JP6116621B2 - 振動波モータ - Google Patents

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Description

本発明は、振動波モータに関し、特に、振動子に一方端で接触して該振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子と、該回転子の他方端と係合して該回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材とからなる振動波モータに関する。
一般に、振動波モータは、カメラレンズの駆動用などに製品応用がなされており、円環型のものと棒状型のものとが存在する。以下に、従来の棒状型の振動波モータについて説明する(例えば、特許文献1参照)。
図11は、従来の棒状振動子の断面構造(A)とその振動モード(B)とを示す図であり、図12は、この従来の棒状振動子からなり、カメラレンズ駆動用に用いられる振動波モータの構成を示す断面図である。図13は、この従来の棒状振動子を更に小型化した振動波モータの構成を示す断面図である。なお、図11および図12と図13との間において、同一機能部分には同一の参照符号を付すようにしている。
図12および図13において、1は第1の弾性体、2は第2の弾性体、3は積層圧電素子(電気−機械エネルギー変換素子)、4はシャフト、5はナットである。第1の弾性体1、第2の弾性体2、積層圧電素子3は、シャフト4及びナット5によって、所定の挟持力が付与されるように締め付けられている。
7はロータ(回転子)であり、ロータ7の一方の面(図で下方端)が耐摩耗性部材6に接触する。耐摩耗性部材6は、第1の弾性体1の上方端に設けられる。ロータ7の一方の面は、他方の面(図で上方端)よりも接触面積が小さく、かつ適度なバネ性を有する構造となっている。また、ロータ7の他方の面にはギア(出力伝達部材)8が設けられ、ギア8は、ロータ7と一緒に回転し、振動波モータの出力を外部に伝達する。ロータ7の他方の面には凹部が形成され、ギア8に形成された凸部と係合する。さらに、ギア8は、振動波モータを取り付けるためのフランジ10により、シャフト4のスラスト方向に位置が固定されており、ロータ7に加圧力を付与するための加圧バネ15が、このギア8とロータ7との間に設けられている。
積層圧電素子3には、それぞれが2つの電極からなる電極群が含まれ、不図示の電源からそれぞれの電極群に位相の異なる交流電界が印加されると、棒状振動子に、直交する2つの曲げ振動が励振される。図11(B)は、2つの曲げ振動のうちの一方を図示し、他方は、紙面に垂直な方向に発生する。この印加交流電界の位相を調整することにより、2つの曲げ振動間に、90度の時間的な位相差を与えることができ、その結果、棒状振動子の曲げ振動がシャフト4の軸周りに回転する。
この結果、ロータ7に接触する第1の弾性体1の上面には楕円運動が形成され、耐摩耗性部材6に押圧されたロータ7が摩擦駆動される。これによって、ロータ7、ギア8、加圧バネ15が一体となってシャフト4の軸周りに回転する。
振動波モータの出力は、ロータ7を介してギア8から外部ギアへ伝達される構造になっている(図12)。ロータ7は、回転軸回りの振れ回りを拘束するために、ギア8と内径で遊嵌合しており、ギア8もまた、モータ取り付けフランジ10の下部で径嵌合する構造になっている。
図14は、ロータ7とギア8との係合部分を示す斜視図である。
ロータ7には円形凹部7cが設けられると共に、ロータ7の上面に、半径方向に延びた一対の溝部7a,7bが軸対称に設けられている。ギア8の下面には、ロータ7の円形凹部7cに係合するように、円筒状凸部8cが設けられる。それと共に、ロータ7の溝部7a,7bにそれぞれ係合するように、一対の突起部8a,8b(突起部8bは図14では図示せず)が設けられる。これらの係合により、ロータ7の回転がギア8に伝達されて出力が行われる構成になっている。
図15および図16は、ロータ7とギア8とが所定の位置関係で係合した状態において、図14に示す仮想面Lで切断したときのロータ7およびギア8を示す断面図である。ただし、図16は、ロータ7がギア8から反力を受けているときの断面図である。
