JP6125132B1 - 異形ブロックの反転装置及び異形ブロックの据え付け方法 - Google Patents

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Abstract

大きな負荷を必要とせず据え付け工事などにおいて必要となる配置姿勢に異形ブロックを反転させることができる異形ブロックの反転装置である。反転装置は、異形ブロックBを載置可能で、異形ブロックBを支持可能な一対の載置レール13と、当該載置レール13の間に退避領域30を有する反転台2と、前記載置レール13の間に位置する前記異形ブロックの一部分L3を支持可能な支持面18,19を有し、支持面18の異形ブロック支持部位が前記載置レール13と略同じ高さに位置し当該異形ブロックBを前記第1姿勢で支持可能な支持位置と、前記支持部位19が載置レール13より低位に位置し前記一部分が退避領域に収納された前記第2姿勢で当該異形ブロックを支持可能な退避位置との間で移動可能な回転制御部材3と、前記回転制御部材3を移動させる駆動機構4とを備える。

Description

本発明は、消波などに用いられる異形ブロックの据え付け又は移設を行う際に、設置する姿勢に応じて異形ブロックを反転させる装置に関するものであり、更に詳細には、クランプ装置を用いて異形ブロックを把持する際に、クランプ装置に対する異形ブロックの向きを異ならせる反転装置に関するものである。
従来、護岸や消波のために直方体、立方体などのブロックの他、テトラポッド商品名と呼ばれる四脚ブロックなどの異形コンクリートブロックが防波堤などの構造物に使用されている。この異形ブロックは、通常は海底ないしはマウンド上に順次積み上げたり、あるいは防波堤や護岸の前面に適宜配置して消波護岸構造物として構成されている。
ところで、異形ブロックの多くは、無造作に積み上げられるものではなく、打ち付ける波などによる異形ブロックの崩落を防止するために、その設置には隣接する複数の異形ブロックの脚が互いに絡むように据え付けることが求められている。そして、異形ブロックを積み上げる際に、互いに脚が絡むような異形ブロックの姿勢すなわち配置姿勢があり、これらの配置姿勢になるようにブロックを吊り下げて据え付け位置に配置される。
この配置姿勢は、異形ブロックの形状に応じて種々の姿勢があり、例えば、テトラポッド商品名と呼ばれる放射状に4本の脚が伸びた形の立体ブロックでは、鉛直方向に伸びる脚が上側に位置する正位、鉛直方向に伸びる脚が下側に位置する反転位、隣接する2本の脚が斜め上側を向く蝶々位の3種の配置姿勢が採用されている。しかし、反転位及び蝶々位は、平面上では不安定であるため、これらの配置姿勢にブロックを保管することは現実的ではない。
従来から広く行われている玉掛けロープによる異形ブロックの据え付け工法においては、保管場所に載置されている正位の異形ブロックに、当該配置姿勢に応じた特有の方法でロープを掛けまわした後クレーンで異形ブロックを持ち上げると、異形ブロックがロープのかけ方に応じて転動して配置姿勢となった状態に吊り下げられ、その状態で据え付け位置に配置した後ロープを外すという工法が用いられてきた。
しかし、これらの異形ブロックにロープをかける作業が面倒で作業効率が悪いばかりではなく、ブロックの落下や、地上作業員や潜水作業員がロープに挟まれたり、波で流されてブロックへ衝突するなどの危険を伴うという問題があった。このため、三本の挟持アームを油圧によって開閉操作して、異形ブロックを挟持して、吊り下げるようにしたクランプ装置が特許文献1(実開平3−18084号公報)や特許文献2(特開平6−286973号公報)などが提案されている。
実開平3−18084号公報 特開平6−286973号公報
しかし、特許文献1や特許文献2の装置は、クレーンから取り出されたワイヤに取り付けられ、油圧により挟持アームを開閉させて異形ブロックを把持するものであって、把持後に異形ブロックの方向を変えることはできない。このため、クランプ装置を据え付けに用いる場合には、異形ブロックを把持する際に、異形ブロックを特定の配置姿勢としておく必要がある。
また、異形ブロックは数十トン、最大で80トンにもなる重量物であるため、これを地上で特定の配置姿勢に反転させることは大掛かりで危険であるうえに、回転による衝撃でブロックが損傷するという問題があった。また、反転位及び蝶々位では平面上で安定して姿勢を維持することはできないことから、実質的にこれらの配置姿勢でクランプ装置にブロックを把持させることは困難であった。結果として、異形ブロックの据え付け工事において、クランプ装置を用いることの障害となっており、クランプ装置は異形ブロックの撤去等の特定用途に使用されることが多かった。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、大きな負荷を必要とせず据え付け工事などにおいて必要となる配置姿勢に異形ブロックを反転させることができる異形ブロックの反転装置及び当該装置を用いた異形ブロックの据え付け方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、以下のように構成している。
本発明の異形ブロックの反転装置は、第1姿勢又は前記第1姿勢から転動した第2姿勢で設置場所に据え付けられる異形ブロックを前記第1姿勢から前記第2姿勢に反転させる反転装置であって、
前記異形ブロックを載置可能で、前記異形ブロックを支持可能な一対の載置部を有し、当該載置部の間に前記異形ブロックが部分的に収納可能な退避領域が形成される反転台と、
前記退避領域に設けられ前記載置部の間に位置する前記異形ブロックの一部分を支持可能な支持面を有する回転制御部材と、
前記載置部と前記回転制御部材との相対的な位置関係が、前記支持面の異形ブロック支持部位が前記載置部と略同じ高さに位置し当該異形ブロックを前記第1姿勢で支持可能な支持位置と、前記支持部位が載置部より低位に位置し前記一部分が前記退避領域に収納された前記第2姿勢で当該異形ブロックを支持可能な退避位置との間の任意の位置となるように、前記位置関係を変移させる駆動機構と、を備える。
反転装置は、中心から放射方向に3本の着床脚が伸びた形状を有する異形ブロックの反転に好適に使用され、前記載置部は、前記2本の着床脚を載置可能で、前記回転制御部材は前記載置部の間に位置する他の着床脚を支持することが好ましい。
前記一対の載置部は、所定の離間距離をおいて互いに平行に配置された載置レールを備え、前記離間距離を変更可能に構成することができる。
