(詳細な説明)
この発明は多くの異なる形態での実施形態が可能であるが、本開示は本発明の原理の例証としてみなすべきであり本発明の幅広い態様を例示説明される実施形態に限定するように意図されていないことを理解したうえで、本発明の好ましい実施形態を図面に図示するとともに、ここに詳細に説明する。
靴などの履物が図1〜2に例示され、全体的に参照数字100で示されている。履物100は、例えば種々の種類の競技用履物を含む多くの異なる形態をとることができる。例示的実施形態において、靴100は一般に、汎用通信ポート14と動作可能に接続された力および/または圧力センサシステム12を含む。以下でさらに詳述するように、センサシステム12は靴100を履いた人に関する履行データを収集する。汎用通信ポート14との接続を通じて、複数の異なるユーザが、以下でさらに詳述するように多様な異なる使用のために履行データにアクセスできる。
履物品100は、図1〜2に図示され、アッパー120およびソール構造130を含んでいる。以下の説明における参照の目的で、図1に例示された通り、履物100は、前足部111、中足部112および踵部113の3つの一般領域に分けられ得る。領域111〜113は履物100の厳密な区域を画定するように意図していない。むしろ、領域111〜113は、以下の検討において参照の枠組みを提供する履物100の一般的区域を表現するように意図されている。領域111〜113は履物100に一般的にあてはまるが、領域111〜113の参照はまた、アッパー120、ソール構造130、または、アッパー120またはソール構造130のどちらかの内部に含まれるか、および/またはアッパー120またはソール構造130のどちらかの一部として形成された個別の構成要素に特定的にあてはめてもよい。
さらに図1および2に図示の通り、アッパー120はソール構造130に固定され、足を収容するための空間または室を画成する。参照の目的で、アッパー120は、外側部121、反対の内側部122およびバンプまたは足甲部123を含む。外側部121は、足の外側部(すなわち外側)に沿って延在するべく配置され、一般に領域111〜113の各々を通る。同様に、内側部122は、足の反対の内側部(すなわち内側)に沿って延在するべく配置され、一般に領域111〜113の各々を通る。バンプ部123は、外側部121と内側部122との間に配置され足の上部表面または足甲部に対応する。この例示した実施例において、バンプ部123は、足に対するアッパー120の寸法を修正し、それによって履物100のフィットを調整するために従来通りに利用される締め紐125または他の所望のクロージャ機構を有するスロート124を含む。アッパー120はまた、足がアッパー120内部の空間へ出入りできるようにする履き口126を含む。履物アッパーにおいて従来利用される材料を含め多様な材料がアッパー120を製作するために使用できる。従って、アッパー120は、例えば皮革、合成皮革、天然または合成織物、ポリマーシート、ポリマーフォーム、メッシュ織物、フェルト、不織布ポリマーまたはゴム材料の一つ以上の部分から形成され得る。アッパー120はこれらの材料のうちの一つ以上から形成でき、材料またはその部分は、例えば当業において従来既知であり使用される様態で、縫製されるか、または接着により一体に結合される。
アッパー120はまた、踵要素(図示せず)と、つま先要素(図示せず)とを含み得る。踵要素は、存在する場合、踵部113でアッパー120の内部表面に沿って上方に延在して履物100の快適さを増強し得る。つま先要素は、存在する場合、前足部111においてアッパー120の外部表面に配置されて、耐摩耗性を付与し、着用者のつま先を保護し、足の位置決めを支援し得る。一部の実施形態において、踵要素およびつま先要素の一方または両方は存在しなくてもよく、または踵要素は例えばアッパー120の外部表面に配置され得る。上述のアッパー120の構成が履物100に適格であるが、アッパー120は、この発明を逸脱しなければ任意の所望の従来または非従来のアッパー構造の構成を呈してよい。
図3に図示の通り、ソール構造130は、アッパー120の下面に固定され概ね従来の形状を有し得る。ソール構造130はマルチピース構造を有することができ、例えばミッドソール131、アウトソール132および足接触部材133を含むものである。足接触部材133は一般に薄い圧縮性部材であり、それはアッパー120の空間内部で足の下面に隣接して(またはアッパー120とミッドソール131との間に)配置されて履物100の快適さを増強し得る。種々の実施形態において、足接触部材133は、ソックライナ、ストローベル、インソール部材、ブーティ要素、靴下などとしてよい。図3〜5に図示された実施形態において、足接触部材133はインソール部材またはソックライナである。用語「足接触部材」は、ここで使用される限り、別の要素が直接的接触を妨げてもよいので、必ずしもユーザの足との直接的接触を意味するわけではない。むしろ、足接触部材は履物品の足収容室の内面の一部を形成する。例えば、ユーザは直接的接触を妨げる靴下を着用してもよい。別の実施例として、センサシステム12は、外部ブーティ要素または靴カバーといった靴または他の履物品の上に被せるべく設計された履物品に組込まれ得る。そうした物品では、ソール構造の上部は、たとえそれが直接ユーザの足に接触しないとしても、足接触部材とみなしてよい。一部の配列において、インソールまたはソックライナは存在しなくてもよく、他の実施形態において、履物100は足接触部材がインソールまたはソックライナの上に配置され得る。
ミッドソール部材131は、衝撃減衰部材であるか、またはそれを含んでもよく、一部の実施形態において複数の部材または要素を含み得る。例えば、ミッドソール部材131は、ポリウレタン、エチルビニルアセテートといったポリマーフォーム材料または、ウォーキング、ランニング、跳躍または他の活動中に地面その他の接触面反力を減衰するために圧縮する他の材料(例えばファイロン(phylon)、フィライト(phylite)等)で形成され得る。この発明に従った一部の例示構造において、ポリマーフォーム材料は、履物100の快適さ、動き制御、安定性および/または、地面その他の接触面反力減衰特性を増強する、流体入りブラダーまたは減速材といった各種要素を封入または包含し得る。さらに他の例示構造において、ミッドソール131は地面その他の接触面反力を減衰するために圧縮する追加的要素を含み得る。例えば、ミッドソール131は力の緩衝および吸収を支援するコラム型要素を含み得る。
アウトソール132は、この例示された履物構造100のミッドソール131の下面に固定され、移動その他の活動中に地面その他の表面と接触する、ゴムなどの耐磨耗性材料またはポリウレタンなどの柔軟性合成材料で形成される。アウトソール132を形成する材料は、増強したトラクションおよびスリップ抵抗を付与するために適切な材料で製造されるか、および/または表面加工される。図1および2に図示されたアウトソール132は、アウトソール132の片側または両側に複数の切り込みまたは溝136を備えるべく図示されているが、各種形式のトレッド、輪郭その他の構造を備えた多くの他の形式のアウトソール132が本発明に関連して使用できる。本発明の実施形態は、他の形式および構成の靴だけでなく、他の形式の履物およびソール構造に関連して使用できることが理解される。
図1〜5は、本発明に従ったセンサシステム12を組込んだ履物100の例示的実施形態を例示しており、図3〜22Bは、センサシステム12の例示的実施形態を例示している。センサシステム12は、力および/または圧力センサアセンブリ13が接続されているインサート部材37を含む。インサート部材37は履物100のソール構造130と接触して配置されるべく構成されており、一実施形態において、インサート部材37は足接触部材133の下で、かつミッドソール部材131の上に一般に対面関係で配置されるべく構成されている。センサアセンブリ13は、複数のセンサ16と、(例えば導体によって電気的に接続されて)センサアセンブリ13と通信している通信または出力ポート14とを含む。ポート14は、センサ16から受信したデータを、後述の通り例えば電子モジュール(電子制御装置とも称する)22に伝達するべく構成されている。ポート14および/またはモジュール22は、同じく後述の通り外部装置と通信するべく構成され得る。図3〜5に例示された実施形態において、システム12は、靴の親指(第一指骨または母指)領域における第1のセンサ16a、第一中足骨頭部における第2のセンサ16bおよび第五中足骨頭部における第3のセンサ16cを含む靴の前足部の2個のセンサ16b〜c、および踵部における第4のセンサ16dの、4個のセンサ16を有する。これらの足の領域は一般に、移動の間に最も大きい程度の圧力を受ける。各センサ16はユーザの足によってセンサ16に行使される圧力を検出するべく構成されている。センサは、ワイヤリードおよび/または別の電気導体もしくは適切な通信媒体となり得るセンサリード18によってポート14と通信する。例えば、図3〜5の実施形態において、センサリード18は、銀系インクまたは、銅および/またはスズ系インクなどの他の金属インクといった、インサート部材37に印刷される導電性媒体であってもよい。リード18は一実施形態において細線として代替的に設けられ得る。他の実施形態において、リード18は、足接触部材133、ミッドソール部材131またはソール構造130の別の部材に接続され得る。
センサシステム12の他の実施形態は、異なる数または構成のセンサ16を含んでもよく、一般に少なくとも1個のセンサ16を含み得る。例えば、一実施形態において、システム12はより多くのセンサを含み、別の実施形態において、システム12は、踵部に1個、靴100の前足部に1個の、2個のセンサを含む。加えて、センサ16は、Bluetoothおよび近距離場通信を含むあらゆる既知の形式の有線または無線通信を含む、様々な様態でポート14と通信し得る。1足の靴は、対の各々の靴にセンサシステム12を備えてもよく、対のセンサシステムは、相助作用的に動作するか、または互いに独立に動作し得るとともに、各靴のセンサシステムは互いに通信してもしなくてもよいことが理解される。センサシステム12の通信は以下でさらに詳述する。センサシステム12はデータ(例えば地面その他の接触面とのユーザの足の相互作用による圧力データ)の収集および記憶を制御するコンピュータプログラム/アルゴリズムを備え得るとともに、これらのプログラム/アルゴリズムはセンサ16、モジュール22および/または外部装置110に保存され、および/またはそれらによって実行されることが理解される。
センサシステム12は靴100のソール130にいくつかの構成で配置され得る。図3〜5に図示された実施例において、ポート14、センサ16およびリード18は、例えばインサート部材37をミッドソール131と足接触部材133との間に配置することによって、ミッドソール131と足接触部材133の間に配置され得る。インサート部材37は、一実施形態において、ミッドソールおよび足接触部材133の一方または両方と接続され得る。後述の通り、電子モジュール22を受入れるために、空洞または凹部135をミッドソール131(図5)および/または足接触部材133に配置でき、ポート14は一実施形態において凹部135内部からアクセス可能としてよい。凹部135はさらにモジュール22のハウジング24を収容してもよく、ハウジング24は、例えばポート14のための物理空間を設けることによって、および/またはポート14とモジュール22との間の相互接続のためのハードウェアを設けることによって、ポート14との接続のために構成され得る。図5に図示された実施形態において、凹部135はミッドソール131の上部主表面における空洞によって形成される。図5に図示の通り、ソール構造130はハウジング24を受入れるために穴が形成されている圧縮性ソール部材138を含んでもよく、それは凹部135へのアクセスを可能にし、および/または凹部135の一部とみなしてよい。インサート37は、ハウジング24を凹部135に配置するために圧縮性ソール部材138の上に配置できる。圧縮性ソール部材138は、一実施形態においてミッドソール131に対面してもよく、ミッドソール131と直接接触してもよい。圧縮性ソール部材138は、ストローベル部材などの、圧縮性ソール部材138とミッドソール131との間に配置された一つ以上の追加的構造とミッドソール131を対面させ得ることが理解される。図3〜5の実施形態において、圧縮性ソール部材138は、足接触部材133とミッドソール131との間に配置されるフォーム部材138(例えばEVA部材)の形態であり、それはこの実施形態において下部インソール/ソックライナとみなしてよい。フォーム部材138は、例えば接着剤の使用によって、一実施形態におけるミッドソール131のストローベル133A(図58)に結合され、ストローベルのいずれかの縫製を覆ってもよく、それは縫製によるインサート37の摩耗を防止できるこの構成は図58に図式的に示されている。図3〜5に図示された実施形態において、ハウジング24は側壁25および底壁26を含む複数の壁を有しており、また、側壁25の頂部から外方に拡張しインサート37との接続のために構成されたフランジまたはリップ28を含む。一実施形態において、フランジ28は、穴27の前端に位置するインサート37の穴28Bを通り接続する釘28Aによって、ハウジング24を形成するために槽29に接続する別個の部材である。釘28Aは、超音波溶接その他の技術によって接続され、一実施形態において受け具に受入れられ得る。代替実施形態において、履物品100は槽29がソール構造130に形成されて製造されてもよく、フランジ28は後に、任意選択でポートの他の部分も組立てられた後に、例えばスナップ接続によって、接続され得る。ハウジング24はモジュール22をハウジング24内部に保持する保持構造を含んでもよく、そうした保持構造は、タブ/フランジおよびスロット配列、相補的タブ、ロック部材、摩擦嵌め部材などといったモジュール22の保持構造と相補的であってもよい。ハウジング24はまた、フランジ28および/または槽29に配置された指掛け凹部29Aを含み、それはハウジング24からモジュール22を取外すためにユーザの指がモジュール22に係合する余地を付与する。フランジ28はインサート37の上部に係合する幅広い基部をもたらし、基部はインサート37および/または足接触部材133に行使される力をフランジ28によって拡散し、フランジ28はそうした構成要素の深刻な変形および/または損傷の可能性をより少なくさせる。フランジ28の丸められた角もインサート37および/または足接触部材133への損傷を回避するのに役立つ。フランジ28は、他の実施形態において異なる形状および/または輪郭であってもよく、異なる形状および/または輪郭により類似の機能性を提供できることが理解される。
足接触部材133は、インサート37を覆うためにフォーム部材138の上に置かれるべく構成されており、図3に図示の通り、ハウジング24のための空間を付与するためにその下部主表面に凹部134を含み得る。足接触部材133はフォーム部材138に接着されてもよく、一実施形態において、前足部だけで接着されて、図3に図示の通り、足接触部材133を引上げてモジュール22へのアクセスを可能にし得る。さらに、足接触部材133は、シリコーン材料などの、インサート37および/またはフォーム部材138に対するずれに抵抗するために下面の少なくとも一部に配置される粘着性または高摩擦材料(図示せず)を含み得る。例えば、足接触部材133が前足部で接着され踵部で自由である実施形態において(例えば図3)、足接触部材133は粘着性材料が踵部に配置され得る。粘着性材料はまた、センサシステムへのほこりの侵入に抵抗するためにシーリングを増強させ得る。別の実施形態において、図60に図示の通り、足接触部材133は、ポート14の上に配置されるべく構成され、足接触部材133を通るモジュール22の挿入および/または除去を可能にする寸法に設定された扉またはハッチ137を含み得る。図60に図示された足接触部材133の実施形態は、ポート14およびモジュール22へのアクセスを可能にするために、図3、36または45における足接触部材133の代わりに有用となり得る。図60に図示された実施形態において、扉137は、扉137の1縁端に沿って材料付属物によって形成されたヒンジ137Aを有し、扉137が旋回によって開閉できるようにする。さらに、扉137はこの実施形態において足接触部材133と同じ材料で形成されており、そのため扉137の包含によって緩衝のいかなる著しい損失も失われない。さらに、扉137はユーザによる扉137の把持および操作を助けるタブ137Bその他の構造を有し得る。一実施形態において、センサシステム12は足接触部材133の下側に配置されてもよく、扉137はそうした実施形態(図示せず)においてポート14へのアクセスを可能にし得る。別の実施形態において、扉137は別の縁端にヒンジを有してもよく、または取外し、摺動などといった異なる様態で開いてもよい。一実施形態において、足接触部材133はまた、後述の通りその上に図形マーク92を有してもよい。
一実施形態において、図3〜5および7に図示の通り、フォーム部材138はまた、インサート37を中に受入れるためにインサート37と同じ周囲形状を有する凹部139を含み得る。インサート部材37の下部層69(図13)は、凹部139内部にインサート37を保持するために接着性バッキングを含み得る。一実施形態において、急速結合アクリル系接着剤といった比較的強力な接着剤がこの目的で利用できる。インサート37は、ハウジング24を受入れてその場所を付与するために穴または空間27を有している。この実施形態におけるフォーム部材138もまた、ハウジング24がストローベルおよび/またはミッドソール131の少なくとも一部を完全に通過する、および/または、それの中を通過するのを可能にし得る。図3〜5に図示された実施形態において、足接触部材133は、典型的な足接触部材133(例えばソックライナ)に比べて縮小した厚さを有してもよく、フォーム部材138の厚さは足接触部材133の厚さの縮小とほぼ等しく等価な緩衝をもたらす。一実施形態において、足接触部材133は約2〜3mmの厚さのソックライナであってもよく、フォーム部材138は約2mmの厚さを有してもよく、凹部139は約1mmの深さを有する。フォーム部材138は、一実施形態においてフォーム部材138を履物品100に接続する前にインサート部材37に粘着して接続され得る。この構成により、フォーム部材を履物100のストローベルその他の部分に付着させる前にフォーム部材138とインサート37との間の接着が平担な状態で硬化でき、それは一般にフォーム部材138を屈曲または湾曲させ、さもなければ層間剥離を生じ得る。インサート37が接着されたフォーム部材138は、一実施形態において履物品100への挿入のために単一製品としてこの構成で提供され得る。図3〜5におけるポート14の配置は、ユーザの足に対する最低限の接触、刺激その他の干渉を呈するだけでなく、単純に足接触部材133を持ち上げることによる容易なアクセス可能性も提供する。
図3〜5の実施形態において、ハウジング24はインサート37およびフォーム部材138を完全に通過して延在し、凹部135もまた、ストローベル133Aを完全に通過して延在し部分的に履物100のミッドソール131に及んで、図58に図式的に例示された通り、ハウジング24を受入れる。別の実施形態において、凹部135は別様に構成されてもよく、一実施形態においてストローベル133Aの完全に下に配置でき、ストローベル133Aによる窓が凹部135のモジュール22へのアクセスを可能にする。凹部135は、ストローベル133Aおよび/またはミッドソール131から材料を切断または除去する、凹部がそれに含まれた状態でストローベル133Aおよび/またはミッドソール131を形成する、または他の技術もしくはそうした技術の組合せを含む、多様な技術を用いて形成できる。一実施形態において、ホットナイフ109は、図57に図式的に例示された通り、ストローベル133Aを貫きミッドソール131の中まで切断するために使用され、材料の部片135Aを除去して凹部135を形成する。この実施形態において、ホットナイフ109は、除去する部片135Aを受入れる空洞109Bを画成するホットナイフ109の周囲に延在する壁109Aのほか、部片135Aの中央を貫き下方に延在するフォーク109Cを含む。壁109Aは、ストローベル135Aおよびミッドソール131の中まで切断して、除去する部分133Aの外側境界を切断する。フォーク109Cは両方とも、除去を助成するために部片135Aの底側を弱めるとともに、除去中に部片135Aを空洞109B内部に保持するのを助け、それにより部片135Aは単にホットナイフ109をソール構造130から離して持ち上げることによって除去できる。一実施形態において、ホットナイフ109は250〜260℃の間の温度に加熱され得る。他の実施形態において、別様に造形および/または構成された凹部135をソール構造130に形成するために(別様に構成されてもよい)ホットナイフ109が利用され得る。図58は、ソール構造130に接続されたインサート37および、形成後、凹部135に受入れられたハウジング24を図式的に例示している。図58に図示の通り、ハウジング24は凹部135の壁と密接に嵌着し、それは、ハウジング24と凹部135との間の隙間が材料の不具合のもとになり得るので有利となり得る。部片135を除去するプロセスは適切なコンピュータ制御装置を用いて自動化できる。
