JP6117889B1 - 治療方針決定のためのデータを提供する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】動脈血管における石灰化による狭窄部位の治療の際に、施術者の主観によることなく、客観的なデータから治療方針を決定する方法を確立し、石灰化の進行具合に応じた適切な方針で患者への治療を行えるようにするためのデータを提供する。【解決手段】動脈血管をCT撮影し、曲面任意多断面再構成画像を作成することにより該動脈血管における狭窄部位を特定する。狭窄部位の血管内腔中心に設定した関心領域(A)におけるCT値の平均値が、予め設定したカットオフ値C1以上の場合に、該狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であると判定する。更に、狭窄部位の血管内腔中心に設定したより面積の広い関心領域におけるCT値の最大値が、予め設定したカットオフ値C2以上であり、かつ、狭窄部位における石灰化が全周性又は閉塞性である場合に、該狭窄部位のある動脈血管を拡張することが不可能であると判定する。【選択図】図5

Description

本発明は、動脈血管における石灰化による狭窄部位の治療方針決定のためのデータを提供する方法に関し、更に詳しくは、動脈血管をコンピュータ断層撮影(CT撮影)することにより測定されたCT値等を用いて石灰化の硬度評価を行うことにより、施術前に治療方針を決定するためのデータを提供する方法に関する。
動脈血管の石灰化は、血管壁へカルシウムが沈着することが原因で起こり、動脈血管の狭窄・閉塞を引き起こし、これにより、血流が妨げられ、様々な症状を引き起こす。
石灰化等により、手足の動脈(末梢動脈)に狭窄・閉塞部位ができ、血流が妨げられる末梢動脈疾患(PAD)は、手足のしびれ、痛み等を引き起こし、症状が進行すると、皮膚の潰瘍や壊死を引き起こす。
末梢動脈疾患(PAD)の治療方法としては、血管拡張薬、抗凝固薬等の薬物による薬物療法;筋肉運動により、血流を迂回させる側副血行路を発達させる理学療法;血管拡張術、アテレクトミー等の血管内治療法;バイパス手術等の外科的血行再建術;等がある。
症状が進行した場合は、薬物療法や理学療法だけでは十分ではなく、血管内治療法や外科的血行再建術が必要となる場合が多い。
血管拡張術は、近年使用されることが多くなってきた低侵襲な治療方法である。血管拡張術には、狭窄部位にバルーンを通し、空気圧によりバルーンを膨らませることにより拡張するバルーン拡張術や、金属の網であるステントを、膨らませて拡張した狭窄部位に留置するステント留置術がある。血管拡張術は、鼠径・肘・手首等の血管から、カテーテル(中空管)を挿入して行われるため、バイパス手術のように、患部を切開することがない。このため、患者にかかる肉体的・精神的な負担が少なく、また、施術が短時間で済み、長期入院の必要も無い。
アテレクトミーは、ロータブレーター(登録商標)等の器具で、狭窄部位の病変を削り取ったりして、病変を除去する方法である。石灰化が高度に進行した場合、血管拡張術では、十分に狭窄部位を拡張することができず、また、再狭窄が起こる可能性も高いため、病変自体を取り除くアテレクトミーが有効な方法ではある。
しかし、アテレクトミーは、比較的大掛かりな施術であり、高度な技術力を持つ施術者(なお、本明細書における「施術者」とは、施術を行う医師に限られることなく、看護師、診療放射線技師等の患者の治療に関与する者全てをいう。)が、一定の基準を満たした認定施設で行う必要がある。また、アテレクトミーに使用されるデバイスは特殊なデバイスであるため、高価であったり、入手が困難であったりする場合が多い。
血管拡張術やアテレクトミーを行う際には、血管内に、まず、ガイドワイヤーを先行して挿入し、ガイドワイヤーに導かれてカテーテル等のデバイスが進行する。ガイドワイヤーは、デバイスを目的部位まで誘導するために使用される。
しかしながら、石灰化が高度に進行し、狭窄部位の病変が硬くなっている場合、狭窄部位をガイドワイヤーが通過することができない場合があり、このような場合、血管拡張術やアテレクトミーによる治療はそもそも行うことができない。
また、ガイドワイヤーが狭窄部位を通過できたとしても、石灰化がある程度進行していると、ガイドワイヤーよりも通過しにくいバルーンカテーテル・ステント等は通過できず、血管拡張術を行なえなかったり、拡張が不十分なため再狭窄のリスクを残してしまったりする場合が多い。
このような問題に対応するために、狭窄部位を通過しやすいガイドワイヤー(特許文献1)やデバイス(特許文献2)の開発が進められているが、このようなガイドワイヤーやデバイスをもってしても、石灰化が高度に進行している場合には、血管拡張術を十分に行うことができない。
そこで、治療を進める際には、狭窄部位における石灰化の状況を予め把握し、適した治療方法を予め選択することが重要となる。