また、前記載置レールは、傾斜して設けられていることが好ましい。
前記載置レールは、前記異形ブロックが載置される部分が低くなるように屈曲して構成されていてもよい。
前記一対の載置部は、所定の離間距離をおいて互いに平行に配置され、対向方向に沿った回転軸を有する載置ローラーを備えることができる。
前記回転制御部材は、前記異形ブロックが載置部に載置される位置に対して両方向に水平移動可能に構成され、前記支持面は、載置部と略同じ高さに配置された上面と前記上面から円弧状に屈曲して連続する前面で構成することができる。また、このとき前記上面は、前記前面に向かうにつれて低くなるように傾斜していることが好ましい。
前記回転制御部材は、前記載置部の対向方向に沿った回転軸を中心に回動可能な支持ローラーを備える構成とすることができる。
また、本発明の異形ブロックの反転装置は、クレーンから吊り下げられた連結部と前記連結部に対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられ開閉可能な挟持爪を有する本体部とを備えるクランプ装置とを用いて前記異形ブロックを据え付ける異形ブロックの据え付け方法に好適に使用され、前記クランプ装置により、保管位置に載置されている前記異形ブロックを前記異形ブロックの反転装置上に載置し、
前記異形ブロックの反転装置により、前記異形ブロックを据え付け時の配置姿勢となるように反転させ、
前記クランプ装置により、前記異形ブロックの反転装置上に載置されている反転後の前記異形ブロックを挟持して吊り下げ、
前記クランプ装置の連結部と本体部とを旋回させ、前記異形ブロックを据え付け時の配置方向となるように旋回させ、
前記クランプ装置を降下させて、前記異形ブロックを据え付け位置に設置する、各工程により異形ブロックを据え付けることができる。
本発明によれば、異形ブロックを安定して支持させることができる少なくとも3点のうち、2点を離間した載置部上に、1点を載置部の間に設けられた退避領域内の回転制御部材で支持することで、装置上で第1姿勢を維持させることができる。また、回転制御部材を退避させブロックの一部を退避領域内に収納することで、平面上では安定しない配置姿勢としても安定してその姿勢を維持させることができる。また、回転制御部材は、支持面を載置部と略同じ高さに支持する支持位置と載置部より低位に退避させる退避位置の間で移動可能であるため、回転制御部材の移動によって、異形ブロックが重力によって回転する。このため、ブロックを反転させるためのエネルギーが少なくてすむ。
また、異形ブロックが反転する前後において、反転台の上で安定して載置されている状態となるため、クランプ装置などにより異形ブロックを挟持しやすく、異形ブロックの据え付け工事などに好適に用いることができる。
本発明の実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の使用状態を示す模式図である。 本発明の実施形態にかかる異形ブロックの反転装置と供に用いられるクレーン装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す側面図である。 図3の異形ブロックの反転装置の構成を示す正面図である。 図3の異形ブロックの反転装置の構成を示す平面図である。 ブロックを正位で支持する状態を示す模式図であり、(a)は側面側から見た図、(b)は正面側から見た図である。 ブロックを反転位で支持する状態を示す模式図であり、(a)は側面側から見た図、(b)は正面側から見た図である。 ブロックを蝶々位で支持する状態を示す模式図であり、(a)は側面側から 見た図、(b)は正面側から見た図である。 本発明の反転装置と供に使用されるクランプ装置の構成を示す模式図であり、正位のブロックを把持する状態を示している。 本発明の反転装置と供に使用されるクランプ装置の構成を示す模式図であり、反転位のブロックを把持する状態を示している。 図9のクランプ装置の連結部材の構成を示す拡大図である。 図11の連結部材の構成を示す平面図である。 図11の連結部材の構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す側面図である。 図14の異形ブロックの反転装置の構成を示す正面図である。 本発明の第3実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の第4実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す側面図である。 図17の異形ブロックの反転装置の構成を示す正面図である。 図17の異形ブロックの反転装置の構成を示す平面図である。 本発明の第4実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の変形例を示す部分拡大平面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る異形ブロックの反転装置について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
本実施形態にかかる異形ブロックの反転装置1は、図1に示すように台船100などに設置され、台船100に設けられているクレーン101に懸架されたクランプ装置111とともに使用される。この台船100は、港湾などにおいて、海浜や防波堤Fの護岸や消波等のために設置されている異形ブロックB(以下、単にブロックと略記する場合がある。)をクランプ装置111で吊持して移設又は据え付けを行う。
図2に示すように、クレーン101は、ワイヤ巻取りリール103に巻き回されてクレーン101の先端の主ホイール104から取り出された主ワイヤ102に、クランプ装置111を接続し懸架する。ワイヤ巻取りリール103は、駆動装置106により主ワイヤ102の巻取り及び繰り出しを行う。主ワイヤ102の巻取り及び繰り出しによって、クランプ装置111の吊り下げ位置が決定され、主ワイヤ102の繰り出し量などから、クランプ装置111の深さ位置などを特定することができる。
なお、主ワイヤ102の操作は、台船100などに設けられた図示しない操作部により駆動装置106を操作することにより行う。
