JP6115176B2 - 光信号中継器および光信号中継方法 - Google Patents

光信号中継器および光信号中継方法 Download PDF

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Description

本発明は、光信号中継器および光信号中継方法の改良に関する。
光信号中継器は、海底ケーブル等によって構成される光通信経路上に設置され、光通信経路を伝播して減衰した光信号を光アンプにより増幅して再送出する機能を有する。
図3は光信号中継器の一例である。図3の例では2つの光通信経路P1,P2を伝播する光信号の夫々を希土類ドープ・ファイバー増幅器等からなるファイバー型光アンプEDFA1,EDFA2によって増幅する構成となっている。
ファイバー型光アンプEDFA1,EDFA2を励起する光源としてはダイオード制御回路1により駆動制御される励起用半導体レーザLD1,LD2の2つが並列して備えられ、励起用半導体レーザLD1,LD2から出力されるレーザ光を3dBカプラ等からなるカプラ2で合流させた後で2つの経路に分岐させ、分岐されたレーザ光の各々によってファイバー型光アンプEDFA1,EDFA2が個別に励起されるようになっている。
なお、アイソレータ3,4は偏光無依存型光アイソレータ、また、フィルタ5,6は帯域選択用のフィルタである。
このような構成とすれば、励起用半導体レーザLD1が故障した際に励起用半導体レーザLD2でファイバー型光アンプEDFA1およびファイバー型光アンプEDFA2の双方を励起することができ、また、励起用半導体レーザLD2が故障した際には励起用半導体レーザLD1でファイバー型光アンプEDFA1およびファイバー型光アンプEDFA2の双方を励起することができるので、いずれか一方の励起用半導体レーザが故障した場合であっても光通信経路P1,P2上で完全に光信号が失われて通信が断たれることを防止することができる。
しかし、一方の励起用半導体レーザが故障すると、ファイバー型光アンプEDFA1,EDFA2の各々は、それらの設計時に想定されていた励起パワー、すなわち、双方の励起用半導体レーザLD1,LD2を共に駆動した場合の半分の励起パワーでしか励起されない状態となるため、最適の励起状態からずれた状況で使用されることになり、光信号の増幅効率が悪くなるといった不都合がある。
また、このような技術とは別に、並列して備えられた励起用半導体レーザの内の一方を現用の励起用半導体レーザとして使用すると共に他方の励起用半導体レーザを予備の励起用半導体レーザとして温存し、現用の励起用半導体レーザの故障が検出された時点で予備の励起用半導体レーザを現用の励起用半導体レーザとして使用するようにした光信号中継器が特許文献1等に開示されている。
特許文献1に開示される光信号中継器は、更に、現用の励起用半導体レーザとして使用されている予備の励起用半導体レーザが故障した段階で光スイッチの切り替え操作を自動的に実施し、ファイバー型光アンプをバイパスして光通信経路に光信号を伝播することによって、光信号を増幅する機能を失ったファイバー型光アンプが光信号を減衰させるのを防止するようにしている。
しかし、特許文献1に開示される光信号中継器は、並列して配備された励起用半導体レーザを同時に駆動してファイバー型光アンプを励起することを前提としたものではなく、並列して備えられた励起用半導体レーザの何れか1つをパートタイムで使用してファイバー型光アンプを励起する構成であるため、大出力の光信号中継器には適さないといった不都合がある。
なお、光ファイバーを機械的に移動させたり電気工学結晶基板上に形成された導波路や電極を利用して光路を切り替える光スイッチや光分岐スイッチの構成、および、励起用半導体レーザの駆動電流をサンプリングして個々の励起用半導体レーザの故障を検知する検出回路および監視回路等については、特許文献1等に見られるように、既に一般的な技術となっている。
特開平7−264126号公報(段落0022〜0023,図1,段落0018,段落0022,段落0002)
本発明の目的は、並列して配備された励起用半導体レーザを同時に駆動してファイバー型光アンプを励起することを前提とした光信号中継器において、何れかの励起用半導体レーザが故障した場合、更には、双方の励起用半導体レーザが故障した場合であっても支障なく光通信経路中で光信号を伝播することのできる光信号中継器および光信号中継方法を提供することにある。
本発明の光信号中継器は、光通信経路に挿入される光信号中継器であり、前記目的を達成するため、
並列して配備された励起用半導体レーザと、
前記励起用半導体レーザから出力されるレーザ光を合流させるカプラと、
前記励起用半導体レーザを同時に駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプと、
前記励起用半導体レーザの内の一方のみを駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプと、
前記光通信経路を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバーと、
前記励起用半導体レーザの故障を個別に検出する検出器と、
前記検出器により何れの励起用半導体レーザの故障も検出されない状況下では前記第一のファイバー型光アンプを前記光通信経路に挿入する一方、前記検出器により何れか一方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では前記第二のファイバー型光アンプを前記光通信経路に挿入し、また、前記検出器により双方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では前記メインスルーファイバーを前記光通信経路に挿入する光スイッチ群とを備えたことを特徴とした構成を有する。
また、本発明の光信号中継方法は、前記と同様の目的を達成するため、
レーザ光を合流させるカプラに並列して接続された励起用半導体レーザの故障を個別に検出し、
何れの励起用半導体レーザの故障も検出されない状況下では、レーザ光を合流させるカプラに並列して接続された励起用半導体レーザを同時に駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプを光通信経路に挿入する一方、
何れか一方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では、前記励起用半導体レーザの内の一方のみを駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプを前記光通信経路に挿入し、
