JP6113999B2 - 化合物のスクリーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物のスクリーニング方法に関し、例えば、肝細胞の細胞生存性を分析して肝毒性を評価することにより、肝毒性の少ない化合物をスクリーニングする方法に関する。
肝細胞は非常に多くの生理的機能を有しており、薬物、食品添加物、環境汚染物質などの代謝に重要な機能を有している。代謝には肝細胞に存在する多くの酵素が関与しているといわれており、例えば、エステルなどの加水分解酵素、酸化反応に重要な役割を果たすシトクロムP450酵素、還元酵素、及び、硫酸、酢酸、グルタチオン、またはグルクロン酸などを付与する抱合酵素がある。これら酵素反応により反応性に富む中間体(反応性代謝物)が生成される場合がある。反応性代謝物の構造は不安定で寿命が短く、ほとんどが内在性のグルタチオンにより解毒されるが、タンパク質やDNAとも結合し肝毒性を示すことがある。また、反応性代謝物が大量に生成されるとグルタチオンが枯渇するため、周辺のタンパク質やDNAと結合し非常に強い毒性を発現する。その結果、重篤な肝障害を招くことがある。
一方、かかる肝細胞の代謝機能には生物種により強い特異性、即ち種差が存在し、ラットなどの実験動物からヒトにおける種々の代謝機能を予測することは困難である。そのため、ヒト組織から分離した肝細胞(初代肝細胞)を利用したスクリーニングが実験動物の代替法として迅速かつ正確に生体内で起こりうる毒性を予測できる方法として利用されてきた。
国際公開第00/65031号 特表2005−511093号公報 国際公開第2008/130025号 特開2005−80607号公報
Lei Guo, Stacey Dial, Leming Shi, William Branham, Jie Liu, Jia-Long Fang, Bridgett Green,Helen Deng, Jim Kaput, and Baitang Ning著、"Similarities and Differences in the Expression of Drug-Metabolizing Enzymes between Human Hepatic Cell Lines and Primary Human Hepatocytes"、DRUG METABOLISM AND DISPOSITION Vol. 39, No. 3、2011年、pp.528-538 Stephen J. Fey and Krzysztof Wrzesinski 著、"Determination of Drug Toxicity Using 3D Spheroids Constructed From an Immortal Human Hepatocyte Cell Line"、TOXICOLOGICAL SCIENCES 127(2)、2012年、pp.403-411 Kazuaki Nakamura, Natsuko Kato, Kazuko Aizawa, Reiko Mizutani, Junji Yamauchi and Akito Tanoue著、"Expression of albumin and cytochrome P450 enzymes in HepG2 cells cultured with a nanotechnology-based culture plate with microfabricated scaffold"、The Journal of Toxicological Sciences Vol 36, No. 5、2011年、pp.625-633
ヒト初代肝細胞はヒト生体内における代謝を予測できるものの、継代することができないためその使用が限られるという欠点がある。
他に使用されている細胞としては、生体組織から分離した細胞を使用して樹立された株化肝細胞が挙げられる。株化肝細胞は、継代できるが代謝機能が低いという欠点があり、その使用は限られる(非特許文献1)。