凹部135は、さらなる実施形態においてソール構造130の他の位置に配置され得る。例えば、凹部135は足接触部材133の上部主表面に配置でき、インサート37は足接触部材133の上に配置できる。別の実施例として、凹部135は足接触部材133の下部主表面に配置でき、インサート37は足接触部材133とミッドソール131との間に配置される。さらなる実施例として、凹部135はアウトソール132に配置でき、例えばソール130の側部、底部または踵の開口よって、靴100の外側からアクセス可能にできる。図3〜5に例示された構成において、ポート14は、後述の通り電子モジュール22の接続または取外しのために容易にアクセス可能である。図59に例示された実施形態において、足接触部材133はインサート37が底面に接続されており、ポート14および凹部135は、例えば上述し図58に図示したのと同じ構成で、ソール構造130に形成されている。インタフェース20は、他の実施形態に関して同様に図示した通りハウジング24の側面に配置されているが、インタフェース20は、例えばモジュール22の上部による係合のために、他の位置にも配置できることが理解される。モジュール22はそうした変化に適応するために変更できる。この実施形態において、足接触部材133は、モジュール22にアクセスするための開口(例えば図60におけるような)を備えるか、または図3に図示の通り、モジュール22にアクセスするために上方に引上げられてもよい。図59Aに例示された実施形態において、インサート37は、足接触部材133およびストローベル133Aの両方の下方にミッドソール部材131と接触して配置される。この実施形態において、ストローベル133Aおよび/または足接触部材133は、モジュール22にアクセスするための開口を備えるか、および/または図3に図示の通り、モジュール22にアクセスするために上方に引上げられてもよい。
他の実施形態において、センサシステム12は別様に配置され得る。例えば、一実施形態において、インサート37はアウトソール132、ミッドソール131または足接触部材133の内部に配置され得る。一例示的実施形態において、インサート37は、靴下、ソックライナ、内部履物ブーティまたは他の類似品といったインソール部材の上方に配置される足接触部材133内部に配置され得るか、足接触部材133とインソール部材との間に配置され得る。さらに他の構成が可能であり、他の構成の一部の実施例は以下で説明する。上述の通り、センサシステム12は対で各々の靴に含まれ得ることが理解される。
図3〜22Bに例示された実施形態におけるインサート部材37は、少なくとも第1の層66および第2の層68を含む複数の層から形成される。第1および第2の層66、68は、マイラー(登録商標)または他のPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムといった柔軟性フィルム材料、またはポリアミドといった別のポリマーフィルムから形成される。一実施形態において、第1および第2の層66、68は各々、0.05〜0.2mmの厚さ、例えば125μmの厚さを有するPETフィルムであってもよい。さらに、一実施形態において、第1および第2の層66、68の各々は、2mm以下の最小曲げ半径を有する。インサート37は、第1および第2の層66、68の間に配置されるスペーサ層67および/または第2の層68の下方にインサート37の一番下に配置される下部層69をさらに含んでもよく、それらは図3〜22Bに例示された実施形態に含まれている。インサート37の層66、67、68、69は互いの上に、互いに対面関係で積重なり、一実施形態において、層66、67、68、69は全部、相似または同一の周囲形状を有し、互いの上に重ねられる(図13)。一実施形態において、スペーサ層67および下部層69は各々、89〜111μmの厚さ、例えば100μmの厚さを有し得る。インサート部材37の全体の厚さは、一実施形態において約450μm、または別の実施形態において約428〜472μm、さらなる実施形態において約278〜622μmであってもよい。インサート37はまた、厚さ100〜225μmである追加的な接着剤を含んでもよく、他の実施形態において、追加的なPET層といった一つ以上の選択的強化層をさらに含み得る。さらに、一実施形態において、上述の通り4層インサート全体は5mm以下の最小曲げ半径を有する。第1および第2の層66、68の配向は、別の実施形態において、例えば第2の層68を最上位層として、第1の層66を第2の層68の下に配置することによって、逆にできることが理解される。図3〜22Bの実施形態において、第1および第2の層66、68は、センサ16、リード18、抵抗器53、54、経路50、誘電性パッチ80その他の構成要素を含む、種々の回路その他の構成要素がその上に印刷されており、それらについては以下でさらに詳述する。構成要素は、図3〜22Bの実施形態において第1の層66の下面および第2の層68の上側に印刷されているが、他の実施形態において少なくとも一部の構成要素は第1および第2の層66、68の反対側に印刷され得る。第1の層66および/または第2の層68に配置された構成要素は他の層66、68に移動/転置できることが理解される。一実施形態において、構成要素は、要求されるプリンタパスの総数を制限するようにして層66、68に印刷されてもよく、一実施形態において、個々の層66、68の全部の構成要素は単一パスで印刷され得る。
層66、67、68、69は、一実施形態において接着剤その他の結合材料によって一体に接続され得る。スペーサ層67は、第1および第2の層66、68に接続するために一実施形態において一方または両方の表面に接着剤を含み得る。下部層69も同様に、第2の層68だけでなく履物品100に接続するために一方または両方の表面に接着剤を有してもよい。第1または第2の層66、68はこの目的で粘着性表面を追加的または代替的に有してもよい。例えばヒートシール、スポット溶接その他の既知の技術といった多様な他の技術が、他の実施形態において層66、67、68、69を接続するために使用できる。
インサート37、足接触部材133および/または、センサシステム12および履物100の他の構成要素はまた、それにグラフィックデザインその他のマーク(図示せず)を含んでもよい。グラフィックデザインは、例えばグラフィック層を第1の層66の上に重ねることによって、インサート37に接続され得る一つ以上のグラフィック層(図示せず)に設けられ得る。グラフィックデザインは、センサアセンブリ13、リード18および、層によって支持された種々の他の構成要素に対応し得る。例えば、図60の実施形態において、足接触部材133は、足接触部材133の下方に配置されたセンサシステム12のインサート37の図形的描写を形成する図形マーク92を有する。情報的、装飾的その他のデザインを含む他のグラフィックデザインが他の実施形態において使用できる。
図3〜22Bに例示されたインサート37は、他のインサート構成よりも少ない材料を利用し得る構成を有し、共通応力点での引裂きに対してより大きな抵抗を付与し得る。この実施形態において、インサート37は、例えば外側前足部または外側および内側踵部において、余分となり得るいくつかの部分の材料がインサート37の領域から切除されている。この構成のインサート37は、ユーザの足の中足部が係合するべく構成された中足部37Aおよびユーザの足の前足部(すなわち中足骨)が係合するべく構成された前足部37Bを有し、踵部37Cは中足部37Aから後方に延在し、第一指骨部37Dは前足部から前方に延在し、それぞれ、ユーザの足の踵部および第一指骨部が係合するべく構成されている。図4、8、10および22Aはこれらの特徴をさらに詳細に例示している。ユーザの足の形状に応じて、第一指骨部37Dはユーザの足の第一指骨部だけと係合し得ることが理解される。この実施形態において、前足部37Bの幅は中足部37Aの幅よりも大きく、中足部および前足部37A〜Bは両方とも第一指骨部37Dおよび踵部37Cよりも大きい幅を有し、それにより第一指骨部37Dおよび踵部37Cは、幅広い中足部および前足部37A〜Bの基部から自由端へそれぞれ前方または後方に細長い様態で延在する半島として構成される。ここで言及する通り、インサート37の一部分の幅は内側−外側方向で計測され、長さは前後(つま先−踵)方向で計測される。図3〜22Bの実施形態において、第一指骨部37Dは、ユーザの第一指骨が係合するためにセンサの1個16aが配置されており、踵部37Cはユーザの踵が係合するためにセンサの別の1個16dが配置されている。残りの2個のセンサ16b、16cは、インサート37の前足部37Bに、詳しくは、それぞれ、ユーザの足の第一および第五中足骨頭部が係合するために第一中足骨頭部および第五中足骨頭部に配置される。中足部37Aは、ハウジング24およびモジュール22を受入れるための穴27を含み、穴27は前足部37Bと踵部37Cとの間に延在しそれらを接続する2個の帯部88を画成する。一実施形態において、帯部88は、8mmの最小幅またはインサート37の全長の3〜5%の範囲の幅を有する。この使用法において、インサート37の長さは、第一指骨部37Dの前足部の最も端から踵部37Cの踵の最も端までで計測される。これらの帯部88は使用中に高い応力を受けるので、この幅は使用中に不具合を回避するのを助ける。他の実施形態において、帯部88は追加的構造によって強化してもよい。例えば、一実施形態において、帯部88および/またはインサート37の他の部分は、繊維または類似の構造で強化され得る。別の実施例として、インサート37は、ハウジング24を完全に包囲し、両方の帯部88の全体および帯部88とインサート37の残部との間の接合部を占める追加的構造層といった、追加的構造層を一実施形態においてインサート37の少なくとも一部の上に含んでもよい。
図3〜22Bに図示された実施形態において、インサート37は、インサート37の外周を画成する周縁部を有する。周縁部は、踵部37Cの後部から第一指骨部37Dの前端までインサート37の内側部に沿って延在する内縁85、踵部37Cの後部から前足部37Bの前部に及ぶ外縁86および、外縁86から第一指骨部37Dまでインサート37の第二、第三、第四および第五中足骨部に沿って延在する前縁87を含む。内縁85、外縁86および前縁87は各々、例えば図8、10および22Aに図示の通り、この実施形態においてカットアウト部を有する。前縁87に沿ったカットアウト部87Aは、外縁86と第一指骨部37D(すなわち半島)との間に配置される。内縁および外縁85、86に沿ったカットアウト部85A、86Aは、前足部37Bと中足部37Aとの間の接合部の近傍に配置される。中足部37Aにおける(内縁および外縁85、86間に画成される)インサート37の幅W1および前足部37Bにおける幅W2は、第1および第2のカットアウト85A、86Aの間で計測されるインサートの幅W3よりも大きい。この構成は中足部37Aと前足部37Bとの間に幅が狭い首部89を創出する。首部89は中足部37Aまたは前足部37Bのどちらよりも幅が狭い。中足部37Aおよび前足部37Bの幅W1、W2はまた、踵部37Cで計測される幅W4よりも大きく、前足部37Bは最も大きい相対幅W2を有する。この実施形態における踵部37Cは、踵部37Cのより前の部分よりも幅が広い拡幅尾部37Eを含み、それにより踵部37Cは中足部37Aからインサート部材37の踵端に向けて幅が増大する。
カットアウト部85A、86A、87Aは各々、インサート37の本体に内方に延在し、一般に凹状および/またはくぼんだ形状を有する。図3〜22Bに例示された実施形態において、カットアウト部85A、86A、87Aの各々は、滑らかで凹状の内方に湾曲した(曲線)形状を有し、この湾曲形状はインサート37におけるリッピング、引裂き、または亀裂の伝播に抵抗する。この実施形態において、カットアウト部85A、86A、87Aの各々は、少なくとも120°の弧を画成する凹状曲線縁端によって少なくとも部分的に画成される。さらに、一実施形態において、カットアウト部85A、86A、87Aの少なくとも1つは、少なくとも180°の弧を画成する凹状曲線縁端によって少なくとも部分的に画成される。例えば図8、10および22Aに見られるように、少なくとも内側および外側カットアウト部85A、86Aは各々、少なくとも180°の弧を画成する凹状曲線縁端によって少なくとも部分的に画成される。さらに、この実施形態におけるカットアウト部85A、86A、87Aの各々は、内縁、外縁および前縁85、86、87において、インサートの外周に位置する滑らかに湾曲した縁端によって両側が画定されている。カットアウト部85A、86A、87Aの各々を画定する滑らかに湾曲した縁端の一方または両方は、この実施形態において少なくとも90°の弧を画成する。これらの位置におけるこれらの構成のカットアウト部85A、86A、87Aの使用により、例えば上述の通りインサート37におけるリッピング、引裂き、または亀裂の伝播に抵抗することによって、インサート37の耐久性および寿命を増大できる。この実施形態において、カットアウト部85A、86A、87Aは、この損傷抵抗が最も有益である高応力域に配置される。図3〜22Bに図示の通り構成されたインサート37は、少なくとも500000サイクルを超える最大20MPaの応力に耐えるために十分な疲労抵抗を有することができる。
さらなる実施形態において、インサート37は異なるカットアウト部を有してもよく、および/または同じ位置であるが異なる形状のカットアウト部を有してもよい。例えば図22C〜Dに図示されたインサート37’は、図3〜22Bのインサート37に比べて類似の位置にカットアウト部85A、86A、87Aを有するが、カットアウト部85A、86A、87Aはわずかに異なる周囲形状を有する。この実施形態において、内側カットアウト部85Aは、図3〜22Bのインサート37の内側カットアウト部85Aに比べて、より小さい弧を画成している。この実施形態の前カットアウト部87Aは、図3〜22Bのインサート37の前カットアウト部87Aに比べてそれほど対称形ではなく平らに湾曲した形状を画成している。
図36〜47は、上述の図3〜22Bに図示したセンサシステム12およびインサート37とは異なる形状および構成を有するインサート437、537によるセンサシステム412、512のさらなる実施形態を例示している。図36〜47のセンサシステム412、512は、図3〜22Bのセンサシステム12と共通する多くの構造的および機能的特徴を含む。例えば、センサシステム412、512は、図3〜22Bのセンサシステム12とほぼ同じに構成および配置され、同様にして機能するセンサ16を含む。別の実施例として、センサシステム412、512は、図3〜22Bのセンサシステム12と同様、並列の2個の固定抵抗器53、54および層66、68間の経路50を含む。上記その他のそうした共通の特徴は簡潔さのためにここで再び説明しない。
図36〜44の実施形態において、インサート437は、図3〜22Bのインサート37に比べて類似の位置にカットアウト部85A、86A、87Aを有するが、カットアウト部85A、86A、87Aはわずかに異なる周囲形状を有する。この実施形態において、内側カットアウト部85Aは、図3〜22Bのインサート37の内側カットアウト部85Aに比べてより小さい弧を画成している。この実施形態の前カットアウト部87Aは、図3〜22Bのインサート37の前カットアウト部87Aに比べてより深く、より大きい弧を画成している。この実施形態の外側カットアウト部86Aは、図3〜22Bのインサート37の外側カットアウト部86Aに比べてより浅く、より小さい弧を画成している。さらに、図36〜44のインサート437は、ほぼ一定の幅の踵部37Cを有し、拡幅尾部37Eを持たない。
図45〜47の実施形態において、インサート537は、図3〜22Bのインサート37に比べて類似の位置にカットアウト部85A、86A、87Aを有するが、カットアウト部85A、86A、87Aはわずかに異なる周囲形状を有する。この実施形態において、内側カットアウト部85Aは、図3〜22Bのインサート37の内側カットアウト部85Aに比べて、より小さい弧を画成している。この実施形態の外側カットアウト部86Aは、図3〜22Bのインサート37の外側カットアウト部86Aに比べてより浅く、より小さい弧を画成している。図45〜48のインサート537の前縁87は、第一指骨部37Dから第五中足骨センサ16cに向けて一定して角度がつけられており、前カットアウト部87Aに直接達するほぼまっすぐな縁端を画成している。結果として生じる前カットアウト部87Aは、図3〜22Bのインサート37の前カットアウト部87Aに比べて、より小さい弧を画成している。さらに、図45〜48のインサート537は、ほぼ一定の幅の踵部37Cを有し、拡幅尾部37Eを持たない。図45〜48のセンサシステム512のリード18および多くの他の構成要素は、ここに例示および/または参照していないが、そうした構成要素は、図3〜22Bのセンサシステム12および/または図36〜44のセンサシステム412における対応する構成要素と(構造的および/または機能的に)同様にまたは同一に構成できることが理解される。
インサート37、37’、437、537は、センサ16の異なる数および/または構成を含め、任意の数の異なる構成、形状および構造とともに、異なるインサート構造または周囲形状を有し得ることが理解される。例えば、ここに述べたインサート37、37’、437、537のいずれも、別様に輪郭付与、寸法設定および構成されながら、例えばカットアウト部85A、86A、87Aおよび周囲形状の他の特徴といった、構造的特徴およびそうした構造的特徴に関係する機能の一部または全部を上述の通り含んでもよい。さらに、ここに述べたインサート37、37’、437、537のいずれも、様々な形状および/または機能性を提供し得る追加のまたは異なる構造的特徴を含んでもよい。
