JP6114604B2 - 回転速度検出装置付車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置付車輪用軸受装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付車輪用軸受装置として、従来から種々の構造のものが知られている。この従来構造の一例として、図13に示すものが知られている。
この回転速度検出装置付車輪用軸受装置は、外周に懸架装置(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ50bを一体に有し、内周に複列の外側転走面50a、50aが形成され、固定側部材となる外方部材50と、外周に複列の外側転走面50a、50aに対向する内側転走面51a、52aがそれぞれ形成され、回転側部材となる内方部材53と、両転走面50a、51aおよび50a、52a間に保持器54、54を介して転動自在に収容された複列のボール55、55と、外方部材50と内方部材53との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシール56、57とを備えている。
内方部材53は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ58を一体に有し、外周に内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる小径段部51bが形成されたハブ輪51と、このハブ輪51の小径段部51bに圧入され、外周に内側転走面52aが形成された内輪52とからなる。そして、内輪52の外径に固定され、円周方向に亙る特性を交互に、かつ等間隔に変化させた円環状のエンコーダ59と、外方部材50の内端開口部に固定された鋼板製のカバー60と、このカバー60に装着され、エンコーダ59と対向するセンサ(図示せず)が保持されたホルダ61とを備えている。
カバー60は、外方部材50の内端部に圧入された円筒部64と、この円筒部64の底部をなす底板部65とからなる有底円筒状に形成されている。そして、円筒部64の一部を径方向外方に重合して形成された鍔部66を外方部材50の端面に突き当てて、カバー60の軸方向の位置決めを図っている。
カバー60の底板部65には、図14に示すように、挿入孔67と貫通孔68が形成され、挿入孔67には、ホルダ61のうち、その先端部にセンサを保持した挿入部69が挿入されている。また、ホルダ61には取付孔70が形成された取付フランジ71が設けられ、貫通孔68部分で、取付孔70を挿通したボルト72を螺合させるためのナット73が底板部65の一部を塑性変形させることにより固定することで、溶接することなく低コストに固定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−249180号公報
このような従来のカバー60では、ナット73をカバー60に圧入する時に、貫通孔68部分で底板部65の一部を塑性変形させることにより固定されている。然しながら、図15(a)に示すように、ナット73の突出部73aを貫通孔68の軸方向外方側開口に対向させた状態から、底板部65の軸方向外側面に、プレス加工機等により強く押し付け、その結果、突出部73aが、この底板部65の一部で貫通孔68の内周面部分を塑性変形させながらこの貫通孔68内に、(b)に示すように、この底板部65の軸方向外側面とナット73の本体部分の軸方向内端面とが当接するまで押し込まれ、突出部73aの先は半部が貫通孔68の内周面部分に食い込む。したがって、底板部65の貫通孔68の内周面あるいはその周囲を、ナット73をカバー60への圧入時に塑性変形させているため、センサを保持するホルダ61の取付面にバリや金属粉が発生し、ホルダ61の固定不具合を誘発する恐れがある。そのため、発生したバリや金属粉を取り除く除去工程が必要となる。これでは、製造工程が煩雑になり、作業工数が嵩んで製造コストが高騰するという課題があった。
本発明は、このような従来の問題を鑑みてなされたもので、センサキャップの変形や回転速度センサの固定不具合を防止して検出精度を確保すると共に、作業工数を簡略化して低コスト化を図った回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記内輪に外嵌されたパルサリングと、このパルサリングに所定の軸方向エアギャップを介して対峙する回転速度センサと、前記外方部材のインナー側の端部に嵌着され、前記回転速度センサが支持固定されるカップ状のセンサキャップと、を備え、このセンサキャップが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向内方に延び、前記外方部材のインナー側の開口部を閉塞する底部を備えると共に、この底部に前記パルサリングに対応する水平位置に前記回転速度センサが嵌挿される嵌挿孔と、この嵌挿孔の近傍に穿孔が形成され、この穿孔に前記回転速度センサを取り付けるためのナットが固定された回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、前記