JP6115151B2 - 耐震壁および耐震構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の耐震壁では、波形鋼板を枠体に接合したパネルが、上下の梁またはスラブに固定されている。耐震壁用の鋼板では、板曲げ剛性の強化ないし座屈抑制を図るべく凹凸形状が採用され、このような凹凸形状を連続加工できることから波形鋼板が多用されている。波形鋼板は、波形の形状の選択により、鋼板の特性を調整可能である。パネルに加工される際の波形鋼板の波形の筋の連続方向は、加工の容易さから縦横の各辺に沿う方向つまり水平または垂直とされる。特許文献1の耐震壁においては、波形鋼板が上下方向の軸力および面内曲げを負担することを回避するために、波形の筋を水平方向としている。
そして、特許文献1および特許文献2に記載の耐震壁とも、地震や風等により建築物に作用する水平力に対し、パネルの面材に水平力をせん断力として負担させることで、耐震性が確保されるようになっている。
すなわち、特許文献1に記載の耐震壁では、建築物に作用する水平力に応じた軸力が耐震壁の縦枠を介して上下階に伝達し、耐震壁を多階層にわたって連層配置した場合、最上部または最下部における梁またはスラブと耐震壁との接合部に過大な応力が生じる可能性がある。
一方、特許文献2に記載の耐震壁では、各パネルが所定の間隔を隔てて配置されているため、架構の変形が小さい場合は、パネル間でせん断力の伝達を行うことができず、架構部分で多くの水平力を負担しなければならないという問題がある。さらに、特許文献2では、構成部材の数が多く、構造が複雑になるという問題がある。
しかし、特許文献3では、壁パネルの壁幅方向の変位許容に、壁パネルの上面の長孔を利用しているため、架構の変形が小さい範囲では壁パネルに水平方向のせん断力が伝達されず、安定した履歴特性が得られない。従って、特許文献3によっても、特許文献2で述べたせん断力の伝達の問題が解消できず、架構部分で多くの水平力を負担しなければならないという問題がある。
さらに、壁パネルにおいては、波形鋼板の上端および下端が上下の梁またはスラブに固定される際に、波形鋼板の波形の筋(波目)が水平方向とされているため、上下の梁またはスラブ間には水平力のみが伝達され、上下方向の軸力は伝達されない。また、波形鋼板の側縁に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材は、これらの間に形成された軸力緩和部により、上部縦枠材と下部縦枠材との間の軸力伝達が緩和されるようになっている。
これらにより、本発明の耐震壁では、波形鋼板で水平力を十分に負担して架構部分での水平力負担を軽減することができるとともに、上下階の軸力伝達を回避することができる。とくに、耐震壁を連層配置した場合でも、耐震壁を介して軸力が伝達することを防止でき、連層配置の最上部または最下部における耐震壁の接合部の応力が増大することを防止できる。
このような本発明では、上部縦枠材および下部縦枠材は各々の端部(下端および上端)が変形部材で連結される。変形部材は上部縦枠材および下部縦枠材の間の軸力で変形可能であり、上部縦枠材および下部縦枠材の間の軸力伝達を緩和することができる。
このような変形部材は、予め別体とされた上部縦枠材および下部縦枠材を別途連結するように設けられてもよいが、壁パネルの高さに相当する一本の縦枠材(上部縦枠材および下部縦枠材が一連に接続された状態)の中間に適宜な材料除去加工を行うことで、一体に連続した上部縦枠材、下部縦枠材および変形部材を形成してもよい。
このような本発明では、壁パネルの高さに相当する一本の縦枠材に対する凹溝の加工だけで上部縦枠材と下部縦枠材とを区画し、かつ各々の間の変形部材を形成することができ、壁パネルの製造工程を簡素にできる。
なお、凹溝は枠材の表面(波形鋼板と反対側)あるいは裏面(波形鋼板に接続される側)の何れであってもよく、表裏にそれぞれ形成してもよい。表裏に形成する場合、互いの位置(縦枠材の長手方向位置)を合わせてもよく、ずらしてもよい。
また、凹溝は縦枠材の表面に対する切削加工等によって形成してもよいが、縦枠材の中間部をその表面の面外方向に折曲し、側面から見て凸状に突起するように加工することで、その内側に凹溝を形成してもよい。
このような本発明では、壁パネルの高さに相当する一本の縦枠材に対するスリットの加工だけで上部縦枠材と下部縦枠材とを区画し、かつ各々の間の変形部材を形成することができ、壁パネルの製造工程を簡素にできる。
なお、スリットは枠材のいずれかの側縁から切り込んでもよく、あるいは両方の側縁から切り込んでもよい。両側から切り込む場合、互いに同じの位置(枠材の長手方向位置)であってもよいが、各側位置を交互にずらすことで変形部材をいわゆるジグザグ状として軸力緩和効果を高めることができる。
このような本発明では、上部縦枠材および下部縦枠材は各々の対向する端部間に間隔を空けて配置され、互いに完全に分離された状態となる。従って、上部縦枠材および下部縦枠材の間には軸力伝達が生じない。そして、上部縦枠材および下部縦枠材を所定間隔で配置することで軸力緩和部を構成でき、壁パネルを簡素な構造とすることができる。
