JP6115493B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関する。
従来、スイッチング素子及びリアクトルを備える電力変換装置(DCDCコンバータ)において、この電力変換装置の動作異常の有無を判定する技術が知られている。こうした技術としては、例えば下記特許文献1に見られるように、DCDCコンバータを構成する電流センサの異常の有無を判定するものも知られている。
特開2009−213246号公報
ところで、本発明者らは、上記特許文献1の電力変換装置とは異なり、リアクトルに流れる電流を検出する電流センサを備えることなく、電流臨界モードで制御可能な電力変換装置を採用することとした。この場合、上記電力変換装置の動作異常の有無を判定する技術が望まれる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リアクトルに流れる電流を検出する電流センサを備えない電力変換装置において、動作異常の有無を判定できる電力変換装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明は、リアクトル(16;46a,46b)と、オン状態とされることで電源(20,22)を前記リアクトルに接続し、前記電源から前記リアクトルに電流を供給して前記リアクトルにエネルギを蓄積させるメインスイッチ(14p,14n;44a,44b)と、前記メインスイッチがオフ状態とされている期間中にオン状態とされることで前記リアクトルを負荷(22,20)に接続し、前記リアクトルに蓄積されたエネルギを放出させて前記リアクトルから前記負荷に電流を供給する同期整流スイッチ(14n,14p;44b,44a)と、を備える電力変換装置において、前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとを相補的にオンオフ操作する操作手段(30)と、前記操作手段によって前記同期整流スイッチがオフ状態に切り替えられてからの前記メインスイッチの端子間電圧の低下速度と相関を有する時間であるスイッチング遷移時間を検出する遷移時間検出手段(32b,34;37c,34)と、を備え、前記操作手段は、前記遷移時間検出手段によって検出されたスイッチング遷移時間がその目標時間となるように、前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとを相補的にオンオフ操作し、前記操作手段によって前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとが相補的にオンオフ操作されている状況下において、前記電源から当該電力変換装置への入力電圧と、当該電力変換装置から前記負荷への出力電圧とに基づき、当該電力変換装置の動作状態の異常判定用の閾値を算出する閾値算出手段と、前記操作手段によって前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとが相補的にオンオフ操作されている状況下において、前記操作手段によって設定された前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチのそれぞれのオン操作時間と、前記閾値算出手段によって算出された閾値とに基づき、当該電力変換装置の動作状態の異常の有無を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
電力変換装置を電流臨界モードで制御する場合において、メインスイッチがオン状態に切り替えられるときのスイッチング損失(ターンオン損失)を低減するためには、同期整流スイッチがオフ状態に切り替えられた後のメインスイッチの端子間電圧を把握することが要求される。同期整流スイッチがオフ状態に切り替えられた後におけるメインスイッチの端子間電圧の推移は、同期整流スイッチがオフ状態に切り替えられた後のリアクトルに流れる電流に応じて変化する。ここで、同期整流スイッチがオフ状態に切り替えられた後においてリアクトルに流れる電流と、上記スイッチング遷移時間とは相関を有している。このため、スイッチング遷移時間を最適値に制御することにより、メインスイッチの端子間電圧が低い状態でメインスイッチをオン状態に切り替えることができる。この点に鑑み、上記発明では、操作手段及び遷移時間検出手段を備えた。これにより、メインスイッチのターンオン損失を低減させることができる。また、リアクトルに流れる電流を検出する電流センサを備えることなく、電力変換装置を電流臨界モードで制御することができる。
ここで、電流臨界モードによってメインスイッチと同期整流スイッチとが相補的にオンオフ操作されている状況下において、メインスイッチのオン操作時間と同期整流スイッチのオン操作時間との関係は、入力電圧と出力電圧とから定まる所定の関係となる。この所定の関係は、電力変換装置の動作状態に異常が生じた場合、正常時に想定した関係からずれることとなる。つまり、電力変換装置の動作状態に異常が生じると、操作手段によって設定されるメインスイッチ及び同期整流スイッチのそれぞれのオン操作時間が正常時の値からずれ得る。この場合、各オン操作時間は正常時の値からずれるものの、入力電圧及び出力電圧に関しては、上記異常が未だ反映されていない状態であると考えられる。このため、電力変換装置の動作状態に異常が生じた場合、各オン操作時間の関係が、入力電圧と出力電圧とから定まる当初想定した所定の関係からずれることとなる。
この点に鑑み、上記発明では、閾値算出手段及び異常判定手段を備えた。入力電圧と出力電圧とに基づき閾値算出手段によって算出される閾値は、電力変換装置の動作状態が正常であると仮定した場合においてメインスイッチのオン操作時間と同期整流スイッチのオン操作時間とから定まる値である。このため、上記閾値と、メインスイッチ及び同期整流スイッチのそれぞれのオン操作時間とに基づき、電力変換装置の動作状態の異常の有無を判定することができる。これにより、電流臨界モードからはずれた異常な状態で電力変換装置が駆動され続けることを回避でき、ひいては電力変換装置の損失の増大や過熱を回避することができる。
第1の実施形態にかかる電力変換装置の回路図。 降圧動作処理の概要を示す図。 降圧動作処理時におけるリアクトル電流の推移を示す図。 降圧動作処理時における上アームスイッチの端子間電圧等の推移を示す図。 リアクトル電流とスイッチング遷移時間との相関関係を示す図。 スイッチング遷移時間検出回路を示す図。 降圧動作処理時におけるスイッチング遷移時間の検出手法を示す図。 降圧動作処理に対応する制御器の構成図。 昇圧動作処理に対応する制御器の構成図。 電流推定器の構成図。 降圧動作処理時における出力電流推定手法の概要を示す図。 昇圧動作処理時における出力電流推定手法の概要を示す図。 異常判定処理の手順を示すフローチャート。 リアクトルの直流重畳特性を示す図。 リアクトルの直流重畳特性を示す図。 第2の実施形態にかかる制御器の構成図。 第3の実施形態にかかる電力変換装置の回路図。 電流推定器の構成図。 降圧動作処理時における出力電流推定手法の概要を示す図。 昇圧動作処理時における出力電流推定手法の概要を示す図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる電力変換装置を車両に搭載した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる電力変換装置10は、昇降圧DCDCコンバータ(いわゆる、バックブーストコンバータである。)である。電力変換装置10は、第1,第2コンデンサ12a,12b、上アームスイッチ14p、下アームスイッチ14n、リアクトル16、及び制御回路30を備えている。電力変換装置10は、車両に搭載された高電圧バッテリ20と、車両に搭載された低電圧バッテリ22との間の電力の授受を行う。ここで、低電圧バッテリ22の端子間電圧は、高電圧バッテリ20の端子間電圧よりも低く設定されている。なお、高電圧バッテリ20は、例えば、定格電圧が48Vのものであり、低電圧バッテリ22は、例えば、定格電圧が12Vのものである。
