JP6114791B2 - 難燃防蟻ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性を有する難燃防蟻ケーブルに関し、特に、白蟻による食害(蟻害)を防ぐ防蟻特性を持ち、かつ難燃性を有するケーブルに関するものである。なお、本発明の記載内容は電力ケーブルへ適用した場合について述べているが、通信ケーブルについても本発明を適用できる。
一般に、図1に示すように、電力ケーブル1は地中に直接埋設される他、管路30やコンクリートトラフなどの容器に収納されて地中に埋設し布設されている(管路部3)。一方、白蟻は地球上に広く分布生息しており、わが国でも電力ケーブルへの蟻害が報告されている。
そして、この蟻害から電力ケーブルを防ぐ従来の方法として、ポリ塩化ビニル防食層(ビニル防食層)又はプラスチックシースに防蟻薬剤を添加した電力ケーブルが広く用いられてきた。なお、ここで防食層とは、JEC3402−2000に規定される通り、金属シースを含むケーブルの外装として使用される場合に、また、プラスチックシースとは、JEC3403−2000に規定される通り、金属シースを含まないケーブルの外装として使用される場合にそれぞれ用いられる用語であるが、防護材料として要求される特性は同等であることから、「防食層」と「プラスチックシース」とを統一して用語を「防食層」とする。
しかしながら、地球環境を保護する観点から防蟻薬剤の中には使用禁止となるものもあるため、最近では防蟻薬剤を含まない内部防食層であるビニル防食層の上に、外部防食層としてナイロン(登録商標)を被覆した構造のナイロン防蟻ケーブルが広く採用されている。
一方、「電気設備に関する技術基準を定める省令(電技)」(非特許文献1参照)の第47条2項において、「地中電線路のうち内部で作業が可能なものには、防火措置を講じなければならない。」と定められている。
また、「電気設備の技術基準の解釈について(電技)」(非特許文献2参照)の第5節第134条3項において、「地中電線路を暗きょ式にて施設する場合には、(中略)地中電線に耐燃措置を施し、(後略)。」と定められている。
ここで、耐燃措置とは、電技第134条7項において「不燃性又は自消性のある難燃性の被覆を有する地中電線を使用すること。」あるいは「不燃性又は自消性のある難燃性の延焼防止テープ、延焼防止シート、延焼防止塗料その他これらに類するもので地中送電線を被覆すること。」等と規定されている。
また、自消性のある難燃性とは、電技第134条14項において「電気用品の技術上の基準を定める省令別表第一附表第二十一耐燃性試験に適合すること又はこれと同等以上の性能を有すること。」と規定されている。
実開平6−36142号公報 特開平3−15114号公報 特開平5−174635号公報 特開平9−139117号公報
電気設備に関する技術基準を定める省令 電気設備の技術基準の解釈について
しかしながら、上記基準に対して、例えば、図7に示すような防食層76を有するケーブル7において、防食層76としてビニル防食層は耐燃性試験に適合するが、図8に示すようにビニル防食層上にナイロン防蟻層を被覆した場合(防食層86,防蟻層87)、そのナイロンは耐燃性試験に適合しない材料である。
更には、上記の耐燃措置より更に厳しい難燃性の規格及び基準として、消防予報101号「改正火災予防条例準則の運用について(通知)」に準じてIEEE std.383−1974の試験(難燃性試験)があり、この難燃性試験においては「上端まで燃焼しないこと」を要求される。なお、「上端」とはバーナー口が置かれる供試ケーブルのバーナー高さから1800mmの長さの位置を指す。よって、燃焼がこの1800mm以下であれば試験が合格となる。
よって、ナイロン防蟻ケーブルは、ビニル防食層上にナイロンを被覆するのでナイロン自体が高価な材料であり、通常のビニル防食ケーブルに比べて値段が高価格になってしまう。また、図1に示すような管路30に布設されたナイロン防蟻ケーブル1の一部が暗きょ部4等の「内部で作業が可能な空間」に布設される場合は、ナイロン防蟻ケーブル1に延焼防止テープを巻き付ける必要があり、延焼防止テープの材料費及び施工費用の分が上乗せされ更なる価格増となる。更には、ケーブルを布設した後に延焼防止テープの巻き付けを施工する必要があるため工事期間が長引くという問題があった。