このような欠点を補完するために、例えば特許文献1や特許文献2には、ヒトチトクロームP450を安定に発現する細胞株を用いた代謝物毒性のスクリーニング方法が開示されている。このような細胞の開発に加えて、近年では三次元培養することで代謝機能を高めようとする試みがなされている。例えば、非特許文献2には、株化肝細胞(HepG2)をスフェロイド状に培養し、化合物と反応させた場合のLD50(50% Lethal Dose、半数致死量)値が示されている。この場合のLD50値は、従来の二次元培養と比較してよりヒト生体内に近い値であり、ヒト初代肝細胞に替わる有用な培養方法であることが示されている。
しかしながら、株化肝細胞からスフェロイドを形成させるためには21日間もの日数を要しており、二次元培養の培養期間(約1〜3日)と比較してはるかに長い。このため、コンタミネーションのリスクや結果が得られるまでに時間を要するという欠点がある。
同様に非特許文献3にもスフェロイドを形成させる方法が開示されているが、培養期間が長くなるにつれ機能が向上することが示されている。
短期間でスフェロイド状の細胞を得る手法として、特許文献3及び4に培養方法が開示されているが、薬物代謝機能が短期間で向上することは示されておらず有用性は不明であった。
このような事情から、化合物のスクリーニングを、高感度で短期間に実施するために、株化肝細胞を培養してスフェロイドを作製する工程を短くするとともに、薬物代謝機能を有するスフェロイドを得る手法が望まれていた。
発明者らは、3次元の培養空間を有する培養容器を用いることにより、短期間で相当直径が50μm以上200μm未満の複数のスフェロイドを作製し、作製したスフェロイドを用いて、被験化合物のスクリーニングを行う方法で上述した問題を解決した。
本発明に係るスクリーニング方法の一態様は、次の工程を有する。
・複数の培養容器によって形成される複数の培養空間内で、株化肝細胞を12時間以上72時間以内で培養して相当直径が50μm以上200μm未満の複数のスフェロイドを作製する工程。
・前記複数のスフェロイドへ、第1乃至第3培地のそれぞれを添加し、異なる培地が添加された複数のスフェロイドをインキュベートする工程。第1培地は、被験化合物を含まない培地である。第2培地は、所望の濃度の前記被験化合物を含む培地である。第3培地は、前記被験化合物を代謝する可能性のある代謝酵素の阻害剤を少なくとも1種類と、前記所望の濃度の前記被験化合物とを含む培地である。
・前記第1乃至第3培地のうちの一つを添加して培養した前記複数のスフェロイドの生存率を測定する工程。
・前記被験化合物が前記スフェロイド(複数のスフェロイドを構成する細胞)に対して毒性を有するか否かを判定する工程。具体的には、前記第1培地添加の前記スフェロイドの生存率より前記第2培地添加の前記スフェロイドの生存率が小さく、前記第3培地添加の前記スフェロイドの生存率より前記第2培地添加の前記スフェロイドの生存率が小さい、前記被験化合物が前記スフェロイドに対して毒性を有すると判定する。
立体形状の培養空間内で12時間以上72時間以内培養して相当直径が50μm以上200μm未満の複数のスフェロイドを作製することにより、有機物代謝機能を有する複数のスフェロイドを作製することを可能にする。この複数のスフェロイドを用いることにより、高感度で短期間に被験化合物の毒性を判定するスクリーニング方法を提供することができる。
また、本発明に係る化合物のスクリーニング方法の一態様において、前記代謝酵素が、第I相酵素、第II相酵素、及びこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましく、前記第I相酵素がチトクロムP450であることが好ましい。
さらに、本発明に係る化合物のスクリーニング方法の一態様において、前記複数の培養容器は、複数のウェルを有する培養プレートの各ウェル内に、前記複数の培養空間を有するように形成され、各培養容器は、相当直径の長さを有する面と、高さを有する壁とを有し、各培養空間は、前記面と前記壁とから形成される空間であり、前記高さを前記相当直径で割った値が0.3から2の範囲であり、各ウェルの底に、前記相当直径が50μmから1000μmの範囲の前記培養容器が少なくとも2個以上配置され、細胞密度が0.5〜4×10細胞数/cmになるように細胞を播種して培養することが好ましい。
本発明の一態様によれば、株化肝細胞を培養してスフェロイドを作製する工程を短くするとともに、薬物代謝機能を有するスフェロイドを得る手法を提供することが可能である。また、薬物代謝機能を有するスフェロイドが得られることにより、肝毒性を高感度かつ短期間で評価できるスクリーニング方法を提供することができる。
