JP6118392B2 - 非麻薬性鎮痛作用を有する合成ペプチド - Google Patents

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Description

本発明は、生化学に関し、より詳しくは、麻酔性鎮痛剤としての医薬及び薬理学における用途を見出すことができる非麻薬性鎮痛作用を有する生物学的に活性なペプチドに関する。
麻酔性鎮痛剤(モルヒネ及び適した構造)及び非麻酔性鎮痛剤(サリチル酸、ピラゾロン、アニリンの誘導体など)に分類される、化学的性質及び作用機序の点で異なる麻酔薬が公知である。すべての上述の鎮痛剤は、医薬でのそれらの適用の可能性を大幅に狭める、いくつかの欠点を有する(非特許文献1)。
公知のペプチド鎮痛剤は、オピオイドペプチドなどの天然のエンケファリン及びエンドルフィンの合成類似化合物である(非特許文献2)。それらの主な欠点は、麻酔活性が習慣性及び麻酔作用を伴うことである。また、麻酔性鎮痛剤は、すべての疼痛症候群に効果的であるとは限らない(非特許文献3)。
また、習慣性及び麻酔作用を引き起こすことがない非麻薬性の麻酔を含むペプチド鎮痛剤が、公知である。それらの麻酔作用は、非オピオイド受容体及び神経伝達物質により生じる。その麻酔作用が特異的なカルシトニン受容体及び脳内のセロトニン作動系によって引き起こされる、合成カルシトニン及び近年の組み換え型カルシトニンが、そのうちで、もっとも汎用されてきた(非特許文献4)。もっとも汎用されるものは、あらゆる既知のカルシトニンのうちもっとも活性なカルシトニンの1つであるサケカルシトニンに対応する合成配列である。サケカルシトニンは、3,454.93ダルトンの分子量を有する32残基のアミノ酸からなるポリペプチドホルモンである。その構造は、αヘリックスである(非特許文献5)。
サケカルシトニンの一次構造(アミノ酸残基の配列)は、以下の通りである:
Figure 0006118392
サケカルシトニンは長期間の麻酔作用を有し、現在、鼻腔内での使用のためのスプレー又は点鼻薬、経口投与、筋肉内投与及び坐薬の形状の異なる医薬品形態で存在する。
しかし、全長カルシトニンは、以下の1〜4を含む種々の本質的な欠点を有する:
1)ホルモン活性、カルシウムに対する影響及びリンの代謝。これに関連して、カルシトニンは、子どもへの奇形及び長期にわたる影響の可能性により、妊娠中及び陣痛緩和に使用することはできない。
2)免疫学的活性。よって、カルシトニンの長期使用の際、骨粗しょう症の治療と予防の場合と同様に、中和抗体が形成され、カルシトニンの使用の効果を減少させる(非特許文献6)。
3)全長カルシトニンは、多くのアミロイド形成タンパク質で使用することが一般的であるアミロイド形成配列Gly2−Gln14を含む(非特許文献7)。
4)全長カルシトニン合成及びこの製剤を用いた治療の費用は、非常に高額である。従って、カルシトニンは、代替的な手段のない治療、例えば、パジェット病の場合にのみ使用される希少薬とみなされる(非特許文献8)。
特定の欠点を解消するために、我々は、カルシトニンの「活性中心」と呼ばれるサケカルシトニンの16−21のアミノ酸を含むサケカルシトニンの断片(以下、CT16−21と称される)を分離した(非特許文献9):
Figure 0006118392
非麻薬性の麻酔を同定することが可能なラットホルマリン試験で、サケカルシトニンの天然断片、CT16−21ペプチドが高い鎮痛作用を有するが、免疫学的活性を示さず、カルシウム代謝に対して影響を与えず、アミロイド形成配列を含まないことがわかる。ヒト、ブタ、ウシ及びラットカルシトニンの類似の配列(16−21)と比較すると、後者のものとは対照的に、活性がより大きくなることが明らかになった(非特許文献10)。
M.D.Mashkovsky.Medicinal products,Kharkov:"Torsing"publishing house,1997,edition 13,pp.144−145 Casy A.F.,Parfitt A.C.,Opioid analgesics:Chemistry and receptors.New York,Plenum Press,1986,445−502;Lierz P.,Stefan Punsmann S.,2008 Fallon M.When morphine does not work.Support Care Cancer.2008 2月15日 Yasushi Kuraishi/Neuropeptide action of calcitonin−analgesic effect/in Magazine Kidney and Metabolic Bone Disease,V.14 No03 Andreotti G.et al, 2006 Levy F et al.,Formation of Neutralizing Antibodies During Intranasal Synthetic Salmon Calcitonin Treatment of Pagets Disease.1988,67,3,541−545 Steven S.