JP6116980B2 - Mn層を有するAl基材 - Google Patents

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本発明は、Al基材上にNi層またはCu層を介してMn層を有する金属積層体、ならびに該金属積層体の製造方法に関する。
スパッタのターゲット電極、電池用電極材料の基板材料として金属Mn薄膜の利用可能性が見込まれている。Mnは一般に、電解精錬により塊状の形態で製造される。しかし、この塊状Mnを圧延し薄膜化することは、Mnの機械特性上非常に難しい。また、Mn薄膜を電極材料として利用するに当たっては、薄膜化だけでなく、集電体となる導電性の良好な材料(銅やアルミニウム)と良好な密着性を有しかつ、外観も美麗で平滑なものとする必要がある。
導電性材料上にMn薄膜を得る方法としては、先に述べた電解精錬を利用する方法が考えられるが、一般的に電解精錬法にて得られるMnは、その表面が不均一な塊状であり、かつ金属Mn塊として得ることが目的であるため、電解精錬後は打撃等による軽い衝撃を受けると直ちに基材(集電極、チタン板など)から容易に剥離する程度の密着性しか有していない。また、基材(集電極)自体も、繰り返し使用するものであることから、得られた金属Mn塊との密着性は電解精錬中に金属Mnが基材から脱離しなくて済む程度のもので十分とされている。このため、電解精錬の手法を金属Mn薄膜生成にそのまま用いた場合、基材と金属Mn薄膜の密着性が非常に弱いものとなり、種々の形状に切断、加工して使用されることが想定される電極材としての用途には耐え難い密着性の低い金属Mn薄膜しか得ることが出来ない。
特開2009−203497号公報 特開平05−202488号公報 特開2002−285373号公報 特開2007−119854号公報
本発明は、各種電極の集電体として利用可能なAl基材上に、外観が美麗、平滑でかつ基材との密着性に優れたMn薄膜を形成することを課題とする。
本発明者らは、Ni下地めっきまたはCu下地めっきをAl基材上に施した上で、Mn層を形成することにより、外観が美麗、平滑でかつ基材との密着性に優れたMn薄膜を形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)Al基材上に、0.5〜10μmの層厚のNi層またはCu層を有し、該Ni層またはCu層の上にMn層を有する、金属積層体。
(2)Al基材上にNi層を有し、Ni層に含まれるNiの付着量が4〜90g/mである、(1)記載の金属積層体。
(3)Al基材上にCu層を有し、Cu層に含まれるCuの付着量が4〜90g/mである、(1)記載の金属積層体。
(4)Al基材上にNiめっきまたはCuめっきを施してNi層またはCu層を形成し、該Ni層またはCu層の上にMnめっきを施してMn層を形成することを含む、金属積層体の製造方法。
(5)Mn塩化物を含むめっき浴を用いてMnめっきを施す、(4)記載の方法。
(6)Mnめっきが電気めっきであり、めっき電流密度が20A/dm以上である、(4)または(5)記載の方法。
本発明により、Al基材上に、被覆が均一なことから、外観が美麗かつ平滑で、また基材との密着性にも優れたMn薄膜を形成することが可能になる。
図1は、本発明の金属積層体の一例を示す概略的断面図である。 図2は、本発明の金属積層体の一例を示す概略的断面図である。
以下、本発明について説明する。
一実施形態において本発明の金属積層体は、図1に示すように、Al(アルミニウム)基材上に、Ni(ニッケル)層を有し、該Ni層の上にMn(マンガン)層を有する。別の実施形態において本発明の金属積層体は、図2に示すように、Al基材上に、Cu(銅)層を有し、該Cu層の上にMn層を有する。
<Al基材>
Al基材の形状は、板状、棒状および管状等、特に制限されないが、好ましくは板状である。Al基材として、Al合金基材を用いてもよい。Al合金としては、Al−Cu系合金、Al−Mn系合金、Al−Si系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg系合金、Al−Zn−Mg−Cu系合金などが挙げられる。Alおよびその合金は、大気中の酸素によって緻密で強固な酸化皮膜を表面に形成し、不動態化するため、その表面に形成されるめっき皮膜との間に十分な密着性を確保するための前処理、例えば亜鉛置換処理を行うのが好ましい。