電力変換装置10は、高電圧バッテリ20の出力電圧を降圧して低電圧バッテリ22に印加する降圧動作処理を行うことで、低電圧バッテリ22を充電する。また、電力変換装置10は、低電圧バッテリ22の出力電圧を昇圧して高電圧バッテリ20に印加する昇圧動作処理を行うことで、高電圧バッテリ20を充電する。本実施形態では、降圧動作処理が行われる場合、高電圧バッテリ20が電源となり、低電圧バッテリ22が負荷となる。一方、昇圧動作処理が行われる場合、低電圧バッテリ22が電源となり、高電圧バッテリ20が負荷となる。
電力変換装置10の第1端子T1には、高電圧バッテリ20の正極端子が接続され、電力変換装置10の第2端子T2には、高電圧バッテリ20の負極端子が接続されている。また、第1端子T1には、第1コンデンサ12aの一端が接続され、第1コンデンサ12aの他端には、第2端子T2が接続されている。
第1コンデンサ12aには、上アームスイッチ14p及び下アームスイッチ14nの直列接続体が並列接続されている。本実施形態では、各スイッチ14p,14nとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、具体的には、NチャネルMOSFETを用いている。なお、図中、各スイッチ14p,14nに逆並列に接続されているダイオード15p,15nは、各スイッチ14p,14nの寄生ダイオードを示している。
上アームスイッチ14pのソースには、下アームスイッチ14nのドレインが接続され、上アームスイッチ14pのドレインには、第1コンデンサ12aと第1端子T1との接続点が接続されている。下アームスイッチ14nのドレインには、第1コンデンサ12aと第2端子T2との接続点が接続されている。
なお、本実施形態において、上アームスイッチ14pに並列接続されたコンデンサ(以下、上アームコンデンサ18p)は、上アームスイッチ14pの寄生容量を示している。また、下アームスイッチ14nに並列接続されたコンデンサ(以下、下アームコンデンサ18n)は、下アームスイッチ14nの寄生容量を示している。
下アームスイッチ14nには、リアクトル16と第2コンデンサ12bとの直列接続体が並列接続されている。詳しくは、下アームスイッチ14nと上アームスイッチ14pとの接続点には、リアクトル16の一端が接続されている。
第2コンデンサ12bの両端のうちリアクトル16が接続された側には、電力変換装置10の第3端子T3が接続されている。第2コンデンサ12bの両端のうち下アームスイッチ14nが接続された側には、電力変換装置10の第4端子T4が接続されている。第3端子T3には、低電圧バッテリ22の正極端子が接続され、第4端子T4には、低電圧バッテリ22の負極端子が接続されている。
制御回路30は、各スイッチ14p,14nを操作対象とする「操作手段」である。制御回路30は、制御器32、スイッチング遷移時間検出回路34、電流推定器36、動作状態検出器39、上アームスイッチ14pを駆動する第1駆動回路38p、及び下アームスイッチ14nを駆動する第2駆動回路38nを備えている。なお、本実施形態では、制御器32等の各要素を単一の制御回路30内に配置したが、これら各要素の配置手法としては、こうした配置手法に限定されるものではない。
続いて、降圧動作処理、昇圧動作処理、制御回路30の詳細、電力変換装置10の出力電流推定処理、及び電力変換装置10の異常判定処理について説明する。
<1.降圧動作処理>
この処理は、図2に示すものとなる。ここで、図2(a)は、リアクトル16に流れる電流(以下、リアクトル電流IL)の推移を示し、図2(b)は、第1駆動回路38pから上アームスイッチ14pのゲートに入力される第1操作信号gpの推移を示し、図2(c)は、第2駆動回路38nから下アームスイッチ14nのゲートに入力される第2操作信号gnの推移を示す。なお、降圧動作処理が行われる場合において、図2(a)に示すリアクトル電流ILは、リアクトル16の両端のうち各スイッチ14p,14nの接続点側から第2コンデンサ12b側へと流れる方向を正と定義する。また、本実施形態では、降圧動作処理が行われる場合において、上アームスイッチ14pが「メインスイッチ」に相当し、下アームスイッチ14nが「同期整流スイッチ」に相当する。
図2に示すように、上アームスイッチ14pと下アームスイッチ14nとは、相補的にオンオフ操作される。詳しくは、第1操作信号gpがオン操作指令とされて上アームスイッチ14pがオン状態とされ、また、第2操作信号gnがオフ操作指令とされて下アームスイッチ14nがオフ状態とされる。これにより、高電圧バッテリ20がリアクトル16に接続され、高電圧バッテリ20からリアクトル16に電流が供給されてリアクトル16に磁気エネルギが蓄積される。このとき、リアクトル電流ILは時間経過とともに漸増する。
その後、第1操作信号gpがオフ操作指令とされて上アームスイッチ14pがオフ状態に切り替えられ、また、第2操作信号gnがオン操作指令とされて下アームスイッチ14nがオン状態に切り替えられる。これにより、リアクトル16が低電圧バッテリ22に接続されてリアクトル16に蓄積された磁気エネルギが放出され、リアクトル16から低電圧バッテリ22へと電流が流れる。このとき、リアクトル電流ILは時間経過とともに漸減する。
こうした動作が繰り返されることで、高電圧バッテリ20から低電圧バッテリ22へと電力が供給され、低電圧バッテリ22が充電される。
特に、本実施形態では、リアクトル電流ILを検出する電流センサを電力変換装置10に備えることなく、電力変換装置10を電流臨界モードで制御する。こうした構成において、上アームスイッチ14pをゼロ電圧スイッチング(ZVS)して上アームスイッチ14pのターンオン損失を低減すべく、図3に示すように、リアクトル電流ILが0よりわずかに負の値になってから下アームスイッチ14nをオフ状態とする。
下アームスイッチ14nがオフ状態とされると、わずかに負の値になっているリアクトル電流ILによって、各コンデンサ18p,18nが充電される。このため、図4に示すように、下アームスイッチ14nのソース電位に対する上,下アームスイッチ14p,14nの接続点の電位(以下、対象電圧Varm)は上昇し、やがて高電圧バッテリ20の出力電圧V1となる。ここで、負方向のリアクトル電流ILがその最適値よりも大きい場合、リアクトル電流ILによって各コンデンサ18p,18nが充電される速度が高くなるため、対象電圧Varmの上昇速度が高くなる。一方、負方向のリアクトル電流ILが最適値よりも小さい場合、対象電圧Varmの上昇速度が低くなる。
上アームスイッチ14pの端子間電圧V14p(ソース及びドレイン間の電位差)は、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1(降圧動作処理時における電力変換装置10の入力電圧)から、対象電圧Varmを減算した値である。このため、負方向のリアクトル電流ILが最適値よりも大きい場合、図4(b)に一点鎖線で示すように、上アームスイッチ14pの端子間電圧V14pの低下速度が高くなる。その結果、下アームスイッチ14nに対する第2操作信号gnがオフ操作指令に切り替えられてから、上アームスイッチ14pの端子間電圧V14pが低下して閾値電圧Vthとなるまでの時間が短くなる。本実施形態では、この時間を、スイッチング遷移時間と称すこととする。また、本実施形態では、閾値電圧Vthを、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1の10%に設定している。
一方、負方向のリアクトル電流ILが最適値よりも小さい場合、図4(b)に破線で示すように、上アームスイッチ14pの端子間電圧V14pの低下速度が低くなる。その結果、スイッチング遷移時間が長くなる。