図3〜22Bに例示された実施形態において、センサ16は、ソール130への圧力および/または力を測定するための力および/または圧力センサである。センサ16は、センサ16への圧力が増加するにつれて減少する抵抗を有し、それによりポート14による抵抗の測定がセンサ16への圧力を検出するために実行され得る。図3〜22Bに例示された実施形態におけるセンサ16は形状が楕円または長円形(obround)であり、それは単一のセンササイズを異なるいくつかの靴のサイズにおいて利用可能にする。この実施形態におけるセンサ16は各々、第1の層66に配置された第1の接点40および第2の層68に配置された第2の接点42を含む2個の接点40、42を含む。ここで第1の層66を例示している図は上面図であり、(接点40、リード18などを含む)電子構造は第1の層66の底側に配置されており、特に別様に指摘がなければ、透明または半透明の第1の層66を通して見えることが理解される。接点40、42は、互いに対向して配置されており、互いに対し重畳関係にあり、それにより例えばユーザの足によるインサート部材37への圧力が接点40、42間の係合を増大させる。接点40、42間の係合が増大するにつれてセンサ16の抵抗は減少し、モジュール22はセンサ16の抵抗の変化に基づいて圧力を検出するべく構成されている。一実施形態において、接点40、42は、例えば図3〜22Bの実施形態において、第1および第2の層66、68に印刷された導電性パッチによって形成されてもよく、2個の接点40、42は同一または異なる材料で形成されてもよい。さらに、一実施形態において、リード18は、センサ接点40、42の材料(複数も)よりも高い導電率および低い抵抗を有する材料で形成される。例えば、パッチはカーボンブラックまたは別の導電性カーボン材料で形成され得る。さらに、一実施形態において、2個の接点40、42は、同じ材料かまたは、互いに接触して材料の硬さの違いに起因する摩滅および摩耗を低減できる類似の硬さの2つの材料で形成され得る。この実施形態において、第1の接点40は第1の層66の下面に印刷され、第2の接点42は第2の層68の上側に印刷されて、接点40、42間の係合を可能にする。図3〜22Bに例示された実施形態はスペーサ層67を含む。スペーサ層67は、第1および第2の層66、68の他の部分を互いに絶縁する一方で、スペーサ層67を通じた接点40、42の係合を可能にするために穴43が各センサ16のところに配置されている。一実施形態において、各々の穴43は、センサ16の1個と位置合わせされ、それぞれのセンサ16の接点40、42間の少なくとも部分的な係合を可能にする。図7〜18に例示された実施形態において、穴43は、センサ接点40、42よりも面積が小さく、接点40、42の中心部が互いに係合するのを可能にする一方、接点40、42の外側部分および配電リード18Aを互いに絶縁する(例えば図13および35A〜B参照)。別の実施形態において、穴43はそれらの表面全体で接点40、42間の係合を可能にする寸法に設定され得る。センサ16および接点40、42の大きさ、寸法、輪郭および構造は、類似の機能性を保持しつつ他の実施形態において変更できることが理解される。また、同じ大きさを有するセンサ16が種々の靴サイズのインサート37の種々の大きさにおいて利用でき、その場合、インサート37の全体寸法に対するセンサ16の寸法は異なるインサート37の大きさについて異なり得ることが理解される。
他の実施形態において、センサシステム12は、図3〜22Bの実施形態のセンサ16とは別様に構成されたセンサ16を有してもよい。例えば、図33〜34は、図3〜22Bのセンサシステム12におけるセンサ16とは別様に構成されたセンサ16を有するセンサシステム212、312のさらなる実施形態を例示している。図33〜34に例示された実施形態において、図33〜34のセンサ16の接点40、42は、図3〜22Bの実施形態におけるセンサ16の接点40、42とは別様に構成されている。センサシステム212、312の他の構成要素および特徴は、ここに述べた任意の変種または代替実施形態を含む、図3〜22Bのセンサシステム12のそれらと類似または同一である。別の実施例として、図48〜51は、図3〜22Bの実施形態のセンサ16および接点40、42とは別様に構成された接点740、742、744を有するセンサ16を含むセンサシステム712の実施形態を例示している。さらなる実施例において、センサ16は、カーボン系または類似の接点40、42を含まない、および/または抵抗性センサ16として機能しなくてもよい、異なる構成を利用できる。そうしたセンサの実施例は、他の実施例の中でもとりわけ容量性圧力センサまたは歪み計圧力センサを含む。
さらに図3〜22Bに図示の通り、一実施形態において、インサート37は、インサート37の圧縮および/または曲げの間にインサート37内の気流を可能にするべく構成された内部気流システム70を含み得る。図9、11、13、18、22A〜Bおよび28〜30は、気流システム70の構成要素をさらに詳細に例示している。気流システム70は一つ以上の空気通路または流路71を含んでもよく、これはセンサ16から一つ以上のベント72に通じており、圧縮の間に空気がセンサ16から第1および第2の層66、68の間でベント(複数も)72を通じて外方にインサート37の外部に流れるのを可能にする。気流システム70は、センサ16の圧縮の間の過剰圧力の蓄積に逆らうとともに、種々の気圧および高度でのセンサ16の接点40、42の安定した分離を可能にして、より安定した性能につながる。流路71は第1および第2の層66、68の間に形成され得る。図18に図示の通り、スペーサ層67はそれに流路71が形成されており、空気はこれらの流路71を第1および第2の層66、68の間で適切なベント(複数も)72へ流れることができる。ベント72は、図22Bに図示の通り、一実施形態においてそれらを覆うフィルタ73を有し得る。これらのフィルタ73は、空気、湿気およびゴミがベント72から抜け出るのを可能にするとともに、ベント72への湿気およびゴミの通過に抵抗するべく構成できる。別の実施形態において、インサート37はスペーサ層を含まなくてもよく、流路71は、例えば非シール可能材料の適用によって、層66、68を特定のパターンでともにシールしないことによって形成され得る。このように、気流システム70は、そうした実施形態において層66、68と一体であるか、またはそれらによって直接画成されると考えてよい。他の実施形態において、気流システム70は、異なる数または構成の空気流路71、ベント72および/または他の通路を含み得る。
図3〜22B、28および30に例示された実施形態において、気流システム70は、2個のベント72と、4個のセンサ16の各々をベント72のうちの1個に接続する複数の空気流路71とを含む。スペーサ層67は、この実施形態において、各センサのところに穴43を含み、流路71は穴43と接続されて空気が流路71を通じてセンサ16から流出するのを可能にする。さらに、この実施形態において、センサ16のうちの2個は流路71によってベント72の各々と接続されている。例えば、図4および7〜18に例示された通り、第一中足骨センサ16bはインサート37の第一中足骨部のわずかに後ろのベント72に及ぶ流路71を有し、第一指骨センサ16aは、第一中足骨センサ16b内の移動を含む通路によってやはり同じベント72に及ぶ流路71を有する。言い換えれば、第一指骨センサ16aは第一指骨センサ16aの穴43から第一中足骨センサ16bの穴43に及ぶ流路71を有し、別の流路71が第一中足骨センサ16bからベント72に及ぶ。第五中足骨センサ16cおよび踵センサ16dもまた、インサート37の踵部に配置された共通ベント72を共有する。一つの流路71が第五中足骨センサ16cの穴43からベント72まで後方に及び、別の流路71が踵センサ16dの穴43からベント72まで前方に及ぶ。ベント72を複数のセンサで共有することにより、特に追加的フィルタ73の必要を回避することによって、費用を削減できる。他の実施形態において、気流システム70は、例えば図22C〜Dに図示され以下で検討する構成といった、異なる構成を有し得る。さらなる実施形態において、各センサ16は各自個別のベント72を有してもよく、または2個超のセンサ16が同じベント72を共有してもよい。
各々のベント72は第2の層68(すなわち第1の層66に対向)の底側の開口として形成され、それにより開口は、図16〜18および22A〜Bに見られるように、気流システム70から空気、湿気および/またはゴミの外方の流れを可能にする。別の実施形態において、ベント72は複数の開口を含み得る。さらなる実施形態において、ベント72は第1の層66における開口によって追加的または代替的に形成され、空気をインサート37から上方に通気させてもよい。追加的実施形態において、ベント72は、例えば流路71が縁端を通じてインサート37の外部に通じるように流路71を縁端まで延在させることによって、インサート37の側部(薄い縁端)にあってもよい。図3〜22B、28および30に例示された実施形態のように、空気を下方に逃がすことにより、ゴミがベント72に入るのをより難しくする。存在する場合、下部層69もまたベント72の下方に配置された開口74を含み、ベント72から流出した空気が下部層69を通過するのを可能にする。開口74は、後述の通り、フィルタ73が各ベント72の周囲で下部層69によって第2の層68に接着されるのを可能にするために、ベント72よりも著しく大きい。さらに、この実施形態において、各ベント72は、材料に安定性および強さを加えるとともに破壊/引裂きを防ぐために、強化材75がベント72のまわりに配置される。例示された実施形態において、強化材75は、印刷を助成するためにリード18と同じ材料(例えば銀その他の金属インク)で形成されるが、センサ接点40、42(例えばカーボン)または、ここに検討した誘電材料と同じ材料で形成してもよい。
図3〜22B、28および30に例示された実施形態におけるベント72は下方に開いており、ベント72を通過した空気はミッドソール131および、存在する場合、フォーム部材138に向けて下方に通過する。図3〜5、28および30に例示された実施形態において、フォーム部材138は、ベント72の直下に配置され、ベントを出た空気がそれぞれの空洞76に移るように構成された空洞76を有する。図3〜5、28および30に例示された実施形態において、各々の空洞76は、完全にフォーム部材138を貫いて延在するスロットとして形成され、それはパンチング、切断または別の技術によって形成され得る。別の実施形態において、空洞76は、フォーム部材138の一部だけの中を延在する凹部であるか、または例えばフォーム部材138の下方の構造の少なくとも一部の中まで、フォーム部材138(例えばストローベル、ミッドソール等)よりも深く及んでもよい。さらなる実施形態において、ソール構造はフォーム部材138を含まなくてもよく、空洞76は、ストローベル、ミッドソール等といった別のソール部材において、スロット、凹部または他の空洞様構造によって少なくとも部分的に形成され得る。図5に図示の通り、空洞76の少なくとも一部は、一実施形態において円形であってもよく、空気抜きのための空間を付与するためにベント72よりも幅広く延在してもよい。この構成により空気はフォーム部材138から妨げられることなくベント72から抜け出ることができる。別の実施形態において、インサート37は、上述の通り一つ以上の空洞76を含み得る、(ミッドソール131の一部といった)別のソール部材の上方に配置され得る。さらなる実施形態において、空洞は存在しなくてもよく、空気はフォーム部材138又はその他のソール部材に直接下方にベント72し得る。空洞76の一方または両方は、空気が空洞76から抜け出るのをさらに可能にする通路77を形成する延長部を有してもよい。図3〜5、28および30の実施形態において、空洞76の各々は空洞76から離れインサート37の周囲境界を越えて横方向に延びる流路部77を有する。言い換えれば、空洞76の流路部77は、ベント72から、インサート37の周囲境界の外側に位置する末端78まで横方向に延びる。フォーム部材138がインサート部材37を受入れる凹部139を有する場合、空洞76の流路部77の末端78もまた凹部139の周囲境界の外側に配置され得ることが理解される。図3〜5に図示された実施形態において、末端78はフォーム部材138の縁端まで及ぶ。この構成により、空洞76に入った空気は、流路部77内を横方向に、そして上方および/または外方にフォーム部材138から抜け出ることによってソール構造130を出ることができる。図28はこの構成の略断面図を示しており、矢線は空気の流れを例示している。図3〜5、28および30に例示された構成は、ゴミ(例えばほこり、繊維など)および湿気の移動がベント72に移ることに逆らう一方、空気がベント72から流出し、そしておそらくベント72に流れて戻るのを可能にする。空気がベント72を出入りして移動するために通過しなければならない組合わされた下方、横方向および上方の経路は、この移動に逆らうべく作用し、ゴミはたいてい、配管用途におけるドレントラップに酷似して、空洞76の末端78の近くで捕獲される。
別の実施形態において、末端78は、フォーム部材138内部で、かつインサート37の周囲境界の外側の地点で止まることができる。末端78は、空気が末端78の空洞76から上方に逃げるのを可能にし、同一または類似の機能性を提供する。図36〜38および47はこの構成の例示実施形態を例示している。図36〜38および47の実施形態における足接触部材133は、例えば図28および30に図示された通路79といった、足接触部材133を通る空気の通過を可能にするために空洞76の末端78のまわりに配置された通路を含み得ることが理解される。さらなる実施形態において、流路部77の少なくとも一部は、スリットよりもむしろ、フォーム部材138内部のトンネルであってもよい。そうした構成において、流路部77は、トンネル部および、空気がトンネルを通過して上方に逃げるのを可能にする開放部を有するか、またはトンネル部は横方向の通気を可能にするためにフォーム部材138の縁端までずっと延在してもよい。図29は代替実施形態の横断面を示しており、フォーム部材138は空洞76を含むが、いかなる流路部77も含まない。
さらに、足接触部材133は、図3〜5、28および30の実施形態において、空洞76の末端78に配置された足接触部材133を貫いて延びる一つ以上の通路79を含む。図28および30に図示の通り、通路79は足接触部材133を貫いて垂直に延びるピンホール形式の通路79であってもよい。別の実施形態において、スリットまたは溝を含む、異なる形式の通路79が使用でき、少なくとも一つの通路79は、足接触部材133の厚さを貫き上方にではなく、足接触部材133の側部へ横方向に及んでもよい。通路79は、ベント72を通りさらに空洞76を通り外方に出る空気が、足接触部材133を通じてソール構造130から抜け出るのを可能にする。別の実施形態において、足接触部材133はいずれの通路(複数も)79も含まなくてもよい。それでも足接触部材133は、例えば足接触部材133を製作するために通気性フォームその他の通気性材料を使用することによって、いずれの通路(複数も)79がない構成において換気を提供できる。
上述の通り、一実施形態において、インサート37は、図22Bおよび28〜29に見られるように、(単数または複数の)ベント72を少なくとも部分的に覆う一つ以上のフィルタ73を有し得る。フィルタ73は、ベント72を覆う選択的透過性クロージャであると考えてよい。フィルタ73は、少なくともベント72からの空気の通過を許し特定の望ましくない物質のベントへの通過に抵抗する。例えば、図3〜22B、28および30の実施形態において、フィルタ73は、空気の内方および外方の流れを許すとともに、湿気の外方の流れを許す一方で湿気および/または微粒子の内方の流れに抵抗する選択的透過性クロージャである。この機能を実現し得るフィルタ73の一形式はフッ素樹脂多孔膜、例えばPTFE(すなわちテフロン)繊維を含む多孔膜である。そうした多孔膜は、一実施形態において厚さ10μm〜100μmの多孔膜であってもよい。PTFE繊維を含むフィルタ73において、PTFEの高い表面エネルギーは水を浸透ではなくフィルタ73の表面で球状にさせる。フィルタ73はまた、フィルタ73をインサート37に接続するのを可能にするために片側に接着剤を有してもよく、さらに、多孔膜に剪断強さを付与するポリエステル材料といった別の材料を内向き側または外向き側のどちらかに接続してもよい。図3〜22B、28および30に図示された実施形態において、フィルタ73はベント72を覆うためにベント72の周囲で第2の層68の底側に接着されている。下部層69は、図3〜22B、28および30の実施形態において、ベント72よりも著しく大きい開口74を含み、フィルタ73が第2の層68に接着されるのを可能にする。他の実施形態において、異なる形式のフィルタ73が使用でき、および/またはフィルタ73は別の様態でインサート37に接続できる。さらなる実施形態において、フィルタ73は使用しなくてもよい。
図36〜44は、上述し図3〜22Bに図示したインサート37とは異なる配列の流路71およびベント72を備えた気流システム70を含むインサート437によるセンサシステム412を例示している。図22C〜Dおよび45〜47は、図36〜44のインサート437と同様に配列された流路71およびベント72を備えた気流システム70を含むインサート部材37’、537のさらなる実施形態を例示している。図22C〜Dの実施形態におけるセンサ16a〜dの位置は一般に、図3〜22B、28および30の実施形態と同じであり、図22Cにおいてスペーサ層67に点線で例示されている。そうした構造的特徴は簡潔さのためにここで再び説明しない。図36〜44におけるインサート437の実施形態において、第一指骨センサ16aおよび第一中足骨センサ16bは、上述したほぼ同じ構成の流路71によって同じベント72に接続されている。第五中足骨センサ16cおよび踵センサ16dもまた、図3〜22B、28および30の実施形態のように踵部ではなく、インサート437の第五中足骨部に配置された共通ベント72を共有する。この構成において、踵センサ16dは、踵センサ16dの穴43から第五中足骨センサ16cの穴43に及ぶ流路71および第五中足骨センサ16cからベント72に及ぶ別の流路71を有する。図36〜44に図示の通り、ベント72の位置は上述の実施形態と異なり、従って、インサート437は、これらの位置でのベント72に特定的に適応された特徴を含むソール構造130で使用され得る。図36〜38は、ソール構造130および、インサート437のベント72との協働のために配置された空洞76を含むフォーム部材138を例示している。これらの空洞76は、図3〜5に図示されここに述べた実施形態の空洞76と同様に機能する。例えば、フォーム部材138は、インサート437の第五中足骨部のベント72からの空気の抜気をもたらすためにインサート437の周縁端を越えて前方に延在するソール構造130の第五中足骨部における空洞76を有する。フォーム部材138はまた、インサート437の第一中足骨部のベント72からの空気の抜気をもたらすためにインサート437の周縁端を越えて後方に延在するソール構造130の第一中足骨部における空洞76も有する。図22C〜Dおよび45〜47のインサート37’、537は、種々の実施形態において類似の位置に配置された空洞76を備えたフォーム部材138を利用できる。異なる位置および構成の空洞76が他の実施形態において利用できることが理解される。さらなる実施形態において、異なるベント72の位置を有するいくつかの異なる形式のインサート37、37’での使用のために配列された複数の空洞76を単一のソール構造130が含んでもよい。この実施形態において、空洞76の少なくとも一部は、インサート37以下の構成に応じて、未使用であってもよい。さらなる実施形態において、ここに述べた気流システム70の実施形態の特徴、特性その他のいずれも、センサシステム12、インサート37および/または履物100の他の実施形態と同様、気流システム70の他の実施形態と組合わせてもよい。
図3〜22Bの実施形態において、上述の通り、スペーサ層67は一般に、例えば経路50およびセンサ16の接点40、42間といった電気的接触が要求される領域を除き、第1および第2の層66、68の導電性部材/構成要素を互いに絶縁する。スペーサ層67は、層66、68間に所望の電気的接触の領域を画成するために穴38、43を有する。気流システム70の構成要素、特に流路71は、第1および第2の層66、68間の一つ以上の導電性部材による短絡または他の不要な電気的接触の経路をもたらし得る。一実施形態において、センサシステム12は、流路71といったスペーサ層67の開放領域間の一つ以上の導電性部材による不要な短絡に抵抗または防止するために一つ以上の誘電材料80のパッチを含んでもよい。この誘電材料80は、アクリル系インクまたは他のUV硬化性インク、または用途に適切な別の絶縁材料の形態であってもよい。図16〜17に図示された実施形態において、インサート37は、センサ接点40、42のまわりに配置された配電リード18Aを互いに絶縁するために、流路71を横切り延在する誘電材料80のいくつかのパッチを有する。図16〜17に図示の通り、誘電材料80は第2の層68の上側に接続され配電リード18Aを覆うが、別の実施形態において、誘電材料80は第1の層66、68に接続されてもよく、または両方の層が誘電材料80を有してもよい。スペーサ層67はさらなる実施形態において流路71の上に誘電「ブリッジ」を有し得る。さらに、誘電材料は、配電リード18Aの一部を完全に覆い、流路71の幅よりも広い。誘電材料は、スペーサ層67の動きまたは変位、または製造許容度の相違を補償する。この実施形態において、インサート37は、誘電材料80のパッチが流路71の1個の配電リード18Aとの各交差点に配置されている。これらのパッチは、第一指骨センサ16aの後側の1個のパッチ80、第一中足骨センサ16bの前後端の2個のパッチ80、第五中足骨センサ16cの後側の1個のパッチ80および、踵センサ16dの前側の1個のパッチ80を含む。他の実施形態において、インサート37は、配電リード18Aその他の導電性部材の他の部分を層66、68間の短絡から絶縁するために、インサート37の他の位置に誘電材料のパッチが配置されてもよい。別様に造形および/または配置された穴、開口、開口部その他による異なる構成を有するスペーサ層67が、絶縁目的で他の位置での誘電材料80の使用をもたらし得ることが理解される。ここに上述した通り、誘電材料80は強化または補強材料として他の位置において使用できる。