<Ni層>
Ni層は、めっきにより形成することができる。めっきの手段は、電気めっき、無電解めっきを問わないが、好ましくは電気めっきである。電気めっきの場合には、硫酸塩浴、塩化物浴、ワット浴、スルファミン酸塩浴、ほうフッ化物浴などが用いられる。無電解めっきの場合には、還元剤として次亜りん酸や、ほう素化合物などが用いられる。
好ましくは、Al基材を予め、脱脂、酸洗した後、Ni電気めっきを施す。脱脂工程は、市販の脱脂液を用いて所定温度で所定時間、電解処理を行うことにより、Al基材の表面に付着した油脂分の除去を行う工程である。脱脂工程で使用する脱脂液は、特に限定されず、油脂分の種類により任意に選択しうる。酸洗工程は、脱脂工程を経たAl基材を酸、例えば、5%〜100%塩酸溶液に10秒〜5分浸漬する工程である。この工程により、表面が活性化されスケールと呼ばれる黒錆や赤錆が除去される。Ni層が形成されたAl基材は、表面に付着しているめっき液などを除去するために、好ましくは温水洗浄工程で洗浄される。用いうる温水の温度は、めっき浴温度と同一、もしくは少し上とすることが洗浄効果を上げるために好ましい。
Ni電気めっきにおいては、経済性や操業性の観点から例えばワット浴を用いることができ、硫酸ニッケルを200〜350g/L、塩化ニッケルを20〜60g/L、ほう酸を10〜50g/Lの濃度で含むワット浴を用いることができる。めっき浴のpHは、好ましくはpH3〜5、より好ましくはpH3.5〜4.5である。pHを3以上とすることでNi析出効率の大幅な低下を防止でき、pHを5以下とすることでめっき皮膜の外観不良(粉末状電析の混在や、いわゆるめっきやけとされる変色など)や金属水酸化物沈殿によるめっき浴成分の変動等を防止できる。
Niめっき条件は、原則として用いるめっき浴に推奨される条件とすることが好ましいが、浴温は好ましくは35〜65℃、より好ましくは45〜55℃であり、電流密度は好ましくは2〜50A/dm、より好ましくは5〜20A/dmである。また、連続めっき時に可溶性Niアノードにて発生するアノードスライムのNiめっき皮膜への付着、混入を防ぐため、アノードバッグを用いることが好ましい。
Ni層の層厚は、0.5〜10μm、好ましくは0.8〜5μmである。上記層厚とすることにより、その上に均一なMn層を形成することが可能になる。0.5μm以上の膜厚とすることで、Niめっき皮膜を基材表面へ十分被覆することができ、ピンホールなどの被覆されていない微少な領域が基材表面に残る可能性を抑制でき、また10μmを超える厚みをめっきにて確保することは経済性の観点から、および下地めっきとしての役割を考慮すると不要である。
なお、Ni層の層厚が0.5μm以上の場合、Niの付着量は約4g/m以上であり、Ni層の層厚が1.0μm以上の場合、Niの付着量は約8.9g/m以上であり、Ni層の層厚が10μm以下の場合、Niの付着量は約90g/m以下である。
Ni層は特に純Niに限定されるものではなく、Niに加えて、C、N、S、O、P、B、Fe、Co、Sn、Cu、Mn等を含んだものであってもよい。これらの元素は、不可避的不純物以外にも、積極的に添加された場合のものも含む。例えば、C、N、S、Oについては、Ni層の硬度や平滑度の改善のために添加される、いわゆる光沢添加剤、半光沢添加剤、レべリング添加剤等の取り込まれたものであって、そのNi層中の濃度は痕跡量〜0.1質量%以下程度の範囲である。Fe、Co、Sn、Cu、Mnについては、Ni層の耐薬品性や硬度の改善のために添加されたものを含み、そのNi層中の濃度は痕跡量〜50質量%以下程度の範囲である。いずれの元素も前記した上限を超えるとNi層を脆くし、また、接触抵抗を上昇させるなどの弊害が発生するので好ましくない。
<Cu層>
