JP2014197943A - スイッチング電源装置、及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のスイッチング電源装置1では、トランスTsの二次コイル側に誘起される交流電圧の整流を、ソフトスタート期間中はダイオード(ボディーダイオードD5及びD6)を用いたダイオード整流により行い、ソフトスタート期間が経過した後は同期整流スイッチ回路5内のスイッチ素子Q5及びQ6を用いた同期整流により行う。そして、ソフトスタート期間が経過して、同期整流を開始する際に、スイッチ素子Q1〜Q6のオン/オフのタイミング(デューティ比)を制御する操作量Uvを所定の規定値Ukと比較し、操作量Uvが所定の規定値Ukよりも小さい場合には、この操作量Uvを所定の規定値Ukに差替える。
【選択図】図1
Description
図6に示すスイッチング電源装置1’は、広く知られた一般的な構成のものであり、スイッチング電源装置1’は、電源回路部2と、この電源回路部2内のスイッチ素子Q1〜Q6のオン/オフ動作を制御する制御回路10’とで構成されている。
このソフトスタート処理部11から出力される目標値Vrefの信号波形の例を図7(A)に示している。
この図7(A)に示すように、ソフトスタート処理部11は、時刻t1におけるスイッチング電源装置1’の起動後、所定のソフトスタート期間LTをもって、目標値Vrefを、初期値Voから所定の基準設定値Vcまで徐々に増加させ、目標値Vrefの信号として定電圧制御部13に対して出力する。
定電圧制御部13は、目標値Vrefの信号と電圧フィードバック信号Vfbkとを入力し、この目標値Vrefの信号と電圧フィードバック信号Vfbkとを比較し、その比較結果に応じて、スイッチ素子Q1〜Q6のオン/オフ動作を制御するための操作量Uvを生成する。定電圧制御部13は、この操作量Uvの信号をPWM出力変換部15に対して出力する。
これにより、ソフトスタート期間中において、電源回路部2は、トランスの二次コイル側に誘起される交流電圧をボディーダイオードD5及びD6(「ボディーダイオード」を、単に「ダイオード」とも呼ぶ)により整流するダイオード整流を行うとともに、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフのタイミング(デューティ比)を制御することにより、出力電圧Voutを目標値Vrefに応じた値になるように制御することができる。
このように、チョークコイルL21及びL22に流れる電流が不連続になる期間が発生すると、チョークコイルL21及びL22による電圧ドロップが発生しない期間が生じるため、その分、出力電圧Voutが上昇する。このため、チョークコイルL21及びL22に電流が連続して流れる場合と比較して、操作量Uvが小さくなる。
つまり、図7(E)に示すように、ソフトスタート期間(時刻t1〜時刻t2)において、チョークコイルL21及びL22に流れる電流が不連続となりチョークコイルL21及びL22による電圧降下が発生しない条件での操作量(実線で示す操作量)は、チョークコイルL21及びL22に流れる電流が連続のときとの操作量(破線で示す操作量)と比較して、操作量の値が小さくなっている。
このように、スイッチング電源装置1’において、ソフトスタート期間が経過し、同期整流を開始する際に、出力電圧Voutに電圧ドロップ(変動)Vdropが発生するという問題があり、この問題を解決することが望まれていた。
これにより、本発明のスイッチング電源装置及び制御方法では、ソフトスタート期間が経過した後、同期整流を開始する際に、出力電圧に電圧ドロップ(変動)が発生することを回避できる。
図1に示すスイッチング電源装置1は、電源回路部2と、この電源回路部2の動作を制御する制御回路10と備える。
図1に示すスイッチング電源装置1において、電源回路部2は、LLC共振型の電源回路であり、かつカレントダブラ方式の全波整流回路を用いた電源回路として、広く知られた一般的な構成の回路である。本実施形態のスイッチング電源装置1は、制御回路10の構成とこの制御回路10による電源回路部2の制御動作に特徴があるものである。
スイッチング電源装置1において、電源回路部2は、上述のように広く知られた一般的な構成の回路であるため、以下、その構成と動作について簡単に説明する。
電源回路部2は、トランスTsにより一次/二次間を絶縁するように構成されており、トランスTsの一次コイル側には、直流電源Vinに接続されてトランスTsの一次コイル側を交流駆動するフルブリッジ回路(第1のスイッチ回路)3と、LLC共振回路(チョークコイルL11とコンデンサC12と一次コイルのインダクタンスで構成される共振回路)と、が設けられている。