本発明においては、軸力緩和部を用いることで軸力伝達を緩和できる。ただし、軸力緩和部は、軸力伝達の緩和とともに、縦枠材としての曲げ剛性および捻れ剛性の低下を招く可能性がある。そして、壁パネルにおいて捻れが発生すると、耐震性能の低下を招く可能性ある。
すなわち、本発明の壁パネルでは、上部縦枠材および下部縦枠材が一連となって壁パネルの縦枠材として機能する。この縦枠材に壁パネルの面外方向の応力が作用した場合、軸力緩和部を介して接続される上部縦枠材と下部縦枠材との間では、相互の面外方向応力の伝達が行われない。このため、上部縦枠材および下部縦枠材に固定される一連の波形鋼板においては、軸力緩和部周辺に応力集中およびこれに伴う破壊が生じる可能性がある。
これに対し、本発明では、上部縦枠材および下部縦枠材との間に、各々の壁パネル面外方向の変位を規制するずれ留め部を形成することで、波板の軸力緩和部周辺における応力集中ないし破壊を抑制することができ、耐震性能の低下を抑制することができる。
具体的には、上部縦枠材および下部縦枠材として用いる平板状の長尺材を、厚みあるいは幅(壁パネルの面外方向寸法)がより大きなものとすることで、各々の曲げ剛性および捻れ剛性を強化できる。あるいは、上部縦枠材および下部縦枠材として、断面がC型あるいはH型の形鋼を用いることで、それ自体の曲げ剛性および捻れ剛性を強化することができる。
ただし、このような上部縦枠材および下部縦枠材の強化は、重量の増加および材料コストの増加を招く可能性がある。これに対し、本発明のようなずれ留め部を用いることで、軽量小型かつ低コストで波板の軸力緩和部周辺における応力集中ないし破壊を抑制することができ、耐震性能の低下を抑制することができる。
このような本発明では、簡単な構成で確実なずれ留め機能を得ることができる。
なお、形鋼としては、上部縦枠材および下部縦枠材のいずれか一方の両側縁に沿って固定された一対の形鋼を用いることができる。例えば、上部縦枠材および下部縦枠材のいずれか一方の両側縁に沿ってL形鋼材あるいはC形鋼材を固定し、何れか他方の両側縁を挟み込むようにすることが望ましい。しかし、形鋼は一対で用いるものに限らず、上部縦枠材および下部縦枠材の幅(壁パネルの面外方向の寸法)に相当する内幅で一対のフランジが対向するC形鋼によって上部縦枠材および下部縦枠材のいずれか一方および他方を一括して挟み込むようにしてもよい。
このような本発明でも、簡単な構成で確実なずれ留め機能を得ることができる。
このような凸部および凹部としては、例えば上部縦枠材および下部縦枠材のいずれか一方に他方へ向けて延びる棒状鋼材を固定して凸部とし、何れか他方に前述した棒状鋼材を挿入可能な筒状あるいはC形断面の鋼材を固定して凹部とすることができる。
すなわち、本発明において、前記凸部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定された棒状部材であり、前記凹部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に固定された筒状部材または前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に形成された穴であるとすることができる。
あるいは、いわゆる「ほぞ継ぎ」結合構造となるように、何れか一方の端部中央に凹部を切欠き、他方の端部中央に凸部を形成してもよい。この際、凹部は切欠きではなく、端面に形成された穴としてもよい。
さらに、凸部および凹部としては、上部縦枠材および下部縦枠材の対向する端面にそれぞれ穴を形成し、各々に棒状部材を装入してもよい。
このような本発明でも、簡単な構成で確実なずれ留め機能を得ることができる。さらに、本発明では、支圧ボルトを貫通させる貫通孔の大きさを調整したり、支圧ボルトの締め付け力を調整したりすることで、ずれ留め部としての機能を組み立て段階で調整することができる。
このような構成によれば、架構の面内に複数の壁パネルが水平方向に並設されるため、これら複数の壁パネルでせん断力を負担することができる。このため、壁パネルで負担可能なせん断力を大きくすることができるので、建築物全体としての水平耐力を向上させることができる。
このような構成によれば、波形鋼板が水平力を負担する際のエネルギー吸収量を大きくすることができるため、耐震壁が用いられる建築物の耐震性能を向上させることができる。
このような耐震構造によれば、前述した耐震壁の効果が得られるため、架構部分での水平力負担を軽減することができる。
図1において、本実施形態の建築物は、本発明に基づく耐震壁による耐震構造であり、架構1を構成する柱2および梁3と、上下の梁3に固定された耐震壁4とを備えている。
なお、柱2および梁3は、H形鋼で構成される場合に限定されるものではなく、これ以外の形状や材質を有して構成されてもよい。
