光の入射角度の角度分布は約8度〜10度、最大入射角度θSMAX1は約10度となる。
図5(a)は変形照明を実現する一般的な有効光源の一例を示す模式図であり、図5(b)〜(d)は一般的なEUVLにおける露光工程の一例を示す模式図である。図5(c)は図5(b)の領域Rの拡大図である。なお、図5(a)に例示する有効光源の形状は、上記の図4(a)に例示する有効光源の形状と同様である。
仮に、図5(b)、(c)に例示するように、反射型マスク1の走査方向D1と反射型マスク1の最小寸法のラインパターン5aの長手方向D2とが直交するように、反射型マスク1およびレジスト膜が形成された半導体基板(図示なし)を同期走査して露光を行う場合を考える。上述したように、一般的にダイポール照明においては、微細なラインパターンを形成するために、図5(a)〜(c)に示すように、有効光源55の開口部56a、56bは、反射型マスク1のラインパターン5aの長手方向D2と直交する方向に互いに離れて配置される。
この場合、反射型マスク1への照明光23a、23bおよび反射型マスク1からの反射光31は、図5(d)に例示するような進行経路を有する。有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bは反射型マスク1上で照明光の主光線22を中心として所定の角度で交差している。有効光源55の開口部56a、56bは、反射型マスク1の最小寸法のラインパターン5aの長手方向D2と直交する方向、すなわち反射型マスク1の走査方向D1と平行な方向に互いに離れて配置されているため、図5(d)に示すように、反射型マスク1の走査方向D1に平行な側面から見ると、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの入射角度の角度分布は、照明光の主光線22の入射角度θCを中心として大きくなる。また、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの最大入射角度θSMAX1も大きくなる。
例えば図5(d)において、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bは、反射型マスク1上で照明光の主光線22の入射角度θCに対して±4.4度で交差しており、つまり開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの交差角度は8.8度である。また、反射型マスク1への照明光の主光線22の入射角度θCは8度である。そのため、有効光源55の開口部56aから反射型マスク1を照明する光23aの入射角度の中心角度は約12.4度(θC(8度)+4.4度)、開口部56bから反射型マスク1を照明する光23bの入射角度の中心角度は約3.6度(θC(8度)−4.4度)である。また、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの入射角度自体の角度分布は狭く、入射角度の中心角度±1度程度である。そのため、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23b、すなわち実際に反射型マスク1に照明される照明光の入射角度の角度分布は約2.6度〜4.6度および約11.4度〜13.4度、最大入射角度θSMAX1は約13.4度となる。
ここで、反射型マスクの多層膜の反射率は、照明光の波長を一定にした場合、多層膜の積層ピッチ(周期長)および多層膜への照明光の入射角度に応じて変化する。図6は、多層膜の反射率の入射角度依存性の一例を示すグラフである。そのため、照明光の入射角度の角度分布が小さい場合にはすべての入射角度で多層膜の反射率が均一になり高い反射率が得られるのに対して、照明光の入射角度の角度分布が大きい場合には入射角度によって多層膜の反射率が大きく異なりすべての入射角度で高い反射率を得ることが困難であるという傾向がある。また、照明光の最大入射角度が小さい場合には多層膜の反射率が高くなるのに対して、照明光の最大入射角度が大きい場合には多層膜の反射率が低くなる傾向がある。
具体的に、図4(d)に示す例において、上述のように照明光の主光線22の入射角度θCが8度、有効光源55の開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの入射角度の中心角度が約9度、照明光の入射角度の角度分布が約8度〜10度、照明光の最大入射角度θSMAX1が約10度である場合、図6に例示する反射率の入射角度依存性を示す多層膜のうち、積層ピッチが6.96nmまたは7.06nmの多層膜を使用すれば、いずれの入射角度においても計算上は0.7以上の反射率を得ることができる。これにより、反射型マスクのパターン転写を良好に行うことができる。
一方、図5(d)に示す例において、上述のように照明光の主光線22の入射角度θCが8度、有効光源55の開口部56aから反射型マスク1を照明する光23aの入射角度の中心角度が約12.4度、開口部56bから反射型マスク1を照明する光23bの入射角度の中心角度が約3.6度、照明光の入射角度の角度分布が約2.6度〜4.6度および約11.4度〜13.4度、照明光の最大入射角度θSMAX1が約13.4度である場合、図6に例示する反射率の入射角度依存性を示す多層膜のうち、いずれの多層膜であっても、すべての入射角度において高い反射率を得ることは困難である。そのため、反射光の強度が不均一になり、反射型マスクのパターン転写の精度が劣化してしまう。