−S.Wang1,Theresa A.Good2 and Dawn L.Rymer3 Maresca V.Human calcitonin in the Management of osteoporosis:A multicenter Study.−J.Int.Med.Res.,1985,13,311−316 G.P.Vlasov,V.R.Glushenkova,A.M.Kotin et al.(1989)"Search of Active Centre of Calcitonin",Chemistry of Peptides and Proteins 4, 89 A.M.Kotin,G.P.Vlasov et al.(1988)"Search of "active centre" and comparative study of full−length calcitonin and sequence 16−21 of different calcitonins in various physiological tests.Abstracts of the "Peptide Physiology"symposium",Leningrad,106
本発明の目的は、非麻薬性の鎮痛作用を有し、簡易な合成によって得ることができる効果的な薬の範囲を拡大することである。
非麻薬性の鎮痛作用を有する麻酔薬としての以下で示される一般式1[SEQ ID NO:1]の合成ペプチドか、又は一般式2[SEQ ID NO:2]でのL型アミノ酸のD型アミノ酸による置換及びD型アミノ酸のL型アミノ酸による置換とを有するアミノ酸の逆配列を有する一般式(I)のレトロインバーソ型ペプチドかにより、設定された目的が解決され、
前記一般式1[SEQ ID NO:1]は、
H-XDL-XDL1-XDL2-L-Lys-L-Leu-XDL3-L-Thr-R2(I)であり、ここで:
Hは、水素であり、
XDLは、アミノ酸が欠如しているか又はL-Tyrであり、
XDL1は、次のアミノ酸のうちの1つであり:L-Leu、L-Ala又はD-Ala、
XDL2は、次のアミノ酸のうちの1つであり:L-His、D-His、L-Ala又はD-Ala、
XDL3は、次のアミノ酸のうちの1つであり:L-Gln、L-Ala又はD-Ala;
R2は、OMe又はNH2であり、
前記一般式2[SEQ ID NO:2]は、
H-D-Thr-XDL4-D-Leu-D-Lys-XDL5-XDL6-XDL7-R2(II)であり、ここで、
Hは、水素であり、
XDL4は、次のアミノ酸のうちの1つであり:D-Gln、D-Ala又はL-Ala;
XDL5は、次のアミノ酸のうちの1つであり:D-His、L-His、D-Ala又はL-Ala、
XDL6は、次のアミノ酸のうちの1つであり:D-Leu、D-Ala又はL-Ala、
XDL7は、アミノ酸が欠如しているか又はD-Tyrであり、
R2は、OMe又はNH2である。
示された前記ペプチドは、全身注射及び鼻腔内投与時に、麻酔作用を有する。
本発明の本質は、化学的手段により、それらの入手が簡便化される、単純な構造を有する請求項に記載されるペプチドが、動物で実施される鎮痛試験により確認される高い麻酔活性を有することが実験により、確立されたことである。
一般式I、IIのいくつかのペプチドが、表1で表される:
Figure 0006118392
Figure 0006118392
Figure 0006118392
Figure 0006118392
Figure 0006118392
Figure 0006118392
Figure 0006118392
このファミリーのすべてのペプチドは、鎮痛作用を有する。
一般式Iのペプチドの合成は、ペプチド化学の方法、L−アミノ酸又はD−アミノ酸を使用した固相合成法によって実施された。
ペプチドH-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-NH2の合成