このため、超音波エコーや、CT撮影等により、予め狭窄部位の画像を把握しておく必要があり、石灰化が深刻な場合は、血管拡張術を断念し、他の治療法を模索する必要がある。
CT撮影は、物質によるX線の吸収の程度の違いを利用して対象の内部を画像化する方法である。X線の吸収の程度は、CT値(単位はHU:ハンスフィールドユニット)で表現され、水を0HU、空気を−1000HUとして、CT値が定義される。
通常、脂肪は−50HU、血液は50HU、骨は800HU程度であり、石灰化が進行した部位は血液に比べて大幅に大きいCT値を示すので、CT撮影では、石灰化部位を容易に抽出できる。
これに対して、超音波エコーによる検査は、血管内部が石灰化している場合、音響陰影が発生するために評価が難しい。
このため、石灰化が原因の狭窄の場合、超音波エコーよりもCT撮影が使用される傾向にある。
従来、CT撮影を使用した石灰化の進行具合(硬度)の施術前評価は、VR(Volume Rendering)画像や、MIP(Maximum Intensity Projection)画像といった、視覚的に石灰化の進行度を把握しやすいCT画像が使用され、施術を行う医師がCT画像を見て、単に画像上の狭窄部位や閉塞部位の確認のみを視覚的に(目視で)行うことで、石灰化の進行度を感覚的に捉え、治療方針が決定されてきた。
石灰化部位の治療方針の決定にあたっては、TASC II等のガイドラインは存在するが、境界上の事例については「血管内治療法を推奨する」等の表現にとどまり、最終的には医師の感覚により決定されている。
しかしながら、医師の感覚に頼った方法では、個々の医師により主観が異なり、正確に石灰化の状況を把握するのは困難である。VR画像やMIP画像を見て、主観で血管拡張術による治療が可能と判断したものの、実際には予想以上に石灰化が進行しており、途中でガイドワイヤーが通過できなくなったり、ガイドワイヤーは通過できたものの血管の拡張が不可能又は不十分となったりする場合があった。
このような場合、使用したガイドワイヤーやカテーテルが無駄になるだけでなく、患者に無用な不安を与えることにもなりかねない(血管拡張術は、一般に、局所麻酔にて行われる)といった問題が生じる。
血管拡張術を断念する場合、アテレクトミーによる治療が適切なケースもあるが、アテレクトミーを行う場合は、高度な技術力を持つ施術者や、特殊デバイスの確保に時間がかかってしまうという問題がある。また、アテレクトミーは、認定施設で行う必要があるため、転院等が必要となる場合もある。
このため、施術者の主観に頼ることなく、治療方針を決定できる方法の開発が望まれていた。
特開平7−080076号公報 特開2005−296078号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、動脈血管における石灰化による狭窄部位の治療の際に、施術者の主観によることなく、客観的なデータから治療方針を決定する方法を確立し、石灰化の進行具合に応じた適切な方針で患者への治療を行えるようにするためのデータを提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、一定の撮像条件にて得られたCT画像から、CT値を算出し、カットオフ値を特定の値に定めることにより、ガイドワイヤーを狭窄部位に確実に通過させることができ、また、血管の拡張を十分効果的に行えることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、動脈血管における石灰化による狭窄部位の治療方針決定のためのデータを提供する方法であって、
該動脈血管をCT撮影し、曲面任意多断面再構成画像を作成することにより該動脈血管における狭窄部位を特定し、
該狭窄部位の血管内腔中心に関心領域(A)を設定し、関心領域(A)におけるCT値の平均値を算出し、
関心領域(A)におけるCT値の平均値が、予め設定したカットオフ値C以上の場合に、該狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であると判定することを特徴とする、治療方針決定のためのデータを提供する方法を提供するものである。
また、本発明は、上記狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が可能であると判定した場合に、更に、
該狭窄部位の血管内腔中心に、関心領域(A)よりも面積の広い関心領域(B)を設定し、関心領域(B)におけるCT値の最大値を算出し、
関心領域(B)におけるCT値の最大値が、予め設定したカットオフ値C以上であり、かつ、該狭窄部位における石灰化が全周性又は閉塞性である場合に、該狭窄部位のある動脈血管を拡張することが不可能であると判定する上記の治療方針決定のためのデータを提供する方法を提供するものである。
また、本発明は、上記の治療方針決定のためのデータを提供する方法用のアプリケーションソフトウェアであって、