また、双方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では、前記光通信経路を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバーを前記光通信経路に挿入することを特徴とした構成を有する。
本発明の光信号中継器および光信号中継方法は、レーザ光を合流させるカプラに並列して接続された励起用半導体レーザの故障を個別に検出し、何れの励起用半導体レーザの故障も検出されない状況下では、レーザ光を合流させるカプラに並列して接続された励起用半導体レーザを同時に駆動した状態でカプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプを光通信経路に挿入する一方、何れか一方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では、励起用半導体レーザの内の一方のみを駆動した状態でカプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプを光通信経路に挿入し、また、双方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では、光通信経路を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバーを光通信経路に挿入するようにしたので、レーザ光を合流させるカプラに並列して接続された励起用半導体レーザの双方が正常に機能している間は、これらの励起用半導体レーザを同時に駆動した状態でカプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプによって光信号を高い効率で増幅することができる。
また、少なくとも何れか1つの励起用半導体レーザが機能していれば、カプラから出力されるレーザ光の強度に応じた第二のファイバー型光アンプによって光通信経路を伝播する光信号を効率よく増幅することができ、更に、何れの励起用半導体レーザも機能していない状況下にあっては、第一,第二のファイバー型光アンプをバイパスして光通信経路に光信号を伝播することにより、励起用半導体レーザの故障のために光信号を増幅する機能を失った第一,第二のファイバー型光アンプが光信号を減衰させるのを防止し、下流側の光信号中継器に其のまま光信号を引き渡すことができる。
本発明を適用した一実施形態の光信号中継器の構成について示したブロック図である。 本発明を適用した他の一実施形態の光信号中継器の構成について示したブロック図である。 光信号中継器の一例について示したブロック図である。
次に、本発明を実施するための幾つかの実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明を適用した一実施形態の光信号中継器7の構成について示したブロック図である。
この光信号中継器7は、光通信経路P1,P2に挿入される光信号中継器であり、並列して配備された励起用半導体レーザLD1,LD2と、同等の出力を有する励起用半導体レーザLD1,LD2から出力されるレーザ光を合流させる3dBカプラ等からなるカプラ2と、励起用半導体レーザLD1,LD2を駆動制御するダイオード制御回路1と、励起用半導体レーザLD1,LD2の駆動電流を監視すること等によって励起用半導体レーザLD1,LD2の故障を個別に検出する故障検出回路(検出器)8を備える。
また、光信号中継器7は、一方の光通信経路P1に沿って、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプEDFA9−1と、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプEDFA9−2と、光信号の伝播特性に関して光通信経路P1を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバー9−3を備える。
第一のファイバー型光アンプEDFA9−1と第二のファイバー型光アンプEDFA9−2の各々は夫々に独立したファイバー型光アンプによって構成されている。
光信号中継器7は、更に、他方の光通信経路P2に沿って、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプEDFA10−1と、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプEDFA10−2と、光信号の伝播特性に関して光通信経路P2を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバー10−3を備える。
第一のファイバー型光アンプEDFA10−1と第二のファイバー型光アンプEDFA10−2の各々は夫々に独立したファイバー型光アンプによって構成されている。
なお、光通信経路P1.P2上のアイソレータ3,4は偏光無依存型光アイソレータ、また、フィルタ5,6は帯域選択用のフィルタであり、この実施形態における第一のファイバー型光アンプEDFA9−1,EDFA10−1および第二のファイバー型光アンプEDFA9−2,EDFA10−2は何れも希土類ドープ・ファイバー増幅器、例えば、erbium-doped optical fiber amplifierである。
光信号中継器7の光スイッチ群は、光信号中継器7の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P1の下流側端部に第一のファイバー型光アンプEDFA9−1の入力側,第二のファイバー型光アンプEDFA9−2の入力側,メインスルーファイバー9−3の一端の内の何れかを選択的に接続するための第一の光スイッチ11aと、光信号中継器7の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P1の上流側端部に第一のファイバー型光アンプEDFA9−1の出力側,第二のファイバー型光アンプEDFA9−2の出力側,メインスルーファイバー9−3の他端の内の何れかを選択的に接続するための第二の光スイッチ11b、並びに、光信号中継器7の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P2の下流側端部に第一のファイバー型光アンプEDFA10−1の入力側,第二のファイバー型光アンプEDFA10−2の入力側,メインスルーファイバー10−3の一端の内の何れかを選択的に接続するための第一の光スイッチ12aと、光信号中継器7の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P2の上流側端部に第一のファイバー型光アンプEDFA10−1の出力側,第二のファイバー型光アンプEDFA10−2の出力側,メインスルーファイバー10−3の他端の内の何れかを選択的に接続するための第二の光スイッチ12bによって構成される。