また、電源回路部2において、トランスTsの二次コイル側には、同期整流回路4が設けられており、この同期整流回路4は、同期整流スイッチ回路5と、チョークコイルL21及びL22と、平滑用のコンデンサC21とで構成され、カレントダブラ方式の全波整流回路が構成されている。
スイッチ素子Q1及びQ3のドレインは、直流電源Vinの正電圧側の電源線Vin+に接続されており、スイッチ素子Q2及びQ4のソースは、直流電源Vinの負電圧側の電源線Vin−に接続されている。
また、スイッチ素子Q3のソースとスイッチ素子Q4のドレインとの接続点には、チョークコイルL11の一端が接続され、チョークコイルL11の他端は、トランスTsの一次コイルの端子bに接続されている。
これにより、トランスTsの一次コイル側をフルブリッジ回路3により交流駆動するLLC共振回路が構成される。
また、一次コイルの端子bには、ダイオードD12のカソード端子が接続され、ダイオードD12のアノード端子は、直流電源Vinの負電圧側の電源線Vin−に接続されている。このダイオードD12は、端子bの電位を直流電源Vinの負側の電位にクランプするためのクランプ用ダイオードである。
また、正電圧側の電源線Vin+と負電圧側の電源線Vin−の間には、ノイズ吸収用のコンデンサC11が設けられている。
この同期整流回路4は、同期整流スイッチ回路(第2のスイッチ回路)5と、整流平滑回路(チョークコイルL21及びL22とコンデンサC21)とで構成され、二次コイルに誘起される交流電圧を整流して直流電圧に変換する全波整流回路である。
この同期整流回路4では、同期整流スイッチ回路5を構成するスイッチ素子Q5、Q6のオン/オフのタイミングを制御回路10により制御して、トランスTsの第1の二次コイルに生じた起電力を同期整流し、同期整流した直流電圧をチョークコイルL21及びL22とコンデンサC21で平滑化し、負荷RLに電力を供給する。
また、トランスTsの二次コイルの端子cには、同期整流スイッチ回路5内のスイッチ素子Q5のドレインが接続され、スイッチ素子Q5のソースは、基準電位線GNDを介して、直流電圧の基準電位側の出力端子Out2(基準電位端子)に接続されている。
また、トランスTsの二次コイルの端子dには、同期整流スイッチ回路5内のスイッチ素子Q6のドレインが接続され、スイッチ素子Q6のソースは、基準電位線GNDを介して、出力端子Out2に接続されている。
また、トランスTsの二次コイルの端子c−d間に、図のV1と逆方向に電圧が誘起される場合は、破線で示す経路Bで負荷RLに電流が流れる。つまり、V1と逆方向に電圧が誘起される場合は、「二次コイルの端子d→チョークコイルL22→負荷RL→スイッチSW1→ダイオードD5→二次コイルの端子c」の経路で電流が流れる。
次に、図1に戻って、図3を参照しながら制御回路10の構成と動作について説明する。図3は、スイッチング電源装置1の各部の動作を説明するための波形図である。
図1に示す様に、制御回路10は、ソフトスタート処理部11と、電圧検出回路12と、定電圧制御部13と、整流方式制御部14と、PWM出力変換部15と、ドライバ回路16と、操作量差替部17と、を有して構成されている。
この制御回路10は、トランスTsの一次コイル側のフルブリッジ回路3内のスイッチ素子Q1〜Q4にゲート信号G1〜G4をそれぞれ供給し、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフのタイミング(デューティ比)を制御する。また、制御回路10は、トランスTsの二次コイル側の同期整流スイッチ回路5内のスイッチ素子Q5及びQ6にゲート信号G5及びG6を供給して、スイッチ素子Q5及びQ6のオン/オフのタイミング(デューティ比)を制御する。
なお、この図3は、横方向に時間の経過を示し、縦方向に、ソフトスタート処理部11の目標値Vrefの信号(図3(A))と、出力電圧Vout(図3(B))と、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフ動作を制御するPWM信号(図3(C))と、スイッチ素子Q5、Q6のオン/オフ動作を制御するPWM信号(図3(D))と、操作量Uvの信号(図3(E))と、のそれぞれの模式的な波形を並べて示したものである。
ドライバ回路16は、PWM出力変換部15から入力したPWM信号Upwmに応じて、スイッチ素子Q1〜Q6をオン/オフするためのゲート信号G1〜G6(PWM信号)を生成し、このゲート信号G1〜G6のそれぞれを、対応するスイッチ素子Q1〜Q6のゲート端子に対して出力する。
これにより、同期整流を開始する際に、出力電圧Voutに電圧ドロップVdropが発生することを抑制することができる。なお、この所定の規定値Ukは、スイッチング電源装置1が無負荷かつ同期整流時(スイッチ素子Q5及びQ6のオン/オフ動作時)の操作量Uvに相当する値である。
