JP6118235B2 - 鱗片状微粉体の製造方法および鱗片状微粉体の製造装置 - Google Patents

鱗片状微粉体の製造方法および鱗片状微粉体の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属または金属化合物の鱗片状微粉体の製造方法および鱗片状微粉体の製造装置に関する。
従来、金、銀、アルミニウム等の金属粉は塗料に混合され金属光沢を有する塗料の製造に用いられている。また、最近では電子デバイス等に使用される導電性ペーストや、紫外線遮蔽ほかの各種機能性材料の原料として、高品質の金属粉または金属化合物粉が産業界に欠かせないものとなってきている。
金属粉の製造方法としては、アトマイズ法、電解法、化学的還元法等の方法が知られているが、これらの方法では、厚みの極めて薄い扁平な形状、いわゆる鱗片状の金属粉を得ることは困難である。
鱗片状の粉体を製造する方法としては、真空蒸着法を用いる方法が知られている。真空蒸着法により鱗片状の粉体を製造する方法としては、ベースフィルム上に、水または有機溶剤などの溶剤で溶解除去可能な樹脂などの剥離層を形成し、その上に金属または金属化合物を蒸着し、ベースフィルムから剥離層と蒸着層を一体的に剥離し、次いで溶剤中で粉砕して鱗片状の粉体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
また、真空蒸着法やスパッタリング法などの物理蒸着法により、金属または金属化合物などのナノ粒子前駆体をイオン性液体に付着させてナノ粒子を製造する、ナノ粒子の製造方法が、知られている(例えば、特許文献2)。
特表2005−538234号公報 特開2007−231306号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示のような方法では、樹脂などの剥離層および溶剤を回収し再利用することが困難であり、また、剥離した蒸着層には樹脂などの剥離層の一部が残存し、純度の高い鱗片状の粉体を得にくいという課題がある。また、上記の特許文献2に開示の方法は、使用するイオン性液体が液状であるために、得られるナノ粒子の形状は粒状や針状または不定形であり、鱗片状の粉体は得られないという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するもので、剥離層を回収し再利用することが可能であり、また、純度の高い鱗片状の粉体を高収率で生産性良く得ることができる、鱗片状微粉体の製造方法および鱗片状微粉体の製造装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の鱗片状微粉体の製造方法は、真空槽内において、エンドレスベルトを連続的に搬送するとともに、前記エンドレスベルトの表面にイオン性液体を形成する塗布工程と、前記イオン性液体の上に金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜工程と、前記エンドレスベルトから前記イオン性液体と前記薄膜とを剥離する剥離工程とを、連続して複数回繰り返して行うものであり、前記イオン性液体は、融点が50℃以上150℃以下であり、前記塗布工程は、融点以上の温度に保たれた前記イオン性液体を蓄えた浴槽からエンドレスベルトを引き上げることにより行うものであり、前記剥離工程は、前記浴槽にエンドレスベルトを浸漬することにより行うものであることを特徴とする。
そして、本発明の鱗片状微粉体の製造装置は、エンドレスベルトと、このエンドレスベルトを搬送する搬送手段と、前記エンドレスベルトの表面にイオン性液体を形成する塗布手段と、前記イオン性液体の上に金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜手段と、前記エンドレスベルトから前記イオン性液体と前記薄膜とを剥離する剥離手段とを、真空槽内に備えたものであり、前記塗布手段は、融点以上の温度に保たれた前記イオン性液体を蓄えた浴槽からエンドレスベルトを引き上げることにより行うものであり、前記剥離手段は、前記浴槽にエンドレスベルトを浸漬することにより行うものであることを特徴とする。
本発明の鱗片状微粉体の製造方法によれば、薄膜を積層する下地の剥離層として、融点が50℃以上150℃以下のイオン性液体を用いることにより、このイオン性液体は薄膜の形成時には固体状であるので、容易に薄膜が形成できる。そして、イオン性液体を形成する塗布工程と金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜工程とエンドレスベルトからイオン性液体と薄膜とを剥離する剥離工程とを連続して複数回繰り返して行うので、純度の高い鱗片状微粉体の高濃縮液を高収率で生産性良く製造することができる。また、溶剤を使用しないので、剥離層として用いたイオン性液体は、容易に回収し再利用することが可能である。
そして、本発明の鱗片状微粉体の製造装置によれば、比較的コンパクトな構造で、上記の本発明の鱗片状微粉体の製造方法が実現でき、純度の高い鱗片状微粉体の高濃縮液を高収率で生産性良く製造することができる。