このうち、第一のファイバー型光アンプEDFA9−1,第二のファイバー型光アンプEDFA9−2,メインスルーファイバー9−3の内の何れかを選択的に光通信経路P1に挿入するための光スイッチ群は第一,第二の光スイッチ11a,11bによって構成され、また、第一のファイバー型光アンプEDFA10−1,第二のファイバー型光アンプEDFA10−2,メインスルーファイバー10−3の内の何れかを選択的に光通信経路P2に挿入するための光スイッチ群は第一,第二の光スイッチ12a,12bによって構成されている。
この実施形態における光信号中継器7は、並列して配備された励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動して第一のファイバー型光アンプEDFA9−1,EDFA9−2を励起することにより、光通信経路P1,P2を伝播する光信号の各々を増幅することを前提としたものである。
そして、故障検出回路8が励起用半導体レーザLD1,LD2の何れの故障も検出しない状況下では、故障検出回路8から出力される正常動作信号を受けた図示しないスイッチング回路が第一,第二の光スイッチ11a,11bを作動させ、第一の光スイッチ11aによって光信号中継器7の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P1の下流側端部に第一のファイバー型光アンプEDFA9−1の入力側を接続すると共に第二の光スイッチ11bによって光信号中継器7の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P1の上流側端部に第一のファイバー型光アンプEDFA9−1の出力側を接続することにより、光通信経路P1に、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプEDFA9−1のみを挿入し、かつ、第一の光スイッチ12aによって光信号中継器7の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P2の下流側端部に第一のファイバー型光アンプEDFA10−1の入力側を接続すると共に第二の光スイッチ12bによって光信号中継器7の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P2の上流側端部に第一のファイバー型光アンプEDFA10−1の出力側を接続することにより、光通信経路P2に、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプEDFA10−1のみを挿入する。
従って、励起用半導体レーザLD1,LD2の何れの故障も検出されない状況下では、光通信経路P1,P2を伝播する光信号を、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプEDFA9−1,EDFA10−1の各々によって高い効率で増幅することができる。
故障検出回路8からの信号を受けて第一,第二の光スイッチ11a,11bを作動させるスイッチング回路は、ゲート回路や論理回路あるいはマイクロプロセッサやパワートランジスタ等を利用して容易に設計製作することが可能である。
また、故障検出回路8が、同等の出力を有する励起用半導体レーザLD1,LD2の何れか一方の故障を検出した状況下では、故障検出回路8から出力される部分故障信号を受けた図示しないスイッチング回路が第一,第二の光スイッチ11a,11bを作動させ、第一の光スイッチ11aによって光信号中継器7の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P1の下流側端部に第二のファイバー型光アンプEDFA9−2の入力側を接続すると共に第二の光スイッチ11bによって光信号中継器7の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P1の上流側端部に第二のファイバー型光アンプEDFA9−2の出力側を接続することにより、光通信経路P1に、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第ニのファイバー型光アンプEDFA9−2のみを挿入し、かつ、第一の光スイッチ12aによって光信号中継器7の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P2の下流側端部に第二のファイバー型光アンプEDFA10−2の入力側を接続すると共に第二の光スイッチ12bによって光信号中継器7の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P2の上流側端部に第二のファイバー型光アンプEDFA10−2の出力側を接続することにより、光通信経路P2に、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第ニのファイバー型光アンプEDFA10−2のみを挿入する。
従って、励起用半導体レーザLD1,LD2の何れか一方の故障のみが検出された状況下では、光通信経路P1,P2を伝播する光信号を、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第ニのファイバー型光アンプEDFA9−2,EDFA10−2の各々によって効率よく増幅することができる。
また、故障検出回路8が、同等の出力を有する励起用半導体レーザLD1,LD2の双方の故障を検出した状況下では、故障検出回路8から出力される完全故障信号を受けた図示しないスイッチング回路が第一,第二の光スイッチ11a,11bを作動させ、第一の光スイッチ11aによって光信号中継器7の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P1の下流側端部にメインスルーファイバー9−3の一端を接続すると共に第二の光スイッチ11bによって光信号中継器7の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P1の上流側端部にメインスルーファイバー9−3の他端を接続することにより、光通信経路P1に、光信号の伝播特性に関して光通信経路P1を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバー9−3のみを挿入し、かつ、第一の光スイッチ12aによって光信号中継器7の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P2の下流側端部にメインスルーファイバー10−3の一端を接続すると共に第二の光スイッチ12bによって光信号中継器7の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P2の上流側端部にメインスルーファイバー10−3の他端を接続することにより、光通信経路P2に、光信号の伝播特性に関して光通信経路P2を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバー10−3のみを挿入する。