つまり、リアクトル電流ILとスイッチング遷移時間との間には、図5に示すように、リアクトル電流ILが負の値となる場合においてリアクトル電流ILの絶対値が大きくなるに従って、スイッチング遷移時間が短くなるといった関係がある。このため、スイッチング遷移時間によってリアクトル電流ILを把握することができる。そして、リアクトル電流ILが最適値となるようなスイッチング遷移時間の目標値(以下、目標時間Ttgt)を設定し、実際のスイッチング遷移時間を目標時間Ttgtに制御する。これにより、ZVSを実現し、また、リアクトル電流ILを検出する電流センサを電力変換装置10に備えることなく、電力変換装置10を電流臨界モードで制御することができる。
<2.昇圧動作処理>
昇圧動作処理時においては、下アームスイッチ14nのZVSを実現し、下アームスイッチ14nのターンオン損失を低減させる。なお、昇圧動作処理が行われる場合において、リアクトル電流ILは、リアクトル16の両端のうち第2コンデンサ12b側から各スイッチ14p,14nの接続点側へと流れる方向を正と定義する。また、本実施形態では、昇圧動作処理が行われる場合において、下アームスイッチ14nが「メインスイッチ」に相当し、上アームスイッチ14pが「同期整流スイッチ」に相当する。
昇圧動作処理時においては、下アームスイッチ14nがオン状態とされ、また、上アームスイッチ14pがオフ状態とされることで、低電圧バッテリ22がリアクトル16に接続され、低電圧バッテリ22からリアクトル16に電流が供給されてリアクトル16に磁気エネルギが蓄積される。その後、下アームスイッチ14nがオフ状態に切り替えられ、また、上アームスイッチ14pがオン状態に切り替えられることで、リアクトル16が高電圧バッテリ20に接続されてリアクトル16に蓄積された磁気エネルギが放出される。これにより、リアクトル16から高電圧バッテリ20へと電流が流れる。こうした動作が繰り返されることで、低電圧バッテリ22から高電圧バッテリ20へと電力が供給され、高電圧バッテリ20が充電される。
ここで、本実施形態において、昇圧動作処理時におけるスイッチング遷移時間を、上アームスイッチ14pに対する第1操作信号gpがオフ操作指令に切り替えられてから、下アームスイッチ14nの端子間電圧が低下して閾値電圧Vthとなるまでの時間とする。
<3.制御回路30の詳細>
続いて、図2及び図6〜図9を用いて、制御回路30の行う処理のうち、降圧昇圧動作処理について説明する。
図6に示すように、スイッチング遷移時間検出回路34は、第1〜第5抵抗体34a〜34eと、第1,第2コンパレータ34f,34gと、第1,第2XOR回路34h,34iとを備えている。
第1〜第3抵抗体34a〜34cは、直列接続されている。第1抵抗体34aの両端のうち第2抵抗体34bとの接続点とは反対側には、上アームスイッチ14pのドレインが接続されている。第3抵抗体34cの両端のうち、第2抵抗体34bとの接続点とは反対側には、下アームスイッチ14nのソースが接続されている。
第4抵抗体34dと第5抵抗体34eとは直列接続されている。これら抵抗体34d,34eの直列接続体の両端のうち、第4抵抗体34d側には、上,下アームスイッチ14p,14nの接続点が接続され、第5抵抗体34e側には、下アームスイッチ14nのソースが接続されている。
第1コンパレータ34fの非反転入力端子には、第1,第2抵抗体34a,34bの接続点が接続され、反転入力端子には、第4,第5抵抗体34d,34eの接続点が接続されている。一方、第2コンパレータ34gの非反転入力端子には、第4,第5抵抗体34d,34eの接続点が接続され、反転入力端子には、第2,第3抵抗体34b,34cの接続点が接続されている。
第1XOR回路34hの第1入力端子には、第1コンパレータ34fの出力信号が入力され、第1XOR回路34hの第2入力端子には、下アームスイッチ14nの第2操作信号gnが制御器32から入力される。一方、第2XOR回路34iの第1入力端子には、第2コンパレータ34gの出力信号が入力され、第2XOR回路34iの第2入力端子には、上アームスイッチ14pの第1操作信号gpが制御器32から入力される。第1XOR回路34hの出力信号Sig1や、第2XOR回路34iの出力信号Sig2は、後述する遷移時間計測部32bに入力される。
ここで、上記第1〜第5抵抗体34a〜34eの抵抗値は、図7に示すように、第2操作信号gnがオフ操作指令に切り替えられてから、上アームスイッチ14pの端子間電圧V14pが低下し始めて閾値電圧Vthになるまでの期間(時刻t1〜t2)において、第1XOR回路34hの出力信号の論理が「H」となるように設定されている。この設定は、降圧動作処理時におけるスイッチング遷移時間を検出するためになされるものである。なお、図7(a)は、リアクトル電流ILの推移を示し、図7(b)〜図7(e)は、先の図4(a)〜図4(d)に対応している。また、図7(f)は、第1コンパレータ34fの出力信号の推移を示し、図7(g)は、第1XOR回路34hの出力信号Sig1の推移を示す。
加えて、上記第1〜第5抵抗体34a〜34eの抵抗値は、第1操作信号gpがオフ操作指令に切り替えられてから、下アームスイッチ14nの端子間電圧が低下し始めて閾値電圧Vthになるまでの期間において、第2XOR回路34iの出力信号Sig2の論理が「H」となるように設定されている。この設定は、昇圧動作処理時におけるスイッチング遷移時間を検出するためになされるものである。
続いて、図8及び図9のブロック図を用いて、制御器32の構成について説明する。
まず、図8を用いて、降圧動作処理時に対応する制御器32の構成について説明する。
図示されるように、制御器32は、電力変換装置10の外部から入力された目標電圧Vtgt、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1(入力電圧V1)、低電圧バッテリ22の端子間電圧V2(出力電圧V2)、及びスイッチング遷移時間に基づき、第1,第2操作信号gp,gnを生成して出力する回路である。制御器32は、例えば、マイクロコンピュータを主体として構成されている。なお、目標電圧Vtgtは、第3,第4端子T3,T4間から低電圧バッテリ22へと印加される電圧の目標値である。
Duty比算出部32aは、入力電圧V1、目標電圧Vtgt及び出力電圧V2に基づき、上,下アームスイッチ14p,14nに対するオン時間比Dutyp,Dutynを算出する。ここで、オン時間比とは、各スイッチのオンオフ操作1周期(スイッチング周期Tsw)に対するオン操作時間の比率である。本実施形態において、オン時間比は、0〜1の値をとる。なお、本実施形態において、Duty比算出部32aが「オン時間比算出手段」に相当する。
遷移時間計測部32bは、上記第1XOR回路34hの出力信号Sig1のパルス幅(論理が「H」とされる時間)をスイッチング遷移時間として検出する。なお、本実施形態において、遷移時間計測部32bとスイッチング遷移時間検出回路34とが「遷移時間検出手段」に相当する。
時間偏差算出部32cは、上記目標時間Ttgtと、遷移時間計測部32bから出力されたスイッチング遷移時間との時間偏差を算出する。具体的には、目標時間Ttgtからスイッチング遷移時間を減算した値として上記時間偏差を算出する。これにより、時間偏差が正の値になることをもって、第2コンデンサ12b側から各スイッチ14p,14nの接続点側へと流れるリアクトル電流ILが過大であることを示す。一方、時間偏差が負の値になることをもって、第2コンデンサ12b側から各スイッチ14p,14nの接続点側へと流れるリアクトル電流ILが過小であることを示す。
ここで、本実施形態では、目標時間Ttgtを、予め設定された固定値としている。目標時間Ttgtは、リアクトル16のインダクタンス「L」、各コンデンサ18p,18nの容量によって構成される共振回路の共振周期に基づき設定されている。具体的には例えば、目標時間Ttgtを、共振周期の1/4に設定することができる。また、スイッチング遷移時間検出回路34における信号遅延時間や、各駆動回路38p,38nにおける信号遅延時間のばらつきを考慮し、目標時間Ttgtを、共振周期の1/4の80%程度に設定することもできる。