本発明の一実施の形態における鱗片状微粉体の製造装置の概略構成図である。
本発明の鱗片状微粉体の製造方法および鱗片状微粉体の製造装置について、以下に詳細に説明する。
本発明の鱗片状微粉体の製造方法は、真空槽内において、エンドレスベルトを連続的に搬送するとともに、前記エンドレスベルトの表面にイオン性液体を形成する塗布工程と、前記イオン性液体の上に金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜工程と、前記エンドレスベルトから前記イオン性液体と前記薄膜とを剥離する剥離工程とを、連続して複数回繰り返して行うものであり、前記イオン性液体は、融点が50℃以上150℃以下であり、前記塗布工程は、融点以上の温度に保たれた前記イオン性液体を蓄えた浴槽からエンドレスベルトを引き上げることにより行うものであり、前記剥離工程は、前記浴槽にエンドレスベルトを浸漬することにより行うものである構成としたものである。本発明の鱗片状微粉体の製造方法について、以下に、本発明の鱗片状微粉体の製造装置とともに、これらの構成および工程の詳細を順に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における鱗片状微粉体の製造装置の概略構成図である。図1の製造装置は、エンドレスベルト11と、このエンドレスベルト11を搬送する搬送手段12と、エンドレスベルト11の表面にイオン性液体を形成する塗布手段13と、イオン性液体の上に金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜手段14と、エンドレスベルト11からイオン性液体と薄膜とを剥離する剥離手段15とを、真空槽10内に備えている。
図1の製造装置において、真空槽10は、イオン性液体室17と成膜室18とが断熱のための仕切り板16により分離されている。イオン性液体室17は、図示していない真空弁、排気管を経て真空排気ポンプにより所望の真空度に排気される。成膜室18も、図示していない真空弁、排気管を経て真空排気ポンプによりイオン性液体室17と同様に所望の真空度に排気される。
エンドレスベルト11は、文字通り終端のないループ状であり、金属または金属化合物の薄膜を、この上に連続的に形成し剥離するための基材として機能する。エンドレスベルト11の材質は、金属ベルト、ゴムベルト、プラスチックフィルム、金属またはプラスチックフィルムにゴムをラミネートしたベルト等が利用可能である。プラスチックフィルムの場合は、耐久性に劣るので、定期的にエンドレスベルトを交換するか、繊維強化プラスチック等で耐久性を向上させることが望ましい。また、厚さほか寸法形状は、特に限定されるものではなく、装置の搬送系のトルクや張力等に応じて適宜決定すれば良い。
搬送手段12は、エンドレスベルト11を搬送し連続走行させるものであり、冷却ドラム20、冷却ドラム21、搬送ロール22、回転ドラム23、および加熱ロール24などを回転することにより構成されている。
塗布手段13は、エンドレスベルト11の表面に、金属または金属化合物の薄膜を形成する下地の剥離層となるイオン性液体を形成するものである。塗布手段13としては、加熱ロール24により加熱され融点以上の温度に保たれたイオン性液体26を蓄えた浴槽27からエンドレスベルト11を引き上げることにより行う。そして、エンドレスベルト11の表面に塗布されたイオン性液体26は、ワイヤバー25により所望の厚さに調整された後、冷却ドラム21およびクライオパネル28と熱交換ガス導入口29からの冷却ガスにより冷却されて、固体状の塗膜として形成される。
成膜手段14は、製造目的とする鱗片状の微粉体を得るために、上記エンドレスベルト11上のイオン性液体26の固体状塗膜の表面に、鱗片状微粉体の材料の薄膜を形成するものである。成膜手段14としては、例えば、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリング法などの物理蒸着法(PVD法)により、蒸着源30から冷却ドラム20に向けて鱗片状微粉体の材料を蒸発させ、エンドレスベルト11上のイオン性液体26の固体状塗膜の表面に薄膜を形成する。また、成膜時のエンドレスベルト11の温度を低く保つために、イオン性液体室17と同様に、成膜室18にクライオパネル28と熱交換ガス導入口29を設けることもできる。
剥離手段15は、上記の塗布手段13および成膜手段14により、エンドレスベルト11上に形成したイオン性液体26および金属または金属化合物の薄膜を、エンドレスベルト11から剥離してイオン性液体26と薄膜とを回収するものである。剥離手段15としては、上記塗布手段13と同一のイオン性液体26を蓄えた浴槽27を用い、この浴槽27にエンドレスベルト11を浸漬する。これにより、エンドレスベルト11上の固体状塗膜であるイオン性液体26が液状化し、金属または金属化合物の薄膜は、エンドレスベルト11からイオン性液体26とともに剥離して、回収される。また、より高い回収率を実現するために、剥離手段として、さらに、薄膜をかき落とす刷毛や超音波振動等の方法を追加するほか、浴槽27をいくつかの槽に仕切って、剥離した薄膜が他の槽へ移動拡散するのを防ぐことが、より好ましい。