予めカットオフ値Cを入力する手段と、曲面任意多断面再構成画像の作成により算出された関心領域(A)におけるCT値の平均値を入力する手段とを有し、
上記狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であるか否かを自動的に判定し出力する手段を有することを特徴とするアプリケーションソフトウェアを提供するものである。
本発明によれば、CT装置を用いて撮影した画像よりCT値を測定することにより、狭窄部位の病変の硬度を予測することができる。これにより、施術前に治療方針を決定することができる。すなわち、血管内治療法を採用するか切開手術(外科的血行再建術)を採用するか、更には、上記血管内治療法を採用すると決定した場合には、バルーン拡張術及び/又はステント留置術による血管拡張術を採用するか、アテレクトミーを採用するか等を決定することができる。
本発明の方法では、測定されたCT値という客観的なデータを使用して、治療方針を決定するので、施術者により治療方針が異なるということがない。一般に、治療は、医師だけでなく、多くの施術者で構成される医療チームによって行われる。本発明のように、治療方針の基準を指標化することにより、医療チーム内で治療に関する情報を共有することができ、治療を効率的に進めることができる。
また、施術者の感覚に頼っていた従来の方法では、血管内に適当なガイドワイヤーやデバイスを通してみたものの、狭窄部位においてガイドワイヤーが通過できなかったり、血管の拡張を十分に行えなかったりし、治療方針の変更を要する場合があった。かかる場合、医療材料が無駄に消費される、患者に無用な負担・不安を与える等の問題があったが、本発明によれば、このような問題を解決できる。
また、石灰化が高度に進行している場合等、血管拡張術によることなく、最初から外科的血行再建術を選択するのが適切な場合があるが、このような場合に、血管拡張術を何度も繰り返すと、将来的に行う外科的血行再建術に影響を及ぼすという可能性がある。
本発明の方法によれば、血管拡張術が適切に行えるか否か事前に判断することができるため、このようなリスクを減らすことができる。
更に、本発明は、医療材料の無駄な使用を減らすことができる、手技時間を短縮できる、アテレクトミー又は「バイパス手術等の外科的血行再建術」をせざるを得ないか否かを判断できる、アテレクトミーのような特殊な施術が必要な場合に事前に特殊デバイスの準備を行うことができる、等の効果を奏し、患者側にとっても、施術を行う病院側にとっても、本発明は大きな利益をもたらす。
末梢動脈疾患(PAD)患者の大腿部のCurved−MPRの一例である。 動脈血管の石灰化による狭窄部位の断面を示す模式図である。 狭窄部位における関心領域の設定の仕方を示す模式図である。 本発明の方法を実施するために使用することのできるアプリケーションソフトウェアの一例である。 評価例における関心領域(A)のCT値の平均値の算出結果である。 評価例における関心領域(B)のCT値の最大値の算出結果である。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
本発明は、動脈血管における石灰化による狭窄部位の治療方針決定のためのデータを提供する方法である。
動脈血管は、狭窄部位ができやすく、血管拡張術による治療を行うことのできる血管であれば、特に限定はなく、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈、鎖骨下動脈、上肢動脈、腹腔動脈、腸間膜動脈、腎動脈、下肢動脈等の血管が挙げられる。
このうち、血管拡張術による治療の需要が大きい等の理由から、下肢動脈血管は、本発明を好適に適用することができる。
本発明は、施術を行う医師に対して、データを提供するものである。本発明を適用することにより、従来のように医師の主観に頼って治療方針を決定するのではなく、CT値等の客観的なデータから治療方針を決定することができる。
<動脈血管内における狭窄部位の特定>
本発明では、動脈血管をCT撮影し、曲面任意多断面再構成画像(Curved Multi−Planner Reconstruction:Curved−MPR)を作成することにより該動脈血管における狭窄部位を特定する。
曲面任意多断面再構成画像(Curved−MPR)は、3次元的に収集されたCTデータを任意の断面で切断した任意断面再構成画像(Multi−Planner Reconstruction:MPR)のうち、任意の曲面に沿ったMPRである。
Curved−MPRでは、血管中心に沿って展開する画像を作成することができるので、目的血管内の内部構成が確認しやすい。
図1は、末梢動脈疾患(PAD)患者の大腿部のCurved−MPRの一例である。図1においては、浅大腿動脈3において、大腿深動脈2との分岐点の少し下方に、大きな白い部分を見て取ることができ、この白い部分が、石灰化が進行した狭窄部位(病変部)Dと特定できる。