図3〜22Bの実施形態において、ポート14、センサ16およびリード18は、インサート部材37で回路10を形成している。ポート14は複数の端子11を有しており、4個の端子11が各々、4個のセンサ16のうちの1個に個別に割当てられている。1個の端子11は電圧を回路10に印加するためのものであり、1個の端子1は電圧測定のためのものである。この実施形態において、センサシステム12はまた、層66、68の1個に各々配置された一対の抵抗器53、54および、第1の層66の回路を第2の層68の回路と接続する経路50を含む。抵抗器53、54は、各センサ16の抵抗を測定するためにモジュール22の参照点を付与するとともに、モジュール22がアクティブなセンサ16からの可変電流を測定可能な電圧に変換するのを可能にする。さらに、抵抗器53、54は回路10内部で並列に配置されており、それは、例えばリード18および/またはセンサ接点40、42を印刷するために使用されたインクの導電率の変動といった、回路10における変動および/または、抵抗器53、54を作成するために使用される製造プロセスにおける変動を補償する。一実施形態において、2個の抵抗器53、54の等価抵抗は1500±500kΩである。別の実施形態において、単一の抵抗器53、54または直列の2個の抵抗器53、54が使用できよう。さらなる実施形態において、抵抗器53、54はインサート37の他の位置に配置してもよいし、またはモジュール22の回路内部に配置してもよい。この実施形態の回路10のより技術的な描写を以下で説明し図20に図示する。
図20は、本発明の実施形態に従って圧力を検出し測定するために使用され得る回路10を例示している。回路10は6個の端子104a〜104fを含み、電圧を回路10に印加するための電源端子104a、後述の通り電圧を測定するための測定端子104bおよび、各々センサ16a〜16dの1個に個別に割当てられ、各々この実施形態において接地を表す、4個のセンサ端子104c〜104fを含む。端子104a〜104fはポート14の端子11を表す。図示された実施形態において、抵抗器53および54を表す固定抵抗器102aおよび102bは、並列に接続されている。固定抵抗器102aおよび102bは別個の層に物理的に配置され得る。端子104aおよび104b間の等価抵抗は、以下の周知の式によって決定される。
Req=R102a・R102b/(R102a+R102b) (式1)
式中:
R102a=固定抵抗器102aの抵抗
R102b=固定抵抗器102bの抵抗
Req=等価抵抗
固定抵抗器102aおよび102bを並列に電気的に接続することにより、固定抵抗器102aおよび102bを作成するために使用される製造プロセスにおける変動を補償する。例えば、固定抵抗器102aが所望の抵抗から逸脱した抵抗を有する場合、式1によって決定される等価抵抗の逸脱は、固定抵抗器102bの平均効果によって最小にされる。当業者は2個の固定抵抗器が例証のためだけに図示されていることを了解するはずである。追加の固定抵抗器を並列に接続してもよいし、各々の固定抵抗器を異なる層に形成してもよい。
図20に図示された実施形態において、固定抵抗器102aおよび102bはセンサ16a〜16dに接続されている。センサ16a〜16dは、上述の通り、圧力の変化に応答して抵抗を変える可変抵抗器により具体化され得る。センサ16a〜16dの各々は複数の可変抵抗器により具体化され得る。一実施形態において、センサ16a〜16dの各々は、物理的に異なる層に配置され並列に電気的に接続された2個の可変抵抗器により具体化される。例えば、一実施形態に関して上述したように、各センサ16a〜16dは、印加圧力が増大するにつれてより大きい程度で互いに係合する2個の接点40、42を含んでもよく、係合が増大するにつれてセンサ16a〜16dの抵抗は減少し得る。上述の通り、抵抗器を並列に接続することにより、製造プロセス中に生じる逸脱を最小限にする等価抵抗を生じる。別の実施形態において、接点40、42は直列に配列してもよい。センサ16a〜16dはスイッチ108a〜108dを介して接地に接続され得る。スイッチ108a〜108dはセンサを接続するために1個ずつ閉じられ得る。一部の実施形態において、スイッチ108a〜108dはトランジスタまたは集積回路により具体化される。
動作時、3ボルトといった電圧レベルが端子104aに印加される。スイッチ108a〜108dは、センサ16a〜16dの1個を接地に接続するために1個ずつ閉じられる。接地に接続された時に、センサ16a〜16dの各々は固定抵抗器102aおよび102bの組合せで分圧器を形成する。例えば、スイッチ108aが閉じた時に、端子104aと接地との間の電圧は固定抵抗器102aおよび102bとセンサ16aとの組合せで分割される。センサ16aの抵抗が変化すると、端子104bで測定される電圧は変化する。その結果、センサ16aに印加された圧力は端子104bで電圧レベルとして測定され得る。センサ16aの抵抗は、既知の値の組合せ固定抵抗器104aおよび104bと直列のセンサ16aに印加された電圧を利用して測定される。同様に、スイッチ108b〜108dを選択的に閉じることにより、センサ16b〜16dで印加された圧力に関連する端子104bで電圧レベルを生じる。センサ16a〜dおよび端子104c〜fの間の接続は他の実施形態において異なり得ることが理解される。例えば、センサ16a〜dは、図12に図示の通り、右の靴のインサート37に比べて左の靴のインサート37においてインタフェース20の異なるピンに接続されている。別の実施形態において、接地が端子104aに位置し、電圧が端子104c〜fで印加されて、電圧レベルは反対の様態で印加され得る。さらなる実施形態において、類似の結果および機能性を実現するために別の回路構成を使用してもよい。
2個の抵抗器53、54は例示された実施形態において類似または同一の構造を有するが、抵抗器は他の実施形態において異なる構造を有してもよいことが理解される。各抵抗器53、54は、互いに離間された2個の部分55、56および、部分55、56の間に配置されそれらを接続するブリッジ57を有する。図15および17は、抵抗器53、54のより詳細な図を例示しており、一方の抵抗器53は上部から示され、他方の抵抗器54は下面から示されている。部分55、56は異なるリード18に接続されてもよく、それにより一方のリード18によって抵抗器53、54に入った電子信号または電流は、ブリッジ57にわたり部分55、56間を移動した後、他方のリード18から出る。部分55、56は、小さい区域内部で部分55、56間の伝達のための大きい長さを付与するために、内側部分55および、内側部分55をほぼ包囲する外側部分56として形成され得る。この実施形態において、ブリッジ57もまた内側部分55をほぼ包囲するとともに、外側部分56によってほぼ包囲されている。図15〜17に見られ了解される通り、ブリッジ57は、ブリッジ57による伝達を可能にするために、内側部分55および外側部分56の両方と部分的に重なっている。図15および17の実施形態において、内側部分55は円形またはほぼ円形の形状で形成されている。外側部分56は、この実施形態において、内側部分55を少なくとも部分的に包囲し、リングの内部縁端のまわりで内側部分から離間されている、半環状リング形状によって少なくとも部分的に形成されている。この実施形態におけるブリッジ57もまた、内部および外部半円縁端の半環状リング形状によって少なくとも部分的に形成されており、ブリッジ57は内側部分55を少なくとも部分的に包囲し、部分55、56間の空間を少なくとも部分的に埋めている。図17に例示された通り、ブリッジ57の内部縁端は内側部分55に重なり、ブリッジ57の外部縁端は外側部分56に重なる。さらに、この実施形態において、隙間58が外側部分56およびブリッジ57によって画成されて、リード18が内側部分55と接続し、外側部分56またはブリッジ57に接触することなく内側部分55から抜け出るのを可能にする。言い換えれば、半環状リング形状の外側部分56およびブリッジ57は、それらの間に隙間58を画成する端を有する。部分55、56およびブリッジ57の相対的な形状、大きさおよび配列は、他の実施形態において異なり得ることが理解される。
一実施形態において、ブリッジ57は部分55、56よりもより抵抗性の材料で形成されてもよく、それにより各抵抗器53、54の抵抗の大部分を付与できる。部分55、56は、銀材料といった高導電率の材料で少なくとも部分的に形成され得る。図3〜22Bに例示された実施形態において、内側および外側部分55、56は、印刷用銀系または他の金属系インクといった、リード18と同じ材料で形成される。この実施形態において、ブリッジ57は、カーボンブラックまたは別の導電性カーボン材料といった、センサ接点40、42と同じ材料で形成される。内側および外側部分55、56および/またはブリッジ57は、他の実施形態において異なる材料で形成できることが理解される。
経路50は一般に、連続的および/または無瞬断の電気通信を可能にし、第1および第2の層66、68間で電子信号を渡す。図3〜22Bの実施形態において、ポート14は第2の層68に直接接続されており、経路50は第1の層66、68でポート14とセンサ接点40との間の垂直経路として働き得る。この実施形態において、経路50は第1の層66および第2の層68に導電部51を含み、それにより導電部51は第1および第2の層66、68間で連続的電気通信をもたらすために互いに連続的に係合している(例えば図21を参照)。この実施形態におけるスペーサ層67は、経路50と位置合わせされた穴38を含み、スペーサ層67による導電部51間の連続的係合を可能にする。さらに、図3〜22Bの実施形態において、導電部51の各々は細長い隙間59(図15)によって分離された2個の部分52に分割される。これらの導電部52は図3〜22Bに図示された実施形態においてほぼ半円形状を有し、導電部51は概ね円形状を有する。第1の層66の部分52は、第2の層68に関する部分52とほぼ同じに寸法設定され、造形され、配置され、それにより各層66、68の部分は他方の層66、68の対応する部分52と係合する。2つの層66、68の隙間59もまたこの実施形態においてほぼ位置合わせされている。言い換えれば、導電部51は導電部51の左部分52が互いに係合し、導電部51の右部分52が互いに係合し、左部分52のどちらか一方と右部分52のどちらか一方との間にいかなる直接的な係合がないように配列されている。この構成は代替的に、第1および第2の層66、68間に2つの別個の並んでいる経路を作成するものとして説明でき、各部分52は各経路を形成する別個の導電部であるとみなしてよい。経路50の導電部51は導電性材料で形成され、一実施形態において、導電部51は、銀系インクまたは他の金属インクといった、リード18と同じ材料で形成され得る。他の実施形態において、経路50および、ここに述べたその構成要素は、異なる大きさ、形状、形態または位置をとってもよく、異なる材料で形成してもよい。
経路50は、構造的支持および/または効果をもたらすために一実施形態において補強構造60によって少なくとも部分的に包囲されるか、または画定され得る。図7〜17および21に例示された通り、導電部51はほぼ環状の補強材60によって包囲されている。この実施形態における補強材60は、隙間59が補強材60を通って延在するので、完全に環状ではない。補強材60はまた、別の実施形態において、導電部51を通りそれに接続するリード18のための追加の隙間を含んでもよい。この実施形態における補強材60は、導電部51間の最大限の係合を実現するために導電部51間の係合を助ける働きをする。図21はこの構成をより詳細に例示している。図21は本質的に少なくとも部分的に概略であり、図21に図示された部品の相対的寸法は効果および理解のために誇張されてもよいことが理解される。さらに、図21は、他の層66、67、68を例示するうえでの明快さのために下部層69を示していない。一般に、スペーサ層67は導電部51間に分離を付与し、それにより層66、68は、導電部51が互いに係合するために経路50で互いに向けて反らなければならない。
図21に図示された実施形態において、スペーサ層67の穴38は導電部51が互いに向けて反って互いに係合するのを可能にする。第1および第2の層66、68は、例えば余分な空気を除去するために経路50の位置の集成インサート37の上にローラーを通過させることによって、真空に引かれるか、または別様に一緒に加圧されてこの接触を実現する。互いに向けた層または層66、68の反りは、層66、68が互いに向けて反る穴38の辺縁のまわりの層66、68の一方または両方で環状移行領域61を生じる。この実施形態における移行領域61は、外側環状破断線61aおよび内側環状破断線61bによって画成され、破断線61a、61b間に移行領域61を、そして内側破断線61b内部に導電部51を備える。この構成において、第1および第2の層66、68は、外側破断線61aの外側および内側破断線61aの内側で一般に水平であり、第1および第2の層66、68は移行領域61で互いに向けて傾斜して導電部51間の係合を生じる。穴38は寸法に関し補強材60よりも大きく、それにより補強材60は穴38の縁端に隣接して配置される。この構成において、補強材60の増大した剛性により層66、68は水平から補強材60の位置で少なくとも部分的に垂直に急激な移行部を生じる傾向があり、こうして補強材60は移行領域61を画成する傾向がある。
図21に見られるように、補強材60の移行領域61の配置は、移行領域61によって画定される区域62内部で導電部51間の最大限の接触を可能にする。一実施形態において、導電部51の大部分は、移行領域61によって画定される区域62内部の穴38を通じて互いに連続的に係合している。別の実施形態において、導電部51は、移行領域61によって画定される区域62の全体またはほぼ全体の上で穴38を通じて互いに連続的に係合している。この連続的接触は、経路50および回路10が途絶されず正しく機能することを保証するのを助ける。経路50における層66、68間の係合を増強するために、経路50に、またはそのまわりに接着剤を利用してもよい。補強材60は適切な剛性を有する任意の材料で形成でき、一実施形態において導電部51の材料よりも大きい剛性の材料で形成され得る。そうした材料の一例は、カーボンブラックまたは他のカーボン系材料であるが、他の実施形態において、他の形式の印刷可能物質を含む他の材料が使用できる。
補強材60はまた、異なる形で導電部51間の連続的係合を実現するのを助け得る。図3〜22Bの実施形態において、補強材60は、導電部51の金属系インクに比べて光の多くの波長をより吸収するカーボン系インクによって形成されており、それは反射性である傾向がある。層66、68のインクは赤外線を用いて硬化され、この実施形態において、補強材60は導電部51よりも大きい量の赤外線を吸収し得る。この吸収は、補強材60のすぐ下方の層66、68の領域を加熱して、補強材60が印刷された表面の層66、68でより熱く、反対の表面でより低温であるように、層66、68の厚さにわたり温度勾配を生じる傾向がある。転じて、この温度勾配は、補強材60のまわりの層66、68の対向する表面で示差的な膨張/収縮を生じ、それにより補強材60のより熱い表面が補強材60の反対側の表面に対して収縮し、補強材60の内側の(すなわち導電部51の)各層66、68の領域をわずかに上方に突出またはくぼませてもよい。層66、68のこの突出は、層66、68の導電部51を互いにより近くに拡張し、それは導電部51間の増大した係合をもたらし、補強材60内部で導電部51の連続的またはほぼ連続的な係合を実現するのを支援し得る。層66、68の突出は、突出またはくぼみ効果を生じる機械的スタンピングその他の予歪操作によって追加的または代替的に増強され得る。超音波スポット溶接その他のスポット溶接といった接合技術が、導電部51間の係合を増大するために追加的または代替的に使用できる。一実施形態において、導電部51を互いに係合して保持するために超音波スポット溶接が導電部51間でワッフルパターンで使用され得る。
経路50における隙間59は複数の機能を果たしてもよい。隙間59によって果たされ得る一つの機能は、層66、68間に別個の接続を生じるために、経路50の部分52間に電気的分離を生じることである。隙間59によって果たされ得る別の機能は、インサート37の曲げの間における経路50の耐久性を高めることである。一般に、ユーザの足は、第五中足骨部(第五中足骨頭部または第五中足趾節部とも称する)から第一中足骨部(第一中足骨頭部または第一中足趾節部とも称する)へ「ロール(roll)」する傾向がある。図3〜22Bの実施形態において、経路50はインサート37の第二および/または第三中足骨部のまわりに配置され、それによりユーザの足のロールは経路50の直接上を通過する。この性質の反復ローリングは導電部51の曲げを生じることがあり、それは転じて摩滅、破砕、分離などを生じ得る。隙間59は、正しく位置合わせされた場合、導電部51の曲げを最小限にする屈曲点として働くことができる。図3〜22Bの実施形態において、隙間59は、ユーザの足の典型的なロールの方向に垂直に、言い換えれば、インサート37の第五中足骨部と第一中足骨部との間に延びる直線に垂直に概ね整列されている。一実施形態において、仮想線L(図10参照)を第一中足骨部のセンサ16bと第五中足骨部のセンサ16cとの間に引くことができる。隙間59は、この直線Lに垂直に、または直線Lの垂直から±45°の範囲で整列され得る。図10に図示された直線Lは、第一中足骨センサ16bの前縁(例えば前中心)と第五中足骨センサ16cの後縁(例えば後中心)との間に引かれている。他の実施形態において、隙間59(存在する場合)は、特に経路50がインサート37の異なる領域にある場合、別様に配置され得る。
図52〜56は、インサート部材37を含むセンサシステム612の別の実施形態を例示しており、それらは図3〜22Bのセンサシステム12およびインサート37に類似である。図52〜56の実施形態において、経路50は図3〜22Bの実施形態のように補強材60を含まない。さらに、この実施形態における経路50の導電部51は、図3〜22Bの実施形態において補強材60によって覆われた領域を覆うために拡大されている。言い換えれば、この実施形態において、導電部51は経路50と位置合わせされた穴38のほとんど縁端まで及び、導電部51の部分は、図56に図式的に例示された通り移行領域61内部に配置される。図52〜56の実施形態における導電部51の増大した大きさは、導電部51間の潜在的係合のためのより大きい表面積を付与し、それによって経路50のより安定した無瞬断機能を提供し得る。他の点に関して、経路50は、図3〜22Bに図示され本明細書の他の所で述べた経路50の実施形態と構造的および機能的特徴を共有している。そうした類似の構造および機能は簡潔さのためにここで再び説明しない。一実施形態において、機械的スタンピングその他の予歪操作が層66、68の突出またはくぼみ効果を生じるために使用でき、上述の通り、導電部51間の係合を増強する。超音波スポット溶接その他のスポット溶接といった接合技術が、同じく上述の通り、導電部51間の係合を増大するために追加的または代替的に使用できる。
別の実施形態において、経路50は別の位置に配置されるか、または別の構成を有してもよい。例えば、一実施形態において、経路50は、例えば第1の層66の2ピン接続(図示せず)を利用し、その2ピン接続を例えばクリンピング接続によりインタフェース20の第5および第6の端子11に接続することによって、端子11において、またはその近くに形成され得る。経路50を形成するための他の構造がさらなる実施形態において利用できる。