本発明の一実施形態で用いる培養プレートの全体を示す図である。 図1に示す培養プレートのII−II線断面図である。 図1に示す培養プレートの他のII−II線断面図である。 本発明の一実施形態で用いる培養容器の全体を示す図である。 図3に示す培養容器のIV−IV線断面図である。 培養空間でスフェロイドを培養する状態を表す概略図である。 培養空間で培養したスフェロイドの好ましいサイズの一例を説明する模式図を示す図である。 培養空間の他の形状例を示す図である。 培養空間のさらに他の形状例を示す図である。 培養空間の他の側面の形状例を示す断面図である。 培養空間のさらに他の側面の形状例を示す断面図である。 培養空間のさらに他の側面の形状例を示す断面図である。 実施例で用いる培養プレートの一例を示す写真である。 B及びCの溶液が10μmol/LのアフラトキシンB1を含む場合の生存率の測定結果を示す図である。 B及びCの溶液が40μmol/LのアフラトキシンB1を含む場合の生存率の測定結果を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
本明細書では次の用語を用いる。
用語「スフェロイド」は、細胞が多数凝集して細胞塊を形成し、3次元状態になったものである。言い換えると、スフェロイドは、複数の細胞から構成される細胞塊である。
用語「ウェルプレート」は、多数のくぼみ(穴またはウェル)のついた平板からなる実験・検査器具であり、各ウェルを試験管あるいはシャーレとして利用するものをいう。ウェルの数には、ウェルの数には例えば、6、24、96、384などがあり、それ以上の数のものもある。ウェルの底は平らなもの、丸いもののほか、細長いマイクロチューブを多数組み合わせた形式のもの(ディープウェルプレート)もある。
用語「薬物代謝酵素」は、薬、毒物などの生体外物質(ゼノバイオティクスXenobiotics、異物ともいう)を分解あるいは排出するための反応に関わる酵素の総称である。
用語「第I相酵素群」は、第I相反応と呼ばれる対象物質の分子量を低くする(分解)、または大きく変えない反応として、エステルなどの加水分解、酸化反応、還元反応に関わる酵素群である。酸化反応は、主にシトクロムP450(P450)による酸化である。
用語「第II相酵素群」は、第II相反応と呼ばれる他の分子を付加する(分子量は大きくなる)反応で、抱合(ほうごう)ともいう反応において、付加される分子として、硫酸、酢酸、グルタチオン、グルクロン酸などを抱合する酵素群である。
以下の説明において、「値Aから値Bの範囲」という場合には、特に明記していない限り、「値A以上値B以下」を意味する。
加えて、「A、B、・・・、C、及びこれらの組合せ」という記載の「これらの組合せ」は、その前に記載のA、B、・・・、Cのうちの二つ以上の任意の数の組合せであることを意味する。言い換えると、「A、B、・・・、C、及びこれらの組合せ」は、A、B、・・・、Cのうちのいずれか一つと、これらの任意の数の組合せとのうちの一方、ということもできる。
一実施形態のスクリーニング方法は、スフェロイドを3日以内に製造し、製造した複数のスフェロイドに異なる培地を添加して培養する。培養した後の複数のスフェロイドについて、細胞の生存率を測定することにより、毒性を判定する方法である。スクリーニング方法は、例えば、第1乃至第4工程の手順を実施する。以下に第1乃至第4工程の概略を説明する。なお、第1乃至第4工程は説明を容易にするために工程を分けたものであり、これに限られるものではない。
第1工程は、株化肝細胞を12時間以上3日以内で製造するスフェロイド製造処理である。
第2工程は、製造したスフェロイドへ、被験化合物を含む培地と、被験化合物を含まない培地とのいずれかを添加して培養(インキュベート)する添加処理である。
第3工程は、インキュベートした複数のスフェロイドを構成する細胞の生存率を測定する測定処理である。
第4工程は、生存率に基づいて被験化合物の毒性を判定する判定処理である。
以下、一実施形態の化合物のスクリーニング方法について、最初に、スフェロイド製造処理で用いる培養容器について説明し、次に、スフェロイド製造処理から判定処理までを実施するスクリーニング方法の手順について詳細に説明する。
1.培養容器
* 培養容器の概略