また、クレーンの中間部分から吊り下げられているターンホイール107に巻き回された油圧ホース109がクランプ装置111に接続されている。油圧ホース109は、ホースリール108に巻き取られており、クランプ装置111の吊り下げ位置に応じて繰り出され、油圧ユニット110の動作に応じて後述するクランプ装置111の油圧シリンダ37を作動させる。なお、本実施形態では、後述するように、クランプ装置111に3つの油圧シリンダ37が設けられており、これらを駆動させる油圧シリンダ37は一体として動作するが、それぞれの油圧シリンダを独立して動作させてもよく、油圧ユニット110は3系統として構成することもできる。
油圧ユニット110は、台船100などに設けられ、クランプ装置111の油圧シリンダ37の操作を行うことにより、後述する挟持アーム34の開閉動作を操作する。クランプ装置111の構成については後述する。
図3から図5に、本実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を示す。図3に示すように、本実施形態にかかる異形ブロックの反転装置1は、異形ブロックとしてのテトラポッド(商品名)の配置姿勢を変更させるために用いられる。すなわち、台船100上にストックされているブロックBは、平面上に載置されているため、いずれも鉛直方向に伸びる脚が上側に位置する正位の配置姿勢で置かれているが、防波堤などの据え付け時には、これを反転位又は蝶々位として積み上げる場合がある。反転装置1は、クランプ装置111が3本の挟持アーム34を開閉することで、所定の配置姿勢でブロックを把持することができるように、所望の配置姿勢にブロックBを反転させるものである。
反転装置1は、ブロックBを載置する反転台2と、反転台2の内側に設けられ水平方向に移動可能に構成された回転制御部材3と、回転制御部材3を移動させる駆動機構4とを備える。
反転台2は、反転装置の載置面である台船100の甲板に据え付けるベースユニット5と、ベースユニット5の上方に設けられる載置レールユニット6とで構成される。ベースユニット5と載置レールユニット6とは、本発明の反転台に相当する。
ベースユニット5は、長方形形状の底板7と、底板7の上面に設けられたレールユニット保持部8と油圧シリンダ取付部9を備える。左右一組のレールユニット保持部8の間には隙間が設けられており、後述するように退避領域30として機能する。当該レールユニット保持部8の間には回転制御部材3が移動可能に配置される。
レールユニット保持部8は、複数の柱部材で構成され、上端の高さが傾斜するように構成される。また、その対向面側には、水平方向に伸びる回転制御部材3を案内する案内レール10と、回転制御部材3駆動用の駆動ベルトが巻き掛けられる駆動ベルト案内ローラー11が設けられている。
案内レール10には、後述する回転制御部材3のキャスター12が嵌合されており、回転制御部材3の案内レール10に沿った移動をスムーズにする。
載置レールユニット6は、上側に載置レール13と連結脚14を備え、ベースユニット5のレールユニット保持部8の上方に揺動可能に連結されている。上記の通り、ベースユニットのレールユニット保持部8は上端が斜めに構成されているため、載置レール13も一端側が高くなるように傾斜して設けられる。
載置レール13は、断面円形に構成された直線状のレールであり、所定の離間距離をおいて互いに平行となるように配置されている。また、載置レール13の上面には、ブロックBとの摩擦抵抗を大きくし、ブロックBの滑りを防止するためにゴムライニングなどを施してもよい。また、載置レール13の両端には、落下防止部材16が設けられている。
載置レール13の下端に固定された連結脚14は、各レールユニット保持部8に揺動可能にヒンジ結合され、他端側に油圧シリンダ15が連結されている。油圧シリンダ15は、底板7の上面に位置する油圧シリンダ取付部9と連結しており、油圧シリンダ15の伸縮に伴い、図4に示すように連結脚14の傾斜角度を変化させることができる。これにより、連結脚14の傾斜角度に応じて載置レール13の離間距離が変化する。
油圧シリンダ15は、左右1組の載置レールユニット6にそれぞれ2つずつ接続された4つの油圧シリンダ15の伸縮量はいずれも同期しており、左右の載置レールユニット6は、装置の中心線に対して常に対称となるように同じ角度で揺動する。
回転制御部材3は、反転台2のベースユニット5の間に形成された退避領域30内に配置されており、案内レール10により案内されて水平方向に移動可能である。回転制御部材3は、略直方体形状の支持本体17と、案内レール10に嵌合されるキャスター12を備える。
支持本体17は、上面が平滑に構成され、上面18にブロックの脚が載置された状態で、ブロックBを支持する。上面18は、図3で示す左側が低くなるように傾斜面として構成されており、また、曲面を持って前面19に連続する。支持本体17の上面18と前面19によってブロックを支持する支持面を構成する。
支持本体17の上面18は、載置レール13の上面とほぼ同じ高さとなるように構成され、後述するように、左右の載置レール13と回転制御部材3の上面18とでブロックBの3つの脚を下持ちし、ブロックBを正位に配置することができるようになっている(図3から図5参照)。
また、キャスター12は支持本体17の前後左右の4箇所に設けられており、上記のように案内レール10に案内されて載置レール13のほぼ全長にわたって水平方向に移動可能に構成されている。回転制御部材3は、後述するように回転制御部材に支持されているブロックBの脚が、載置レール13と略同じ高さとなる支持位置と、載置レール13よりも低くなる退避位置の間で移動する。
回転制御部材3には、駆動機構として、駆動ベルト案内ローラー11に巻き掛けられている駆動ベルト20が接続されている。駆動ベルト20は、ベースユニット5に設けられた駆動ベルト案内ローラー11に巻き回される。駆動ベルト案内ローラー11の一方は、駆動モータ21に接続された駆動軸22と一体的に、駆動モータ21の動力により駆動ベルト20が駆動して回転制御部材3を移動させる。
本実施形態にかかる反転装置1は異形ブロックBの反転を行うにあたり、次のようにして使用する。図6は、ブロックを正位で支持する状態を示す模式図であり、(a)は側面側から見た図、(b)は正面側から見た図を示す。
以下、ブロックBの3次元空間内での位置を明確にするために、図6において、ブロックの鉛直方向に伸びる脚(第1の脚)をL1とし、正位において着床する三本の脚のうち、載置レール13に交差する方向に伸びる脚(第2の脚)をL2、載置レール13に沿った方向に伸びる脚(第3の脚)をL3として説明を進める。また、以下の説明において、平面上で安定し台船100上で保管されている配置姿勢である正位が第1姿勢に、反転位及び蝶々位が第2姿勢にそれぞれ相当する。