図48〜51は、ここに述べたセンサシステム12、412、512、612とは別様に構成され、ここに述べたセンサシステム12、412、512、612に比べて異なる動作モードを有するセンサシステム712の別の実施形態を例示している。図48〜51のセンサシステム712は、上述し図3〜22Bに図示したセンサシステム12と共通する多くの構造的および機能的特徴を含む。例えば、図48〜51の実施形態におけるインサート37の外部形状、センサ16の一般的位置および気流システム70の構成は、図3〜22Bにおけるインサート37の形状、センサ16の一般的位置および気流システム70の構成と類似または同一である。上記その他のそうした共通の特徴は簡潔さのためにここで再び説明しない。
図48〜51の実施形態において、センサシステム712は、第2の層68に配置された2個の接点または電極740、742および、第1の層66に配置された第3の接点744を含むセンサ16を有する。この実施形態において、全部の接点40、742、744は上述の通りカーボン系インクで形成され、接点740、742、744の各々の縁端に一つ以上の配電リード18Aを有する。第2の層68の接点740、742は、第1の層66の接点744とは異なる導電率を有してもよく、より高い導電率を実現するためにドープされたカーボン系インクで形成され得る。第2の層68の接点740、742は、互いに電気的に分離され、各々リード18によってポート14に接続されている。単一の電源または接地リード18Bがセンサ16の全部の第1の接点740に接続しており、各個別のセンサ16の第2の接点742は個別のリード18によってポート14に接続されている。
図48〜51のセンサシステム712におけるセンサ16の構造は、他の点では図3〜22Bの実施形態におけるセンサ16と類似である。この実施形態において、組合せの第1および第2の接点740、742は、第1および第2の接点740、742が互いに電気的に分離されていることを除き、図3〜22Bの実施形態の第2の層68の接点42と同様に構成されており、第3の接点744は図3〜22Bの実施形態における第1の層66の接点40と同様に構成されている。他の実施形態において、センサ16および/または接点740、742、744は異なる構成を有し得る。例えば、一実施形態において、第1の層66の接点744はカーボン系インクの単一のパッチであってもよい。
図48〜51のセンサシステム712の実施形態において、第1および第2の接点740、742は互いに電気的に分離され、第3の接点744は第1および第2の接点740、742と対面関係にあり、それにより第3の接点744はセンサ16への垂直圧力の印加時に第1および第2の接点740、742に係合する。この構成において、ポート14からの信号は、第1の層66のそのセンサ16の電極744を通過することによって、第2の層68の各センサ16の2個の電極740、742間で伝わる。従って、センサ16の固有抵抗は第2の層68の接点740、742と第1の層66の電極744との間の係合によって決定され、センサ16に印加された圧力とセンサ16の固有抵抗との関係は、ここに説明し図27に図示した図3〜22Bの実施形態のセンサ16のそれと類似である。図48〜51のセンサ16の感度範囲、起動圧力その他の機能特性もまた、図3〜22Bのセンサシステム12のセンサ16のものと類似である。
図49〜51のセンサシステム712のポート14の接続は、図3〜22Bの実施形態のものと類似であり、図20に図式的に例示されている。電源端子104a、測定端子104bおよび4個のセンサ端子104c〜fを含む。固有抵抗/抵抗測定は上述と同一または類似の様態で完了できる。図48〜51の実施形態における回路は図20に図示されたものと類似であるが、この実施形態は、図3〜22Bの実施形態のように並列の2個の固定抵抗器53、54ではなく、単一の固定抵抗器53だけを含む。さらに、図3〜22Bの実施形態における各センサ16は並列の5個の抵抗器と考えてよいが、図49〜51のセンサシステム712の各センサ16は、並列の3個の追加の抵抗器(接点740)と直列に配列された並列の2個の抵抗器(接点742)と考えてよい。別の実施形態において、図48〜51のセンサシステム712は、並列の2個の固定抵抗器またはここに述べたいずれかの他の抵抗器構成を有するべく配線され得る。ポート14に接続されたリード18が第2の層68だけに存在するので、層66、68間のいかなる経路50もこの実施形態では必要ないことが理解される。従って、図48〜51のセンサシステム712におけるスペーサ層67は、図3〜22Bのスペーサ層67のように穴38を含まなくてもよい。
インサート37は、ポリマー(例えばPET)フィルムに各種構成要素をデポジットすることによって製作され得る。一実施形態において、インサート37は、例えば(配電リード18A、経路50の導電部51、抵抗器53、54の内側および外側部分55、56などを含む)リード18のトレースパターンで印刷することによって、最初に各層66、68に導電性金属材料をデポジットすることにより形成される。その後、追加的なカーボン材料が、例えば印刷によって、各層66、68にデポジットされて、接点40、42、経路50の補強材60、抵抗器53、54のブリッジ57などを形成し得る。引き続き、任意の誘電部分といった、任意の追加の構成要素がデポジットされ得る。層66、68は、PETシートに印刷されてから、一実施形態において印刷後に外側周囲形状を形成するために切断され得る。
ポート14は、一つ以上の既知の様態で、センサ16によって収集されたデータの外部源泉への通信のために構成されている。一実施形態において、ポート14は、汎用的に読込可能なフォーマットでのデータ通信のために構成された汎用通信ポートである。図3〜22Bに図示された実施形態において、ポート14は、図3においてポート14に関連して図示された電子モジュール22との接続のためのインタフェース20を含む。さらに、この実施形態において、ポート14は、ミッドソール131の中央アーチまたは中足部の凹部135に配置される、電子モジュール22の挿入のためのハウジング24と関係づけられている。図7〜16に例示された通り、センサリード18は、ポート14に接続するために、それぞれの端子11で統合インタフェース20を形成するべく一緒に集まる。一実施形態において、統合インタフェースは、例えば複数の電気接点による、ポートインタフェース20とのセンサリード18の個別の接続を含み得る。別の実施形態において、センサリード18は、例えばプラグ形式インタフェースまたは別の構成といった、外部インタフェースを形成するために統合できる。さらなる実施形態において、センサリード18は非統合インタフェースを形成してもよく、各リード18は各自の別個の端子11を有する。同じく後述の通り、モジュール22はポートインタフェース20および/またはセンサリード18との接続のためのインタフェース23を有してもよい。
図3〜22Bに図示された実施形態において、インタフェース20は電気接点または端子11の形態をとる。一実施形態において、端子11は、ハウジング24のために設けられた穴27に層66、68の一方から拡張する舌状部または拡張部21に形成される。拡張部は単一の区域へのリード18の端を統合してインタフェース20を形成する。図3〜22Bの実施形態において、拡張部21は第2の層68から穴27に拡張し、ハウジング24内部で下方に曲げられて、ハウジング24内部に端子11を配置するとともにインタフェース20をハウジング24内部でアクセス可能にする。第2の層68はさらに、この実施形態において拡張部21の両側にスリット83を有し、拡張部21の長さを増大するとともに、拡張部21が下方に曲げられてハウジング24に下方に延在するのを可能にする。スリット83の丸められた端は、拡張部21のまわりの第2の層68の材料における亀裂および引裂きの形成および/または伝播に抵抗できる。拡張部21は、ハウジング24のフランジ28の下でリップ28の下のスロットまたは他の空間を通り抜けてハウジング24に達し得る。フランジ28が例えば図31〜32に図示された実施形態のように別個の部品である場合、拡張部21は、フランジ28が槽29に接続される前にフランジ28と槽29との間に挿入され得る。図3〜22Bに図示された実施形態において、拡張部21は、第2の層68と同じポリマーフィルム材料で形成され、第2の層68と一体にされる(例えば単一部品として形成される)。他の実施形態において、拡張部21は第1の層66から拡張してもよく、両方の層66、68に接続された部分を含んでもよく、および/または一方または両方の層に接続された別個の部品で形成されてもよい。
図3〜22Bおよび32に例示された拡張部21は、拡張部21の一部を強化するために拡張部に接続された強化材81を有する。この強化材81は、強度、剛性、摩耗抵抗その他の強化をもたらす多くの異なる材料から選択できる。例えば、強化材81は、例えばアクリル系インクその他のUV硬化性インクといった、流路71で層66、68間を絶縁するために使用される誘電材料80と同じ材料で形成され得る。図3〜22Bおよび32に例示された実施形態において、強化材81は、拡張部21の長さの途中で拡張部21の全幅を横切り延在する細長い帯片の形態である。この実施形態における拡張部21は第2の層68から穴27に拡張し、強化材81は拡張部21の上側に配置されてリード18の端間でそれらの上に延在する。強化材81は、一実施形態においてリード18の材料の剛性よりも大きい剛性を有してもよく、また別の実施形態において層66、68を形成するフィルム材料よりも大きい剛性を有してもよい。
図3〜22Bおよび32に例示された構成において、拡張部21は、上述の通り、凹部135およびハウジング24の中に下方に曲がり、ハウジング24内部に端子11を配置するとともにハウジング24内部でインタフェース20を形成する。図32に図示の通り、拡張部21は屈曲部84を有しており、そこで拡張部21はハウジング24の周縁部で下方に曲がりハウジング24の側壁25に沿って下方に延在する。屈曲部84は一般に直線状であり、拡張部21を横切って延在する。例示された実施形態において、強化材81は、強化材81の帯片が屈曲部84で拡張部21を横切って延在し屈曲部84と概ね平行であるように、拡張部21に配置される。一実施形態において、強化材81は、細長い矩形帯片として形成されており、強化材81が屈曲部84全体を覆うために十分な幅を有する。この位置において、強化材81はいくつかの機能を果たす。そうした一つの機能は、拡張部21の曲げに起因する損傷からリード18および/または拡張部21のフィルムを保護することである。そうした別の機能は、例えばその場所でハウジング24と擦れ合うことによる、屈曲部84での摩耗および摩滅からリード18および/または拡張部21のフィルムを保護することであるさらなるそうした機能は、拡張部21に剛性および/または強度を付加することである。強化材81の他の利益は当業者にとって明白である。他の実施形態において、強化材81は別様に配置、造形または構成されてもよく、または強化材81は、センサアセンブリ12の別の構成要素に強度、剛性、摩耗抵抗その他を付与するために異なる位置で追加的または代替的に使用できることが理解される。さらなる実施形態において、強化材81は使用しなくてもよく、または拡張部21の大部分を強化材81によって覆ってもよい。
ハウジング24は、インタフェース20とモジュール22との間の接続を確立するためのコネクタピンまたはスプリング(図示せず)といった接続構造を含み得る。一実施形態において、ポート14はインタフェース20を形成する電気コネクタ82を含み、ポート14は、上述し図32に図示の通り、端子11に個別に付着する接点を含み得る。コネクタ82は、クリンピング接続によって拡張部21および端子11に接続してもよい。この実施形態におけるインタフェース20は7個の端子を含む。4個の端子11は各々センサ16の1個に個別に接続され、1個の端子は測定端子(図20の104b)として働き、1個の端子11は回路10に電圧を印加する電源端子(図20の104a)として働く。上述の通り、電源端子は別の実施形態において接地端子として代わりに構成されてもよく、センサ端子(図20の104c〜f)が電源端子として構成される。図12に例示された通り、センサ16、リード18およびセンサシステム12の他の構成要素の配列は、左右の足のインサート37間で異なってもよく、センサ16は右のインサート37に比べて左のインサート37で異なる端子11に接続され得る。この実施形態において、最初の4個の端子11はやはりセンサ16との接続のために予約されており(潜在的に異なる順序ではあるが)、第5、第6および第7の端子11は左右両方のインサート37において同じ機能を保持している。この構成は他の実施形態において異なってもよい。別の実施形態において、モジュール22は左または右の靴100およびインサート37での使用に特定的に構成され得る。第7の端子は、一意の識別チップといった付属品の給電のために利用され得る。一実施形態において、第6および第7の端子11は拡張部21の端から延在する尾部21Aに拡張されている。付属品は、付属品に給電するために尾部21Aで2個の端子11間に接続され得る。付属品は、異方性接点形成によって尾部21Aに取付けられるメモリチップを備えた小型プリント回路板(PCB)を含み得る。一実施形態において、付属品チップは、通し番号といった履物品100を一意に識別する情報のほか、履物100が左または右の靴か、男性または女性の靴か、靴の特定の形式(例えばランニング、テニス、バスケットボールなど)その他の形式の情報といった、実体的情報を含み得る。この情報は、モジュール22によって読込まれ、以後、センサからのデータの分析、提示および/または編成において使用され得る。付属品は、例えばエポキシその他の材料によって、ハウジング24にシールされ得る。
ポート14は多様な異なる電子モジュール22との接続のために構成されており、それらはメモリ構成要素のように単純であるか(例えばフラッシュドライブ)、またはより複雑な特徴を含み得る。モジュール22は、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス、サーバなどのように複雑な構成要素であってもよいことが理解される。ポート14は、記憶、伝送および/または処理のためにセンサ16によって収集されたデータをモジュール22に送信するべく構成されている。一部の実施形態において、ポート14、センサ16および/またはセンサシステム12の他の構成要素は、データを処理するべく構成され得る。ポート14、センサ16および/またはセンサシステム12の他の構成要素は、外部装置110または複数のモジュール22および/または外部装置110に直接データを伝送するべく追加的または代替的に構成され得る。ポート14、センサ16および/またはセンサシステム12の他の構成要素はこれらの目的で適切なハードウェア、ソフトウェアなどを含み得ることが理解される。履物品におけるハウジングおよび電子モジュールの実施例は、ここに参照によって援用され本明細書の一部を成す、米国特許出願公開第2007/0260421号として公開された米国特許出願第11/416,458号に例示されている。ポート14は、電子端子11がモジュール22との接続のためのインタフェース20を形成して例示されているが、他の実施形態において、ポート14は一つ以上の追加的または代替的通信インタフェースを含んでもよい。例えば、ポート14は、USBポート、Firewireポート、16ピンポートその他の形式の物理的接触に基づく接続を含むか、もしくはそれらで構成されてもよいし、または、例えばWi−Fi、ブルートゥース、近距離場通信、RFID、ブルートゥースローエナジー、Zigbeeその他の無線通信技術のためのインタフェース、もしくは赤外線その他の光通信技術のためのインタフェースといった、無線または非接触通信インタフェースを含み得る。別の実施形態において、センサシステム12は、一つ以上のモジュール22または外部装置110との通信のために構成された複数のポート14を含み得る。この構成は単一の分散ポート14であると代替的に考えてもよい。例えば、センサ16の各々は、図61に例示されたセンサシステム812の実施形態のように、一つ以上の電子モジュール22との通信のための別個のポート14を有し得る。別個のポート14は上述の通り無線または非接触通信を用いた無線通信のために構成され得る。一実施形態において、各々のポート14はアンテナを備えたRFIDチップを含んでもよく、別の実施形態において、ポート(複数も)14は、ユーザの足からの情報をユーザの身体の他の位置に配置されたモジュール22へ送信する伝送システムとしてユーザの身体を利用し得る。この実施形態におけるポート14はリード18によってセンサ16と接続されており、図61における点線のリード18はインサート37の下層のリード18を表すことが理解される。ポート14は、種々の実施形態において、インサート37の層の間、インサート37の穴の内部または、インサート37の上方または下方に配置され得る。単一のポート14に接続された2以上のセンサの組合せにより、複数または分散ポート(複数も)14が使用できることが理解される。さらなる実施形態において、センサシステム12は、ここに述べた2以上の構成の組合せを含み得る、異なる構成を有する一つ以上のポート14を含み得る。
モジュール22は、後述の図6および23に図示の通り、外部装置110と接続して処理のためにデータを送信する1個または複数の通信インタフェースを有してもよい。そうしたインタフェースは上述の接触または非接触インタフェースのいずれかを含み得る。一実施例において、モジュール22は、コンピュータとの接続のための、および/またはモジュール22のバッテリを充電するための少なくともリトラクタブルUSB接続を含む。別の実施例において、モジュール22は、腕時計、携帯電話、可搬型音楽プレーヤなどといった、モバイルデバイスとの接触または非接触接続のために構成され得る。モジュール22は外部装置110との無線通信のために構成されてもよく、それによりデバイス22は履物100に配置できる。しかし、別の実施形態において、モジュール22は、例えば上述のリトラクタブルUSB接続によって、履物100から取外されてデータ転送のために外部装置110に直接接続されるべく構成できる。無線実施形態において、モジュール22は無線通信のためにアンテナと接続されてもよい。アンテナは、選択された無線通信方法に適切な送信周波数での使用のために造形、寸法設定および配置され得る。さらに、アンテナは、モジュール22内に内部的に、またはモジュールに外部的に配置できる。一実施例において、(リード18およびセンサ16の導電部といった)センサシステム12自体がアンテナを形成するために使用できよう。モジュール22はさらに、アンテナ受信を改善するべく設置、配置および/または構成でき、一実施形態においてユーザの身体の一部をアンテナとして使用できる。一実施形態において、モジュール22は履物100内部に永久的に取付けられるか、または代替的にユーザの任意選択で取外し可能であってもよく必要に応じて履物100に留置できる。さらに、以下でさらに説明するように、モジュール22は取外されて、センサ16からのデータを別の様態で収集および/または利用するべくプログラムおよび/または構成された別のモジュール22と取替えられ得る。モジュール22が履物100内部に永久的に取付けられる場合、センサシステム12はさらに、USBまたはFirewireポートといった、データ転送および/またはバッテリ充電を可能にする外部ポート(図示せず)を含んでもよい。モジュール22は接触および非接触通信両方のために構成できることが理解される。