したがって本発明においては、反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を用いる場合に、反射型マスクの走査方向と最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行になるように反射型マスクおよびレジスト膜が形成された被処理基板を同期走査して露光を行うことにより、反射型マスクへの照明光の入射角度の角度分布を小さくすることができる。さらに、反射型マスクの走査方向と最小寸法のラインパターンの長手方向とを平行にすることにより、解像度をより向上させるために投影光学系の開口数を大きくした場合に、反射型マスクへの照明光の主光線の入射角度が幾らか大きくなったとしても、反射型マスクへの照明光の拡がりを抑制することができる。したがって、照明光のすべての入射角度で多層膜の反射率を均一かつ高くすることができ、微細なラインパターンを精度良く転写することが可能である。その結果、EULVでの露光コストを低減することができる。
以下、本発明に用いられる反射型マスクおよび本発明のパターンの製造方法における各工程について説明する。
1.反射型マスク
本発明に用いられる反射型マスクは、基板上に多層膜および吸収体パターンが形成されたものであり、その層構成としては一般的な反射型マスクと同様とすることができる。
以下、反射型マスクを構成する各層について説明する。
(1)吸収体パターン
本発明における吸収体パターンは基板上に形成され、複数の平行なラインパターンを有するものであり、EUVLにおいてEUV光を吸収するものである。
EUVLにおいては、反射型マスクのパターン面からの反射光はラインパターンのピッチに応じた回折角を有する回折光を発生する。そのため、ラインパターンのピッチが小さくなると、特にEUV投影露光装置の解像限界近くになると、反射光(回折光)の拡がりが大きくなり、反射光(回折光)の強度が低下し、十分な解像度が得られなくなる。そこで本発明においては、解像度を上げ、微細なラインパターンを形成するために、2方向から照明する変形照明法を利用し、さらに最小寸法のラインパターンの長手方向と反射型マスクの走査方向とを平行にしている。そのため、最小寸法のラインパターンのピッチは小さく、EUV投影露光装置の解像限界に近いことが好ましい。この場合に、本発明を適用することで高精度なパターンが形成可能になるという効果が十分に得られるからである。
ここで、「最小寸法のラインパターン」とは、ラインパターンのうち、最小のピッチを有するラインパターンをいう。
また、「吸収体パターンが複数の平行な最小寸法のラインパターンを有する」とは、吸収体パターンにおいて、最小寸法のラインパターンが複数平行に配置されていることをいう。
具体的に、最小寸法のラインパターンのピッチは、160nm以下であることが好ましく、128nm以下であることがより好ましく、96nm以下であることがさらに好ましい。最小寸法のラインパターンのピッチが上記範囲である場合に、高精度なパターンが形成可能になるという効果が十分に得られるからである。一方、最小寸法のラインパターンのピッチの下限は、EUV投影露光装置のダイポール照明における解像限界以上であればよい。ここで、ラインパターンのピッチとは、図7(a)に例示するような隣接するラインパターン5aの中心から中心までの距離pをいう。
また、最小寸法のラインパターンの線幅は、64nm以下であることが好ましく、48nm以下であることがより好ましく、44nm以下であることがさらに好ましい。最小寸法のラインパターンの線幅が上記範囲である場合に、高精度なパターンが形成可能になるという効果が十分に得られるからである。一方、最小寸法のラインパターンの線幅の下限は、EUV投影露光装置のダイポール照明における解像限界以上であればよい。ここで、ラインパターンの線幅は、図7(a)に例示するような線幅dをいう。
吸収体パターンは、上記の複数の平行な最小寸法のラインパターンを有していればよく、他のパターンをさらに有していてもよい。例えば、吸収体パターンは、上記の最小寸法のラインパターンのピッチよりも大きなピッチを有するラインパターンをさらに有していてもよい。また、吸収体パターンは、上記の最小寸法のラインパターンの長手方向と交差するラインパターンを有していてもよい。また、吸収体パターンは、島状のパターン等、ライン状以外の形状のパターンをさらに有していてもよい。
吸収体パターンが、上記の最小寸法のラインパターンと交差するラインパターン(以下、第2ラインパターンと称する)をさらに有する場合、第2ラインパターンのピッチは、上記の最小寸法のラインパターンのピッチよりも大きければよいが、比較的大きいことが好ましい。EUVLにおいては、上述のように、反射型マスクからの反射光はラインパターンのピッチに応じた回折角を有する回折光を発生する。そのため、第2ラインパターンのピッチが大きければ、反射光(回折光)の回折角が小さくなるため、第2ラインパターンの長手方向と反射型マスクの走査方向とが直交する場合でも、第2ラインパターンを良好に転写することができる。
具体的に、第2ラインパターンのピッチは、132nm以上であることが好ましく、176nm以上であることがより好ましい。第2ラインパターンのピッチが上記範囲である場合には、第2ラインパターンを良好に転写することができる。
また、吸収体パターンが最小寸法のラインパターン以外に他のパターンをさらに有する場合には、他のパターンはすべて最小寸法のラインパターンに平行なラインパターンであることも好ましい。最小寸法のラインパターンと同様に、他のラインパターンも精度良く転写することができるからである。
また、最小寸法のラインパターンにおいては、図7(b)に例示するように、ラインパターン5aを分離させる分離部分5cが形成されていてもよい。
吸収体パターンの材料としては、EUV光を吸収可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、Ta、TaN、Taを主成分とする材料、Cr、Crを主成分としN、O、Cから選ばれる少なくとも1つの成分を含有する材料等が用いられる。さらに、TaSi、TaSiN、TaGe、TaGeN、WN、TiN等も使用可能である。
吸収体パターンの形成方法としては、例えば多層膜上に吸収体を形成した後にパターニングする方法が挙げられる。吸収体の形成方法としては、例えば、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、CVD法、蒸着法等が用いられる。また、吸収体のパターニング方法としては、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。
