JP6124389B2 - 悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデル及びその利用 - Google Patents

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本明細書は、悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデル及びその利用に関する。
従来、抗がん剤のスクリーニング方法としては、既存のがん細胞株を培養し、その増殖を抑制する化合物を探索することが行われてきている(非特許文献1)。さらに、特定のがん活性化分子を標的とするスクリーニングも行われてきている。
一方、抗がん剤分野における臨床開発の成功率は約5%に留まっているのが現状である(非特許文献2、3)。
Nature Reviews Clinical Oncology 8, 200-209(April, 2011) Nature Reviews Drug Discovery 10, 87(February, 2011) Nature Reviews Drug Discovery 3, 711-716(August, 2004)
通常、株化されたがん細胞は、in vivo(インビボ)の臨床環境に由来してはいるものの、in vitro(インビトロ)の環境で選択された一部の細胞に過ぎず、この細胞株を培養しても実際の臨床病態のごく一面のみを具現化したものが得られるに過ぎない。すなわち、この種のスクリーニング系は、実際のがんの複雑性を再現できているわけではない。したがって、こうしたスクリーニング系では、効果的な抗がん剤を見出すことが困難である。
また、動物モデルを用いることで有効な薬剤のスクリーニングが期待される一方、煩雑さやコストの問題もあり、効率的なスクリーニングが困難である。さらに、例えば、リンパ腫のように多数の分子変異が蓄積して発症するがんの場合には、特定の分子を標的にスクリーニングを行ってもその有効性は限定的である。
そこで、本明細書は、悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルを提供する。また、本明細書は、当該モデルを用いたスクリーニング方法等の当該モデルの利用を提供する。
本発明者らは、ヒトの臨床検体から得られた悪性リンパ腫の腫瘍細胞を免疫不全マウスに移植することにより、マウス内でヒト由来リンパ腫腫瘍細胞をヒトにおける臨床病態を模倣した状態で維持できるという知見を得た。通常、動物内で増殖した悪性リンパ腫の腫瘍細胞などの株化されていない腫瘍細胞は、インビトロで培養できない。本発明者らは、こうした悪性リンパ腫の腫瘍細胞のインビトロ培養系の確立について検討したところ、細網線維芽細胞(Fibroblastic Reticular Cells:FRC)を共存させることで、この種の腫瘍細胞でもインビトロ培養系を確立できるという知見を得た。さらに、本発明者らは、こうしたインビトロ培養系を用いることで悪性リンパ腫の腫瘍細胞に作用する薬剤などを効率的にスクリーニングできるという知見を得た。本明細書によれば、これらの知見に基づき以下の手段が提供される。
本明細書によれば、悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルが提供される。このモデルは、細網線維芽細胞と悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを含む混合物とすることができる。
前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞は、株化された悪性リンパ腫の腫瘍細胞、悪性リンパ腫に罹患した動物由来の株化されていない悪性リンパ腫の腫瘍細胞であってもよい。前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞は、悪性リンパ腫に罹患したヒト由来の株化されていない悪性リンパ腫の腫瘍細胞であってもよい。また、前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞は、悪性リンパ腫に罹患した特定のヒト個体から採取された株化されていない悪性リンパ腫の腫瘍細胞であってもよい。
前記細網線維芽細胞は、株化された細胞であってもよく、マウス由来の細網線維芽細胞であってもよい。さらに、前記細網線維芽細胞は株化された細網線維芽細胞であり、前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞は悪性リンパ腫に罹患したヒト由来の株化されていない悪性リンパ腫の腫瘍細胞であってもよい。
本明細書によれば、悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルのための培養剤が提供される。この培養剤は、動物から採取された悪性リンパ腫の腫瘍細胞を前記腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物に移植して前記非ヒト動物内で培養し、前記非ヒト動物から分離して得られる悪性リンパ腫の腫瘍細胞を含むことができる。
本明細書によれば、悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルの製造方法が提供される。この方法は、細網線維芽細胞と悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを混合する工程、を備えることができる。
さらに、前記混合工程後に、前記細網線維芽細胞と前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを共培養する工程を備えていてもよい。また、さらに、前記混合工程に先立って、前記細網線維芽細胞を培養する工程を備え、前記混合工程は、予め培養された前記細網線維芽細胞と前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを混合する工程であってもよい。
さらに、前記混合工程に先立って、前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物内で培養する工程と、前記非ヒト動物内から前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞を分離する工程と、を備え、前記混合工程は、前記細網線維芽細胞と前記非ヒト動物内から分離した前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを混合する工程であってもよい。
