JP6119493B2 - 変速機の制御装置及び変速機の制御方法 - Google Patents

変速機の制御装置及び変速機の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、変速機の制御装置及び変速機の制御方法に関するものである。
従来から、低車速域における自動二輪車の操作性を向上させるために、冷機時と暖機完了状態とで異なる変速マップを用いて無段変速装置の変速比を制御する制御装置が知られている(特許文献1)。特許文献1では、冷機時よりも暖機完了状態の方が変速比が低くなるように変速マップを設定する。これにより、暖機完了状態での低車速域におけるエンジンブレーキの効きを弱くして、自動二輪車の操作性を向上させている。
特開2004−340294号公報
しかし、特許文献1の制御装置は、低車速域における自動二輪車の操作性を向上させることを目的として変速マップを変更している。よって、変速マップを変更することにより、エンジンのノッキングによる燃費の悪化を抑制することはできない。
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、エンジンのノッキングによる燃費の悪化を抑制することができる変速機の制御装置及び変速機の制御方法を提供することである。
本発明の一態様に係わる変速機の制御装置は、エンジンを冷却する冷却液の温度及びエンジンの燃焼室に吸気される混合気の温度から、エンジンの燃焼室における圧縮端混合気温度が高温領域にあるか否かを判断し、圧縮端混合気温度が高温領域にあると判断した場合に、高温時変速マップを用いて変速機の変速比を制御し、圧縮端混合気温度が高温領域にないと圧縮端混合気温度判断部が判断した場合に、通常時変速マップを用いて変速機の変速比を制御する。高温時変速マップは、常時変速マップと比較して、エンジンに要求される出力が同じであり、エンジンの回転数が増加し、且つトルクが減少するように変速機の変速比を制御するための変速マップである。
本発明の変速機の制御装置及び変速機の制御方法によれば、エンジンが低回転領域且つ高負荷領域に移行する前に予め、エンジンの回転数が増加し、且つトルクが減少するように、変速マップを変更することができる。よって、エンジンに急な高負荷が加わっても、エンジンのノッキングによる燃費の悪化を抑制できる。
図1は、本発明の第1乃至第3の実施形態に係わる無段変速機の制御装置、即ち変速機制御装置6を含む変速機制御システムの構成を示すブロック図である。 図2は、図1の変速機制御装置6の詳細な構成を示すブロック図である。 図3は、液温及び吸気温度により定まる圧縮端混合気温度の判断基準の一例を示すグラフである。 図4は、アクセル開度と推定される負荷との関係の一例を示すグラフである。 図5は、第1実施形態に係わる無段変速機2の制御方法の一例を示すフローチャートである。 図6は、エンジン1の同一出力線上で低回転且つ高トルク状態(Ga)から高回転且つ低トルク状態(Gb)へ変速比が変更される様子を示すグラフである。 図7はエンジン1のノック素質を示すグラフである。 図8は、第2実施形態に係わる変速機制御装置6の構成を示すブロック図である。 図9は、第2実施形態に係わる無段変速機の制御方法の一例を示すフローチャートである。 図10は、第3実施形態において圧縮端混合気温度判断部25が使用する判断基準の一例を示すグラフである。 図11は、圧縮端混合気温度に応じて高温時変速マップBbと通常時変速マップBaとの間を補間した変速比の例を示すグラフである。 図12は、第3実施形態に係わる無段変速機の制御方法の一例を示すフローチャートである。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付し説明を省略する。