センサキャップのアウター側に内側キャップが嵌着されると共に、この内側キャップが非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼板からカップ状に形成され、前記外方部材のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記パルサリングに僅かな軸方向すきまを介して対峙する円板部とを備え、この円板部に前記回転速度センサが衝合または近接され、当該内側キャップを介して前記パルサリングに対向配置され、前記固定ナットが、内周に雌ねじが形成され、前記穿孔に嵌挿される円筒部と、この円筒部の端部外周にフランジ部を備え、このフランジ部が前記センサキャップの底部のインナー側の側面に密着するまで前記固定ナットが前記穿孔に嵌挿され、前記フランジ部が前記センサキャップの底部に一体に接合されている。
このように、内輪に外嵌されたパルサリングと、このパルサリングに所定の軸方向エアギャップを介して対峙する回転速度センサと、外方部材のインナー側の端部に嵌着され、回転速度センサが支持固定されるカップ状のセンサキャップと、を備え、このセンサキャップが、外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向内方に延び、外方部材のインナー側の開口部を閉塞する底部を備えると共に、この底部にパルサリングに対応する水平位置に回転速度センサが嵌挿される嵌挿孔と、この嵌挿孔の近傍に穿孔が形成され、この穿孔に回転速度センサを取り付けるためのナットが固定された回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、センサキャップのアウター側に内側キャップが嵌着されると共に、この内側キャップが非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼板からカップ状に形成され、外方部材のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、パルサリングに僅かな軸方向すきまを介して対峙する円板部とを備え、この円板部に回転速度センサが衝合または近接され、当該内側キャップを介してパルサリングに対向配置され、固定ナットが、内周に雌ねじが形成され、穿孔に嵌挿される円筒部と、この円筒部の端部外周にフランジ部を備え、このフランジ部がセンサキャップの底部のインナー側の側面に密着するまで固定ナットが穿孔に嵌挿され、フランジ部がセンサキャップの底部に一体に接合されているので、バリや金属粉が発生することなく、固定ナットと底部との接触面積が増大し、強固な固定が可能となると共に、センサキャップの変形や回転速度センサ固定不具合を防止して検出精度を確保することができ、作業工数を簡略化して低コスト化を図った回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明は、前記固定ナットのフランジ部がスポット溶接または接着剤によって接合されていれば、センサキャップの変形や回転速度センサ固定不具合を確実に防止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記固定ナットのフランジ部が前記センサキャップの挿入孔の近傍まで延びていれば、固定ナットと底部との接触面積が一層増大し、強固な固定が可能となると共に、取付部材を略全面に亙って支持することができ、回転速度センサの固定時の取付部材の撓みを防止することができるので、所望の検出精度を確保することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記センサキャップの底部のインナー側の側面に円形の凹部が形成され、この凹部に前記穿孔が形成されると共に、前記センサキャップの底部と固定ナットのフランジ部の側面が略面一に設定されていれば、取付部材を略全面に亙ってセンサキャップの底部で支持することができ、回転速度センサの固定時の取付部材の撓みを防止することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記センサキャップが鋼板から形成され、前記固定ナットを含む外表面にカチオン電着塗装からなる防錆皮膜が形成されていれば、外方部材への圧入時に防錆皮膜が容易に剥がれ落ちることなく、嵌合面の微小な凹凸を埋めて滑らかな表面を維持できると共に、センサキャップの嵌合部が長期間に亘って発錆するのを防止することができ、外方部材の嵌合部との間で良好な気密性が得られる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記センサキャップの底部の径方向外方の路面に近い側に、当該底部からインナー側に所定の寸法だけ突出して膨出部が形成され、この膨出部に径方向に貫通するドレーンが形成されていれば、ナックルが外方部材の端面からインナー側に突出している場合、センサキャップ内に外部から雨水等の異物が浸入したとしても、この膨出部部分に流動落下し、ナックルに妨害されることなく容易に異物を外部に効果的に排出することができる。