さらに、前記混合工程に先立って、前記細網線維芽細胞を培養する工程と、前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物内で培養する工程と、前記非ヒト動物内から前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞を分離する工程と、を備え、前記混合工程は、予め培養された前記細網線維芽細胞と前記非ヒト動物内から分離した前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを混合する工程であってもよい。
前記細網線維芽細胞は株化された細網線維芽細胞であってもよい。
本明細書によれば、悪性リンパ腫の腫瘍細胞のインビトロ培養系の製造方法が提供される。この方法は、細網線維芽細胞と悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを混合する工程と、前記混合工程後に、前記細網線維芽細胞と前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを共培養する工程と、を備えることができる。
本明細書によれば、インビトロ培養系に適した悪性リンパ腫の腫瘍細胞の製造方法が提供される。この方法は、動物から採取された悪性リンパ腫の腫瘍細胞を準備する工程と、前記腫瘍細胞を前記腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物に移植して前記非ヒト動物内で培養する工程と、を備えることができる。
本明細書によれば、細網線維芽細胞を含む、悪性リンパ腫の腫瘍細胞をインビトロで培養するための培養剤が提供される。
本明細書によれば、悪性リンパ腫の腫瘍細胞をインビトロで培養するための培養剤のスクリーニング方法が提供される。このスクリーニング方法は、1又は2以上の細網線維芽細胞を被験細胞とし、当該被験細胞と悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを混合し培養する工程と、前記工程で得られた培養物と前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞の増殖抑制剤とを接触させる工程と、前記増殖抑制剤と接触後の前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞の細胞活性を評価する工程と、を備えることができる。
本明細書によれば、悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対する作用剤のスクリーニング方法が提供される。このスクリーニング方法は、前記悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルと1又は2以上の被験化合物とを接触させる工程と、前記インビトロ腫瘍細胞モデルに対する前記1又は2以上の被験化合物の作用を評価する工程と、を備えることができる。
前記作用は、前記1又は2以上の被験化合物の前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞の対する増殖抑制、増殖促進及び耐性から選択されるいずれかとすることができる。前記悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルの前記細網線維芽細胞に前記1又は2以上の被験化合物を接触させる工程と、前記細網線維芽細胞に対する前記1又は2以上の被験化合物の作用を評価する工程と、
を、さらに備えることもできる。前記細網線維芽細胞に対する前記1又は2以上の被験化合物の作用と前記インビトロ腫瘍細胞モデルに対する作用とに基づいて前記1又は2以上の被験化合物を評価する工程を、さらに備えることもできる。
本明細書によれば、悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対する化合物の作用の評価方法が提供される。この評価方法は、前記悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルと1又は2以上の被験化合物とを接触させる工程と、前記インビトロ腫瘍細胞モデルに対する前記1又は2以上の被験化合物の作用を評価する工程と、を備えることができる。
前記悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルの前記細網線維芽細胞に前記1又は2以上の被験化合物を接触させる工程と、前記細網線維芽細胞に対する前記1又は2以上の被験化合物の作用を評価する工程と、を、さらに備えることもできる。
FACSによるキメリズム解析結果を示す図である。 リンパ腫マウスモデルから採取した脾臓についての免疫染色結果を示す図である。 シクロホスファミド1水和物を投与したリンパ種モデルマウスの脾臓重量及びその免疫染色結果を示す図である。 DLBCL患者由来の細胞(ONO)を移植したNOGマウスから採取した脾臓のEVG染色、アザン染色、渡辺鍍銀染色を行った結果を示す図である。 DLBCL患者由来の細胞(ONO)を移植したNOGマウスから採取した脾臓の細網線維芽細胞(Rat-FR-TR7)及びヒト由来細胞の染色結果を示す図である。 試験管内でのヒト由来リンパ腫細胞と細網線維芽細胞との微小環境を示す図である。 BLS4との共培養を介してヒト由来リンパ腫細胞にCPAに対する抵抗性が付与されたことを示す図である。 ヒト由来リンパ腫細胞を、BLS4とともに培養すると、その増殖活性は継続的に維持されることを示す図である。 臨床検体から採取したリンパ腫細胞は、BLS4の併存下においては細胞死が減少することを示す図である。 BLS4と臨床検体由来のTKリンパ腫細胞との共培養による2613化合物のスクリーニング結果を示す図である。 2613種の化合物のうち、BLS4細胞の処理群/コントロール(T/C)が上位10位で、かつTKリンパ腫細胞の処理群/コントロール(T/C)が2.0の以上の化合物の表を示す図である。 Pyruvinium Pamoateの濃度とリンパ腫TK細胞の細胞死との関係を示す図である。
本明細書は、悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルとその利用に関する。本明細書に開示される悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルによれば、動物内における悪性リンパ腫の腫瘍細胞の微小環境に類似した環境をインビトロに供給することができる。このため、動物等を利用せずにインビボでも有効なスクリーニングや評価等などのための利用が可能となる。さらに、インビトロでのモデルであるため、操作の煩雑さやコストを低減できる。さらに、悪性リンパ腫の腫瘍細胞と細網線維芽細胞とを含むため、悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対して高い特異性で作用する作用剤を選択することが可能となる。