吸収体パターンの厚みとしては、例えば50nm〜70nm程度とすることができる。
(2)多層膜
本発明における多層膜は、基板上に形成されるものであり、EUVLにおいてEUV光を反射するものである。
多層膜の材料としては、一般的に反射型マスクの多層膜に使用されるものを用いることができ、中でも、EUV光に対する反射率が極めて高い材料を用いることが好ましい。反射型マスク使用時においてコントラストを高めることができるからである。例えば、EUV光を反射する多層膜としては、通常、Mo/Siの周期多層膜が用いられる。また、特定の波長域で高い反射率が得られる多層膜として、例えば、Ru/Siの周期多層膜、Mo/Beの周期多層膜、Mo化合物/Si化合物の周期多層膜、Si/Nbの周期多層膜、Si/Mo/Ruの周期多層膜、Si/Mo/Ru/Moの周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ruの周期多層膜等も用いることができる。
多層膜を構成する各層の膜厚や、各層の積層数としては、使用する材料に応じて異なるものであり、適宜調整される。例えば、Mo/Siの周期多層膜としては、数nm程度の厚さのMo膜とSi膜とが40層〜60層ずつ積層された多層膜を用いることができる。
多層膜の厚みとしては、例えば280nm〜420nm程度とすることができる。
多層膜の成膜方法としては、例えば、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法等が用いられる。
(3)基板
本発明に用いられる基板としては、一般的に反射型マスクの基板に使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス基板や金属基板を使用することができる。中でも、ガラス基板が好ましく用いられる。ガラス基板は、良好な平滑性および平坦度が得られるので好適である。ガラス基板の材料としては、例えば、石英ガラス、低熱膨張係数を有するアモルファスガラス(例えばSiO−TiO系ガラス等)、β石英固溶体を析出した結晶化ガラス等が挙げられる。また、金属基板の材料としては、例えば、シリコン、Fe−Ni系のインバー合金等が挙げられる。なお、低熱膨張係数を有するアモルファスガラスについては、特開2010−135732号公報を参照することができる。
基板は、反射型マスクの高反射率および転写精度を得るために、平滑性が0.2nmRms以下であることが好ましく、また平坦度が100nm以下であることが好ましい。なお、平滑性を示す単位Rmsは、二乗平均平方根粗さであり、原子間力顕微鏡を用いて測定することができる。また、平坦度は、TIR(Total Indicated Reading)で示される表面の反り(変形量)を示す値である。この値は、基板表面を元に最小二乗法で定められる平面を焦平面としたとき、この焦平面より上にある基板表面の最も高い位置と、焦平面より下にある最も低い位置の高低差の絶対値である。また、上記平滑性は10μm角エリアでの平滑性であり、上記平坦度は142mm角エリアでの平坦度である。
基板の厚みとしては、例えば6mm〜7mm程度とすることができる。
また、基板の大きさとしては、例えば6025規格とすることができる。
(4)キャッピング層
本発明に用いられる反射型マスクにおいては、多層膜上にキャッピング層が形成されていてもよい。キャッピング層は、多層膜の酸化防止や、反射型マスクの洗浄時の保護のために設けられるものである。キャッピング層が形成されていることにより、多層膜の最表面がSi膜やMo膜である場合には、Si膜やMo膜が酸化されるのを防ぐことができる。Si膜やMo膜が酸化されると、多層膜の反射率が低下するおそれがある。
本発明において、多層膜上に後述のバッファ層が形成されている場合には、通常、多層膜上にキャッピング層およびバッファ層の順に積層される。
キャッピング層の材料としては、上記機能を発現するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、SiやRu等が挙げられる。
また、キャッピング層の厚みとしては、例えば2nm〜15nm程度とすることができる。
キャッピング層の成膜方法としては、スパッタリング法等を挙げることができる。
(5)バッファ層
本発明に用いられる反射型マスクにおいては、多層膜上にバッファ層が形成されていてもよい。バッファ層は、下層の多層膜に損傷を与えるのを防止するために設けられるものである。バッファ層が形成されていることにより、吸収体をドライエッチング等の方法でパターンエッチングする際に、下層の多層膜がダメージを受けるのを防止することができる。
バッファ層の材料としては、耐エッチング性が高いものであればよく、通常、吸収体パターンとエッチング特性の異なる材料、すなわち吸収体パターンとのエッチング選択比が大きい材料が用いられる。バッファ層および吸収体パターンのエッチング選択比は5以上であることが好ましく、より好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上である。さらに、バッファ層の材料としては、低応力で、平滑性に優れた材料であることが好ましい。特にバッファ層の平滑性は、0.3nmRms以下であることが好ましい。このような観点から、バッファ層の材料は、微結晶またはアモルファス構造であることが好ましい。
このようなバッファ層の材料としては、例えば、SiO、Al、Cr、CrN等が挙げられる。
また、バッファ層の厚みとしては、例えば2nm〜25nm程度とすることができる。