図1は、本発明の一実施形態で用いる培養プレートの全体を示す図である。図2Aは、図1に示す培養プレートのII−II線断面図であり、図2Bに、他の態様の断面図を示す。培養プレート1は、複数のウェル21を備える。複数のウェル21は、仕切り部22によって、隣り合うウェル21と隔てられる。複数のウェル21それぞれには、培養容器10が形成されている。
図3に、本発明の実施形態で用いる培養容器の構成例を示す。図4は、図3に示す培養容器のIV−IV線断面図である。
培養容器10は、培養空間11と、壁12と、底部13とを有する。
培養空間11は、壁12と底部13とで仕切られた領域であり、細胞を培養する三次元の空間領域(培養領域)となる。培養空間11は、単に「空間」、または「マイクロ空間」とも称する。
壁12は、培養空間11を仕切る隔壁であり、培養容器10に凹凸パターンを形成する凸部ともいえる。培養空間11が仕切り部22に隣接する場合、壁12は、図2Aに示すように、仕切り部22の壁面の一部分と同じになってもよいし、図2Bに示すように、仕切り部22の壁面に隣接して壁12が配置されてもよい。
底部13は、培養容器10の基板として機能するとともに、培養空間11が配置される側の表面は、培養領域(培養表面)の一部となる。底部13は、培養プレート1に形成された各ウェル21の底部と同じ領域であり、各ウェル21の底部が用いられる。底部13は、培養空間11の底を形成する。底部13のうち、培養空間11を形成する面の一部分であり、かつ、培養領域となる底部の表面を、「底部培養面14」とも称する。
図3,4では、培養容器10に形成される培養空間11に関して、相当直径D、高さ(深さ)H、壁12の幅(厚さ)W、及び、底部13の厚さTを示す。図3,4では、底部13は、壁12と一体として作製された場合を示している。
相当直径Dは、培養空間11に内接する内接円の直径をいう。より詳しくは、相当直径Dは、培養空間11の底部13と平行する面の形状(正面の形状)、言い換えると、培養空間11の高さHの方向と垂直になる面の形状の内接円の直径をいう。培養空間11の正面の形状が、高さHに応じて異なる場合、株化肝細胞を培養する空間領域の最大値を相当直径とする。
高さHは、培養空間11の底(底部培養面14)から壁12の上面までの長さであり、培養空間11の深さでもあるともいえる。また、底部培養面14が平面の場合、高さHは、壁12の高さと同じである。
壁12の幅Wは、壁12の厚さであるとともに、隣接する培養空間11間を隔てる距離であるともいえる。
培養容器10内(言い換えると、各ウェル21内)において、複数の培養空間11は、図3に示すようにアレイ状に配置される。培養容器10に含まれる培養空間11の数または大きさは、培養プレート1に作製されるウェル21の数(ウェル21の大きさ)と培養空間11及び壁12の大きさに依存するものである。具体的には、ウェル21の数が多くなるに従って、培養空間11の数が小さくなる関係にある。同じ大きさのウェル21のとき、ウェル21の中の培養空間11の数は、相当直径Dが大きい場合や幅Wが大きい場合に小さくなる関係にある。図1乃至4では、構成をわかりやすく説明するため、培養空間11の数を少なくして表した概略図であり、培養容器10に含まれる培養空間11の数は実際とは異なる。加えて、図3,4では、9個の培養空間11を示している。これは説明のために示したものであり、実際の培養容器10(各ウェル21)に含まれる培養空間11の数に対応するものではない。
発明者らは、相当直径Dが所望するスフェロイドの直径の1〜5倍であり、高さHが相当直径Dの0.3倍〜2倍である培養空間11を複数有するとともに、該培養空間表面の即時水接触角が45度以下である培養容器10を使用し、各培養空間11で株化肝細胞を培養することによって、均一な直径の株化肝細胞のスフェロイドを培養することができることを見出した。従って、所望するスフェロイドの大きさに応じて、培養容器10に配置される培養空間11の大きさを選択することにより、培養するスフェロイドの大きさを制御することが可能になる。一実施形態では、株化肝細胞として、ヒト由来の株化肝細胞を培養してスフェロイド形成させる。以下に詳細を説明する。
図1乃至4を参照して、所望のスフェロイドを形成させるためのマイクロオーダの培養空間11の大きさ、形状等と、培養表面の特性を説明する。
