JP6115151B2 - 耐震壁および耐震構造 - Google Patents

耐震壁および耐震構造 Download PDF

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Description

本発明は、耐震壁および耐震構造に関し、詳しくは、柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁、およびこの耐震壁を用いた耐震構造に関する。
従来、形鋼等からなる枠体に面材を固定したパネルを上下の梁またはスラブ間に設けた耐震壁が知られている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1に記載の耐震壁では、波形鋼板を枠体に接合したパネルが、上下の梁またはスラブに固定されている。耐震壁用の鋼板では、板曲げ剛性の強化ないし座屈抑制を図るべく凹凸形状が採用され、このような凹凸形状を連続加工できることから波形鋼板が多用されている。波形鋼板は、波形の形状の選択により、鋼板の特性を調整可能である。パネルに加工される際の波形鋼板の波形の筋の連続方向は、加工の容易さから縦横の各辺に沿う方向つまり水平または垂直とされる。特許文献1の耐震壁においては、波形鋼板が上下方向の軸力および面内曲げを負担することを回避するために、波形の筋を水平方向としている。
特許文献2に記載の耐震壁では、パネルを上下に分割して上下方向(鉛直方向)の長さが異なる短パネルおよび長パネルを構成するとともに、各パネルの配置を上下に反転させて水平方向に交互に配置することで、各パネルが所定の間隔を隔てて凹凸状にかみ合うように配置されている。
そして、特許文献1および特許文献2に記載の耐震壁とも、地震や風等により建築物に作用する水平力に対し、パネルの面材に水平力をせん断力として負担させることで、耐震性が確保されるようになっている。
特許文献3に記載の耐震壁では、壁パネルの上面に壁幅方向の長孔を設け、長孔に上下方向に出退自在となるように嵌入支持された締結ボルト体を介して、前記壁パネルの上面と上横架材(梁)とを係合させている。従って、壁パネルは、壁パネルの面外方向への変位は規制されるが、上横架材に対して上下方向および上横架材に沿った方向(長孔の連続方向)に変位可能である。
特許第4395419号公報 特開平10−220063号公報 実開昭62−27113号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の従来の耐震壁では、それぞれ以下のような課題が存在する。
すなわち、特許文献1に記載の耐震壁では、建築物に作用する水平力に応じた軸力が耐震壁の縦枠を介して上下階に伝達し、耐震壁を多階層にわたって連層配置した場合、最上部または最下部における梁またはスラブと耐震壁との接合部に過大な応力が生じる可能性がある。
一方、特許文献2に記載の耐震壁では、各パネルが所定の間隔を隔てて配置されているため、架構の変形が小さい場合は、パネル間でせん断力の伝達を行うことができず、架構部分で多くの水平力を負担しなければならないという問題がある。さらに、特許文献2では、構成部材の数が多く、構造が複雑になるという問題がある。
特許文献3に記載の耐震壁では、上横架材(梁)に対して、壁パネルを壁幅方向および上下方向に相対摺動自在に取り付けられるため、特許文献1で述べた上下階の軸力伝達の問題の解消に利用できる可能性がある。
しかし、特許文献3では、壁パネルの壁幅方向の変位許容に、壁パネルの上面の長孔を利用しているため、架構の変形が小さい範囲では壁パネルに水平方向のせん断力が伝達されず、安定した履歴特性が得られない。従って、特許文献3によっても、特許文献2で述べたせん断力の伝達の問題が解消できず、架構部分で多くの水平力を負担しなければならないという問題がある。
本発明の目的は、構造が簡単で、上下階の軸力伝達を回避できるとともに、架構部分での水平力負担を軽減できる耐震壁および耐震構造を提供することにある。
本発明の耐震壁は、柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、壁パネルは、波形鋼板がその上端および下端をそれぞれ梁またはスラブに固定されるため、上側および下側の梁またはスラブの間で水平力を伝達可能である。とくに、波形鋼板は、上下の梁またはスラブに固定されるため、架構の変形が小さい場合であっても、耐震壁としてせん断力を十分に負担することができる。このため、架構部分での水平力負担を軽減することができる。
さらに、壁パネルにおいては、波形鋼板の上端および下端が上下の梁またはスラブに固定される際に、波形鋼板の波形の筋(波目)が水平方向とされているため、上下の梁またはスラブ間には水平力のみが伝達され、上下方向の軸力は伝達されない。また、波形鋼板の側縁に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材は、これらの間に形成された軸力緩和部により、上部縦枠材と下部縦枠材との間の軸力伝達が緩和されるようになっている。
