以下、添付図面を参照して、超音波診断装置の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、心電計4と、装置本体10とを有する。
超音波プローブ1は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、後述する装置本体10が有する送受信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ1は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、圧電振動子に設けられる整合層及び音響レンズ、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移(ドプラ偏移)を受ける。
なお、第1の実施形態は、複数の圧電振動子が一列で配置された1次元超音波プローブである超音波プローブ1により、被検体Pを2次元でスキャンする場合であっても、1次元超音波プローブの複数の圧電振動子を機械的に揺動する超音波プローブ1や複数の圧電振動子が格子状に2次元で配置された2次元超音波プローブである超音波プローブ1により、被検体Pを3次元でスキャンする場合であっても、適用可能である。
ここで、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、後述するように、カラードプラ画像の撮影を行なった後に、カラードプラ画像上に設定された範囲(例えば、レンジゲートや走査線)におけるドプラ波形の収集を行なう。このため、第1の実施形態では、収集する画像の種別に応じて、カラーフローマッピング(CFM:Color Flow Mapping)法を行なうための超音波プローブ1から、連続波(CW:Continuous Wave)ドプラ法やパルス波(PW:Pulsed Wave)ドプラ法を行なうための超音波プローブ1に取り替えられる場合もある。
入力装置3は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール等を有し、超音波診断装置の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して受け付けた各種設定要求を転送する。
例えば、操作者は、入力装置3が有するトラックボールを用いて、レンジゲートの設定を行なう。また、操作者は、入力装置3が有する「Freezeボタン」を押下して、ドプラ波形の収集を一時的に停止する。また、操作者は、ドプラ波形から計測される計測値の種別を設定する。なお、入力装置3を用いて操作者が行なう処理内容については、後に詳述する。
モニタ2は、超音波診断装置の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された各種画像や、装置本体10による計測結果等を表示したりする。
心電計4は、装置本体10と接続され、超音波走査が行なわれる被検体Pの心電図(ECG: Electrocardiogram)を取得する。心電計4は、取得した心電図を装置本体10に送信する。
装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成部14と、画像メモリ15と、制御部16と、内部記憶部17とを有する。
送受信部11は、トリガ発生回路、送信遅延回路及びパルサ回路等を有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定の繰り返し周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。なお、PRFは、レート周波数とも呼ばれる。また、送信遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの送信遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える送信遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向を任意に調整する。
なお、送受信部11は、後述する制御部16の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。これらの機能により、送受信部11は、例えば、超音波プローブ1から連続波の超音波を送信させたり、パルス波の超音波を送信させたりする。
また、送受信部11は、アンプ回路、A/D変換器、受信遅延回路、加算器等を有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換する。受信遅延回路は、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な受信遅延時間を与える。加算器は、受信遅延回路により受信遅延時間が与えられた反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
ここで、送信遅延時間及び受信遅延時間は、超音波ビームの送信フォーカス及び受信フォーカスの音響レンズからの位置(深さ)によって決定される。送受信部11は、送信遅延時間及び受信遅延時間等の送受信条件により、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。また、送受信部11は、送受信条件に応じて、超音波プローブ1の送受信に用いる圧電振動子(送信用口径及び受信用口径)を変更可能である。
Bモード処理部12は、送受信部11から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理部13は、送受信部11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析することでドプラ偏移を抽出し、ドプラ偏移を用いることで、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
なお、本実施形態に係るBモード処理部12及びドプラ処理部13は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である場合であっても良い。
画像生成部14は、Bモード処理部12及びドプラ処理部13が生成したデータから超音波画像を生成する。すなわち、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成したドプラデータから移動体情報(血流情報や組織の移動情報)を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。
ここで、画像生成部14は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビなどに代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用画像としての超音波画像を生成する。具体的には、画像生成部14は、超音波プローブ1による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用画像としての超音波画像を生成する。また、画像生成部14は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)などを行なう。
更に、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成したドプラデータから、血流の速度情報を時系列に沿ってプロットしたドプラ波形を生成する。
また、画像生成部14は、超音波画像(Bモード画像、カラードプラ画像、ドプラ波形等)に、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマークなどを合成した合成画像を生成することもできる。
画像メモリ15は、画像生成部14が生成した各種画像を記憶するメモリである。また、画像メモリ15は、Bモード処理部12やドプラ処理部13が生成したデータを記憶することも可能である。
内部記憶部17は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、内部記憶部17は、必要に応じて、画像メモリ15が記憶する画像の保管等にも使用される。また、内部記憶部17が記憶するデータは、図示しないインターフェースを経由して、外部の周辺装置へ転送することができる。
制御部16は、超音波診断装置の処理全体を制御する。具体的には、制御部16は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶部17から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13、画像生成部14の処理を制御する。また、制御部16は、画像メモリ15が記憶する超音波画像や、画像生成部14により行われる各種処理を指定するためのGUI等をモニタ2にて表示するように制御する。また、制御部16は、内部記憶部17から読込んだ計測用のプログラムを用いて、画像生成部14が生成した各種画像を用いた計測処理等を行なう。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、操作者が設定した範囲におけるドプラ波形を生成し、生成したドプラ波形を表示する。操作者は、表示されたドプラ波形から所望のドプラ波形を用いて、各種計測処理のための設定を行なう。