また、請求項に記載の発明のように、前記内側キャップの嵌合部と円板部との間に縮径部が形成され、この縮径部に合成ゴムからなる弾性部材が一体に接合されると共に、この弾性部材が前記内側キャップの円板部の側面からインナー側に突出して前記回転速度センサに干渉しないように接合され、前記嵌合部の外径より径方向外方に突出する環状突起を備えていれば、環状突起が内側キャップの嵌合時に外方部材の端部内周に弾性変形して圧着され、嵌合部の気密性を高めることができる。
本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記内輪に外嵌されたパルサリングと、このパルサリングに所定の軸方向エアギャップを介して対峙する回転速度センサと、前記外方部材のインナー側の端部に嵌着され、前記回転速度センサが支持固定されるカップ状のセンサキャップと、を備え、このセンサキャップが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向内方に延び、前記外方部材のインナー側の開口部を閉塞する底部を備えると共に、この底部に前記パルサリングに対応する水平位置に前記回転速度センサが嵌挿される嵌挿孔と、この嵌挿孔の近傍に穿孔が形成され、この穿孔に前記回転速度センサを取り付けるためのナットが固定された回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、前記センサキャップのアウター側に内側キャップが嵌着されると共に、この内側キャップが非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼板からカップ状に形成され、前記外方部材のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記パルサリングに僅かな軸方向すきまを介して対峙する円板部とを備え、この円板部に前記回転速度センサが衝合または近接され、当該内側キャップを介して前記パルサリングに対向配置され、前記固定ナットが、内周に雌ねじが形成され、前記穿孔に嵌挿される円筒部と、この円筒部の端部外周にフランジ部を備え、このフランジ部が前記センサキャップの底部のインナー側の側面に密着するまで前記固定ナットが前記穿孔に嵌挿され、前記フランジ部が前記センサキャップの底部に一体に接合されているので、バリや金属粉が発生することなく、固定ナットと底部との接触面積が増大し、強固な固定が可能となると共に、センサキャップの変形や回転速度センサ固定不具合を防止して検出精度を確保することができ、作業工数を簡略化して低コスト化を図った回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の軸受部を示す要部拡大図である。 図1の検出部を示す要部拡大図である。 図1の外側キャップを示す側面図である。 (a)は、図1の固定ナットの接合部を示す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。 図1のドレーン部を示す要部拡大図である。 図5の固定ナットの変形例を示す側面図である。 図7の固定ナットの接合部を示す要部拡大図である。 図5の固定ナットの他の変形例を示す側面図である。 図9の固定ナットの接合部を示す要部拡大図である。 図4の外側キャップの変形例を示す側面図である。 図11の固定ナットの接合部を示す要部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図13のナットの固定部を示す要部拡大図である。 (a)、(b)はナットの固定方法を示す説明図である。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記内輪に外嵌された磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに所定の軸方向エアギャップを介して対峙する回転速度センサと、前記外方部材のインナー側の端部に嵌着され、前記回転速度センサが支持固定されるカップ状のセンサキャップと、を備え、このセンサキャップが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向内方に延び、前記外方部材のインナー側の開口部を閉塞する底部を備えると共に、この底部に前記パルサリングに対応する水平位置に前記回転速度センサが嵌挿される嵌挿孔と、この嵌挿孔の近傍に穿孔が形成され、この穿孔に固定ナットが固定され、前記回転速度センサが、取付部材を介して前記固定ナットに取付ボルトを締結することによって固定される回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、前記センサキャップのアウター側に内側キャップが嵌着され、この内側キャップが非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼板からプレス加工によりカップ状に形成され、前記回転速度センサが衝合または近接されて当該内側キャップを介して前記磁気エンコーダに対向配置されると共に、前記固定ナットが、内周に雌ねじが形成され、穿孔に嵌挿される円筒部と、この円筒部の端