これらにより、本発明の耐震壁では、波形鋼板で水平力を十分に負担して架構部分での水平力負担を軽減することができるとともに、上下階の軸力伝達を回避することができる。とくに、耐震壁を連層配置した場合でも、耐震壁を介して軸力が伝達することを防止でき、連層配置の最上部または最下部における耐震壁の接合部の応力が増大することを防止できる。
本発明において、前記軸力緩和部は、前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とを連結しかつ前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間の軸力で変形可能な変形部材を備えた構成とされる
このような本発明では、上部縦枠材および下部縦枠材は各々の端部(下端および上端)が変形部材で連結される。変形部材は上部縦枠材および下部縦枠材の間の軸力で変形可能であり、上部縦枠材および下部縦枠材の間の軸力伝達を緩和することができる。
このような変形部材は、予め別体とされた上部縦枠材および下部縦枠材を別途連結するように設けられてもよいが、壁パネルの高さに相当する一本の縦枠材(上部縦枠材および下部縦枠材が一連に接続された状態)の中間に適宜な材料除去加工を行うことで、一体に連続した上部縦枠材、下部縦枠材および変形部材を形成してもよい。
本発明において、前記変形部材は、前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との連続部分の表面に凹溝を形成して構成することができる。
このような本発明では、壁パネルの高さに相当する一本の縦枠材に対する凹溝の加工だけで上部縦枠材と下部縦枠材とを区画し、かつ各々の間の変形部材を形成することができ、壁パネルの製造工程を簡素にできる。
なお、凹溝は枠材の表面(波形鋼板と反対側)あるいは裏面(波形鋼板に接続される側)の何れであってもよく、表裏にそれぞれ形成してもよい。表裏に形成する場合、互いの位置(縦枠材の長手方向位置)を合わせてもよく、ずらしてもよい。
また、凹溝は縦枠材の表面に対する切削加工等によって形成してもよいが、縦枠材の中間部をその表面の面外方向に折曲し、側面から見て凸状に突起するように加工することで、その内側に凹溝を形成してもよい。
本発明において、前記変形部材は、前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との連続部分の側方からスリットを切り込んで形成してもよい。
このような本発明では、壁パネルの高さに相当する一本の縦枠材に対するスリットの加工だけで上部縦枠材と下部縦枠材とを区画し、かつ各々の間の変形部材を形成することができ、壁パネルの製造工程を簡素にできる。
なお、スリットは枠材のいずれかの側縁から切り込んでもよく、あるいは両方の側縁から切り込んでもよい。両側から切り込む場合、互いに同じの位置(枠材の長手方向位置)であってもよいが、各側位置を交互にずらすことで変形部材をいわゆるジグザグ状として軸力緩和効果を高めることができる。
本発明において、前記軸力緩和部は、所定間隔で互いに対向配置された前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とにより構成されており、前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端との前記壁パネルの面外方向の変位を規制するずれ留め部を有する構成としてもよい
このような本発明では、上部縦枠材および下部縦枠材は各々の対向する端部間に間隔を空けて配置され、互いに完全に分離された状態となる。従って、上部縦枠材および下部縦枠材の間には軸力伝達が生じない。そして、上部縦枠材および下部縦枠材を所定間隔で配置することで軸力緩和部を構成でき、壁パネルを簡素な構造とすることができる。
発明においては、軸力緩和部を用いることで軸力伝達を緩和できる。ただし、軸力緩和部は、軸力伝達の緩和とともに、縦枠材としての曲げ剛性および捻れ剛性の低下を招く可能性がある。そして、壁パネルにおいて捻れが発生すると、耐震性能の低下を招く可能性ある。
すなわち、本発明の壁パネルでは、上部縦枠材および下部縦枠材が一連となって壁パネルの縦枠材として機能する。この縦枠材に壁パネルの面外方向の応力が作用した場合、軸力緩和部を介して接続される上部縦枠材と下部縦枠材との間では、相互の面外方向応力の伝達が行われない。このため、上部縦枠材および下部縦枠材に固定される一連の波形鋼板においては、軸力緩和部周辺に応力集中およびこれに伴う破壊が生じる可能性がある。
これに対し、本発明では、上部縦枠材および下部縦枠材との間に、各々の壁パネル面外方向の変位を規制するずれ留め部を形成することで、波板の軸力緩和部周辺における応力集中ないし破壊を抑制することができ、耐震性能の低下を抑制することができる。
なお、前述した波板の軸力緩和部周辺における応力集中ないし破壊の抑制による耐震性能の低下の抑制は、上部縦枠材および下部縦枠材の曲げ剛性および捻れ剛性をそれぞれ強化することで実現することができる。