これを解決する手段として、図9に示すような内部防食層96、防蟻層97及び外部防食層98を有するケーブル9があり、内部防食層96としてのビニル防食層の外周に防蟻層97としてナイロン防蟻層を設け、その上に更に外部防食層98としてビニル防食層を形成した構造の難燃防蟻ケーブル(以下、「3重シース構造」という。)である。この難燃防蟻ケーブルは延焼防止テープの省略を図れるが、3重シース構造を有する難燃防蟻ケーブルであることから、ナイロン防蟻ケーブルよりも更に高価格になるとともに、ケーブル外径が大きくなる,ケーブル重量の増加を招く,ケーブルの適用管路が制限される、といった問題点があった。
また、従来の難燃防蟻ケーブルとして、図8に示す内部防食層の防食層86及び外部防食層の防蟻層87を有する2層の防蟻層からなるケーブルがある。この2層の防蟻層のそれぞれは、難燃ポリ塩化ビニルと難燃ナイロンなどからなり、それらの酸素指数が27以上となる難燃材料同士の組み合わせである。この組み合わせは、難燃特性を実現するためには、2層の防蟻層のそれぞれの材料が難燃特性を有するものが良いと考えられていた。しかしながら、酸素指数を27以上とした難燃特性の難燃材料は材料費が嵩み、ケーブルの値段が高価になるという問題がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
更に、従来の難燃防蟻ケーブルとして、ナイロン11又は12に代えて超分子量のシリコーンポリマーを20%以上の高濃度で分散させたポリプロピレンを防食層として被覆したもの、及びナイロン6又は66(ポリアミド樹脂)の90〜50重量%をポリプロピレンに混合した樹脂組成物を防食層として被覆したものがある。しかし、これらのポリプロピレンを防食層にしたケーブルは、超分子量のシリコーンポリマーを20%以上の高濃度で使用しているものではケーブルが高価となるとともに、十分な難燃性能が得られないこと、及びナイロン6又は66(ポリアミド樹脂)を90〜50重量%使用しているものでは通常のナイロンであるため、十分な難燃性能を確保できないという問題があった(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
従って、本発明の目的は、従来のナイロン難燃防蟻ケーブルに比べて高価でなく、難燃性試験に適合し、しかも防蟻特性を有する難燃防蟻ケーブルを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、以下の難燃性および防蟻特性を有する難燃防蟻ケーブルを提供する。
[1]酸素指数が30以上の難燃ポリ塩化ビニルからなり、押出樹脂防食層又は押出樹脂シースである内部防食層と、
酸素指数が20より大きく(但し、27以上を除く)かつ硬度(ショアD)60以上の難燃ポリプロピレンからなり、前記内部防食層の厚さの50%以下の厚さにより前記内部防食層を被覆する外部防食層と、を有することを特徴とする難燃防蟻ケーブル。
すなわち、本発明は、内部防食層として難燃性を有する酸素指数30以上の難燃材料と、外部防食層としてナイロン防蟻層に代わり防蟻特性と適合可能な難燃特性とを有する酸素指数20以上でかつ硬度(ショアD)60以上の難燃ポリプロピレンとから構成し、しかもその難燃ポリプロピレンの厚さを内部防食層に対して50%以下(ただし最小厚0.5mm)としたことである。ここで、適合可能な難燃特性とは、難燃層が1層のみから形成されるそれのみの難燃層を防食層として被覆したケーブルが「電気設備の技術基準の解釈について」の第134条14項における耐燃性試験と同等以上の性能を有する難燃性であって、JIS C3005 4.26bの傾斜試験に合格するものをいう。
また、酸素指数とは、JIS K7201「酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法」により測定される測定値であって、高分子材料であるゴム、プラスチック、繊維などの燃焼性を規定する指標である。電力ケーブルのビニル防食層には、一般に酸素指数26以上の難燃性のポリ塩化ビニル材料が選ばれる。ポリプロピレン自体は一般に酸素指数20未満であるが、難燃剤を添加することによって酸素指数20以上の難燃性の値が得られる。