例えば、心臓弁や狭窄の重症度判定では、操作者は、カラードプラ画像を観察し、逆流や狭窄によるジェット流が生じていると判定した部位にレンジゲートを設定し、連続波ドプラ法やパルス波ドプラ法によりドプラ波形を収集して、ドプラ計測を行なう。以下、図2を用いて従来の超音波診断装置を用いて行なわれるドプラ計測の一例について説明し、その後、第1の実施形態に係る超音波診断装置を用いて行なわれるドプラ計測について説明する。図2は、従来のドプラ計測の一例を説明するための図である。
例えば、操作者は、画像生成部14が生成したBモード画像上にCFM法を行なう範囲を設定する。これにより、制御部16は、各処理部を制御することで、操作者が設定した範囲においてCFM法を実行する。そして、制御部16は、Bモード画像に設定範囲のカラードプラ画像が重畳された重畳画像Aを画像生成部14に生成させる。そして、制御部16は、図2に示すように、重畳画像Aをモニタ2に表示させる。操作者は、重畳画像Aのカラードプラ画像を参照して、逆流や狭窄によるジェット流が生じていると判定した心臓弁(大動脈弁や僧帽弁)近傍にレンジゲートaを設定する。そして、操作者は、例えば、CW法により、レンジゲートaにおけるドプラ波形を収集する指示を行なう。CW法では、例えば、レンジゲートaにフォーカスポイントが設定され、収集されるドプラ波形は、レンジゲートaを通る走査線全ての反射波信号に基づく波形となる。
制御部16は、ドプラ処理部13により生成されたドプラデータからドプラ波形を画像生成部14に生成させる。そして、制御部16は、画像生成部14が時系列に沿って生成したドプラ波形をモニタ2に表示させる。例えば、制御部16は、現時点の収集時点を「0」とし、過去の収集時点をマイナスで示す時間軸に沿って、新たに算出された血流速度が、更新して表示されるようにドプラ波形を表示させる。なお、制御部16は、ドプラ波形とともに、ドプラ波形と時間軸を合わせた状態で、ECGも表示させる。
ここで、ドプラ計測を用いた逆流や狭窄の重症度判定では、ドプラ波形の最大部分の検出、すなわち、血流の最高流速(ピーク流速とも呼ばれる)の検出が重要である。ここで、CW法では、上記の最大部分の波形のS/N比が低く、波形の境界が不明瞭となる場合が多い。また、逆流や狭窄によるジェット流が生じている箇所は、必ずしも広範囲ではなく、狭い範囲である場合が多い。このため、操作者は、リアルタイムでドプラ波形を観察しながら、「最大」の最高流速を得るために、逆流部位からの反射波が受信されるように超音波プローブ1の当て方を変えたり、患者の呼吸を口頭で制御したりする。操作者は、かかる操作を行ないながら、複数心拍のドプラ波形の観察及び記録を行なって、「最大」の最高流速が得られたかを判断する。
そして、操作者は、最大の最高流速のドプラ波形が収集されたと認識した後に、「Freezeボタン」を押下し、収集画像を画像メモリ15から読み出して、例えば、トラックボールを操作して、収集画像を過去に辿る。そして、操作者は、「最大」の最高流速であったと判断したドプラ波形を含む連続心拍期間のドプラ波形、すなわち、図2に示すドプラ波形の画像データBをモニタ2に表示させる。図2に示す一例では、画像データBの中で、「Freezeボタン」押下時から約3秒前、すなわち、時間が「−3秒」付近の心拍期間のドプラ波形bが、「最大」の最高流速と操作者が判断したドプラ波形であるとする。
操作者は、ドプラ波形bの波形の境界を、例えば、入力装置3のマウスを用いて手動でトレースすることで、ドプラ波形bのエンベロープを設定する。そして、操作者は、入力装置3を用いて計測値の種別を指定して、制御部16による計測処理を実行させる。制御部16は、計測結果により得られた計測値を、例えば、テーブル形式で、図2に示す計測値表示領域Cに表示させる。
例えば、「最大」の最高流速の値である最大流速値(VP、単位:cm/s)が計測値として設定された場合、制御部16は、ドプラ波形bのエンベロープから最大流速値を「−274.9」と計測する。そして、制御部16は、図2に示すように、計測値「VP:−274.9」を、計測値表示領域Cに表示させる。
また、例えば、血流速度の時間積分値であるVTI(Velocity Time Integral、単位:cm)が計測値として設定された場合、制御部16は、ドプラ波形bのエンベロープからVTIを「−83.40」と計測する。そして、制御部16は、図2に示すように、計測値「VTI:−83.40」を、計測値表示領域Cに表示させる。
また、例えば、最高流速から簡易ベルヌーイ式を用いて算出される圧較差(PG:Pressure Gradient)であり、最大流速の圧較差の値である最大圧較差値(PPG:Peak Pressure Gradient、単位:mmHg)が計測値として設定された場合、制御部16は、最大流速値(ドプラ波形bの最高流速)からPPGを「30.2」と計測する。そして、制御部16は、図2に示すように、計測値「PPG:30.2」を、計測値表示領域Cに表示させる。
また、例えば、3心拍期間の圧較差の平均値である平均圧較差(MPG:Mean Pressure Gradient、単位:mmHg)が計測値として設定された場合、制御部16は、ドプラ波形bの圧較差(最大圧較差)と、ドプラ波形bより過去の2つのドプラ波形の圧較差との平均値「18.8」を算出する。そして、制御部16は、図2に示すように、計測値「MPG:18.8」を、計測値表示領域Cに表示させる。また、図2に示していないが、平均流速値(時間平均速度:VM、、単位:cm/s)が計測値として設定された場合、ドプラ波形bの最高流速(最大流速値)と、ドプラ波形bより過去の2つのドプラ波形の最高流速との平均値を算出し、平均流速値を計測値表示領域Cに表示させる。
なお、図2に示す一例では、上記の計測の他、制御部16は、PISA(Proximal Isovelocity Surface Area)法による各種計測を行ない、計測結果を計測値表示領域Cに表示させている。図2に示す一例では、PISA半球の半径(Radius)、PISA半球表面の流速(Alias Velocity)、PISA半球上の単位時間当たりの面流量(Flow Rate)、PISA半球上の面流量(Flow Volume)、有効弁口面積(EOArea)等が制御部16により計測され、計測値表示領域Cに表示されている。
しかし、図2を用いて説明したワークフローにより行なわれる従来のドプラ計測では、最大の最高流速のドプラ波形が収集されたとの判断は、操作者の記憶に依存している。このため、従来では、実際には最大の最高流速のドプラ波形でないドプラ波形を用いた計測が行なわれる場合がある。また、ドプラ波形の収集では、通常、記録期間が設定されており、記録期間を超えたことにより、最大の最高流速のドプラ波形が表示できない場合もある。かかる場合、ドプラ波形の再収集が必要となり、検査時間が長くなってしまう。かかる課題は、近年、開発が進められているドプラ波形のエンベロープ自動トレース機能を制御部16に搭載させた場合でも、同様に生じる。
そこで、第1の実施形態では、最高流速が最大となるドプラ波形の収集における操作者の負担を軽減するために、制御部16は、以下の処理を行なう。なお、以下で説明する処理は、例えば、CW法により、操作者が設定した走査線上のドプラ波形の収集が開始された後の処理となる。なお、本実施形態は、PW法により操作者が設定したレンジゲートにおけるドプラ波形の収集が行なわれる場合であっても適用可能である。
図3は、第1の実施形態に係る制御部の構成例を説明するための図である。例えば、第1の実施形態に係る制御部16は、図3に示すように、検出部16aと、決定部16bと、保持制御部16cと、表示制御部16dとを有する。また、第1の実施形態では、画像メモリ15には、図3に示すように、収集波形データ15a及びドプラ波形情報データ15bの2つの記憶領域が設定される。収集波形データ15aは、収集されるドプラ波形を一時的に記憶する領域である。また、ドプラ波形情報データ15bは、後に詳述する保持制御部16cの制御により、ドプラ波形に関する情報であるドプラ波形情報を一時的に保持するための記憶領域である。
検出部16aは、時系列に沿って収集されるドプラ波形から得られる血流速度の最高流速(スペクトラムのエンベロープ)、若しくは、血流速度の平均流速(スペクトラムの重心)に関する所定期間内のピーク値を代表流速として、所定期間ごとに検出する。CW法が行なわれる本実施形態では、検出部16aは、時系列に沿って収集されるドプラ波形から、血流速度の最高流速の所定期間のピーク値を代表流速として所定期間ごとに検出する。本実施形態では、所定期間が1心拍期間として設定される。すなわち、検出部16aは、時系列に沿って収集されるドプラ波形から、血流速度の最高流速に関する1心拍におけるピーク値を1心拍期間ごとに検出する。具体的には、検出部16aは、ドプラ波形のエンベロープ、若しくは、重心を検出することで代表流速を検出する。本実施形態では、検出部16aは、ドプラ波形のエンベロープを検出することで最高流速を検出する。図4は、検出部により実行される処理の一例を説明するための図である。
図3に示す収集波形データ15aには、制御部16の制御により、画像生成部14により生成されたドプラ波形が時系列に沿って順次格納される。また、制御部16は、ドプラ波形とともに、心電計4により取得されたECGを収集波形データ15aに格納する。
検出部16aは、心拍のリファレンス時相をECGから取得する。例えば、検出部16aは、ECGのR波に相当する拡張末期時相を得て、心拍期間の区切りを認識する。これにより、検出部16aは、図4に示すように、1心拍期間のドプラ波形である「ドプラ波形D1」を認識し、「ドプラ波形D1」のエンベロープをオートトレースすることで、「ドプラ波形D1」の最高流速のピーク値「V1」を検出する。同様に、検出部16aは、図4に示すように、「ドプラ波形D1」の次に収集された1心拍期間のドプラ波形である「ドプラ波形D2」を認識し、「ドプラ波形D2」のエンベロープをオートトレースすることで、「ドプラ波形D2」の最高流速のピーク値「V2」を検出する。かかる処理を繰り返して、検出部16aは、図4に示すように、「ドプラ波形D3」の最高流速のピーク値「V3」、「ドプラ波形D4」の最高流速のピーク値「V4」を順次検出する。