具体的には、上部縦枠材および下部縦枠材として用いる平板状の長尺材を、厚みあるいは幅(壁パネルの面外方向寸法)がより大きなものとすることで、各々の曲げ剛性および捻れ剛性を強化できる。あるいは、上部縦枠材および下部縦枠材として、断面がC型あるいはH型の形鋼を用いることで、それ自体の曲げ剛性および捻れ剛性を強化することができる。
ただし、このような上部縦枠材および下部縦枠材の強化は、重量の増加および材料コストの増加を招く可能性がある。これに対し、本発明のようなずれ留め部を用いることで、軽量小型かつ低コストで波板の軸力緩和部周辺における応力集中ないし破壊を抑制することができ、耐震性能の低下を抑制することができる。
本発明において、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材は平鋼板または形鋼で構成され、前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定され、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方の平鋼板または形鋼の3つの側面を覆う少なくとも1以上の形鋼を備えている構成が採用できる。
このような本発明では、簡単な構成で確実なずれ留め機能を得ることができる。
なお、形鋼としては、上部縦枠材および下部縦枠材のいずれか一方の両側縁に沿って固定された一対の形鋼を用いることができる。例えば、上部縦枠材および下部縦枠材のいずれか一方の両側縁に沿ってL形鋼材あるいはC形鋼材を固定し、何れか他方の両側縁を挟み込むようにすることが望ましい。しかし、形鋼は一対で用いるものに限らず、上部縦枠材および下部縦枠材の幅(壁パネルの面外方向の寸法)に相当する内幅で一対のフランジが対向するC形鋼によって上部縦枠材および下部縦枠材のいずれか一方および他方を一括して挟み込むようにしてもよい。
本発明において、前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方から他方に向かう凸部と、前記いずれか他方に形成されて前記凸部が装入される凹部とで形成されている構成としてもよい。
このような本発明でも、簡単な構成で確実なずれ留め機能を得ることができる。
このような凸部および凹部としては、例えば上部縦枠材および下部縦枠材のいずれか一方に他方へ向けて延びる棒状鋼材を固定して凸部とし、何れか他方に前述した棒状鋼材を挿入可能な筒状あるいはC形断面の鋼材を固定して凹部とすることができる。
すなわち、本発明において、前記凸部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定された棒状部材であり、前記凹部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に固定された筒状部材または前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に形成された穴であるとすることができる。
あるいは、いわゆる「ほぞ継ぎ」結合構造となるように、何れか一方の端部中央に凹部を切欠き、他方の端部中央に凸部を形成してもよい。この際、凹部は切欠きではなく、端面に形成された穴としてもよい。
さらに、凸部および凹部としては、上部縦枠材および下部縦枠材の対向する端面にそれぞれ穴を形成し、各々に棒状部材を装入してもよい。
本発明において、前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定され、前記いずれかの他方の表面に沿って配置される補剛板と、前記補剛板と前記いずれかの他方とをそれぞれ貫通して締め付け固定する支圧ボルトとを備え、前記支圧ボルトは、前記補剛および前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に形成された貫通孔に対して上下方向に変位可能とされている構成としてもよい。
このような本発明でも、簡単な構成で確実なずれ留め機能を得ることができる。さらに、本発明では、支圧ボルトを貫通させる貫通孔の大きさを調整したり、支圧ボルトの締め付け力を調整したりすることで、ずれ留め部としての機能を組み立て段階で調整することができる。
本発明の耐震壁は、前記柱梁架構または前記柱スラブ架構の面内において水平方向に複数設けられてもよい。
このような構成によれば、架構の面内に複数の壁パネルが水平方向に並設されるため、これら複数の壁パネルでせん断力を負担することができる。このため、壁パネルで負担可能なせん断力を大きくすることができるので、建築物全体としての水平耐力を向上させることができる。
本発明の耐震壁において、前記壁パネルの波形鋼板は、超深絞り用鋼板、深絞り用鋼板、絞り用鋼板、および低降伏比型高強度鋼板のうちのいずれかの鋼板で構成されていてもよい。
このような構成によれば、波形鋼板が水平力を負担する際のエネルギー吸収量を大きくすることができるため、耐震壁が用いられる建築物の耐震性能を向上させることができる。
本発明の耐震構造は、柱梁架構または柱スラブ架構と、前記いずれかの耐震壁とを備えていることを特徴とする。
このような耐震構造によれば、前述した耐震壁の効果が得られるため、架構部分での水平力負担を軽減することができる。