部外周にフランジ部を備え、このフランジ部が前記センサキャップの底部のインナー側の側面に密着するまで前記固定ナットが前記穿孔に嵌挿され、前記フランジ部が前記センサキャップの底部に接着剤によって一体に接合されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の軸受部を示す要部拡大図、図3は、図1の検出部を示す要部拡大図、図4は、図1の外側キャップを示す側面図、図5(a)は、図1の固定ナットの接合部を示す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図、図6は、図1のドレーン部を示す要部拡大図、図7は、図5の固定ナットの変形例を示す側面図、図8は、図7の固定ナットの接合部を示す要部拡大図、図9は、図5の固定ナットの他の変形例を示す側面図、図10は、図9の固定ナットの接合部を示す要部拡大図、図11は、図4の外側キャップの変形例を示す側面図、図12は、図11の固定ナットの接合部を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代と呼称され、内方部材1と外方部材2、および両部材1、2間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)3、3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に所定のシメシロを介して圧入された内輪5とからなる。
ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる小径段部4bが形成されている。車輪取付フランジ6にはハブボルト6aが周方向等配に植設されている。
内輪5は、外周に他方(インナー側)の内側転走面5aが形成され、ハブ輪4の小径段部4bに圧入されて背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成すると共に、小径段部4bの端部を塑性変形させて形成した加締部4cによって所定の軸受予圧が付与された状態で内輪5が軸方向に固定されている。なお、内輪5および転動体3、3はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面4aをはじめ、後述するシール8のシールランド部となる車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部4cは鍛造加工後の表面硬さの生のままとされている。これにより、車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、内輪5の嵌合部となる小径段部4bの耐フレッティング性が向上すると共に、微小なクラック等の発生がなく加締部4cの塑性加工をスムーズに行うことができる。
外方部材2は、外周にナックル9に取り付けられるための車体取付フランジ2bを一体に有し、この車体取付フランジ2bのインナー側にナックル9に嵌合される円筒状のパイロット部2cが形成され、内周にハブ輪4の内側転走面4aに対向するアウター側の外側転走面2aと、内輪5の内側転走面5aに対向するインナー側の外側転走面2aが一体に形成されている。これら両転走面間に複列の転動体3、3が収容され、保持器7、7によって転動自在に保持されている。そして、外方部材2と内方部材1との間に形成される環状空間のアウター側の開口部にシール8が装着されると共に、インナー側の開口部には後述する内側キャップ15が装着され、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
外方部材2はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面2a、2aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
シール8は、図2に拡大して示すように、外方部材2のアウター側の端部内周に圧入された芯金10と、この芯金10に加硫接着によって一体に接合されたシール部材11とからなる一体型シールで構成されている。芯金10は、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)や冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成されている。
一方、シール部材11はNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、径方向外方に傾斜して形成され、車輪取付フランジ6のインナー側の側面6cに所定の軸方向シメシロをもって摺接するサイドリップ11aと、断面が円弧状に形成された基部6bに所定の軸方向シメシロをもって摺接するダストリップ11bと、軸受内方側に傾斜して形成され、基部6bに所定の径方向シメシロを介して摺接するグリースリップ11cとを有している。そして、芯金10の外表面を覆うように、シール部材11が回り込んで接合され、所謂ハーフメタル構造をなしている。これにより、気密性を高めて軸受内部を保護することができる。
