JP6122397B2 - 光導波路素子およびその作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光集積回路に用いられる光導波路素子およびその作製方法に関する。
光集積回路の小型化を実現するには、損失を小さくかつ曲げ半径を小さくすることが重要である。曲げ半径を小さくするための導波路として、例えばハイメサ構造のものが知られている(非特許文献1)。この構造を図6に示す。
図6は、従来のハイメサ構造の導波路を備える光導波路素子100を示す図である。図6において、光導波路素子100は、SI(Semi Insulating)−InP基板101上に、下部クラッド層102、コア層103、上部クラッド層104の順に積層されている。各クラッド層102,104はInP、コア層103はInGaAsPで形成されている。
光導波路素子100では、導波路の両側が、コア層103よりも深くエッチングされており、基板面内方向の光閉じ込めは、下部クラッド層102、コア層103および上部クラッド層104を構成する媒質と、空気との屈折率差により実現される。
導波路幅Wは、1.0μm〜3.0μm程度がシングルモード条件となるため、1.0μm〜3.0μm程度とするのが一般的である。
上述したハイメサ構造の導波路では、一般に、固定ジグ上にレンズなどとともにチップを集積したり実装したりするため、劈開により導波路端面を露出させてチップにて光学測定を行うことが知られている。
一般に、InP系化合物半導体の導波路の端面を露出するために劈開が行われる。これは、InPが劈開面と呼ばれる原子間結合の弱い結晶面を有しており、この結晶面に対して応力を加えて劈開すると分子レベル平滑な端面が得られるからである。このことから、多くのInP系光部品では劈開面が光入出用の端面に用いられている。
InPに代表される閃亜鉛結晶構造を持った化合物半導体基板では、オリエンテーションフラットを基準にした角度が0度、45度または90度の面が劈開面になることが広く知られている。
しかしながら、劈開に伴って、破片や異物がコア層の壁面に付着することがあり得ることから、状況次第では光の散乱損失が増加することもあり得るし、集積や実装時に、導波路への接触等によりハイメサ構造が破壊することも考えられる。そのために従来のハイメサ構造は、絶縁性のポリマーで保護されるように構成されている(非特許文献2)。
図7は、従来の導波路の構成を示す図であって、(a)は非印加領域R1の導波路が絶縁性のポリマーで覆われる場合の導波路の断面、(b)は(a)に示したものよりも、ポリマーで覆われる部分が小さく設定された導波路の断面、(c)は印加領域R2の導波路が絶縁性のポリマーで覆われる場合の導波路の断面、(d)は光集積回路としての半導体マッハ・ツェンダ変調器を上方からみた図、を示している。
図7(a)に示す光導波路素子200では、SI−InP基板201を備えており、その基板201上に基板面から順に、n型下部クラッド層(n−InP)202、ノンドープの多重量子井戸(i−MQW)コア層203、上部クラッド層204を成長させた層構造となっている。
上部クラッド層204は、ノンドープのInP(i−InP)層であってもいいし、i−InP層の上にp−InP層を積層したものでもよい。あるいは、上部クラッド層204は、i−InP層の上にn−InP層を積層して形成してもよいし、i−InP層の上に薄いp−InP層を積層し、さらにその上にn−InP層を積層して形成するようにしても構わない。
図7(a)において、ポリマー205は、電圧が印加されて光を伝搬する導波路のハイメサ構造を保護するために、ハイメサ構造の両側に埋め込んで形成されている。ハイメサ構造は、フォトリソグラフィによる微細加工技術により形成される。
図7(a)の光導波路素子200では、ポリマー205は、上部クラッド層204の全体を覆うように形成されている。これとは別に、図7(b)の光導波路素子200Aでは、ポリマーがハイメサ構造を保護するために形成される態様として、光を伝搬する導波路の左右だけをポリマー205Aで覆うようになっている。このようにしてもポリマーによるハイメサ構造を保護するという効果を得ることができる。
なお、図7(b)において、ポリマー205A以外の各層201〜204の構成は、図7(a)に示したものと同様である。