なお、検出部16aは、収集波形データ15aに順次格納されるドプラ波形のエンベロープをオートトレースし、トレース結果から、心拍期間の区切りを認識する場合であっても良い。なお、PW法で収集されるドプラ波形は、レンジゲートにおける速度成分の分布が、スペクトラムの幅として表現される。このため、PW法が行なわれる場合、検出部16aは、ドプラ波形から得られる最高流速、或いは、幅の重心である平均流速について所定期間ごとにピーク値を検出して代表流速とする。PW法において、代表流速を、最高流速とするか平均流速とするかは、例えば、操作者により任意に変更可能である。
図3に示す決定部16bは、検出部16aから順次出力される代表流速の値を比較することで、複数の代表流速のうちの所定の極性における最大値を決定する。本実施形態では、決定部16bは、検出部16aから順次出力される最高流速の値を比較することで、複数の最高流速のうちの最大値を決定する。具体的には、決定部16bは、所定の極性における現時点での最高流速の最大値(最大流速値)を決定する。なお、PW法において、検出部16aが平均流速を代表流速として検出する場合、決定部16bは、複数の平均流速のうちの所定の極性における最大値を決定する。例えば、代表流速の極性は、超音波プローブ1に向かう方向の血流がプラスの極性と定義され、超音波プローブ1から遠ざかる方向の血流がマイナスの極性と定義される。例えば、所定の極性が「プラス」として設定されている場合、決定部16bは、プラスの極性における代表流速の最大値を決定する。或いは、例えば、所定の極性が「マイナス」として設定されている場合、決定部16bは、マイナスの極性における代表流速の最大値を決定する。或いは、例えば、所定の極性が「プラス及びマイナス」として設定されている場合、決定部16bは、代表流速の絶対値の最大値を決定する。所定の極性の設定は、例えば、操作者により設定されたり、初期的に設定されたりする。図5は、第1の実施形態に係る決定部により実行される処理の一例を説明するための図である。
図5に例示するように、決定部16bは、最大流速値の初期値を「0」とし、初期値「0」と検出部16aから最初に入力された最高流速(入力最高流速)である「V1」とを比較する。なお、以下の説明では、決定部16bは、検出部16aから入力された値の絶対値を「入力最高流速」として最大流速値の決定処理を行なうものとする。
決定部16bは、図5に示すように、「0<V1」であることから、最大流速値を「V1」に更新する。そして、決定部16bは、「入力最高流速:V2」と「最大流速値:V1」とを比較し、図5に示すように、「V1<V2」であることから、最大流速値を「V2」に更新する。そして、決定部16bは、「入力最高流速:V3」と「最大流速値:V2」とを比較し、図5に示すように、「V2>V3」であることから、最大流速値を更新せずに「V2」と決定する。そして、決定部16bは、「入力最高流速:V4」と「最大流速値:V2」とを比較し、図5に示すように、「V2<V4」であることから、最大流速値を「V4」に更新する。そして、決定部16bは、「入力最高流速:V5」と「最大流速値:V4」とを比較する。
図5に例示した比較処理を順次行なうことで、決定部16bは、現時点での最大流速値を決定する。
図3に示す保持制御部16cは、ドプラ波形に関する情報であるドプラ波形情報であって、最大値が検出された期間におけるドプラ波形のドプラ波形情報である最大波形情報を画像メモリ15(ドプラ波形情報データ15b)に保持させる。本実施形態では、所定期間が1心拍期間であることから、保持制御部16cは、現時点で代表流速(本実施形態では最高流速)が最大となる1心拍期間のドプラ波形のドプラ波形情報を、最大波形情報として画像メモリ15(ドプラ波形情報データ15b)に保持させる。ここで、最大波形情報としてのドプラ波形情報は、当該ドプラ波形情報に対応するドプラ波形の画像データと当該ドプラ波形から計測される計測値とを含む。また、計測値は、最大流速値(VP)、最大圧較差(PPG)、平均圧較差(MPG)、平均流速値(VM)及び速度の時間積分値(VTI)の少なくとも1つを含む。ここで、VPとPPGとにおける最大とは、1心拍期間内におけるピーク値を意味し、VPとPPGとの「P」は、「peak」を意味する。また、MPGとVMとにおける平均とは、1心拍期間内における平均値を意味し、MPGとVMとの「M」は、「mean」を意味する。上記の計測値は、検出部16aが検出したエンベロープを用いて算出される。例えば、本実施形態では、検出部16aにより計測値の算出処理が行なわれる。なお、本実施形態は、VP以外の計測値の算出処理が、決定部16bにより行なわれる場合であっても、別途設置された計測処理部により行なわれる場合であっても良い。
かかる最大波形情報の設定は、例えば、操作者によりドプラ波形の収集前に予め設定される。図6は、最大波形情報の設定例を説明するための図である。図6に示す一例では、操作者は、最大波形情報として、ドプラ波形の画像データとともに、計測値として「最大流速値、最大圧較差、VTI」の3つを選択している。かかる設定が行なわれた場合、保持制御部16cは、現時点で最大流速値が計測されたドプラ波形の「画像データ」と、当該ドプラ波形から計測された「VP,PPG,VTI」とを最大波形情報として、ドプラ波形情報データ15bに保持させる。図7は、第1の実施形態に係る保持制御部により実行される処理の一例を説明するための図である。
図7に示す一例は、図5に例示した決定部16bの処理結果に基づいて、保持制御部16cが行なう処理を示している。なお、図7では、最大流速値が計測されたドプラ波形が「D1」であった場合の最大波形情報を「I(D1)」として示している。
まず、ドプラ波形の収集開始から1心拍期間のドプラ波形が収集されていない時点までは、ドプラ波形情報データ15bは、図7に示すように、「No DATA」の状態となる。次に、最大流速値が「V1」に更新された場合、保持制御部16cは、図7に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「No DATA」から「I(D1)」に更新する。次に、最大流速値が「V2」に更新された場合、保持制御部16cは、図7に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「I(D1)」から「I(D2)」に更新する。
次に、最大流速値が「V2」から更新されなかった場合、保持制御部16cは、図7に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「I(D2)」に維持する。次に、最大流速値が「V4」に更新された場合、保持制御部16cは、図7に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「I(D2)」から「I(D4)」に更新する。
図3に示す表示制御部16dは、現時点で収集されているドプラ波形情報とともに、最大波形情報をモニタ2に同時に表示させる。第1の実施形態では、表示制御部16d、最大波形情報に対応するドプラ波形の画像データの表示スケールと、現時点で収集されているドプラ波形の画像データの表示スケールとを同一とし、各画像データを並列表示させる。図8は、第1の実施形態に係る表示制御部により実行される表示処理の一例を説明するための図である。
例えば、表示制御部16dは、図8の上図に示すように、ドプラ波形の収集開始から1心拍期間のドプラ波形が収集されていない時点までは、波形表示領域100に、現時点で収集されているドプラ波形の画像データとして、最新のドプラ波形と当該ドプラ波形の直前に収集された複数心拍期間分のドプラ波形群の画像データを表示させる。図8に示す一例では、波形表示領域100には、約6.5心拍期間分(約4.2秒間)のドプラ波形群の画像データが表示される。
そして、保持制御部16cの制御によりドプラ波形情報データ15bにデータが格納されると、表示制御部16dは、図8の下図に示すように、波形表示領域100を、最新波形表示領域101と最大波形表示領域102との2つの表示領域に変更する。ここで、最新波形表示領域101と最大波形表示領域102との縦軸及び横軸のスケールは、図8の下図に示すように、同一とされる。
表示制御部16dは、最新波形表示領域101に、現時点で収集されているドプラ波形の画像データとして、最新のドプラ波形と当該ドプラ波形の直前に収集された複数心拍期間分のドプラ波形群の画像データを表示させる。図8に示す一例では、最新波形表示領域101には、約6心拍期間分(約3.8秒間)のドプラ波形群の画像データが表示される。
そして、表示制御部16dは、最大波形表示領域102に最大波形情報の画像データを表示させる。すなわち、最大波形表示領域102には、現時点での最大流速値が計測されたドプラ波形の画像データが表示される。具体的には、最大波形表示領域102に表示される画像データは、現時点での最大流速値が更新されるごとに、更新される。
更に、表示制御部16dは、図8の下図に示すように、最大波形情報に含まれる計測値を表示するための計測値表示領域103を新たに設定する。計測値表示領域103には、現時点での最大流速値が計測されたドプラ波形から計測される計測値が表示される。例えば、計測値表示領域103には、図8の下図に示すように、最大波形表示領域102に表示されているドプラ波形から計測された「VP:−274.9cm/s、VTI:−83.40cm、PPG:30.2mmHg」がテーブル形式で表示される。なお、最大波形表示領域102に表示される計測値は、現時点での最大流速値が更新されるごとに、更新される。