ペプチドH-Leu-His-Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-NH2は、DCC/HOBt(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)アミノ酸活性化法を用いた、リンク樹脂(リンクアミド樹脂、樹脂1g当たり0.6mmolのアミノ基)でのFmoc式自動固相合成方法により、得られた。
ピペリジン/DMF(ピペリジン/K,K−ジメチルホルムアミド)溶液(1:4)を用いた7分間の処理方法により、剥離された。以下の基で、側鎖の基が、保護される:チロシン及びトレオニンにはtBu(tert−ブチル・エーテル)、グルタミン及びヒスチジンにはTrt(トリチル又はトリフェニルメチル)、リジンではBoc(t−ブチルオキシカルボニル)。ペプチドが樹脂から分離され、TFA/HO/EDT混合物(トリフルオロ酢酸/水/1,2−エタンジチオール)(90:5:5)を用いて除去された。6:4の割合の溶離液−アセトニトリル−水(0.1Mのリン酸二水素カリウム)で、逆相HPLC(C18カラム)法により、ペプチドの除去が実施された。ペプチドが、質量分析計を用いて特定された。
アミノ酸はCT16−21ペプチドの特定の位置で置換され、置換が得られたペプチドの麻酔性にどのように影響を与えるかが明らかになった。新たに合成されたペプチドの鎮痛作用が、非麻薬性の麻酔を確認することが可能な「ホルマリン試験」で試験された(Wheeler−Aceto H.,Porrea F.,A.Cowan The rat paw formalin test:comparison of noxious agents.Pain,40(1990),229−238)。
新たに合成されたペプチドの鎮痛作用の試験
新たに合成されたペプチドの鎮痛作用が、以下の通り試験された。重量180−200gのラットの後頭下に、エーテル麻酔下で、マイクロディスペンサを用いて、10μlの生理食塩水中の試験ペプチドが注入された。対照動物は、同様に、等量の生理食塩水が注入された。20分後に、1:50の希釈での50mL(mcl)のホルマリン溶液が、右後足の背面に注入された。ペプチド注入及びホルマリン希釈の時間は、それより前であった。各ラットは、1回だけ使用された。疼痛反応のもっとも明確な行動の指標は、足のタッキング(tucking)、なめること、噛むこと及び震えることで表される。または、対照動物での6−7分間続く疼痛の第1の急性反応の後に、ラットは、足を引き下げ、身づくろい行動及び噛むことを止める休止時間が生じた。その後、疼痛反応の第2段階である、少なくとも前回以上の表現の反応が繰り返された。
(疼痛反応の第1段階の開始)足をタッキングする時間、この反応の継続時間、休止時間及び反応の第2段階の開始時間−足を再びタッキングする又はしないことが、定量的データを得るために、視覚的に、記録された。ペプチドの後頭下注入法の場合は、ペプチドはホルマリン注射の20分前に注入され、鼻腔内法の場合、ペプチドはホルマリン注射の30分前に注入された。
I.CT16−21ペプチドの異なる位置での天然アミノ酸が、連続的に、「単純な」L−アラニンアミノ酸で置換されたときに、「L−アラニンスキャニング」が実施され、これが、ペプチド鎮痛作用にどのように作用するかが研究された。実施例1に従って合成された10個の合成ペプチドの活性が、実施例2に記載された技術により、対照(生理食塩水)及びCT16−21と比較された。結果が表2及び表3に記載され、ここで、Ala−16、Ala−17、Ala−18などが、CT16−21と同様のペプチドであり、ここでアラニンは対応する位置に存在する。
Figure 0006118392
Figure 0006118392
表2、3に示すように、アミノ酸の位置18、特に、19及び21のL−アラニンによる置換が、特定のペプチド活性を低下させた。ラット1匹につき、0.1μgの可能な限り低投与量での疼痛反応の開始は、確実に、対照とは異ならない。しかし、位置19でのL−アラニンによる置換時の1μgの投与量と、ペプチド位置19及び20での置換の場合、0.1μgの投与量とでの疼痛反応の継続時間は、対照ラットでの疼痛反応の継続時間未満であった。さらに、元のペプチド及び位置18、19及び21でのアラニンによる置換の場合、疼痛反応の第2ピークの防止が、同じ比率で、観察されるようであった。これは、非等価な疼痛反応の第1及び第2ピークの機構及びペプチドでのアミノ酸置換の影響を示す。
これに対して、位置16、17及び20でのL−アラニンによるアミノ酸の置換は、ペプチド鎮痛作用に対して本質的な影響を及ぼさず、場合によっては(例えば、位置17でのアラニンによりヒスチジンが置換されるとき)、疼痛反応の開始を遅らせる基準と、継続時間の基準に照らして、活性は、ある程度より高くなった。これは、活性を損失せずに、「単純」で安価なアラニンが、「複雑」で高価なヒスチジンアミノ酸の代替となる可能性を示す。位置17及び20でのL−アラニンによる天然アミノ酸の置換の場合にも、第2の反応ピークを有さない動物の相対数の増加の傾向が明らかになった。