以上のような本発明の耐震壁および耐震構造によれば、軸力緩和部により縦枠材による上下階の軸力伝達を回避しつつ、水平方向に連続する一連の波形鋼板により上下の梁やスラブ間の水平力を伝達することができ、架構の変形が小さい場合であっても架構部分での水平力負担を軽減することができる。
本発明の一実施形態の架構部分を示す正面図。 前記実施形態の耐震壁を示す斜視図。 前記実施形態の軸力緩和部およびずれ留め部を示す拡大斜視図。 本発明で利用可能な他の軸力緩和部およびずれ留め部を示す斜視図。 本発明で利用可能な他の軸力緩和部およびずれ留め部を示す斜視図。 本発明で利用可能な他の軸力緩和部を示す斜視図。 本発明で利用可能な他の軸力緩和部を示す斜視図。 本発明で利用可能な他の上部縦枠材および下部縦枠材を示す斜視図。 本発明の他の実施形態を示す正面図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本実施形態の建築物は、本発明に基づく耐震壁による耐震構造であり、架構1を構成する柱2および梁3と、上下の梁3に固定された耐震壁4とを備えている。
柱2および梁3は、ウェブ21,31と、このウェブ21,31の両端に設けられた一対のフランジ22,32とを備えた、いわゆるH形鋼により構成されている。
なお、柱2および梁3は、H形鋼で構成される場合に限定されるものではなく、これ以外の形状や材質を有して構成されてもよい。
柱2のフランジ22にはL形鋼5が隅肉溶接され、梁3はその端部のウェブ21,31をL形鋼5に複数のボルト11で締め付け固定される。この結果、柱2と梁3とが接合され、柱梁架構である架構1が構成されることになる。
耐震壁4は、図2に示す一枚の壁パネル6により構成されている。
図2において、壁パネル6は、矩形に枠組みされた枠体61と、この枠体61の内側に固定された波形鋼板である折板62とを有する。
折板62は、山部と谷部とを有する波形鋼板により構成され、波形鋼板の波形の筋(波目、山部と谷部との連続方向)が水平方向とされている。
折板62とされる波形鋼板の板厚は、1.6mm以上で9.0mm未満であることが望ましい。板厚が1.6mm未満であると、座屈に対して十分な強度が得にくい。また、板厚が9.0mm以上であると、重量が増加するため製造時の作業効率の上で好ましくない。
折板62に用いる鋼板としては、それぞれ日本工業規格JIS G3141に定められた深絞り用冷延鋼板(SPCE)および絞り用冷延鋼板(SPCD)、新日鐵住金株式会社製の超深絞り用冷延鋼板(NSC270F、NSC270G)、低降伏比型高強度熱延鋼板(NSHA540D、NSHA590D等)、および低降伏比型高強度冷延鋼板(NSC540D、NSC590D等)などが例示できる。
折板62に用いる鋼板の加工硬化のしやすさは、加工硬化係数「n」(いわゆるn値)で示される。折板62に使用される鋼板のn値は、鋼板の比例限強度が100N/mm未満の場合は0.22≦n≦0.39、比例限強度が100N/mm以上300N/mm未満の場合は0.20≦n≦0.29、比例限強度が300N/mm以上の場合は0.18≦n≦0.21の範囲が望ましい。n値が前記範囲の下限値未満であると、塑性化領域が広がりにくく、ひずみが局所的に集中しやすくなるため、エネルギーを十分に吸収できず望ましくない。一方、n値が前記範囲の上限値を超えると、波形鋼板すなわち折板62のエネルギー吸収性能が低下または頭うちになる。
枠体61は、折板62の上端縁および下端辺に沿って固定される上枠材63、下枠材64を有するとともに、折板62の左右の側縁に沿って固定される上部縦枠材65および下部縦枠材66を有する。
図3にも示すように、上部縦枠材65および下部縦枠材66は、それぞれ平鋼で形成され、上部縦枠材65の下端651および下部縦枠材66の上端661とは、折板62の左右側縁における略半分の高さにおいて、所定間隔を空けて対向配置されている。
本実施形態においては、互いに隔てられた上部縦枠材65の下端651と下部縦枠材66の上端661とにより、軸力緩和部7が構成されている。
上部縦枠材65と下部縦枠材66との間には、軸力緩和部7をまたいでずれ留め部8が設けられている。
ずれ留め部8として、本実施形態では一対のL形鋼81を用いている。L形鋼81は、それぞれ上端側を上部縦枠材65の表面の両側辺縁に沿って配置され、溶接により固定されている。L形鋼81の下端側は、それぞれ下部縦枠材66の両辺縁に沿って配置され、一対のL形鋼81によって下部縦枠材66が挟まれる状態とされている。
このような一対のL形鋼81によりずれ留め部8が構成され、通常一直線上にあるべき上部縦枠材65と下部縦枠材66との相互の変位を規制し、各々を一直線上に維持するようになっている。
このような壁パネル6は、折板62が波形の筋を水平方向に向けて配置された状態で、接合金物10を介して上下の梁3に接続される。接合金物10は、上部縦枠材65の上端および下部縦枠材66の下端に溶接されており、この接合金物10をボルト(図示省略)で梁3のフランジ32に固定される。