なお、保持制御部16cは、上述した最大波形情報の更新処理だけでなく、以下の処理を行なっても良い。図9A、図9B及び図9Cは、第1の実施形態に係る保持制御部により実行されるリセット処理及び保存処理の一例を説明するための図である。
本実施形態により最大波形情報を更新保持し続ける過程では、被検体Pの体動や呼吸、超音波プローブ1の過大な操作、弁のエコー混入による飽和等の要因により、極端なノイズ波形の最大波形情報が混入することが発生する可能性がある。そこで、ノイズ波形の最大波形情報を用いて診断を行なうことを回避するために、保持制御部16cに、以下のリセット機能を搭載することが望ましい。
すなわち、保持制御部16cは、所定の条件(リセット条件)となった場合に、最大波形情報をドプラ波形情報データ15bから削除する。具体的には、保持制御部16cは、入力装置3が操作者から削除要求を受け付けた場合、最大波形情報を削除する。例えば、操作者は、「I(D4)」の画像データを参照して、表示されているドプラ波形がノイズであると判断し、入力装置3が有するリセットボタンを押下する。これにより、保持制御部16cは、図9Aに示すように、現時点での最大波形情報「I(D4)」を削除して「No DATA」の状態にリセットする。
或いは、保持制御部16cは、予め設定された期間が経過するごとに最大波形情報を削除する。例えば、保持制御部16cは、ノイズ波形の最大波形情報を用いて診断を行なうことを回避するために、一定の設定期間(例えば、30心拍や30秒等)ごとにリセット処理を行なう。
ここで、保持制御部16cがリセット処理を行なう場合、検出部16a及び決定部16bは、リセット後に収集されたドプラ波形を処理対象としても良い。しかし、ノイズ波形を除くことを目的として最大波形情報を更新する場合、検出部16a及び決定部16bは、保持制御部16cの制御により、以下の処理を行なうことが好適である。以下、保持制御部16cが20心拍ごとにリセット処理を行なうことで、現時点での最大波形情報が更新される処理の一例について、図9Bを用いて説明する。
図9Bに示す一例では、第1心拍から第20心拍の間で、最高流速の最大値が「第5心拍の最高流速」であると決定されている。ここで、記憶容量の制限から、画像メモリ15は、20心拍分の最高流速やドプラ波形を記憶可能であるとする。かかる状態で、新たな心拍である第21心拍のドプラ波形の最高流速が入力されると、最も古い心拍である第1心拍の最高流速がクリアされ、第1心拍から第20心拍での最大値である「第5心拍の最高流速」の情報がクリアされる。そして、決定部16bは、第2心拍から第21心拍の間での最高流速を比較して、再度、最高流速の最大値を決定する。図9Bに示す一例では、決定部16bは、第2心拍から第21心拍の間での最高流速の最大値を、再度、「第5心拍の最高流速」として決定している。
そして、第22心拍のドプラ波形の最高流速が入力されると、決定部16bは、第3心拍から第22心拍の間での最高流速の最大値を決定する。図9Bに示す一例では、決定部16bは、第3心拍から第22心拍の間での最高流速の最大値を「第22心拍の最高流速」として決定している。そして、第23心拍のドプラ波形の最高流速が入力されると、決定部16bは、第4心拍から第23心拍の間での最高流速の最大値を決定する。図9Bに示す一例では、決定部16bは、第4心拍から第23心拍の間での最高流速の最大値を、再度、「第22心拍の最高流速」として決定している。そして、第24心拍のドプラ波形の最高流速が入力されると、保持制御部16cの制御により、第4心拍の最高流速がクリアされ、決定部16bは、第5心拍から第24心拍の間での最高流速の最大値を決定する。図9Bに示す一例では、決定部16bは、第5心拍から第24心拍の間での最高流速の最大値を「第24心拍の最高流速」として決定する。
このようなリセット処理により、決定部16bは、常に、最新の設定期間の代表流速の最大値を決定する。そして、保持制御部16cは、常に、最新の設定期間の代表流速の最大値に対応する最大波形情報を保持させる。図9Bに示す一例では、決定部16bは、常に、最新の20心拍期間の最高流速の最大値を決定する。そして、図9Bに示す一例では、保持制御部16cは、常に、最新の20心拍期間における最高流速の最大値が検出された心拍の最大波形情報を保持させる。
ここで、本実施形態では、保持制御部16cは、ドプラ波形の教師データを用いて、最大波形情報として保持されるドプラ波形がノイズ波形であるか否かを判定し、ノイズ波形であると判定した場合に、リセット処理を行なっても良い。かかる場合、決定部16bは、例えば、ノイズ波形を除く最新の20心拍の最高流速から最大値を決定する。
なお、ノイズ波形の最大波形情報が採用されることを回避するための処理は、リセット処理に限定されるものでなく、保持制御部16cは、以下の保持制御処理を行なっても良い。すなわち、操作者がノイズ波形であると判定してリセットボタンを押下した場合、或いは、保持制御部16cがノイズ波形であると判定した場合、保持制御部16cは、当該ノイズ波形の直前に保持されていた最大波形情報を維持するように制御する。
また、本実施形態では、保持制御部16cは、最大波形情報の保存要求を操作者から受け付けた場合に、当該最大波形情報を所定のファイル形式として所定の記憶媒体に出力する。一例を挙げると、保持制御部16cは、操作者から指定された最大波形情報の画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式に変換して所定の記憶媒体に出力したり、最大波形情報の計測値をCSV(Comma Separated Values)形式に変換して所定の記憶媒体に出力したりする。例えば、保持制御部16cは、図9Cに示すように、入力装置3が有する「保存ボタン」が押下された場合、ドプラ波形情報データ15bに保持されている「I(D8)」を内部記憶部17に保存させる。或いは、保持制御部16cは、ドプラ波形情報データ15bに保持されている最大波形情報を、持ち運び可能な記憶媒体に出力保存させる。或いは、保持制御部16cは、ドプラ波形情報データ15bに保持されている最大波形情報の中で、操作者によって指定されたデータ(例えば、画像データや、全計測値の数値、一部の計測値の数値)を出力保存させても良い。なお、保持制御部16cは、ドプラ波形情報データ15bに保持されている最大波形情報を、プリンター等の外部装置に出力させる場合であっても良い。
ここで、図8の下図に示す表示が行なわれている状態で、操作者は、「Freezeボタン」を押下した後に、必要であるならば、最大波形表示領域102に表示されているドプラ波形のエンベロープを手動でトレースすることで、再度、検出部16aに各種計測値を計測させることもできる。しかし、操作者は、最大波形情報のドプラ波形が、最高流速の値が比較的安定した状態で収集された波形であるのか、最高流速の値が一過的に上昇した時点で収集された波形であるのかを判定したい場合がある。また、従来のように、計測や保存時に要手的に収集画像を過去に戻す(スクロールする)ことは、操作者にとって不便である。そこで、本実施形態に係る表示制御部16dは、以下の表示制御を行なっても良い。
すなわち、表示制御部16dは、操作者から最大波形情報の表示要求を受け付けた場合、当該最大波形情報に対応するドプラ波形を含む連続したドプラ波形をモニタ2に表示させる。具体的には、表示制御部16dは、操作者から最大波形情報の表示要求を受け付けた場合、当該最大波形情報に対応するドプラ波形を含む1心拍期間以上の連続したドプラ波形をモニタ2に表示させる。すなわち、表示制御部16dは、従来、操作者が手動で行なっていたスクロール操作を、自動的に行なう。例えば、「Freezeボタン」を押下した操作者が、更に、最大波形表示領域102や計測値表示領域103を、マウス等を用いて指定した場合、表示制御部16dは、収集波形データ15aから、最大波形情報のドプラ波形を中心とする連続心拍期間のドプラ波形群をモニタ2に表示させる。或いは、例えば、「Freezeボタン」が押下された時点で、表示制御部16dは、収集波形データ15aから、最大波形情報のドプラ波形を中心とする連続心拍期間のドプラ波形群をモニタ2に表示させる。図10は、第1の実施形態に係る表示制御部により実行されるスクロール処理の一例を説明するための図である。
例えば、表示制御部16dは、表示領域を図8の上図に示す状態に戻し、図10に示すように、波形表示領域100に、最大波形情報のドプラ波形を中心とする約6.5心拍期間のドプラ波形群を表示させる。図10に示す一例では、「Freezeボタン」押下時から約8秒前のドプラ波形を中心とする約6.5心拍期間のドプラ波形群が表示されている。波形表示領域100では、表示スケールから約4.2秒間の連続ドプラ波形が表示されることから、図10に示す一例では、表示制御部16dは、約4秒間、過去に遡るスクロール処理を自動で行なったこととなる。
操作者は、図10に示すドプラ波形を参照して、再計測処理等を行なったり、保存要求を行なったりする。なお、図10に示す状態で、保存要求が行なわれた場合、最大波形情報として、当該最大波形情報の画像データが保存される場合であっても、図10にて示される全てのドプラ波形の画像データが保存される場合であっても良い。