遷移時間制御部32dは、時間偏差算出部32cから出力された時間偏差の比例積分制御により、各オン時間比Dutyp,Dutynを補正するための補正値ΔDを算出する。なお、本実施形態において、遷移時間制御部32dが「補正値算出手段」に相当する。
第1補正部32eは、Duty比算出部32aから出力された上アームスイッチ14pに対するオン時間比Dutypに、遷移時間制御部32dから出力された補正値ΔDを加算する。一方、第2補正部32fは、Duty比算出部32aから出力された下アームスイッチ14nに対するオン時間比Dutynから、遷移時間制御部32dから出力された補正値ΔDを減算する。これにより、時間偏差が正の値になるリアクトル電流ILの過大時においては、下アームスイッチ14nのオン操作時間が短縮され、上アームスイッチ14pのオン操作時間が伸張されるように(リアクトル電流ILの負側のピーク値を減少させるように)各オン時間比Dutyp,Dutynが補正される。なお、本実施形態において、各補正部32e,32fが「補正手段」に相当する。
電圧偏差算出部32gは、目標電圧Vtgtと、出力電圧V2との電圧偏差を算出する。電圧制御部32hは、電圧偏差算出部32gから出力された電圧偏差の比例積分制御により、出力電圧V2を目標電圧Vtgtにフィードバック制御するための変換係数を算出する。この変換係数は、各スイッチ14p,14nのスイッチング周期に相当するものである。
第1オン時間算出部32iは、第1補正部32eの出力値「Dutyp+ΔD」に、電圧制御部32hから出力された変換係数を乗算することで、上アームスイッチ14pに対するオン操作時間Tmonを算出する。一方、第2オン時間算出部32jは、第2補正部32fの出力値「Dutyp−ΔD」に、電圧制御部32hから出力された変換係数を乗算することで、下アームスイッチ14nに対するオン操作時間Tronを算出する。
操作信号生成部32kは、各オン時間算出部32i,32jから出力されたオン操作時間Tmon,Tronに基づき、上,下アームスイッチ14p,14nに対する操作信号gp,gnを生成して出力する。ここでは、上,下アームスイッチ14p,14nの双方がオン状態とされることを回避すべく、各操作信号gp,gnにデッドタイムが付与される。なお、先の図1に示した各駆動回路38p,38nは、操作信号生成部32kから出力された各操作信号gp,gnに基づき、各スイッチ14p,14nをオンオフ操作する。
こうした構成によれば、スイッチング遷移時間が目標時間Ttgtとなるように制御される。すなわち、リアクトル電流ILが最適値になるように制御される。これにより、リアクトル電流ILを検出することなく、降圧動作処理時において電力変換装置10を電流臨界モードで制御することができる。
続いて、図9を用いて、昇圧動作処理時に対応する制御器32の構成について説明する。なお、図9において、先の図8の構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
昇圧動作処理時においては、低電圧バッテリ22の端子間電圧V2が電力変換装置10の入力電圧V2となり、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1が電力変換装置10の出力電圧V1となる。また、目標電圧Vtgtは、第1,第2端子T1,T2間から高電圧バッテリ20へと印加される電圧の目標値となる。
遷移時間計測部32bは、上記第2XOR回路34iの出力信号Sig2のパルス幅をスイッチング遷移時間として検出する。また、電圧偏差算出部32gは、目標電圧Vtgtと、出力電圧V1との電圧偏差を算出する。
第1補正部32eは、Duty比算出部32aから出力された上アームスイッチ14pに対するオン時間比Dutypから、遷移時間制御部32dから出力された補正値ΔDを減算する。一方、第2補正部32fは、Duty比算出部32aから出力された下アームスイッチ14nに対するオン時間比Dutynに、遷移時間制御部34dから出力された補正値ΔDを加算する。これにより、時間偏差が正の値になるリアクトル電流ILの過大時においては、上アームスイッチ14pのオン操作時間が短縮され、下アームスイッチ14nのオン操作時間が伸張されるように(リアクトル電流ILの負側のピーク値を減少させるように)各オン時間比Dutyp,Dutynが補正される。
こうした構成によれば、昇圧動作処理時において電力変換装置10を電流臨界モードで制御することができる。
<4.出力電流推定処理>
図10〜図12を用いて、電力変換装置10の出力電流推定処理について説明する。なお、本実施形態において、電流推定器36が「電流推定手段」に相当する。
電流推定器36は、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1、低電圧バッテリ22の端子間電圧V2、及び各オン操作時間Tmon,Tronに基づき、電力変換装置10の出力電流Iestを推定する。この推定手法は、電力変換装置10を電流臨界モードで制御することにより、リアクトル電流ILの波形が、この電流の最大値Imax及び最小値Iminを繰り返し往復する三角波状の波形となることを利用するものである。
詳しくは、本実施形態では、下式(eq1)によって出力電流Iestを推定する。
Figure 0006115493
上式(eq1)において、「Imin」は、リアクトル電流ILの最小値である。この最小値Iminは、各コンデンサ18p,18nのそれぞれの容量「C/2」と、リアクトル16のインダクタンス「L」を用いると、下式(eq2)によって算出できる。
Figure 0006115493
上式(eq2)は、以下のように導かれる。詳しくは、電流臨界モード制御によってリアクトル電流ILが最適値に制御されている状況において、各コンデンサ18p,18nと、リアクトル16とによって共振が生じる。この場合、リアクトル電流ILが負側のピーク値となるタイミングは、リアクトル16の端子間電圧が0となる(すなわち、対象電圧Varmが低電圧バッテリ22の端子間電圧V2となる)タイミングである。このタイミングにおけるリアクトル電流Iminによってリアクトル16に蓄積されているエネルギ「1/2×L×Imin^2」が、各コンデンサ18p,18nの容量「C」を充電するために必要なエネルギ「1/2×C×(V1−V2)^2」になるとの関係から、上式(eq2)を導くことができる。
ここで、降圧動作処理時においては、上式(eq1)における電流振幅ΔIppを、下式(eq3)によって算出することができる。
Figure 0006115493
上式(eq3)の中辺は、出力電流が最小値Iminから最大値Imaxへと時間経過とともに漸増する場合の出力電流が、上アームスイッチ14pのオン操作時間Tmonと、リアクトル16の端子間電圧とに基づき推定できることに基づく。この場合におけるリアクトル16の端子間電圧は、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1から低電圧バッテリ22の端子間電圧V2を減算した値として算出することができる。
一方、上式(eq3)の右辺は、出力電流が最大値Imaxから最小値Iminへと時間経過とともに漸減する場合の出力電流が、下アームスイッチ14nのオン操作時間Tronと、リアクトル16の端子間電圧とに基づき推定できることに基づく。この場合におけるリアクトル16の端子間電圧は、低電圧バッテリ22の端子間電圧V2である。
図11に、降圧動作処理時における出力電流推定処理の一例を示す。なお、図11では、各オン操作時間Tmon,Tronの間に設定されるデッドタイムを無視している。これは、デッドタイムが出力電流の推定に及ぼす影響が小さいためである。
図示されるように、本実施形態では、出力電流が漸増する期間(時刻t1〜t2,t3〜t4)と、出力電流が漸減する期間(時刻t2〜t3,t4〜t5)との双方において、出力電流Iestを推定する。ここでは、例えば、電流振幅ΔIpp,最小値Iminを都度(具体的には、制御回路30における処理周期毎に)算出することで、出力電流Iestを都度(処理周期毎に)推定すればよい。具体的には、制御器32においてオン操作時間Tmon,Tronが新たに算出されるたびに、出力電流Iestを推定すればよい。