バッファ層の成膜方法としては、例えば、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法等が挙げられる。Crを用いる場合は、RFマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてArガス雰囲気下で、多層膜上にCrを成膜するのが好ましい。また、バッファ層上に吸収体パターンを形成した後、露出しているバッファ層を剥離してもよいバッファ層の剥離方法としては、一般的なバッファ層の剥離方法を用いることができ、例えばドライエッチング等を挙げることができる。
(6)反射防止層
本発明に用いられる反射型マスクにおいては、吸収体パターン上に反射防止層が形成されていてもよい。反射防止層は、反射型マスクの検査時の検出感度を上げるために設けられるものであり、検査光に対して低反射なものである。
反射防止層の材料としては、検査光に対して低反射なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、Cr、CrO、CrN、CrON、TaN、TaO、TaNO、TaBN、TaBN等が挙げられる。
反射防止層の形成方法としては、例えば多層膜上に吸収体および反射防止層を積層した後に、吸収体および反射防止層をパターニングする方法が挙げられる。反射防止層の形成方法としては、例えば、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、CVD法、蒸着法等が用いられる。また、反射防止層のパターニング方法としては、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。
反射防止層の厚みとしては、5nm〜30nm程度にすることができる。
(7)導電膜
本発明に用いられる反射型マスクにおいては、基板の多層膜が形成されている面の反対面に導電膜が形成されていてもよい。導電膜は、反射型マスクを露光装置の静電チャックに吸着させるために設けられるものである。このような導電膜を有することにより、露光時に反射型マスクを容易かつ強固に露光装置に固定することが可能となり、パターン転写精度および製造効率を向上させることができる。
導電膜の材料としては、一般的に反射型マスクの導電膜に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、導電性を示すCr、CrN等の金属または金属化合物が用いられる。
また、導電膜の厚みとしては、例えば30nm〜150nm程度とすることができる。
導電膜の形成方法としては、スパッタリング法等を挙げることができる。また、導電膜をパターン状に形成する場合、その形成方法としては、マスクを介したスパッタリング法やフォトリソグラフィー法等を用いることができる。
2.露光工程
本発明における露光工程は、上記反射型マスクを用い、照明光学系を用いてEUV光を反射型マスクに照射し、投影光学系を用いて反射型マスクの吸収体パターンを被処理基板上に形成されたレジスト膜に投影し、反射型マスクおよびレジスト膜が形成された被処理基板を同期走査して露光を行う工程である。また、露光工程では、反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行う照明光学系を用い、反射型マスクの走査方向が最小寸法のラインパターンの長手方向に対して平行になるように反射型マスクおよびレジスト膜が形成された被処理基板を同期走査して露光を行う。
本発明に用いられる照明光学系においては、反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行う。ここで、「反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する」とは、反射型マスクに対して、照明光の主光線を中心として主に2方向から対称的に照明することをいう。
変形照明としては、反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明するものであれば特に限定されるものではなく、変形照明を実現する有効光源の開口部は、照明光の主光線を中心として対称的に配置されていればよい。中でも、有効光源の開口部は、照明光の主光線を中心として対称的に離れて配置されていることが好ましい。図5(a)〜(d)に例示するように、反射型マスク1の走査方向D1に平行な方向に、有効光源55の開口部56a、56bが照明光の主光線を示す位置を中心Qとして互いに離れて配置されている場合には、開口部56a、56bが離れるにつれて、開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの入射角度の相違が大きくなる傾向にあるため、上述したように反射光の強度が不均一になり、反射型マスクのパターン転写の精度が劣化してしまう。これに対し、図4(a)〜(d)に例示するように、反射型マスク1の走査方向D1と直交する方向に、有効光源55の開口部56a、56bが照明光の主光線を示す位置を中心Qとして互いに離れて配置されている場合には、開口部56a、56bが離れても、開口部56a、56bから反射型マスク1を照明する光23a、23bの入射角度の角度分布を小さくすることができるため、上述したように多層膜の反射率を均一かつ高くすることができ、反射型マスクのパターン転写を精度良く行うことができる。
変形照明を実現する有効光源において、照明光の主光線を中心として対称的に配置されている開口部間の距離としては、変形照明を実現する一般的な有効光源における開口部間の距離とすることができ、中でも、比較的長いことが好ましい。微細なピッチを有するラインパターンの転写に好適だからである。
また、反射型マスクの最小寸法のラインパターンにおいて、図7(b)に例示するように、ラインパターン5aを分離させる分離部分5cが形成されている場合には、分離部分の解像性能を確保するために、照明光の主光線を中心として対称的に配置されている開口部はその周方向の長さが比較的長いことが好ましい。なお、分離部分の分解性能が十分に確保できない場合には、後述するように、図7(a)に例示するような反射型マスクを用いて連続するラインパターンを転写した後、得られたパターンに分離部分を形成することもできる。