なお、シール部材11の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
なお、ここでは、転動体3、3にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず、円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受で構成されたものであっても良い。また、ハブ輪4の外周に直接内側転走面4aが形成された第3世代構造の車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず、図示はしないが、ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入固定された、所謂第2世代構造であっても良い。
本実施形態では、内輪5の外周にパルサリング12が圧入されている。このパルサリング12は、図3に拡大して示すように、円環状に形成された支持環13と、この支持環13に加硫接着等で一体に接合された磁気エンコーダ14とで構成されている。この磁気エンコーダ14は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されて車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
支持環13は強磁性体の鋼板、例えば、フェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工によって断面略L字状に形成され、内輪5の外径面5bに圧入される円筒部13aと、この円筒部13aから径方向外方に延びる立板部13bとを有している。そして、この立板部13bのインナー側の側面に磁気エンコーダ14が接合されている。
ここで、外方部材2に内側キャップ15が装着され、外方部材2のインナー側の開口部を閉塞している。この内側キャップ15は、軸受空間の密封性の向上を図ると共に、耐食性を有し、後述する回転速度センサ21の感知性能に悪影響を及ぼさないように、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼板からプレス加工によってカップ状に形成され、外方部材2のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部15aと、この嵌合部15aから縮径部15bを介して磁気エンコーダ14に僅かな軸方向すきまを介して対峙する円板部15cと、この円板部15cからアウター側に膨出する屈曲部15dを介して内方部材(図示せず)のインナー側の端部を覆う底部15eを備えている。
内側キャップ15は、縮径部15bにNBR等の合成ゴムからなる弾性部材18が加硫接着によって一体に接合されている。この弾性部材18は、内側キャップ15の円板部15cの側面からインナー側に突出して回転速度センサ21に干渉しないように接合され、嵌合部15aの外径より径方向外方に突出する環状突起18aを備えている。そして、この環状突起18aが内側キャップ15の嵌合時に外方部材2の内側嵌合面19に弾性変形して圧着され、嵌合部15aの気密性を高めている。
本実施形態では、内側キャップ15のインナー側に、さらに外側キャップ(センサキャップ)16が装着されている。具体的には、外方部材2の内側嵌合面19の開口部側(インナー側)に所定の段差19aを介して環状溝からなる外側嵌合面20が形成され、外側キャップ16はこの外側嵌合面20に所定のシメシロを介して圧入されている。この外側嵌合面20は、複列の外側転走面2a、2aと、内側キャップ15が圧入される内側嵌合面19と総型砥石によって同時研削されている。これにより、内側キャップ15を外方部材2の内側嵌合面19に圧入する時のストロークを最小限に抑えて組立作業性を向上させると共に、各嵌合面19、20の真円度や同軸度等の精度が向上し、嵌合部の気密性が高くなる。また、同時研削によって加工工数を低減することができ、低コスト化を図ることができる。
外側キャップ16は防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工によってカップ状に形成され、外方部材2のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部16aと、この嵌合部16aから径方向外方に重合して延び、外方部材2のインナー側の端面2dに密着する鍔部16bと、この鍔部16bから径方向内方に延び、外方部材2のインナー側の開口部を閉塞する底部16cとを備えている。この外側キャップ16の底部16cには磁気エンコーダ14に対応する水平位置に嵌挿孔17が形成され、この嵌挿孔17に回転速度センサ21が嵌挿される。このように、外側キャップ16が外方部材2の端面2dに密着する鍔部16bを備えているので、外側キャップ16の強度・剛性を高めて回転速度センサ21の位置決め精度を向上させることができると共に、嵌挿孔17が水平位置に形成され、この嵌挿孔17に回転速度センサ21が装着されているので、車輪からの横方向荷重により外方部材2と内方部材1が相対的に傾いた状態においても、回転速度センサ21と磁気エンコーダ14とのエアギャップ変動を抑制することができ、安定した検出精度を得ることができる。