ポート14は本発明を逸脱しなければ多様な位置に配置できるが、一実施形態において、ポート14はある位置および配向で設けられるか、および/または、例えば着用者が競技活動中といった、履物品100を履いている、および/または別様に使用している時に、着用者の足との接触および/またはその刺激を回避または最小限にするべく別様に構成される。図3〜4におけるポート14の配置はそうした一例を例示している。別の実施形態において、ポート14は靴100の踵または足背部の近傍に配置される。履物構造100の他の特徴は、着用者の足とポート14(またはポート14と接続された要素)との接触を低減または回避し、履物構造100の全体的な快適さを向上させるのを助け得る。例えば、上述の図3〜5に例示した通り、足接触部材133はポート14の上に被さり少なくとも部分的に覆い、それによって着用者の足とポート14との間に詰物の層を提供する。その間の接触を低減し、着用者の足のところのポート14のあらゆる望ましくない感覚を調整するための追加的特徴が使用され得る。必要に応じて、ポート14への開口は本発明を逸脱しなければ足接触部材133の上面を貫き設けられ得る。そうした作りは、例えば、ハウジング24、電子モジュール22およびポート14の他の特徴がユーザの足の感覚を調整する構造を含む、および/またはそうした材料から形成されている時、追加的な快適さ/感覚調整要素が設けられている時などに使用できる。添付図面に関連して上述した種々の特徴だけでなく、他の既知の方法および技術を含め、着用者の足とハウジング(またはハウジングに収容された要素)との接触を低減または回避し履物構造の全体的な快適さを改善するのを助ける種々の特徴のいずれも、この発明を逸脱しなければ設けることができる。
図62〜76は、インサート部材37により利用されるべく構成されたポート14の一実施形態のさらなる図を開示している。上述の類似の構造は同一または類似の参照数字で指示する。この実施形態および実施形態の変種を以下で詳述する。ここに検討し開示した通り、ポート14はモジュール22との動作可能な接続のためにインタフェース20を画成または支持する。モジュール22もまた以下でさらに詳述する。ポート14とモジュール22との間の動作可能な接続を通じて、センサアセンブリ12によって感知されたデータは、さらなる使用および分析のために取得、保存および/または処理され得る。
図62〜64から了解される通り、ポート14は一般にインサートアセンブリ37の中央部分で支持される。ポート14は一般にインタフェースアセンブリ156を支持するハウジング24を含む。以下でさらに詳述するように、インタフェースアセンブリ156はインサート部材37のその上にリード11を有する拡張部21と動作可能に接続されている。そうした接続により、インタフェース20はモジュール22のインタフェース23とのさらなる動作可能な接続のために確立される。
さらに、図65〜67に図示の通り、この実施形態におけるハウジング24はベース部材140およびカバー部材142を含む。ベース部材140は、側壁25および底壁26を画成する槽29に上述の通り対応し得る。ベース部材140の第1の端はインサート部材37の拡張部21を受入れる概ね方形の構成を有する。ベース部材140の第2の端は丸められた構成を有する。ベース部材140は第1の部分144および第2の部分146を画成する。第1の部分144は一般に形状が一致しモジュール22を受入れるために必要な寸法にされており、第2の部分146はインタフェースアセンブリ156を受入れ支持するために必要な寸法にされている。第2の部分146はさらに、互いに連通している第1の横スロット148および第2の横スロット150を有する。第1の横スロット148は、第2の横スロット150よりも幅広く延在し大きくてもよい。ハウジング24はさらに、モジュール22をハウジング24に保持するために第2の端に突出部151を画成する。指掛け凹部29Aは一般に突出部151の近傍に配置される。ベース部材140はさらにカバー部材142との協働のために一対の受け具152を有する。
さらに図66〜67に図示の通り、カバー部材142はモジュール22を受入れるために必要な寸法にされた中心開口153を有する。カバー部材142はさらに第1の端に梁部材154を有し、カバー部材142の第2の端は丸められた構成を有する。梁部材154は、後述の通りベース部材140に接続された時に第1の部分144の一部の上方に張り出す。カバー部材142の下面には、後述の通りベース部材140の受け具152と協働する一対の垂下支柱155を有する。カバー部材142の外周はリップまたはフランジ28を画成する。例示的実施形態において、カバー部材142は、ハウジング24の側壁25を協働して画成する垂下壁を有し得る。そうした構成において、ベース部材140はカバー部材142の垂下壁を受入れるために側壁にレッジを画成し得る。
図68〜71はさらにインタフェースアセンブリ156の構成要素を図示している。インタフェースアセンブリ156は、図32に関して略述したような電気コネクタ82を支持するキャリヤ157を有する。電気コネクタ82は各々、モジュール22の対応する接点と協働する、キャリヤ157によって弾力的に支持された接点を画成する末端を有する。電気コネクタ82は、キャリヤ157のまわりに屈曲を有し、その上に複数のフィンガ158を有する近位端を有する。一実施形態において、4個のフィンガ158が各コネクタ82と関係づけられており、フィンガ158は花弁配列で配置され得る。以下でさらに詳細に説明するように、インタフェースアセンブリ156はフィラー材料159またはポッティングコンパウンド159をさらに含み得る。また、図69に図示の通り、コネクタの端82Aはインサート部材37の拡張部21との接続前に所定の位置で折り取られることが理解される。
図72〜73に図示の通り、インタフェースアセンブリ156は、拡張部21と動作可能に接続される。拡張部21は、その上にインサート部材37のリード11を有する。そのために、フィンガ158は、リード11とコネクタ82との間の係合が存在する位置で拡張部21と接続される。この係合は図72に見られそこから了解できるとともに、図32からも理解できる。例示的実施形態において、フィンガ158は拡張部21を通り突出し、各々の複数のフィンガ158は拡張部21を通り延在し円周様態で係合する。さらに図72に図示されたように、尾部21Aは拡張部21の後側に隣接して配置されるべくさらに折り曲げられ得ることが理解される。検討した通り、第6および第7のコネクタを有する尾部21Aは、PCB部材90を有し、それは前述の通り機能するべく接続された一意の識別チップであってもよい。拡張部21およびキャリヤ157は、インサート部材37の上部平坦面から垂下するべく配置されることが理解される。さらに図74に図示の通り、キャリヤ157はハウジング24のベース部材140の第1の横スロット148に配置される。キャリヤ157は第1の横スロット148にぴったり嵌合し保持されるために必要な寸法にされる。コネクタ82はハウジング24によって画成される第1の部分144に向いている。図75〜76から了解できるように、フィラー材料159またはポッティングコンパウンド159は、第2の横スロット150の近傍のベース部材140の開口150A(図65)を通じて第2の横スロット150に注入できることが理解される。ポッティングコンパウンド159は、例示的実施形態において熱硬化性プラスチックであってもよく、または一つ以上の他の材料とすることもできよう。ポッティングコンパウンド159は、第2の横スロット150を埋めてその区域のまわりに延在し、拡張部21はキャリヤ157によって保持されたコネクタ82と接続され、こうして保護接続をもたらす。一実施形態において、ポッティングコンパウンド159は、拡張部21とポート14との間の接続を増強するために所望の量の柔軟性を維持する。ポッティングコンパウンド159は、やはり湿気の侵入および腐食性薬剤に抵抗しつつ、衝撃および振動に抵抗できる。さらに、ベース部材140はインサート部材37に配置され、受け具152はインサート部材37を通る対応する開口28Bと位置合わせされることが理解される。カバー部材142はインサート部材37の上面に配置され、垂下支柱155は受け具152に嵌入する(図62〜67)。カバー部材142をベース部材140に接続するために超音波溶接作業が実行される。この接続は図31に図示の通り釘28Aの接続と類似である。スナップ嵌め接続その他の機械的接続を含め、カバー部材142をベース部材140に接続するための他の接続技術が他の実施形態において利用できる。梁部材154がインタフェース20の上に延在し、コネクタ82はハウジング24の中で保護されることが理解される。この構成は、ここに述べた通り、インサート部材37との、そしてモジュール22とのさらなる動作可能な接続のための、ポート14の頑強な接続をもたらす。
図77〜90は、モジュール22の一実施形態のさらなる図および特徴を開示しており、それは以下でさらに詳述する。前述の通り、モジュール22は、ポート14によって受入れられそれと動作可能に接続されて、センサアセンブリ12から受信されたデータを収集、保存および/または処理する。モジュール22はそうした目的で、プリント回路板、電源、ライト部材、インタフェースおよび、多軸加速度計、ジャイロスコープおよび/または磁力計を含む種々の形式のセンサを含むがこれらに限らない、種々の構成要素を収容することが理解される。
モジュール22は一般に、インタフェース23を支持するハウジング170を含む。インタフェース23は、ポート14のインタフェース20との協働のために接点を形成する電気コネクタを有する。以下でさらに詳細に説明するように、モジュール22のインタフェース23と関係する接点は、それらが湿気の侵入から保護される密封構成にあるように形成される。モジュール22はさらに、照明時にだけ視覚的に知覚できるデッドフロント型LEDライトインジケータを有する。最後に、モジュール22はモジュール22の動作を増強する独自のグランドプレーンエクステンダを利用している。
図79〜83に図示の通り、モジュール22のハウジング170はインタフェースアセンブリ171を支持する。インタフェースアセンブリ171は、複数のコネクタ172およびモジュールキャリヤ173を有する。コネクタ172は各々、モジュール22のインタフェース23を集合的に画成する接点を形成する末端を有する。コネクタ172は、モジュールキャリヤ173を画成するために材料がコネクタ172のまわりで形成されるようにインサート成形されることが理解される。また、コネクタ172の部分172A(図79)はさらなる動作可能な接続のために適切な長さでコネクタ172を配置するために所定の位置で折り取られることも理解される。ハウジング170は一般に、外側ベース部材175および内側ベース部材176を有するモジュールベース部材174を有する。ハウジング170はさらに、外側トップ部材178および内側トップ部材179を有するモジュールトップ部材177を有する。モジュールベース部材175、176、モジュールトップ部材178、179およびインタフェースアセンブリ171は、コネクタ172のまわりで密封構成をもたらすために協働する。コネクタ172はオーバーモールド成形構成を有するとみなしてよい。これらの構成要素もまた内部空洞を形成しており、ハウジング170は、コネクタ172に動作可能に接続されたプリント回路板180を含む内部構成要素を支持する。
上述の通り、コネクタ172はインサート成形され、モジュールキャリヤ173はコネクタ172のまわりに形成される。外側ベース部材175は例えば射出成形プロセスにより形成され開放端を画成することが理解される。そうしたプロセスにおいて、コネクタ172は射出成形プロセスに関係する圧力に耐えるために型で十分に支持され得る。インタフェースアセンブリ171および外側ベース部材175は型に配置され、インタフェースアセンブリ171は開放端に配置されて外側ベース部材175によって支持される。さらなる射出成形プロセスにおいて、追加の材料が型に注入されて内側ベース部材176を形成する。内側ベース部材176は、モジュールキャリヤ173およびコネクタ172の末端のまわりで、さらに外側ベース部材175の表面に接して形成される。内部空洞が内側ベース部材176によって画成され、プリント回路板180は既知の通りその中に支持される。コネクタ172はプリント回路板180と動作可能に接続されることが理解される。さらにモジュール22の他の構成要素も内部空洞に支持されることが理解される。以下でさらに詳細に説明するように、コネクタ172はオーバーモールド成形プロセスから密封様式で構成される。
内側トップ部材179および外側トップ部材178を含む図85〜86および89〜90に図示されたモジュールトップ部材177もまた、一実施形態において射出技術を用いて形成され得る。図88に図示の通り、内側トップ部材179はそれを貫く開口181を有する。外側トップ部材178は一般に平面部材である。内側トップ部材179はベース部材174の上に配置され、外側トップ部材178は内側トップ部材179の上に配置される。トップ部材177はモジュール22の内部構成要素を入れるためにベース部材175と接続される。
この構造的構成により、コネクタ172は起こり得る湿気の侵入を防ぐためにシールされる。図84に図示の通り、キャリヤ173は一般にコネクタ172の内面でコネクタ172と面対面係合している。加えて、内側ベース部材176は一般にコネクタ172の外面でコネクタ172のまわりに配置される。内側ベース部材176はさらに、外側ベース部材175によって画成される係合面183に当接し係合する係合面182を有する。さらに図84に図示の通り、そうした構成により、仮想線Lによって表現された曲折経路が画成される。そうした曲折経路Lは湿気の侵入の可能性を最小限にする。例えば、ユーザは、使用中、ポート14およびモジュール22を潜在的に湿気にさらす水たまりを走り抜けることがある。例示的実施形態において、コネクタ172は5気圧(ATM)までシールされると考えられる。結合材料(例えば接着剤)が、例えば図84における一方または両方の点Pといった、曲折経路Lの近傍でモジュールキャリヤ173と内側ベース部材176との間に利用できる。
モジュール22はポート14に受入れられることが理解される。モジュール22の前端は中心開口153を通り第1の部分144に挿入される。モジュール22は、第1の部分144と大きさが概ね一致するために必要な寸法にされ、締まり嵌めする。そうした構成において、モジュール22のインタフェース23はポート14のインタフェース20と動作可能に係合し、インタフェース20、23のそれぞれの接点は面対面で接触する。このように、その構成はモジュール22のインタフェース23がポート14のインタフェース20に押しつけられるようなものである。モジュール22はハウジング24の突出部151を受入れる後面に凹部184を有し、スナップ接続によってモジュール22をポート14に保持するうえで助ける。ユーザは、指掛け凹部29Aの助けによりモジュール22にアクセスすることによってポートからモジュール22を容易に取外すことができる。このように、モジュール22はポート14に容易に挿入でき、例えば充電またはデータ転送のために必要な時に、またはある用途のモジュール22を異なる用途の異なる形式のモジュールと取替えるか、もしくは電力が消耗したモジュール22を新たに充電されたモジュール22と取替える時に、ポート14から取外すことができる。
図85〜90に図示の通り、モジュール22は、照明されたマークをユーザに提示するためにライトアセンブリ185を備える。ライトアセンブリ185はプリント回路板180と動作可能に接続されている。ライトアセンブリ185は一般にライト部材186および光ファイバ187を含む。ライト部材186は例示的実施形態においてLEDライト部材であるが、他のライト部材を使用できる。ライト部材186は円弧状部分188を有し、例えば、例示的実施形態において水平方向であってもよい矢線A1によって示された第1の方向で光を投射するべく構成される。ライト部材186は側面発光LEDであると考えてよい。光ファイバ187は、第1の方向で構成された第1の通路190を画成する第1の部分189を有する。第1の部分189は、ライト部材186から可能な限り多くの光を捕捉するためにライト部材186の円弧状部分188に概ね一致しそれを受入れる凹設部を有する。このように、第1の部分189はライト部材186の円弧状部分188と対面関係にあり、ライト部材186を部分的に包囲する。図に示された通り、光ファイバ187は、光をより大きい領域に拡散するのを助ける幾何形状を有し、それゆえ光を弧に沿って拡散する。光ファイバ187はさらに、第2の方向で構成された第2の通路192を画成する第2の部分191を有する。第2の通路192は、ある角度で上方に延在し、それゆえ第1の方向とは異なる。一つの例示的実施形態において、第2の部分191は、光の反射を増強するべく決定された約45°の角度で傾斜している。第2の通路192は、内側トップ部材179の開口181の近傍に配置された末端を有する。光ファイバ187は、例えば光ファイバを射出成形する前に薬剤を樹脂に添加することによって、分散剤で処理してもよい。ライト部材186および光ファイバ187が対面関係で構成されるので、構成要素は最小限のフットプリントを実現し、それはモジュール22に画成される限られた面積のために有益である。動作時、ライト部材186はプリント回路板180を通じて要求通り点灯する。光は矢線A1によって示された方向で投射される。光はまた、光ファイバ187の形状に基づいて円弧状構成で投射される。光はこれらの方向で第1の通路190に投射される。光ファイバ187は光を上方に矢線A2の方向で第2の通路192に方向づける。光が初めに側面発光LEDから投射されると、光は方向A1から第2の通路192に向けて傾斜方向に移る。光は引き続き方向A2で開口181を通過し、外側トップ部材178を通じて光る。光ファイバ187の幾何形状は、図示の通り極めて短い経路長で光を均一に分散させるべく仕立てられている。光ファイバ187で使用される分散剤は、光をより均一に拡散するのを助け、それゆえライト部材186からの光の集中を最小限にする。関係する短い経路長のために、LEDライト部材186は特定の区域でより集中した明るさを有する光を投射できる。本設計により、光はより均一に拡散および反射し、開口181にわたって限られた光勾配が存在する。開口181の上に配置された外側トップ部材178は、所望の半透明を付与する材料の厚さおよび着色剤添加で構成されている。従って、図90および91から了解できるように、ライト部材186が照明されていない時、ユーザはLEDがモジュール22に存在することを見つけられず、それゆえ空または「デッドフロント」外観をもたらす。ライト部材186が点灯すると、光は矢線A1に沿って、そして矢線A2に沿って上方に、そして図91で指示LTにより示された通り開口181および外側トップ部材178を通り方向づけられる。光ファイバ187およびトップ部材の幾何形状および処理により、光はより増強された様態で反射され、トップ部材を通じて輝く光の領域全体にわたり均一に分散した光をもたらす。光をより増強された様態で反射するために追加的構造を追加することもできよう。例えば、光ファイバ187は光反射を増強する表面テクスチャを備えることもできる。光ファイバ187の傾斜壁その他の表面は、光反射の所望の変化を実現するために、塗装するか、またはその上に粘着性物質を適用することもできる。ライト部材186は複数の色で光を投射できることが理解される。ライト部材186は、モジュール22のバッテリ寿命を含む各種パラメータを示すマークを提示する。
ここに述べたポート14およびモジュール22の作りは、滑り嵌めをもたらす。その構成は水密構成をもたらし湿気の侵入に抵抗する。これらの特性は、ポート14およびモジュール22の間の動作可能な接続を維持しながら実現される。インタフェースアセンブリのフィンガ158もまた、フィンガと拡張部との間の係合位置が最大化されるので、インサート部材37の拡張部21との頑強な接続をもたらす。フィラー材料159は、十分な柔軟性および耐腐食性を付与するために所望の硬さを有するべく選択される。一つの例示的実施形態において、フィラー材料159は30以下のショアー硬度計タイプAスケールを有してもよい。フィラー材料159は拡張部21とインタフェースアセンブリ156との間の接続のまわりに保護をもたらす。ハウジングおよびインサート部材37の受け具/支柱接続はさらに、インサート部材37に応力除去をもたらしてインサート部材37が使用中に引裂ける可能性を最小限にする。
図91〜94は、モジュール22と関係するグランドプレーンエクステンダに関する追加的特徴を開示している。詳しくは、さらなる態様はモジュール22といった一つ以上の電子装置のPCBの層の表面積を最大化することに関する。特定の態様はPCBのグランドプレーン層の表面積を増大することに関する。図91は、例示PCB1002の斜視上面図を示しており、それは、プロセッサ、コンデンサ、ダイオード、抵抗器および/またはその組合せを含むがこれらに限らず、電気通信している一つ以上の構成要素を備えてもよい。PCB1002は水平軸(「x」軸)にわたって平坦であると図示されているが、当業者はPCB1002(または有効な通信状態にある複数の個別のPCB)が非平面構造を形成するべく構成され得ることを了解するはずである。PCB1002はさらに、例えば銅といった導電性材料で形成されるグランドプレーン層(1004参照)を備える。図91に図示の通り、グランドプレーン層1004の見える部分はPCB1002の周囲に配置されているが、層1004の部分はPCB1002の他の部分に配設および/または接続され得る。