また、変形照明を実現する有効光源の開口部の大きさとしては、変形照明を実現する一般的な有効光源における開口部の大きさとすることができ、中でも、後述するように、開口部から反射型マスクを照明する光の最大入射角度θSMAX1が小さくなるように、または開口部から反射型マスクを照明する光の入射角度自体の角度分布が小さくなるように設定されていることが好ましい。
変形照明を実現する有効光源の開口部の形状としては、変形照明を実現する一般的な有効光源における開口部の形状とすることができ、例えば円形状、扇状、矩形状等、任意の形状とすることができる。
変形照明を実現する有効光源の開口部の数は、上記のような変形照明を構成できるものであれば特に限定されるものではなく、2個であってもよく4個以上の偶数であってもよい。
具体的に、変形照明を実現する有効光源としては、図4(a)に示すような2個の円形状の開口部56a、56bが照明光の主光線を示す位置を中心Qとして対称的に離れて配置されている有効光源55、図8(a)に示すような2個の扇状の開口部56a、56bが照明光の主光線を示す位置を中心Qとして対称的に離れて配置されている有効光源55、図8(b)に示すような6個の円形状の開口部56a〜56cおよび56d〜56fが照明光の主光線を示す位置を中心Qとして対称的に離れて配置されている有効光源55等が挙げられる。
変形照明の種類としては、代表的なものとして、例えばダイポール照明が挙げられる。
反射型マスクを照明する照明光はEUV光であり、中心波長が約13.5nmのEUV光が用いられる。
EUV光を反射型マスクに入射させる際、照明光の主光線の入射角度θCは、投影光学系の開口数および照明光学系の開口数等により決定されるものであり、EUVLにおける一般的な入射角度であれば特に限定されるものではなく、例えば6度〜9度程度に設定することができる。
また、EUV光を反射型マスクに入射させる際、変形照明を実現する有効光源の開口部から反射型マスクを照明する光の最大入射角度θSMAX1は、照明光の主光線の入射角度θCとの差が小さいことが好ましい。多層膜の反射率を高くすることができるからである。具体的には、有効光源の開口部から反射型マスクを照明する光の最大入射角度θSMAX1は、8度〜12度程度であることが好ましい。
また、EUV光を反射型マスクに入射させる際、有効光源の開口部から反射型マスクを照明する光の入射角度自体の角度分布は小さいことが好ましい。有効光源の開口部から反射型マスクを照明する光の最大入射角度θSMAX1を小さくすることができ、高い多層膜の反射率を得ることができるからである。具体的には、開口部から反射型マスクを照明する光の入射角度自体の角度分布は、開口部から反射型マスクを照明する光の入射角度の中心角度±2度程度であることが好ましく、開口部から反射型マスクを照明する光の入射角度の中心角度±1度程度であることがより好ましい。
また、EUV光を反射型マスクに入射させる際、変形照明を実現する有効光源において照明光の主光線を中心として対称的に配置されている開口部から反射型マスクを照明する光は、反射型マスク上で照明光の主光線を中心として所定の角度で交差する。この交差角度は、投影光学系の反射型マスク側開口数等に応じて適宜調整される。
反射型マスクでEUV光が反射された際、正反射光の反射角度θRは、通常、上記の照明光の主光線の入射角度θCと同一であり、例えば6度〜9度程度である。
また、反射型マスクでEUV光が反射された際、反射光は、正反射光を中心として±角度θMNAの角度分布を有している。反射光(回折光)の拡がりを示す角度θMNAは、投影光学系の開口数等により決定されるものであり、EUVLにおける一般的な角度であれば特に限定されるものではなく、例えば3.6度〜8度程度に設定することができる。
投影光学系の反射型マスク側開口数(NA)は、NA=sinθMNAで表すことができる。投影光学系の反射型マスク側開口数(NA)としては、EUVLにおける一般的な投影光学系の開口数であれば特に限定されるものではないが、中でも、解像度の向上のためには比較的大きいことが好ましく、具体的には0.1以上であることが好ましい。投影光学系の反射型マスク側開口数(NA)が0.1以上である場合であって、上記の照明光の主光線の入射角度θCが上記範囲内であり、上記の反射光(回折光)の拡がりを示す角度θMNAが上記範囲内である場合に、解像度を上げることができるからである。一方、投影光学系の反射型マスク側開口数(NA)の増大とともに、反射型マスクへの照明光の主光線の入射角度θCが大きくなるため、照明光の主光線の入射角度θCを上記範囲内にするには、投影光学系の反射型マスク側開口数(NA)の上限は0.2以下であることが好ましい。
露光工程においては、反射型マスクの走査方向が最小寸法のラインパターンの長手方向に対して平行になるように反射型マスクおよびレジスト膜が形成された被処理基板を同期走査して露光を行う。
ここで、一般的にダイポール照明のような反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明においては、微細なラインパターンを形成するために、図4(a)〜(c)に示すように、変形照明を実現する有効光源55において、照明光の主光線を示す位置を中心Qとして対称的に配置されている開口部56a、56bは、反射型マスク1のラインパターン5aの長手方向D2と直交する方向に互いに離れて配置される。そのため、図4(d)に示すように、これらの開口部56a、56bは反射型マスク1の走査方向D1と直交する方向に沿って離れて配置されており、反射型マスク1の走査方向D1と直交する方向に沿った2方向から対称的に反射型マスク1を照明することになる。
このように本発明においては、反射型マスクの走査方向と、反射型マスクの最小寸法のラインパターンの長手方向と、変形照明時の照明方向とが所定の関係であることにより、高精度なパターン転写が可能になる。
本発明に用いられるレジスト膜としては、EUVLにおける一般的なレジスト膜を用いることができ、ネガ型のレジスト膜およびポジ型のレジスト膜のいずれであってもよい。