次に、図11、図12及び図13を用いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理について説明する。図11は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の最大波形情報の保持及び表示処理を説明するためのフローチャートである。また、図12は、第1の実施形態に係る超音波診断装置のリセット処理を説明するためのフローチャートである。また、図13は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の保存処理を説明するためのフローチャートである。
最大波形情報の保持及び表示処理において、第1の実施形態に係る超音波診断装置の検出部16aは、図11に示すように、新たな1心拍期間のドプラ波形が収集されたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、新たな1心拍期間のドプラ波形が収集されていない場合(ステップS101否定)、検出部16aは、新たな1心拍期間のドプラ波形が収集されるまで待機する。
一方、新たな1心拍期間のドプラ波形が収集された場合(ステップS101肯定)、検出部16aは、エンベロープの検出機能を用いて、当該ドプラ波形の最高流速を検出する(ステップS102)。そして、決定部16bは、現時点での最大流速値を決定する(ステップS103)。
そして、保持制御部16cは、最大流速値が更新されたか否かを判定する(ステップS104)。ここで、最大流速値が更新された場合(ステップS104肯定)、検出部16aは、新たに最大流速値が検出されたドプラ波形から、計測値を算出し、保持制御部16cは、画像メモリ15の最大波形情報を更新する(ステップS105)。そして、表示制御部16dは、最大波形情報の表示を更新する(ステップS106)。
ステップS106の処理の後、或いは、ステップS104の判定処理において最大流速値が更新されなかった場合(ステップS104否定)、表示制御部16dは、フリーズボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS107)。ここで、フリーズボタンが押下されていない場合(ステップS107否定)、検出部16aは、ステップS101に戻って、新たな1心拍期間のドプラ波形が収集されたか否かを判定する。
一方、フリーズボタンが押下された場合(ステップS107肯定)、表示制御部16dは、最大波形情報のドプラ波形を中心とする連続ドプラ波形を表示させ(ステップS108)、処理を終了する。なお、ステップS108の自動スクロール処理は、フリーズボタンが押下された後に、最大波形表示領域102や計測値表示領域103が指定された場合に、実行される場合であっても良い。
リセット処理において、第1の実施形態に係る超音波診断装置の保持制御部16cは、図12に示すように、リセット条件となったか否かを判定する(ステップS201)。ここで、リセット条件でない場合(ステップS201否定)、保持制御部16cは、リセット条件となるまで待機する。
一方、リセット条件となった場合(ステップS201肯定)、保持制御部16cは、画像メモリ15の最大波形情報を削除し(ステップS202)、図9Bに例示する制御処理を行なって、更新された最大波形情報を格納する。その後、保持制御部16cは、ステップS201の判定処理を行なう。なお、例えば、フリーズボタンが押下された場合に、保持制御部16cは、リセット処理を終了する。
保存処理において、第1の実施形態に係る超音波診断装置の保持制御部16cは、図13に示すように、操作者から保存要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。ここで、保存要求を受け付けない場合(ステップS301否定)、保持制御部16cは、保存要求を受け付けるまで待機する。
一方、保存要求を受け付けた場合(ステップS301肯定)、保持制御部16cは、画像メモリ15の最大波形情報を指定された装置に出力し(ステップS302)、処理を終了する。
上述してきたように、第1の実施形態では、常に、最大波形表示領域102や計測値表示領域103において最大波形情報が更新表示されることから、操作者は、自身の記憶に頼ることなく、超音波プローブ1の当て方を変えたり、口頭で被検体Pの呼吸を制御したりするといった操作をしながらでも、最大波形情報を把握することができる。また、従来、ドプラ波形の記録期間は、例えば10秒間と設定されている。すなわち、画像メモリ15の収集波形データ15aに保持されるドプラ波形は、予め定められた記録区間分のドプラ波形となる。しかし、保持制御部16cの制御により、最大波形情報が確実にドプラ波形情報データ15bに保持されるので、操作者は、最大波形情報を取り逃がすことを回避でき、再検査を行なうことを回避することができる。従って、第1の実施形態では、最高流速が最大となるドプラ波形の収集における操作者の負担を軽減することができる。
また、第1の実施形態では、ドプラ波形の境界部分のトレースを公知のオートトレースにより行なうことで、計測処理における操作者の負担を軽減することができる。また、第1の実施形態では、操作者は、最大波形情報の計測値を、任意に選択することができる。更に、操作者は、「Freezeボタン」を押下した後に、最大波形表示領域102に表示されているドプラ波形のエンベロープを手動でトレースすることで、再度、検出部16aに各種計測値を再計測させることもできる。
また、第1の実施形態では、リセット処理を行なうことで、ノイズ波形を用いて心臓弁の重症度の診断が行なわれることを回避することができる。また、第1の実施形態では、操作者は、最大波形情報の保存処理を簡易に行なうことができる。また、第1の実施形態では、スクロール処理を自動で行なうことができるので、操作者の負担を軽減することができる。
また、第1の実施形態では、最大波形表示領域102と最新波形表示領域101との表示スケールを同一として、並列表示する。操作者は、最大波形表示領域102に表示される画像データと最新波形表示領域101に表示される画像データとの縦軸のスケールが同一であることから、最大波形情報のドプラ波形の最高流速を、最新波形表示領域101に表示されるドプラ波形の最高流速と容易に比較することができる。
なお、最大波形情報の画像データを参照することで、最高流速が最大となるドプラ波形を操作者が把握することが可能であることから、最大波形情報の計測値表示は、必ずしも必要ではない。最大波形情報の画像データのみを表示させる場合でも、上述したように、最大波形表示領域102と最新波形表示領域101との表示スケールを同一とすることで、操作者は、容易に最高流速を概算することができ、波高値観察による概算値に対する信頼度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なる形態で、最大波形情報が表示される場合について、図14を用いて説明する。図14は、第2の実施形態に係る表示制御部により実行される表示処理の一例を説明するための図である。なお、本実施形態でも、所定期間が1心拍期間として設定されるものとして説明する。
第2の実施形態に係る表示制御部16dは、最大波形情報に対応するドプラ波形の画像データの表示スケールと、現時点で収集されているドプラ波形の画像データの表示スケールとを異ならせる。第1の実施形態では、図8の下図に示すように、最大波形情報の画像データは、現時点で収集されているドプラ波形の画像データと同一の表示スケールで並列表示される。かかる場合、Liveのドプラ波形の表示領域は、波形表示領域100から最新波形表示領域101に狭まることになる。そこで、第2の実施形態では、表示制御部16dは、図14に示すように、Liveのドプラ波形の表示領域は、波形表示領域100のままとし、最大波形表示領域102のサイズが縮小されたサムネール表示領域104を、波形表示領域100の上段に設定する。すなわち、第2の実施形態に係る表示制御部16dは、最大波形情報のドプラ波形の画像データを、サムネール表示領域104にて縮小表示させる。なお、図14に示す一例では、表示制御部16dは、計測値表示領域103をサムネール表示領域104の上段に設定する。
第2の実施形態では、Liveのドプラ波形の表示領域を確保したうえで、最大波形情報のドプラ波形の画像データを表示することができる。また、サムネール表示領域104を、波形表示領域100と離れた位置に設定することで、最大波形情報のドプラ波形の表示位置を、操作者に対して明示することができる。なお、モニタ2の表示サイズに余裕がある場合、表示制御部16dは、最大波形情報のドプラ波形の画像データを拡大表示させても良い。拡大処理は、最大波形情報のドプラ波形を操作者が細かく観察したい場合に有用である。
なお、第2の実施形態でも、第1の実施形態で説明したリセット処理、保存処理及びスクロール処理を行なうことが可能である。例えば、操作者がサムネール表示領域104を指定することで、第2の実施形態に係る制御部16は、保存処理及びスクロール処理を行なうことができる。また、第2の実施形態でも、第1の実施形態で説明した手動又は自動によるノイズ判定処理により、ノイズ波形のドプラ波形情報を保持せずに、当該ノイズ波形の直前に保持されていた最大波形情報を維持するように制御しても良い。また、第2の実施形態でも、最大波形情報の画像データを参照することで、最高流速が最大となるドプラ波形を操作者が把握することが可能であることから、最大波形情報の計測値表示は、必ずしも必要ではない。また、第2の実施形態においても、PW法によりドプラ波形が収集される場合、検出部16aが検出する代表流速は、最高流速、或いは、平均流速となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、複数心拍期間の最高流速の平均値を用いる場合について、図15及び図16を用いて説明する。図15及び図16は、第3の実施形態を説明するための図である。なお、本実施形態でも、所定期間が1心拍期間として設定されるものとして説明する。