先の図10に戻り、昇圧動作処理時においては、電流振幅ΔIppを、下式(eq4)によって算出することができる。
Figure 0006115493
上式(eq4)の中辺は、出力電流が最小値Iminから最大値Imaxへと時間経過とともに漸増する場合の出力電流が、下アームスイッチ14nのオン操作時間Tronと、リアクトル16の端子間電圧とに基づき推定できることに基づく。一方、上式(eq4)の右辺は、出力電流が最大値Imaxから最小値Iminへと時間経過とともに漸減する場合の出力電流が、上アームスイッチ14pのオン操作時間Tmonと、リアクトル16の端子間電圧とに基づき推定できることに基づく。
図12に、昇圧動作処理時における出力電流推定処理の一例を示す。
図示されるように、本実施形態では、出力電流が漸増する期間(時刻t1〜t2,t3〜t4)と、出力電流が漸減する期間(時刻t2〜t3,t4〜t5)との双方において、出力電流Iestを推定する。
<5.異常判定処理>
図13に、異常判定処理の手順を示す。この処理は、動作状態検出器39によって例えば所定の処理周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1、低電圧バッテリ22の端子間電圧V2、制御器32から出力された各オン操作時間Tmon,Tron、及び電流推定器36によって推定された出力電流Iestを取得する。
続くステップS12では、下式(eq5)を用いて、取得された各オン操作時間Tmon,Tronから判定用オン時間比Djdeを算出する。
Figure 0006115493
続くステップS14(「閾値算出手段」,「補正手段」に相当)では、取得された端子間電圧V1,V2と、出力電流Iestとに基づき、下限閾値Dminと、下限閾値Dminよりも大きい上限閾値Dmaxとを算出する。各閾値Dmin,Dmaxは、電力変換装置10の動作状態の異常判定用のものである。以下、各閾値Dmin,Dmaxの算出手法について説明する。
電流臨界モードによって上アームスイッチ14pと下アームスイッチ14nとが相補的にオンオフ操作されている状況下において、各オン操作時間Tmon,Tronと、各端子間電圧V1,V2との関係は、電力変換装置10の出力電流の大小によらず、理論的には下式(eq6)で表される関係となる。
Figure 0006115493
上式(eq6)は、上式(eq3)から導かれる式である。上式(eq6)を変形すると、下式(eq7)が導かれる。
Figure 0006115493
上式(eq7)の関係は、降圧動作処理及び昇圧動作処理の双方について成立する。上式(eq7)の関係は、電力変換装置10の動作状態に異常が生じた場合、正常時に想定した関係からずれることとなる。つまり、電力変換装置10の動作状態に異常が生じると、制御器32から出力される各オン操作時間Tmon,Tronが正常時の値からずれ得る。この場合、例えば降圧動作処理時において、各オン操作時間Tmon,Tronは正常時の値からずれるものの、上記異常が発生したタイミングから間もない期間は、入力電圧V1及び出力電圧V2に上記異常の影響が未だ反映されていない期間であると考えられる。このため、電力変換装置10の動作状態に異常が生じた場合、制御器32から出力される各オン操作時間Tmon,Tronに基づき定まる上式(eq7)の左辺と、入力電圧V1と出力電圧V2とから定まる上式(eq7)の右辺とがずれることとなる。したがって、上式(eq7)の右辺を、異常判定用の閾値として用いることができる。特に、この閾値「V2/V1」は、ばらつきの大きいリアクトル16のインダクタンス値を含まないことから、異常判定精度の向上にも寄与する。
ここで、本実施形態では、上記閾値「V2/V1」に、誤判定防止のための幅を持たせる。本実施形態では、電圧検出誤差α(α:百分率にて表される値)と、電力変換装置10の主回路(電力変換装置10の端子T1,T2から端子T3,T4までの回路)の入出力インピーダンスとを考慮して上記閾値「V2/V1」に幅を持たせ、その上下限値として下限閾値Dmin,上限閾値Dmaxを算出する。詳しくは、まず、電圧検出誤差の考慮について説明すると、各閾値Dmin,Dmaxは、下式(eq8)によって表される。
Figure 0006115493
続いて、入出力インピーダンスの考慮について説明する。本実施形態では、出力電流Iestが大きいほど、各閾値Dmin,Dmaxを増大補正する。これは、電力変換装置10が高負荷で駆動されて出力電流が大きくなる場合において、電力変換装置10の内部抵抗による電圧降下に起因した電力変換装置10の動作状態の誤判定を回避するためのものである。
なお、各閾値Dmin,Dmaxの設定に、さらに設計余裕度を考慮してもよい。また、各閾値Dmin,Dmaxの補正に電力変換装置10の入力電流を用いてもよい。入力電流は、電力変換装置10の内部抵抗による電圧降下に起因した上記誤判定回避のために用いられる。ここで、入力電流は、例えば、上記出力電流Iest、各端子間電圧V1,V2及び電力変換装置10の変換効率から推定することができる。
続くステップS16では、判定用オン時間比Djdeが上限閾値Dmaxを上回るとの条件と、判定用オン時間比Djdeが下限閾値Dminを下回るとの条件との論理和が真であるか否かを判断する。
ステップS16において否定判断された場合には、ステップS18に進み、電力変換装置10の動作状態が正常である旨判定する。一方、上記ステップS16において肯定判断された場合には、ステップS20に進み、電力変換装置10の動作状態に異常が生じている旨判定する。本実施形態では、さらに、制御器32に対して、その動作の停止を指示する動作停止指令を出力する。より詳しくは、各スイッチ14p,14nの駆動を停止させる指令を出力する。ちなみに、動作停止指令と併せて、又は動作停止指令に代えて、異常が生じている旨を、制御回路30よりも上位の制御装置(例えば、電力変換装置10の外部の制御装置であって、車両制御を統括する制御装置)に通知してもよい。
なお、ステップS18、S20の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。
なお、図14に、リアクトル16の直流重畳特性を示し、図15に、リアクトル電流の推移を示した。ここで、図14及び図15の実線同士が対応しており、また、破線同士も対応している。上式(eq7)の関係は、リアクトル16のインダクタンスが図14に示す直流重畳特性によって変動する場合であっても成立する。詳しくは、リアクトル16の飽和状態が許容範囲内であって、電力変換装置10が電流臨界モードで動作できており、リアクトル電流ILがその周期毎に最小値Iminまで戻る場合には、上式(eq7)は成立する。
以上説明したように、本実施形態では、各オン操作時間Tmon,Tron、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1、及び低電圧バッテリ22の端子間電圧V2に基づく異常判定処理を行った。そして、異常が生じている旨判定された場合、動作停止指令を出力した。これにより、電流臨界モードからはずれた異常な状態で電力変換装置10が駆動され続けることを回避でき、ひいては電力変換装置10の損失の増大や過熱を回避することができる。
特に、本実施形態では、出力電流Iestが大きいほど各閾値Dmin,Dmaxを増大補正したことが、異常判定精度の向上に寄与している。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、制御器の構成を変更する。
図16に、本実施形態にかかる制御器37の構成を示す。なお、本実施形態では、降圧動作処理時を例にして説明する。
図示されるように、電圧偏差算出部37aは、外部から入力された目標電圧Vtgtと、出力電圧V2との電圧偏差を算出する。なお、電圧偏差算出部37aは、上記第1の実施形態の電圧偏差算出部32gと同様の構成である。
