JP6115376B2 - パネル固定構造、及び自動取引装置 - Google Patents
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Description
そして、プレートナット902が間違った向きで挿入された場合、取付部911内でプレートナット902が斜行し、取付部911の取出孔911hを使ってプレートナット902を指で引っ掛けるだけでは取り出すのが難しい場合があるというさらなる問題が発生した。この場合には、工具を使わなければプレートナット902を取り出すことができない。
各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、参照する図面において、本発明を構成する部材の寸法は、説明を明確にするために誇張して表現されている場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
≪第1実施形態に係るパネル固定構造の構成≫
図1を参照して、第1実施形態に係るパネル固定構造の構成を説明する。ここで、図1は、第1実施形態に係るパネル固定構造Aの全体構成を示す分解斜視図である。図1に示すパネル固定構造Aは、板材である板金部品3にパネルであるカバー1を固定するためのものである。ここで、板金部品3は、例えば、自動取引装置(ATM)の板金フレームであり、カバー1は、例えば、自動取引装置(ATM)のフロントカバー(化粧パネル)である。
カバー1は、図示しない筐体の外観を装飾する部材であり、合成樹脂素材で形成されている。カバー1の裏面1a(筐体の外側に露出しない面)には、図1に示すように、プレートナット2を取り付けるための2つの取付部11,11が一体的に形成されている。取付部11、11は、板金部品3の長手方向に所定間隔を空けて形成される取付孔31,32に対応する位置に形成されている。
図2ないし図4を参照して、プレートナット2の構成を説明する。
プレートナット2は、取付部11に収容(装着)された状態で、ネジ7と共に板金部品3にカバー1を固定するものである。プレートナット2は、平面視十字形状を呈する板状(平板状)の平板状部材である。具体的にプレートナット2は、長辺(寸法x)と短辺(寸法y)とで構成される長方形の本体部2mと、本体部2mの長辺の中央部から同一面内に突起する2つの突起部2b,2cと、から主に構成されている。ここで、長辺の寸法xは、取付穴11gの幅と同じ(公差)であり、短辺の寸法yは、取付穴11gの深さ(奥行き方向の深さ)と同じ(公差)である。なお、突起部2b,2cは、形状(寸法を含む)が略同一である。
板金部品3は、図示しない筐体を構成する部材である。板金部品3は、図1に示すように平面視矩形状を呈する板状の部材であり、金属素材で形成されている。板金部品3には、取付部11,11に対向する位置に2つの取付孔31,32が貫通形成されている。換言すると、取付孔31,32は、取付部11,11に装着されたプレートナット2のネジ孔2aに対向する位置に形成されている。取付孔31は、平面視円形状を呈する。取付孔32は、平面視長方形状を呈し、板金部品3の長手方向(取付孔31が位置する方向と同一方向)に細長く形成されている。
フランジカラー4は、図2に示すように、略円柱状の軸部41と、軸部41の一端に連続して形成され且つ軸部41より大径に形成された円板状のフランジ部42と、から主に構成されている。フランジカラー4には、ネジ7が挿通されるネジ挿通孔4aが貫通形成されている。
これにより、フランジカラー4は、軸部41が取付部11の取出孔11h及び板金部品3の取付孔31,32に挿通可能である。また、この状態において、フランジカラー4は、ネジ7が螺合される前において、取付孔32の長手方向に沿って移動自在である。
ネジ7は、板金部品3にカバー1を固定するための部材であり、公知のネジの中から適宜選択して用いることができる。ネジ7は、図2に示すように、細長い円柱状の軸部71と、軸部71の一端に連続して形成された頭部72と、から主に構成されている。軸部71の外周面には、雄ネジが形成されている。軸部71は、ネジ挿通孔4aに挿通されるとともに、ネジ孔2aに螺合される。頭部72の軸部71側の端部には、フランジ72aが形成されている。フランジ72aは、フランジカラー4のネジ挿通孔4aより大径に形成されており、ネジ挿通孔4aの開口縁に当接している。
以上で、第1実施形態に係るパネル固定構造Aの構成についての説明を終了する。
続いて、図1ないし図5を参照して、パネル固定構造Aを用いた板金部品3へのカバー1の固定作業について説明する。図5は、第1実施形態に係るパネル固定構造Aの縦断面図である。
また、プレートナット2が取付部11に挿入されたときに、突起部2cが取付部11から外部に延出するので、突起部2bの両側の端面が側壁11eの内面(当接面11k)に確実に突き当たる位置までプレートナット2を指で押し込むことができる。
また、プレートナット2が取付部11の特定の位置まで挿入されると、取付部11の爪部11jがプレートナット2の角孔2dに引っ掛かり、プレートナット2の自重で取付部11から抜け落ちなくなる。