従って、励起用半導体レーザLD1,LD2の双方の故障が検出された状況下では、励起用半導体レーザLD1,LD2の故障のために光信号を増幅する機能を失った全てのファイバー型光アンプEDFA9−1,EDFA9−2,EDFA10−1,EDFA10−2をバイパスし、光通信経路P1,P2を形成する光ファイバーと同等の性能すなわち光信号の減衰や損失を発生させ難い性能を有するメインスルーファイバー9ー3,10−3を介して光通信経路P1,P2の下流側に光信号を伝播することができる。
よって、光信号を増幅する機能を失ったファイバー型光アンプEDFA9−1,EDFA9−2,EDFA10−1,EDFA10−2が光通信経路P1,P2を伝播する光信号を減衰させることはなく、この光信号中継器7よりも下流側の他の光信号中継器に其のまま光信号を引き渡すことが可能となる。
次に、本発明を実施するための他の一実施形態について図2のブロック図を参照して説明する。
この実施形態の光信号中継器13は、前述した光信号中継器7と同様、光通信経路P1,P2に挿入される光信号中継器であり、並列して配備された励起用半導体レーザLD1,LD2と、同等の出力を有する励起用半導体レーザLD1,LD2から出力されるレーザ光を合流させる3dBカプラ等からなるカプラ2と、励起用半導体レーザLD1,LD2を駆動制御するダイオード制御回路1と、励起用半導体レーザLD1,LD2の故障を個別に検出する検出器として機能する故障検出回路8を備える。
また、光信号中継器13は、一方の光通信経路P1に沿って、同等の出力を有する励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化されたファイバー型光アンプEDFA11aと半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化されたファイバー型光アンプEDFA11bを縦列(直列)して備える。
そして、更に、2つのファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11bの内で下流側に位置するファイバー型光アンプEDFA11bのみをバイパスして光信号を伝達するためのサブスルーファイバー14−1をファイバー型光アンプEDFA11bと並列するかたちで備えると共に、2つのファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11bを共にバイパスして光信号を伝達するためのメインスルーファイバー14−2をファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11bと並列するかたちで備えている。
光信号中継器13は、更に、他方の光通信経路P2に沿って、同等の出力を有する励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化されたファイバー型光アンプEDFA12aと半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化されたファイバー型光アンプEDFA12bを縦列(直列)して備える。
そして、更に、2つのファイバー型光アンプEDFA12a,EDFA12bの内で下流側に位置するファイバー型光アンプEDFA12bのみをバイパスして光信号を伝達するためのサブスルーファイバー15−1をファイバー型光アンプEDFA12bと並列するかたちで備えると共に、2つのファイバー型光アンプEDFA12a,EDFA12bを共にバイパスして光信号を伝達するためのメインスルーファイバー15−2をファイバー型光アンプEDFA12a,EDFA12bと並列するかたちで備えている。
ファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11b,EDFA12a,EDFA12bは、何れも、同等の出力を有する半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化されたものであるから、結果として、各ファイバー型光アンプの仕様は全て同等であり、また、光学的に直列に接続された状態にあるファイバー型光アンプEDFA11aとファイバー型光アンプEDFA11bによって構成されるファイバー型光アンプ、および、光学的に直列に接続された状態にあるファイバー型光アンプEDFA12aとファイバー型光アンプEDFA12bによって構成されるファイバー型光アンプは、何れも、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化されたファイバー型光アンプとなる。
サブスルーファイバー14−1とメインスルーファイバー14−2は光通信経路P1を形成する光ファイバーと同等の性能を有し、サブスルーファイバー15−1とメインスルーファイバー15−2は光通信経路P2を形成する光ファイバーと同等の性能を有する。
なお、光通信経路P1.P2上のアイソレータ3,4は偏光無依存型光アイソレータ、また、フィルタ5,6は帯域選択用のフィルタであり、この実施形態におけるファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11b,EDFA12a,EDFA12bは何れも希土類ドープ・ファイバー増幅器、例えば、erbium-doped optical fiber amplifierである。
光信号中継器13の光スイッチ群は、1つの入力ポートおよび第一,第二の2つの出力ポートを備え、縦列した2つのファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11bの内で上流側に位置するファイバー型光アンプEDFA11aの出力側に入力ポートを接続されて第一の出力ポートを下流側に位置するファイバー型光アンプEDFA11bの入力側に接続され、かつ、下流側のファイバー型光アンプEDFA11bをバイパスするサブスルーファイバー14−1の一端に第二の出力ポートを接続された第一の光分岐スイッチ16aと、1つの入力ポートおよび第一,第二の2つの出力ポートを備え、光信号中継器13の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P1の下流側端部に入力ポートを接続されて第一の出力ポートをファイバー型光アンプEDFA11aの入力側に接続され、かつ、2つのファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