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係わる無段変速機の制御装置、即ち変速機制御装置6を含む変速機制御システムの構成を説明する。変速機制御システムは、車両に搭載され且つ車両の駆動源となるエンジン1と、変速機の一例としての無段変速機(連続可変トランスミッション:CVT)2と、アクセル開度の情報に従ってエンジン1を制御するエンジン制御ユニット5と、エンジン1の状態を示す情報に基づいて無段変速機2の変速比を制御する変速機制御装置6と、を備える。
無段変速機2には、エンジン1のクランクシャフトから出力される動力がトルクコンバータ3を介して入力される。無段変速機2は、入力された動力の回転速度とトルクの変換を行ったうえで、車両が備えるドライブシャフト7を介して駆動輪(車輪)4a、4bへ動力を伝達する。
エンジン制御ユニット5には、エンジン1の状態を示す情報として、エンジン1を冷却する冷却液の温度(以後、「液温」と呼ぶ)、エンジンの燃焼室に吸気される混合気の温度(以後、「吸気温度」と呼ぶ)、エンジン1の回転数、及びエンジンから出力されるトルクを示すデータが入力される。エンジン制御ユニット5には、アクセルペダルの操作量に応じて開度が定まるアクセル開度のデータが入力される。液温は、液温検出部8により検出される。吸気温度は、吸気温度検出部9により検出される。回転数は、回転数検出部10により検出される。トルクは、トルク検出部11により検出される。アクセル開度は、アクセル開度検出部12により検出される。液温、吸気温度、回転数、トルク及びアクセル開度を示すデータは、エンジン制御ユニット5を介して、変速機制御装置6へ入力される。
変速機制御装置6は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、入出力ポート(I/Oポート)を備えるマイクロコントローラ(MCU)により構成される。図2を参照して、図1の変速機制御装置6の機能的構成を説明する。マイクロプロセッサは、マイクロコントローラを変速機制御装置6として動作させるための手順を記載したコンピュータプログラムに従って情報処理を実行する。この時、マイクロプロセッサは図2の演算部21として機能し、メモリは図2の変速マップ記憶部22として機能し、入出力ポートからは、液温D1、吸気温度D2、回転数D3及びアクセル開度D4を示すデータが入力される。
具体的に、演算部21は、圧縮端混合気温度判断部25、変速比制御部26、回転数入力部27、及び負荷推定部28として機能する。また、変速マップ記憶部22には、無段変速機2の変速比を制御するための変速マップとして、少なくとも、通常時変速マップBaと、高温時変速マップBbとがデータとして記憶されている。
圧縮端混合気温度判断部25は、エンジン1を冷却する冷却液の温度(液温)及びエンジン1の燃焼室に吸気される混合気の温度(吸気温度)から、エンジン1の燃焼室における圧縮端混合気温度が高温領域であるか否かを判断する。「圧縮端混合気温度」とは、ピストンが燃焼室内に吸気された混合気を圧縮して、ピストンの位置が圧縮上死点に達した時の燃焼室内の混合気温度を示す。
例えば、圧縮端混合気温度判断部25は、図3のグラフに示す判断基準に従って判断すればよい。図3の横軸は液温を示し、縦軸は吸気温度を示す。図3は、液温の上昇に従って吸気温度が減少するしきい線SLを示す。しきい線SLは、液温及び吸気温度の各々が低温側の領域(Ma)と、しきい線SLよりも液温及び吸気温度の各々が高温側の領域(Mb)とを区分けする。第1実施形態では、図3の低温側の領域を「通常領域Ma」と呼び、図3の高温側の領域を「高温領域Mb」と呼ぶ。
入出力ポートから入力された液温D1及び吸気温度D2により定まる図3における位置が、通常領域Maに属する場合、圧縮端混合気温度判断部25は、圧縮端混合気温度が高温領域Mbにないと判断する。入出力ポートから入力された液温D1及び吸気温度D2により定まる図3における位置が、高温領域Mbに属する場合、圧縮端混合気温度判断部25は、圧縮端混合気温度が高温領域Mbにあると判断する。なお、液温D1及び吸気温度D2により定まる図3における位置がしきい線SLの上にある場合、通常領域Ma或いは高温領域Mbのいずれに属していると判断してかまわない。なお、図3には、1つのしきい線SLを示したが、ヒステリシスを持たせても構わない。つまり、図3の少なくとも一部分に、互いに交差しない2以上のしきい線SLを設けても構わない。