以下に、図1の製造装置を用いた本発明の一実施の形態における鱗片状微粉体の製造方法について、詳細に説明する。
まず、鱗片状微粉体の製造方法における塗布工程について説明する。塗布工程においては、エンドレスベルト11の表面にイオン性液体26を形成する。
本発明の製造方法においては、金属または金属化合物の薄膜を形成する下地の剥離層として、イオン性液体を用いる。そして、本発明で用いるイオン性液体は、薄膜の形成時には固体状であることが必須であり、これにより、この固体状のイオン性液体の上に、容易に薄膜が形成できる。このため、本発明で用いるイオン性液体は、常温で固体状であることが望ましく、融点が50℃以上であることが望ましい。また、後述するように、剥離工程において、このイオン性液体を融点以上に加熱して、イオン性液体とともに薄膜を基材であるエンドレスベルト11から剥離するので、イオン性液体の融点は150℃以下であることが望ましい。したがって、本発明で用いるイオン性液体は、融点が50℃以上150℃以下であることが望ましい。
融点が50℃以上150℃以下であるイオン性液体としては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルフォネート(融点75〜80℃)、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムエチルサルファート(融点67℃)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(融点80℃)、1−メチルイミダゾリウムクロライド(融点75℃)、トリブチルエチラモニウムメチルサルファート(融点62℃)、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムメチルサルファート(融点113℃)、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルフォニ)イミド(融点94℃)、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(融点55℃)、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(融点70℃)、1−ブチル−1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロクチル)イミダゾリウムヘキサフルオロフォスフォン(融点120℃)、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド(融点89℃)、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフォネート(融点136℃)、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(融点77℃)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド(融点77℃)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド(融点53℃)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフォネート(融点62℃)、1−メチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロクチル)イミダゾリウムヘキサフルオロフォスフォネート(融点80℃)、1−ブチルピリジミウムブロマイド(融点105℃)、1−ブチル−4−メチルピリジニムブロマイド(融点135℃)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムクロライド(融点114℃)、テトラブチルアンモニウムベンゾネート(融点64℃)、テトラブチルアンモニウムメタンスルフォネート(融点78℃)、テトラブチルアンモニウムノナフルオロブタンスルフォネート(融点50℃)、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート(融点90℃)、テトラオクチルアンモニウムクロライド(融点50℃)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(融点102℃)、テトラエチルアンモニウムトリフルオロアセテート(融点74℃)、テトラヘプチルアンモニウムブロマイド(融点89℃)、テトラヘキシルアンモニウムブロマイド(融点97℃)、テトラヘキシルアンモニウムイオダイド(融点99℃)、テトラオクチルアンモニウムブロマイド(融点95℃)、テトラブチルフォスフォニウムメタンスルフォネート(融点59℃)、テトラペンチルアンモニウムブロマイド(融点99℃)、テトラブチルフォスフォニウムテトラフルオロボレート(融点96℃)、テトラブチルフォスフォニウム−p−トルエンスルフォネート(融点54℃)、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド(融点102℃)、テトラブチルフォスフォニウムクロライド(融点62℃)、トリブチルヘキサデシルフォスフォニウムブロマイド(融点57℃)などが、好適なイオン性液体として挙げられる。