11bをバイパスするメインスルーファイバー14−2の一端に第二の出力ポートを接続された第ニの光分岐スイッチ16bと、光信号中継器13の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P1の上流側端部にファイバー型光アンプEDFA11bの出力側,サブスルーファイバー14−1の他端,メインスルーファイバー14−2の他端の内の何れかを選択的に接続する光スイッチ16c、並びに、1つの入力ポートおよび第一,第二の2つの出力ポートを備え、縦列した2つのファイバー型光アンプEDFA12a,EDFA12bの内で上流側に位置するファイバー型光アンプEDFA12aの出力側に入力ポートを接続されて第一の出力ポートを下流側に位置するファイバー型光アンプEDFA12bの入力側に接続され、かつ、下流側のファイバー型光アンプEDFA12bをバイパスするサブスルーファイバー15−1の一端に第二の出力ポートを接続された第一の光分岐スイッチ17aと、1つの入力ポートおよび第一,第二の2つの出力ポートを備え、光信号中継器13の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P2の下流側端部に入力ポートを接続されて第一の出力ポートをファイバー型光アンプEDFA12aの入力側に接続され、かつ、2つのファイバー型光アンプEDFA12a,EDFA12bをバイパスするメインスルーファイバー15−2の一端に第二の出力ポートを接続された第ニの光分岐スイッチ17bと、光信号中継器13の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P2の上流側端部にファイバー型光アンプEDFA12bの出力側,サブスルーファイバー15−1の他端,メインスルーファイバー15−2の他端の内の何れかを選択的に接続する光スイッチ17cによって構成される。
このうち、ファイバー型光アンプEDFA11aとファイバー型光アンプEDFA11bを光学的に直列に接続して第一のファイバー型光アンプとして光通信経路P1に挿入したり、ファイバー型光アンプEDFA11bを第二のファイバー型光アンプとして光通信経路P1に挿入したり、メインスルーファイバー14−2のみを光通信経路P1に挿入したりするために必要とされる光スイッチ群は第一の光分岐スイッチ16a,第二の光分岐スイッチ16b,光スイッチ16cによって構成され、また、ファイバー型光アンプEDFA12aとファイバー型光アンプEDFA12bを光学的に直列に接続して第一のファイバー型光アンプとして光通信経路P2に挿入したり、ファイバー型光アンプEDFA12bを第二のファイバー型光アンプとして光通信経路P2に挿入したり、メインスルーファイバー15−2のみを光通信経路P2に挿入したりするために必要とされる光スイッチ群は第一の光分岐スイッチ17a,第二の光分岐スイッチ17b,光スイッチ17cによって構成されている。
この実施形態における光信号中継器13は、並列して配備された励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動し、ファイバー型光アンプEDFA11aとファイバー型光アンプEDFA11bを光学的に直列に接続して形成される第一のファイバー型光アンプと、ファイバー型光アンプEDFA12aとファイバー型光アンプEDFA12bを光学的に直列に接続して形成される第一のファイバー型光アンプを励起することにより、光通信経路P1,P2を伝播する光信号の各々を増幅することを前提としたものである。
そして、故障検出回路8が励起用半導体レーザLD1,LD2の何れの故障も検出しない状況下では、故障検出回路8から出力される正常動作信号を受けた図示しないスイッチング回路が第一の光分岐スイッチ16a,第二の光分岐スイッチ16b,光スイッチ16c、および、第一の光分岐スイッチ17a,第二の光分岐スイッチ17b,光スイッチ17cを作動させ、第一,第ニの光分岐スイッチ16a,16bにおける第一の出力ポートを開き第ニの出力ポートを閉じることにより光信号中継器13の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P1の下流側端部にファイバー型光アンプEDFA11aの入力側を接続すると共に、ファイバー型光アンプEDFA11aとファイバー型光アンプEDFA11bを光学的に直列に接続して第一のファイバー型光アンプとして機能させ、併せて、光スイッチ16cにより光信号中継器13の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P1の上流側端部にファイバー型光アンプEDFA11bの出力側を接続することにより、縦列された2つのファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11bから形成されるファイバー型光アンプ、すなわち、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプを光通信経路P1に挿入し、かつ、第一,第ニの光分岐スイッチ17a,17bにおける第一の出力ポートを開き第ニの出力ポートを閉じることにより光信号中継器13の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P2の下流側端部にファイバー型光アンプEDFA12aの入力側を接続すると共に、ファイバー型光アンプEDFA12aとファイバー型光アンプEDFA12bを光学的に直列に接続して第一のファイバー型光アンプとして機能させ、併せて、光スイッチ17cにより光信号中継器13の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P2の上流側端部にファイバー型光アンプEDFA12bの出力側を接続することにより、縦列された2つのファイバー型光アンプEDFA12a,EDFA12bから形成されるファイバー型光アンプ、すなわち、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプを光通信経路P2に挿入する。
従って、励起用半導体レーザLD1,LD2の何れの故障も検出されない状況下では、光通信経路P1,P2を伝播する光信号を、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化されたファイバー型光アンプ、つまり、ファイバー型光アンプEDFA11aおよびファイバー型光アンプEDFA11bから形成される第一のファイバー型光アンプと、ファイバー型光アンプEDFA12aおよびファイバー型光アンプEDFA12bから形成される第一のファイバー型光アンプの各々によって高い効率で増幅することができる。