変速マップ記憶部22は、通常時変速マップBa及び高温時変速マップBbとを記憶する。高温時変速マップBbは、通常時変速マップと比較して、エンジン1に要求される出力が同じであり、エンジン1の回転数が増加し、且つトルクが減少するように無段変速機2の変速比を制御するための変速マップである。
回転数入力部27は、入出力ポートから入力されたエンジン1の回転数D3を演算部21内に入力する。
負荷推定部28は、エンジン1に加わる負荷を推定する。例えば、負荷推定部28は、入出力ポートから入力されたアクセル開度D4から負荷を推定してもよい。図4に示すように、アクセル開度D4が大きくなるほど、負荷が大きくなるように、負荷を推定すればよい。
変速比制御部26は、変速マップ記憶部22に記憶された変速マップ(Ba、Bb)を用いて、エンジン1の動作状態、アクセル開度を含むドライバーからの指令に基づいて、無段変速機2の変速比を制御する。無段変速機2の変速比を制御する際に、変速比制御部26は、変速マップ記憶部22に記憶された変速マップ(Ba、Bb)を切り替えて使用する。
変速比制御部26は、圧縮端混合気温度判断部25による圧縮端混合気温度の判断結果、回転数入力部27により入力されたエンジン1の回転数D3、及び負荷推定部28により推定されたエンジン1に加わる負荷に応じて、無段変速機2の制御に用いる変速マップを切り替える。第1実施形態において、変速比制御部26は、以下に示す条件1〜条件3の総てが満たされた場合に、高温時変速マップBbを用いて無段変速機2の変速比を制御する。
(条件1)圧縮端混合気温度が高温領域Mbにあると圧縮端混合気温度判断部25が判断する。
(条件2)回転数入力部27に入力されたエンジン1の回転数D3が所定のしきい回転数以下である。
(条件3)負荷推定部28により推定された負荷が所定のしきい負荷よりも高い。
一方、変速比制御部26は、上記した条件1〜条件3の少なくとも1つが満たされていない場合に、通常時変速マップBaを用いて無段変速機2の変速比を制御する。つまり、圧縮端混合気温度が高温領域Mbにないと圧縮端混合気温度判断部25が判断した場合、回転数入力部27に入力されたエンジン1の回転数D3が所定のしきい回転数よりも高い場合、或いは、負荷推定部28により推定された負荷が所定のしきい負荷以下である場合に、変速比制御部26は、通常時変速マップBaを用いて無段変速機2の変速比を制御する。
なお、条件2及び条件3の所定のしきい回転数及びしきい負荷は、燃費向上の観点からエンジン1の設計時に予め定められたしきい値であり、エンジン1の種類に応じて変化する。
図5を参照して、第1実施形態に係わる無段変速機2の制御方法の一例として、図2の変速機制御装置6の動作手順を説明する。図5に示す動作例は、エンジン1の始動により開始され、エンジン1の停止する。
先ず、ステップS01でエンジン1の始動を検知すると、ステップS02に進み、圧縮端混合気温度判断部25は、図3のグラフに示す判断基準に従って、液温D1及び吸気温度D2から、エンジン1の燃焼室における圧縮端混合気温度が高温領域Mbにあるか否かを判断する。
高温領域Mbにあると判断した場合(S02でYES)、上記した条件1が満たされることになり、条件2及び条件3を判断するために、ステップS03へ進む。一方、高温領域Mbにないと判断した場合(S02でNO)、上記した条件1が満たされないことになり、条件2及び条件3を判断するまでもなく、ステップS04へ進む。