* 培養空間の大きさ、形状等
培養空間11の相当直径Dについて、スフェロイドの大きさが、細胞が増殖するに従いその直径が大きくなることを考慮する必要がある。そこで重要なことは、スフェロイドが隣り合う培養空間11の細胞と接触しないような培養空間11を確保することである。このため、培養空間11の相当直径Dは、所望するスフェロイドの直径の1〜5倍の範囲が好ましく、1.2〜4倍の範囲がより好ましい。
例えば、直径100μmの株化肝細胞のスフェロイドを形成させるために、所望するスフェロイドの直径の1〜5倍の範囲、即ち、相当直径Dが100〜500μmの範囲で、高さHを相当直径Dで割った値が0.3〜2の範囲の培養空間11が規則的に配置されている底部13を有する培養容器10を用いる。
株化肝細胞の培養空間11の表面との細胞接着性を強めることで、増殖・維持させているような場合は、十分に細胞が底面に接着性していることから培地交換時に細胞が剥離することがない。そのため、本実施形態のような、培養空間11の相当直径Dが所望するスフェロイドの直径の1〜5倍の範囲、高さHが相当直径Dの0.3〜2倍の範囲という、深い空間は必要ないため、そのような空間での培養は行わない。
一方、一実施形態では、後述するように細胞接着性を抑制しているため、アミノ酸や酸素などの供給が可能、かつ、スフェロイドが脱離しない最適な高さHを設計する必要がある。好ましい範囲のスフェロイドを形成させるために好ましい高さH、相当直径Dを検討した結果、細胞増殖によりスフェロイドが過剰に大きくなることを防ぐためには、相当直径Dが100μm〜200μmの範囲、高さHが50μm〜100μmの範囲が好ましい。培養空間11の底までアミノ酸等の栄養分を十分に供給するため、かつ老廃物の蓄積を防ぐために、培養空間11の高さHは、培地交換や試験溶液交換時にスフェロイドが剥離しない限り低い方が好ましい。具体的には、培養空間11の高さHを相当直径Dで割った値が0.3〜2の範囲が好ましく、0.5〜1の範囲がより好ましいことを見いだした。
一実施形態では、試験溶液、栄養分および酸素をスフェロイド中心部まで拡散または輸送させるためには、スフェロイドの直径は最大200μm未満、好ましくは150μm以下が好ましい。さらに加えて、細胞間の相互作用を最大限に引き出し薬物代謝機能を高めるためには、スフェロイドの直径は、最小50μmが好ましく、60μm〜150μmの範囲がより好ましい。
壁12の幅Wは、培養空間11と隣接する培養空間11を隔てる壁12の厚みである。従って、壁12の幅Wは、壁12の上面での細胞増殖を防ぐため、かつ、細胞が培養空間11内に入りやすくするため、2〜50μmの範囲がよく、好ましくは、細胞体1個以下の大きさ、即ち5〜30μmの範囲が好ましく、5〜10μmの範囲がより好ましい。さらに、同様の観点から、壁12の上面と培養空間11の側面とのなす角θは、90〜135度の範囲が好ましく、90度〜120度の範囲がより好ましい。
図5Aに、培養空間11でスフェロイドを培養する状態を表す概略図を示す。図5Aでは、図4に示す断面図を用い、スフェロイド9を、○印で示す。スフェロイド9は、複数の培養空間11それぞれにおいて培養される。
図1に示す培養プレート1で培養する場合、ウェル21毎に培養条件の設定、培地の交換等を実施することになる。そのため、各ウェル21に複数の培養空間11を形成するため、各ウェル21において、同条件で複数のスフェロイドを培養することが可能になる。加えて、ウェルプレートを用いてスフェロイドを培養することができるため、従来の細胞培養で用いる装置等を利用することが可能になる。
スフェロイド9の直径DSPを値dsp(dspは正の数値)とすると、培養空間11の相当直径Dは、値dspから値dspの5倍の範囲(dsp≦D≦5dsp)が好ましい範囲となる。また、培養空間11の高さHは、値dspの0.3倍から値dspの25倍(5×5)の範囲(0.3dsp≦H≦25dsp)が好ましい範囲となる。