そして、本発明者らは、内部に厚さ4.0mm以上で酸素指数30以上の難燃性の内部防食層が存在するケーブルにおいて、その外側に上記難燃性を付与したポリプロピレン層を2.0mmより厚く被覆するとポリプロピレン自体が燃焼して難燃性試験には不合格であるが、2.0mm以下の厚さに被覆すると難燃性試験に合格することを見出した。
また、ポリプロピレン層の被覆厚がナイロン防蟻層の被覆厚と同様に0.5mm以上あれば、防蟻性能を有することを埋設防蟻試験により確認している。よって、その被覆厚を最小0.5mm、最大2.0mmとすること、すなわち内部防食層の厚さに対してその厚さが50%以下、最小0.5mm厚さの外部防食層を設けることで難燃性試験に合格する難燃防蟻ケーブルを提供することができる。
本発明によれば、従来のナイロン難燃防蟻ケーブルに比べて高価でなく、難燃性試験に適合し、しかも防蟻特性を有する難燃防蟻ケーブルを実現することができる。
図1は、電力ケーブルが地中に管路布設された状態を説明するための断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る難燃防蟻ケーブルの構成の一例を示す断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る難燃防蟻ケーブルの構成の他の例を示す断面図である。 図4(a)はシートサンプルの構成を示す斜視図、図4(b)はシートサンプルにおける防蟻試験結果を示す表、図4(c)は難燃防蟻ケーブルサンプルにおける防蟻試験結果を示す表である。 図5(a)及び(b)は、難燃防蟻ケーブルサンプルの耐燃性試験及び難燃性試験の結果を示す表である。 図6は、ケーブル外径と適用管路内径との関係の一例を示す表である。 図7は、従来のビニル防食層を有するケーブルの構成の一例を示す断面図である。 図8は、従来のナイロン防蟻層を有する難燃防蟻ケーブルの構成の一例を示す断面図である。 図9は、従来の3重シース構造を有する難燃防蟻ケーブルの構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照にして説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る難燃防蟻ケーブルの構成の一例を示す断面図である。
ケーブル1Aは、波付アルミニウム(波付アルミ)などの金属からなる被覆(金属被)を設けていない一例であって、導体100と、内部半導体層101と、絶縁体102と、及び外部半導体層103と、軟銅線等の遮へい層104と、おさえテープ105とを順次設け、更に難燃ポリ塩化ビニル(難燃PVC)等の内部防食層106と、防蟻特性を有する難燃ポリプロピレン(難燃PP)の外部防食層107とをそれらの外周に設けた構造である。
図3は、本発明の実施の形態に係る難燃防蟻ケーブルの構成の他の例を示す断面図である。
ケーブル1Bは、金属被を設けた他のOF(油入り)ケーブル例であって、油通路110と、亜鉛鍍鋼帯スパイラル111と、6本の軟銅線からなる導体112と、導体112を分割する絶縁紙113と、及び金属テープとクラフト紙からなるバインダー114と、カーボン紙115と、絶縁紙からなる絶縁体116と、カーボン紙117と、金属テープとカーボン紙とからなる遮蔽テープ118とを順次設け、更にそれらの外周に銅線織込布テープ119と、波付アルミ120と、防食塗料121とを設け、最外周に難燃PVC等の内部防食層122と、防蟻特性を有する難燃PPの外部防食層123とを設けた構造である。本防食層の構造はOFケーブル以外にも適用できる。
(防蟻試験の結果)
図4(a)はシートサンプルの構成を示す斜視図、図4(b)はシートサンプルにおける防蟻試験結果を示す表、図4(c)は難燃防蟻ケーブルサンプルにおける防蟻試験結果を示す表である。
図4(a)に示すように、シートサンプルは、厚さ1mm、幅120mm、奥行き100mmであり、蟻害の程度は幅方向の蟻害長さa(蟻害長さを全周の比率により表す)と奥行き方向の蟻害到達距離bとを乗じた値で定義する。