表2及び3に示されるデータから得ることができる主な結論は、以下の通りである:
1.L−アラニンによるサケカルシトニンの位置18、19及び21でのアミノ酸の置換は、元のペプチドの本質的な活性損失を引き起こす。
2.L−アラニンによる位置16、17及び20でのアミノ酸の置換は、元のペプチド活性に本質的に影響を与えない。
3.断片位置17でのアラニンによるヒスチジンの置換の場合に、ペプチド活性の増加の明確な傾向が観察される。
II.CT16−21ペプチドの異なる位置の天然アミノ酸が、「単純」なD−アラニンアミノ酸で連続して置換されたときに、「D−アラニンスキャニング」が実施され、ペプチド鎮痛作用にどのように影響するかについて研究された。対応する位置に、D−アラニン置換を有する実施例1により合成された合成ペプチドの活性が、実施例2の技術により、対照(生理食塩水)及びCT16−21ペプチドと比較された。結果が、表4に記載される。
Figure 0006118392
表4に記載されるデータを分析すると、元のCT16−21活性とは対照的に、CT16−21ペプチドでのD−アラニンによるアミノ酸の置換は、鎮痛作用の増加を引き起こさなかったことに留意すべきである。これに関して、鎮痛作用は、置換のすべての変異体で、ある程度、維持される。しかし、例えば、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の断片が、この試験では、鎮痛作用をまったく示さないので、この反応は、非常に、特異的である。また、ジメチルヒドラジド誘導体を有する断片16−21のメチルエーテルの置換は、麻酔作用を生じる可能性のCT16−21ペプチド断片を除去する。
位置17でのD−Alaによるアミノ酸の置換及び位置16及び20でのL−Alaによるアミノ酸の置換の際に、鎮痛作用を特徴付ける全ての3つのパラメータの対照からの差異の信頼性のあるもっとも高い値が観察された。この変異体では、位置17でのD−ヒスチジンによる天然アミノ酸の置換の場合に観察された値に、活性は到達しなかったが、いくつかの動物は、反応の第2のピークを有さなかった。それにもかかわらず、後者は、鎮痛剤ペプチドのより費用のかかる形態である。
表4に示されるデータから得ることができる主な結論は、以下の通りである:
4.CT16−21でのD−アラニンによる天然アミノ酸の置換は、天然配列とは対照的に、本質的な活性度の変化につながらない。
5.位置17でのD−Alaによる置換及び位置16及び20でのL−Alaによる置換を有するペプチドが、もっとも活性な化合物である。
III.可能性のあるペプチドの酵素分解の速度を減少させるために、天然のL−アミノ酸の対応するD−アミノ酸での置換により得られるペプチドの安定性(活性の継続時間)の増加の可能性が研究された。実施例2に記載された技術により、実施例1に従って合成された合成ペプチドの活性が、対照(生理食塩水)及び天然のペプチド断片CT16−21と比較された。結果が、表5に記載される。
Figure 0006118392
表5に記載されるデータに基づき、位置17での天然アミノ酸のL−ヒスチジンのD−ヒスチジンによる置換の場合、CT16−21対照ペプチドの鎮痛作用からの大きな差異が達成されることがわかり:この場合、ほぼ半数の動物は、非常に重要な疼痛反応の第2ピークを有さず、投与量を10倍に減少させるときに、かかる反応が維持される。疼痛反応の第1ピークの最も短い継続時間が、同様に、観察された。
好ましくない置換のうちの1つは、望ましくない副反応、つまり、動物の麻痺を引き起こす位置16でのD−ロイシンによるL−ロイシンの置換であることに注意すべきである。
表5に示されるデータから得ることができる主な結論は、以下の通りである:
6.対応するD−アミノ酸によるCT16−21での天然のL−アミノ酸の置換は、位置17でのL−ヒスチジンのD−ヒスチジンによる置換を除いて、本質的な活性の増加を引き起こさなかった。この場合、活性が実質的に増加するのに対して、動物の半数は疼痛反応の第2ピークを有さなかった。
IV.また、ペプチド末端配列の修飾による10個の得られたペプチドの安定性増大の可能性が、研究された。実施例2に記載された技術により、実施例1に従って合成された合成ペプチドの活性が、対照(生理食塩水)及びCT16−21と比較された。結果が、表6に記載される。
Figure 0006118392