なお、接合金物10については、ホールダウン金物、ベースプレートなど接合機能を有する金物であれば、特に制限なく選択できる。
以上の本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の耐震壁4においては、壁パネル6の折板62は、地震荷重のような水平力が壁パネル6に作用した際に、折板62がせん断力を負担することで、水平力を負担することができる。
すなわち、壁パネル6の折板62は、波形の筋を水平方向に向けて配置され、上枠材63を介して上側の梁3に固定されるとともに、下枠材64を介して下側の梁3に固定されており、水平力を壁パネル6の全面で負担することができる。その結果、架構1側での水平力負担を軽減することができる。
一方、折板62の両側に上部縦枠材65と下部縦枠材66とを設置し、上部縦枠材65の下端651と下部縦枠材66の上端661との間に間隔をあけることで軸力緩和部7を構成したため、壁パネル6に上下方向の軸力が作用しても、これを上下に伝達させることがない。
その結果、本実施形態の耐震壁4を上下に連層配置した場合でも、耐震壁4を介して上下方向に軸力が伝達することを防止でき、連層配置の最上部または最下部における耐震壁の接合部の応力増大を防止することができる。
本実施形態では、上部縦枠材65の下端651と下部縦枠材66の上端661とを互いに間隔を隔てて配置するという簡素な構造で軸力緩和部7を構成でき、壁パネル6およびこれを含む耐震壁4を簡素な構造とすることができる。
さらに、本実施形態では、一対のL形鋼81を用いたずれ留め部8を設け、通常は一直線上にある上部縦枠材65と下部縦枠材66とが、互いに傾き角度をもつように屈曲しかけた場合、あるいは互いに軸線が交差方向(例えば壁パネル6の面外方向)にずれを生じかけた場合、それぞれ一対のL形鋼81が上部縦枠材65と下部縦枠材66との変位を規制し、各々を一直線上に維持することができる。
本実施形態では、上部縦枠材65に固定された一対のL形鋼81で下部縦枠材66の両側側縁を挟みつけるという簡素な構造でずれ留め部8を構成でき、壁パネル6およびこれを含む耐震壁4を簡単な構成としつつ確実なずれ留め機能を得ることができる。
なお、本発明のずれ留め部8は、前述した実施形態のような一対のL形鋼81に限らず、同様な機能が得られるものであれば、他の構成を利用することができる。
図4(A)に示すように、ずれ留め部8として一対のC形鋼82を用いてもよい。このようなずれ留め部8を用いた場合でも、前述した実施形態の各効果を得ることができる。
さらに、C形鋼82のフランジ間の寸法を、上部縦枠材65および下部縦枠材66の厚みよりやや大きくし、C形鋼82が上部縦枠材65および下部縦枠材66の両辺縁に被さるような配置とすることで、上部縦枠材65および下部縦枠材66の間のずれ留めとともに、捻れ防止の効果も得ることができる。
図4(B)に示すように、ずれ留め部8として1つのC形鋼83を用いてもよい。この場合、C形鋼83のフランジ間の寸法を上部縦枠材65および下部縦枠材66の幅寸法よりやや大きく形成すれば、前述した実施形態の一対のL形鋼81を合体させたような形状とすることができる。このようにすれば、前述した実施形態の各効果に加えて、ずれ留め部8の装着を一度に行えるため、製造工程を簡素化することができる。
ずれ留め部8としては、上部縦枠材65および下部縦枠材66の両側に被さるような形鋼に限らず、他の構造を利用することもできる。
図5(A)に示すように、上部縦枠材65の下端の表面に平鋼による補剛板84を溶接等で固定し、この補剛板84の下半分を下部縦枠材66の表面に沿わせ、二重になった上部縦枠材65および下部縦枠材66に貫通孔を形成して支圧ボルト85およびナットで締め付け固定してもよい。この際、上部縦枠材65と下部縦枠材66との間の軸力伝達が生じないように、支圧ボルト85の締め付けを過剰に行うことは避けることが望ましい。このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。
なお、このような支圧ボルト85の締め付けを採用する場合、下部縦枠材66および補剛板84に形成する支圧ボルト85挿通用の貫通孔は、その少なくとも一方を上下方向の長孔とすることが望ましい。このようにすることで、支圧ボルト85における上部縦枠材65および下部縦枠材66の間の軸力伝達を更に緩和することができる。
また、下部縦枠材66および補剛板84を貫通して締め付ける支圧ボルト85は、一枚の補剛板84あたり2本以上としてもよい。複数の支圧ボルト85を用いることで、締め付け固定される下部縦枠材66および補剛板84が支圧ボルト85を中心として回転すること(結果として壁パネル6が上部縦枠材65および下部縦枠材66の連結部分で面外方向へ「くの字」状に折れ曲がる)が避けられる。このため、1箇所のみをボルトで接合した場合よりも、構造性能と施工性の向上が見込める。
さらに、補剛板84は下部縦枠材66に溶接し、上部縦枠材65に支圧ボルト85の締め付けてもよい。