異形ブロックBは、中心から放射状に4本の脚が伸びる形状をしたテトラポッド(商品名)であり、正位で台船100に載置されている。クランプ装置111は、台船100から正位のブロックBを吊り上げる。
ブロックBは、第2の脚L2を載置レール13に配置した状態で、第3の脚L3が載置レール13の間に収まるように旋回方向が決定され、2本の第2の脚L2が載置レール13に、第3の脚L3が回転制御部材に支持されるように正位に載置される。
なお、載置レール13は、ブロックBのサイズに応じて離間距離が事前に調整されており、クランプ装置111の挟持アーム34が挿入できるように、第2の脚L2の根本部分から所定の間隔が形成されている。
ブロックBが載置された後、駆動モータ21を動作させて回転制御部材3を矢印121に示すように載置位置P1側に移動させる。この回転制御部材3のスライドに伴い、支持本体17による第3の脚L3の支持位置P2が、第3の脚L3の根本側へ移動する。これに伴い、ブロックBは、重力により第3の脚L3が下側になるように載置レール13上を図示左側へ転動する。
なお、ブロックBが転動する過程において、ブロックBの重心移動すなわち、載置レール13上と回転制御部材3への反力の大きさと向きが変化するため、ブロックBが載置レール上で滑りにより先走りする可能性がある、これを防止するため、載置レール13は、図示左側が高くなるように傾斜しており、滑りに対する抵抗を設けている。なお、この滑りを防止する手段として、上述したように載置レール13の上面にゴムライニングなどを施してもよい。
ブロックBの回転に伴い、支持本体17の上面18と前面の19が曲面に連続するため、支持本体17による第3の脚L3を支持する支持位置P2は、上面18から前面の19側へスムーズに移行する。
回転制御部材3が載置位置P1よりも図示右側に移動すると、図7に示すように、ブロックBが、反転位の状態にまで反転する。この状態では、第3の脚L3が支持本体17の前面の19で支持され、上記のように載置レール13の上面とブロックBの滑りが防止されていることから、反転装置1上でブロックBが反転位のまま安定した姿勢で維持されている。
図7に示す状態から、さらに回転制御部材3が図示右側に移動すると、重力によりブロックBが転動し、図8に示す蝶々位となる。この状態では、第3の脚及び第1の脚が載置レール13の下側の退避領域30でバランスが取れており、ブロックBが第2の脚L2により載置レール13で吊り下げられた状態となり、回転制御部材3による支持がなくても安定した姿勢となっている。
なお、反転装置1上に載置されているブロックBは、その姿勢のままクランプ装置111により吊持可能である。クランプ装置111によるブロックBの吊持は、載置レール13とブロックBの間にクランプ装置111の挟持アーム34を挿入した後、挟持アームを閉じてブロックの根本部分を掴持した後、クランプ装置111を上昇させることで行われる。
図9は、クランプ装置111の構成を示す模式図である。クランプ装置111は、クレーンに連結される連結部材32と連結部材に対して、鉛直軸周りに旋回可能に連結された支持胴体33と、当該支持胴体33の外周部に沿って設けられ吊持しようとするブロックBを狭持するための3本の挟持アーム34とを備えている。なお、クランプ装置の連結部材32は本発明の連結部に、支持胴体33は本発明の本体部にそれぞれ相当する。
挟持アーム34は、支持胴体33の外周部に沿って、120度間隔で配設したブラケット35に枢軸36を介して、枢着することにより枢軸より下側部分が互いに開閉する方向に回動自在に支持されている。
また、支持胴体33の上方に位置するシリンダ取り付け部38に設けられるブラケット38aには、それぞれ油圧シリンダ37が設けられており、これらの油圧シリンダ37のシリンダロッドが挟持アーム34の上端に枢着されている。シリンダ取り付け部38には、それぞれの油圧シリンダ37用のアキュムレータ(図示なし)などが内蔵されている。
支持胴体33は、天面部42と天面部42の周囲に設けられ下方へ伸びる側壁41から構成された下方が開口したキャップ部40を有している。当該キャップ部40の側壁41の外面には、挟持アーム34を取り付けるブラケット35が設けられている。
側壁41は、環状に設けられており、当該側壁で囲まれた領域がブロックBの頭脚部Hを挿入する収納空間43として機能する。収納空間43には、図9に示すように、正位のブロックBの上向きに伸びる脚の頭脚部Hが挿入されることで、挟持アーム34が閉じてブロックBの脚付け根部分Rに到達し、当該付け根部分が把持される。このように支持した場合、ブロックBが傾いた場合にも、頭脚部Hの先端が側壁41に引っかかり、ブロックBが落下しにくくなっている。
なお、当該クランプ装置111により挟持可能な範囲のブロックBの大きさにより、挟持アーム34の長さ寸法、キャップ部40の径寸法及び側壁41の長さ寸法を決定することができる。また、側壁41の長さ寸法は、特に限定されるものではなく、ブロックBの大きさに応じて、収納空間43にブロックBの頭脚部H、すなわち、脚部の先端部分だけではなく、脚部が深く収納されるように構成されていてもよい。
なお、クランプ装置111は、図10に示すように、収納空間43に頭脚部Hが挿入されない状態、すなわち、ブロックBの脚部が下方向に向く反転位のブロックBを把持する場合も、側壁41の下端により、ブロックの根本部分Rが側壁41の下端に接近してブロックBの姿勢を維持することができ、挟持アームの先端側をブロックBの脚付け根部分Rに到達させ、安定して把持することが可能である。図10に示すように、異形ブロックの頭脚部Hが収納空間43に挿入されない場合、ブロックBの根本部分がキャップ部40の側壁41下端に近づくように配置されるため、ブロックBをつり上げた場合にブロックBが傾いたとしても、側壁41の下端に接触してブロックの傾きが制限される。
クランプ装置111は、ブロックBが正位の場合は、頭脚部Hを収納空間に挿入することで、反転位及び蝶々位の場合は、ブロックの根本部分Rが側壁41の下端に接近するようにブロックを把持することで、ブロックBの落下を防止しつつ把持することができる。このため、反転装置1上にあらゆる姿勢で配置されたブロックを把持し、ブロックの据え付けを容易にすることができる。