提供するデータによると、メチルエーテル及び特に、ヒドラジドで末端が修飾された配列(ペプチド)が、特に活性であった。
表5に示されるデータから得ることができる主な結論は、以下の通りである:
6.メチルエーテル又はヒドラジドでの末端修飾により、ペプチドの活性を損なわずに、ペプチドの安定性を増加することができた。
V.また、D体によるL体のアミノ酸及びL体によるD体のアミノ酸の置換を有するアミノ酸の逆配列を有する式IIに対応する式Iのレトロインバーソ型ペプチドが、研究された。かかるペプチドは、あらゆる種類のペプチダーゼに対する高い抵抗力により区別される(Mariotti et al.,European Patent EP0393786)。特に、配列D−Thr−D−Glu−D−Leu−D−Lys−D−His−D−Leu−NHレトロインバーソ型CT16−21)及びD−Thr−D−Glu−D−Leu−D−15Lys−L−His−D−Leu−NH2(位置17でのL−ヒスチジンのD−ヒスチジンによる置換を有するレトロインバーソ型CT16−21)が、研究された。実施例1により合成された合成ペプチドの活性が、実施例2に記載された技術により、対照(生理食塩水)及びCT16−21と比較された。結果が、表7に記載される。
Figure 0006118392
提供するデータによると、鎮痛のために、式(I)のレトロインバーソ型ペプチドを使用することができる。
表7に示されるデータから得ることができる主な結論は、以下の通りである:
7.D体によるL体のアミノ酸の置換及びL体によるD体のアミノ酸の置換を有するアミノ酸の逆配列を有する式(II)のレトロインバーソ型ペプチドが、高い鎮痛作用を有する。
VI.カルシトニンのN末端での天然断片に存在しないL−Tyrアミノ酸配列の付加を有するペプチドが、実施例1に記載されたのと同じ方法で、合成された。合成された合成ペプチドの活性が、実施例2に記載された技術により、対照(生理食塩水)及びCT16−21と比較された。結果が、表8に記載される。
Figure 0006118392
提供するデータによると、得られるペプチドは、疼痛反応の第2ピークの防止に効果的である。
よって、実施例により、上述の通り、高い鎮痛作用を有する提案されるペプチドの製造の可能性が証明された。また、カルシトニンのN末端での天然断片に存在しないL−Tyrアミノ酸配列の付加を有するペプチドが、疼痛反応の第2ピークの防止に、より効果的である。本発明の技術的結果は、非麻薬性の鎮痛作用を有する安定な鎮痛剤の製造のための基礎となると考えられる、提案されたペプチドの高い鎮痛作用及び耐性である。

Claims (1)

  1. 非麻薬性の鎮痛作用を有する麻酔薬としての一般式1[SEQ ID NO:1]の合成ペプチドか、又は一般式2[SEQ ID NO:2]でのL型アミノ酸のD型アミノ酸による置換及びD型アミノ酸のL型アミノ酸による置換を有するアミノ酸の逆配列を有する一般式(I)のレトロインバーソ型ペプチドであり、
    前記一般式1[SEQ ID NO:1]は、
    H-XDL-XDL1-XDL2-L-Lys-L-Leu-XDL3-L-Thr-R2(I)であり、ここで:
    Hは、水素であり、
    XDLは、アミノ酸が欠如しているか又はL-Tyrであり、
    XDL1は、次のアミノ酸のうちの1つであり:L-Leu、L-Ala又はD-Ala、
    XDL2は、次のアミノ酸のうちの1つであり:D-His、L-Ala又はD-Ala、
    XDL3は、次のアミノ酸であり:L-Gln;
    R2は、OMe又はNH2であるか、
    前記一般式2[SEQ ID NO:2]は、
    H-D-Thr-XDL4-D-Leu-D-Lys-XDL5-XDL6-XDL7-R2(II)であり、ここで:
    Hは、水素であり、
    XDL4は、次のアミノ酸であり:D-Gln;
    XDL5は、次のアミノ酸のうちの1つであり:L-His、D-Ala又はL-Ala、
    XDL6は、次のアミノ酸のうちの1つであり:D-Leu、D-Ala又はL-Ala、
    XDL7は、アミノ酸が欠如しているか又はD-Tyrであり、
    R2は、OMe又はNH2であることを特徴とする、
    前記一般式1[SEQ ID NO:1]の合成ペプチドか、又は前記一般式2[SEQ ID NO:2]でのL型アミノ酸のD型アミノ酸による置換及びD型アミノ酸のL型アミノ酸による置換を有するアミノ酸の逆配列を有する一般式(I)のレトロインバーソ型ペプチド。
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