図7(c)の光導波路素子300では、図7(a)および図7(b)に示したものと同様に、光導波路素子300は、SI−InP基板301を備えており、その基板301上に基板面から順に、n型下部クラッド層(n−InP)302、ノンドープの多重量子井戸(i−MQW)コア層303、上部クラッド層304を成長させた層構造となっている。
一方、図7(a)および図7(b)に示したものと異なり、図7(c)に示した光導波路素子300の導波路には電圧が印加される。図7(c)では、導波路の直上には、ポリマー307が除去され、電極306が設けられている。接地電極303a,303bは下部クラッド層302上に設けられる。図7(c)に示した導波路も、ポリマー307によって保護される。
図7(d)の変調器400は、入力導波路401、出力導波路402、1入力2出力の分波器403、2入力1出力の合波器404、導波路405,406、および電極407〜411を備える。この変調器400は、2つの非印加領域(パッシブ領域)R1と印加領域(アクティブ領域)R2とを備える。なお、各導波路401,402,404,405は、図7(a)に示した導波路200、または図7(b)に示した導波路200Aと同様の構成である。
導波路405,406には、電圧が印加されるように構成されており、各導波路405,406上には、それぞれ、信号電極407,408と接地電極(グランド電極)409,410とが設けられている。なお、導波路405,406の構成は、図7(c)に示した導波路300と同様である。
なお、光集積回路の構成によっては、波長フィルタやアレイ導波路格子等、すべてがパッシブ領域からなるものも存在する。また、光集積回路の光入射端または光出射端には、劈開後、反射防止膜が設けられる。
Y. Shibata et al.,"Reflection characteristics and cascadability of a multi-mode interference 3 dB coupler", Optoelectronics IEE Proceedings, Vol. 149, No. 5-6, Oct-Dec 2002, pp. 217-221. N. Kikuchi et al., "80-Gb/s low-driving-voltage InP DQPSK modulator with an n-p-i-n Structure", IEEE Photonics Technology letters, Vol. 21, No. 12, June 2009, pp. 787-789.
従来のハイメサ構造の導波路では、ポリマーなどでハイメサ構造を埋め込むことにより、コア層壁面への異物の付着による光学特性の劣化やハイメサ構造の破壊を抑制するようにしている。しかしながら、導波路を保護するためのポリマーの一種であるBCB(ベンゾシクロブテン)はInPと同じ結晶面を持たないため、劈開で端面を揃えることが難しい。
また、BCBの場合、ハイメサ構造の導波路の両脇の溝において、BCBと半導体との密着性が悪くなり、劈開の際に生じる応力により、劈開箇所近傍のBCBのみがハイメサ構造の両脇の溝から剥離し易くなる。この剥離したBCBは、劈開により二分割される素子のいずれかに不適切に付随することになる。その結果、BCBおよび半導体の端面が面一(つらいち)とならないならない可能性がある。つまり、端面が揃わず、平滑になり難い。
図8は、図7(a)の導波路を劈開した場合の様子を示す図である。図8に示したa1−a2断面、b1−b2断面およびc1−c2断面は、それぞれ図9に示してある。図9は、図8の光導波路素子の断面を示す図であって、(a)はa1−a2断面、(b)はb1−b2断面、(c)はc1−c2断面、を示す。図8のb1−b2は、導波路を劈開して素子端面を露出させた部分を示している。
図8および図9に示すように、光導波路素子200では、SI−InP基板201上に、n型下部クラッド層202、ノンドープの多重量子井戸(i−MQW)コア層203および上部クラッド層204を備えており、ポリマー205は、導波路のハイメサ構造を保護するために形成されている。