図5(B)に示すように、上部縦枠材65の表面に棒鋼86を溶接等で固定するとともに、下部縦枠材66の表面に鋼管87を溶接等で固定し、棒鋼86を鋼管87に装入してずれ留め部8としてもよい。このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。なお、鋼管87は完全な筒状である必要はなく、例えばC型鋼であってもよい。また、下部縦枠材66の表面に固定された鋼管87ではなく、下部縦枠材66の上端面に穴を形成してもよい。この場合、棒鋼86も上部縦枠材65の下端面の対応する位置に起立させることが望ましい。
図5(C)に示すように、上部縦枠材65の端面に凸部652を形成し、下部縦枠材66の端面に凹部662を形成し、これらを互いに凹凸嵌合させてほぞ継ぎ構造によるずれ留め部8としてもよい。このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。なお、凸部652を上部縦枠材65の厚み方向に薄く形成し、凹部662を下部縦枠材66の端面に形成された穴としてもよい。
これらの図4および図5のずれ留め部8を構成するにあたっては、上部縦枠材65および下部縦枠材66の間で軸力伝達が生じないように、軸力方向に対向する各部には十分な間隔を確保しておくことが必要である。
一方、軸力緩和部7としては、前記実施形態のように下端651と上端661とを所定間隔で対向配置して上部縦枠材65と下部縦枠材66とを完全に分離した構成に限らず、軸力で変形する変形部材により上部縦枠材65と下部縦枠材66とを連結した構造を利用することができる。
図6(A)に示すように、上部縦枠材65の下端651と下部縦枠材66の上端661との間に、上部縦枠材65および下部縦枠材66より薄い変形部材71を形成し、この変形部材71で下端651と上端661とを連結してもよい。
製造にあたっては、長尺の平鋼材を用い、その中間部の表面に幅方向の溝711を加工することで、変形部材71と上部縦枠材65および下部縦枠材66とが一括して得られる。
このような変形部材71は、上部縦枠材65からの軸力に対して適宜変形することで、下部縦枠材66に伝わる軸力を緩和することができ、軸力緩和部7として機能することができる。なお、図6(A)では図示を省略しているが、図6(A)の構造においても、前述した各種のずれ留め部8を設置することができる。
従って、このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。但し、変形部材71による軸力緩和部7は、前述した下端651と上端661とを所定間隔で対向配置させた構成ほどの効果は得られない。しかし、前述したような幅方向の溝加工によって簡単に製造できるという効果が得られる。
図6(B)に示すように、長尺の平鋼材の中間部の表面および裏面の両方から幅方向の溝721,722を加工することで、上部縦枠材65および下部縦枠材66の厚み方向の中間位置で上部縦枠材65および下部縦枠材66を連結する薄い変形部材72を形成してもよい。
このような構造によっても、図6(A)の構造と同様に前述した実施形態の各効果が得られる。さらに、変形部材72が上部縦枠材65および下部縦枠材66の厚み方向の中間位置となるため、軸力を受けた際に上部縦枠材65と下部縦枠材66とが曲げ変形を受けるようなこともない。
図7(A)に示すように、上部縦枠材65と下部縦枠材66となるべき平鋼材に対し、その側方から逆向きに2箇所のスリット731,732を切り込み、このスリットによってS字状の変形部材73を形成してもよい。
このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。さらに、このS字状の変形部材73においては、スリット731,732の幅や深さ、およびスリットの数を増減させることで、軸力緩和性能を調節することができる。
図7(B)に示すように、上部縦枠材65と下部縦枠材66とを厚み方向に4回折り曲げ、上部縦枠材65から起立する部分741、下部縦枠材66から起立する部分742、これらを連結する部分743により側面形状がクランク状の変形部材74を形成してもよい。
このような構造によっても、前述した実施形態の各効果が得られる。
以上のような軸力緩和部7は、複数の異なる形式を併用してもよい。
これらの図6および図7の軸力緩和部7を構成するにあたっては、上部縦枠材65および下部縦枠材66の間で軸力伝達が生じないように、軸力方向に対向する各部には十分な間隔を確保しておくことが必要である。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、柱梁架構に設置される耐震壁4の数は、前記実施形態のように1つに限らず、図9に示す他の実施形態のように2つあるいはそれ以上の複数であってもよい。
図9において、本実施形態は、架構1の面内に複数の耐震壁4が設けられている点で前述した図1の実施形態と相違するものの、耐震壁4の構成そのものは図1の実施形態と同様である。
このような図9の実施形態の耐震壁4によっても、図1の実施形態と同様に、架構1での水平力負担を軽減することができるとともに、上下方向の軸力伝達を緩和することができる。また、架構1の面内に複数の耐震壁4が設けられているので、複数の壁パネル6でせん断力を負担することができる。このため、壁パネル6で負担可能なせん断力を大きくすることができるので、建築物全体としての水平耐力を向上させることができる。