また、キャップ部40の天面部42には、収納空間43内を撮像するカメラ装置44が設けられている。カメラ装置44により撮像された画像は、ケーブルで台船100などに設けられている表示装置に表示され、ブロックBとクランプ装置111との方向及び位置などの確認に用いられる。
クランプ装置111は、支持胴体33及び挟持アーム34の傾斜角度を任意に変更可能に吊り下げられており、連結部材32に当該クランプ装置111の傾斜角度変更及び旋回機能を備えている。
図11は、クランプ装置の連結部材の構成を示す拡大図である。図11において、傾斜軸及び旋回軸を明確にするために図中に三次元座標軸を定義し、以下、連結部材による傾斜角度及び旋回角度の方向をこの座標軸に沿って説明する。
連結部材32は、クレーン101の主ワイヤ102に連結される吊金具50と、吊金具50に接続される継ぎ手51と、継ぎ手51に連結されるスイベル装置52とを備える。吊金具50は、上側部分に主ワイヤ102と連結する環状部を備え、Y軸方向に伸びるボルト53により継ぎ手51の上側に連結される。これにより、図13の矢印123に示すように、吊金具50はY軸周りに回転可能である。
継ぎ手51は、図12及び13に示すように、下側が開放したコの字型形状であり、上辺が吊金具50と連結されている。継ぎ手51の上面には、吊金具50と連結するためのリブ54がX方向に沿って設けられ、リブ54を挟むようにして吊金具50が連結される。
スイベル装置52は、継ぎ手51の脚部55にX軸方向に沿った連結軸56で固定されており、図11の矢印122に示すように、継ぎ手51に対してX軸周りに回転可能となっている。
また、スイベル装置52は、支持胴体33の上端に位置する支持軸33aをZ軸周りに旋回可能に支持する。スイベル装置52は、中央にZ軸方向に伸びる貫通孔57を備えており、当該貫通孔57に支持軸33aを挿入可能となっている。また、貫通孔57の内壁には連結突部58が設けられており、支持軸33aをZ軸周りに旋回可能に支持する。支持軸33aとスイベル装置52との間には、ベアリング59が介在されており、支持軸33aの旋回をスムーズにしている。
また、支持軸33aを回転させるための動力源として、旋回モータ60がスイベル装置52に設けられている。旋回モータ60の回転軸には駆動ギア60aが設けられ、支持軸33aと駆動ギア60aに巻き掛けられた駆動ベルト60bによって、旋回モータ60の駆動により支持軸33aが旋回する。
上記構成の本実施形態にかかる異形ブロックの反転装置1を使用して、ブロックBを所定の場所に据え付け又は移設する場合は、例えば、次のような工程により行われる。
台船100に設けられているクレーン101の主ワイヤ102にクランプ装置111を吊り下げる。このとき、クランプ装置の傾斜角度を変更するために独立して操作可能な複数のワイヤを用いてもよく、主ワイヤ102を連結部材32に連結し、副ワイヤ(図示無し)を少なくとも1つの挟持アーム34の副ワイヤ連結部34aに連結するようにしてもよい。この状態で副ワイヤの繰り出し量を操作することでクランプ装置111の傾斜角度調整を行うことができる。
クランプ装置により、台船100の保管位置に載置されている正位のブロックBを吊り下げ、反転装置1上に載置する。なお、台船100上のブロックBは正位となっているため、据え付け時の配置姿勢が正位である場合は、反転装置1で反転させる必要がないため吊り下げ後、据え付けを行えばよい。
なお、正位のブロックBをクランプ装置で把持するには、当該ブロックの脚部が収納空間43に収まるようにクランプ装置111を移動する。このとき、それぞれの挟持アーム34の先端がブロックBの脚の間となるように、必要に応じてスイベル装置52を操作して、支持胴体33を旋回させる。挟持アーム34が把持位置となるようにクランプ装置111を配置した後、油圧シリンダ37を操作して挟持アーム34を閉じ、ブロックBを狭持する。
反転装置1に載置されたブロックを上記の反転動作により、据え付け時の配置姿勢である反転位又は蝶々位に反転させる。その後、クランプ装置111により、反転装置1上に載置されている反転後のブロックBを反転後の姿勢のまま吊り下げる。反転位又は蝶々位にあるブロックBを挟持するには、上記の通り、側壁41の下端がブロックの脚の付け根部分Rに突き当たるようにし、その状態で挟持アーム34を操作する。なお、このとき、必要に応じて支持胴体33を旋回させる。
その後、クレーン101を操作して、ブロックBを吊り下げたクランプ装置111を据え付け場所まで移動する。その後、クランプ装置111のスイベル装置52を操作して据え付けの方向となるようにクランプ装置111を旋回させる。その後、主ワイヤ102を繰り出して、クランプ装置111を降下させ、ブロックBの据え付け場所にブロックを設置する。
(第2実施形態)
第2実施形態にかかる異形ブロックの反転装置は、図3に示す第1実施形態と同様に台船100などに設置され、台船100に設けられているクレーン101に懸架されたクランプ装置111とともに使用される。
本実施形態にかかる異形ブロックの反転装置61は、主たる構成が第1実施形態の反転装置と同様であるが、載置レール63の形状及び載置レール63の離間距離の調整機構において異なる。以下、本実施形態の反転装置の構成については、異なる点を中心に説明する。
図14は、本発明の第2実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す側面図である。図15は、本発明の第2実施形態にかかる反転装置の構成を示す正面図である。
反転装置61は、ブロックBを載置する反転台62と、反転台62の内部に設けられ水平方向に移動可能に構成された回転制御部材3と、回転制御部材3を移動させる駆動機構64とを備える。
反転台62は、底板7の上面にそれぞれ左右一組に設けられた制御部案内ユニット65と載置レールユニット66とで構成される。左右一組の制御部案内ユニット65の間には退避領域30が設けられており、後述するように、回転制御部材3が移動可能に配置される。
制御部案内ユニット65には、レールユニット保持部8が設けられ、その対向面側には、水平方向に伸びる回転制御部材3を案内する案内レール10と駆動ベルト案内ローラー11が設けられている。
案内レール10には、回転制御部材3のキャスター12が嵌合されており、回転制御部材3を案内レール10に沿って水平方向に移動可能に保持する。