ステップS03において、変速比制御部26は、回転数入力部27に入力されたエンジン1の回転数D3が所定のしきい回転数以下であるか否か(条件2)、及び負荷推定部28により推定された負荷が所定のしきい負荷よりも高いか否か(条件3)を判断する。条件2及び条件3が共に満たされている場合(S03にてYES)、条件1〜3が総て満たされたことになり、ステップS05に進む。条件2及び条件3の少なくとも一方が満たされていない場合(S03にてNO)、ステップS04に進む。
ステップS04では、条件1〜条件3の少なくとも1つが満たされていないことになるため、圧縮端混合気温度が高温領域にあり、且つエンジン1が低回転領域且つ高負荷領域へ移行したと判断できない。よって、この場合、高温時変速マップBbよりも通常時変速マップBaを用いた方がエンジン1の燃費が向上すると判断できる。このため、変速比制御部26は、通常時変速マップBaを参照して、無段変速機2の変速比を制御する。
一方、ステップS05では、条件1〜条件3の総てが満たされていることになるため、圧縮端混合気温度が高温領域にあり、且つエンジン1が低回転領域且つ高負荷領域へ移行したと判断することができる。そこで、変速比制御部26は、高温時変速マップBbを参照して、無段変速機2の変速比を制御する。これにより、エンジン1の回転数が高く且つトルクが低くなるように変速比が制御されるので、ノック素質が改善され、リタード量の増加による燃費の悪化を抑制することができる。
ステップS06に進み、エンジン1が停止されていなければ(S06でNO)、ステップS02に戻り、エンジンが停止されるまで(S06でYES)、上記した手順(S02〜S05)を繰り返し実施する。
以上説明したように、第1実施形態によれば以下の作用効果が得られる。
図7はエンジンのノック素質を示すグラフである。横軸はエンジン1の回転数を示し、縦軸は負荷を示し、ノック素質が等しくなる複数の線を示す。矢印の向きは、ノック素質が良い方向及び悪い方向を示す。エンジン1の回転数が高く、エンジンに加わる負荷が低い状態では、ノック素質が良くなり、ノッキングが起こり難い。一方、エンジン1の回転数が低く、エンジンに加わる負荷が高い状態では、ノック素質が悪くなり、ノッキングが起こり易くなる。よって、エンジン1の回転数が低く、負荷が高い状態のまま、エンジン1の冷却液の液温を上げてしまうと、更にノッキング起こり易くなる。
そこで、例えば、エンジン1の暖機運転の途中で、一時的に、冷却液の液温を高く維持している状況において、エンジン1の回転数が低く、且つ負荷が高い場合、エンジン1の回転数を高くして、トルクを下げて、エンジンの出力は一定に保つように変速比を変更する。具体的には、図6に示すように、エンジン1の同一出力線上で低回転且つ高トルク状態(図6のGa)から高回転且つ低トルク状態(図6のGb)へ移行するように、変速比を変更する。これにより、エンジン1の回転数が高くなるためノック素質が改善され、ノッキングが起こり難くなる。よって、リタード量が減少して、リタードによる燃費の悪化を抑制できる。なお、エンジン1の冷却液の液温に応じてエンジン1の壁温が変化し、エンジン1の壁温に応じて圧縮端混合気温度が変化する。なお、図6の横軸はエンジン1の回転数を示し、縦軸はトルクを示し、線L1〜L7の各々は、エンジン1の出力が等しくなる線を示す。図6中のPwは、エンジン1の最大トルクの分布を示す。
第1実施形態では、圧縮端混合気温度が高温領域にある場合に、高温時変速マップBbを用いて変速比を制御する。これにより、エンジン1の回転数が増加し、且つトルクが減少するように、変速マップを変更することができる。よって、エンジン1のノッキングによる燃費の悪化を抑制できる。
さらに、第1実施形態では、圧縮端混合気温度が高温領域Mbにあり、且つエンジン1が低回転領域且つ高負荷領域へ移行した場合に、変速マップを高温時変速マップBbへ変更する。これにより、エンジン1のノッキングにより燃費が悪化するタイミングに合わせて変速マップを変更できる。よって、ノッキングによる燃費の悪化をより正確に抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記した条件2及び条件3を判断せずに、条件1を満たした場合に、変速マップを高温時変速マップBbへ切り替える変速機制御装置6の実施形態を説明する。