前記実施形態では、上部縦枠材65および下部縦枠材66を平鋼材で形成したが、上部縦枠材65および下部縦枠材66の剛性を強化することで、梁3に対する曲げ変形を抑制でき、ずれ留め部8を省略しても下端651および上端661の間にずれが生じないようにすることも可能である。
上部縦枠材65および下部縦枠材66の剛性を強化する手段としては、例えば、図8(A)のように、前記実施形態と同様な平鋼材ながら、その幅および厚みを増した構成が利用できる。
また、図8(B)のように、上部縦枠材65および下部縦枠材66としてC形鋼を用いてもよく、図8(C)のように、上部縦枠材65および下部縦枠材66としてH形鋼を用いてもよい。さらに、上部縦枠材65および下部縦枠材66としてCT鋼(T形鋼、図8(C)のH形鋼の2つのフランジの一方を省略した形状)を用いてもよい。
これらの上部縦枠材65および下部縦枠材66においても、所定間隔で配置された下端651および上端661によって軸力緩和部7を構成することができる。ただし、図6および図7で説明した変形部材71〜74による軸力緩和部7を採用してもよい。
このような図8(B)および図8(C)の上部縦枠材65および下部縦枠材66においては、前記実施形態で説明した一対のL形鋼81によるずれ留め部8を採用することもできる。
例えば、H形鋼製の上部縦枠材65および下部縦枠材66であれば、H形鋼の一方のフランジの辺縁にL形鋼81を沿わせればよい。C形鋼製の上部縦枠材65および下部縦枠材66であれば、C形鋼の向かい合う内フランジの辺縁にL形鋼81を沿わせればよい。
前記実施形態において、枠体61はそれぞれ上下左右の枠材が四周枠組みされた構成としたが、架構1に組み込まれた際に梁3に沿う状態となる部位、具体的には壁パネル6の上枠材63または下枠材64の何れかは適宜省略してもよい。
前記実施形態では、耐震壁4が柱梁架構である架構1に設けられていたが、耐震壁4を柱スラブ架構に用いてもよい。また、柱2と梁3との接合や、壁パネル6と梁3との接合には、前記実施形態以外の方法を用いてもよい。
前記実施形態においては、本発明の耐震壁4が設置される建築物を具体的に例示していないが、耐震壁4の設置対象は、特に限定されるものではなく、各種構造形式の建築物や任意の用途の建築物などに本発明の耐震壁4を利用可能である。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、耐震壁および耐震構造に関し、柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁、およびこの耐震壁を用いた耐震構造に利用できる。
1…架構
2…柱
3…梁
4…耐震壁
5…L形鋼
6…壁パネル
10…接合金物
11…ボルト
21,31…ウェブ
22,32…フランジ
61…枠体
62…折板(波形鋼板)
63…上枠材
64…下枠材
65…上部縦枠材
651…下端
652…凸部
66…下部縦枠材
662…凹部
661…上端
7…軸力緩和部
71,72,73,74…変形部材
711,721…溝
731…スリット
741,742,743…部分
8…ずれ留め部
81…L型鋼
82…C型鋼
83…C型鋼
84…補剛板
85…支圧ボルト
86…棒鋼
87…鋼管

Claims (9)

  1. 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
    前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
    前記軸力緩和部は、前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とを連結しかつ前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間の軸力で変形可能な変形部材を備え、
    前記変形部材は、前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との連続部分の表面に凹溝を形成して構成されていることを特徴とする耐震壁。
  2. 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
    前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
    前記軸力緩和部は、前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とを連結しかつ前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間の軸力で変形可能な変形部材を備え、
    前記変形部材は、前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との連続部分の側方からスリットを切り込んで形成されていることを特徴とする耐震壁。