本明細書によれば、上記した悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルのほか、当該モデルのための培養剤、当該モデルの製造方法、悪性リンパ腫の腫瘍細胞のインビトロ培養系の製造方法、悪性リンパ腫の腫瘍細胞を培養するための培養剤及びそのスクリーニング方法、悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対する作用剤のスクリーニング方法、悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対する化合物の作用の評価方法等が提供される。以下、これらの実施形態について詳細に説明する。
(悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデル)
本明細書に開示される悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルは、細網線維芽細胞と悪性リンパ腫の腫瘍細胞(以下、単に腫瘍細胞という。)とを含むことができる。
細網線維芽細胞とは、動物のリンパ節の間葉系ストローマ細胞であり、線維芽細胞状の形態を示し、リンパ節組織を支持するネットワーク構造を形成すると考えられている。典型的には、ER−TR7抗原を提示する。細網線維芽細胞は、株化された細胞であってもよいし、動物のリンパ節から採取しただけの株化されていない細胞であってもよいが、好ましくは株化された細胞である。細網線維芽細胞は、マウスなどの実験動物やヒトのリンパ節から採取できるほか、必要に応じて株化されたものを入手あるいは取得できる。例えば、BLS4、BLS12等が挙げられる。また、当業者であれば、J Exp Med. 2004 Sep 20;200(6):783-95の記載(BLS4の樹立に関する)に基づいて、必要に応じて細網線維芽細胞株を樹立し、また適宜後述するスクリーニング方法により選択して用いることができる。また、本モデルに用いる細網線維芽細胞は、後述するスクリーニング方法により、腫瘍細胞と組み合わせてモデルを構築するのに好適な細胞を、ヒトやマウスなどに由来する細網線維芽細胞から取得することもできる。
腫瘍細胞は、悪性リンパ腫の腫瘍細胞である。悪性リンパ腫は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫とかあるが、非ホジキンリンパ腫には、濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、小細胞性リンパ腫及び形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫。リンパ芽球性リンパ腫などのB細胞性リンパ腫、菌状息肉腫、末梢T細胞リンパ腫、血管免疫芽球型リンパ腫、鼻型NK/T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫及び成人T細胞白血病リンパ腫などのT細胞性又はNK細胞性リンパ腫が挙げられる。なかでも、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が挙げられる。
腫瘍細胞は、株化されていてもよいし、株化されていなくてもよい。悪性リンパ腫に罹患したヒトまたは非ヒト動物のリンパ節等から採取された株化されてないものであってもよい。また、特定の個体に適した薬剤のスクリーニング等を用途とする場合には、当該個体から採取された腫瘍細胞とすることが好ましい場合もある。株化された腫瘍細胞は、マウスやヒトなど各種動物由来で商業的に入手が可能であり、株化されていない腫瘍細胞は、悪性リンパ腫の腫瘍細胞は悪性リンパ腫に罹患した臨床検体から採取可能である。
さらに、腫瘍細胞としては、ヒトなどの動物のリンパ節等から採取された悪性リンパ腫の腫瘍細胞をこの腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物に移植して非ヒト動物内で培養し、非ヒト動物から分離して得られる悪性リンパ腫の腫瘍細胞であってもよい。こうした腫瘍細胞は、非ヒト動物内で増殖されており、取り扱いが容易であるほか、インビトロ培養系の構築に好適であることがわかっている。
腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物とは、人工的にあるいは本来的な免疫不全非ヒト動物である。免疫不全非ヒト動物は、商業的に入手が可能であるほか、マウス実験の基礎知識(小出 剛著、オーム社発行、(2009/03) ISBN-10: 4274502171)等に基づいて取得可能である。典型的には、免疫不全非ヒト動物としては、マウス等が挙げられる。好ましくはマウスである。また、ヒト由来の腫瘍細胞を培養するのに適したものとしては、Cellular & Molecular Immunology (2012) 9, 208-214; doi:10.1038/cmi.2012.2; published online 13 February 2012に開示されるNOG、NOD、NSGマウスが好適である。また、Blood November 1, 2002 vol. 100 no. 9 3175-3182に開示されるNOGマウスも好適である。この種腫瘍細胞の取得については後段で詳述する。
細網線維芽細胞と腫瘍細胞とは、同種細胞に由来していてもよいし、異種細胞に由来していてもよい。また、他家細胞に由来していてもよいし、自家細胞に由来していてもよい。例えば、マウス由来の細網線維芽細胞とヒト由来の腫瘍細胞との組み合わせであってもよいし、いずれもヒトであってもよい。薬剤等のスクリーニングなどの用途を考慮すると、腫瘍細胞はヒトあるいは家畜あるいはペットなどの非ヒト動物由来であることが好ましい。家畜としては、ウシ、ヒツジ、ウマ、ニワトリ、ブタ等が挙げられる。ペットとしては、イヌ、ネコ、サル、ウサギ等が挙げられる。
このモデルは、これらの細胞を含んでいる限り、その形態を特に限定されない。例えば、これらの細胞の混合物であってもよいし、共培養物であってもよい。混合物自体であっても、スクリーニングなどの用途に供するのに適した状態の腫瘍細胞を維持できるし、混合された直後から実質的にこれらの細胞間の相互作用が生じるためである。共培養物であれば、通常、よりこれらの細胞間の相互作用が強固された状態が得られている。なお、混合物と共培養物とは必ずしも明確に区別できないが、通常、これらの細胞の間に細胞外マトリックス繊維等によるネットワーク構造を有している。