図5Bに、培養空間で培養したスフェロイドの好ましいサイズの一例を説明する模式図を示す。図5Bは、スフェロイド9の相当直径Dに沿って切断した切断部端面を模式的に示した図である。上述したように、スフェロイドの直径の平均が50μm以上200μm未満であることが好ましく、特に、60μm〜150μmの範囲が好ましい。図5Bでは、スフェロイド9の切断部端面が5個の細胞8により形成されている様子を示す。例えば、細胞8の直径DCLが20μmであり、スフェロイド9の直径DSPが60μmのスフェロイド9を形成する場合には、例えば、細胞8が直線上に3個並ぶことにより形成される。同様に、スフェロイド9の直径DSPが150μmのスフェロイド9を形成する場合には、例えば、細胞8が直線上に5個並ぶことにより形成される。図5Bは説明を容易にするために細胞8を直線上に並べて模式的に示したものであり、細胞8は必ずしも直線上に並ぶとは限らない。
加えて、1試験領域(1ウェル、1シャーレ)にあるスフェロイドは、その直径が半値幅の範囲内にあるものが全体の70%以上含まれることが好ましい。言い換えると、スフェロイドの直径の大きさがそろっていることが好ましい。その理由は以下の通りである。まず、スフェロイドの大きさによって代謝活性値が異なることが知られていることから、様々な直径のスフェロイドが混在していると精度の高い結果が得られないためである。また、小さい(50μm以下の)スフェロイドの代謝機能は極端に低いことが知られている。そのため、このようなスフェロイドが多く含まれている場合、反応性代謝物の生成量が少なくまるため、測定感度の低下につながる。
「半値幅の範囲」とは、1試験領域にあるスフェロイドの総個数NTうち、直径の大きさと存在する個数との対応を取ったときに、存在する個数が最大となる直径D1の個数N1に対して、個数N1の半分の個数(N1/2)となる複数の直径のうち、最小の直径D2から最大の直径D3までの範囲に存在するスフェロイドの個数N2をいう。
スフェロイドの大きさを一様にするために、上述した総個数NTに対して個数N2が70%以上であることが好ましく、総個数NTに対する個数N2の割合が高くなることがより好ましい。
培養空間11の形状(正面の形状)、あるいは、底部13と平行な面の形状は、図3に示す形状に限定されるものではなく、例えば、図6A〜6Bに示すような形状であっても、その他の形状(楕円や菱形など)であってもよい。より高密度で均一な直径を有するスフェロイドを形成させるためには、左右対称構造であることが好ましい。
培養空間11の側面の形状は、図4に示す形状に限定されるものではなく、例えば、図7A〜7Cに示すような形状であってもよい。
培養容器10を構成する材料としては、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂、及びシリコン樹脂のうちの1つまたはこれらの組み合わせから選択される。
培養容器10の底部13の厚さTは、生存率を測定には蛍光・吸収光を使用した光学分析を利用することが多い、即ち光透過性が分析感度に大きく影響するため、1mm以下が好ましい。ただし、十分に感度が得られるのであれば、1mm以上であってもよく、底部13の厚さTを限定するものではない。
加えて、同様の観点から、培養容器10の底部13を構成するポリマーの全光線透過率が、85%以上99%未満であることが好ましい。全光線透過率(total luminous transmittance)は、日本工業規格(JIS K7375)により測定する。
* 培養表面の特性
次に、細胞を培養する培養表面、すなわち、培養空間11を囲む壁12及び底部培養面14の特性、特に親水化処理について説明する。培養表面は、各培養空間11内に培地を入れるため、また、コーティング溶液を用いる場合には、その溶液が培養空間11内に入り込まなければ表面を覆うことができない。このため、即時水接触角を45度以下にすることが好ましい。より好ましくは0度〜20度の範囲である。また、即時水接触角の値は、培養空間11と壁12の凹凸パターンが形成されていない平板を、培養容器10と同条件で作製して測定した値を前提とする。ここで、接触角は、固体表面上に液体が接している状況で、液体の縁の表面に引いた接線と固体表面と成す角度である。接触角は、水液滴を用いて接触法により測定した値である。即時水接触角は、水液滴を固体表面に滴下して1分後に測定した接触角をいう。
培養空間11をアレイ状に配置した表面に関して、当該表面の疎水性が高く即時水接触角が45度を超えると、すなわち濡れ性が低い場合は、培地やコート溶液を添加した際、空間に気泡が入りやすくなり、細胞が培養できない空間が生じることがある。そのため、即時水接触角が45度以下になるよう、親水化を行うことが必要である。親水化する方法としては、SiOを蒸着する方法や、プラズマ処理を行う方法が挙げられる。