本発明は、Curved−MPRの作成の仕方に特徴があるわけではなく、Curved−MPRの作成には公知の作成方法を使用することができる。
<ガイドワイヤーの通過の可否の判定>
本発明では、血管内の石灰化による狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過の可否を判定する。血管拡張術やアテレクトミーを行う際には、各種デバイスを挿入する前に、デバイスを目的部位まで誘導するためのガイドワイヤーを挿入する必要がある。ガイドワイヤーが狭窄部位を通過できないと判定した場合は、血管拡張術やアテレクトミーによる治療はそもそも行うことができないので、バイパス手術等の別の方法での治療を目指すことになる。
ガイドワイヤーの通過の可否の判定の際には、Curved−MPRにより特定した狭窄部位(病変部)の血管内腔中心に関心領域(A)を設定し、関心領域(A)におけるCT値の平均値を算出する。
「血管内腔中心」とは、血管壁の内部において、血流が確保されている部分(血管内腔)の中心をいう。石灰化等による狭窄は、必ずしも周方向に均一に起こるわけではないので、「血管内腔中心」は「血管の中心」と必ずしも一致するわけではない。
血管の中心付近が石灰化により硬くなっていたとしても、血管の中心から外れた部分に、石灰化していない部分がある程度あれば、ガイドワイヤーは通過することができる。よって、本発明において、ガイドワイヤーの通過の可否の判定にあたっては、血管の中心ではなく、血管内腔中心に関心領域(Region of Interest:ROI)を設定する。
例えば、図2(b)では、血管壁13の内部において、石灰化部分12は、血管壁の内壁の全周に及んでおり(以下、このような状態を「全周性の石灰化」、又は、単に「全周性」という)、石灰化部分12の内部に、石灰化しておらず血流が確保されている部分(すなわち、血管内腔11)が存在する。血管内腔中心11Aは、円形の血管内腔11の中心であるが、血管の中心からは外れている。
また、図2(a)では、血管壁13の内部において、石灰化部分12は、血管壁の内壁の全周に及んでおらず(以下、このような状態を「非全周性の石灰化」、又は、単に「非全周性」という)、血管壁の内壁付近にも、血流が確保されている部分(すなわち、血管内腔11)がある。血管内腔中心11Aは、血管内腔11の中心であり、血管の中心から外れている。
血管内腔中心は、例えば、Curved−MPRで走る横断面の中心線と、前後の断面像の内腔中心を見ながら内腔(血流)を予想して目視で線を引いて決定する。
また、血管壁の内部の全体が石灰化している場合があり(図示せず)、このような状態を「閉塞性の石灰化」、又は、単に「閉塞性」という。
狭窄部位の血管内腔中心に設定する関心領域(A)の形状に特に限定はなく、円形、楕円形、矩形等が挙げられる。血管内腔中心から関心領域(A)の外周までの距離が一定であり、石灰化部分の形状による影響を受けにくいことから、関心領域(A)は、図3に示すように、血管内腔中心11Aを中心とする円形領域14であることが好ましい。
関心領域(A)を設定したら、関心領域(A)におけるCT値の平均値を算出する。該平均値の算出方法は、常法を用いることができる。
関心領域(A)におけるCT値の平均値が、予め設定したカットオフ値C以上の場合に、該狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であると判定する。
すなわち、この場合は、狭窄部位において、石灰化が高度に進んでおり、石灰化された硬い部分に邪魔されることなくガイドワイヤーが狭窄部位を通過することできない(狭窄部位においてガイドワイヤーが通過できる部分が無い)ことが予測される。
このため、具体的なデバイスを検討するまでもなく、血管拡張術やアテレクトミーによる治療はそもそも行うことができないということになり、バイパス手術等の外科的血行再建術;薬物療法;等による治療を模索することになる。
ガイドワイヤーの通過の可否の判定基準となるカットオフ値Cは、動脈血管の種類(すなわち、動脈血管の太さ)や、関心領域(A)の面積等にもよるが、関心領域(A)が血管内腔中心を中心とする直径1.8〜2.2mmの円形領域である場合には、カットオフ値Cは980〜1020HUであることが好ましい。
<動脈血管拡張の可否の判定>
ガイドワイヤーの通過が可能であると判定した場合は、更に、具体的な治療方針(治療に使用するデバイスの種類等)を決定するために、動脈血管拡張の可否の判定を行うのが好ましい。
動脈血管拡張の可否の判定に当たっては、該狭窄部位の血管内腔中心に、関心領域(A)よりも面積の広い関心領域(B)を設定し、関心領域(B)におけるCT値の最大値を算出する。
関心領域(B)は、関心領域(A)と同様に、狭窄部位の血管内腔中心に設定される。ガイドワイヤーが狭窄部位を通過可能であると判定されても、ガイドワイヤーよりも通過しにくいバルーンカテーテル・ステント等は通過できない場合や、十分に拡張できない場合等が考えられる。関心領域(B)は、このような動脈血管拡張の可否を判定するために設定する関心領域なので、ガイドワイヤーの通過の可否を判定するための関心領域(A)よりも面積を広くする必要がある。