本モデルにおける細網線維芽細胞と腫瘍細胞の分布状態も特に限定されない。細網線維芽細胞と腫瘍細胞とがほぼ均等に分散している形態であってもよい。また、例えば、腫瘍細胞が細網線維芽細胞マトリックスに分散されている状態など、一方の細胞が他方の細胞を主体とするマトリックスに分散されている状態であってもよい。さらに細網線維芽細胞を主体とする足場に腫瘍細胞が保持されている形態であってもよい。さらに、細網線維芽細胞を主体とする3次元ネットワークに腫瘍細胞が保持されている形態であってもよい。この構造は、動物のリンパ節等で観察される細網ネットワークに類似したネットワーク構造体である。
このモデルは、培養容器等の容器内に収容された形態を採ることもできるし、それ自体3次元形状を有していてもよい。細網線維芽細胞は接着性細胞であり、培養容器の内表面に応じた形態を取りうるからである。こうした3次元形状を有する細網線維芽細胞に腫瘍細胞を混合し、あるいはこうした細網線維芽細胞を足場として腫瘍細胞を培養すること等により任意の3次元形状を有するモデルを得ることができる。
このモデルは、細網線維芽細胞と腫瘍細胞とのみから構成されていてもよいが、必要に応じ、これらの細胞を維持しあるいは増殖に適した状態を維持するための他の成分を含むことができる。例えば、細胞外マトリックス成分(細胞外マトリックス繊維も含む)、各種ケモカイン等が挙げられる。例えば、細胞外マトリックス成分としては、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、フィブリノーゲン 、プロテオグリカン 、ポリ-L- オルニチン、ポリ-D-リジン、ビトロネクチン、ニドジェン、テネイシン、トロンボスポンジン等が挙げられ、ケモカインとしては、G−CSF、IL−3、IL6、SCF、TPO、CXCL13、IL16、IP−10、MCP1、MIG、MIP−1a、IL1a、IL1b、IL1ra、RANTES、TIMP1、TREM1等が挙げられる。
また、モデルには、動物細胞の細胞培養に用いられる公知の培地又は当該培地を構成する1又は2以上の成分をさらに含んでいてもよい。また、このモデルは、動物細胞の細胞培養に用いられる公知の培地添加剤又は当該培地添加剤に含まれる1又は2以上の成分を含んでいてもよい。例えば、TIMP−1、KC、M−CSF、MCP−1等が挙げられる。
(悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルのための培養剤)
本明細書によれば、悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルのための培養剤が提供される。この培養剤は、動物から採取された悪性リンパ腫の腫瘍細胞を前記腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物に移植して前記非ヒト動物内で培養し、前記非ヒト動物から分離して得られる悪性リンパ腫の腫瘍細胞を含むことができる。
(悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルの製造)
本明細書に開示される悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルの製造方法は、細網線維芽細胞と腫瘍細胞とを混合する工程を備えることができる。本製造方法によれば、インビトロでも、簡易な方法で動物内における腫瘍細胞を含む微小環境を模倣した培養系を構築できる。
混合工程における細網線維芽細胞と腫瘍細胞との混合方法は特に限定しない。細網線維芽細胞と腫瘍細胞とを単に混合してもよいし、予め細網線維芽細胞を培養しておき、この細胞集団に対して腫瘍細胞を混合してもよい。腫瘍細胞も予め培養しておいてもよい。好ましくは、予め細網線維芽細胞を培養しておき、それに対して腫瘍細胞を添加する。こうすることで、両者の相互作用によってより好ましいインビトロ培養系を構築できると考えられる。
混合工程に供される腫瘍細胞は、その腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物内で培養し、非ヒト動物内から分離した腫瘍細胞としてもよい。すなわち、混合工程に先立って、腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物内で培養する工程と、非ヒト動物内から前記悪性リンパ腫の腫瘍細胞を分離する工程と、を備えていてもよい。腫瘍細胞は、免疫的に許容される非ヒト動物内で培養し、継代が可能であるため、こうした非ヒト動物内で培養した腫瘍細胞は、株化されていない、ヒト臨床検体を含む動物個体から採取された腫瘍細胞であっても、有効な増殖活性を有しており、インビトロ培養系の構築に適している。
非ヒト動物に移植するための腫瘍細胞は、悪性リンパ腫に罹患した動物から悪性リンパ腫の腫瘍細胞を採取して準備する。動物個体から腫瘍細胞の採取は、常法に従い当業者であれば実施できる。また、腫瘍細胞は、マウスなどの免疫不全非ヒト動物の腹腔内に移植して増殖させることが好ましい。非ヒト動物内において腫瘍細胞を培養するには、こうした非ヒト動物を通常の飼育条件下で飼育することで通常実現できる。非ヒト動物内で所定期間腫瘍細胞を培養後、当該動物の腹腔内の腫瘍、そのほか腫瘍細胞が蓄積される脾臓やリンパ節などの組織や器官を採取し、常法に従い単セル化して用いる。必要に応じて凍結保存し、その後用いることもできる。
なお、こうした非ヒト動物内培養腫瘍細胞を混合工程に供する場合、本製造方法は、細網線維芽細胞を培養する工程を伴い、予め培養された細網線維芽細胞とこの腫瘍細胞とを混合することが好ましい。
本製造方法は、さらに、混合工程後に、細網線維芽細胞と悪性リンパ腫の腫瘍細胞とを共培養する工程を備えることができる。混合工程後に、インビトロ培養系として用途に供するに先立って、適宜これらの細胞を共培養する工程を備えることが好ましい。こうすることで、両者の相互作用がより強まってより動物内での腫瘍細胞を含む微小環境を模倣できる。
細網線維芽細胞、腫瘍細胞のそれぞれの培養、及びこれらの共培養については、それぞれに適した培地、温度等の培養条件は、動物の細胞培養(特に線維芽細胞及び腫瘍細胞)に関する公知技術に基づき当業者であれば適宜設定することができる。例えば、これらの共培養にあたっては、37℃、5% CO2の条件のほか、低酸素培養(<5%O2)培養、低栄養(Glucose Free)培養等も適宜採用できる。