第3の実施形態に係る検出部16aは、最新の所定期間のドプラ波形の代表流速及び当該最新のドプラ波形の直前に収集された少なくとも1つの所定期間のドプラ波形の代表流速の平均値を算出する。本実施形態では、検出部16aは、最高流速の平均値を算出する。すなわち、検出部16aは、最新の1心拍期間のドプラ波形の最高流速及び当該最新のドプラ波形の直前に収集された少なくとも1心拍期間のドプラ波形の最高流速の平均値を算出する。そして、第3の実施形態に係る決定部16bは、検出部16aから順次出力される平均値を比較することで、現時点での最大の平均値(以下、最大平均値と記載する)を決定する。
具体的には、第3の実施形態では、現在の心拍を含む連続する過去3〜5心拍程度における最高流速の平均値を用いる。以下では、連続心拍数として「3」が設定された場合について説明する。また、以下では、ドプラ波形「D1〜D6」が順次収集され、検出部16aが、各ドプラ波形の最高流速「V1〜V6」を順次検出したとして説明する。また、ドプラ波形が3つ収集されるまでは、検出部16aは、「V1」や「(V2+V1)/2」を平均値として決定部16bに出力する。また、ドプラ波形が3つ以上収集された場合、検出部16aは、「(V3+V2+V1)/3」、「(V4+V3+V2)/3」、「(V5+V4+V3)/3」、「(V6+V5+V4)/3」を決定部16bに順次出力する。また、決定部16bは、本実施形態では、検出部16aから入力された値の絶対値を用いるものとする。
図15に例示するように、決定部16bは、最大平均値の初期値を「0」とし、初期値「0」と検出部16aから最初に入力された平均値(入力平均値)である「V1」とを比較する。決定部16bは、図15に示すように、「0<V1」であることから、最大平均値を「V1」に更新する。そして、決定部16bは、「入力平均値:(V2+V1)/2」と「最大平均値:V1」とを比較し、図15に示すように、「V1<(V2+V1)/2」であることから、最大平均値を「(V2+V1)/2」に更新する。
そして、決定部16bは、「入力平均値:(V3+V2+V1)/3」と「最大平均値:(V2+V1)/2」とを比較し、図15に示すように、「(V2+V1)/2<(V3+V2+V1)/3」であることから、最大平均値を「(V3+V2+V1)/3」に更新する。そして、決定部16bは、「入力平均値:(V4+V3+V2)/3」と「最大平均値:(V3+V2+V1)/3」とを比較し、図15に示すように、「(V3+V2+V1)/3>(V4+V3+V2)/3」であることから、最大平均値を更新せずに「(V3+V2+V1)/3」と決定する。
そして、決定部16bは、「入力平均値:(V5+V4+V3)/3」と「最大平均値:(V3+V2+V1)/3」とを比較し、図15に示すように、「(V3+V2+V1)/3<(V5+V4+V3)/3」であることから、最大平均値を「(V5+V4+V3)/3」に更新する。そして、決定部16bは、「入力平均値:(V6+V5+V4)/3」と「最大平均値:(V5+V4+V3)/3」とを比較する。
図15に例示した平均値を用いた比較処理を順次行なうことで、決定部16bは、現時点での最大平均値を決定する。なお、検出部16aは、最新の1心拍期間のドプラ波形及び当該最新のドプラ波形の直前に収集された少なくとも1心拍期間のドプラ波形を平均し、平均した波形で検出した代表流速を上記の平均値として、決定部16bに出力しても良い。
そして、第3の実施形態に係る保持制御部16cは、最大平均値が検出された複数の所定期間分のドプラ波形の中で最新の所定期間のドプラ波形のドプラ波形情報を最大波形情報として画像メモリ15のドプラ波形情報データ15bに保持させる。具体的には、保持制御部16cは、最大平均値が検出された複数心拍分のドプラ波形の中で最新の1心拍期間のドプラ波形のドプラ波形情報を最大波形情報として画像メモリ15のドプラ波形情報データ15bに保持させる。
図16に示す一例は、図15に例示した決定部16bの処理結果に基づいて、保持制御部16cが行なう処理を示している。なお、図16では、最大平均値が検出された3つのドプラ波形の中で最新のドプラ波形が「D3」であった場合の最大波形情報を「I(D3)」として示している。
まず、ドプラ波形の収集開始から1心拍期間のドプラ波形が収集されていない時点までは、ドプラ波形情報データ15bは、図16に示すように、「No DATA」の状態となる。次に、最大平均値が「V1」に更新された場合、保持制御部16cは、図16に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「No DATA」から「I(D1)」に更新する。次に、最大平均値が「(V2+V1)/2」に更新された場合、保持制御部16cは、図16に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「I(D1)」から『「V2」が計測されたD2のドプラ波形情報である「I(D2)」』に更新する。
次に、最大平均値が「(V3+V2+V1)/3」に更新された場合、保持制御部16cは、図16に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「I(D2)」から『「V3」が計測されたD3のドプラ波形情報である「I(D3)」』に更新する。次に、最大平均値が「(V3+V2+V1)/3」から更新されなかった場合、保持制御部16cは、図16に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「I(D3)」に維持する。
次に、最大平均値が「(V5+V4+V3)/3」に更新された場合、保持制御部16cは、図16に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「I(D3)」から『「V5」が計測されたD5のドプラ波形情報である「I(D5)」』に更新する。
そして、表示制御部16dは、第1の実施形態で説明した表示形態、又は、第2の実施形態で説明した表示形態にて、最大波形情報を順次更新表示させる。
上述したように、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した処理が1心拍単位で決まる最高流速を保持する処理であるのに対して、第3の実施形態では、複数心拍による最高流速の平均値を用いた保持処理を行なう。第3の実施形態は、一過性のピーク値でなく、比較的安定したピーク値や比較的安定したピーク値が複数心拍で連続するドプラ波形を用いて診断を行ないたい場合に有効な処理となる。なお、第3の実施形態においても、PW法によりドプラ波形が収集される場合、検出部16aが検出する代表流速は、最高流速、或いは、平均流速となる。また、第3の実施形態においても、図9Bを用いて説明したリセット処理を行なうことが可能である。例えば、保持制御部16cの制御により、決定部16bは、常に、最新の20心拍期間の最大平均値を決定する。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第3の実施形態とは異なる形態で、最大波形情報の保持処理が行なわれる場合について、図17A及び図17Bを用いて説明する。図17A及び図17Bは、第4の実施形態を説明するための図である。なお、本実施形態でも、所定期間が1心拍期間として設定されるものとして説明する。
連続複数心拍での最高流速の平均値を用いて最大波形情報を更新する第3の実施形態では、計測値についても平均計測値で表示することが要望される場合がある。かかる場合、例えば、「最大流速値:V3」の代わりに「(V3+V2+V1)/3」が表示され、「D3」の画像データが表示される。
ここで、「(V3+V2+V1)/3」と「D3」とを最大波形情報として表示した場合、操作者に対して違和感を与えることとなる。すなわち、「D3」を参照しても、操作者は、概算で「(V3+V2+V1)/3」を確認できない。
そこで、第4の実施形態に係る保持制御部16cは、最大平均値が算出された複数所定期間分のドプラ波形情報を平均した平均波形情報を最大波形情報として画像メモリ15のドプラ波形情報データ15bに保持させる。具体的には、保持制御部16cは、最大平均値が算出された複数心拍分のドプラ波形情報を平均した平均波形情報を最大波形情報として画像メモリ15のドプラ波形情報データ15bに保持させる。
図17Aに示すように、第4の実施形態に係る保持制御部16cは、最大波形情報の計測値を、最大平均値が算出された複数心拍分のドプラ波形それぞれから計測された各種計測値の平均値(平均計測値)とする。例えば、「(V3+V2+V1)/3」が最大平均値であり、計測値としてPPGが指定されている場合、保持制御部16cは、D1から計測されるPPGと、D2から計測されるPPGと、D3から計測されるPPGとの平均値を最大波形情報の計測値として画像メモリ15に保持させる。
また、第4の実施形態に係る保持制御部16cは、最大平均値が算出された複数心拍分のドプラ波形をコンパウンド(加算平均)した画像データを画像生成部14に生成させる。そして、図17Aに示すように、第4の実施形態に係る保持制御部16cは、最大波形情報の画像データとして、加算平均画像データを画像メモリ15に保持させる。
図17Bに示す一例は、図15に例示した決定部16bの処理結果に基づいて、第4の実施形態に係る保持制御部16cが行なう処理を示している。なお、図17Bでは、最大平均値が検出された3つのドプラ波形が「D1,D2,D3」であった場合の平均波形情報を「AVE(I(D1),I(D2),I(D3))」として示している。