  3. 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
    前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
    前記軸力緩和部は、所定間隔で互いに対向配置された前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とにより構成されており、
    前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端との前記壁パネルの面外方向の変位を規制するずれ留め部を有し、
    前記上部縦枠材および前記下部縦枠材は平鋼板または形鋼で構成され、
    前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定され、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方の平鋼板または形鋼の3つの側面を覆う少なくとも1以上の形鋼を備えていることを特徴とする耐震壁。
  4. 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
    前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
    前記軸力緩和部は、所定間隔で互いに対向配置された前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とにより構成されており、
    前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端との前記壁パネルの面外方向の変位を規制するずれ留め部を有し、
    前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方から他方に向かう凸部と、前記いずれか他方に形成されて前記凸部が装入される凹部とで形成されていることを特徴とする耐震壁。
  5. 請求項に記載の耐震壁において、
    前記凸部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定された棒状部材であり、前記凹部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に固定された筒状部材または前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に形成された穴であることを特徴とする耐震壁。
  6. 柱梁架構または柱スラブ架構の梁またはスラブ間に壁パネルが設けられた耐震壁であって、
    前記壁パネルは、波形の筋を水平方向に向けて配置されかつ上端および下端をそれぞれ前記梁または前記スラブに固定された波形鋼板と、この波形鋼板の側縁の上側および下側に取り付けられた上部縦枠材および下部縦枠材と、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材の間に形成されて前記上部縦枠材と前記下部縦枠材との間の軸力伝達を緩和する軸力緩和部とを備え、
    前記軸力緩和部は、所定間隔で互いに対向配置された前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端とにより構成されており、
    前記上部縦枠材の下端と前記下部縦枠材の上端との前記壁パネルの面外方向の変位を規制するずれ留め部を有し、
    前記ずれ留め部は、前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか一方に固定され、
    前記いずれかの他方の表面に沿って配置される補剛板と、前記補剛板と前記いずれかの他方とをそれぞれ貫通して締め付け固定する支圧ボルトとを備え、
    前記支圧ボルトは、前記補剛および前記上部縦枠材および前記下部縦枠材のいずれか他方に形成された貫通孔に対して上下方向に変位可能とされていることを特徴とする耐震壁。
  7. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の耐震壁において、
    前記柱梁架構または前記柱スラブ架構の面内において水平方向に複数設けられていることを特徴とする耐震壁。
  8. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の耐震壁において、
    前記壁パネルの波形鋼板は、超深絞り用鋼板、深絞り用鋼板、絞り用鋼板、および低降伏比型高強度鋼板のうちのいずれかの鋼板で構成されていることを特徴とする耐震壁。
  9. 柱梁架構または柱スラブ架構と、
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の耐震壁を備えていることを特徴とする耐震構造。
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