図8に示すように、第2実施形態に係わる変速機制御装置6の演算部21は、条件2及び条件3を判断しないため、図2に示した回転数入力部27及び負荷推定部28の機能を備えていない。その他の構成は図2と同じであり、説明を省略する。
図9を参照して、第2実施形態に係わる無段変速機の制御方法の一例として、図8の変速機制御装置6の動作手順を説明する。図9に示す動作例は、図5と同様に、エンジン1の始動により開始され、エンジン1の停止する。
先ず、ステップS01でエンジン1の始動を検知すると、ステップS02に進み、圧縮端混合気温度判断部25は、図9に示す動作例と同様にして、図3のグラフに示す判断基準に従って、液温D1及び吸気温度D2から、エンジン1の燃焼室における圧縮端混合気温度が高温領域Mbにあるか否かを判断する。
高温領域Mbにあると判断した場合(S02でYES)、上記した条件1が満たされることになるが、条件2及び条件3を判断せずに、ステップS05に進む。変速比制御部26は、高温時変速マップBbを参照して、無段変速機2の変速比を制御する。
高温領域Mbにないと判断した場合(S02でNO)、上記した条件1が満たされないことになり、ステップS04へ進み、変速比制御部26は、通常時変速マップBaを参照して、無段変速機2の変速比を制御する。
ステップS06に進み、エンジン1が停止されていなければ(S06でNO)、ステップS02に戻り、エンジンが停止されるまで(S06でYES)、上記した手順(S02、S04、S05)を繰り返し実施する。
このように、第2実施形態によれば、圧縮端混合気温度が高温領域にある場合に、エンジン1の回転数及び負荷に係わらずに、高温時変速マップBbを用いて変速比を制御する。これにより、エンジン1が低回転領域且つ高負荷領域に移行する前に予め、エンジン1の回転数が増加し、且つトルクが減少するように、変速マップを変更することができる。よって、エンジン1に急な高負荷が加わっても、ノッキングによる燃費の悪化を抑制できる。
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態において、圧縮端混合気温度判断部25は、図3に示したように、しきい線SLを基準にして圧縮端混合気温度が高温領域Mbにあるか否か、を判断する場合を説明した。
第3実施形態において、圧縮端混合気温度判断部25は、図10に示すように、圧縮端混合気温度が高温領域Mbにあるか、高温領域Mbよりも低い通常領域Maにあるか、或いは、高温領域Mbと通常領域Maとの間に位置する遷移領域Mabにあるかを判断する。換言すれば、圧縮端混合気温度判断部25は、圧縮端混合気温度が高温領域Mbにない場合において、更に、圧縮端混合気温度が低い通常領域Maにあるか、或いは遷移領域Mabにあるかを判断する。
そして、圧縮端混合気温度が遷移領域Mabにあると圧縮端混合気温度判断部25が判断した場合に、変速比制御部26は、圧縮端混合気温度に応じて高温時変速マップBbと通常時変速マップBaとの間を補間することにより無段変速機2の変速比を制御する。
一方、圧縮端混合気温度が通常領域Maにあると圧縮端混合気温度判断部25が判断した場合に、変速比制御部26は、通常時変速マップBaを用いて無段変速機2の変速比を制御する。
図10に示すように、図3のしきい線SLに対して高温領域Mb側に一定幅だけ離れた高温側しきい線SLb、図3のしきい線SLに対して通常領域Ma側に一定幅だけ離れた通常側しきい線SLaを新たに設定する。圧縮端混合気温度判断部25は、高温側しきい線SLbよりも高温側を高温領域Mbと判断し、通常側しきい線SLaよりも低温側を通常領域Maと判断し、高温側しきい線SLbと通常側しきい線SLaとの間を遷移領域Mabと判断する。