まず、ドプラ波形の収集開始から1心拍期間のドプラ波形が収集されていない時点までは、ドプラ波形情報データ15bは、図17Bに示すように、「No DATA」の状態となる。次に、最大平均値が「V1」に更新された場合、保持制御部16cは、図17Bに示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「No DATA」から「I(D1)」に更新する。次に、最大平均値が「(V2+V1)/2」に更新された場合、保持制御部16cは、図17Bに示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「I(D1)」から「AVE(I(D1),I(D2))」に更新する。
次に、最大平均値が「(V3+V2+V1)/3」に更新された場合、保持制御部16cは、図17Bに示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「AVE(I(D1),I(D2))」から「AVE(I(D1),I(D2),I(D3))」に更新する。次に、最大平均値が「(V3+V2+V1)/3」から更新されなかった場合、保持制御部16cは、図17Bに示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「AVE(I(D1),I(D2),I(D3))」に維持する。
次に、最大平均値が「(V5+V4+V3)/3」に更新された場合、保持制御部16cは、図17Bに示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、「AVE(I(D1),I(D2),I(D3))」から「AVE(I(D3),I(D4),I(D5))」に更新する。
そして、表示制御部16dは、第1の実施形態で説明した表示形態、又は、第2の実施形態で説明した表示形態にて、平均波形情報である最大波形情報を順次更新表示させる。
第4の実施形態では、平均波形情報を保持して表示するので、比較的長期間の心拍を観察して、平均的な最大流速値や平均的な最大流速値が計測されるドプラ波形の情報を得たい場合に好適となる。なお、第3及び第4の実施形態でも、第1の実施形態で説明したリセット処理、保存処理及びスクロール処理を行なうことが可能である。また、第3及び第4の実施形態でも、第1の実施形態で説明した手動又は自動によるノイズ判定処理により、ノイズ波形のドプラ波形情報を保持せずに、当該ノイズ波形の直前に保持されていた最大波形情報を維持するように制御しても良い。なお、第4の実施形態においても、PW法によりドプラ波形が収集される場合、検出部16aが検出する代表流速は、最高流速、或いは、平均流速となる。
(第5の実施形態)
第1〜第4の実施形態では、ドプラ波形情報データ15bに1つのドプラ波形情報が保持される場合について説明した。第5の実施形態では、ドプラ波形情報データ15bに複数のドプラ波形情報が保持される場合について、図18A、図18B、図19〜図22を用いて説明する。図18A、図18B、図19〜図22は、第5の実施形態を説明するための図である。なお、本実施形態でも、所定期間が1心拍期間として設定されるものとして説明する。
すなわち、第5の実施形態に係る保持制御部16cは、最大波形情報とともに、少なくとも1つの所定期間のドプラ波形情報をドプラ波形情報データ15bに保持させる。具体的には、保持制御部16cは、最大波形情報とともに、少なくとも1心拍期間のドプラ波形情報をドプラ波形情報データ15bに保持させる。そして、第5の実施形態に係る表示制御部16dは、ドプラ波形情報データ15bに保持されている複数のドプラ波形情報をモニタ2に表示させる。
以下、ドプラ波形情報データ15bに保持される複数のドプラ波形情報のパターンを、第1パターン及び第2パターンに分けて順に説明する。なお、以下では、3つのドプラ波形情報がドプラ波形情報データ15bに保持される場合を一例として説明する。
第1パターンでは、保持制御部16cは、最大波形情報を含む連続する複数の所定期間のドプラ波形情報をドプラ波形情報データ15bに保持させる。具体的には、保持制御部16cは、最大波形情報を含む連続心拍のドプラ波形情報をドプラ波形情報データ15bに保持させる。例えば、図18Aに示すように、現時点で最大流速値となるドプラ波形「D8」の最大波形情報「I(D8)」を保持させる場合、保持制御部16cは、ドプラ波形「D8」より過去に収集された2つのドプラ波形のドプラ波形情報「I(D7)」及び「I(D6)」を同時に保持させる。「I(D7)」は、ドプラ波形「D8」の直前に収集された1心拍期間のドプラ波形「D7」のドプラ波形情報であり、「I(D6)」は、ドプラ波形「D7」の直前に収集された1心拍期間のドプラ波形「D6」のドプラ波形情報である。
第1パターンでは、表示制御部16dは、例えば、図18Bに示すように、サムネール表示領域104に「D6,D7,D8」を表示させる。なお、計測値に関しては、表示制御部16dは、「I(D8)」に含まれる計測値のみを表示させる場合であっても、「I(D8)」に含まれる計測値とともに、「I(D7)」及び「I(D6)」に含まれる計測値を表示させる場合であっても良い。
第1パターンでは、例えば、操作者は、「D6,D7,D8」を参照して連続3心拍のドプラ波形の情報を得ながら、「Freezeボタン」押下するか否かを判断することができる。そして、操作者は、「Freezeボタン」押下後に、「D6,D7,D8」を改めて詳細に観察することができる。例えば、「D8」と比較して最高流速の値が若干低いものの、「D6」の波形にノイズが含まれていないと判断した場合、操作者は、「D6」を用いて再計測を行なうことができる。また、かかる場合、操作者は、「D8」ではなく「D6」の保存要求を行なうことができる。
更に、第1パターンでは、記録期間により、仮に、収集波形データ15aに「D1〜D5」しか記憶されていない場合であっても、スクロール表示を行なうことができる。例えば、「D8」が指定されることでスクロール表示要求が行なわれた場合、表示制御部16dは、少なくとも「D6,D7,D8」をドプラ波形情報データ15bから読み込んで、スクロール表示することができる。なお、第1パターンでも、第1の実施形態で説明したリセット処理を行なうことが可能である。また、第1パターンでも、第1の実施形態で説明した手動又は自動によるノイズ判定処理により、ノイズ波形のドプラ波形情報を保持せずに、当該ノイズ波形の直前に保持されていた複数のドプラ波形情報を維持するように制御しても良い。
次に、第2パターンでは、保持制御部16cは、最大波形情報をドプラ波形情報データ15bに保持させるとともに、当該最大波形情報より過去に最大波形情報であったドプラ波形情報である過去最大波形情報を少なくとも1つ維持してドプラ波形情報データ15bに保持させる。例えば、第2パターンでは、保持制御部16cは、図19に示すように、現時点での最大波形情報(最新最大波形情報)を保持させる。更に、第2パターンでは、保持制御部16cは、図19に示すように、最新最大波形情報に更新される前に最大波形情報であったドプラ波形情報である過去最大波形情報と、当該過去最大波形情報に更新される前に最大波形情報であったドプラ波形情報である過去最大波形情報とを維持させる。
表示制御部16dは、図19に示す1つの最新最大波形情報と2つの過去最大波形情報とをモニタ2に表示させる。これにより、操作者は、3つのドプラ波形から診断に好適であるドプラ波形を選択して、再計測処理、スクロール表示処理、保存処理等を行なうことができる。例えば、表示制御部16dは、モニタ2に表示されている最大波形情報及び過去最大波形情報のいずれかのドプラ波形情報が操作者により指定された場合、指定されたドプラ波形情報に対応するドプラ波形を含む連続したドプラ波形(指定されたドプラ波形情報に対応するドプラ波形を含む1心拍期間以上の連続したドプラ波形)をモニタ2に表示させる。
上記の第2パターンが行なわれることで、操作者は、一過的に生じる最大流速値のドプラ波形を、確実に得ることができる。
ここで、第2パターンが実行される場合、第1の実施形態で説明した検出部16a及び決定部16bの処理により、最大波形情報が更新される。しかし、第2パターンが実行される場合、ピークホールド処理でなく、検出部16a及び決定部16bは、以下の第1変形例又は第2変形例の処理を行なっても良い。
第2パターンにおける第1変形例では、決定部16bは、検出部16aから順次出力される代表流速である最高流速を、ドプラ波形情報データ15bに保持されている最大波形情報(最新最大波形情報)及び過去最大波形情報に対応する各ドプラ波形から検出された代表流速である最高流速の平均値(最大流速平均値)と比較する。
例えば、図20に示すように、決定部16bは、最大流速平均値の初期値を「0」とし、初期値「0」と検出部16aから最初に入力された最高流速(入力最高流速)である「V1」とを比較する。決定部16bは、図20に示すように、「0<V1」であることから、最大流速平均値を「V1」に更新する。そして、決定部16bは、「入力最高流速:V2」と「最大流速平均値:V1」とを比較し、図20に示すように、「V1<V2」であることから、最大流速平均値を「(V2+V1)/2」に更新する。
そして、決定部16bは、「入力最高流速:V3」と「最大流速平均値:(V2+V1)/2」とを比較し、図20に示すように、「(V2+V1)/2>V3」であることから、最大流速平均値を「(V2+V1)/2」に維持する。そして、決定部16bは、「入力最高流速:V4」と「最大流速平均値:(V2+V1)/2」とを比較し、図20に示すように、「(V2+V1)/2<V4」であることから、最大流速平均値を「(V4+V2+V1)/3」に更新する。