以上で、第1実施形態に係るパネル固定構造Aを用いた固定・解体作業についての説明を終了する。
第1実施形態に係るパネル固定構造Aは、プレートナット2に角孔2dを設け、取付部11の爪部11jが角孔2dに引っ掛かることにより、プレートナット2が自重で取付部11から抜け落ちることを防止する。第2実施形態では、プレートナット2が自重で取付部11から抜け落ちることを防止する他の構成を示す。
図6ないし図8を参照して第2実施形態に係るパネル固定構造の構成を説明する。
第2実施形態に係るパネル固定構造B(図示せず)は、取付部111及びプレートナット102の構成が、第1実施形態に係るパネル固定構造Aと異なる。以下、第1実施形態と同じ構成に符号を付して説明を省略し、第2実施形態に係るパネル固定構造B(図示せず)の構成の変更点について説明する。
取付部111は、第1実施形態に係る取付部11(図2参照)が溝部11fに有していた土台部11n及び爪部11j(図4参照)が設けられていない。それ以外の形状は、第1実施形態に係る取付部11と同様である。
プレートナット102は、角孔2d,2e(図2参照)を備えない代わりに、突起部2b,2cの底面に打出技法(鎚金技法)を用いて円錐状の凸部102d,102e(図8参照)が打ち出されている。凸部102dは、突起部2b側からプレートナット102が装着された場合において、離脱方向(挿入方向の反対方向)に力が掛かったときに取付部111の側壁11eに引っ掛かる位置に形成される。一方、凸部102eは、突起部2c側からプレートナット102が装着された場合において、離脱方向(挿入方向の反対方向)に力が掛かったときに取付部111の側壁11eに引っ掛かる位置に形成される。
以上で、第2実施形態に係るパネル固定構造Bの構成についての説明を終了する。
パネル固定構造B(図示せず)を用いた板金部品3(図1参照)へのカバー1(図1参照)の固定作業及び解体作業は、第1実施形態に係るパネル固定構造Aと同様なので説明を省略する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。実施形態の変形例を以下に示す。
また、前記各実施形態では、突起部2b,2cの根元部分と先端部分との幅の寸法がx1で同じであった(図2参照)。その為、プレートナット2は、平面視で十字形状に形成されていた。しかしながら、プレートナット2の形状はこれに限定されるものではない。例えば、突起部2b,2cを面取り加工したり、突起部2b,2cの根元部分の幅の寸法に対して先端部分の幅の寸法を小さくしたり、突起部2b,2cの形状を平面視で半円形状にしたりすることで、プレートナット2が平面視で略十字形状に形成されてもよい。
11,111 取付部
11g 取付穴
11h 取出孔(延出孔)
11j 爪部
2,102 プレートナット
2a ネジ孔
2b,2c 突起部
2d,2e 角孔
102d,102e 凸部
3 板金部品(板材)
4 フランジカラー
5 ワッシャ
6 Eリング
7 ネジ
1000 自動取引装置
A パネル固定構造
Claims (4)
- 板材にネジを介してパネルを固定するパネル固定構造であって、
前記板材を貫通する前記ネジが螺合するネジ孔が形成された長方形の本体部、前記本体部の長辺の一部から突起した第1の突起部、及び前記本体部の他の長辺から突起した第2の突起部を有し、前記パネルと分離可能なプレートナットと、
前記本体部を内部に収めることができる取付穴、及び前記取付穴の前記プレートナットが当接する当接面に前記第1の突起部が延出する延出孔を有し、前記パネルの内面側に設けられた取付部と、を備え、
前記プレートナットは、前記本体部の短辺、前記第1の突起部の高さ、及び前記第2の突起部の高さを含めた全体の長さが前記本体部の長辺よりも長く、
前記取付部は、前記取付穴の幅が前記プレートナットの全体の長さより短く、かつ本体部の長辺よりも長く、さらに、前記取付穴の奥行きが前記本体部の短辺に前記第2の突起部の高さを加えた長さよりも短い、
ことを特徴とするパネル固定構造。 - 前記プレートナットは、前記本体部に貫通孔を備え、
前記取付部は、前記プレートナットが前記取付穴から離脱する方向に移動する場合に、前記貫通孔に掛止して離脱を防止する爪部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のパネル固定構造。 - 前記プレートナットは、前記第1の突起部の表面に円錐形状の凸部を備え、
前記プレートナットが前記取付穴から離脱する方向に移動する場合に、前記延出孔の縁が前記凸部に掛止して離脱を防止する、
ことを特徴とする請求項1に記載のパネル固定構造。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のパネル固定構造を備える自動取引装置であって、
前記板材は、前記自動取引装置の金属フレームであり、
前記パネルは、化粧パネルであり、
前記化粧パネル及び前記取付部は、一体形成された樹脂性部材であることを特徴とする自動取引装置。
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