電圧制御部37bは、電圧偏差算出部37aから出力された電圧偏差に基づき、上,下アームスイッチ14p,14nに対するオン時間比Dutyp,Dutynを算出する。なお、本実施形態において、電圧制御部37bが「オン時間比算出手段」に相当する。
なお、遷移時間計測部37c,時間偏差算出部37dについては、上記第1の実施形態の遷移時間計測部32b,時間偏差算出部32cと同様の構成である。
遷移時間制御部37eは、時間偏差算出部37dから出力された時間偏差の比例積分制御により、各スイッチ14p,14nに対するスイッチング周期Tswを算出する。これにより、時間偏差が正の値になるリアクトル電流ILの過大時においては、スイッチング周期を短縮してリアクトル電流ILを減少させる。一方、時間偏差が負の値になるリアクトル電流ILの過小時においては、スイッチング周期を伸張してリアクトル電流ILを増大させる。なお、本実施形態において、遷移時間制御部37eが「周期算出手段」に相当する。
オン時間算出部37fは、電圧制御部37bから出力された各オン時間比Dutyp,Dutynと、遷移時間制御部37eから出力されたスイッチング周期Tswとを乗算することで、各オン操作時間Tmon,Tronを算出する。なお、操作信号生成部37gは、先の操作信号生成部32kと同様の構成である。
ちなみに、図16に示した構成は、昇圧動作処理についても同様に適用できる。
以上説明した本実施形態によっても、上記第1の実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、電力変換装置として、フライバックコンバータを用いる。
図17に、本実施形態にかかる電力変換装置の構成を示す。なお、図17において、先の図1に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
図17に示すように、電力変換装置40は、第1,第2コンデンサ42a,42b、第1スイッチ44a、第2スイッチ44b、トランス46、及び制御回路30を備えている。電力変換装置40は、高電圧バッテリ20と低電圧バッテリ22との間を電気的に絶縁しつつ、各バッテリ20,22間の電力の授受を行う。
電力変換装置10の第1端子T1には、第1コンデンサ42aの一端が接続され、第1コンデンサ42aの他端には、第2端子T2が接続されている。第1コンデンサ42aには、第1スイッチ44aと、トランス46を構成する第1巻線46aとの直列接続体が並列接続されている。本実施形態では、各スイッチ44p,44nとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、具体的には、NチャネルMOSFETを用いている。なお、図中、各スイッチ44p,44nに逆並列に接続されているダイオード45p,45nは、各スイッチ44p,44nの寄生ダイオードを示している。また、本実施形態において、第1スイッチ44aに並列接続されたコンデンサ48aは、第1スイッチ44aの寄生容量を示している。また、第2スイッチ44bに並列接続されたコンデンサ48bは、第2スイッチ44bの寄生容量を示している。本実施形態では、各コンデンサ48a,48bのそれぞれの容量を「C/2」としている。
トランス46を構成する第2巻線46bには、第2スイッチ44bと第2コンデンサ42bとの直列接続体が並列接続されている。第2コンデンサ42bの両端のうち第2スイッチ44bが接続された側には、電力変換装置10の第3端子T3が接続されている。第2コンデンサ42bの両端のうち第2巻線46bが接続された側には、電力変換装置10の第4端子T4が接続されている。ここで、本実施形態において、第2巻線46bの巻数「N2」に対する第1巻線46aの巻数「N1」の比である巻数比「N1/N2=RL」は、1より大きい値に設定されている。
続いて、本実施形態にかかる降圧動作処理について説明する。なお、降圧動作処理時においては、第1巻線46aが「1次巻線」に相当し、第2巻線46bが「2次巻線」に相当する。また、第1スイッチ44aが「メインスイッチ」に相当し、第2スイッチ44bが「同期整流スイッチ」に相当する。
第1スイッチ44aと第2スイッチ44bとは、相補的にオンオフ操作される。詳しくは、第1操作信号gpがオン操作指令とされて第1スイッチ44aがオン状態とされ、また、第2操作信号gnがオフ操作指令とされて第2スイッチ44bがオフ状態とされる。これにより、高電圧バッテリ20が第1巻線46aに接続され、高電圧バッテリ20から第1巻線46aに電流が供給されてトランス46に磁気エネルギが蓄積される。
その後、第1操作信号gpがオフ操作指令とされて第1スイッチ44aがオフ状態に切り替えられ、また、第2操作信号gnがオン操作指令とされて第2スイッチ44bがオン状態に切り替えられる。これにより、第2巻線46bが低電圧バッテリ22に接続されてトランス46に蓄積された磁気エネルギが放出され、第2巻線46bから低電圧バッテリ22へと電流が流れる。こうした動作が繰り返されることで、高電圧バッテリ20から低電圧バッテリ22へと電力が供給され、低電圧バッテリ22が充電される。
続いて、昇圧動作処理について説明する。なお、昇圧動作処理時においては、第2巻線46bが「1次巻線」に相当し、第1巻線46aが「2次巻線」に相当する。また、第2スイッチ44bが「メインスイッチ」に相当し、第1スイッチ44aが「同期整流スイッチ」に相当する。
昇圧動作処理時においては、第2スイッチ44bがオン状態とされ、また、第1スイッチ44pがオフ状態とされることで、低電圧バッテリ22が第2巻線46bに接続され、低電圧バッテリ22から第2巻線46bに電流が供給されてトランス46に磁気エネルギが蓄積される。その後、第2スイッチ44bがオフ状態に切り替えられ、また、第1スイッチ44aがオン状態に切り替えられることで、第1巻線46aが高電圧バッテリ20に接続されてトランス46に蓄積された磁気エネルギが放出される。これにより、第1巻線46aから高電圧バッテリ20へと電流が流れる。こうした動作が繰り返されることで、低電圧バッテリ22から高電圧バッテリ20へと電力が供給され、高電圧バッテリ20が充電される。
制御回路30は、第1,第2駆動回路50a,50bを備えている。第1駆動回路50aは、制御器37から出力された第1操作信号gpに基づき、第1スイッチ44aをオンオフ操作する。第2駆動回路50bは、制御器37から出力された第2操作信号gnに基づき、第2スイッチ44bをオンオフ操作する。
スイッチング遷移時間検出回路34には、第1スイッチ44aの端子間電圧と、第2スイッチ44bの端子間電圧とが入力される。ここで、第2スイッチ44bの端子間電圧を検出するための、第2スイッチ44bの両端とスイッチング遷移時間検出回路34とを接続する経路には、実際には、第2スイッチ44bとスイッチング遷移時間検出回路34との間を電気的に絶縁しつつ、これらの間で信号伝達可能な絶縁回路が設けられている。また、低電圧バッテリ22の端子間電圧V2を制御器37に入力するための経路にも、絶縁回路が設けられている。
本実施形態において、スイッチング遷移時間検出回路34は、降圧動作処理時において、第2スイッチ44bに対する第2操作信号gnがオフ操作指令に切り替えられてから、第1スイッチ44aの端子間電圧が低下して閾値電圧Vthになるまでの期間において、論理「H」の出力信号Sig1を出力する。なお、降圧動作処理時における制御態様は、先の図16に示した構成によって実現できる。
こうした構成によれば、上記第1の実施形態と同様に、スイッチング遷移時間が目標時間Ttgtに制御される。これにより、リアクトル電流ILを検出する電流センサを電力変換装置40に備えることなく、電力変換装置40を電流臨界モードで制御することができる。