また、本発明に用いられる被処理基板は、本発明により得られるパターンの用途に応じて適宜選択される。
3.その他の工程
本発明のパターンの製造方法は、上記露光工程を有していればよく、さらに他の工程を有していてもよい。他の工程としては、本発明により得られるパターンに応じて適宜選択される。例えば本発明においてレジストパターンを形成する場合には、上記露光工程後に、露光されたレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する現像工程を行うことができる。また、例えば本発明においてレジスト膜の下に形成されている下地膜をパターニングする場合には、上記露光工程後に、上記現像工程と、レジストパターンを用いて下地膜をパターニングするパターン形成工程とを行うことができる。
(1)現像工程
本発明における現像工程は、露光されたレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程である。現像工程により、レジストパターンを得ることができる。
現像方法としては、EUVLにおける一般的な現像方法を適用することができる。
(2)パターン形成工程
本発明においては、上記現像工程後に、レジストパターンを用いて下地膜をパターニングするパターン形成工程を行ってもよい。パターン形成工程により、任意のパターン、例えば電極、配線等を得ることができる。
下地膜としては、本発明の用途により適宜選択されるものであり、例えば、導電膜、絶縁膜、有機膜等が挙げられる。
下地膜のパターニング方法としては、EUVLにおける一般的なパターニング方法を適用することができ、下地膜の種類等に応じて適宜選択される。例えば、レジストパターンをマスクとして下地膜をエッチングする方法等が挙げられる。
下地膜のパターニング後には、通常、レジストパターンが除去される。
(3)分離工程
また本発明においては、現像工程にて得られるレジストパターンにおいて、ラインパターンを分離させる分離部分を形成する場合には、上記露光工程にて、連続するラインパターンを含む吸収体パターンを有する反射型マスクを用いて、連続するラインパターンを転写した後、連続するラインパターンを含むレジストパターンにエネルギー線を照射して、上記分離部分を形成する分離工程を行ってもよい。
4.用途
本発明のパターンの製造方法は、例えば、半導体装置の製造方法、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル等の表示装置の製造方法に適用することができ、中でも微細なパターンの形成が要求されている半導体装置の製造方法に好適である。
B.半導体装置の製造方法
本発明の半導体装置の製造方法は、下地膜およびレジスト膜が積層された半導体基板を準備する準備工程と、基板上に多層膜および吸収体パターンが形成された反射型マスクを用い、照明光学系を用いてEUV光を上記反射型マスクに照射し、投影光学系を用いて上記反射型マスクの上記吸収体パターンを上記レジスト膜に投影し、上記反射型マスクおよび上記レジスト膜が形成された上記半導体基板を同期走査して露光を行う露光工程と、露光された上記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、上記レジストパターンを用いて上記下地膜をパターニングするパターン形成工程とを有する半導体装置の製造方法であって、上記吸収体パターンは、複数の平行な最小寸法のラインパターンを有し、上記照明光学系は、上記反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行い、上記露光工程では、上記反射型マスクの走査方向と、上記最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行であることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法には、上記のパターンの製造方法が適用される。
本発明においては、上記「A.パターンの製造方法」の項に記載したように、反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行う照明光学系を用いる場合に、反射型マスクの走査方向と最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行になるように反射型マスクおよびレジスト膜が形成された半導体基板を同期走査して露光を行うことにより、微細なラインパターンを精度良く転写することができ、電極や配線等の高精細なパターンを形成することが可能である。したがって、半導体装置の製造歩留りを向上させることができる。
図9は本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の一例を示す模式図であり、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)のメモリセルアレイのレイアウトの一例を示す模式図である。図9に示す例において、アクティブ領域61およびゲート電極62は交差するように形成されており、アクティブ領域61およびゲート電極62が平面的に重なる領域にMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)(図示なし)が形成されている。アクティブ領域61は、MISFETのソース領域やドレイン領域になる領域であり、コンタクトホール63(詳細にはコンタクトホール63に導電材料が埋め込まれたプラグ)を介して配線と電気的に接続されている。同様に、ゲート電極62もコンタクトホール63(詳細にはプラグ)を介して配線と電気的に接続されている。さらに、配線のための長方形孔64(プラグ)が設けられている。
図9に示すSRAMにおいては、例えば下地膜としてゲート電極用導電膜を形成し、ゲート電極用導電膜をパターニングすることで、ゲート電極62を形成することができる。