載置レールユニット66は、制御部案内ユニット65の外側に設けられ、底板7の上面にスライド可能に配置された支持脚67と、支持脚67の上側に設けられた載置レール63とを備える。支持脚67は、図15において矢印124に示すように、左右方向にスライド可能に構成されて互いに離接可能であり、その位置を調整することで載置レール63の離間距離を調整する。
載置レール63は、断面円形に構成されたレールであり、図14に示すようにくの字型に構成されており、中間部分に屈曲部68を備えている。
回転制御部材3は、制御部案内ユニット65の間に形成された退避領域30内に設けられており、案内レール10により案内されて水平方向に移動可能に配置される。回転制御部材3は、略直方体形状の支持本体17と、案内レール10に嵌合されるキャスター12を備える。
回転制御部材3には、駆動機構64として、駆動ベルト案内ローラー11に巻き掛けられている駆動ベルト20が接続されている。駆動ベルト20は、制御部案内ユニット65に設けられた駆動ベルト案内ローラー11に巻回される。駆動ベルト案内ローラー11の一方は、駆動モータ21に接続された駆動軸22と一体的に、駆動モータ21の動力により駆動ベルト20が駆動して回転制御部材3を移動させる。
また、回転制御部材3の支持本体17の上面18及び前面19は、中央部分に凹溝を有し、断面円形の脚を支持しやすくなっている。
本実施形態にかかる反転装置61は、ブロックBを載置する載置レール63が屈曲して構成されているため、クランプ装置111からのブロックの載置時や回転制御部材3の動作によるブロックの自重反転の際に、ブロックの第2脚L2の載置レール63上での載置位置が屈曲部68となり、ブロックの反転に伴う移動幅を少なくすることができる。このため、載置レールのブロック載置面は、第1実施形態の反転装置にくらべてブロックが反転時にすべるように構成されていてもよく、摩擦を確保するためのゴムライニングなどを設けなくてもよい。
本実施形態にかかる反転装置は、ブロックBの載置レール上での載置位置の変化が小さいため、ブロックBの載置時の回転制御部材3の位置合わせや、反転動作時のブロックの滑りなどの問題がなく、安定した反転動作を行うことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態にかかる異形ブロックの反転装置は、図3に示す第1実施形態と同様に台船100などに設置され、台船100に設けられているクレーン101に懸架されたクランプ装置111とともに使用される。
本実施形態にかかる異形ブロックの反転装置71は、主たる構成が第1実施形態の反転装置と同様であるが、載置レール72の形状及び回転制御部材74の構造において異なる。以下、本実施形態の反転装置の構成については、異なる点を中心に説明する。
図16は、本発明の第3実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す側面図である。反転装置71は、ブロックBを載置する反転台73と、反転台73の内部に設けられ水平方向に移動可能に構成された回転制御部材74と、回転制御部材74を移動させる駆動機構4とを備える。
反転台73は、底板7と底板7の上面にそれぞれ左右一組に設けられた載置レールユニット66とを備えている。
底板7の載置レールユニット66の内側には、制御部案内ユニット65が設けられる。制御部案内ユニット65の対向面側には、水平方向に伸びる回転制御部材74を案内する案内レール10と駆動ベルト案内ローラー11が設けられている。案内レール10には、回転制御部材74のキャスター12が嵌合されている。左右一組の制御部案内ユニット65及び載置レールユニット66の間には退避領域が設けられており、第1実施形態と同様に、回転制御部材74が移動可能に配置される。
載置レールユニット66は、底板7の上面に配置された支持脚67と、支持脚67の上側に設けられた載置レール72とを備える。支持脚67は、第2実施形態と同様に左右方向にスライド可能であり、その位置を調整することで載置レール72の離間距離を調整する。
載置レール72は、断面円形に構成されたレールであり、図16に示すように、中間部分に屈曲部68が設けられるように屈曲して構成されている。
回転制御部材74は、キャスター12を備えた本体部75と、本体部に対し回転制御部材74の移動方向に対し直行する回転軸まわりに回転可能に設けられた円筒形の支持ドラム76を備える。支持ドラム76は、周面77がブロックBの第3の脚L3を支持する支持面として機能する。また、駆動機構4による回転制御部材74の水平移動に伴い反転するブロックの動作に伴い回転可能であり、回転制御部材74の移動及びブロックの反転をスムーズにすることができる。
本実施形態にかかる反転装置71は、ブロックBを載置する載置レール72が屈曲して構成されているため、ブロックの反転に伴う移動幅を少なくすることができる。また、支持ドラム76が、回転制御部材74の移動によるブロックの反転に伴い回転するため、反転時のブロックの支持部位の摩擦抵抗を軽減することができ、回転制御部材74の移動がスムーズになる。また、摩擦によるブロックの損傷を防止する上で効果的に機能する。
(第4実施形態)
第4実施形態にかかる異形ブロックの反転装置は、図3に示す第1実施形態と同様に台船100などに設置され、台船100に設けられているクレーン101に懸架されたクランプ装置111とともに使用される。
本実施形態にかかる異形ブロックの反転装置81は、主たる構成が第3実施形態の反転装置71と同様であるが、反転台の構造において異なる。以下、本実施形態の反転装置の構成については、異なる点を中心に説明する。
図17は、本発明の第4実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す側面図である。図18は、本発明の第4実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す正面図である。図19は、本発明の第4実施形態にかかる異形ブロックの反転装置の構成を模式的に示す平面図である。
反転装置81は、ブロックBを載置する反転台82と、反転台82の内部に設けられ水平方向に移動可能に構成された回転制御部材74と、回転制御部材74を移動させる駆動機構4とを備える。
反転台82は、底板7と底板7の上面にそれぞれ左右一組に設けられた載置ローラーユニット83とを備えている。