故障検出回路8からの信号を受けて第一の光分岐スイッチ16a,第二の光分岐スイッチ16b,光スイッチ16c、および、第一の光分岐スイッチ17a,第二の光分岐スイッチ17b,光スイッチ17cを作動させるスイッチング回路は、ゲート回路や論理回路あるいはマイクロプロセッサやパワートランジスタ等を利用して容易に設計製作することが可能である。
また、故障検出回路8が、同等の出力を有する励起用半導体レーザLD1,LD2の何れか一方の故障を検出した状況下では、故障検出回路8から出力される部分故障信号を受けた図示しないスイッチング回路が第一の光分岐スイッチ16a,第二の光分岐スイッチ16b,光スイッチ16c、および、第一の光分岐スイッチ17a,第二の光分岐スイッチ17b,光スイッチ17cを作動させ、第一の光分岐スイッチ16aにおける第一の出力ポートを閉じ第ニの出力ポートを開くと共に第二の光分岐スイッチ16bにおける第一の出力ポートを開き第ニの出力ポートを閉じることにより、光信号中継器13の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P1の下流側端部にファイバー型光アンプEDFA11aの入力側を接続し、ファイバー型光アンプEDFA11aの出力側をサブスルーファイバー14−1の一端に接続して、このファイバー型光アンプEDFA11aを第二のファイバー型光アンプとして機能させ、併せて、光スイッチ16cにより光信号中継器13の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P1の上流側端部にサブスルーファイバー14−1の他端を接続することにより、第二のファイバー型光アンプとして機能するファイバー型光アンプEDFA11a、すなわち、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプを光通信経路P1に挿入し、かつ、第一の光分岐スイッチ17aにおける第一の出力ポートを閉じ第ニの出力ポートを開くと共に第二の光分岐スイッチ17bにおける第一の出力ポートを開き第ニの出力ポートを閉じることにより、光信号中継器13の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P2の下流側端部にファイバー型光アンプEDFA12aの入力側を接続し、ファイバー型光アンプEDFA12aの出力側をサブスルーファイバー15−1の一端に接続して、このファイバー型光アンプEDFA12aを第二のファイバー型光アンプとして機能させ、併せて、光スイッチ17cにより光信号中継器13の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P2の上流側端部にサブスルーファイバー15−1の他端を接続することにより、第二のファイバー型光アンプとして機能するファイバー型光アンプEDFA12a、すなわち、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプを光通信経路P2に挿入する。
従って、励起用半導体レーザLD1,LD2の何れか一方の故障のみが検出された状況下では、光通信経路P1,P2を伝播する光信号を、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化されたファイバー型光アンプEDFA11aとファイバー型光アンプEDFA12a、つまり、第ニのファイバー型光アンプとして機能するファイバー型光アンプEDFA11aと第ニのファイバー型光アンプとして機能するファイバー型光アンプEDFA12aの各々によって効率よく増幅することができる。
また、故障検出回路8が、同等の出力を有する励起用半導体レーザLD1,LD2の双方の故障を検出した状況下では、故障検出回路8から出力される完全故障信号を受けた図示しないスイッチング回路が第二の光分岐スイッチ16b,光スイッチ16c、および、第二の光分岐スイッチ17b,光スイッチ17cを作動させ、第ニの光分岐スイッチ16bにおける第一の出力ポートを閉じて第ニの出力ポートを開くことにより、光信号中継器13の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P1の下流側端部にメインスルーファイバー14−2の一端を接続し、光スイッチ16cにより光信号中継器13の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P1の上流側端部にメインスルーファイバー14−2の他端を接続することにより、メインスルーファイバー14−2のみを光通信経路P1に挿入し、かつ、第ニの光分岐スイッチ17bにおける第一の出力ポートを閉じて第ニの出力ポートを開くことにより、光信号中継器13の介装位置を基準として上流側に位置する光通信経路P2の下流側端部にメインスルーファイバー15−2の一端を接続し、光スイッチ17cにより光信号中継器13の介装位置を基準として下流側に位置する光通信経路P2の上流側端部にメインスルーファイバー15−2の他端を接続することにより、メインスルーファイバー15−2のみを光通信経路P2に挿入する。
従って、励起用半導体レーザLD1,LD2の双方の故障が検出された状況下では、励起用半導体レーザLD1,LD2の故障のために光信号を増幅する機能を失った全てのファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11b,EDFA12a,EDFA12bをバイパスし、光通信経路P1,P2を形成する光ファイバーと同等の性能すなわち光信号の減衰や損失を発生させ難い性能を有するメインスルーファイバー14−2,15−2を介して光通信経路P1,P2の下流側に光信号を伝播することができる。
よって、光信号を増幅する機能を失ったファイバー型光アンプEDFA11a,EDFA11b,EDFA12a,EDFA12bが光通信経路P1,P2を伝播する光信号を減衰させることはなく、この光信号中継器13よりも下流側の他の光信号中継器に其のまま光信号を引き渡すことが可能となる。
特に、この実施形態においては、励起用半導体レーザLD1,LD2が共に正常に作動している状況下にあっては、ファイバー型光アンプEDFA11aとファイバー型光アンプEDFA11bとを光学的に直列に接続して光通信経路P1の光信号を増幅する第一のファイバー型光アンプとして機能させると共にファイバー型光アンプEDFA12aとファイバー型光アンプEDFA12bとを光学的に直列に接続して光通信経路P2の光信号を増幅する第一のファイバー型光アンプとして機能させ、また、励起用半導体レーザLD1,LD2の何れかが故障した状況下では、光通信経路P1の光信号を増幅する第一のファイバー型光アンプの一部でもあるファイバー型光アンプEDFA11aを単独で光通信経路P1の光信号を増幅する第二のファイバー型光アンプとして機能させると共に光通信経路P2の光信号を増幅する第一のファイバー型光アンプの一部でもあるファイバー型光アンプEDFA12aを単独で光通信経路P2の光信号を増幅する第二のファイバー型光アンプとして機能させるようにしている。