図2において、壁パネル6は、矩形に枠組みされた枠体61と、この枠体61の内側に固定された波形鋼板である折板62とを有する。
折板62とされる波形鋼板の板厚は、1.6mm以上で9.0mm未満であることが望ましい。板厚が1.6mm未満であると、座屈に対して十分な強度が得にくい。また、板厚が9.0mm以上であると、重量が増加するため製造時の作業効率の上で好ましくない。
図3にも示すように、上部縦枠材65および下部縦枠材66は、それぞれ平鋼で形成され、上部縦枠材65の下端651および下部縦枠材66の上端661とは、折板62の左右側縁における略半分の高さにおいて、所定間隔を空けて対向配置されている。
本実施形態においては、互いに隔てられた上部縦枠材65の下端651と下部縦枠材66の上端661とにより、軸力緩和部7が構成されている。
ずれ留め部8として、本実施形態では一対のL形鋼81を用いている。L形鋼81は、それぞれ上端側を上部縦枠材65の表面の両側辺縁に沿って配置され、溶接により固定されている。L形鋼81の下端側は、それぞれ下部縦枠材66の両辺縁に沿って配置され、一対のL形鋼81によって下部縦枠材66が挟まれる状態とされている。
このような一対のL形鋼81によりずれ留め部8が構成され、通常一直線上にあるべき上部縦枠材65と下部縦枠材66との相互の変位を規制し、各々を一直線上に維持するようになっている。
なお、接合金物10については、ホールダウン金物、ベースプレートなど接合機能を有する金物であれば、特に制限なく選択できる。
本実施形態の耐震壁4においては、壁パネル6の折板62は、地震荷重のような水平力が壁パネル6に作用した際に、折板62がせん断力を負担することで、水平力を負担することができる。
すなわち、壁パネル6の折板62は、波形の筋を水平方向に向けて配置され、上枠材63を介して上側の梁3に固定されるとともに、下枠材64を介して下側の梁3に固定されており、水平力を壁パネル6の全面で負担することができる。その結果、架構1側での水平力負担を軽減することができる。
その結果、本実施形態の耐震壁4を上下に連層配置した場合でも、耐震壁4を介して上下方向に軸力が伝達することを防止でき、連層配置の最上部または最下部における耐震壁の接合部の応力増大を防止することができる。
本実施形態では、上部縦枠材65の下端651と下部縦枠材66の上端661とを互いに間隔を隔てて配置するという簡素な構造で軸力緩和部7を構成でき、壁パネル6およびこれを含む耐震壁4を簡素な構造とすることができる。
本実施形態では、上部縦枠材65に固定された一対のL形鋼81で下部縦枠材66の両側側縁を挟みつけるという簡素な構造でずれ留め部8を構成でき、壁パネル6およびこれを含む耐震壁4を簡単な構成としつつ確実なずれ留め機能を得ることができる。
さらに、C形鋼82のフランジ間の寸法を、上部縦枠材65および下部縦枠材66の厚みよりやや大きくし、C形鋼82が上部縦枠材65および下部縦枠材66の両辺縁に被さるような配置とすることで、上部縦枠材65および下部縦枠材66の間のずれ留めとともに、捻れ防止の効果も得ることができる。
図5(A)に示すように、上部縦枠材65の下端の表面に平鋼による補剛板84を溶接等で固定し、この補剛板84の下半分を下部縦枠材66の表面に沿わせ、二重になった上部縦枠材65および下部縦枠材66に貫通孔を形成して支圧ボルト85およびナットで締め付け固定してもよい。この際、上部縦枠材65と下部縦枠材66との間の軸力伝達が生じないように、支圧ボルト85の締め付けを過剰に行うことは避けることが望ましい。このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。
また、下部縦枠材66および補剛板84を貫通して締め付ける支圧ボルト85は、一枚の補剛板84あたり2本以上としてもよい。複数の支圧ボルト85を用いることで、締め付け固定される下部縦枠材66および補剛板84が支圧ボルト85を中心として回転すること(結果として壁パネル6が上部縦枠材65および下部縦枠材66の連結部分で面外方向へ「くの字」状に折れ曲がる)が避けられる。このため、1箇所のみをボルトで接合した場合よりも、構造性能と施工性の向上が見込める。
さらに、補剛板84は下部縦枠材66に溶接し、上部縦枠材65に支圧ボルト85の締め付けてもよい。
これらの図4および図5のずれ留め部8を構成するにあたっては、上部縦枠材65および下部縦枠材66の間で軸力伝達が生じないように、軸力方向に対向する各部には十分な間隔を確保しておくことが必要である。
製造にあたっては、長尺の平鋼材を用い、その中間部の表面に幅方向の溝711を加工することで、変形部材71と上部縦枠材65および下部縦枠材66とが一括して得られる。
このような変形部材71は、上部縦枠材65からの軸力に対して適宜変形することで、下部縦枠材66に伝わる軸力を緩和することができ、軸力緩和部7として機能することができる。なお、図6(A)では図示を省略しているが、図6(A)の構造においても、前述した各種のずれ留め部8を設置することができる。