なお、本製造方法は、同時に、腫瘍細胞のインビトロ培養系の製造方法でもある。腫瘍細胞モデルは、それ自体、腫瘍細胞のインビトロ培養系でもあるからである。
(インビトロ培養系に適した腫瘍細胞の製造)
本明細書の開示される、インビトロ培養系に適した悪性リンパ腫の腫瘍細胞の製造方法は、動物から採取された悪性リンパ腫の腫瘍細胞を準備する工程と、腫瘍細胞を当該腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物に移植して前記非ヒト動物内で培養する工程と、を備えることができる。本製造方法によれば、インビトロでも増殖活性に優れる腫瘍細胞を効率的に準備できる。また、こうして得られる非ヒト動物内で培養された腫瘍細胞は、インビトロ培養系や腫瘍細胞モデルの構築に適しておりそれ自体有用である。本製造方法における、腫瘍細胞の準備、非ヒト動物への移植、培養については、既に説明したインビトロ腫瘍細胞モデルの製造における各種実施態様を適用できる。
(腫瘍細胞をインビトロで培養するための培養剤)
本明細書に開示される、腫瘍細胞をインビトロで培養するための培養剤は、細網線維芽細胞を含むことができる。腫瘍細胞の培養に細網線維芽細胞を用いることで、腫瘍細胞を含む動物内の微小環境をより近似した状態をインビトロでも再現し、より増殖活性に優れる状態を形成できる。こうした細網線維芽細胞としては、既に悪性リンパ腫のインビトロ腫瘍細胞モデルの製造に関して説明した各種実施態様を適用できる。
(腫瘍細胞をインビトロで培養するための培養剤のスクリーニング方法)
本明細書に開示される、腫瘍細胞をインビトロで培養するための培養剤のスクリーニング方法は、1又は2以上の細網線維芽細胞を被験細胞とし、当該被験細胞と腫瘍細胞とを混合し培養する工程と、培養工程で得られた培養物と腫瘍細胞の増殖抑制剤とを接触させる工程と、増殖抑制剤と接触後の腫瘍細胞の細胞活性を評価する工程と、を備えることができる。この方法によれば、腫瘍細胞にインビトロで培養するのに適した培養剤となる細網線維芽細胞を取得できる。また、この方法によれば、用いる腫瘍細胞に対応してより適した細網線維芽細胞を取得することができる。
被験細胞とする細網線維芽細胞は、ヒト由来であってもよいし、非ヒト動物由来であってもよい。また、用いる腫瘍細胞に対して異種であってもよいし、同種であってもよいし、他家であってもよいし自家であってもよい。また、公知の株化された細網線維芽細胞を被験細胞とすることもできる。
(腫瘍細胞に対する作用剤のスクリーニング方法)
本明細書に開示される、腫瘍細胞に対する作用剤のスクリーニング方法は、インビトロ腫瘍細胞モデルと1又は2以上の被験化合物とを接触させる工程と、インビトロ腫瘍細胞モデルに対する1又は2以上の被験化合物の作用を評価する工程と、を備えることができる。この方法によれば、従来とは異なり、より動物内での状態に近い増殖活性を有する腫瘍細胞に対して被験化合物を提供できるため、腫瘍細胞に対してより現実的な、あるいはより有効な作用剤のスクリーニングを実施できる。また、後述するように、インビトロ腫瘍細胞モデルには、腫瘍細胞でない細網線維芽細胞を含んでいるために、この細胞を比較対象とすることで、腫瘍細胞により高い特異性で有効な作用剤をスクリーニングできる。
本スクリーニング方法でスクリーニングする作用剤の作用は、1又は2以上の被験化合物の腫瘍細胞の対する作用であれば特に限定されない。目的に応じて選択することができる。例えば、作用は、腫瘍細胞の増殖抑制(細胞死を含む)、増殖促進、耐性(増殖に対する反応性がないこと)等、腫瘍細胞の増殖活性に関する作用とすることができる。作用が増殖抑制であれば、抗腫瘍細胞剤をスクリーニングできるし、作用が増殖促進であれば、抗腫瘍細胞剤のターゲット化合物をスクリーニングできる。作用が耐性であれば、その腫瘍細胞には有効でない(薬剤非適応)薬剤をスクリーニングできる。
また、本スクリーニング方法では、特定の臨床検体からその検体に応じた腫瘍細胞モデルを使用するため、当該検体により有効な作用剤をスクリーニングできる。
インビトロ腫瘍細胞モデルの細網線維芽細胞に1又は2以上の被験化合物を接触させる工程と、前記細網線維芽細胞に対する1又は2以上の被験化合物の作用を評価する工程と、を、さらに備えることもできる。細網線維芽細胞に対する被験化合物の作用も評価することで、腫瘍細胞に対する被験化合物の作用をより選択的に評価でき、被験化合物についての作用についてより確度の高い評価(スクリーニング)が可能となる。
細網線維芽細胞についても評価を行う場合、細網線維芽細胞に対する1又は2以上の被験化合物の作用とインビトロ腫瘍細胞モデルに対する作用とに基づいて1又は2以上の被験化合物を評価する工程を、さらに備えることもできる。両者に対する作用を比較することで、腫瘍細胞でない正常細胞には作用しない(安全である)一方、腫瘍細胞に選択的に作用する(有効な)化合物をスクリーニングできる。
例えば、評価にあたっては、被験化合物が添加されていない細網線維芽細胞の作用(例えば細胞死)に対する被験化合物が添加された細網線維芽細胞の作用(細胞死)と、被験化合物が添加されていない腫瘍細胞の作用(例えば細胞死)に対する被験化合物が添加された腫瘍細胞の作用(細胞死)と、を用いることができる。これらの数値の積を、例えば、評価に用いた作用に関連づけたインデックス(この場合には細胞死インデックス)として、評価に用いることができる。
本明細書によれば、悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対する化合物の作用の評価方法も同時に提供される。本スクリーニング方法は、化合物のスクリーニングのみならず、単なる評価方法にも有効であるからである。本評価方法においても、本スクリーニング方法における接触工程及び評価工程に関する各種態様をそのまま適用できる。
(悪性リンパ腫に対して有効な増殖抑制剤)
本明細書に開示される増殖抑制剤は、パモ酸ピルビニウムを有効成分とする。パモ酸ピルビニウムは、悪性リンパ腫、特にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に有効な薬剤である。この化合物は、リンパ細胞の支持細胞であり正常細胞である細網線維芽細胞には作用が弱く、かつ腫瘍細胞に作用が強い薬剤である。
以下、本発明を具現化した実施例について説明するが、以下の実施例は、本発明の具体例に過ぎず本発明を限定するものではない。
(リンパ腫マウスモデルの作製)
インフォームドコンセントを取得したリンパ腫患者から、末梢血、骨髄またはリンパ節検体を採取し、常法に従いフィコール法(GE Healthcare#17-1440-03)で単核球分離を行った。細胞をRPMI培地(シグマ#R5886)で2回洗浄し細胞数を計数した。1x106〜107 cells/bodyでNOGマウス(重度免疫不全マウス)(公益財団法人実験動物研究所)の腹腔内移植を行った。腫瘍細胞を移植する際にGVHDに備え、OKT-3(100μg/body)を腹腔内投与した。なお、2代目以降の継代に関しては行わなかった。