回転速度センサ21は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子およびこの磁気検出素子の出力波形を整える波形整形回路が組み込まれたIC等からなり、車輪の回転速度を検出してその回転数を制御する自動車のアンチロックブレーキシステムを構成している。そして、この回転速度センサ21が内側キャップ15の円板部15cに衝合または近接するまで挿入されている。これにより、所望のエアギャップが得られ、煩雑なエアギャップ調整を省いて組立作業性の向上が図れると共に、内側キャップ15により軸受内部を密封することができ、密封性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
ここで、外側キャップ16の中心部に形成された穿孔22に固定ナット23が嵌挿されている。そして、外側キャップ16の嵌挿孔17に嵌挿された回転速度センサ21が、取付部材24を介して取付ボルト25を固定ナット23に締結することによって固定されている。
固定ナット23は、内周に雌ねじ23aが形成された円筒部23bと、この円筒部23bの端部外周に円形のフランジ部23cを備えている。そして、このフランジ部23cが外側キャップ16の底部16cのインナー側の側面に密着するまで固定ナット23がインナー側から穿孔22に嵌挿される。なお、ここでいう「嵌挿」とは、径方向すきまを持って挿入される状態と、軽圧入状態も含むものとする。その後、フランジ部23cの外周部がスポット溶接によって接合される。これにより、バリや金属粉が発生することなく、固定ナット23と底部16cとの接触面積が増大し、強固な固定が可能となると共に、外側キャップ16の変形や回転速度センサ21の固定不具合を防止して検出精度を確保することができ、作業工数を簡略化して低コスト化を図った回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供することができる。
固定ナット23の接合部P1は、図4および図5(a)に示すように、フランジ部23cの外周部の複数箇所に設定されている。これにより、スポット溶接による熱影響を最小限に抑え、キャップ16の底部16cの変形を防止することができる。
また、固定ナット23の接合はスポット溶接に限らず、図5(b)に示すように、キャップ16の底部16cとフランジ部23cとの接触部に接着剤を塗布して接合しても良い。接着剤による接合部P2は、所定の幅で周方向均一に設定されている。これにより、強固な固定が可能となると共に、接合部P2からの泥水等の浸入を防止することができる。なお、この接着剤としては、耐水性、耐薬品性、強度や耐熱性に優れたエポキシ樹脂系接着剤が使用されているが、これ以外にも金属同士の接着に適した、例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、塩化ビニル樹脂溶剤系、シリコーン系、フェノール樹脂系等の合成系の接着剤を例示することができる。
外側キャップ16は、固定ナット23が接合された後にカチオン電着塗装によって、固定ナット23を含む外表面に防錆皮膜が形成されている。なお、カチオン電着塗装は、正電極に対して、製品側を負電極として通電するものであるが、負電極に対して、製品側を正電極として通電するアニオン型の電着塗装であっても良い。このアニオン型の電着塗装の場合、塗装色の安定性や焼付温度を低く設定できる特徴を備えているが、この種の外側キャップ16においては、防錆力と密着力に優れた強力な塗装膜が形成できるエポキシ樹脂系等からなるカチオン電着塗装の方が好ましい。
本実施形態では、カチオン電着塗装の下地処理(前処理)としてリン酸亜鉛処理が施されている。このリン酸亜鉛処理により素材となる鋼材の表面が化学反応で粗面化されるため、塗料の食い付きが良くなって付着性が向上する。さらに、リン酸亜鉛処理の後にシーラー処理が施されていても良い。このシーラーは、一種の金属表面処理剤であり、例えば、30秒〜2分程度の短時間の浸漬、あるいは、スプレー処理を行うことにより、化成皮膜を形成することができる、所謂化成処理で、優れた塗膜密着性が確保できると共に、素材の保護皮膜が形成でき、強固な防錆機能と導電性を発揮することができる。換言すると、カチオン電着塗装の下地処理としてリン酸亜鉛処理が施されると共に、その上にシーラー処理が施されることによってリン酸亜鉛皮膜の微細な表面の平滑化により塗料電着時の空気の巻き込みを防止することができる。この空気の巻き込みがあると、塗膜にクレータ(凹凸等の不均一な表面)等の表面欠陥が生じることがあり好ましくない。
このように、本実施形態では、外側キャップ16にカチオン電着塗装からなる防錆皮膜が形成されると共に、カチオン電着塗装の下地処理としてリン酸亜鉛処理が施されているので、塗料の付着性が向上し、外方部材2への圧入時に防錆皮膜が容易に剥がれ落ちることなく、嵌合面の微小な凹凸を埋めて滑らかな表面を維持できると共に、外側キャップ16の嵌合部16aが長期間に亘って発錆するのを防止することができ、外方部材2の外側嵌合面20および端面2dとの間で良好な気密性が得られる。