底板7の載置ローラーユニット83の内側には、制御部案内ユニット65が設けられる。制御部案内ユニット65の対向面側には、水平方向に伸びる回転制御部材74を案内する案内レール10と駆動ベルト案内ローラー11が設けられている。案内レール10には、回転制御部材74のキャスター12が嵌合されている。左右一組の制御部案内ユニット65及び載置ローラーユニット83の間には退避領域が設けられており、第1実施形態と同様に、回転制御部材74が移動可能に配置される。
載置ローラーユニット83は、底板7の上面に配置された支持脚67と、支持脚67の上側に設けられた載置ローラー84とを備える。支持脚67は、第2実施形態と同様に左右方向にスライド可能であり、その位置を調整することで載置ローラー84の離間距離を調整する。
左右それぞれの載置ローラーユニット83の支持脚67には、その対向方向に沿った回転軸85まわりに回転可能な載置ローラー84がそれぞれ2つずつ設けられている。
載置ローラー84は、前後方向に所定の間隔をおいて設けられた円板状のローラーであり、当該2つの間にブロックの第2の脚L2を載置して支持する。なお、載置ローラー84の形状は円盤状に限定されるものではなく、ボール状のローラーを使用することもできる。
回転制御部材74は、キャスター12を備えた本体部75と、本体部に対し回転制御部材74の移動方向に対し直行する回転軸まわりに回転可能に設けられた円筒形の支持ドラム76を備える。支持ドラム76は、周面77がブロックBの第3の脚L3を支持する支持面として機能する。また、駆動機構4による回転制御部材74の水平移動に伴い反転するブロックの動作に伴い回転可能であり、回転制御部材74の移動及びブロックの反転をスムーズにすることができる。
本実施形態にかかる反転装置81は、ブロックBの第2の脚L2を支持する載置ローラーユニット83が回転自在の載置ローラー84を備え、当該載置ローラー84がブロックBの反転に伴って回転することができるため、ブロックの反転に伴うブロックの先走りを防止することができる。また、載置ローラー84が回転することで、ブロックBに対する摩擦が少なくブロック表面を傷つけにくい。
なお、本実施形態において、回転制御部材74が水平方向に移動することで、載置ローラーユニット83に対し離接するように構成されているが、両者は相対的に移動できればよく、載置ローラーユニット83が回転制御部材74に対して移動できるように構成されていてもよい。
図20は、第4実施形態に係る反転装置81の変形例に係る反転装置の構成を示す部分拡大平面図である。変形例に係る反転装置91は、反転台82上に設けられている載置ローラーユニット92の構成が第4実施形態に係る反転装置81と異なる。
載置ローラーユニット92は、ブロックBの第2の脚L2を支持する前後一対の載置ローラー94a,94bの回転軸が、異なる角度となるように構成されており、斜めに伸びるブロックBの第2の脚L2に対して支持しやすく構成されている。なお、図20においては、載置ローラーユニット92は、1つのみを図示しているが、左右対称に構成された一対が設けられている。
載置ローラーユニット92は、支持脚67の上面にそれぞれの載置ローラー94a,94bを支持するスライドテーブル93a,93bを備えており、スライドテーブル93a,93bにそれぞれ載置ローラー94a,94bの支持軸95a,95bが設けられている。
スライドテーブル93a,93bは、駆動機構96a,96bを介して設けられており、支持脚67に対して1方向又は2方向にスライド可能に設けられている。
前側の駆動機構96aは、ブロックBに対して離接する方向にスライドテーブル93aを移動させることができるように構成されている。結果として、スライドテーブル93aに設けられている前側の載置ローラー94aは、矢印125に示す方向に移動する。
後側の駆動機構96bは、ブロックBに対して離接する方向及び前側の載置ローラ94aに対して離接する方向の2方向にスライドテーブル93bを移動させることができるように構成されている。結果として、スライドテーブル93bに設けられている後側の載置ローラー94bは、矢印125及び矢印126に示す2方向に移動する。
前後の載置ローラー94a,94bが、矢印125に示すように、ブロックBに対して離接する方向に移動することにより、ブロックBのサイズに応じて左右一対の載置ローラーユニット92間の離間距離を変更することができる。
また、後側の載置ローラー94bが、矢印126に示すように、前側の載置ローラー94aに対して離接する方向に移動することにより、前後の載置ローラー94a,94b間の離間距離を変更することができ、ブロックBのサイズに伴う、第2の脚L2の径寸法に適した位置に載置ローラー94a,94bを配置することができる。
また、上記のように、載置ローラー94aは、ブロックの第2の脚L2の傾き角度に応じて、回転制御部材74の移動方向に対して、所定の角度をもって設けられている。これにより、正位から反転位、蝶々位へのブロックの反転時において、載置ローラー94aによるブロックの支持をより確実にすることができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる異形ブロックの反転装置によれば、離間して配置された載置レールや載置ローラーなどを備える載置部と、載置部の間に設けられた回転制御部材にブロックBを正位状態で配置し、回転制御部材を載置部に対し相対的に退避させることで、ブロックBを自重により反転させることができる。このため、ブロックの反転に必要なエネルギーが少なくてすみ、また、平面上では安定しないような配置姿勢にも安定した状態で姿勢を保つことができる。
したがって、正位の状態で配置されているブロックをクランプ装置111で反転装置1に載置し、反転装置1により反転位又は蝶々位に反転させて、クランプ装置111で挟持するため、種々の配置姿勢のブロックをクランプ装置で吊り下げることができる。これにより、クランプ装置によるブロックの据え付けに必要な配置姿勢での吊り下げが可能となるため、ブロックの据え付けが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。反転するブロックとしては、テトラポッド(商品名)を用いているが、例えば、他の形状のブロックであっても、2本の載置レールと、載置レールの中間に位置する回転制御部材でブロックの重量を分散支持することができ、回転制御部材が移動することで自重で反転可能な形状のものであれば、広く適用可能である。
また、例えば、上記各実施形態においては、回転制御部材は水平方向に直進移動するように構成されているが、例えば、載置レール又は載置ローラーと同じ程度の高さの支持位置から下方向に向けて直進移動や回転移動により退避位置に移動するように構成されていてもよい。