防蟻材料別のシートサンプルでの防蟻試験結果は、図4(b)に示す通りであり、従来のナイロン12の到達距離1.0mmに比較して難燃性を付与しないポリプロピン(PP)の到達距離は0.5mm、及び難燃ポリプロピレン(難燃PP)の到達距離1.0mmであり、いずれも遜色ない防蟻性能を有していた。なお、判定欄は現用の防蟻材料の「ナイロン12」を基準とし、この基準値に比べて特性の優れているものを「○」、特性の劣っているものを「×」とした。なお、PVCは酸素指数30の難燃PVC、HDPEは高密度ポリエチレン、難燃PPは酸素指数20,かつ硬度(ショアD)60の難燃PP、PPは難燃性を付与しない硬度(ショアD)60のPPである。
また、図2に示した構造の77KV CV単芯100mmの難燃防蟻ケーブルを用い、内部防食層のみの厚さ4.0mmの酸素指数20,硬度(ショアD)60からなる難燃PP防食層を設けたもの、及び内部防食層の厚さ4.0mmの酸素指数30からなる難燃PVCと、その難燃PVCの外周を被覆した外部防食層の厚さ1.0mmの酸素指数20,硬度(ショアD)60からなる難燃PPとを設けたものにより防蟻試験を実施した。このケーブルサンプルでの埋設防蟻試験結果は、図4(c)に示す通りであり、1重防食層の難燃PPをシースとした場合、及び2重防食層の難燃PVCと難燃PPとでシースを形成した場合のいずれとも白蟻に食害されることなく良好な防蟻性能が得られた。
なお、この埋設防蟻試験方法は、長さ60cmのサンプルケーブルを準備し、白蟻が多く生息する試験場にえさ木と共に埋設する方法である。
そして、その蟻害(食害)の判定基準は、目視での当該ケーブルサンプルの食害有無である。
これらの結果より、難燃性を付与しないPPであっても防蟻性能があることから被覆厚が0.5mm以上あれば、従来のナイロン12と同等以上の防蟻性能を有することがわかった。
(耐燃性試験及び難燃性試験の結果)
次に、図5(a)は、図4(c)の上記防蟻試験で用いた77KV CV単芯100mm2の難燃防蟻ケーブルで外径寸法が50mmのもの、及び図5(b)は、外径寸法35mmの22KV CV単芯100mm2の難燃防蟻ケーブルを用い、内部防食層の厚さ4.0mmの酸素指数30からなる難燃PVCと、その難燃PVCの外周を被覆した外部防食層の酸素指数20,硬度(ショアD)60からなる難燃PPとし、その厚さが1mm、2mm、3mmと変えたものにより耐燃性試験及び難燃性試験を実施した。このケーブルサンプルの耐燃性試験と難燃性試験の試験結果を示す表である。
なお、上記耐燃性試験及び難燃性試験のそれぞれの方法及び判定基準は次の通りである。
JIS C3005 4.26bの耐燃性試験の方法と判定基準
試験方法:試料を水平に対して約60度傾斜させて支持し、還元炎の先端を試料の下端から約20mmの位置に、30秒以内で燃焼するまで当て、炎を静かに取り去った後、試料の燃焼の程度を調べる。
判定基準:60秒以内で自然に消えること。
IEEE std.383−1974の難燃性試験の方法と判定基準
試験方法:ケーブル外径の1/2の間隔で敷設幅が150mmとなる本数分をはしご状の垂直に設置されたトレイに敷設し、トレイの下方から規定のバーナーによって、ケーブルを20分間燃焼させる。
判定基準:上端まで燃焼しないこと。
耐燃性試験及び難燃性試験を実施した結果、1重防食層の難燃PPをシースとした場合、消防予報101号の難燃レベル(IEEE std.383−1974の試験)の難燃性試験には合格しないが、電技第134条14項の難燃レベル(JIS C3005 4.26bの傾斜試験)の耐燃性試験に合格した。また、2重防食層の難燃PVCと難燃PPとをシースとした場合には、耐燃性試験及び難燃性試験の両試験に合格した。
ここで、一般的に電技第134条14項の難燃レベル(JIS C3005 4.26bの傾斜試験)の耐燃性試験においてはケーブル外径寸法の小さいもの程、燃焼しやすく厳しくなることが知られている。そこで外径寸法の小さいケーブルでも判定可能である難燃性試験を行うため、図5(a)のケーブルより細い22kV CV単芯100mm(導体断面積)の難燃防蟻ケーブルにて、難燃PPの厚さが1mm、2mm、3mmのものにより難燃性試験を実施し、その結果を図5(b)に示す。