これにより、図4(F)に示すように、時刻t2においてソフトスタート処理が完了する直前の一次コイル側のスイッチ素子Q1及びQ4(又はQ2及びQ3)を駆動するPWM信号P1のデューティ比に、チョークコイルL21及びL22による電圧降下分に相当するデューティ比ΔDu1を加える。これにより、デューティ比が大きくされたPWM信号P2を生成する。そして、時刻t2から、このPWM信号P2によりスイッチ素子Q1及びQ4(又はQ2及びQ3)をオンさせる。
例えば、図4(G)に示すように、スイッチ素子Q5(又はQ6)を駆動するPWM信号P12について、従来のPWM信号(図4(I)に示すPWM信号)からデューティ比ΔDu11の分が短くされた(オフ期間が長くされた)PWM信号P12を時刻t3から出力する。
これにより、スイッチング電源装置1では、ソフトスタート期間の終了後にスイッチ素子Q5(又はQ6)がオンしたときに出力電圧Voutに電圧ドロップVdropが発生することを抑制できる。
また、図5は、上述したスイッチング電源装置1における制御の流れを示す図である。以下、図5を参照して、スイッチング電源装置1における制御の流れについて説明する。
まず、ソフトスタート処理部11に、出力電圧Voutの目標値Vrefを生成するための基準設定値Vcが入力される(ステップST1)。続いて、スイッチング電源装置1を起動するための出力開始タイミング信号St(起動信号)が入力される(ステップST2)。
これにより、本実施形態のスイッチング電源装置1では、ソフトスタート期間が経過した後、同期整流回路4のスイッチ素子Q5又はQ6がオンするタイミングで、出力電圧Voutに電圧ドロップVdropが発生することを回避できる。
これにより、本発明のスイッチング電源装置では、ソフトスタート期間が経過した後、同期整流を開始する際に、出力電圧Voutに電圧ドロップVdropが発生することを回避できる。
これにより、本発明のスイッチング電源装置1では、ソフトスタート期間中において出力電圧Voutを徐々に増加させて出力することができるとともに、ソフトスタート期間が経過した後、同期整流を開始する際に、出力電圧Voutに電圧ドロップVdropが発生することを回避できる。
このように、スイッチング電源装置1では、ソフトスタート期間が経過し同期整流を開始する際に、操作量Uvを所定の規定値Uk(電流の不連続が発生していないときの操作量)に差替えることができるので、これにより、同期整流を開始する際に。出力電圧Voutに電圧ドロップVdrが発生することを回避できる。
すなわち、上述の制御回路10内に、CPU、ROM、及びRAM等を有するマイクロコントローラやマイクロコンピュータ等のコンピュータシステムを搭載し、CPUが、ソフトウェアプログラムを読み込み実行することにより、制御回路10の一部又は全部の処理機能を実現するようにしてもよい。
Claims (5)
- トランスの一次コイル側に流れる電流をスイッチングして前記一次コイル側に電力を供給する第1のスイッチ回路と、トランスの二次コイル側から出力される交流電圧を同期整流する第2のスイッチ回路と、前記第2のスイッチ回路内のスイッチ素子に並列に接続されるダイオードと、前記第2のスイッチ回路により整流された電圧を平滑するチョークコイルと、前記第1及び第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を制御する制御回路とを備えるスイッチング電源装置であって、
前記制御回路は、
起動の際に、所定のソフトスタート期間をもって、スイッチング電源装置の出力の基準となる目標出力を、初期出力から所定の出力まで徐々に増加させるソフトスタート処理部と、
前記目標出力と前記スイッチング電源装置の出力とを比較し、前記スイッチング電源装置の出力が前記目標出力に応じた値になるように前記第1及び第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を制御するための操作量を生成する出力制御部と、
前記ソフトスタート期間中は、前記第2のスイッチ回路内のスイッチ素子をオフにした状態で、前記第1のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を前記操作量に基づいて制御するとともに、前記トランスの二次コイル側に発生する交流電圧を前記ダイオードにより整流するダイオード整流を行い、
前記ソフトスタート期間が経過した後は、前記第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を開始し、前記第1及び第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を前記操作量に基づいて制御して同期整流を行う整流方式制御部と、