エンドレスベルト11の表面にイオン性液体を形成する方法としては、上記した図1の製造装置の塗布手段13により行う。塗布手段13としては、加熱ロール24により加熱され融点以上の温度に保たれたイオン性液体26を蓄えた浴槽27からエンドレスベルト11を引き上げることにより行う。そして、エンドレスベルト11の表面に塗布されたイオン性液体26は、ワイヤバー25により所望の厚さに調整された後、冷却ドラム21により冷却されて、固体状の塗膜として形成される。
形成するイオン性液体の厚さとしては、50nm〜5000nmの範囲が好ましい。50nm未満ではイオン性液体の固体状塗膜に被覆欠陥が発生しやすく、この上に形成する金属または金属化合物の薄膜の回収率が低下し、5000nmを超えると、イオン性液体の固体状塗膜が剥離しやすくなり、同様に回収率が低下するからである。
次に、鱗片状微粉体の製造方法における成膜工程について説明する。成膜工程においては、エンドレスベルト11上のイオン性液体26の表面に金属または金属化合物の薄膜を形成する。
イオン性液体の表面に形成する薄膜の材料は、本発明において製造の目的とする鱗片状微粉体の材料の種類であり、金属または金属化合物である。金属または金属化合物は、特に限定されるものではないが、金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、インジウム、アルミニウム、鉄、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、コバルト、モリブデン、亜鉛、バナジウム、タングステン、チタン、マンガン、クロム、ケイ素などが挙げられる。また、金属化合物としては、例えば、ITO、In、SiO、SnO、Ta、TiO、BaTiOなどの酸化物、ZnS、CdSなどの硫化物が挙げられる。また、これらの物質は、単体のほか複合物または積層物として形成することもできる。
金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜方法は、目的とする鱗片状微粉体の材料の種類や厚みによって選択することが好ましく、周知の化学蒸着法(CVD法)や物理蒸着法(PVD法)などの乾式成膜法が利用できる。これらのうち、薄膜をバルク材料から比較的簡単な系で直接形成できるので、例えば、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリング法などの物理蒸着法(PVD法)が好ましい。そして、成膜時の雰囲気の温度がイオン性液体の融点以下であれば、薄膜が得られ、回収される粉体は、鱗片状となる。
成膜する薄膜の厚みは、10nm以上1000nm以下の厚みであることが本発明の趣旨から好ましい。これは、10nm以下であると、得られる微粉体が略粒状となってしまい、所望する鱗片状の微粉体を得ることができないからであり、1000nmを超えてしまうと、得られる粉体のサイズが大きくなりすぎ、微粉体により得られる種々の効果を得られないからである。
次に、鱗片状微粉体の製造方法における剥離工程について説明する。剥離工程においては、上記の成膜工程で得た金属または金属化合物の薄膜を、エンドレスベルト11からイオン性液体26とともに剥離する。
薄膜を、エンドレスベルト11からイオン性液体26とともに剥離する方法としては、上記した図1の製造装置の剥離手段15により行う。剥離手段15としては、上記塗布工程における塗布手段13と同一のイオン性液体26を蓄えた浴槽27を用い、この浴槽27にエンドレスベルト11を浸漬することにより、エンドレスベルト11上の固体状塗膜であるイオン性液体26が液状化するので、金属または金属化合物の薄膜は、エンドレスベルト11から剥離してイオン性液体26とともに回収される。
そして、本発明の鱗片状微粉体の製造方法においては、上記の、イオン性液体を形成する塗布工程、金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜工程、および、エンドレスベルトからイオン性液体と薄膜とを剥離する剥離工程を、連続して複数回繰り返して行う。これにより、純度の高い鱗片状微粉体の高濃縮液を高収率で生産性良く製造することができる。
以上説明したように、本発明の鱗片状微粉体の製造方法によれば、薄膜を積層する下地の剥離層として、融点が50℃以上150℃以下のイオン性液体を用いることにより、このイオン性液体は薄膜の形成時には固体状であるので、容易に金属または金属化合物の薄膜が形成できる。そして、塗布工程と成膜工程と剥離工程とを連続して複数回繰り返して行うので、純度の高い鱗片状微粉体の高濃縮液を高収率で生産性良く製造することができる。また、溶剤を使用しないので、剥離層として用いたイオン性液体は、容易に回収し再利用することが可能である。