ここで、ロータ7の円形凹部7cの内径をφD、ギア8の円筒状凸部8cの外径をφdとしたとき、ロータ7とギア8との径方向の隙間δR(=φD−φd)を適正な値に設定する。また、ロータ7の溝部7a,7bの幅をW、ギア8の突起部8a,8bの幅をBとしたとき、ロータ7の溝部7a,7bとギア8の突起部8a,8bとの周方向の各隙間δB(=W−B)を適正な値に設定する。このように隙間δRおよび隙間δBを適正な値にそれぞれ設定することにより、ロータ7が回転中心からずれたり、ロータ7本体をギア8の摺動面に対して倒すようなモーメントが作用したりすることがなくなる。これにより、ロータ7の第1の弾性体1との安定した接触状態が保たれる。
ところで、図16に示すように、ロータ7に矢印A方向の回転力が発生すると、ロータ7の溝部7a,7bの周方向の一方側の壁7d,7eが、ギア8の突起部8a,8bにそれぞれ当接する。この結果、ロータ7の壁7d,7eは、ギア8の突起部8a,8bから、反力である偶力F101、F102をそれぞれ受けることになる。
特開2005−237083号公報
しかしながら、上記従来の振動波モータにおいては、回転力の伝達部に隙間δRおよび隙間δBが存在するため、騒音問題が発生する。すなわち、ロータ7とギア8との隙間δRおよび隙間δBにおいて振動が発生して騒音を生じる。また、ロータ7が回転方向を反転したときに、ロータ7の溝部7a,7bの壁が、ギア8の突起部8a,8bに対して隙間δB分だけ助走して衝突するために、打突音が発生する。この現象を、図17〜図19を参照して、ロータ7の溝部7aとギア8の突起部8aとを例に挙げて、以下に詳しく説明する。
図17は、ロータ7の溝部7aとギア8の突起部8aとの係合状態を示す断面図である。図17は、図14に示す仮想面Lに対して垂直で、かつ周方向に沿った断面で溝部7aおよび突起部8aを切断したときの断面図である。
図17に示すように、ギア8の突起部8aの幅Bはロータ7の溝7aの幅Wに比べ小さく設定されており、隙間δB(=W−B)だけのガタを持っている。
ここで、ギア8に外部から負荷トルクT±ΔT(ΔTは変動分)がかかり、ロータ7の壁7dが、ギア8の突起部8aの壁8aaから偶力F0±ΔFを受けるものとする。このとき、定常負荷トルクTが変動分ΔTよりも大きく、T±ΔT>0であれば、図18に示すように、常に、F0±ΔF>0となり、ロータ7とギア8とは常に接触して、一体となって回転するため、騒音は発生しない。図18は、ロータ7の壁7dがギア8の突起部8aの壁8aaから受ける偶力Fを示すグラフである。
しかし、定常負荷トルクTが変動分ΔTよりも小さく、T−ΔT<0となるようなことがあると、偶力F0−ΔF<0となる場合が、図19に示すように発生する。図19は、偶力F<0となる場合における、ロータ7の壁7dがギア8の突起部8aの壁8aaから受ける偶力Fを示すグラフである。
この場合、ギア8からロータ7に働く偶力Fが負(F0−ΔF<0)となる瞬間と、正(F+ΔF>0)となる瞬間とが交互に発生するため、ロータ7の壁7dと、ギア8の突起部8aの壁8aaとが、接触、離間を繰り返すことになる。
この離間から接触に移るときに、ロータ7の壁7dと、ギア8の突起部8aの壁8aaとが衝突し、一定周期の衝突音を発生する。
ところで、離間状態のとき、すなわちギア8がロータ7と接触せずに回転方向に自由な状態にあるときに、ギア8が低周波数の騒音を発生するという問題があることが分かった。これは特に、ロータ7が低回転数で、かつ低負荷トルクで回転しているときに起こりやすく、ロータ7の円周における1個所または2個所に、ギア8が回転方向の共振振動を起こす領域(区間)があることが、検討の結果判明した。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、ロータとギアとの間における周方向の隙間に起因する打突音や、低回転数、低負荷トルク時に発生する低周波振動の抑制を図った振動波モータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、発明によれば、電気−機械エネルギー変換素子と弾性体とを有する振動子と、前記振動子に一方端で接触して前記振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子と、前記回転子の他方端と係合して前記回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材と、を有する振動波モータであって、前記出力伝達部材は、前記回転子の前記他方端に半径方向に延びて設けられた複数の溝部とそれぞれ係合するための複数の出力伝達部を有し、前記複数の出力伝達部はそれぞれ、複数の梁部を有し、前記複数の梁部は、離間しており、それぞれバネ性を備え、前記複数の溝部それぞれにおいて、前記複数の梁部は、負荷トルクが作用しても、それぞれ対向する内壁と接触していることを特徴とする振動波モータが提供される。