NOGマウスの状態が悪くなってきたら、解剖し腫瘍細胞及び脾臓を採取した。脾臓、腫瘍は40μmのCell Strainer(BD#1083411)を通してシングルセルにし、1mLのPBSに懸濁した。なお、赤血球を除去するためにErythrocyte Lysis Buffer (Qiagen #79217 )を脾臓細胞に5倍量加え、ボルテックス後に氷上で10〜15分静置しボルテックスし遠心し、PBSに懸濁した。細胞は新たなNOGマウスに移植して継代し、リンパ腫マウスモデルを作製した。なお、腫瘍細胞は、遠心し上清を捨て、細胞をセルバンカーI(十慈フィールド)に1x107cells/mL以下になるように懸濁し−80℃で凍結した。なお、凍結後24時間以降に液体窒素に保存した。
(抗がん剤評価 −リンパ腫マウスモデルによる薬効評価−)
(1)キメリズム解析
リンパ腫マウスモデルの腹腔内から採取し、シングルセル化し、赤血球を除去した脾臓細胞及び腫瘍細胞をそれぞれPBSに5x105/100μLに調整した。マウスCD45(biolegend、 mouseCD45-PerCP #103130、ヒトCD45 (BD、 humanCD45-PE、 #555483)、もしくはヒトCD19(BD、humanCD19-PE、#555413)を1μL添加し30分間4℃で静置した。さらに、PBS2mLを加え300xgで10分間遠心し、上清を取除いた。細胞を、0.1μg/mLに調整したDAPI(invitrogen #D1306)溶液300μLに再懸濁し、FACSにてキメリズム解析を行った。結果を図1に示す。図1に示すように、脾臓及び腹腔内から採取した腫瘍に関しては、マウス由来細胞とヒト由来の腫瘍細胞とのキメリズムが形成されていることがわかった。
(2)免疫染色
リンパ腫マウスモデルから脾臓を採取し、自動染色装置(VENTANA BENCHMARK XTシステム)で処理し免疫染色を行った。抗体はヒトCD45 (Roche#760-4279)を使いDAB法により免疫染色を行った。結果を図2に示す。図2に示すように、腹腔内から採取した腫瘍細胞においてマウス由来細胞とヒト由来の腫瘍細胞とのキメリズムが形成されていることがわかった。
(3)DLBCL TAK 薬効試験
薬効試験には、7週から8週齢のNOGマウスに他のNOGマウス内で継代可能となったDLBCL患者由来の細胞(TAK)を1x106細胞を腹腔内に移植したリンパ腫マウスモデルを使用した。抗腫瘍剤であるシクロホスファミド1水和物(CPA、図中薬剤Aで示す。)(Sigma #C7397)をRPMI(FBSフリー)で75mg/10mLに調整し、移植後22日目から75mg/kgの用量で連日腹腔内投与を行う。29日目に脾臓を摘出し、重量測定を行った。測定後10%中性ホルマリンで固定し、免疫染色は自動染色装置(VENTANA BENCHMARK XTシステム)で処理し、抗体はヒトCD45(Roche#760-4279)を使いDAB法により免疫染色を行った。結果を図3に示す。
図3に示すように、CPAを投与したマウスにおいては、腫瘍細胞の減少が観察される一方、コントロールのマウスにおいては、腫瘍細胞の増殖が観察された。
以上のことから、実施例1で作製したリンパ腫マウスモデルにおいては、動物内においてマウス由来細胞とヒト由来腫瘍細胞とがキメリズムを形成しており、また、マウスに対して薬剤を投与することで、マウス体内においてヒト由来腫瘍細胞に対する効果を確認できることがわかった。
(病態検証 − リンパ腫微小環境解析−)
7週から8週齢のNOGマウスに他のNOGマウス内で継代可能となったDLBCL患者由来の細胞(ONO)を1x106細胞を腹腔内に移植した。移植後14日目、21日目及び28日目に解剖し脾臓を摘出した。ヒトCD20抗体(DAKO L26)で免疫染色を行い、移植後28日目の脾臓は連続切片を作製しEVG染色、アザン染色、渡辺鍍銀染色を行った。結果を図4に示す。図4上段に示すように、移植からの時間経過に伴い、マウス内でヒト由来の腫瘍細胞が増殖していることがわかった。また、図4下段に示すように、移植後28日目の染色結果からは、ヒト由来の腫瘍細胞が細網線維芽細胞とともにマトリックスを形成していることがわかった。
7週から8週齢のNOGマウスに他のNOGマウス内で継代可能となったDLBCL患者由来の細胞(ONO)を1x106細胞を腹腔内に移植する。移植後5週目に解剖し脾臓を摘出し、未固定のまま凍結する。凍結ブロックを10μmに薄切し、4% paraformaldehuyde で10分間室温にて固定する。PBSで2回洗浄後にPBSに薄めた0.1%triton溶液で10分間室温で静置しPermeabilizeを行う。PBSで洗浄後に20分間風乾する。PBSで薄めたHorce Serumで60分間室温でブロッキングを行う。1%BSAの入ったPBSでRat-FR-TR7 を50倍希釈、mouse-CD20を300倍希釈し、4℃でオーバーナイトで反応させる。PBSで3回洗浄後に1%BSA PBSで500倍に希釈したMouse-488、Rat-649で60分間反応させる。PBSで2回洗浄後に1μg/mLの Hochest 33342で3分間核染色を行いPBSで1回洗浄する。封入剤(Diagnostic Biosystem#K024)で封入後に撮像を行う。なお、ヒト由来細胞は、抗ヒトCD−20抗体で染色した。結果を図5に示す。
図5に示すように、マウスの細網線維芽細胞がヒト由来の腫瘍細胞の周囲にネットワーク状に配置されており、マウス内においてヒト由来腫瘍細胞が、マウス細網線維芽細胞とともに微小環境を形成していることがわかった。
培養は37℃、5%CO2の条件で行った。Day0にBLS4細胞をRPMI(10%FBS)(シグマ#R5886)を用いて3x104cells/mLの濃度に調整し、250μLのBLS4細胞を8well Chamber Slideに播種した。Day1に培地を捨てRPMI(10%FBS)に懸濁したヒト由来リンパ腫細胞SU-DHL4を1x105 cells/mLで250μL共培養する。コントロールウエルは培地を捨て250μLのRPMI(10%FBS)培地を入れた。Day7にLyse/Fix buffer (BD#558049)で固定し、PBSで薄めた0.1%Tritonで10分間室温で静置しPermeabilizeを行う。PBSで洗浄後に20分間風乾する。PBSで薄めた1%BSAで60分間室温でブロッキングを行った。1%BSAの入ったPBSでRat-ER-TR7(Abcam #51824) を50倍希釈、4℃でオーバーナイトで反応させた。PBSで3回洗浄後に1%BSA PBSで500倍に希釈したAnti-RatIgG-Alexa488(Invitrogen #A11006)で60分間反応させた。PBSで2回洗浄後に1μg/mLの Hochest 33342(Invitrogen #H3570)で3分間核染色を行いPBSで1回洗浄した。結果を図6に示す。