図8および図9(b)に示すように、光導波路素子200では、ポリマーとしてのBCB205が劈開面から突き出して形成される領域303を有する場合、または、BCB205が劈開面から後退して形成される領域301を有する場合がある。例えば領域303のようにBCB205が突き出して形成された場合、導波路から出射した光が散乱してしまうし、あるいは、端面に反射防止膜を形成する際に薄膜が均一に形成できなくなる。
特に、反射防止(AR:Anti-reflective)膜は、例えばSiOやTiOを含む多層膜からなり、その膜厚は入力光波長の1/4に設定する必要があり、さらにコア層に密着するようにすることが要求される。このため、図8に示した領域303のようなBCBが突き出るのは問題となる。このことは、BCBだけに限られず、基板を構成する材料と結晶構造が異なるものを保護膜とした場合には、どの保護膜であっても、上述したように端面の不具合が生じる可能性がある。
本発明は、このような問題に対処するためになされた光導波路素子およびその作製方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明は、光導波路素子であって、半導体基板上に、基板側から、下部クラッド層、コア、および上部クラッド層の順に積層され、かつ前記コア層に入射した光を閉じ込めて伝搬するように構成された光導波路と、前記光導波路を覆うように形成された第1保護膜と、前記第1保護膜の上面に形成された第2保護膜とを備え、前記第2保護膜は、前記光導波路素子の入射端面または/および出射端面から前記光導波路上の所定の位置まで、除去されているものである。
上記の課題を解決するための本発明は、光導波路素子の作製方法であって、半導体基板上に、基板側から、下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層の順に積層して光導波路を形成する工程と、前記光導波路を覆うように第1保護膜を形成する工と、前記第1保護膜の上面に第2保護膜を形成する工程と、前記光導波路素子の入射端面または/および出射端面から前記光導波路上の所定の位置まで、前記第2保護を除去する工程とを含むものである。
本発明によれば、従来の素子端面の不具合を抑止することができる。
本発明の実施形態における光導波路素子の概要構成を説明するための図である。 図1の光導波路素子の断面例を示す図である。 2つの導波路を備える場合の光導波路素子の構成例を示す平面図である。 図3の光導波路素子の断面例を示す図である。 印加領域の一部が出射端面の方向に突出して形成されるようにした場合の光導波路素子の構成例を示す図である。 従来のハイメサ構造の導波路を含む光導波路素子の構成を示す図である。 従来のハイメサ構造の導波路を含む光導波路素子の構成を示す図である。 ハイメサ構造を劈開した場合の光導波路素子の従来態様を示す図である。 図8の光導波路素子の断面例を示す図である。 図2と同様の断面図であって、第1保護膜と第2保護膜とで形成される場合の光導波路素子の変形例を示す図である。 図7と類似の光導波路素子の構成図であって、第1保護膜と第2保護膜とで形成される場合の変形例を示す図である。
以下、本発明の光導波路素子の実施形態について説明する。
[光導波路素子の構成]
図1は、本実施形態の光導波路素子1の平面構成例を示す概略図である。図1では、1本の導波路のみが示してあるが、後述するように、この実施形態の光導波路素子1では、複数本の導波路が設けられている。図2は、図1の光導波路素子1の平面構成例であって、(a)はd1−d2断面、(b)はe1−e2断面、を示す。以下、図1〜図2を参照して光導波路素子1に設けられた導波路の構成を説明する。
図1に示すように、光導波路素子1は、保護膜のある領域20と保護膜のない領域21とを含んでおり、また、ハイメサ構造の導波路30を備える。
領域20では、導波路30は、図2(a)に示すように、SI−InP基板10を備えており、その基板10上には、n型下部クラッド層11、InGaAsPコア層12、上部クラッド層13が順に形成されている。
そして、保護膜としてのBCB(ベンゾシクロブテン)14が基板11の水平方向に沿って覆われている。図2の例では、ハイメサ構造の導波路幅w1は2μm、ハイメサ構造の両側の溝の幅w11,w12は20μm、溝の深度は3μm程度とする。