関心領域(B)の形状に特に限定はなく、円形、楕円形、矩形等が挙げられる。前記した関心領域(A)の場合と同様の理由から、関心領域(B)は、血管内腔中心を中心とする円形領域であることが好ましい。
関心領域(B)を設定したら、関心領域(B)におけるCT値の最大値を算出する。該最大値の算出方法は、常法を用いることができる。
関心領域(B)におけるCT値の最大値を算出したら、該最大値を予め設定したカットオフ値Cと比較する。
そして、該最大値が、カットオフ値C以上であり、かつ、該狭窄部位における石灰化が全周性又は閉塞性である場合に、該狭窄部位のある動脈血管を拡張することが不可能であると判定する。
すなわち、この場合は、ガイドワイヤーは通過できるものの、血管拡張術(バルーン拡張術やステント留置術)を行うためのバルーンカテーテル・ステント等のデバイスが通過できないか、又は、通過できたとしても、十分に拡張することができず、血管拡張術の効果が十分に得られないことが予想される。
例えば、図2(a)のような場合、関心領域(B)におけるCT値の最大値がカットオフ値C以上であっても、狭窄部位における石灰化が全周性でも閉塞性でもないため、動脈血管の拡張は不可能ではない。
動脈血管拡張の可否の判定基準となるカットオフ値Cは、動脈血管の種類(すなわち、動脈血管の太さ)や、関心領域(B)の面積等にもよるが、一例として、関心領域(B)が血管内腔中心を中心とする直径2.8〜3.2mmの円形領域である場合には、カットオフ値Cは730〜770HUであることが好ましい。
本明細書において、「動脈血管を拡張する」とは、バルーン拡張術やステント留置術のような血管拡張術のみによる治療をいい、バイパス手術等の外科的血行再建術は勿論、アテレクトミーのように、病変を削ったり焼き切ったりして除去する方法は、「動脈血管を拡張する」とはいわない。
バルーン拡張術やステント留置術のような血管拡張術は、比較的普及している方法であるのに対して、アテレクトミーは、高度な技術力を持つ施術者が行う必要があり、使用するデバイスも高価・希少であり、また、認定施設でなければ行うことができない。
このため、本発明の方法により、動脈血管の拡張が不可能でないと判定された場合は、可能な限り、バルーン拡張術やステント留置術を行うのが、患者側の肉体的・精神的負担の観点からも、人材やデバイスの確保の観点からも、適切である。
一方、動脈血管の拡張が不可能と判定された場合であっても、ガイドワイヤーが通過できるのだから、アテレクトミーによる治療は可能である場合がある。
また、バルーン拡張術やステント留置術で十分に血管を拡張することはできないが、不十分ではあるが、血管を拡張でき、一時的に血流を確保できる場合がある。ここで、「十分に血管を拡張する」とは、50%以上〜75%以上の拡張をいう。
動脈血管の拡張が不可能と判定された場合は、状況に応じて、治療方法(アテレクトミー、バルーン拡張術やステント留置術による不十分な拡張、バイパス手術、等)を選択する。
本発明の方法によれば、ガイドワイヤーやデバイスを患者の体に挿入することなく、事前に適切な治療計画を立てることができる。特に、アテレクトミーのように高度な技術力、希少なデバイスを要する治療を行う必要性に迫られる場合、本発明の方法によれば、事前準備をスムーズに行うことができる。
<判定結果の表示>
本発明の方法により、ガイドワイヤーの通過の可否や動脈血管拡張の可否の判定を実施する場合は、作業の省力化のため、判定結果が自動的に出力され、表示されるようにして実施するのが好ましい。
すなわち、本発明の方法用のアプリケーションソフトウェアであって、狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であるか否かを自動的に判定し出力する手段を有するアプリケーションソフトウェアを使用することにより、ガイドワイヤーの通過の可否の判定結果が自動的に出力されるようにするのが好ましい。
また、本発明の方法用のアプリケーションソフトウェアであって、狭窄部位のある動脈血管を拡張することが不可能であるか否かを自動的に判定し出力する手段を有するアプリケーションソフトウェアを使用することにより、動脈血管拡張の可否の判定結果が自動的に出力されるようにするのが好ましい。
図4に一例として示すアプリケーションソフトウェアは、予めカットオフ値Cを入力する手段101と、曲面任意多断面再構成画像(Curved−MPR)の作成により算出された関心領域(A)におけるCT値の平均値を入力する手段102とを有し、狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であるか否かを自動的に判定し出力する手段110を有する。