特定の実施形態において、PCB1002の少なくとも一つの構成要素は、例えばバッテリ(図91〜93には図示されていないが図94に図示)といった可搬型電源と有効に通信するよう構成可能である。PCB1002は、バッテリその他の形式の可搬型電源のための限定的な寸法を有する可搬型装置内部での設置のために構成され得る。可搬型装置の前述の寸法上の制限のために、バッテリはたいてい小型であり、そうしたものは充電間の限定的なサービス時間および/または限られた放電率を有してもよい。一実施形態によれば、PCB1002はバッテリ空間1006といった空間を備えてもよい。図91に図示の通り、バッテリ空間1006は、PCB1002に隣接した電源の設置を可能にするPCB1002のxおよびz平面に沿った区域よりなる。PCB1002は、バッテリ空間1002を創成する寸法に製造されるか、または一つ以上のバッテリ空間を形成するために(例えば交番する厚さのスナップ領域および/または区域によって)変更されるべく構成され得る。これに関して、例示的な空間はバッテリ空間であるが、当業者は、この開示がバッテリを収容または配置するべく構成されたそれらの区域および/または空間だけに限定されないことを了解するであろう。
PCB1002のバッテリ空間1006はPCB1002の部分が三辺で接したスロット構成として図示されているが、当業者は、PCB1002の形状、大きさおよび/または構成が単に例示的であって他の形状がこの開示の範囲内であることを容易に了解するはずである。バッテリ空間1006の厳密な形状および大きさは、その意図された使用によって指示されてもよく、この開示によって限定されない。従って、バッテリ空間1006の唯一の要件は、同じ平面に沿った、かつPCB1002に隣接した電源の設置を可能にするためにPCB1002の水平面に沿った(例えばx軸に沿った)区域を含むことである。PCB1002の側面図を示す図94に図示の通り、バッテリ1008といったバッテリはPCB1002の水平面(x軸)に沿って配置され得る。バッテリ1008がバッテリ空間1006内部で面積を占めるので、PCB1002の表面積は、バッテリ空間1008といった空間を持たないPCBに比べて最小化されるが、その代わりに同じ点に位置するグランドプレーン層1004のより大きい面積を含む。
特定の実施形態によれば、グランドプレーンエクステンダ(例えば1010参照)がPCB1002のグランドプレーン層1004と電子的に接続され得る。図92は、一実施形態に従った例示グランドプレーンエクステンダ1010を示す。グランドプレーンエクステンダ1010は、グランドプレーン層1004の表面積を効果的に増大する任意の材料で形成され得る。一実施形態において、グランドプレーンエクステンダは銅および/またはアルミニウムよりなり得るが、さらなる実施形態において、グランドプレーンエクステンダ1010の少なくとも一部には任意の導電性材料が利用できる。一つ以上のコネクタ1012が、導電性接着剤、ソルダリング、パススルーソルダリング、溶接、スナップイン接続、およびそれらの組合せのいずれかによって、エクステンダ1010とグランドプレーン層1004との間の接触(および/または位置合わせ)を可能にするために利用できる。図92に図示の通り、エクステンダ1010は、バッテリ1008の1側面(例えば上部)に隣接して設置できるとともに、水平(x)軸に沿ってPCB1002とほぼ平行であり、従ってそれと平面である上部領域(例えば1014)といった部分を備えてもよい。例えば、エクステンダ1010は、PCB1002に有効に接続し、そこから上部領域1016に及ぶ垂直リッジ1016を備え得る。上部領域1016は、バッテリ1008を含む周囲の構成要素からの熱交換を可能にし得る一つ以上の開口1018を備えてもよい。
図94に見られるように、エクステンダ1010はバッテリ1008の第1の側面(例えば上側)に隣接し、PCB1002と電子的に接続されて示されており、アンテナ1020がバッテリ1008の反対側(例えば底面)に隣接して配置される。図94の例示実施形態において、グランドプレーンエクステンダ1010およびアンテナ1020はまたPCB1002および互いと平行な構成である。従って、少なくとも一実施形態において、可搬型装置は3層を備えてもよく、それらはエクステンダ1010といったグランドプレーンエクステンダを含む第1の層、バッテリの少なくとも一部がグランドプレーンエクステンダと有効に接続されたPCBと同じ平面にあるように配置されたバッテリを含む第2の層および、アンテナ1020などのアンテナを含む第3の層である。例示的実施形態において、それらの層は垂直に配置されるが、他の配列もこの開示の範囲内である。これに関して、特に明記しない限り、各々の層は隣接する層の隣接する表面と直接物理的接触している必要はない。例えば、アンテナ1020がバッテリ1008の隣接する表面と直接物理的接触している必要はない。
図6は、この発明の少なくとも一部の実施例に従って使用され得る、データ送信/受信システム107によるデータ送信/受信能力を含む例示電子モジュール22の概略図を示している。図6の例示構造は電子モジュール構造22に組込まれるようにデータ送信/受信システム(TX−RX)107を例示しているが、当業者は、別個の構成要素がデータ送信/受信目的で履物構造100その他の構造の一部として含まれ得ること、および/またはデータ送信/受信システム107が本発明の全部の実施例において単一のハウジングまたは単一のパッケージに完全に収容される必要はないことを了解するはずである。むしろ、必要に応じて、データ送信/受信システム107の種々の構成要素または要素は、異なるハウジングに、異なるボードに、互いに分離されていてよく、および/または、この発明を逸脱しなければ多様な異なる様態で、履物品100または他の装置と別個に係合し得る。種々の可能な取付構造の各種実施例は以下でさらに詳述する。
図6の実施例において、電子構成要素22は、一つ以上の遠隔システムにデータを送信し、および/またはそれからデータを受信するためにデータ送信/受信要素107を含み得る。一実施形態において、送信/受信要素107は、例えば上述の接触または非接触インタフェースによって、ポート14による通信のために構成されている。図6に図示された実施形態において、モジュール22はポート14および/またはセンサ16との接続のために構成されたインタフェース23を含む。図6に例示されたモジュール22において、インタフェース23は、ポート14と接続するために、ポート14のインタフェース20の端子11と相補的である接点を有する。他の実施形態において、上述の通り、ポート14およびモジュール22は、接触式または無線であってもよい異なる形式のインタフェース20、23を含み得る。一部の実施形態において、モジュール22はTX−RX要素107によってポート14および/またはセンサ16とインタフェースできることが理解される。従って、一実施形態において、モジュール22は履物100の外部であってもよく、ポート14はモジュール22との通信のために無線送信器インタフェースを備えてもよい。この実施例の電子構成要素22はさらに、処理システム202(例えば一つ以上のマイクロプロセッサ)、メモリシステム204および電源206(例えばバッテリその他の電源)を含む。一実施形態において、電源206は、例えばコイルその他の誘導性部材を包含することによって、誘導性充電のために構成され得る。この構成において、モジュール22は、履物品100を誘導性パッドその他の誘導性充電器に置くことによって充電でき、ポート14からのモジュール22の取外しを要さずに充電を可能にする。別の実施形態において、電源206はエナジーハーベスティング技術を用いた充電のために追加的または代替的に構成してもよく、例えばユーザの動きによる運動エネルギーの吸収によって電源206を充電する充電器といった、エナジーハーベスティングのための装置を含み得る。
一つ以上のセンサとの接続は図6に図示の通り完成できるが、万歩計形式速度および/または距離情報、他の速度および/または距離データセンサ情報、温度、高度、気圧、湿度、GPSデータ、加速度計出力またはデータ、心拍数、脈拍数、血圧、体温、EKGデータ、EEGデータ、(ジャイロスコープに基づくセンサといった)角度方向および角度方向の変化に関するデータなどを含む、例えば履物品100の使用またはユーザに関係する物理的または生理的データといった、多種多様な異なる形式のパラメータに関するデータまたは情報を感知または提供するために追加的センサ(図示せず)を設けてもよい。そしてこのデータは、メモリ204に保存されるか、および/または例えばいずれかの遠隔ロケーションまたはシステムへの送信/受信システム107による送信に利用可能にされ得る。存在する場合、追加的センサ(複数も)はまた、(例えばステップの間の方向変化を感知するために、万歩計形式速度および/または距離情報のために、ジャンプ高さを感知するために、等々)加速度計を含み得る。一実施形態において、モジュール22は加速度計といった追加的センサ208を含んでもよく、センサ16からのデータは、例えばモジュール22または外部装置110によって、加速度計208からのデータと統合され得る。
追加的実施例として、上述の種々の形式の電子モジュール、システムおよび方法は、履物品のための自動衝撃減衰制御を提供するために使用され得る。そうしたシステムおよび方法は、例えば、米国特許第6430843号、米国特許出願公開第2003/0009913号および米国特許出願公開第2004/0177531号に記載のもののように動作してもよく、それらは、履物品の衝撃減衰特徴を能動的および/または動的に制御するためのシステムおよび方法を記載している(米国特許第6430843号、米国特許出願公開第2003/0009913号および米国特許出願公開第2004/0177531号は各々、参照によって全体として本書に援用され本書の一部を成す)。速度および/または距離形式情報を提供するために使用される場合、米国特許第5724265号、第5955667号、第6018705号、第6052654号、第6876947号および第6882955号に記載された形式の感知ユニット、アルゴリズムおよび/またはシステムが使用され得る。これらの特許は各々、参照によって全体として本書に援用される。センサおよびセンサシステムのほか、履物品ならびにソール構造および同物を利用する部材の追加的実施形態は、米国特許出願公開第2010/0063778号および第2010/0063779号に記載されており、これらの出願は参照によって全体として本書に援用され本書の一部を成す。
電子モジュール22はまた起動システム(図示せず)を含み得る。起動システムまたはその部分は、電子モジュール22の他の部分と一緒に、またはそれらとは別個にモジュール22または履物品100(または他の装置)と係合してもよい。起動システムは、電子モジュール22および/または電子モジュール22の少なくとも一部の機能(例えばデータ送信/受信器能など)を選択的にアクティブ化するために使用され得る。多種多様な異なる起動システムがこの発明を逸脱しなければ使用でき、多様なそうしたシステムは種々の含まれた図に関して以下でさらに詳細に説明する。一実施例において、センサシステム12は、例えば連続的または交番するつま先/踵のタップといった、特定のパターンでセンサ16をアクティブ化することによってアクティブ化および/または非アクティブ化され得る。別の実施例において、センサシステム12はボタンまたはスイッチによってアクティブ化してもよく、それらはモジュール22、靴100または、センサシステム12と通信している外部装置のほか、他の位置にも配置できる。これらの実施形態のいずれにおいても、センサシステム12は「スリープ」モードを含んでもよく、それは設定した不作動期間の後システム12を非アクティブ化できる。代替実施形態において、センサシステム12はアクティブ化または非アクティブ化しない低電力装置として動作してもよい。
モジュール22はさらに、図23に図示の通り、外部コンピュータまたはコンピュータシステム、モバイルデバイス、ゲームシステムまたは他の形式の電子装置であり得る外部装置110との通信のために構成され得る。図23に図示された例示的外部装置110は、プロセッサ302、メモリ304、電源306、ディスプレイ308、ユーザ入力310およびデータ送信/受信システム108を含む。送信/受信システム108は、上述した接触および非接触通信方法を含む任意の形式の既知の電子通信によって、モジュール22の送信/受信システム107によるモジュール22との通信のために構成されている。モジュール22および/またはポート14は、複数の外部装置との通信のために構成され得ることが理解される。これら複数の外部装置は、多種多様な異なる形式および構成の電子装置を含むとともに、別の外部装置に情報を渡すために機能し当該データをさらに処理してもしなくてもよい中間装置を含む。さらに、モジュール22の送信/受信システム107は複数の異なる形式の電子通信のために構成され得る。さらに、靴100は、バッテリ、圧電性、ソーラー電源その他といった、必要に応じてセンサ16を動作させる別個の電源を含み得ることが理解される。図3〜22Bの実施形態において、センサ16はモジュール22との接続を通じて電力を受ける。
後述の通り、そうしたセンサアセンブリは、電子モジュール22および/または外部装置110のための特定のソフトウェアとの使用のためにカスタマイズできる。カスタマイズされたセンサアセンブリを有するソールインサートと一緒にそうしたソフトウェアをパッケージとしてサードパーティが提供し得る。モジュール22および/または全センサシステム12は、モジュール、外部装置110または別の構成要素によって保存および/または実行されるアルゴリズムを含む、センサ16から得られたデータの分析のための一つ以上のアルゴリズムと協働し得る。
動作時、センサ16は、各自の機能および設計に従ってデータを収集し、データをポート14に送信する。ポート14は引き続き、電子モジュール22がセンサ16とインタフェースし、データを以後の使用および/または処理のために収集するのを可能にする。一実施形態において、データは汎用的に読込可能なフォーマットで収集、保存および送信されるので、データは、複数のユーザによって、多様な異なるアプリケーションにより、種々の異なる目的での使用のために、アクセスおよび/またはダウンロードできる。一実施例において、データはXMLフォーマットで収集、保存および送信される。一実施形態において、モジュール22は、現在切り換えられた特定のセンサ16の抵抗の変化を表す、測定端子104bにおける電圧降下を測定することによって、図20に図示の通り回路10を利用してセンサ16の圧力変化を検出する。図27は、センサ16の圧力−抵抗曲線の一例を例示しており、点線はインサート37の曲げといった要因による起こり得る曲線のシフトを例示している。モジュール22は起動抵抗RAを有してもよく、それはモジュール22がセンサへの圧力を記録するために必要な検出された抵抗である。そうした抵抗を生じる対応する圧力は起動圧力PAとして知られる。起動抵抗RAは、モジュール22がデータを記録することが望まれる特定の起動圧力PAに対応するべく選定され得る。一実施形態において、起動圧力PAは、約0.15バール、約0.2バールまたは約0.25バールであってもよく、対応する起動抵抗RAは約100kΩであってもよい。さらに、一実施形態において、最も高い感度範囲は150〜1500ミリバールであってもよい。一実施形態において、図3〜22Bに図示の通り製作されたセンサシステム12は、0.1〜7.0バール(または約0.1〜7.0気圧)の範囲の圧力を検出でき、別の実施形態において、センサシステム12はこの範囲を超える圧力を高感度で検出できる。
種々の実施形態において、センサシステム12は種々の形式のデータを収集するべく構成され得る。一実施形態(上述した)において、センサ(複数も)16は、圧縮の数、順序および/または頻度に関するデータを収集できる。例えば、システム12は、履物品100を着用している間に受けたステップ、ジャンプ、カット、キックその他の圧縮力の数または頻度のほか、接触時間および滞空時間といった他のパラメータを記録できる。量的センサおよびバイナリ・オン/オフ形式センサは両方ともこのデータを収集できる。別の実施例において、システムは、履物によって受けた圧縮力の順序を記録でき、それは例えば足の回内運動または回外運動、体重移動、足の接地パターンの決定、またはそうした用途の目的で使用できる。別の実施形態(同じく上述した)において、センサ(複数も)16は、靴100の隣接部分での圧縮力を量的に測定でき、従ってデータは量的圧縮力および/または衝撃測定値を含み得る。靴100の異なる部分での力の相対的差違は、靴100の体重分布および「圧力中心」を決定する際に利用できる。体重分布および/または圧力中心は、例えば人の身体全体の圧力中心または体重分布の中心を見つけるために、靴100の一方または両方について独立に計算できるか、または両方の靴にわたって一緒に計算され得る。さらなる実施形態において、センサ(複数も)16は、圧縮力、接触時間、滞空時間または衝撃間の時間(例えばジャンプまたはランニングの)の変化率および/または他の時間従属パラメータを測定できる。いずれの実施形態においても、センサ16は、上述の通り、力/衝撃を記録する前に特定のしきい値力または衝撃を要求し得ることが理解される。
上述の通り、データは汎用的に読込可能なフォーマットで汎用ポート14を通じてモジュール22に供給され、それによりデータを使用できる用途、ユーザおよびプログラムの数はほとんど無制限である。従って、ポート14およびモジュール22はユーザによる要求通り構成および/またはプログラムされ、ポート14およびモジュール22はセンサシステム12から入力データを受取り、そのデータは種々の用途に要求される任意の様態で使用できる。モジュール22は、例えばここに述べた通り一意の識別チップ92の使用によって、受信されたデータが左または右の靴に関連するかを認識できる。モジュール22は、左右の靴の識別に従って別様にデータを処理し、またデータが左右の靴からのものであるという識別とともにデータを外部装置110に送信し得る。外部装置110も同様に、同じく左右の靴の識別に基づいてデータを処理しまたは別様に取扱いし得る。一実施例において、端子11およびインタフェース20とのセンサ16の接続は、図12に図示し上記で検討した通り、左右のインサート37間で異なり得る。左のインサート37からのデータは、この配列に従って右のインサート37からのデータとは別様に解釈され得る。モジュール22および/または電子装置110は、一意の識別チップ92に含まれた他の識別情報に関して類似の動作を実行し得る。多くの用途において、データは使用前にモジュール22および/または外部装置110によってさらに処理される。外部装置110がデータをさらに処理する構成において、モジュール22はデータを外部装置110に送信してもよい。この送信データは同じ汎用的に読込可能なフォーマットで送信されるか、または別のフォーマットで送信されてもよく、モジュール22はデータのフォーマットを変更するべく構成され得る。さらに、モジュール22は、一つ以上の特定の用途での使用のためにセンサ16からのデータを収集、利用および/または処理するべく構成および/またはプログラムできる。一実施形態において、モジュール22は複数の用途での使用のためにデータを収集、利用および/または処理するべく構成される。そうした使用および用途の例は以下に示される。ここで使用する限り、用語「用途」は一般にある特定の使用を指しており、必ずしもその用語がコンピュータ技術において使用されるようにコンピュータプログラムアプリケーションにおける使用を指すわけではない。それにもかかわらず、ある特定の用途がコンピュータプログラムアプリケーションにおいて全体的または部分的に具体化され得る。