図2(a)で示したものと同様に、領域21の導波路30は、図2(b)に示すように、SI−InP基板11を備えており、その基板10上には、n型下部クラッド層11、InGaAsPコア層12、上部クラッド層13が順に形成されている。
一方、図2(a)で示したものと異なり、領域21の導波路30は、図2(b)に示すように、BCBを有しておらず、基板10の水平方向の光の閉じ込めは空気で行われるようになっている。
光導波路素子1では、導波路の両側が、コア層12よりも深くエッチングされており、基板面内方向の光閉じ込めは、下部クラッド層11、コア層12および上部クラッド層13を構成する媒質と、空気との屈折率差により実現される。
[光導波路素子の作製方法]
以下、この光導波路素子1の作製方法について図1〜図2を参照して説明する。
先ず、SI−InP基板10上に、コア層12としてInGaAsP、下部クラッド層11および上部クラッド層13としてInP基板を成長させる(図1を参照)。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ハイメサ構造の導波路を形成する(図2(a)および図2(b)を参照)。
その後、例えばBCB14を上述のInP基板に塗布して、フォトリソグラフィとCF4/O2反応性イオンエッチング(RIE)によって、 必要な部分のBCBを残し、不要な部分(劈開部分)のBCBを除去する。その際、後工程にて劈開を行い導波路素子端面を露出させる近傍のBCB14が除去されることとなる(図1を参照)(非特許文献3)。図1の例では、BCB14を除去する領域は、上述の領域21である。領域21は、例えば端面から50μm後退した領域である。
次に、BCB14を除去した領域21のハイメサ構造の導波路を横断するように、劈開を行い、その端面に無反射膜を形成する(図1、図2(b)を参照)。すなわち、光導波路素子1では、BCBが劈開面から突き出したり後退したりしないようにするため、劈開の際には、BCB14を領域21から除去するようにしている。これにより、BCBの突出等が影響を与える端面の不具合が生じない。この点で、導波路からの出射光が散乱しない。また、端面に反射防止膜を形成する際にも、薄膜を均一に形成できる。
さらに、光導波路素子1では、領域20における導波路30はBCB14により保護されるため、異物付着による損失増大や、接触等による破壊を防止することができる。
次に、本実施形態の光導波路素子1の具体的な寸法について、図3および図4を参照して検討する。
図3は、2つの導波路30a,30bを備える場合の光導波路素子1の構成例を示す平面図である。図4は、図3のf1−f2断面を示す図である。
図3および図4において、光導波路素子1は、SI−InP基板10上に、n型下部クラッド層11、ノンドープの多重量子井戸コア層12、上部クラッド層13が順に積層形成されている。
そして、領域20の導波路30a,30bでは、BCB14が形成され、領域21の導波路30a,30bでは、BCB14が形成されておらず、基板11の水平方向の光の閉じ込めは空気で行われるようになっている。
上述した2つの導波路30a,30bは、シングルモード条件を満たすようになっており、図4では、導波路30a,30bの各導波路幅wc1,wc2を例えば2μmとする。導波路30a,30bの間隔dを、外部インタフェースとの都合上、500μmとする。
非導波路領域に形成されているハイメサ構造40についても、導波路30a,30bと同様に形成されている。すなわち、ハイメサ構造40は、SI−InP基板10上に、下部クラッド層11、コア層12、上部クラッド層13が順に形成されている。そして、領域20のハイメサ構造40では、BCB14が形成され、領域21のハイメサ構造40では、BCB14が形成されていない。
ハイメサ構造40は、2つの導波路30a,30bの間に挟まれているが、これにより次のような効果を得ることができる。例えば、ハイメサ構造の導波路に物理的な衝撃が加わった場合、導波路領域に衝撃力が集中して導波路が破損する可能性があるが、このハイメサ構造40によって、そのときの衝撃力が分散する。
図4において、非導波路領域のハイメサ構造40の幅wc3は、少なくとも、導波路幅wc1,wc2と同程度以上とする必要がある。図4の例では、例えば、ハイメサ構造を形成するための溝部の幅wg12,wg21を全て同じ値とするが、この場合、wg12,wg21の値は250μm程度以下とするのが好ましい。