図11を参照して、圧縮端混合気温度に応じて高温時変速マップBbと通常時変速マップBaとの間を補間した変速比の例を説明する。横軸は変速比を示し、縦軸は、液温及び吸気温度を変数とする関数(F)で定義された圧縮端混合気温度を示す。高温領域Mb及び通常領域Maではそれぞれ一定の変速比に制御される。高温領域Mbにおける変速比は通常領域Maにおける変速比よりも大きい。一方、遷移領域Mabでは、高温領域Mbにおける変速比と通常領域Maにおける変速比との間で、圧縮端混合気温度に比例して増加する変速比に制御される。
図12を参照して、第3実施形態に係わる無段変速機の制御方法の一例として、図8の変速機制御装置6の動作手順を説明する。図12に示す動作例は、図5と同様に、エンジン1の始動により開始され、エンジン1の停止する。
先ず、ステップS01でエンジン1の始動を検知すると、ステップS11に進み、圧縮端混合気温度判断部25は、図10のグラフに示す判断基準に従って、液温D1及び吸気温度D2から、エンジン1の燃焼室における圧縮端混合気温度が、高温領域Mb、通常領域Ma、或いは遷移領域Mabのいずれの領域にあるかを判断する。
高温領域Mbにあると判断した場合、上記した条件1が満たされることになるが、条件2及び条件3を判断せずに、ステップS05に進む。変速比制御部26は、高温時変速マップBbを参照して、無段変速機2の変速比を制御する。
通常領域Maにあると判断した場合、上記した条件1が満たされないことになり、ステップS04に進み、変速比制御部26は、通常時変速マップBaを参照して、無段変速機2の変速比を制御する。
遷移領域Mabにあると判断した場合、上記した条件1が満たされないことになり、ステップS12へ進む。変速比制御部26は、図11に示すように、圧縮端混合気温度に応じて高温時変速マップBbと通常時変速マップBaとの間を補間して、無段変速機2の変速比を制御する。
ステップS06に進み、エンジン1が停止されていなければ(S06でNO)、ステップS02に戻り、エンジンが停止されるまで(S06でYES)、上記した手順(S11、S12、S04、S05)を繰り返し実施する。
このように、第3実施形態によれば、圧縮端混合気温度が高温領域にある場合に、エンジン1の回転数及び負荷に係わらずに、高温時変速マップBbを用いて変速比を制御する。これにより、エンジン1が低回転領域且つ高負荷領域に移行する前に予め、エンジン1の回転数が増加し、且つトルクが減少するように、変速マップを変更することができる。よって、エンジン1に急な高負荷が加わっても、ノッキングによる燃費の悪化を抑制できる。
更に、圧縮端混合気温度判断部25は、圧縮端混合気温度を高温領域Mb、遷移領域Mab、及び通常領域Maのいずれかに分類し、圧縮端混合気温度が遷移領域Mabにある場合、高温時変速マップBbと通常時変速マップBaとの間を補間して変速比を制御する。これにより、高温時変速マップBbと通常時変速マップBaとの間で変速マップを変更する際に、ドライバーへ与える違和感を軽減することができる。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
第1乃至第3実施形態では、変速機として無段変速機2を例に取り説明したが、歯車を用いて回転数及びトルクを段階的或いは非連続的に変化させてる変速機であってもよい。
第3実施形態では、遷移領域Mabにおいて、変速比が圧縮端混合気温度(F)に比例して連続的に増加する例を示したが、変速比が、圧縮端混合気温度(F)に応じて、段階的或いは非連続的に変化してもよい。
第1乃至第3形態では、通常時変速マップBa及び高温時変速マップBbの2つの変速マップを切り替える例を示したが、3つ以上の変速マップを切り替えて実施してもよい。
1 エンジン
2 無段変速機(変速機)
4a、4b 駆動輪(車輪)
6 変速機制御装置
22 変速マップ記憶部
25 圧縮端混合気温度判断部
26 変速比制御部
27 回転数入力部
28 負荷推定部
Ba 通常時変速マップ
Bb 高温時変速マップ
D1 液温
D2 吸気温度
D3 回転数
D4 アクセル開度