さらに、一実施形態において、モジュール22は、履物品100から取外すことができ、第1のモジュール22とは別様に動作するべく構成された第2のモジュール22と交換できる。例えば、交換は、足接触部材133を持ち上げて、第1のモジュール22をポート14から分離し第1のモジュール22をハウジング24から取外した後、第2のモジュール22をハウジング24に挿入し第2のモジュール22をポート14に接続し、最後に足接触部材133を適位置に配置することによって実現される。第2のモジュール22は、第1のモジュール22とは別様にプログラムおよび/または構成され得る。一実施形態において、第1のモジュール22は一つ以上の特定の用途での使用のために構成され、第2のモジュール22は一つ以上の異なる用途での使用のために構成され得る。例えば、第1のモジュール22は一つ以上のゲーム用途での使用のために構成され、第2のモジュール22は一つ以上の運動履行監視用途での使用のために構成され得る。さらに、モジュール22は同じ形式の異なる用途での使用のために構成され得る。例えば、第1のモジュール22は一つのゲームまたは運動履行監視用途での使用のために構成され、第2のモジュール22は異なるゲームまたは運動履行監視用途での使用のために構成され得る。別の実施例として、モジュール22は同じゲームまたは運動履行監視用途内での異なる使用のために構成され得る。別の実施形態において、第1のモジュール22は一つの形式のデータを収集するべく構成され、第2のモジュール22は異なる形式のデータを収集するべく構成され得る。そうしたデータの形式の例は、量的力および/または圧力測定、相対的力および/または圧力測定(すなわち互いに関するセンサ16)、体重シフト/移動、衝撃順序(例えば足の接地パターンの)、力および/または圧力の変化率などを含め、ここに記載されている。さらなる実施形態において、第1のモジュール22は第2のモジュール22とは異なる様態でセンサ16からのデータを利用または処理するべく構成され得る。例えば、モジュール22はデータを収集、保存および/または伝送するためだけに構成できるし、またはモジュール22は、例えばデータを編成する、データの形態を変更する、データを使って計算を実行する、などといった、いずれかの様態でデータをさらに処理するべく構成できる。また別の実施形態において、モジュール22は、例えば異なる通信インタフェースを有する、異なる外部装置110と通信するべく構成されるなどと、別様に通信するべく構成できる。モジュール22は、異なる電源を使用する、または上述の通り追加的センサ(例えばGPS、加速度計など)といった追加のまたは異なるハードウェア構成要素を包含するといった、構造的および機能的態様の両方を含む、同じく他の態様においても別様に機能し得る。
システム12によって収集されたデータについて考えられる一つの使用法は、ゴルフのスイング、野球/ソフトボールのスイング、ホッケーのスイング(アイスホッケーまたはフィールドホッケー)、テニスのスイング、ボールの投擲などといった多くの運動活動にとって重要である、体重移動を測定することにある。システム12によって収集された圧力データは、任意の適用可能な運動分野における技術を向上する際の使用ために、バランスおよび安定性に関する価値あるフィードバックを付与できる。収集されるデータの意図した使用法に基づいて、多少高額で複雑なセンサシステム12を設計できることが理解される。
システム12によって収集されたデータは、多様な他の運動履行特性の測定において使用できる。データは、足の回内/回外運動、接地パターン、バランスその他の当該パラメータの程度および/または速度を測定するために使用でき、それらはランニング/ジョギングその他の運動活動における技術を向上するために使用できる。回内/回外運動に関して、データの分析は回内/回外運動の予測子としても使用できる。例えば接地測定または揚上時間測定といった万歩計に基づく測定を含み得る、速度および距離の監視が実行できる。例えば接地または揚上時間測定を使用することによって、跳躍高さもまた測定できる。カッティングの間に靴100の様々な部分に印加されるディファレンシャルフォースを含む、横方向カッティング力が測定できる。センサ16はまた、例えば足が靴100内部で横方向にすべるといった、せん断力を測定するために配置できる。一実施例として、側部に対する力を感知するために靴100のアッパー120の側部に追加的センサを組込んでもよい。
データまたは、そこから導出される測定値は、速度、力、敏捷性、一貫性、技術などの向上を含む運動トレーニング目的に有用である。ポート14、モジュール22および/または外部装置110は、ユーザにアクティブなリアルタイムフィードバックを付与するべく構成できる。一実施例において、ポート14および/またはモジュール22は、結果をリアルタイムに伝えるためにコンピュータ、モバイルデバイスなどと通信状態に置くことができる。別の実施例において、一つ以上の振動要素を靴100に含めてもよく、それは、参照によって本書に援用され本書の一部を成す、米国特許第6978684号に開示された特徴のように、靴の一部を振動させることによってユーザフィードバックを与えて動きを制御するのを助けることができる。さらに、データは、例えば一貫性、向上またはそれらの欠如を示すために動きをユーザの過去の動きと比較する、または例えばプロゴルファーのスイングといった別の者の同じ動きとユーザの動きを比較するといった、運動の動きを比較するために使用できる。さらに、システム12は、アスリートの「シグネチャー」的運動の動きのバイオメカニカルデータを記録するために使用され得る。このデータは、例えばゲーム用途、またはユーザの類似の動きに動きを重ねるシャドー用途での使用といった、動きの再現またはシミュレーションでの使用のために他者に提供され得る。
システム12はまた、ユーザが1日のうちに係わる各種活動を記録するために、「全日活動」追跡のために構成され得る。システム12は、例えばモジュール22、外部装置110および/またはセンサ16において、この目的で専用のアルゴリズムを含み得る。
システム12はまた、データ収集および処理用途ではなく制御用途のために使用できる。言い換えれば、システム12は、センサ16によって検出されるユーザの動きに基づいて、例えばコンピュータ、テレビ、テレビゲームなどといった外部装置110を制御するために、履物または、身体的接触を受ける別の物品に組込むことができる。事実上、組込まれたセンサ16および、汎用ポート14に及ぶリード18を備えた履物は、その履物が入力システムとして機能するのを可能にし、電子モジュール22は、センサ16から入力を受取り、この入力データを例えば遠隔システムのための制御入力として任意の所望の様態で使用するべく構成、プログラムおよび適応され得る。例えば、センサ制御を備えた靴は、マウスと同様に、コンピュータのための、またはコンピュータによって実行されるプログラムのための制御または入力装置として使用でき、特定の足の動き、ジェスチャーなど(例えばフットタップ、ダブルフットタップ、ヒールタップ、ダブルヒールタップ、横方向の足の動き、フットポイント、足の屈曲など)が、コンピュータでの既定の操作を制御できる(例えばページダウン、ページアップ、アンドゥ、コピー、カット、ペースト、セーブ、閉じるなど)。この目的でフットジェスチャーを種々のコンピュータ機能制御に割当てるソフトウェアが提供され得る。オペレーティングシステムはセンサシステム12からの制御入力を受取り認識するべく構成され得ると考えられる。テレビまたは他の外部電子装置もこのようにして制御できる。システム12を組込んだ履物品100はまた、任天堂のWiiコントローラと同様に、ゲームアプリケーションおよびゲームプログラムにおいて使用でき、特定の動きが特定の機能に割当てられ得る、および/または表示スクリーンでユーザの動きの仮想表現を生じるために使用できる。一実施例として、圧力中心データその他の体重分布データは、バランシング、体重移動その他の履行活動の仮想表現を伴ってもよい、ゲームアプリケーションにおいて使用できる。システム12は、ゲームその他のコンピュータシステムのための専用コントローラとして、または相補型コントローラとして使用できる。履物品のためのセンサシステムを外部装置の制御装置として、およびフットジェスチャーを当該制御装置のために使用する構成および方法の実施例は、米国特許仮出願第61/138048号において示され記載されており、それは参照によって全体として本明細書に援用される。
さらに、システム12は、外部装置110と、および/または外部装置のコントローラと直接通信するべく構成され得る。上述の通り、図6は電子モジュール22と外部装置との間の通信の一実施形態を例示している。図23に図示された別の実施形態において、システム12は外部ゲーム装置110Aとの通信のために構成できる。外部ゲーム装置110Aは、図6に図示された例示的外部装置110と類似の構成要素を含む。外部ゲーム装置110Aはまた、ゲームプログラムを収録している少なくとも一つのゲーム媒体307(例えばカートリッジ、CD、DVD、ブルーレイその他の記憶装置)、および送信/受信要素108を通じて有線および/または無線接続によって通信するべく構成された少なくとも1個の遠隔コントローラ305を含む。図示された実施形態において、コントローラ305はユーザ入力310を補完するが、一実施形態において、コントローラ305は単独のユーザ入力として機能し得る。この実施形態において、システム12は、モジュール22との通信を可能にするために外部装置110および/またはコントローラ305と接続されるべく構成された、USBプラグインを備えた無線送信器/受信器といった、付属装置303を備えている。一実施形態において、付属装置303は、コントローラ305および外部装置110と同一および/または異なる形式の、一つ以上の追加的コントローラおよび/または外部装置と接続されるべく構成され得る。システム12が上述した他の形式のセンサ(例えば加速度計)を含む場合、そうした追加的センサもまた外部装置110のゲームその他のプログラムの制御に組込まれ得ることが理解される。
コンピュータ/ゲームシステムといった外部装置110は、システム12と対話するために他の形式のソフトウェアを備え得る。例えば、ゲームプログラムは、ユーザの現実の活動に基づいてゲーム内キャラクタの属性を変更するべく構成でき、それはユーザによる運動またはより大きな活動を奨励できる。別の実施例において、靴の感知システムによって収集されるユーザ活動に関連または比例して行動するユーザのアバターを表示するべくプログラムを構成できる。そうした構成において、アバターは、ユーザが活動的であれば、興奮したり精力的であるように見えるし、ユーザが不活発であれば、アバターは眠そうであったり怠惰であるように見え得る。センサシステム12はまた、例えばゲームシステムまたはモデリングシステムにおいて、種々の目的で後に利用できる、アスリートの「シグネチャームーブ」を記述するデータを記録するべくより精巧なセンシングのために構成できよう。
ここに述べたセンサシステム12を包含する単一の履物品100は、単独で、または図24〜26に例示された通り、1足の靴100、100’といった、各自のセンサシステム12’を有する第2の履物品100’との組合せで使用できる。第2の靴100’のセンサシステム12’は一般に、電子モジュール22’と通信しているポート14’とセンサリード18’によって接続された一つ以上のセンサ16’を含む。図24〜26に図示された第2の靴100’の第2のセンサシステム12’は、第1の靴100のセンサシステム12と同じ構成を有する。しかし、別の実施形態において、靴100、100’は異なる構成を有するセンサシステム12、12’を有してもよい。2個の靴100、100’は両方とも外部装置110との通信のために構成されており、例示された実施形態において、靴100、100’の各々は外部装置110との通信のために構成された電子モジュール22、22’を有する。別の実施形態において、両方の靴100、100’は同じ電子モジュール22との通信のために構成されたポート14、14’を有し得る。この実施形態において、少なくとも1個の靴100、100’はモジュール22との無線通信のために構成され得る。図24〜26は、モジュール22、22’間の通信の各種モードを例示している。
図24は、「メッシュ」通信モードを例示しており、モジュール22、22’は互いに通信するべく構成されるとともに、外部装置110との独立した通信のためにも構成される。図25は、「デイジーチェーン」通信モードを例示しており、一方のモジュール22’が他方のモジュール22を通じて外部装置110と通信する。言い換えれば、第2のモジュール22’は信号(データを含み得る)を第1のモジュール22に伝えるべく構成されており、第1のモジュール22は両方のモジュール22、22’からの信号を外部装置110に伝えるべく構成されている。同様に、外部装置は、第2のモジュール22’に信号を通信する第1のモジュール22に信号を送ることによって、第1のモジュール22を通じて第2のモジュール22’と通信する。一実施形態において、モジュール22、22’は外部装置110との間で信号を伝送すること以外の目的でも互いに通信できる。図26は、「独立」通信モードを例示しており、各モジュール22、22’は外部装置110との独立した通信のために構成されており、モジュール22、22’は互いとの通信のために構成されていない。他の実施形態において、センサシステム12、12’は、別の様態で互いとの、および/または外部装置110との通信のために構成される。
本開示を読めば当業者には了解される通り、ここに述べた種々の態様は、方法、データ処理システムまたはコンピュータプログラム製品として具体化され得る。従って、それらの態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態または、ソフトウェアおよびハードウェア態様を組合わせた実施形態の形態をとってもよい。さらに、そうした態様は、記憶媒体において具体化されたコンピュータ可読プログラムコードまたは命令を有する一つ以上の有形のコンピュータ可読記憶媒体または記憶装置によって保存されたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。ハードディスク、CD−ROM、光学式記憶装置、磁気記憶装置および/またはそれらの任意の組合せを含む、任意の適切な有形のコンピュータ可読記憶媒体が利用できる。加えて、ここに述べた通りデータまたは事象を表す種々の無形の信号は、金属配線、光ファイバといった信号伝導媒体、および/または無線伝送媒体(例えば空気および/または空間)の中を伝わる電磁波の形態で発信源と宛先との間で転送され得る。
上述の通り、本発明の態様は、コンピュータおよび/またはそのプロセッサによって実行される、プログラムモジュールといったコンピュータ実行可能命令の一般的文脈において記述され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を具体化するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。そうしたプログラムモジュールは、上述の通り、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に含まれ得る。本発明の態様はまた、通信ネットワークによってリンクされた遠隔処理装置によってタスクが実行される分散形コンピューティング環境においても実施できる。プログラムモジュールは、例えばモジュール22のメモリ204または外部装置110のメモリ304に、またはゲーム媒体307といった外部媒体に配置されてもよく、それらはメモリ記憶装置を含むローカルおよび遠隔両方のコンピュータ記憶媒体を含み得る。モジュール22、外部装置110および/または外部媒体は、例えば特定の用途において、一体での使用のために相補的プログラムモジュールを含み得ることが理解される。また、単一のプロセッサ202、302および単一のメモリ204、304が簡単の目的でモジュール22および外部装置110において図示説明されており、プロセッサ202、302およびメモリ204、304はそれぞれ複数のプロセッサおよび/またはメモリを含んでもよく、プロセッサおよび/またはメモリのシステムを備えてもよいことが理解される。
ここに述べたセンサシステムは、例えばフィットネストレーニングまたはバスケットボールのようなスポーツ特定的活動における、一般的な運動履行監視を含む多様な異なる用途および構成で利用できる。追加的センサが履物の他の位置に配置できることが理解される。センサシステムのセンサはまた、特定の横方向の動きおよび運動のカッティングの動きを感知するべく構成できる。ここに上述した通り、センサシステムによって収集されたデータは、電子モジュール、モバイルデバイスまたは遠隔サイトのいずれかにおける関係するアルゴリズムによって処理できる。そうしたデータ処理は摩耗に関してユーザに助言するために使用でき、ユーザは新しい靴の組が必要になった時に助言されることが考えられる。そうしたデータはまた、特定のユーザに有益となり得る特定の形式の靴のデザインをユーザに助言するために処理され使用できよう。最後に、データは履物のカスタムデザインを支援するべく処理され得る。センサシステムは履物において示されたが、システムは他の種類の衣料品においても使用できる。
ここに述べたセンサシステムの種々の実施形態は、履物品、足接触部材、インサートおよび、センサシステムを組込んだ他の構造と同様、既存の技術に勝る利益および利点を提供する。例えば、ここに述べたセンサ実施形態の多くは、比較的低コストで耐久性のある選択肢をセンサシステムに提供し、そのためセンサシステムはほとんど追加コストがなく優れた信頼性で履物品に組込まれ得る。その結果、履物は、価格にほとんど影響することなく、センサシステムが最終的に消費者によって使用されるべく望まれるかどうかにかかわらず、一体のセンサシステムとともに製造できる。さらに、カスタマイズされたセンサシステムを備えたソールインサートが、ソフトウェアのコストにほとんど影響することなく、センサシステムを利用するために設計されたソフトウェアとともに安価に製造および販売できる。別の実施例として、センサシステムは、ゲーム、フィットネス、運動のトレーニングおよび向上、コンピュータその他の装置のための実用的な制御および、ここで説明し当業者には認識可能な多くの他のものを含む、多種多様な用途での使用のための広範な機能性を提供する。一実施形態において、サードパーティソフトウェア開発者は、ゲームその他のプログラムを含む、センサシステムからの入力を用いて走行するべく構成されたソフトウェアを開発できる。汎用的に読込可能なフォーマットでデータを供給できるセンサシステムの能力は、センサシステムが使用できるサードパーティソフトウェアその他のアプリケーションの範囲を大きく広げる。さらに、一実施形態において、センサシステムは加わった力の正確な検出を可能にする信号およびデータを生成でき、それはより大きな実用性および汎用性を提供する。さらなる実施例として、ライナー、インソールその他の要素を含め、センサシステムを包含している種々のソールインサートは、種々の用途のためのセンサシステムの互換性およびカスタム化を可能にする。他の利点は当業者には認識可能である。
いくつかの代替的な実施形態および実施例をここに説明し例示した。当業者は、個別の実施形態の特徴および、構成要素の可能な組合せおよび変種を了解するであろう。当業者はさらに、実施形態のいずれもここに開示された他の実施形態との任意の組合せで提供され得ることを了解するであろう。本発明はその精神または中心的特徴を逸脱しなければ他の特定の形態で具体化され得ることが理解される。従って、本件の実施例および実施形態はあらゆる点で制限的ではなく例証としてみなすべきであり、本発明をここに示された詳細に限定するべきではない。ここで使用される限り、用語「第1」、「第2」、「上」、「下」などは、例示的目的のみに意図されており、決して実施形態を限定しない。さらに、ここで使用される限り、用語「複数」は、分離的にせよ連続的にせよ、必要な場合、無限数までの、1よりも大きい任意の数を示す。さらに、ここで使用される限り、物品または装置を「提供する」は、物品で実行される将来の行動のために物品を利用可能またはアクセス可能にすることを広範に言い、物品を提供する者が物品を製造、生産または供給したこと、または物品を提供する者が物品の所有または支配を有することを意味しない。従って、特定の実施形態を例示し説明したが、本発明の精神を著しく逸脱することなく多数の修正が想起され、保護の範囲は添付クレームの範囲によって限定されるにすぎない。