入力手段101に、予め設定したカットオフ値Cを入力しておき、CT撮影を行い(Curved−MPRの作成を行い)関心領域(A)におけるCT値の平均値を算出する度に、該平均値を入力手段102に入力すると、狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過の可否が自動的に判定され、出力手段110に、判定結果が出力される。
また、図4に示すアプリケーションソフトウェアは、予めカットオフ値Cを入力する手段201と、曲面任意多断面再構成画像(Curved−MPR)の作成により算出された関心領域(B)におけるCT値の最大値を入力する手段202と、狭窄部位における石灰化が全周性又は閉塞性であるか否かを入力する手段203とを有し、狭窄部位のある動脈血管を拡張することが不可能であるか否かを自動的に判定し出力する手段210を有する。
入力手段201に、予め設定したカットオフ値Cを入力しておき、CT撮影を行い(Curved−MPRの作成を行い)関心領域(B)におけるCT値の最大値を算出する度に、該最大値を入力手段202に入力し、狭窄部位における石灰化の状況(全周性又は閉塞性であるか否か等)を入力手段203に入力すると、動脈血管拡張の可否が自動的に判定され、出力手段210に、判定結果が出力される。
図4に示すアプリケーションソフトウェアは、他に、患者の名前・年齢・性別や、患部(病変の部位)、CT撮影の日時、施術の結果、使用デバイス等を入力する手段があり、入力された様々な情報を、表にして出力することができる。
このようなアプリケーションソフトウェア等を使用することで、CT値等を入力するだけで、すぐに判定を行うことができるため、作業の省力化につながるだけでなく、特定の施術者が入力したデータを、他の施術者が参照することができ、医療チーム内における情報の共有が容易になる。
また、例えば、CT撮影を行うことにより得られる各入力値(関心領域(A)におけるCT値の平均値、及び、関心領域(B)におけるCT値の最大値)を手動で入力するのではなく、公知のCT解析ソフトウェアの出力結果を自動的に取り込むようにすると、作業効率がより向上するので好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
[評価例]
末梢動脈疾患(PAD)の症状が疑われる患者45名66症例に対して、施術を行う前に、石灰化が疑われる部分の下肢動脈血管をCT撮影した。
CT装置はSOMATOM Definition Edge(SIEMENS社)で、各種パラメータは以下の条件に設定した。
・スライス厚:0.6mmピッチ、1mm厚 0.5mm間隔で再構成
・Rotation Time:0.5sec/rot
・管電圧:120kV固定
・FOV:350mm
・再構成関数:medium smooth B30f
CTデータから、曲面任意多断面再構成画像(Curved−MPR)を作成することで、動脈血管における狭窄部位を特定した。狭窄部位の血管内腔中心を中心とする直径2mmの円形の関心領域(A)と、狭窄部位の血管内腔中心を中心とする直径3mmの円形の関心領域(B)を設定し、関心領域(A)及び関心領域(B)のCT値を計測した。
<評価1>
各症例について、直径2mmの円形の関心領域(A)のCT値の平均値を算出した結果は、図5のようになった。カットオフ値Cは1000HUと設定した。直径2mmの円形の関心領域(A)のCT値の平均値が1000HU以上であり、狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であると判定された症例は、2症例だった。
<評価2>
ガイドワイヤーの通過が不可能と判定された2症例を除いた64症例について、直径3mmの円形の関心領域(B)のCT値の最大値を算出した結果は、図6のようになった。カットオフ値Cは750HUと設定した。関心領域(B)のCT値の最大値が750HUに満たない症例は、動脈血管の拡張が不可能ではないと判定した。関心領域(B)のCT値の最大値が750HU以上の症例について、石灰化が全周性又は閉塞性であるか否かを判断した。その結果、11症例が動脈血管の拡張が不可能であると判定され、残りの53症例では、動脈血管の拡張が不可能ではないと判定された。
66症例について、動脈血管の拡張による治療を試みたところ、評価1においてガイドワイヤーの通過が不可能であると判定された2症例では、ガイドワイヤーが狭窄部位を実際に通過することができなかった。よって、この段階で、血管拡張術やアテレクトミーによる治療を断念した。
評価2において、動脈血管の拡張が不可能ではないと判定された53症例では、ガイドワイヤーは問題なく狭窄部位を通過し、血管拡張術(バルーン拡張術やステント留置術)により、十分に動脈血管を拡張することができた。
評価2において、動脈血管の拡張が不可能だと判定された11症例では、ガイドワイヤーは狭窄部位を通過したものの、血管拡張術による拡張の際に、バルーンがうまく膨らまない等の問題が起こった。