ちなみに、本実施形態の構成は、昇圧動作処理についても同様に適用できる。ここで、スイッチング遷移時間検出回路34は、昇圧動作処理時において、第1スイッチ44aに対する第1操作信号gpがオフ操作指令に切り替えられてから、第2スイッチ44bの端子間電圧が低下して閾値電圧Vthになるまでの期間において、論理「H」の出力信号Sig2を出力する。なお、昇圧動作処理時における制御態様は、先の図16に示した構成に準じた構成によって実現できる。
続いて、本実施形態にかかる出力電流推定処理について説明する。
電流推定器36aは、図18に示すように、降圧動作処理時及び昇圧動作処理時において電力変換装置40の出力電流Iestを推定する。詳しくは、降圧動作処理時においては、低電圧バッテリ22の端子間電圧V2、第2スイッチ44bのオン操作時間Tron、及び先の図16の遷移時間制御部37eから出力されたスイッチング周期Tswに基づき、下式(eq9)によって出力電流Iestを推定する。
Figure 0006115493
ここで、上式(eq9)の「L2」は、第2巻線46bの自己インダクタンスを示す。また、本実施形態では、上式(eq9)の「Tmon+Tron」としてスイッチング周期Tswを用いる。上式(eq9)は、図19に示すように、第2スイッチ44bのオン操作時間Tronにおいて第2巻線46bに流れる電流の時間積分値を、スイッチング周期Tswで平均した値が出力電流となることから導かれる。なお、本実施形態では、第2巻線46bに流れる負電流が出力電流Iestの推定の及ぼす影響が微小であるとして、負電流の影響を無視する。また、図19では、出力電流が漸増する期間(時刻t1〜t2,t3〜t4)におけるリアクトル電流として、第1巻線46aに流れる電流を示し、出力電流が漸減する期間(時刻t2〜t3,t4〜t5)におけるリアクトル電流として、第2巻線46bに流れる電流を示している。
一方、昇圧動作処理時においては、高電圧バッテリ20の端子間電圧V1、第1スイッチ44aのオン操作時間Tmon、及びスイッチング周期Tswに基づき、下式(eq9)によって出力電流Iestを推定する。
Figure 0006115493
ここで、上式(eq10)の「L1」は、第1巻線46aの自己インダクタンスを示す。上式(eq10)は、図20に示すように、第1スイッチ44aのオン操作時間Tmonにおいて第1巻線46aに流れる電流の時間積分値を、スイッチング周期Tswで平均した値が出力電流となることから導かれる。なお、図20では、出力電流が漸増する期間(時刻t1〜t2,t3〜t4)におけるリアクトル電流として、第2巻線46bに流れる電流を示し、出力電流が漸減する期間(時刻t2〜t3,t4〜t5)におけるリアクトル電流として、第1巻線46aに流れる電流を示している。
こうして推定された出力電流Iestを用いて、先の図13のステップS14において、各閾値Dmin,Dmaxを補正することができる。
続いて、本実施形態にかかる異常判定処理について説明する。なお、以下では、この処理のうち上記第1の実施形態との相違点のみについて説明する。
本実施形態において、判定用オン時間比Djdeは、下式(eq10)によって算出することができる。
Figure 0006115493
また、上式(eq7)の右辺に対応する閾値のベース値は、「RL×V2/V1」によって算出することができる。
つまり、第2巻線46bに流れる負電流が出力電流Iestの推定の及ぼす影響が微小であるとして、負電流の影響を無視すると、先の図19に示した各巻線46a,46bの電流ピーク値の関係から、下式(eq12)が導かれる。
Figure 0006115493
上式(eq12)において、第1巻線46aの電流ピーク値ΔIp1は、上式(eq10)に示されるものであり、第2巻線46bの電流ピーク値ΔIp2は、上式(eq9)に示されるものである。上式(eq12)から、上式(eq7)に相当するものとして、下式(eq13)が導かれる。
Figure 0006115493
なお、上記判定用オン時間比Djdeと、閾値の上記ベース値とは、降圧動作処理及び昇圧動作処理の双方において用いることができる。
以上説明した本実施形態によっても、上記第3の実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・スイッチング遷移時間としては、上記第1の実施形態に例示したものに限らない。例えば、降圧動作処理時において、下アームスイッチ14nに対する第2操作信号gnがオフ操作指令に切り替えられた後、このスイッチ14nの端子間電圧が上昇して上記閾値電圧Vthとは異なる規定電圧となるタイミングを、スイッチング遷移時間の計時開始タイミングとしてもよい。こうして検出されたスイッチング遷移時間であっても、下アームスイッチ14nがオフ状態に切り替えられてからの上アームスイッチ14pの端子間電圧の低下速度を把握できる。このため、ZVSによって上アームスイッチ14pのターンオフ損失を低減できる。
・上記第1の実施形態では、リアクトル電流ILの平均値を出力電流Iestとして推定したがこれに限らない。例えば、リアクトル電流ILのピーク値「Imin+ΔIpp」を出力電流Iestとして推定してもよい。
・上記第1の実施形態の図11において、出力電流が漸増する期間と、出力電流が漸減する期間とのうち、いずれか一方においてのみ出力電流Iestを推定してもよい。なお、昇圧動作処理時における電流推定ついても同様である。
・上記第1の実施形態において、図1に示した電力変換装置10をバックコンバータとしてのみ機能させたり、ブーストコンバータとしてのみ機能させたりしてもよい。
・メインスイッチ及び同期整流スイッチとしては、NチャネルMOSFETに限らず、例えば、他の電圧制御形の半導体スイッチング素子(例えばIGBT)であってもよい。
・上記第1の実施形態において、各スイッチ14p,14nのそれぞれに対応する容量としては、互いに同一の値「C/2」に限らず、互いに異なる値であってもよい。この場合,電流推定器36における最小値Iminの算出における容量Cは、上アームスイッチ14pに対応する容量と、下アームスイッチ14nに対応する容量を加算した値となる。また、各スイッチ14p,14nに、コンデンサ(受動素子)を備えるスナバ回路を並列接続してもよい。この場合、電流推定器36における最小値Iminの算出において、容量Cにスナバ回路の容量を加算することとなる。
・上記第1の実施形態の出力電流の推定において、処理周期毎に最小値Iminを算出せず、最小値Iminを固定値としてもよい。具体的には例えば、最小値Iminを、量産された電力変換装置10の取り得る出力電流最小値の中央値に設定すればよい。なお、この場合、最小値Iminが小さければ、最小値Iminを「0」に設定してもよい。
・上記第1の実施形態において、各閾値Dmin,Dmaxの補正に用いる出力電流を、電力変換装置10の出力電流(例えば、第3端子T3から出力される電流)を検出する電流センサ(以下、第1電流センサ)によって検出してもよい。なお、第1電流センサには、リアクトル16に流れる高周波の電流(例えば、先の図11に示したリアクトル電流IL)を検出する電流センサのような応答性は求められない。
・上記第1の実施形態の図13のステップS16、S20において、上記論理和が真であると所定時間継続して判断されたことをもって電力変換装置10の動作状態に異常が生じている旨判断してもよい。
・上記第1の実施形態において、出力電流Iestの過去の値(例えば、前回の処理周期からその数ステップ前の処理周期までの値)を記憶手段(例えばメモリ)に記憶させてもよい。そして、先の図13のステップS14において、記憶手段に記憶された前回の処理周期以前の出力電流Iestを用いて各閾値Dmin,Dmaxを補正してもよい。これは、電力変換装置10の動作状態に異常が生じたタイミング以降において、各オン操作時間Tmon,Tronの算出精度が低下して出力電流の推定精度が低下する懸念に備えたものである。
14p,14n…上,下アームスイッチ、16…リアクトル、20…高電圧バッテリ、22…低電圧バッテリ、30…制御回路。

Claims (9)

  1. リアクトル(16;46a,46b)と、