Cu層は、めっきにより形成することができる。めっきの手段は、電気めっき、無電解めっきを問わないが、好ましくは電気めっきである。電気めっきの場合には、シアン化物浴、硫酸塩浴、ピロリン酸塩浴などが用いられる。無電解めっきの場合には、還元剤としてホルムアルデヒドなどが用いられる。
好ましくは、Al基材を予め、脱脂、酸洗した後、Cu電気めっきを施す。脱脂および酸洗については、Ni電気めっきについて記載したのと同様である。Cu層が形成されたAl基材は、表面に付着しているめっき液などを除去するために、好ましくは温水洗浄工程で洗浄される。温水洗浄工程についても上記と同様である。
Cu電気めっきにおいては、例えば経済性や被覆力の観点から硫酸塩浴やピロリン酸浴を用いることができ、例えば、ピロリン酸銅を30〜100g/L、ピロリン酸カリウムを150〜350g/L、硝酸カリウムを1〜10g/L、アンモニア水を1〜15mL/Lの濃度で含むピロリン酸銅浴や、硫酸銅を50〜200g/L、硫酸を100〜300g/Lの濃度で含む硫酸銅浴を用いることができる。なお、ピロンリン酸銅めっき浴のpHは、均一でかつ平滑な皮膜外観を得る観点から、好ましくはpH7.5〜9.5、より好ましくはpH8〜9である。すなわち、pH7.5以上とすることで析出が促進され皮膜形成が容易となり、pH9.5以下とすることで粉末状電析の混在やめっきやけによる外観不良を防止できる。
Cuめっき条件は、原則として用いるめっき浴に推奨される条件とすることが好ましいが、浴温は好ましくは10〜60℃、より好ましくは15〜50℃であり、電流密度は好ましくは0.2〜5A/dm、より好ましくは0.5〜1.0A/dmである。また、連続めっき時に可溶性Cuアノードにて発生するアノードスライムのCuめっき皮膜への付着、混入を防ぐため、アノードバッグを用いることが好ましい。
Cu層の層厚は、0.5〜10μm、好ましくは0.8〜5μmである。上記層厚とすることにより、その上に均一なMn層を形成することが可能になる。0.5μm以上の膜厚とすることで、Cuめっき皮膜を基材表面へ十分被覆することができ、ピンホールなどの被覆されていない微少な領域が基材表面に比較的多く残る可能性を抑制でき、また10μmを超える厚みをめっきにて確保することは経済性の観点から、および下地めっきとしての役割を考慮すると不要である。
なお、Cu層の層厚が0.5μm以上の場合、Cuの付着量は約4g/m以上であり、Cu層の層厚が1.0μm以上の場合、Cuの付着量は約8.9g/m以上であり、Cu層の層厚が10μm以下の場合、Cuの付着量は約90g/m以下である。
Cu層は特に純Cuに限定されるものではなく、Cuに加えて、C、N、S、O、P、B、Fe、Co、Sn、Ni、Zn、Mn等を含んだものであってもよい。これらの元素は、不可避的不純物以外にも、積極的に添加された場合のものも含む。例えば、C、N、S、Oについては、Cu層の硬度や平滑度の改善のために添加される、いわゆる光沢添加剤、半光沢添加剤、レべリング添加剤等の取り込まれたものであって、そのCu層中の濃度は痕跡量〜0.1質量%以下程度の範囲である。いずれの元素も前記した上限を超えるとCu層を脆くし、また、接触抵抗を上昇させるなどの弊害が発生するので好ましくない。
<Mn層>
Mn層は、めっきにより形成することができる。めっきの手段は、電気めっき、無電解めっきを問わないが、電気めっきが一般的である。めっき浴には塩化物浴、硫酸塩浴等が用いられる。
好ましくは、上記のとおりNi層またはCu層を形成したAl基材に対し、Mn電気めっきを施す。Mn層が形成されたAl基材は、表面に付着しているめっき液などを除去するために、好ましくは温水洗浄工程で洗浄される。温水洗浄工程については上記と同様である。
硫酸塩浴であれば、硫酸Mn(MnSO・5HOとして)50〜500g/L、塩化物浴であれば、塩化Mn(MnCl・4HOとして)50〜500g/Lを基本浴として、更に必要に応じて支持電解質やその他の添加剤を追加した浴を用いることができる。支持電解質としては、硫酸またはその塩や、塩酸または塩化物が、300g/L以下の範囲で用いられる。他の添加剤としては、グリシン、クエン酸またはその塩のような錯化作用のある有機添加剤や、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールのような有機系の浴安定剤が100g/L以下の範囲で用いられる。また、チオシアン酸またはその塩、セレン酸またはその塩のような無機系の浴安定剤も300g/L以下の範囲で用いられる。