このうち、3症例では、血管拡張術による拡張は不可能と判断した。3症例では、ロータブレーター(登録商標)、クロッサー(登録商標)等の器具を準備し、アテレクトミーにより狭窄部位の病変を削り取ることにより除去した。5症例では、バルーンが破裂した後、ステント留置することにより、不十分ではあるが血管を拡張できた。
下肢動脈血管の狭窄部位においては、直径2mmの円形の関心領域(A)を設定し、カットオフ値Cを1000HUとすると、ガイドワイヤーの通過の可否の判定を良好に行うことができることがわかった。また、直径3mmの円形の関心領域(B)を設定し、カットオフ値Cを750HUとすると、動脈血管拡張の可否の判定を良好に行うことができることがわかった。
[実施例1]
主訴やABI(足関節上腕血圧比)の測定値、超音波エコー等の結果から、両下肢の浅大腿動脈血管に閉塞病変部位の存在が疑われる患者に対し、それぞれの下肢動脈血管をCT撮影し、Curved−MPRを作成することにより狭窄部位を特定した。
右浅大腿動脈の狭窄部位の石灰化の状態は、図2(a)に示すようなものであった。
狭窄部位の血管内腔中心を中心とする直径2mmの円形の関心領域(A)のCT値の平均値は、588HUであり、評価例で定めたカットオフ値C(1000HU)未満だったため、ガイドワイヤーの通過は可能であると判定された。
狭窄部位の血管内腔中心を中心とする直径3mmの円形の関心領域(B)のCT値の最大値は、812HUであり、評価例で定めたカットオフ値C(750HU)以上であったものの、石灰化が全周性でも閉塞性でもないため、動脈血管拡張は可能であると判定された。
左浅大腿動脈の狭窄部位の石灰化の状態は、血管内部の全体が石灰化している(閉塞性の石灰化)状態であった(図示せず)。
狭窄部位の血管内腔中心を中心とする直径2mmの円形の関心領域(A)のCT値の平均値は、653HUであり、評価例で定めたカットオフ値C(1000HU)未満だったため、ガイドワイヤーの通過は可能であると判定された。
狭窄部位の血管内腔中心を中心とする直径3mmの円形の関心領域(B)のCT値の最大値は、評価例で定めたカットオフ値C(750HU)以上の値である802HUであり、かつ、石灰化が全周性であるため、動脈血管拡張は不可能であると判定された。
判定結果を受け、右浅大腿動脈の治療にはバルーン拡張術を採用することとし、左浅大腿動脈の治療には、特殊デバイスであるクロッサー(登録商標)を準備した。
本発明の方法による解析を行ったことにより、施術前に正確に治療難易度の判定を行うことが可能となり、希少な特殊デバイスを予め準備することで、治療をスムーズに行うことができた。
[実施例2]
本発明の方法を用いることなく、右下肢動脈の病変を、血管拡張術により拡張を試みたものの、成功せず、施術後に合併症による右橋梗塞を起こした患者に対し、再び、治療を試みた。再度の治療においては、本発明の方法により、施術前に、石灰化の状態を評価した。
本発明の方法により評価するために、まず、右下肢動脈血管をCT撮影し、Curved−MPRを作成することにより狭窄部位を特定した。
右浅大腿動脈の狭窄部位の石灰化の状態は、図2(b)に示すようなものであった。
狭窄部位の血管内腔中心を中心とする直径2mmの円形の関心領域(A)のCT値の平均値は、704HUであり、評価例で定めたカットオフ値C(1000HU)未満だったため、ガイドワイヤーの通過は可能であると判定された。
狭窄部位の血管内腔中心を中心とする直径3mmの円形の関心領域(B)のCT値の最大値は、評価例で定めたカットオフ値C(750HU)以上の値である1077HUであり、かつ、石灰化が全周性であるため、動脈血管拡張は不可能であると判定された。
判定結果を受け、右浅大腿動脈の治療は、アテレクトミーにより行うこととし、特殊デバイスであるロータブレーター(登録商標)を準備した。
ロータブレーター(登録商標)を使用した研削では、病変部の末梢側の石灰化は非常に硬く、末梢側は、拡張度75%までしか研削できなかったが、他は100%開存することができた(なお、拡張度75%は、手技としては成功と判定される値である)。
本発明の方法による解析を行ったことにより、バルーン拡張術では拡張不良のおそれがあることが事前に判明し、アテレクトミーに使用するロータブレーター(登録商標)を事前に準備し、治療をスムーズに進めることができた。
再発前の治療は、本発明の方法を使用して治療計画を立てなかったため、石灰化の進行度に応じた適切な治療となっておらず、治療中止となったが、本発明の方法を使用して治療計画を立てた再度の治療では、ロータブレーター(登録商標)が必要なことが事前にわかっていたので、十分な拡張度を得ることができ、治療は成功した。