本発明によれば、回転子(ロータ)と出力伝達部材(ギア)との間における周方向の隙間に起因する打突音や、低回転数、低負荷トルク時に発生する低周波振動を抑制することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る振動波モータにおけるロータとギアとの係合部分を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る振動波モータにおけるロータおよびギアの構成を示す図である。 図2(A)に示す部分100の拡大図である。 図2(C)に示す部分200の拡大図である。 過大な負荷が加わったときにおけるギアの梁部の撓みを示す図である。 第2の実施の形態におけるギアのブロック部および梁部の構成を示すとともに、過大な負荷が加わったときにおける梁部の撓みを示す図である。 第3の実施の形態におけるギアのブロック部および梁部の構成を示す斜視図である。 第3の実施の形態におけるギアのブロック部および梁部の構成を示す垂直断面図である。 第3の実施の形態におけるギアのブロック部および梁部の構成を示す水平断面図である。 第4の実施の形態における円環型振動子のロータおよびギアの構成を示す図である。 従来の棒状振動子の断面構造とその振動モードとを示す図である。 従来の棒状振動子からなり、カメラレンズ駆動用に用いられる振動波モータの構成を示す断面図である。 従来の棒状振動子を更に小型化した振動波モータの構成を示す断面図である。 ロータとギアとの係合部分を示す斜視図である。 ロータとギアとが所定の位置関係で係合した状態において、図14に示す仮想面Lで切断したときのロータおよびギアを示す断面図である。 ロータがギアから反力を受けているときの、図14に示す仮想面Lで切断したときのロータおよびギアを示す断面図である。 ロータの溝部とギアの突起部との係合状態を示す断面図である。 ロータの壁がギアの突起部の壁から受ける偶力を示すグラフである。 偶力F<0となる場合における、ロータの壁がギアの突起部の壁から受ける偶力Fを示すグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る振動波モータにおけるロータとギアとの係合部分を示す斜視図である。図2は、該振動波モータにおけるロータおよびギアの構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。図3は、図2(A)の部分100の拡大図であり、図4は、図2(C)の部分200の拡大図である。以下、これらの図を適宜、参照しながら説明する。
なお、図1〜図4においては、図12〜図19に示す従来の振動波モータにおけるロータおよびギアの構成と同一部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
先ず、ギア8には、ロータ(回転子)7と係合し、ロータ7との間で出力を伝達する2つの出力伝達部がある。一方の出力伝達部は、ギア8本体に連結しているブロック部83と、このブロック部83から半径方向にそれぞれ張り出した梁部81A,81Bとから構成される。また他方の出力伝達部は、ギア8本体に連結しているブロック部84と、このブロック部84から半径方向にそれぞれ張り出した梁部82A,82Bとから構成される。梁部81A,81B、82A,82Bの各先端部は、ロータ7の溝部7a,7bの周方向の壁面に適切なバネ力F0で接触している。またギア8の下側には、ロータ7の円形凹部7cと係合する円筒状凸部85が形成されている。
なお、図3に示すように、ギア8のブロック部83,84の周方向の幅B1は、ロータ7の溝幅Wよりも小さくなるように設定されている。例えば、W−B1=0.01mm〜0.1mmに設定される。また、梁部81A,81B(82A,82B)の先端がロータ7の溝部7a,7b壁面に触れていないときの幅L0(自由長)は、ロータ7の溝幅Wよりも大きくなるように設定されている。
また、図2(B)に示すように、ギア8の軸方向の長さは、中央の円筒状凸部85が最も長く、次にブロック部84(83)、そして梁部81B(81A,82A,82B)の順に小さく設定されている。さらに、図4に示すように、ロータ7の溝部7a(7b)の入り口には面取りを施し、また、梁部81A,81B(82A,82B)の先端側にはテーパが施されている。これによって、図1に示す矢印の方向に、ギア8をロータ7の溝部7a,7bに係合する際に、治具を使わずとも容易に係合ができる。