例えば、MnCl・4HOを100〜400g/L、NHClを50〜200g/Lの濃度で含む塩化物浴、MnSO・5HOを50〜250g/L、(NHSOを30〜150g/L、CS(NHまたはNHSCNを5〜150g/Lの濃度で含む硫酸塩浴が好ましく用いられる。めっき浴のpHは、めっき浴のpH変動抑制ならびに金属水酸化物沈殿等によるめっき浴汚染抑制の観点から、好ましくはpH1〜6.5、より好ましくはpH1.5〜3.0である。
本発明においては、Mn塩化物浴を用いるのが特に好ましい。塩化物浴は硫酸塩浴よりもMnの析出効率が高く、まためっきに必要な電圧および電流密度が低くて済むためである。
Mnめっき条件は、原則として用いるめっき浴に推奨される条件とすることが好ましいが、浴温は好ましくは10〜40℃、より好ましくは15〜35℃であり、電流密度は好ましくは15〜150A/dm、より好ましくは20〜40A/dmである。また、連続めっき時に不溶性アノード上で生成する金属水酸化物あるいは酸化物の単独および複合物、水和物のカソードで生成するMnめっき皮膜への付着、混入を防ぐため、アノードバッグを用いることが好ましい。浴温や電流密度を一定以上とすることで析出を促進し、浴温や電流密度を一定以下とすることで粉末状電析の混在やめっきやけによる外観不良を抑制できる。また、電流密度を150A/dm以下とすることで水和物の析出を防止できる。
Mn層の層厚は、0.05〜15μm、好ましくは0.5〜10μmである。なお、Mn層の層厚が0.05μm以上の場合、Mnの付着量は約0.36g/m以上であり、Mn層の層厚が0.5μm以上の場合、Mnの付着量は約3.6g/m以上であり、Mn層の層厚が15μm以下の場合、Mnの付着量は約108g/m以下であり、Mn層の層厚が10μm以下の場合、Mnの付着量は約72g/m以下である。
工業的な整流器を用いたMnめっき皮膜では0.05μm以上であれば制御が容易であり、0.5μm以上の被覆とすれば、ピンホールなどの微少な未成膜部分が残りやすくなるのを抑制できる。一方、15μmを超える厚みでは、ピンホールなどの微少な成膜不良部分が完全に消失し、基材全面が金属Mnで十分すぎるほど覆われてしまうため、経済性の観点からもこれ以上の厚みの増加は不要と考えられる。
Mnめっき層は特に限定されるものではなく、純Mnに加えて、不可避的不純物レベルのC、N、S、O、P、B、Fe、Co、Sn、Cu、Zn、Ni等を含んだものであってもよい。ただし、C、N、S、Oについては、めっき層の均一性や平滑度の改善のために添加される、いわゆる光沢添加剤、半光沢添加剤、レべリング添加剤等の取り込まれたものであってもよく、そのめっき層中の濃度は痕跡量〜0.1質量%以下程度の範囲である。
本発明で得られるMn層を有する金属積層体は、均一に被覆されたMn層を有する。したがって、本発明の金属積層体は、外観が美麗、平滑である。また、Mn層と基材との密着性も優れている。したがって、本発明の金属積層体は、スパッタのターゲット電極、電池用電極材料の基板材料として有利である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
<実施例1>
一般的に知られているAl基材へのめっき処理と同様に、脱脂、酸洗したAl合金板(1000番系、A1100−H18)に対して2度の亜鉛置換処理を行った。この2度の亜鉛置換処理を行ったAl合金板に対し、表1に示す条件で、Ni電気めっきを行ってNi層を形成した後、表2に示す条件で、Mnイオンを多量に含むめっき浴中に漬け、陰極電解処理を行うことによりMn電気めっきを行い、層厚10μmほどのMn層を有する金属積層体を得た。
Ni層およびMn層の層厚測定は、FIB(集束イオンビーム装置、日本電子株式会社、JEM−9320FIB)を用いて、断面を直接測定することにより実施した。なお、これらの厚みは検量線を設定することにより蛍光X線を用いて測定することも可能である。