前記ソフトスタート期間が経過し、前記整流方式制御部が前記同期整流を開始する際に、前記操作量が所定の規定値よりも小さいか否かを判定するとともに、前記操作量が前記所定の規定値よりも小さいと判定された場合に、この操作量を前記所定の規定値に差替える操作量差替部と、
を備えることを特徴とするスイッチング電源装置。 - 前記制御回路は、
スイッチング電源装置の出力電圧を検出する電圧検出回路を備え、
前記ソフトスタート処理部は、
起動の際に、所定のソフトスタート期間をもって、スイッチング電源装置の出力電圧の基準となる目標値を、初期値から所定の値まで徐々に増加させ、
前記出力制御部は、
前記目標値と前記スイッチング電源装置の出力電圧の検出値とを比較し、前記スイッチング電源装置の出力電圧が前記目標値に応じた値になるように前記第1及び第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を制御するための操作量を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。 - 前記所定の規定値は、無負荷でかつ前記同期整流が行われている状態における前記操作量に相当する値である
ことを特徴とする請求項1または請求項2のスイッチング電源装置。 - 前記トランスの一次コイル側には、
前記第1のスイッチ回路としてのフルブリッジ回路と、
前記トランスの一次コイルに直列に接続されるチョークコイルとコンデンサと、
を備え、
前記フルブリッジ回路は、
前記一次コイルに直列に接続されるチョークコイルとコンデンサとを介して、LLC共振回路により前記一次コイルに電力を供給するように制御され、
前記トランスの二次コイル側には、
二次コイルの各端子と直流出力電圧の基準電位端子との間にそれぞれ接続される前記第2のスイッチ回路内の2つのスイッチ素子と、
前記二次コイルの各端子にそれぞれの一端が接続され、他端が共通接続される2つのチョークコイルと、
一端が直流出力電圧の正電圧側の出力端子と前記2つのチョークコイルの他端とに接続されるとともに、他端が前記基準電位端子に接続される平滑用コンデンサと、
を備え、
前記第2のスイッチ回路内の2つのスイッチ素子は、
前記二次コイル側に発生する交流電圧を全波整流するとともに、前記全波整流された電圧を前記チョークコイルと前記平滑用コンデンサとにより平滑するカレントダブラ方式の同期整流を行うように制御される
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のスイッチング電源装置。 - トランスの一次コイル側に流れる電流をスイッチングして前記一次コイル側に電力を供給する第1のスイッチ回路と、トランスの二次コイル側から出力される交流電圧を同期整流する第2のスイッチ回路と、前記第2のスイッチ回路内のスイッチ素子に並列に接続されるダイオードと、前記第2のスイッチ回路により整流された電圧を平滑するチョークコイルと、前記第1及び第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を制御する制御回路とを備えるスイッチング電源装置の制御方法であって、
前記制御回路により、
起動の際に、所定のソフトスタート期間をもって、スイッチング電源装置の出力の基準となる目標出力を、初期出力から所定の出力まで徐々に増加させるソフトスタート処理手順と、
前記目標出力と前記スイッチング電源装置の出力とを比較し、前記スイッチング電源装置の出力が前記目標出力に応じた値になるように前記第1及び第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を制御するための操作量を生成する出力制御手順と、
前記ソフトスタート期間中は、前記第2のスイッチ回路内のスイッチ素子をオフにした状態で、前記第1のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を前記操作量に基づいて制御するとともに、前記トランスの二次コイル側に発生する交流電圧を前記ダイオードにより整流するダイオード整流を行い、
前記ソフトスタート期間が経過した後は、前記第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を開始し、前記第1及び第2のスイッチ回路内のスイッチ素子のオン/オフ動作を前記操作量に基づいて制御して同期整流を行う整流方式制御手順と、
前記ソフトスタート期間が経過し、前記整流方式制御手順により前記同期整流を開始する際に、前記操作量が所定の規定値よりも小さいか否かを判定するとともに、前記操作量が前記所定の規定値よりも小さいと判定された場合に、この操作量を前記所定の規定値に差替える操作量差替手順と、
が行われることを特徴とするスイッチング電源装置の制御方法。
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