また、本実施形態では、図6に示すように、外側キャップ16の底部16cの径方向外方側にドレーン26が形成されている。このドレーン26は、嵌合部16aと底部16bの路面に近い側の膨出部27に形成されている。膨出部27は、底部16bからインナー側に所定量だけ突出して形成されている。この膨出部27は、ナックル9が外方部材2の端面2dと面一ではなく、インナー側に突出している場合に有効である。すなわち、外側キャップ16の膨出部27にドレーン26を径方向に貫通して形成することにより、外側キャップ16内に外部から雨水等の異物が浸入したとしても、この膨出部27部分に流動落下し、ナックル9に妨害されることなく容易に異物を外部に効果的に排出することができる。
図7、8に前述した固定ナット23の変形例を示す。この固定ナット28は、内周に雌ねじ23aが形成された円筒部23bと、この円筒部23bの端部に矩形状のフランジ部28aを備えている。そして、このフランジ部28aが外側キャップ16の底部16cのインナー側の側面に密着するまで固定ナット28がインナー側から穿孔22に嵌挿される。その後、フランジ部28aの外周部がスポット溶接によって接合される。
本実施形態では、フランジ部28aが外側キャップ16の挿入孔17の近傍まで延びる長方形に形成されている。これにより、固定ナット28と底部16cとの接触面積が一層増大し、強固な固定が可能となると共に、取付部材24を略全面に亙って支持することができ、回転速度センサ21の固定時の取付部材24の撓みを防止することができるので、所望の検出精度を確保することができる。
図9、10に前述した固定ナット23の他の変形例を示す。この固定ナット29は、内周に雌ねじ23aが形成された円筒部23bと、この円筒部23bの端部に円形のフランジ部29aを備えている。そして、このフランジ部29aが外側キャップ16の底部16cのインナー側の側面に密着するまで固定ナット29がインナー側から穿孔22に嵌挿される。その後、フランジ部29aの外周部がスポット溶接によって接合される。
本実施形態では、フランジ部29aが取付部材24の幅よりも大きく、その外径が外側キャップ16の挿入孔17の近傍まで延びる円形に形成されている。これにより、固定ナット29と底部16cとの接触面積が一層増大し、強固な固定が可能となると共に、取付部材24を略全面に亙って支持することができ、回転速度センサ21の固定時の取付部材24の撓みを防止することができる。
図11、12に前述した外側キャップ16の変形例を示す。この外側キャップ30は、防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工によってカップ状に形成され、外方部材2のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部16aと、この嵌合部16aから径方向外方に重合して延び、外方部材2のインナー側の端面2dに密着する鍔部16bと、この鍔部16bから外方部材2のインナー側の開口部を閉塞する底部30aとを備えている。
本実施形態では、外側キャップ30の底部30aのインナー側の側面に円形の凹部31が形成され、この凹部31に形成された穿孔22に固定ナット23が嵌挿されている。そして、外側キャップ30の底部30aと固定ナット23のフランジ部23cの側面が略面一に設定した状態で、回転速度センサ21が、取付部材24を介して取付ボルト25を固定ナット23に締結することによって固定されている。ここで言う「略面一」とは、例えば、設計の狙い値であって実質的に段差がない状態、すなわち、加工誤差等によって生じる段差は当然許容されるべきものである。
固定ナット23は穿孔22に嵌挿され、フランジ部23cが外側キャップ30の凹部31のインナー側の側面に密着するまで固定ナット23がインナー側から穿孔22に嵌挿される。その後、フランジ部23cの外周部がスポット溶接によって接合される。
このように、本実施形態では、外側キャップ30の底部30aに円形の凹部31が形成され、この凹部31に固定ナット23が接合されているので、取付部材24を略全面に亙って外側キャップ30の底部30aで支持することができ、回転速度センサ21の固定時の取付部材24の撓みを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、従動輪用で、転動体がボール、円錐ころ等、あらゆる構造の内輪回転タイプの車輪用軸受装置に適用することができる。
1 内方部材
2 外方部材
2a 外側転走面
2b 車体取付フランジ
2c パイロット部
2d 外方部材のインナー側の端面
3 転動体
4 ハブ輪
4a、5a 内側転走面
4b 小径段部
4c 加締部
5 内輪
5b 内輪の外径面
6 車輪取付フランジ
6a ハブボルト
6b 車輪取付フランジのインナー側の基部
6c 車輪取付フランジのインナー側の側面
7 保持器
8 シール
9 ナックル
10 芯金
11 シール部材
11a サイドリップ
11b ダストリップ
11c グリースリップ
12 パルサリング
13 支持環
13a、23b 円筒部
13b 立板部