この結果、段落0032でも述べた通り、同等の規格すなわち半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された4つのファイバー型光アンプをファイバー型光アンプEDFA11a,ファイバー型光アンプEDFA11b,ファイバー型光アンプEDFA12a,ファイバー型光アンプEDFA12bとして利用することができるようになり、異なる仕様を有する第一のファイバー型光アンプと第ニのファイバー型光アンプを独立的に配置する場合に比べ、光信号中継器13の組み立てに必要とされる部品の種類を減らすことができ、製造コストの削減が容易となるメリットが生じる。
そして、何れの実施形態を利用した場合であっても、励起用半導体レーザLD1,LD2が共に正常に作動している状況下にあっては、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプの各々が光通信経路P1,P2に挿入されることになるので、光通信経路P1,P2を伝播する光信号を当初の設計通りの高い効率で増幅することができ、また、励起用半導体レーザLD1,LD2の何れか一方が故障した状況下では、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第ニのファイバー型光アンプの各々が光通信経路P1,P2に挿入されることになるので、光通信経路P1,P2を伝播する光信号を、当初の設計に沿った効率には及ばないものの、その時点でカプラ2から分岐して出力されているレーザ光の強度に見合った効率で、効率よく増幅することができる。
特に、励起用半導体レーザLD1,LD2の何れか一方が故障した状況下にあっては、励起用半導体レーザLD1,LD2を同時に駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプが、著しく不十分な励起光、つまり、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光(適正値に対して約1/2のパワー)によって励起されたり、この第一のファイバー型光アンプが光通信経路P1,P2の光信号を増幅するファイバー型光アンプとして其のまま使用され続けたりするといった不都合が完全に解消され、励起用半導体レーザLD1,LD2の内の一方のみを駆動した状態でカプラ2から分岐して出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第ニのファイバー型光アンプが光通信経路P1,P2の光信号を増幅するようになるので、励起状態のずれに伴う効率の悪化が改善され、光通信経路P1,P2を伝播する光信号を適切に増幅することができるようになる。
更に、励起用半導体レーザLD1,LD2の双方が故障した状況下では、光通信経路P1,P2を形成する光ファイバーと同等の性能すなわち光信号の減衰や損失を発生させ難い性能を有するメインスルーファイバーの各々が光通信経路P1,P2に挿入されることになるので、励起用半導体レーザLD1,LD2の故障のために光信号を増幅する機能を失った全てのファイバー型光アンプをバイパスし、これらのメインスルーファイバーを介して光通信経路P1,P2の下流側に光信号を其のまま伝播することができる。
特に、励起光が入力されないファイバー型光アンプは、光通信経路を伝播する光信号に対して伝播損失が非常に大きいため(例えば10数dBの減衰)、これらのファイバー型光アンプが光通信経路の一部として機能し続けると完全に通信が途絶えてしまうといった不都合が生じるが、光通信経路P1,P2を形成する光ファイバーと同等の性能すなわち光信号の減衰や損失を発生させ難い性能を有するメインスルーファイバーの各々を光通信経路P1,P2に挿入することにより、光信号を増幅する機能を失った全てのファイバー型光アンプをバイパスして下流側に光信号を伝播させるようにしているので、通信の断絶を確実に防止できる。
以上に開示した例は代表的な実施形態であり、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。
本発明は、光通信に用いられる光海底中継器を始めとする各種の光信号中継器に利用することができる。
1 ダイオード制御回路
2 カプラ
3,4 アイソレータ
5,6 フィルタ
7 光信号中継器
8 故障検出回路(検出器)
9−3 メインスルーファイバー
10−3 メインスルーファイバー
11a 第一の光スイッチ(光スイッチ群の一部)
11b 第二の光スイッチ(光スイッチ群の一部)
12a 第一の光スイッチ(光スイッチ群の一部)
12b 第二の光スイッチ(光スイッチ群の一部)
13 光信号中継器
14−1 サブスルーファイバー
14−2 メインスルーファイバー
15−1 サブスルーファイバー
15−2 メインスルーファイバー
16a 第一の光分岐スイッチ
16b 第二の光分岐スイッチ
16c 光スイッチ
17a 第一の光分岐スイッチ
17b 第二の光分岐スイッチ
17c 光スイッチ
P1 光通信経路
P2 光通信経路
LD1 励起用半導体レーザ
LD2 励起用半導体レーザ
EDFA1 ファイバー型光アンプ
EDFA2 ファイバー型光アンプ
EDFA9−1 第一のファイバー型光アンプ
EDFA9−2 第二のファイバー型光アンプ
EDFA10−1 第一のファイバー型光アンプ
EDFA10−2 第二のファイバー型光アンプ
EDFA11a ファイバー型光アンプ
EDFA11b ファイバー型光アンプ
EDFA12a ファイバー型光アンプ
EDFA12b ファイバー型光アンプ

Claims (8)

  1. 光通信経路に挿入される光信号中継器であって、
    並列して配備された励起用半導体レーザと、
    前記励起用半導体レーザから出力されるレーザ光を合流させるカプラと、
    前記励起用半導体レーザを同時に駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプと、
    前記励起用半導体レーザの内の一方のみを駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプと、
    前記光通信経路を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバーと、
    前記励起用半導体レーザの故障を個別に検出する検出器と、