図6に示すように、インビトロにおいても、マウス生体内において確認されたように、ヒト由来腫瘍細胞の周囲にマウスの細網線維芽細胞がネットワークを形成していることがわかた。
SU-DHL6細胞にレンチウイルスでGFP-Luciferase発現ベクターをトランスフェクションし、FACS AriaでGFP発現細胞のソーティングを行った。Day0に10%FBSの入ったRPMI培地 (10%FBS)(シグマ#R5886)で3x104cells/mLに調整したBLS4を100μLずつ96well プレートに播種した。Day1に培養上清を捨て、Luciferase発現SU-DHL6細胞株を10%FBSの入ったRPMI培地(シグマ#R5886)で1x105 cells/mLの濃度に調整し100μLずつ播種した。共培養を開始して8時間後に抗腫瘍剤であるシクロホスファミド(CPA)を最終濃度3mg/mL、最終容量150μLになるように添加した。培養は37℃、5%CO2で行った。Day4にLuciferin(Promega #P1041)を150μg/mLになるように加え1分間攪拌したあと、5分間室温で静置し、プレートリーダーでLuciferaseの発光を測定しSU-DHL6の生細胞を求めた。結果を図7に示す。
図7に示すように、BLS4と共培養したヒト由来リンパ腫細胞は、CPAに対して高い抵抗性を示し、その増殖活性が高まっていることがわかった。この結果から、リンパ腫細胞をBLS4などの細網線維芽細胞と併存させることにより、リンパ腫細胞の増殖活性が高まることがわかった。
Day0にRPMI培地 (10%FBS)(シグマ#R5886)で3x104cells/mLに調整したBLS4を10mLずつ10cmプレートに播種した。Day1に液体窒素に保存していたシングルセル化したリンパ腫検体移植NOGマウスモデルから採取した腹腔内腫瘍細胞を37℃で融解し、RPMI培地(10%FBS)(シグマ#R5886)で洗浄後生細胞数のカウントを行い1x106cells/mLに調整した。調整したリンパ腫細胞を前日に播種しておいたBLS4と共培養した。またリンパ腫細胞のみの培養も10%FBS RPMI培地(シグマ#R5886)で行った。
なお、腹腔内腫瘍細胞は、インフォームドコンセントを取得したリンパ腫患者(TK)から、末梢血、骨髄検体を採取し単核球分離を行ったあと、NOGマウスの腹腔内に移植し脾臓から継代可能となった腫瘍細胞を摘出し、シングルセルにしたあと、セルバンカーI(十慈フィールド)に懸濁し−80℃、もしくは液体窒素に保存しておいたものを用いた。

全ての培養は37℃、5%CO2の条件で行った。経時的にTrypan Blueで生細胞のカウントを行った。3〜4日毎にBLS4の継代を行い、リンパ腫細胞は全量継代した。結果を図8に示す。
図8に示すように、ヒト由来リンパ腫細胞を、BLS4とともに培養すると、その増殖活性は継続的に維持されることがわかった。
インフォームドコンセントを取得したリンパ腫患者(びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(TK、ONO)、血管内リンパ腫(ICHI)、濾胞性リンパ腫(NAG)、マントルセルリンパ腫(MIY))から、末梢血、骨髄検体を採取し単核球分離を行ったあと、NOGマウスの腹腔内に移植し継代可能となった腫瘍細胞を摘出し、シングルセルにしたあと、セルバンカーI(十慈フィールド)に懸濁し−80℃、もしくは液体窒素に保存しておいた。37℃、5%CO2で培養し複数回継代したBLS4細胞を、Day0に10%のFBSが入ったRPMI培地(シグマ#R5886)中に3x104 cells/mLの濃度に調整し100μLずつ96well プレートに播種した。Day1に、保存していたリンパ腫検体をRPMI培地(10%FBS)で1x106cells/mLに調整した。BLS4のプレートへの生着を確認した後、培地を捨て1x106cells/mLに調整したリンパ腫細胞を100μL加え、BLS4とリンパ腫細胞の共培養を行った。またコントロールとしてリンパ腫検体を10%FBSの入ったRPMI培地でのみの培養を行った。Day4に死細胞の染色を行うために、0.6μg/mLに調整したDAPI(invitrogen #D1306)を20μLずつ共培養プレートに添加し軽く揺すった後、300xg、4℃で10分間遠心した。Thermo社のArrayScan VTI HCS Readerを使い、5XNA0.25レンズで各wellにつき9視野の撮像を行い、DAPI陽性の死細胞のカウントを行った。結果を図9に示す。
図9に示すように、特定の臨床検体から採取したリンパ腫細胞は、いずれもBLS4の併存下においては細胞死が減少していることがわかった。この結果から、BLS4併存下においては、インビトロにおけるリンパ腫細胞の耐性が向上していることがわかった。
創薬オープンイノベーションライブラリーより提供を受けたPrestwick Chemical LibraryとLOPAC Chemical Libraryの2613化合物について共培養スクリーニングを行った。共培養スクリーニングの方法は以下のとおりとした。
インフォームドコンセントを取得したリンパ腫患者(TK)から、末梢血、骨髄検体を採取し単核球分離を行ったあと、NOGマウスの腹腔内に移植し継代可能となった腫瘍細胞を摘出し、シングルセルにしたあとセルバンカーI(十慈フィールド)に懸濁し−80℃もしくは液体窒素に保存した。37℃、5%CO2で複数回継代したBLS4細胞をDay0に10%のFBSが入ったRPMI培地(シグマ#R5886)中に3x104 cells/mLの濃度に調整し100μLずつ96wellプレートに播種した。Day1に保存していたリンパ腫検体TKをRPMI培地(10%FBS)で1x106cells/mLに調整した。BLS4のプレートへの生着を確認した後、培地を捨て1x106cells/mLに調整したTK細胞を100μL加え、BLS4とTKの共培養を行った。またBLS4のみのプレートも同様に培地を捨て、新たに100μLのRPMI培地(10%FBS)を加えた。