本発明の治療方針決定のためのデータを提供する方法を使用すれば、施術前に治療方針を決定することができるため、本発明の方法は、無駄な医療材料の消費が防止できる、施術時間を短縮できる、高度な技術を持つ施術者や希少なデバイスの事前準備等が可能になる、といった点に優れ、本発明の方法は、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈、鎖骨下動脈、上肢動脈、腹腔動脈、腸間膜動脈、腎動脈、下肢動脈等の様々な動脈血管の病変の治療に広く利用されるものである。
1 総大腿動脈
2 大腿深動脈
3 浅大腿動脈
4 大腿骨頭
D 狭窄部位(病変部)
11 血管内腔
11A 血管内腔中心
12 石灰化部分
13 血管壁
14 関心領域
101,102,201,202,203 入力手段
110,210 出力手段

Claims (7)

  1. 動脈血管における石灰化による狭窄部位の治療方針決定のためのデータを提供する方法用のアプリケーションソフトウェアであって、
    該治療方針決定のためのデータを提供する方法が、該動脈血管をCT撮影し、曲面任意多断面再構成画像を作成することにより該動脈血管における狭窄部位を特定し、
    該狭窄部位の血管内腔中心に関心領域(A)を設定し、関心領域(A)におけるCT値の平均値を算出し、
    関心領域(A)におけるCT値の平均値が、予め設定したカットオフ値C 以上の場合に、該狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であると判定する方法であり、
    該アプリケーションソフトウェアが、予めカットオフ値Cを入力する手段と、曲面任意多断面再構成画像の作成により算出された関心領域(A)におけるCT値の平均値を入力する手段とを有し、
    狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であるか否かを自動的に判定し出力する手段を有することを特徴とするアプリケーションソフトウェア。
  2. 関心領域(A)は、上記血管内腔中心を中心とする直径1.8〜2.2mmの円形領域であり、カットオフ値Cは、980〜1020HUである請求項1に記載のアプリケーションソフトウェア
  3. 上記治療方針決定のためのデータを提供する方法が、
    上記狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が可能であると判定した場合に、更に、
    該狭窄部位の血管内腔中心に、関心領域(A)よりも面積の広い関心領域(B)を設定し、関心領域(B)におけるCT値の最大値を算出し、
    関心領域(B)におけるCT値の最大値が、予め設定したカットオフ値C 以上であり、かつ、該狭窄部位における石灰化が全周性又は閉塞性である場合に、該狭窄部位のある動脈血管を拡張することが不可能であると判定する方法であり、
    該アプリケーションソフトウェアが、更に、予めカットオフ値Cを入力する手段と、曲面任意多断面再構成画像の作成により算出された関心領域(B)におけるCT値の最大値を入力する手段と、狭窄部位における石灰化が全周性又は閉塞性であるか否かを入力する手段とを有し、
    狭窄部位のある動脈血管を拡張することが不可能であるか否かを自動的に判定し出力する手段を有する請求項1又は請求項2に記載のアプリケーションソフトウェア。
  4. 関心領域(B)は、上記血管内腔中心を中心とする直径2.8〜3.2mmの円形領域であり、カットオフ値Cは、730〜770HUである請求項に記載のアプリケーションソフトウェア
  5. 上記動脈血管は、下肢動脈血管である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載のアプリケーションソフトウェア
  6. 動脈血管における石灰化による狭窄部位の治療方針決定のためのデータを提供する医療機器の作動方法であって、
    前記医療機器は、
    該動脈血管をCT撮影し、曲面任意多断面再構成画像を作成することにより該動脈血管における狭窄部位を特定する手段と
    該狭窄部位の血管内腔中心に関心領域(A)を設定し、関心領域(A)におけるCT値の平均値を算出する手段と
    関心領域(A)におけるCT値の平均値が、予め設定したカットオフ値C以上の場合に、該狭窄部位に対するガイドワイヤーの通過が不可能であると判定する手段と、
    を有することを特徴とする、治療方針決定のためのデータを提供する医療機器の作動方法。
  7. 前記医療機器が、更に、
    上記狭窄部位の血管内腔中心に、関心領域(A)よりも面積の広い関心領域(B)を設定し、関心領域(B)におけるCT値の最大値を算出する手段と
    関心領域(B)におけるCT値の最大値が、予め設定したカットオフ値C以上であり、かつ、該狭窄部位における石灰化が全周性又は閉塞性である場合に、該狭窄部位のある動脈血管を拡張することが不可能であると判定する手段と、
    を有する請求項に記載の治療方針決定のためのデータを提供する医療機器の作動方法。
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