14 磁気エンコーダ
15 内側キャップ
15a、16a 嵌合部
15b 縮径部
15c 円板部
15d 屈曲部
15e 底部
16、30 外側キャップ
16b 鍔部
16c、30a 底部
17 嵌挿孔
18 弾性部材
18a 環状突起
19 内側嵌合面
19a 段差
20 外側嵌合面
21 回転速度センサ
22 穿孔
23、28、29 固定ナット
23a 雌ねじ
23c、28a、29a フランジ部
24 取付部材
25 取付ボルト
26 ドレーン
27 膨出部
31 凹部
50 外方部材
50a 外側転走面
50b 車体取付フランジ
51 ハブ輪
51a、52a 内側転走面
51b 小径段部
52 内輪
53 内方部材
54 保持器
55 ボール
56、57 シール
58 車輪取付フランジ
59 エンコーダ
60 カバー
61 ホルダ
64 円筒部
65 底板部
66 鍔部
67 挿入孔
68 貫通孔
69 挿入部
70 取付孔
71 取付フランジ
72 ボルト
73 ナット
73a ナットの突出部

Claims (7)

  1. 外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記内輪に外嵌されたパルサリングと、
    このパルサリングに所定の軸方向エアギャップを介して対峙する回転速度センサと、
    前記外方部材のインナー側の端部に嵌着され、前記回転速度センサが支持固定されるカップ状のセンサキャップと、を備え、
    このセンサキャップが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向内方に延び、前記外方部材のインナー側の開口部を閉塞する底部を備えると共に、この底部に前記パルサリングに対応する水平位置に前記回転速度センサが嵌挿される嵌挿孔と、この嵌挿孔の近傍に穿孔が形成され、この穿孔に前記回転速度センサを取り付けるためのナットが固定された回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、
    前記センサキャップのアウター側に内側キャップが嵌着されると共に、この内側キャップが非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼板からカップ状に形成され、前記外方部材のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記パルサリングに僅かな軸方向すきまを介して対峙する円板部とを備え、この円板部に前記回転速度センサが衝合または近接され、当該内側キャップを介して前記パルサリングに対向配置され、
    前記固定ナットが、内周に雌ねじが形成され、前記穿孔に嵌挿される円筒部と、この円筒部の端部外周にフランジ部を備え、このフランジ部が前記センサキャップの底部のインナー側の側面に密着するまで前記固定ナットが前記穿孔に嵌挿され、前記フランジ部が前記センサキャップの底部に一体に接合されていることを特徴とする回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
  2. 前記固定ナットのフランジ部がスポット溶接または接着剤によって接合されている請求項1に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
  3. 前記固定ナットのフランジ部が前記センサキャップの挿入孔の近傍まで延びている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
  4. 前記センサキャップの底部のインナー側の側面に円形の凹部が形成され、この凹部に前記穿孔が形成されると共に、前記センサキャップの底部と固定ナットのフランジ部の側面が略面一に設定されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
  5. 前記センサキャップが鋼板から形成され、前記固定ナットを含む外表面にカチオン電着塗装からなる防錆皮膜が形成されている請求項1乃至4いずれかに記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
  6. 前記センサキャップの底部の径方向外方の路面に近い側に、当該底部からインナー側に所定の寸法だけ突出して膨出部が形成され、この膨出部に径方向に貫通するドレーンが形成されている請求項1乃至5いずれかに記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
  7. 前記内側キャップの嵌合部と円板部との間に縮径部が形成され、この縮径部に合成ゴムからなる弾性部材が一体に接合されると共に、この弾性部材が前記内側キャップの円板部の側面からインナー側に突出して前記回転速度センサに干渉しないように接合され、前記嵌合部の外径より径方向外方に突出する環状突起を備えている請求項に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
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