そして、決定部16bは、「入力最高流速:V5」と「最大流速平均値:(V4+V2+V1)/3」とを比較し、図20に示すように、「(V4+V2+V1)/3<V5」であることから、最大流速平均値を「(V5+V4+V2)/3」に更新する。そして、決定部16bは、「入力最高流速:V6」と「最大流速平均値:(V5+V4+V2)/3」とを比較する。
第2パターンにおける第1変形例では、例えば、入力最高流速と、当該入力最高流速が検出された時点での最大流速平均値との比較処理を順次行なうことで、決定部16bは、現時点での最大流速平均値を決定する。
そして、第2パターンにおける第1変形例では、現時点での最大流速平均値を算出するために用いられたドプラ波形のドプラ波形情報が、最新最大波形情報及び過去最大波形情報として、ドプラ波形情報データ15bに保持される。
図21に示す一例は、図20に例示した決定部16bの処理結果に基づいて、保持制御部16cが行なう処理を示している。なお、図21に示す一例では、ドプラ波形情報データ15bの3つの記憶領域を3つの箱で示し、右側の箱が最も古く、左側に向かって最新のドプラ波形情報が格納されるものとする。また、図21に示す一例では、ドプラ波形情報データ15bの3つの記憶領域全てにドプラ波形情報が保持されている状態で、新規のドプラ波形情報が保持される場合、最も古いドプラ波形情報が破棄される。
まず、ドプラ波形の収集開始から1心拍期間のドプラ波形が収集されていない時点までは、ドプラ波形情報データ15bの3つの記憶領域は、図21に示すように、全て「No DATA」の状態となる。次に、最大流速平均値が「V1」に更新された場合、保持制御部16cは、図20に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、『「No DATA」、「No DATA」、「I(D1)」』に更新する。
次に、最大平均値が「(V2+V1)/2」に更新された場合、保持制御部16cは、図21に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、『「No DATA」、「I(D2)」、「I(D1)」』に更新する。
次に、最大平均値が「(V2+V1)/2」のままである場合、保持制御部16cは、図21に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、『「No DATA」、「I(D2)」、「I(D1)」』に維持する。
次に、最大平均値が「(V4+V2+V1)/3」に更新された場合、保持制御部16cは、図21に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、『「I(D4)」、「I(D2)」、「I(D1)」』に更新する。次に、最大平均値が「(V5+V4+V2)/3」に更新された場合、保持制御部16cは、図21に示すように、ドプラ波形情報データ15bに保持させるデータを、『「I(D5)」、「I(D4)」、「I(D2)」』に更新する。すなわち、保持制御部16cは、図21に示すように、最も古い「I(D1)」を破棄して、「I(D5)」を新たに保持させる。
なお、第2パターンにおける第1変形例では、表示制御部16dは、最新最大波形情報を最大波形情報として表示させる場合であっても、最新最大波形情報及び過去最大波形情報の平均波形情報を最大波形情報として表示させる場合であっても良い。また、表示制御部16dは、第1の実施形態で説明した表示形態、又は、第2の実施形態で説明した表示形態にて、最大波形情報を順次更新表示させる。
第2パターンにおける第2変形例では、第3の実施形態と第2パターンにおける第1変形例とを組み合わせた処理が実行される。すなわち、検出部16aは、最新の所定期間(最新の1心拍期間)のドプラ波形の最高流速及び当該最新のドプラ波形の直前に収集された少なくとも1つの所定期間(少なくとも1心拍期間)のドプラ波形の代表流速の平均値(例えば、最高流速の平均値)を算出する。そして、第2パターンにおける第2変形例では、決定部16bは、検出部16aから順次出力される平均値と、ドプラ波形情報データ15bに保持されている最大波形情報及び過去最大波形情報に対応する各ドプラ波形から検出された代表流速の平均値(例えば、最高流速の平均値)とを比較する。
例えば、図22に示すように、決定部16bは、最大流速平均値の初期値を「0」とし、初期値「0」と検出部16aから最初に入力された最高流速の平均値(入力平均値)である「V1」とを比較する。決定部16bは、図22に示すように、「0<V1」であることから、最大流速平均値を「V1」に更新する。そして、決定部16bは、「入力平均値:(V2+V1)/2」と「最大流速平均値:V1」とを比較し、図22に示すように、「V1<(V2+V1)/2」であることから、最大流速平均値を「(V2+V1)/2」に更新する。
そして、決定部16bは、「入力平均値:(V3+V2+V1)/3」と「最大流速平均値:(V2+V1)/2」とを比較し、図22に示すように、「(V2+V1)/2>(V3+V2+V1)/3」であることから、最大流速平均値を「(V2+V1)/2」に維持する。そして、決定部16bは、「入力平均値:(V4+V3+V2)/3」と「最大流速平均値:(V2+V1)/2」とを比較し、図22に示すように、「(V2+V1)/2<(V4+V3+V2)/3」であることから、最大流速平均値を更新する。例えば、決定部16bは、「V1〜V4」の中で平均値が最大となる3つの数値の組み合わせを探索することで、図22に示すように、最大流速平均値を「(V4+V2+V1)/3」に更新する。
そして、決定部16bは、「入力平均値:(V5+V4+V3)/3」と「最大流速平均値:(V4+V2+V1)/3」とを比較し、図22に示すように、「(V4+V2+V1)/3<(V5+V4+V3)/3」であることから、最大流速平均値を更新する。例えば、決定部16bは、「V1〜V5」の中で平均値が最大となる3つの数値の組み合わせを探索することで、図22に示すように、最大流速平均値を「(V5+V4+V2)/3」に更新する。そして、決定部16bは、「入力平均値:(V6+V5+V4)/3」と「最大流速平均値:(V5+V4+V2)/3」とを比較する。
第2パターンにおける第2変形例では、入力平均値と、当該入力最高流速が検出された時点での最大流速平均値との比較処理を順次行なうことで、決定部16bは、現時点での最大流速平均値を決定する。
ここで、図22に例示した決定部16bの処理結果に基づいて保持制御部16cが行なう保持制御処理は、図21と同じパターンとなるので説明を省略する。
なお、第2パターンにおける第2変形例でも、表示制御部16dは、最新最大波形情報を最大波形情報として表示させる場合であっても、最新最大波形情報及び過去最大波形情報の平均波形情報を最大波形情報として表示させる場合であっても良い。また、表示制御部16dは、第1の実施形態で説明した表示形態、又は、第2の実施形態で説明した表示形態にて、最大波形情報を順次更新表示させる。
上記の第2パターンの第1変形例又は第2変形例を行なうことでも、操作者は、一過的に生じる最大流速値のドプラ波形を、確実に得ることができる。なお、第5の実施形態においても、PW法によりドプラ波形が収集される場合、検出部16aが検出する代表流速は、最高流速、或いは、平均流速となる。また、第5の実施形態で、図9Bに例示するリセット処理が行なわれる場合、ドプラ波形情報データ15bに保持されるデータは、全てクリアされる。
なお、第1〜第5の実施形態では、診断部位が心臓である場合について説明した。しかし、上述した第1〜第5の実施形態で説明した処理は、心臓以外の診断部位に適用される場合であっても良い。また、かかる場合、所定期間は、1心拍期間だけではなく、例えば、呼吸の1周期として設定されたり、腕を周期的に上げ下げさせた際の運動の1周期として設定されたりする場合であっても良い。
また、ドプラ波形情報データ15bに保持される「最大波形情報」は、上述した第1〜第5の実施形態で説明した情報に限定されるものではない。例えば、「最大波形情報」は、PPGやVTI等のように最大値が得られた1心拍分のドプラ波形から計測される代表値だけでなく、1心拍分のドプラ波形を生成するために抽出された各ドプラ信号から計測される血流速度、血流のパワー、血流速度の分散値等「1心拍分のドプラ信号の計測値の配列」を含む場合であっても良い。また、「最大波形情報」は、ドプラ波形の「波の形」としての波形情報を含む場合であっても良い。このような波形情報の実例としては、時間波形を周波数変換して得られる周波数軸上での振幅特性のピーク周波数値や、ピーク周波数での位相値が好適である。また、「最大波形情報」は、「最大値が得られた際の時刻情報」を含む場合であっても良い。「時刻情報」が保持される場合、操作者、又は、表示制御部16dは、「時刻情報」を用いて、最大値が得られた1心拍分のドプラ波形をシネメモリ(画像メモリ15)から読み出して、例えば、現時点で収集されているドプラ波形と並列表示することができる。
なお、第1〜第5の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、第1〜第5の実施形態で説明した画像処理方法は、あらかじめ用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上、説明したとおり、第1の実施形態〜第5の実施形態によれば、最高流速が最大となるドプラ波形の収集における操作者の負担を軽減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。