すなわち、加圧バネ15をロータ7とギア8との間に設置し、加圧バネ15を押圧しながら、ギア8を図1の上方からロータ7に押し込んで組み込む際、まず、中央の円筒状凸部85をロータ7の円形凹部7cに嵌合させて中心の位置出しを行う。次に、ギア8を回転させ、ブロック部83,84でロータ7の溝部7a,7bの位置を探る。ブロック部83,84とロータ7の溝部7a,7bとの位置がそれぞれ合ったところで、ギア8の梁部81A,81B,82A,82Bをロータ7の溝部7a,7bへそれぞれ押し込む。かくして、ギア8とロータ7との確実な係合が完了する。
このようにして、ロータ7にギア8が組み込まれると、ロータ7の溝部7a,7bの内壁には、ギア8の梁部81A,81B,82A,82Bが、前述したように、バネ力F0でそれぞれ接触する。このバネ力F0は、梁部81A,81B,82A,82Bのバネ係数をkとするとき、((L0−W)/2)×kで表され、このバネ力F0で付勢されて、ガタのない接触となる。
このバネ力F0は、ギア8の外部連結ギア(不図示)から伝達される負荷トルクTの変動分ΔTに対応するバネ力変動分ΔFよりも大きく設定される(詳しくは後述)。そして、ギア8に付加される定常負荷トルクTが小さなときでも、ロータ7とギア8との連結部で、ロータ7とギア8とが離れることはなくなるため、従来発生したような衝突音は発生せず、また静かでしかも安定した出力が得られる。
なお、バネ力F0の設定に関しては、ギア8に付加される負荷トルクTの変動分ΔTなどを考慮し、適切に設定する必要がある。すなわち、バネ力F0を大きくし過ぎると、図4に示すように、ギア8の梁部81A,81Bとロータ7の溝部7aの内壁との摩擦力(μ×F0)が大きくなる。これによって、ギア8の振れ回り等による軸方向の変動の影響を、ロータ7の軸方向の偏荷重として受けやすくなり、特性の低下や鳴きなどの原因につながる。逆にバネ力が小さ過ぎると、すなわち梁部の撓みが小さいと、前述したように、変動負荷との関係で一方の梁部が溝部内壁から離れることになり、ガタを無くすようにした効果が薄れることになる。
なおまた、梁部81A,81B,82A,82Bのバネ剛性を小さくすると、過大な負荷が加わったときに、これら梁部が破損する可能性がある。そこで、本実施の形態では、ギア8のブロック部83,84の周方向の幅と、ロータ7の溝部7a,7bの幅Wとの差(隙間)を適切な値に設定して、梁部81A,81B,82A,82Bの破損を防ぐようにしている。図5は、過大な負荷が加わったときにおける、ギア8の梁部81A,81Bの撓みを示す図であり、(A)は、過大な負荷が加わる前の梁部81A,81Bを、(B)は、過大な負荷が加わったときの梁部81A,81Bの撓みを示している。
以上のように、第1の実施の形態では、振動波モータが、電気−機械エネルギー変換素子(圧電素子3)と弾性体1、2とからなる振動子と、該振動子に一方端で接触して該振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子(ロータ7)によって構成される。さらに振動波モータは、回転子の他方端と係合して該回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材(ギア8など)から構成される。この振動波モータは、上記回転子の上記他方端に半径方向に延びて設けられた複数の溝部7a,7bを有する。また、上記出力伝達部材における回転子と対向する端面に設けられ、溝部7a,7bとそれぞれ係合するための複数の係合部(円筒状凸部85、ブロック部83,84)を有する。さらに、上記複数の係合部にそれぞれ形成され、各一端が複数の溝部7a,7bのうちの対応する各1つの内側壁に所定の力で接触するバネ性を有した複数の梁部81A,81Bを有する。
これにより、回転子(ロータ7)と出力伝達部材(ギア8など)との間における周方向の隙間に起因する打突音や、低回転数、低負荷トルク時に発生する低周波振動を抑制することが可能となる。
なお、上記の所定の力を適切に設定することで、負荷トルクの変動があっても、複数の梁部81A,81Bが複数の溝部7a,7bの内側壁に常時、隙間なくそれぞれ接触する。これにより、回転子(ロータ7)と出力伝達部材(ギア8など)との結合ガタがなくなり、低負荷トルク時の負荷変動または回転ムラ等により、従来、これらの部材間で発生していた打突音を無くすることができる。