    オン状態とされることで電源(20,22)を前記リアクトルに接続し、前記電源から前記リアクトルに電流を供給して前記リアクトルにエネルギを蓄積させるメインスイッチ(14p,14n;44a,44b)と、
    前記メインスイッチがオフ状態とされている期間中にオン状態とされることで前記リアクトルを負荷(22,20)に接続し、前記リアクトルに蓄積されたエネルギを放出させて前記リアクトルから前記負荷に電流を供給する同期整流スイッチ(14n,14p;44b,44a)と、を備える電力変換装置において、
    前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとを相補的にオンオフ操作する操作手段(30)と、
    前記操作手段によって前記同期整流スイッチがオフ状態に切り替えられてからの前記メインスイッチの端子間電圧の低下速度と相関を有する時間であるスイッチング遷移時間を検出する遷移時間検出手段(32b,34;37c,34)と、を備え、
    前記操作手段は、前記遷移時間検出手段によって検出されたスイッチング遷移時間がその目標時間となるように、前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとを相補的にオンオフ操作し、
    前記操作手段によって前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとが相補的にオンオフ操作されている状況下において、前記電源から当該電力変換装置への入力電圧と、当該電力変換装置から前記負荷への出力電圧とに基づき、当該電力変換装置の動作状態の異常判定用の閾値を算出する閾値算出手段と、
    前記操作手段によって前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとが相補的にオンオフ操作されている状況下において、前記操作手段によって設定された前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチのそれぞれのオン操作時間と、前記閾値算出手段によって算出された閾値とに基づき、当該電力変換装置の動作状態の異常の有無を判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチのそれぞれのスイッチング周期に対するオン操作時間の比率をオン時間比と定義し、
    前記操作手段は、
    前記出力電圧とその目標電圧との偏差に基づき、前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチのそれぞれの前記オン時間比を設定するオン時間比算出手段(37b)と、
    前記スイッチング遷移時間と前記目標時間との偏差に基づき、前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチのそれぞれの前記スイッチング周期を算出する周期算出手段(37e)と、を含み、
    前記オン時間比算出手段によって算出されたオン時間比と、前記周期算出手段によって算出されたスイッチング周期とに基づき、前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとを相補的にオンオフ操作することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチのそれぞれのスイッチング周期に対するオン操作時間の比率をオン時間比と定義し、
    前記操作手段は、
    前記出力電圧と、前記入力電圧とに基づき、前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチのそれぞれの前記オン時間比を算出するオン時間比算出手段(32a)と、
    前記スイッチング遷移時間と前記目標時間との偏差に基づき、前記スイッチング遷移時間を前記目標時間とするための補正値を算出する補正値算出手段(32d)と、
    前記補正値算出手段によって算出された補正値で、前記オン時間比算出手段によって算出されたオン時間比を補正する補正手段(32e,32f)と、を含み、
    前記補正手段によって補正されたオン時間比に基づき、前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとを相補的にオンオフ操作することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  4. 前記遷移時間検出手段は、前記同期整流スイッチに対してオフ操作指令がなされてから、前記オフ操作指令によって前記メインスイッチの端子間電圧が低下して閾値電圧となるまでの時間を、前記スイッチング遷移時間として検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記メインスイッチ(14p)及び前記同期整流スイッチ(14n)は直列接続され、
    前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチの接続点には、前記リアクトル(16)の一端が接続され、
    前記メインスイッチは、オン状態とされることにより、前記電源(20)、前記メインスイッチ、前記リアクトル及び前記負荷(22)を備える閉回路が形成されるように設けられ、
    前記同期整流スイッチは、オン状態とされることにより、前記負荷、前記同期整流スイッチ及び前記リアクトルを備える閉回路が形成されるように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記メインスイッチ(14n)及び前記同期整流スイッチ(14p)は直列接続され、
    前記メインスイッチ及び前記同期整流スイッチの接続点には、前記リアクトル(16)の一端が接続され、
    前記メインスイッチは、オン状態とされることにより、前記電源(22)、前記リアクトル及び前記メインスイッチを備える閉回路が形成されるように設けられ、
    前記同期整流スイッチは、オン状態とされることにより、前記電源、前記リアクトル、前記同期整流スイッチ及び前記負荷(20)を備える閉回路が形成されるように設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記リアクトルは、1次巻線(46a,46b)、及び該1次巻線と磁気結合された2次巻線(46b,46a)を有するトランス(46)であり、
    前記メインスイッチ(44a,44b)及び前記1次巻線は、前記メインスイッチがオン状態とされることにより、前記電源、前記メインスイッチ及び前記1次巻線を備える閉回路が形成されるように設けられ、
    前記同期整流スイッチ及び前記2次巻線は、前記同期整流スイッチがオン状態とされることにより、前記2次巻線、前記同期整流スイッチ及び前記負荷を備える閉回路が形成されるように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記閾値算出手段は、前記リアクトルから前記負荷へと流れる出力電流が大きい場合、前記出力電流が小さい場合よりも前記閾値を増大補正する閾値補正手段を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記操作手段によって前記メインスイッチと前記同期整流スイッチとが相補的にオンオフ操作されている状況下において、前記メインスイッチのオン操作時間及び前記同期整流スイッチのオン操作時間のうち少なくとも一方と、前記入力電圧及び前記出力電圧のうち少なくとも一方とに基づき、前記リアクトルから前記負荷へと流れる出力電流を推定する電流推定手段(36;36a)をさらに備え、
    前記閾値補正手段は、前記電流推定手段によって推定された出力電流が大きい場合、前記推定された出力電流が小さい場合よりも前記閾値を増大補正することを特徴とする請求項8記載の電力変換装置。
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