図10(a)〜(d)は本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であり、図9に示すSRAMのメモリセルアレイのゲート電極を形成する例である。まず、図示しないが、半導体基板に素子分離領域を形成し、続いてチャネル形成用の半導体領域を形成する。次いで、図10(a)に示すように、半導体基板65上にゲート絶縁膜66およびゲート電極用導電膜62aを形成し、下地膜であるゲート電極用導電膜62a上にレジスト膜67aを形成する(準備工程)。次に、上記の露光工程および現像工程により、図10(b)に示すようにレジストパターン67bを形成する。この際、露光工程にて用いられる反射型マスク1としては、図11に例示するように、基本的にx方向に延在しy方向に周期的に並ぶラインパターン5aを含む吸収体パターンを有し、ラインパターン5aを分離させる分離部分5cが形成されているものを用いることができる。この場合、反射型マスク1の走査方向は、x方向になる。次に、レジストパターン67bをマスクとしてゲート電極用導電膜62aをエッチングし、図10(c)に示すようにゲート電極62を形成する。次いで、レジストパターン67bを除去し、図10(d)に示すようにゲート電極62が得られる(パターン形成工程)。その後、図示しないが、半導体装置の構成部材を順次形成することにより、SRAMのメモリセルアレイを備える半導体装置を製造することができる。
上記の例においては、微細なゲート電極を精度良く形成することができる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法における各工程について説明する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、下地膜およびレジスト膜が積層された半導体基板を準備する工程である。
下地膜は、半導体装置を構成する部材であって、微細なラインパターンを有する部材を形成するために用いられるものであり、例えば、ゲート電極、ソース電極、配線等を形成するために用いられる導電膜が挙げられる。導電膜としては、半導体装置に用いられる一般的な導電膜とすることができる。
レジスト膜としては、上記「A.パターンの製造方法」の項に記載したレジスト膜と同様とすることができる。
半導体基板としては、半導体装置に用いられる一般的な半導体基板を適用することができ、例えばシリコン結晶基板が挙げられる。
2.露光工程
本発明における露光工程は、基板上に多層膜および吸収体パターンが形成された反射型マスクを用い、照明光学系を用いてEUV光を上記反射型マスクに照射し、投影光学系を用いて上記反射型マスクの上記吸収体パターンを上記レジスト膜に投影し、上記反射型マスクおよび上記レジスト膜が形成された上記半導体基板を同期走査して露光を行う工程である。また、露光工程では、反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行う照明光学系を用い、反射型マスクの走査方向が最小寸法のラインパターンの長手方向に対して平行になるように反射型マスクおよびレジスト膜が形成された半導体基板を同期走査して露光を行う。
なお、露光工程については、上記「A.パターンの製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明において、後述のパターン形成工程にて、交差するラインパターンを形成する場合には、平行なラインパターン毎に、複数の反射型マスクを用いて、または反射型マスクの走査方向を変えて、レジスト膜を複数回露光してもよい。これにより、交差するラインパターンのいずれも高精細に形成することができる。この場合、平行なラインパターン毎に、露光工程および現像工程を繰り返し行ってもよい。
3.現像工程
本発明における現像工程は、露光された上記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程である。
なお、現像工程については、上記「A.パターンの製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
4.パターン形成工程
本発明におけるパターン形成工程は、レジストパターンを用いて下地膜をパターニングする工程である。
下地膜のパターニング方法については、上記「A.パターンの製造方法」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
パターン形成工程により得られるパターンとしては、半導体装置を構成する部材であって、微細なラインパターンを有する部材であればよく、例えば、ゲート電極、ソース電極、配線が挙げられる。
5.その他の工程
本発明においては、例えば図9に示すように、パターン形成工程にて得られるパターン(ゲート電極62)において、ラインパターンを分離させる分離部分が形成されている場合には、上記露光工程にて、連続するラインパターンを含む吸収体パターンを有する反射型マスクを用いて、連続するラインパターンを転写し、上記現像工程後に、連続するラインパターンを含むレジストパターンにエネルギー線を照射して、上記分離部分を形成する分離工程を行ってもよい。
また本発明においては、半導体装置を構成する任意の部材を形成する工程をさらに行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
反射型マスクの構造は、図1(b)に例示するように、ガラス基板(SiO−TiO系ガラス)上に、モリブデンおよびシリコン(膜厚2.78nm/4.18nm)の40対からなる多層膜と、ルテニウムからなるキャッピング層(膜厚2.5nm)とが順に積層され、キャッピング層上に、線幅44nm、ピッチ88nmのラインパターンが複数平行に配置された窒化タンタルからなる吸収体パターン(膜厚52nm)と、酸化タンタルからなる反射防止層(膜厚14nm)とが形成された構造とした。
反射型マスクにおける多層膜の反射率の入射角度依存性を図6(a)に示す。