また、こうした結合ガタを無くすことで、従来、低負荷トルク時に発生していた回転方向のガタに起因する低周波数の振動を無くすことができ、騒音が発生しなくなると同時に、これらの挙動に起因する出力低下を防ぐことができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態の構成は、基本的に第1の実施の形態の構成と同じであるので、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の構成と同一部分には同一の参照符号を付して、第1の実施の形態の説明を流用し、異なる部分だけを説明する。
第2の実施の形態では、ギア8の梁部の形状が、第1の実施の形態におけるギア8の梁部81A,81B,82A,82Bの形状と異なり、先端に行くほど曲げ剛性が小さくなるような形状としている。
図6は、第2の実施の形態におけるギア8のブロック部823および梁部821A,821Bの構成を示すとともに、過大な負荷が加わったときにおける梁部821A,821Bの撓みを示す図である。なお、図示及び説明を省略するが、ブロック部823および梁部821A,821Bに対して軸対称のブロック部824および梁部822A,822Bがそれぞれ存在し、同一の構成となっている。ここでは、ブロック部823および梁部821A,821Bを例に挙げて説明する。
梁部821A,821Bは、先端に行くほど細くなって、曲げ剛性が小さくなるような形状とする。梁部821A,821Bをこのような形状にすると、該梁部の曲げのバネ係数が変形量と共に増大する漸硬バネが形成される。
まず、図6(A)に示すような初期状態(ロータ7にギア8を嵌合しただけの状態)では、溝部7aの内壁にかかる梁部821A,821Bからの圧接力はそれぞれF0である。このとき、溝部7aの内壁に対する梁部821A,821Bの接触位置が、径方向の中心側の基準位置から距離R0の位置であるとする。
次に、図6(B)に示すように、ロータ7からギア8に対して矢印の方向にトルクT1がかかると、ギア8の梁部821Aは変形し、溝部7aの内壁に対する梁部821Aの接触位置は、上記の基準位置から距離R1の位置へ移る。距離R1は距離R0よりも小さく、梁部821Aにおける接触位置が片持ち梁部の根元に近づくため、梁部821Aの曲げ剛性が、図6(A)に示す初期状態に比べ大きくなる。さらに梁部821Aの形状に起因する剛性増加分も加味されるため、梁部821Aのバネ係数はさらに大きくなる。このため、ギア8にトルクT1がかかっても、ギア8とロータ7との間の相対的な回転ズレは、小さく押さえることができる。
また、ギア8の内周側にブロック部823を設けているため、図6(C)に示すように、さらに大きなトルクT2(>T1)がロータ7からギア8に対して加わると、ロータ7の溝部7aの内壁面にブロック部823が接触する。このときの溝部7aの内壁に対する梁部821Aの接触位置は、上記の基準位置から距離R2の位置である。
次に、図6(D)に示すように、さらに大きなトルク(T2+ΔT)がロータ7からギア8に対して加わると、ロータ7の溝部7aの内壁面にブロック部823から圧接力ΔTが加わるようになる。この場合、溝部7aの内壁に対する梁部821Aの圧接力は、図6(C)の場合と同じであり、また、溝部7aの内壁に対する梁部821Aの接触位置も、図6(C)の場合と同じ距離R2の位置である。すなわち、ロータ7の溝部7aの内壁面にブロック部823が接触すると、それ以上のトルクΔTが付加されても、その付加分ΔTは、ブロック部823が受け持ち、梁部821Aの溝部7aの内壁に対する圧接力は、増加しないことになる。
以上のように、第2の実施の形態では、ギア8の梁部821A,821B,822A,822Bを漸硬バネ構造にすることで、ロータ7の加圧ムラ要因となるバネ力F0を小さくしつつ、回転力を伝えるための回転剛性を大きく取ることができる。また、さらに安定した出力が得られる。なお、上記の加圧ムラ要因とは、ギア8の歯面が軸方向に上下動するような変動をする場合のその要因をいう。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態の構成は、基本的に第1の実施の形態の構成と同じであるので、第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の構成と同一部分には同一の参照符号を付して、第1の実施の形態の説明を流用し、異なる部分だけを説明する。
第3の実施の形態では、ギア8の梁部及びブロック部の形状が、第1の実施の形態におけるギア8の梁部81A,81B,82A,82Bおよびブロック部83,84の形状とそれぞれ異なる。