従って、このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。但し、変形部材71による軸力緩和部7は、前述した下端651と上端661とを所定間隔で対向配置させた構成ほどの効果は得られない。しかし、前述したような幅方向の溝加工によって簡単に製造できるという効果が得られる。
このような構造によっても、図6(A)の構造と同様に前述した実施形態の各効果が得られる。さらに、変形部材72が上部縦枠材65および下部縦枠材66の厚み方向の中間位置となるため、軸力を受けた際に上部縦枠材65と下部縦枠材66とが曲げ変形を受けるようなこともない。
このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。さらに、このS字状の変形部材73においては、スリット731,732の幅や深さ、およびスリットの数を増減させることで、軸力緩和性能を調節することができる。
このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。
以上のような軸力緩和部7は、複数の異なる形式を併用してもよい。
これらの図6および図7の軸力緩和部7を構成するにあたっては、上部縦枠材65および下部縦枠材66の間で軸力伝達が生じないように、軸力方向に対向する各部には十分な間隔を確保しておくことが必要である。
例えば、柱梁架構に設置される耐震壁4の数は、前記実施形態のように1つに限らず、図9に示す他の実施形態のように2つあるいはそれ以上の複数であってもよい。
図9において、本実施形態は、架構1の面内に複数の耐震壁4が設けられている点で前述した図1の実施形態と相違するものの、耐震壁4の構成そのものは図1の実施形態と同様である。
このような図9の実施形態の耐震壁4によっても、図1の実施形態と同様に、架構1での水平力負担を軽減することができるとともに、上下方向の軸力伝達を緩和することができる。また、架構1の面内に複数の耐震壁4が設けられているので、複数の壁パネル6でせん断力を負担することができる。このため、壁パネル6で負担可能なせん断力を大きくすることができるので、建築物全体としての水平耐力を向上させることができる。
上部縦枠材65および下部縦枠材66の剛性を強化する手段としては、例えば、図8(A)のように、前記実施形態と同様な平鋼材ながら、その幅および厚みを増した構成が利用できる。
また、図8(B)のように、上部縦枠材65および下部縦枠材66としてC形鋼を用いてもよく、図8(C)のように、上部縦枠材65および下部縦枠材66としてH形鋼を用いてもよい。さらに、上部縦枠材65および下部縦枠材66としてCT鋼(T形鋼、図8(C)のH形鋼の2つのフランジの一方を省略した形状)を用いてもよい。
このような図8(B)および図8(C)の上部縦枠材65および下部縦枠材66においては、前記実施形態で説明した一対のL形鋼81によるずれ留め部8を採用することもできる。
例えば、H形鋼製の上部縦枠材65および下部縦枠材66であれば、H形鋼の一方のフランジの辺縁にL形鋼81を沿わせればよい。C形鋼製の上部縦枠材65および下部縦枠材66であれば、C形鋼の向かい合う内フランジの辺縁にL形鋼81を沿わせればよい。
前記実施形態においては、本発明の耐震壁4が設置される建築物を具体的に例示していないが、耐震壁4の設置対象は、特に限定されるものではなく、各種構造形式の建築物や任意の用途の建築物などに本発明の耐震壁4を利用可能である。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
2…柱
3…梁
4…耐震壁
5…L形鋼
6…壁パネル
10…接合金物
11…ボルト
21,31…ウェブ
22,32…フランジ
61…枠体
62…折板(波形鋼板)
63…上枠材
64…下枠材
65…上部縦枠材
651…下端
652…凸部
66…下部縦枠材
662…凹部
661…上端
7…軸力緩和部
71,72,73,74…変形部材
711,721…溝
731…スリット
741,742,743…部分
8…ずれ留め部
81…L型鋼
82…C型鋼
83…C型鋼
84…補剛板
85…支圧ボルト
86…棒鋼
87…鋼管
Claims (9)
- 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
前記軸力緩和部は、前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とを連結しかつ前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間の軸力で変形可能な変形部材を備え、
前記変形部材は、前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との連続部分の表面に凹溝を形成して構成されていることを特徴とする耐震壁。 - 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