変形照明条件はダイポール照明条件とし、図8(a)に例示するような有効光源を用いた。また、投影光学系の反射型マスク側の開口数(NA)は0.1とした。
まず、図4(a)〜(d)に例示するように、反射型マスクの走査方向と反射型マスクのラインパターンの長手方向とが平行であり、さらに反射型マスクの走査方向と反射型マスクのラインパターンの長手方向と変形照明を実現する有効光源の開口部の配置とが所定の関係になるように設定し、反射型マスクの吸収体パターンを1/4に縮小して露光を行った。露光波長は13.5nmとした。また、照明光の主光線の入射角度θCは約8度、有効光源の開口部から反射型マスクを照明する光の交差角度は約8.8度(照明光の主光線の入射角度θCに対して±4.4度)、照明光の入射角度の角度分布は約8〜10度、照明光の最大入射角度θSMAX1は約10度とした。この場合、図6(a)に示すように、照明光のすべての入射角度に対して、多層膜の反射率は計算上0.7以上となる。
EUV投影露光装置で反射型マスクの吸収体パターンを転写したときの投影像から寸法を算出した。投影像では、ラインパターンの転写寸法は線幅11nm、ピッチ22nmであった。本実施例では、精度良くパターン転写を行うことができた。
[比較例1]
反射型マスクの構造は、実施例1と同様とした。
変形照明条件はダイポール照明条件とし、図8(a)に例示するような有効光源を用いた。また、投影光学系の反射型マスク側の開口数(NA)は0.1とした。
まず、図5(a)〜(d)に例示するように、反射型マスクの走査方向と反射型マスクのラインパターンの長手方向とが直交し、反射型マスクの走査方向と反射型マスクのラインパターンの長手方向と変形照明を実現する有効光源の開口部の配置とが所定の関係になるように設定し、反射型マスクの吸収体パターンを1/4に縮小して露光を行った。露光波長は13.5nmとした。また、照明光の主光線の入射角度θCは約8度、有効光源の開口部から反射型マスクを照明する光の交差角度は約8.8度(照明光の主光線の入射角度θCに対して±4.4度)、有効光源の開口部から反射型マスクを照明する光の中心角度は3.6度(8度−4.4度)および12.4度(8度+4.4度)、照明光の入射角度の角度分布は約2.6〜4.6度および約11.4〜13.4度、照明光の最大入射角度θSMAX1は約13.4度とした。この場合、図6(a)に示すように、照明光の入射角度に応じて多層膜の反射率が大きく変化することになる。すなわち、入射角度が11.4〜13.4度の照明光の反射率は0.3程度に低下し、ダイポール照明で得られる反射回折光の強度バランスが崩れた。その結果、投影像の光強度が実施例1と比べて約40%低下した。
EUV投影露光装置で反射型マスクの吸収体パターンを転写したときの投影像から寸法を算出した。投影像の光強度の低下により、パターン転写の精度も約1/2に低下した。
1 … 反射型マスク
2 … 基板
3 … 多層膜
4 … キャッピング層
5 … 吸収体パターン
5a … 最小寸法のラインパターン
6 … 反射防止層
7 … 導電膜
13 … 円弧領域
22 … 照明光の主光線
23a、23b … 有効光源の開口部から反射型マスクを照明する光
32 … 正反射光
55 … 有効光源
56a、56b … 開口部
n … 反射型マスクの面法線
D1 … 反射型マスクの走査方向
D2 … 最小寸法のラインパターンの長手方向
θC … 照明光の主光線の入射角度
θR … 正反射光の反射角度
θSMAX1 … 照明光の最大入射角度

Claims (2)

  1. 基板上に多層膜および吸収体パターンが形成された反射型マスクを用い、照明光学系を用いてEUV光を前記反射型マスクに照射し、投影光学系を用いて前記反射型マスクの前記吸収体パターンを被処理基板上に形成されたレジスト膜に投影し、前記反射型マスクおよび前記レジスト膜が形成された前記被処理基板を同期走査して露光を行う露光工程を有するパターンの製造方法であって、
    前記吸収体パターンは、複数の平行な最小寸法のラインパターンを有し、
    前記照明光学系は、前記反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行い、
    前記露光工程では、前記反射型マスクの走査方向と、前記最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行であり、前記照明光の主光線を中心とした対称な2方向が、前記反射型マスクの走査方向と直交する方向に沿っていることを特徴とするパターンの製造方法。
  2. 下地膜およびレジスト膜が積層された半導体基板を準備する準備工程と、
    基板上に多層膜および吸収体パターンが形成された反射型マスクを用い、照明光学系を用いてEUV光を前記反射型マスクに照射し、投影光学系を用いて前記反射型マスクの前記吸収体パターンを前記レジスト膜に投影し、前記反射型マスクおよび前記レジスト膜が形成された前記半導体基板を同期走査して露光を行う露光工程と、
    露光された前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記下地膜をパターニングするパターン形成工程と
    を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記吸収体パターンは、複数の平行な最小寸法のラインパターンを有し、
    前記照明光学系は、前記反射型マスクへの照明光の主光線を中心として対称な2方向から照明する変形照明を行い、
    前記露光工程では、前記反射型マスクの走査方向と、前記最小寸法のラインパターンの長手方向とが平行であり、前記照明光の主光線を中心とした対称な2方向が、前記反射型マスクの走査方向と直交する方向に沿っていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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