次に、上述した溝部の幅w12,w21の下限値を検討する。通常、上述した溝部をエッチングで形成する場合に十分な開口領域が得られないと、エッチングに用いられるガスが溝部の底部まで供給されないことになり得るため、溝部の深度が浅くなってしまうことがある。この観点から、溝部の幅w12,w21は、当該溝部の深さと同程度とするのが一般的である。図4の例では、エッチング深さh1,h2は3μm程度であるので、溝部の幅wg12,w21は3μm以上とするのが好ましい。
以上を総合的に考慮して、溝部の幅wg12,wg21は20μmとした。図4において、他の溝部の幅wg11,wg22についても、上述のwg12,wg21と同じ値、すなわち20μmとした。ハイメサ構造の導波路30a,30b,40の両側の溝部の幅が同一であれば、溝部のエッチングシフトが同一となるからである。
以上説明したように、本実施形態の光導波路素子1によれば、BCB14が素子端面付近(劈開面付近)から除去されるように形成される。ここで、劈開では、結晶の方位に沿って劈開面が露出するため、光学測定に耐えうる滑らかな端面が形成できる。そのため、レーザ素子や変調器といった化合物半導体光部品では汎用的に用いられている。しかしながら、BCBにより保護された従来のハイメサ構造の導波路では、BCBが劈開面から突出等することにより、端面付近での不具合が生じ得る。
この観点から、光導波路素子1では、BCB14が劈開時に与える影響を回避できるように、BCB14を素子端面付近から除去されるようになっている。これにより、BCBの突出等が影響を与える端面の不具合が生じず、例えば、導波路からの出射光が散乱したりせず、また、端面に反射防止膜を形成する際にも、薄膜を均一に形成できる。
また、光導波路素子1では、領域20の導波路30はBCB14により保護されるため、異物付着による損失増大や、接触等による破壊を防止することができる。
なお、本実施形態の光導波路素子1は、上述した例示に限られず、変更してもよい。
例えば、領域20と領域21との境界は、図5に示すようにしてもよい。図5は、領域の一部が出射端面の方向に突出して形成されるようにした場合の光導波路素子1Aの構成例を示している。図5の光導波路素子1Aでは、領域21の突出部60,61が示してあるが、この点以外の構成は、上述した実施形態に示したものと同様である。このように構成すると、例えばBCB14は突出部60,61で示す長手方向に緩やかに消失させることが可能となり、その結果、光のモードフィールドも緩やかに変化する。この点で、急激なモードフィールドの変化が発生させることなく、2つの領域20,21間を接続できるようになるため、損失の観点から有益である。
また、コア層は、InGaAsPとしてもよいし、多重量子井戸コア層を有するようにしてもよい。
ハイメサ構造の保護膜としてBCBを用いる場合について説明したが、他のポリマー系材料を保護として適用してもよい。導波路としては、閃亜鉛構造を持った化合物半導体の導波路に適用するのが好ましいが、これに限られるものではない。
本実施形態において、保護膜として1種類の場合を想定して説明したが、複数の種類で形成するようにしてもよい。
図10は、図2と同様の断面図であって、図2に示した保護膜14が2種類で形成される態様の一例として、第1保護膜14aと第2保護膜14bとで形成される場合の変形例を示している。図10(a)は図2(a)と対応し、図10(b)は図2(b)と対応している。
図10に示す第2保護膜14bの例として、BCBを用い、第1保護膜14aの例として、SiO膜やSiN膜を用いる。各保護膜14a,14bは、これらの例に限られず、変更してもよい。このような保護膜14a,14bを形成することで、上述した実施形態の効果を奏するほか、バリア性をより一層高めることができる。
この場合、第1保護膜14aとして、例えば、絶縁膜となる上述のSiO膜やSiN膜などを用いることにより、水の浸入を防ぐといったバリア性の向上が期待できる。上述の絶縁膜は、規則性を有する結晶方位を持たないため、端面の不具合が生じる要因となることがあり得るが、たとえば、膜厚を2000Å以下の薄膜に設定しておけば、下地のInPとの密着性がよく、劈開時に端面の不具合が問題となることはない。よって、上述の実施形態と同様の効果を有することが期待できる。