難燃性試験を実施した結果、難燃PPの厚さが1mmのものは全焼長180cm(1800mm)に対して焼損長76cm、厚さが2mmのものは78cmの焼損長の値であり基準を満たし合格した。この結果は、JEC3402及びJEC3403に規定されている最も厳しい3種の難燃レベルのグレードであるIEEE std.383−1974の条件、つまり燃焼長がバーナー口から1200mm以下という条件をも十分に満たしている。なお、難燃PPの厚さが3mmのものは全焼した。
(実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
1.従来のナイロン難燃防蟻ケーブルに比べて安価で、2重防食層(シース)からなる難燃防蟻ケーブルが得られた。
2.地球環境に優しい、又は考慮した難燃防蟻ケーブルを提供できる。
3.電気設備に関する技術基準を定める省令で定める耐難燃性試験に合格するとともに、消防予報101号の難燃レベル(IEEE std.383−1974の試験)の難燃性試験にも合格した難燃防蟻ケーブルが得られた。
4.酸素指数30の難燃PVCと酸素指数20,硬度(ショアD)60からなる難燃PPとの組み合わせにより、難燃PPの厚さを難燃PVC厚さ4mmの50%である2mmとした構造からなる防蟻特性、及び難燃性を有するケーブルが得られた。
5.従来のナイロン防蟻ケーブルに延焼防止テープを巻き付け施工していた地中電線路に、本発明の難燃防蟻ケーブル(1A、1B)を適用することにより線路建設費用の低減・工事期間の短縮が図れる。また、従来の難燃防蟻ケーブル(3重シース構造)の線路に対しても、線路建設費用の低減が図れる。
6.また、ケーブル外径が縮小化されるため、図6に示す通り、管路径などの制約によって従来の難燃防蟻ケーブル(3重シース構造)が適用できなかった地中電線路に、本発明の難燃防蟻ケーブル(1A、1B)を適用することができる。なお、図6のケーブルは66KV CVT(3芯ケーブル)の場合における各サイズ別(ケーブルの導体断面積)のケーブル外径と適用管路内径との関係を表す。また、(ケーブル外径)<(管路内径×0.85)である場合、適用可能であることを示す「○」とした(電気協同研究第61巻1号「CVケーブル線路における工事技術の現状と今後の展望」)。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々な変形が可能である。例えば、アルミニウム、鉛、ステンレスなどの金属被を有する難燃防蟻ケーブルの防食層として適用することができる。
また、本発明は、以下の難燃性および防蟻特性を有する難燃防蟻ケーブルを提供する。
[1]酸素指数が30以上の押出樹脂防食層又は押出樹脂シースである内部防食層と、
酸素指数20以上かつ硬度(ショアD)60以上のポリプロピレンからなり、前記内部防食層の厚さの50%以下の厚さにより前記内部防食層を被覆する外部防食層と、を有することを特徴とする難燃防蟻ケーブル。
[2]前記内部防食層は、難燃ポリ塩化ビニルであることを特徴とする前記[1]に記載の難燃防蟻ケーブル。
1A、1B ケーブル
3 管路部
4 暗きょ部
7、8、9 ケーブル
30 管路
100 導体
101 内部半導体層
102 絶縁体
103 外部半導体層
104 遮へい層
105 おさえテープ
106 内部防食層
107 外部防食層
110 油通路
111 亜鉛鍍鋼帯スパイラル
112 導体
113 絶縁紙
114 バインダー
115 カーボン紙
116 絶縁体
117 カーボン紙
118 遮蔽テープ
119 動線織込布テープ
120 波付アルミ
121 防食塗料
122 内部防食層
123 外部防食層

Claims (1)

  1. 酸素指数が30以上の難燃ポリ塩化ビニルからなり、押出樹脂防食層又は押出樹脂シースである内部防食層と、
    酸素指数が20より大きく(但し、27以上を除く)かつ硬度(ショアD)60以上の難燃ポリプロピレンからなり、前記内部防食層の厚さの50%以下の厚さにより前記内部防食層を被覆する外部防食層と、を有することを特徴とする難燃防蟻ケーブル。

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