前記軸力緩和部は、前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とを連結しかつ前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間の軸力で変形可能な変形部材を備え、
前記変形部材は、前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との連続部分の側方からスリットを切り込んで形成されていることを特徴とする耐震壁。 - 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
前記軸力緩和部は、所定間隔で互いに対向配置された前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とにより構成されており、
前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端との前記壁パネルの面外方向の変位を規制するずれ留め部を有し、
前記上部縦枠材および前記下部縦枠材は平鋼板または形鋼で構成され、
前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定され、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方の平鋼板または形鋼の3つの側面を覆う少なくとも1以上の形鋼を備えていることを特徴とする耐震壁。 - 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
前記軸力緩和部は、所定間隔で互いに対向配置された前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とにより構成されており、
前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端との前記壁パネルの面外方向の変位を規制するずれ留め部を有し、
前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方から他方に向かう凸部と、前記いずれか他方に形成されて前記凸部が装入される凹部とで形成されていることを特徴とする耐震壁。 - 請求項4に記載の耐震壁において、
前記凸部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定された棒状部材であり、前記凹部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に固定された筒状部材または前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に形成された穴であることを特徴とする耐震壁。 - 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
前記軸力緩和部は、所定間隔で互いに対向配置された前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とにより構成されており、
前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端との前記壁パネルの面外方向の変位を規制するずれ留め部を有し、
前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定され、
前記いずれかの他方の表面に沿って配置される補剛板と、前記補剛板と前記いずれかの他方とをそれぞれ貫通して締め付け固定する支圧ボルトとを備え、
前記支圧ボルトは、前記補剛板および前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に形成された貫通孔に対して上下方向に変位可能とされていることを特徴とする耐震壁。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の耐震壁において、
前記柱梁架構または前記柱スラブ架構の面内において水平方向に複数設けられていることを特徴とする耐震壁。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の耐震壁において、
前記壁パネルの波形鋼板は、超深絞り用鋼板、深絞り用鋼板、絞り用鋼板、および低降伏比型高強度鋼板のうちのいずれかの鋼板で構成されていることを特徴とする耐震壁。 - 柱梁架構または柱スラブ架構と、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の耐震壁を備えていることを特徴とする耐震構造。
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