さらに、反転台に設けられた載置部の形状は、載置レール又は載置ローラーに限定されず、例えば、第4実施形態の載置ローラーユニットの載置ローラー84に類似する形状を有し、前後方向に所定の距離を置いて配置された円盤状又はボール状の突状部を備えた載置部とし、当該突状部の間にブロックを支持させるように構成することも可能である。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
1,61,71,81 反転装置
2,62,73,82 反転台
3,74 回転制御部材
4,64 駆動機構
5 ベースユニット
6,66 載置レールユニット
7 底板
8 レールユニット保持部
9 油圧シリンダ取付部
10 案内レール
11 駆動ベルト案内ローラー
12 キャスター
13,63、72 載置レール
14 連結脚
15 油圧シリンダ
16 落下防止部材
17 支持本体
18 支持本体上面
19 支持本体前面
20 駆動ベルト
21 駆動モータ
22 駆動軸
30 退避領域
32 連結部材
33 支持胴体
33a 支持軸
34 挟持アーム
35 ブラケット
36 枢軸
37 油圧シリンダ
38 シリンダ取り付け部
38a ブラケット
40 キャップ部
41 側壁
42 天面部
43 収納空間
44 カメラ装置
50 吊金具
51 継ぎ手
52 スイベル装置
53 ボルト
54 リブ
55 脚部
56 連結軸
57 貫通孔
58 連結突部
59 ベアリング
60 旋回モータ
60a 駆動ギア
60b 駆動ベルト
65 制御部案内ユニット
67 支持脚
68 屈曲部
75 本体部
76 支持ドラム
77 支持ドラム周面
83,92 載置ローラーユニット
84,94a,94b 載置ローラー
85 回転軸
93a,93b スライドテーブル
95a,95b 支持軸
96a,96b 駆動機構
100 台船
101 クレーン
102 主ワイヤ
103 ワイヤ巻取りリール
106 駆動装置
107 ターンホイール
108 ホースリール
109 油圧ホース
110 油圧ユニット
111 クランプ装置
B ブロック
L1 第1の脚
L2 第2の脚
L3 第3の脚
P1 載置位置
P2 支持位置

Claims (12)

  1. 第1姿勢又は前記第1姿勢から転動した第2姿勢で設置場所に据え付けられる異形ブロックを前記第1姿勢から前記第2姿勢に反転させる反転装置であって、
    前記異形ブロックを載置可能で、前記異形ブロックを支持可能な一対の載置部を有し、当該載置部の間に前記異形ブロックが部分的に収納可能な退避領域が形成される反転台と、
    前記退避領域に設けられ前記載置部の間に位置する前記異形ブロックの一部分を支持可能な支持面を有する回転制御部材と、
    前記載置部と前記回転制御部材との相対的な位置関係が、前記支持面の異形ブロック支持部位が前記載置部と略同じ高さに位置し当該異形ブロックを前記第1姿勢で支持可能な支持位置と、前記支持部位が載置部より低位に位置し前記一部分が前記退避領域に収納された前記第2姿勢で当該異形ブロックを支持可能な退避位置との間の任意の位置となるように、前記位置関係を変移させる駆動機構と、
    を備える、異形ブロックの反転装置。
  2. 前記異形ブロックは、中心から放射方向に3本の着床脚が伸びた形状を有しており、
    前記載置部は、前記2本の着床脚を載置可能で、前記回転制御部材は前記載置部の間に位置する他の着床脚を支持する、請求項1に記載の異形ブロックの反転装置。
  3. 前記一対の載置部は、所定の離間距離をおいて互いに平行に配置された載置レールを備え、前記離間距離を変更可能に構成されている、請求項1に記載の異形ブロックの反転装置。
  4. 前記載置レールは、傾斜して設けられている、請求項3に記載の異形ブロックの反転装置。
  5. 前記載置レールは、前記異形ブロックが載置される部分が低くなるように屈曲して構成されている、請求項3に記載の異形ブロックの反転装置。
  6. 前記一対の載置部は、所定の離間距離をおいて互いに平行に配置され、対向方向に沿った回転軸を有する載置ローラーを備えている、請求項1に記載の異形ブロックの反転装置。
  7. 前記載置ローラーは、前記回転制御部材の移動方向に沿って前後一対に設けられている、請求項6に記載の異形ブロックの反転装置。
  8. 前記前後一対の載置ローラーは、少なくとも1つが、前記回転制御部材の移動方向に対して傾いた回転軸まわりに回動するように構成されている、請求項7に記載の異形ブロックの反転装置。
  9. 前記回転制御部材は、前記異形ブロックが載置部に載置される位置に対して前後両方向に水平移動可能に構成され、
    前記支持面が、載置部と略同じ高さに配置された上面と前記上面から円弧状に屈曲して連続する前面で構成されている、請求項1に記載の異形ブロックの反転装置。
  10. 前記上面は、前記前面に向かうにつれて低くなるように傾斜している、請求項9に記載の異形ブロックの反転装置。
  11. 前記回転制御部材は、前記異形ブロックが載置部に載置される位置に対して前後両方向に水平移動可能に構成され、
    前記回転制御部材は、前記載置部の対向方向に沿った回転軸を中心に回動可能な支持ローラーを備える、請求項1に記載の異形ブロックの反転装置。
  12. 請求項1から11に記載の異形ブロックの反転装置と、クレーンから吊り下げられた連結部と前記連結部に対して鉛直軸周りに旋回可能に設けられ開閉可能な挟持爪を有する本体部とを備えるクランプ装置とを用いて前記異形ブロックを据え付ける異形ブロックの据え付け方法であって、
    前記クランプ装置により、保管位置に載置されている前記異形ブロックを前記異形ブロックの反転装置上に載置し、
    前記異形ブロックの反転装置により、前記異形ブロックを据え付け時の配置姿勢となるように反転させ、
    前記クランプ装置により、前記異形ブロックの反転装置上に載置されている反転後の前記異形ブロックを挟持して吊り下げ、
    前記クランプ装置の連結部と本体部とを旋回させ、前記異形ブロックを据え付け時の配置方向となるように旋回させ、
    前記クランプ装置を降下させて、前記異形ブロックを据え付け位置に設置する、
    各工程を備える、異形ブロックの据え付け方法。


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