また、本発明の鱗片状微粉体の製造装置によれば、比較的コンパクトな構造で、上記の本発明の鱗片状微粉体の製造方法が実現でき、純度の高い鱗片状微粉体の高濃縮液を高収率で生産性良く製造することができる。
なお、本発明の鱗片状微粉体の製造方法においては、上記の塗布工程、成膜工程、および剥離工程を複数回繰り返して、鱗片状微粉体の高濃縮液を得た後に、イオン性液体と薄膜とを分離して薄膜を回収する分離回収工程を備えることが好ましい。薄膜の分離および回収は、上記の鱗片状微粉体の高濃縮液中に分散した薄膜を、例えば、遠心分離法等によって分離回収することができる。
また、本発明の鱗片状微粉体の製造方法においては、上記の分離回収工程の後に、薄膜を粉砕する粉砕工程を備えることが好ましい。粉砕工程では、上記の剥離工程または分離回収工程で得られた粗粉状の薄膜をさらに粉砕することにより、所望の寸法形状の鱗片状微粉体とすることができる。
本発明の製造方法により得られる鱗片状微粉体の寸法形状としては、面における最も長い端から端の長さの平均値である平均長径が0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、上記のように厚みは10nm以上1000nm以下が好ましい。そして、平均長径および厚みがこれらの範囲であって、かつ、厚みに対する平均長径の比であるアスペクト比が20以上であるものとすると、好ましい鱗片状微粉体となる。この寸法形状の鱗片状微粉体は、例えば、インクや塗料、化粧料等に含有させて使用した場合、表面に微粉体が浮き出てしまうこともなくその表面は滑らかで、塗料であれば滑らかな鏡面状の金属光沢等を付与でき、化粧料では高級ラメ感等を呈することができる。
粉砕工程における薄膜を粉砕する方法としては、一般的な機械的粉砕方法が使用でき、例えば、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、ビーズミル等による機械的粉砕方法が挙げられる。この粉砕は、水中またはアルコール等の溶媒中で行ってもよい。
以上説明した本発明の鱗片状微粉体の製造方法により、純度の高い鱗片状の微粉体を高収率で生産性良く製造することができる。また、インクや塗料、化粧料等に含有させて使用した場合、望ましい効果が得られる形状の鱗片状微粉体を製造することができる。
本発明に係る鱗片状微粉体の製造方法は、純度の高い鱗片状の微粉体を高収率で生産性良く製造することができ、また、溶剤を使用しないので、剥離層として用いたイオン性液体は容易に回収し再利用することが可能になるので、鱗片状微粉体の製造方法として、産業上有用である。
10 真空槽
11 エンドレスベルト
12 搬送手段
13 塗布手段
14 成膜手段
15 剥離手段
16 仕切り板
17 イオン性液体室
18 成膜室
20、21 冷却ドラム
22 搬送ロール
23 回転ドラム
24 加熱ロール
25 ワイヤバー
26 イオン性液体
27 浴槽
28 クライオパネル
29 熱交換ガス導入口
30 蒸着源

Claims (3)

  1. 真空槽内において、エンドレスベルトを連続的に搬送するとともに、前記エンドレスベルトの表面にイオン性液体を形成する塗布工程と、前記イオン性液体の上に金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜工程と、前記エンドレスベルトから前記イオン性液体と前記薄膜とを剥離する剥離工程とを、連続して複数回繰り返して行うものであり、前記イオン性液体は、融点が50℃以上150℃以下であり、前記塗布工程は、融点以上の温度に保たれた前記イオン性液体を蓄えた浴槽からエンドレスベルトを引き上げることにより行うものであり、前記剥離工程は、前記浴槽にエンドレスベルトを浸漬することにより行うものであることを特徴とする鱗片状微粉体の製造方法。
  2. 前記イオン性液体と前記薄膜とを分離して前記薄膜を回収する分離回収工程と、前記薄膜を粉砕する粉砕工程とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の鱗片状微粉体の製造方法。
  3. エンドレスベルトと、このエンドレスベルトを搬送する搬送手段と、前記エンドレスベルトの表面にイオン性液体を形成する塗布手段と、前記イオン性液体の上に金属または金属化合物の薄膜を形成する成膜手段と、前記エンドレスベルトから前記イオン性液体と前記薄膜とを剥離する剥離手段とを、真空槽内に備えたものであり、前記塗布手段は、融点以上の温度に保たれた前記イオン性液体を蓄えた浴槽からエンドレスベルトを引き上げることにより行うものであり、前記剥離手段は、前記浴槽にエンドレスベルトを浸漬することにより行うものであることを特徴とする鱗片状微粉体の製造装置。

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