Day2に最終濃度を2μMになるように化合物ライブラリーを4μLずつ、BLS4とTK細胞の共培養プレート、BLS4のみの培養プレートにそれぞれ添加した。細胞培養は37℃、5%COで行った。Day5に死細胞の染色を行うために、0.6μg/mLに調整したDAPI(invitrogen #D1306)を20μLずつ共培養プレートに添加し軽く揺すった後、300xg、4℃で10分間遠心した。Thermo社のArrayScan VTI HCS Readerを使い、5XNA0.25レンズで各welIにつき9視野の撮像を行い、DAPI陽性の死細胞のカウントを行った。またBLS4のみの培養プレートにはCell Counting Kit-8 (同仁化学研究所、#347-07621)を10μLずつ添加し、2時間後に吸光度測定を行い、化合物のBLS4への影響を調べた。結果を図10に示す。
図10は、X軸はBLS4のMTTアッセイの結果を処理群/コントロール(T/C)で示し、Y軸はリンパ腫細胞TKの死細胞のカウント結果を処理群/コントロール(T/C)で示した。第1象限には、にはBLS4への影響が少なく、リンパ腫TK細胞への殺細胞効果のある化合物がプロットされている。
図10に示すように、BLS4の細胞死を抑制する一方リンパ腫細胞の細胞死を促進できる化合物が見出された。
共培養スクリーニングの結果の定量化のために、BLS4のMTTアッセイの結果、(処理群/コントロール(T/C))とリンパ腫細胞TKの死細胞のカウント結果(処理群/コントロール(T/C))の積を細胞死インデックス(CDI)として求めた。2613化合物の内BLS4細胞の処理群/コントロール(T/C)が上位10位で、かつTKリンパ腫細胞の処理群/コントロール(T/C)が2.0の以上のものを、図11に示す。
図10及び図11に示すように、今回の2613化合物のスクリーニングによりCDIの一番高かった化合物がPyruvinium Pamoateであった。
Day0に10%のFBSが入ったRPMI培地(シグマ#R5886)中に3x104cells/mLの濃度に調整し100μLずつ96wellプレートに播種した。Day0に保存していたリンパ腫検体TKをRPMI培地(10%FBS)で1x106cells/mLに調整した。BLS4のプレートへの生着を確認した後、培地を捨て1x106cells/mLに調整したTK細胞を100μL加え、BLS4とTKの共培養を行った。またBLS4のみのプレートも同様に培地を捨て、新たに100μLのRPMI培地(10%FBS)を加えた。Day2に容量を振ったPyruvinium Pamoate(Sigma P0027)を添加した。Day5に死細胞の染色を行うために、0.6μg/mLに調整したDAPI(invitrogen #D1306)を20μLずつ共培養プレートに添加し軽く揺すった後、300xg、4℃で10分間遠心した。Thermo社のArrayScan VTI HCS Readerを使い、5XNA0.25レンズで各welにつき9視野の撮像を行い、DAPI陽性lの死細胞のカウントを行った。結果を図12に示す。
図12に示すように、Pyruvinium Pamoateは容量依存的にリンパ腫TK細胞に殺細胞効果を示した。
以上、本発明の実施形態および実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

Claims (8)

  1. 悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対する作用剤のスクリーニング方法であって、
    悪性リンパ腫に罹患した動物由来の悪性リンパ腫の株化されていない腫瘍細胞を、その腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物内で培養する工程と、
    前記非ヒト動物内から分離した前記株化されていない腫瘍細胞と細網線維芽細胞とを混合し共培養して悪性リンパ腫の株化されていないインビトロ腫瘍細胞モデルを作製する工程と、
    前記株化されていないインビトロ腫瘍細胞モデルに1又は2以上の被検化合物を接触させる工程と
    前記株化されていないインビトロ腫瘍細胞モデルに対する前記1又は2以上の被検化合物の作用を評価する工程と、
    を備える、方法。
  2. 前記細網線維芽細胞は、株化された細網線維芽細胞である、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、前記株化されていないインビトロ腫瘍細胞モデルの作製工程に先立って、前記細網線維芽細胞を培養する工程を備え、前記作製工程は、予め培養された前記細網線維芽細胞を用いる工程である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記作用は、前記1又は2以上の被検化合物の前記株化されていない腫瘍細胞に対する増殖抑制、増殖促進及び耐性から選択されるいずれかである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記細網線維芽細胞と前記1又は2以上の被検化合物を接触させる工程と、
    前記細網線維芽細胞に対する前記1又は2以上の被検化合物の作用を評価する工程と、
    をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記細網線維芽細胞に対する前記1又は2以上の被検化合物の作用と、前記インビトロ腫瘍細胞モデルに対する前記1又は2以上の被検化合物の作用と、に基づいて前記1又は2以上の被検化合物を評価する工程を、さらに備える、請求項5に記載の方法。
  7. 悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対する作用剤のスクリーニングのための悪性リンパ腫の株化されていないインビトロ腫瘍細胞モデルの製造方法であって、
    悪性リンパ腫に罹患した動物由来の悪性リンパ腫の株化されていない腫瘍細胞を、その腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物内で培養する工程と、
    前記非ヒト動物内から分離した前記株化されていない腫瘍細胞と細網線維芽細胞とを混合し共培養して悪性リンパ腫の株化されていないインビトロ腫瘍細胞モデルを作製する工程と、
    を備える、方法。
  8. 次の(1)及び(2)を共培養して得られる、悪性リンパ腫の腫瘍細胞に対する作用剤のスクリーニングのためのインビトロ腫瘍細胞モデル。
    (1)細網線維芽細胞
    (2)悪性リンパ腫に罹患した動物由来の悪性リンパ腫の株化されていない腫瘍細胞を、当該腫瘍細胞が免疫的に許容される非ヒト動物内で培養され分離して得られる腫瘍細胞
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