保護膜14a,14bを有する場合の光導波路素子の作製方法は、次のとおりである。すなわち、半導体基板上に形成された下部クラッド層と、コア層と、上部クラッド層との順に積層して光導波路を形成する工程と、光導波路を覆うように保護膜を形成する工程と、光導波路素子の入射端面または/および出射端面から光導波路上の所定の位置まで保護を除去する工程とを含む。この場合、上述の保護膜を形成する工程は、光導波路を覆うように第1保護膜14aを形成する工程と、第1保護膜14aの上面に形成された第2保護膜14bを形成する工程とを有し、上述の保護を除去する工程では、光導波路素子の入射端面または/および出射端面から光導波路上の所定の位置まで、第2保護14bを除去する。
なお、保護膜14a,14bを有する場合の光導波路素子の作製方法として、保護膜14aがSiO膜、保護膜14bがBCBとした場合のものは、下記の参考文献に記載されているものとほぼ同様であるため、説明を省略する。
[参考文献]八木英樹 et al., “BCB 平坦化プロセスによる1.3μm 波長帯 AlGaInAs/InP リッジ導波路型レーザ”, 2009年7月SEIテクニカルレビュー第175 号、pp. 120-123。
また、保護膜14aとして、導波路と同種の材料である半絶縁(SI)のInPを再成長させたものを用いても良い。この場合、2種類の保護膜を用いる構成として、従来例の図7で示したものに対応して、図11のような構成例が考えられる。
図11は、図7と類似の光導波路素子の構成図であって、保護膜205が2種類で形成される態様の一例として、第1保護膜205aと第2保護膜205bとで形成される場合の態様を示している。図10(a)〜(d)はそれぞれ図7(a)〜(d)と対応している。
図11に示す第2保護膜205bの例として、BCBを用い、第1保護膜205aの例として、SI-InP膜を用いる。このような保護膜205a,205bを形成することで、上述した実施形態の効果を奏するほか、バリア性をより一層高めることができる。
本実施形態では、出射側を劈開する場合のみを例にとって説明したが、入射側の端面を劈開する場合にも入射端面付近の保護膜を除去するようにしてもよいし、入射端面付近および出射端面付近の保護膜を除去するようにしてもよい。このようにしても各端面付近で上述した実施形態で説明した効果を奏することができる。
本実施形態では、光導波路素子1の構造が図7(a)に示したものに相当する場合について説明したが、これに限るものではない。光導波路素子1の構造として、例えば図7(b)、図7(c)に示したものに相当する場合でも、上述した実施形態で説明した効果を奏することができる。
1 光導波路素子
10 基板
11 下部クラッド層
12 コア層
13 上部クラッド層
14 BCB(保護膜)
14a 第1保護膜
14b 第2保護膜

Claims (2)

  1. 光導波路素子であって、
    半導体基板上に、基板側から、下部クラッド層、コア、および上部クラッド層の順に積層され、かつ前記コア層に入射した光を閉じ込めて伝搬するように構成された光導波路と、
    前記光導波路を覆うように形成された第1保護膜と
    前記第1保護膜の上面に形成された第2保護膜と
    を備え、
    前記第2保護膜は、前記光導波路素子の入射端面または/および出射端面から前記光導波路上の所定の位置まで、除去されていることを特徴とする光導波路素子。
  2. 光導波路素子の作製方法であって、
    半導体基板上に、基板側から、下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層の順に積層して光導波路を形成する工程と、
    前記光導波路を覆うように第1保護膜を形成する工と、
    前記第1保護膜の上面に第2保護膜を形成する工程と、
    前記光導波路素子の入射端面または/および出射端面から前記光導波路上の所定の位置まで、前記第2保護を除去する工程と
    を含むことを特徴とする光導波路素子の作製方法。
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