Ma 通常領域
Mab 遷移領域
Mb 高温領域

Claims (4)

  1. 車両に搭載されたエンジンから出力される動力を前記車両が備える車輪へ伝達する変速機を制御する装置であって、
    前記エンジンを冷却する冷却液の温度及び前記エンジンの燃焼室に吸気される混合気の温度から、前記エンジンの燃焼室における圧縮端混合気温度が高温領域にあるか否かを判断する圧縮端混合気温度判断部と、
    前記変速機の変速比を制御するための変速マップとして、少なくとも、通常時変速マップと、前記通常時変速マップと比較して、前記エンジンに要求される出力が同じであり、エンジンの回転数が増加し、且つトルクが減少するように前記変速機の変速比を制御するための高温時変速マップと、をデータとして記憶する変速マップ記憶部と、
    圧縮端混合気温度が高温領域にあると前記圧縮端混合気温度判断部が判断した場合に、高温時変速マップを用いて前記変速機の変速比を制御し、圧縮端混合気温度が高温領域にないと前記圧縮端混合気温度判断部が判断した場合に、通常時変速マップを用いて前記変速機の変速比を制御する変速比制御部と
    を備えることを特徴とする変速機の制御装置。
  2. 前記エンジンの回転数が入力される回転数入力部と、
    前記エンジンに加わる負荷を推定する負荷推定部と、を更に備え、
    圧縮端混合気温度が高温領域にあると前記圧縮端混合気温度判断部が判断し、前記回転数入力部に入力された前記エンジンの回転数が所定のしきい回転数以下であり、且つ前記負荷推定部により推定された負荷が所定のしきい負荷よりも高い場合に、前記変速比制御部は、高温時変速マップを用いて前記変速機の変速比を制御し、
    圧縮端混合気温度が高温領域にないと前記圧縮端混合気温度判断部が判断した場合、前記回転数入力部に入力された前記エンジンの回転数が所定のしきい回転数よりも高い場合、或いは、前記負荷推定部により推定された負荷が所定のしきい負荷以下である場合に、前記変速比制御部は、通常時変速マップを用いて前記変速機の変速比を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。
  3. 前記圧縮端混合気温度判断部は、前記エンジンの燃焼室における圧縮端混合気温度が高温領域にあるか、前記高温領域よりも低い通常領域にあるか、或いは、高温領域と通常領域との間に位置する遷移領域にあるかを判断し、
    前記変速比制御部は、圧縮端混合気温度が遷移領域にあると前記圧縮端混合気温度判断部が判断した場合に、圧縮端混合気温度に応じて高温時変速マップと通常時変速マップとの間を補間することにより前記変速機の変速比を制御し、
    前記変速比制御部は、圧縮端混合気温度が通常領域にあると前記圧縮端混合気温度判断部が判断した場合に、通常時変速マップを用いて前記変速機の変速比を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。
  4. 車両に搭載されたエンジンから出力される動力を前記車両が備える車輪へ伝達する変速機を制御する方法であって、
    前記エンジンを冷却する冷却液の温度及び前記エンジンの燃焼室に吸気される混合気の温度から、前記エンジンの燃焼室における圧縮端混合気温度が高温領域にあるか否かを判断し、
    圧縮端混合気温度が高温領域にないと判断した場合に、前記変速機の変速比を制御するための変速マップとして、通常時変速マップを用いて前記変速機の変速比を制御し、
    圧縮端混合気温度が高温領域にあると判断した場合に、前記通常時変速マップと比較して、前記エンジンに要求される出力が同じであり、エンジンの回転数が増加し、且つトルクが減少するように前記変速機の変速比を制御するための高温時変速マップを用いて、前記変速機の変速比を制御する
    ことを特徴とする変速機の制御方法。
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