図7は、第3の実施の形態におけるギア8のブロック部833および梁部831A,831Bの構成を示す斜視図である。図8は、第3の実施の形態におけるギア8のブロック部833および梁部831A,831Bの構成を示す垂直断面図である。図9は、第3の実施の形態におけるギア8のブロック部833および梁部831A,831Bの構成を示す水平断面図である。なお、図7及び図8では、図示を省略するが、ブロック部833および梁部831A,831Bに対して軸対称のブロック部834および梁部832A,832Bがそれぞれ存在し、同一の構成となっている。ここでは、ブロック部833および梁部831A,831Bを例に挙げて、図7〜図9を参照して説明する。
第3の実施の形態では、梁部831A,831Bが、ギア8本体からロータ7の溝部7aに向かって軸方向に張り出した形状となっている。過大な負荷トルクを受けるためのブロック部833は、構造上、梁部831A,831Bとは独立して、ギア8の円筒状凸部8cに設けられる。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態では、振動波モータが円環型振動子で構成される。
図10は、第4の実施の形態における円環型振動子のロータおよびギアの構成を示す図であり、(A)は垂直断面図、(B)は(A)に示すC−C面による水平断面図である。
図10において、振動板20に圧電素子21が接着されてステータを形成し、ロータ22が、加圧バネ25により適切な加圧力で振動板20の摺動面に押し付けられている。ロータ22およびギア23は、上記第1〜第3の実施の形態のいずれかにおけるロータ7およびギア8と同様の構成であるとする。
〔他の実施の形態〕
上記第1〜第4の実施の形態においては、梁部が軸中心側から径方向の外側に向かって張り出した形状となっている。本発明は、これに限定されることは無く、例えば、ギアの外周側にブロック部を形成し、該ブロック部から軸中心方向に向かって延びる梁部を設けるようにしてもよい。
また、上記第1〜第4の実施の形態においては、ロータとギアとの間の出力伝達部分が周方向に沿って2箇所であるが、これに限定されることはなく、3箇所以上であってもよい。
1 第1の弾性体
2 第2の弾性体
3 圧電素子(電気−機械エネルギー変換素子)
4 シャフト
5 ナット
6 耐摩耗性部材
7 ロータ(回転子)
7a,7b 溝部
8 ギア(出力伝達部材)
81A、81B 梁部
83,84 ブロック部(係合部)
85 円筒状凸部(係合部)

Claims (6)

  1. 電気−機械エネルギー変換素子と弾性体とを有する振動子と、
    前記振動子に一方端で接触して前記振動子に励振される振動によって摩擦駆動される回転子と、
    前記回転子の他方端と係合して前記回転子の出力を外部に伝達する出力伝達部材と、を有する振動波モータであって、
    前記出力伝達部材は、前記回転子の前記他方端に半径方向に延びて設けられた複数の溝部とそれぞれ係合するための複数の出力伝達部を有し、
    前記複数の出力伝達部はそれぞれ、複数の梁部を有し、
    前記複数の梁部は、離間しており、それぞれバネ性を備え、
    前記複数の溝部それぞれにおいて、前記複数の梁部は、負荷トルクが作用しても、それぞれ対向する内壁と接触していることを特徴とする振動波モータ。
  2. 前記回転子の径方向の中心部には凹部が設けられており、
    前記出力伝達部材は、前記凹部と係合する凸部を有しており、
    前記複数の梁部は、径方向において前記凸部より外周側にあることを特徴とする請求項1に記載の振動波モータ。
  3. 前記複数の梁部と前記凸部の間には、前記複数の梁部よりも剛性の高いブロック部がそれぞれ介在していることを特徴とする請求項2に記載の振動波モータ。
  4. 前記各ブロック部の周方向の幅は、前記複数の溝部の周方向の幅よりも狭く、前記複数の梁部がそれぞれ所定量変形したとき、前記各ブロック部が対応する溝部の内側壁に接触することを特徴とする請求項3に記載の振動波モータ。
  5. 前記ブロック部の周方向の幅と前記溝部の周方向の幅との差は、0.01mm〜0.1mmであることを特徴とする請求項3又は4に記載の振動波モータ。
  6. 前記凸部、前記ブロック部および前記梁部における前記回転子の回転軸方向における長さは、前記凸部が最も長く、前記ブロック部がその次に長く、前記梁部が最も短いことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の振動波モータ。
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