Figure 0006116980
Figure 0006116980
<実施例2>
実施例1と同様に脱脂、酸洗及び亜鉛置換処理を行ったAl合金板に対し、表3に示す条件で、Ni電気めっきを行ってNi層を形成した後、実施例1の表2に示す条件で、Mnイオンを多量に含むめっき浴中に漬け、陰極電解処理を行うことによりMn電気めっきを行い、層厚10μmほどのMn層を有する金属積層体を得た。
Figure 0006116980
<実施例3>
実施例1と同様に脱脂、酸洗及び亜鉛置換処理を行ったAl合金板に対し、表4に示す条件で、Cu電気めっきを行ってCu層を形成した後、実施例1の表2に示す条件で、Mnイオンを多量に含むめっき浴中に漬け、陰極電解処理を行うことによりMn電気めっきを行い、層厚10μmほどのMn層を有する金属積層体を得た。
Figure 0006116980
<比較例1>
実施例1と同様に脱脂、酸洗及び亜鉛置換処理を行ったAl合金板に対し、表5に示す条件で、Ni電気めっきを行ってNi層を形成した後、実施例1の表2に示す条件で、Mnイオンを多量に含むめっき浴中に漬け、陰極電解処理を行うことによりMn電気めっきを行い、層厚10μmほどのMn層を有する金属積層体を得た。
Figure 0006116980
<比較例2>
実施例1と同様に脱脂、酸洗及び亜鉛置換処理を行ったAl合金板に対し、NiめっきもCuめっきも施さずに、実施例1の表2に示す条件で、Mnイオンを多量に含むめっき浴中に漬け、陰極電解処理を行うことによりMn電気めっきを行い、層厚10μmほどのMn層を有する金属積層体を得た。
<試験例>
実施例1〜3、比較例1および2で得た金属積層体のMn層について、目視によるMn層被覆均一性評価および密着性評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 0006116980
目視によるMn層被覆均一性評価の評価基準は、以下のとおりである。
◎=安定的にMnが均一に被覆(目視外観ではピンホールなどの抜けがない)
○=数枚に1枚以上は均一被覆しないもしくは、目視外観でピンホール等の不めっき部が点状にわずかに存在する(全面積比で1%未満程度)
×=均一に被覆しない、不めっき部が存在する(全面積比で1%以上)もしくは無数のピンホールが目視で分かる
密着性評価は、テープ剥離試験によって実施した。具体的には、セロハンテープをめっき面に貼り付けて、気泡を取り除いた後、一気に引きはがし、Mn層の剥離の有無を確認した。
◎=剥離無し
○=微小な点状の剥離発生する場合有
×=全面剥離発生、部分剥離
−=評価不能(成膜不良のため)
その結果、Ni層の層厚が薄い比較例1の金属積層体は、Ni層やCu層を有しない金属積層体のMn層は、均一な被覆ではなく、不めっき部が存在するか、無数のピンホールが目視で観察されたのに対し、実施例1〜3で得られた金属積層体のMn層はほぼ均一な被覆であり、目視外観でピンホール等の不めっき部もほとんど存在しなかった。
したがって、Al基材上に下地層としてNi層またはCu層を形成した上で、Mn層を形成することにより、被覆が均一で、かつ密着性の高いMn層を形成できることが示された。

Claims (4)

  1. Al基材上に、0.5〜10μmの層厚のNi層またはCu層を有し、該Ni層に含まれるNiの付着量または該Cu層に含まれるCuの付着量が4〜90g/m であり、該Ni層またはCu層の上にMn層を有する、金属積層体。
  2. Al基材上にNiめっきまたはCuめっきを施してNi層またはCu層を形成し、該Ni層またはCu層の上にMnめっきを施してMn層を形成することを含み、該Ni層に含まれるNiの付着量または該Cu層に含まれるCuの付着量が4〜90g/m である、金属積層体の製造方法。
  3. Mn塩化物を含むめっき浴を用いてMnめっきを施す、請求項記載の方法。
  4. Mnめっきが電気めっきであり、めっき電流密度が20A/dm以上である、請求項または記載の方法。
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