    前記検出器により何れの励起用半導体レーザの故障も検出されない状況下では前記第一のファイバー型光アンプを前記光通信経路に挿入する一方、前記検出器により何れか一方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では前記第二のファイバー型光アンプを前記光通信経路に挿入し、また、前記検出器により双方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では前記メインスルーファイバーを前記光通信経路に挿入する光スイッチ群とを備えたことを特徴とした光信号中継器。
  2. 前記第一のファイバー型光アンプおよび第二のファイバー型光アンプが共に独立したファイバー型光アンプによって構成され、
    前記光スイッチ群は、前記検出器によって検出される励起用半導体レーザの故障状況に応じ、前記第一のファイバー型光アンプ,第二のファイバー型光アンプ,メインスルーファイバーの内の何れかを選択的に前記光通信経路に挿入することを特徴とした請求項1記載の光信号中継器。
  3. 前記励起用半導体レーザの内の一方のみを駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された2つのファイバー型光アンプを縦列して備えると共に、
    前記光スイッチ群は、
    1つの入力ポートおよび第一,第二の2つの出力ポートを有し、前記2つのファイバー型光アンプの内で上流側に位置するファイバー型光アンプの出力側に入力ポートを接続されて、前記第一の出力ポートを前記2つのファイバー型光アンプの内で下流側に位置するファイバー型光アンプの入力側に接続されると共に、前記第二の出力ポートを、前記光通信経路を形成する光ファイバーと同等の性能を有して前記下流側に位置するファイバー型光アンプをバイパスするサブスルーファイバーの一端に接続された第一の光分岐スイッチと、
    1つの入力ポートおよび第一,第二の2つの出力ポートを有し、前記光通信経路の上流側に入力ポートを接続されて、前記第一の出力ポートを前記上流側に位置するファイバー型光アンプの入力側に接続されると共に、前記第二の出力ポートを前記メインスルーファイバーの一端に接続された第の光分岐スイッチと、
    前記下流側に位置するファイバー型光アンプの出力側,前記サブスルーファイバーの他端,前記メインスルーファイバーの他端の内の何れかを選択的に前記光通信経路の下流側に接続する光スイッチとによって構成され、
    前記検出器により何れの励起用半導体レーザの故障も検出されない状況下では前記第一,第の光分岐スイッチにおける第一の出力ポートを開き第の出力ポートを閉じて前記光スイッチにより前記下流側に位置するファイバー型光アンプの出力側を前記光通信経路の下流側に接続して前記縦列された2つのファイバー型光アンプを前記第一のファイバー型光アンプとして機能させる一方、前記検出器により何れか一方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では前記第一の光分岐スイッチにおける第一の出力ポートを閉じ第の出力ポートを開くと共に前記第二の光分岐スイッチにおける第一の出力ポートを開き第の出力ポートを閉じて前記光スイッチにより前記サブスルーファイバーの他端を前記光通信経路の下流側に接続して前記上流側に位置するファイバー型光アンプを前記第二のファイバー型光アンプとして機能させ、また、前記検出器により双方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では前記第の光分岐スイッチにおける第一の出力ポートを閉じ第の出力ポートを開いて前記光スイッチにより前記メインスルーファイバーの他端を前記光通信経路の下流側に接続して前記メインスルーファイバーを前記光通信経路に挿入することを特徴とした請求項1記載の光信号中継器。
  4. 前記第一のファイバー型光アンプおよび前記第二のファイバー型光アンプが希土類ドープ・ファイバー増幅器によって構成されていることを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3の内いずれか一項に記載の光信号中継器。
  5. レーザ光を合流させるカプラに並列して接続された励起用半導体レーザの故障を個別に検出し、
    何れの励起用半導体レーザの故障も検出されない状況下では、レーザ光を合流させるカプラに並列して接続された励起用半導体レーザを同時に駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第一のファイバー型光アンプを光通信経路に挿入する一方、
    何れか一方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では、前記励起用半導体レーザの内の一方のみを駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された第二のファイバー型光アンプを前記光通信経路に挿入し、
    また、双方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では、前記光通信経路を形成する光ファイバーと同等の性能を有するメインスルーファイバーを前記光通信経路に挿入することを特徴とした光信号中継方法。
  6. 前記励起用半導体レーザの故障状況に応じ、独立したファイバー型光アンプによって構成される前記第一,第二のファイバー型光アンプおよび前記メインスルーファイバーの内の何れかを選択的に前記光通信経路に挿入することを特徴とした請求項5記載の光信号中継方法。
  7. 何れの励起用半導体レーザの故障も検出されない状況下では、前記励起用半導体レーザの内の一方のみを駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された2つのファイバー型光アンプを光学的に縦列接続して前記光通信経路に前記第一のファイバー型光アンプとして挿入する一方、
    何れか一方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では、前記励起用半導体レーザの内の一方のみを駆動した状態で前記カプラから出力されるレーザ光の強度に合わせて励起パワーを最適化された前記2つのファイバー型光アンプの内の一方を前記第二のファイバー型光アンプとして前記光通信経路に挿入し、
    また、双方の励起用半導体レーザの故障が検出された状況下では、前記メインスルーファイバーを前記光通信経路に挿入することを特徴とした請求項5記載の光信号中継方法。
  8. 前記第一のファイバー型光アンプおよび前記第二のファイバー型光アンプが希土類ドープ・ファイバー増幅器によって構成されていることを特徴とする請求項5,請求項6または請求項7の内いずれか一項に記載の光信号中継方法。
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