加えて、培養容器10で効率よくスフェロイドを形成させるため、細胞接着性を抑制することが好ましい。細胞接着性を抑制するためには、即時水接触角が45度以下、好ましくは40度以下、より好ましくは20度以下になるような表面を用いることで可能になる。細胞接着性を抑制することと、即時水接触角との関係については、例えば、Y Ikada著、"Surface modification of polymers for medical applications"、Biomaterials 1994, vol.15 No.10, pp. 725-736に記載されている。即時水接触角を45度以下にする方法としては、ガラスを底部培養面14に蒸着する方法、プラズマ処理法を用いて、表面に官能基を形成させる方法が挙げられる。プラズマ処理などにより、表面に官能基を形成させる。
また、即時水接触角を45度以下にした表面に、細胞接着性を抑制する物質をさらにコートして接着性を抑制することにより、効率よくスフェロイドを形成させることができる。例えば、プラズマ処理を施し、水接触角を45度以下にした後、リン脂質・高分子複合体やポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)をコートしてもよい。
上述したように、一般に、スフェロイドは細胞接着性の低い表面で形成される。一方、培地交換や被験溶液に交換する際にスフェロイドが培養空間から離脱することを防ぐためにはスフェロイドの一部が培養底面に接着していることが好ましい。従って、培養容器10の表面を加工し、細胞の接着性をコントロールすることが重要である。例えば、培養容器10の表面を親水化処理することに加えて、培養容器10の表面にポリマーをさらに固定化することがより好ましい。
親水化処理は、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、低圧水銀ランプによるUV処理、エキシマUV処理、レーザー処理、及び電子線処理のうちのいずれかの処理を用いる。
固定化するポリマーは、細胞への毒性がなく、安定した非接着性表面を形成できることがわかっている既知のポリマーを用いる。細胞接着を阻害するポリマーには、親水性のポリマー鎖、リン脂質、リン脂質・高分子複合体、poly―HEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される。例えば、非接着性ポリマー溶液としてはリン脂質、リン脂質・高分子複合体である2−メタ クリロイルオキシエチルホスホリスコリン(MPC)ポリマーが挙げられる。MPC溶液濃度は0.001vol%〜1vol%の範囲が好ましく、0.01vol%〜0.1vol%の範囲がより好ましい。
上述した表面処理でスフェロイドが離脱するような場合には、細胞接着性を有するポリマーを混合することで解決できる。例えば、細胞接着を阻害する、親水性のポリマー鎖、リン脂質、リン脂質・高分子複合体、poly―HEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される細胞非接着性ポリマーと、細胞接着性を促進するポリマーには、ポリ−L−リシン、ポリ−D−リシン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、及びこれらの組合せからなる群から選択される細胞接着性ポリマーとの混合物を培養容器10の表面にコートする。このような細胞非接着性ポリマーと細胞接着性ポリマーコート溶液の混合溶液の一例として、リン脂質、リン脂質・高分子複合体である2−メタ クリロイルオキシエチルホスホリスコリン(MPC)ポリマーとポリ−L−リシン溶液との混合物が挙げられる。MPC溶液濃度は0.001vol%〜1vol%の範囲が好ましく、0.01vol%〜0.1vol%の範囲がより好ましい。ポリ−L−リシン溶液の濃度は0.001〜0.1vol%の範囲が好ましく、0.005〜0.015vol%の範囲がより好ましい。MPC溶液とポリ−L−リシン溶液の混合比は50:50〜100:0の範囲が好ましく、75:25〜90:10の範囲がより好ましい。
上述した親水化処理を培養容器10へ施すと、表面処理後の樹脂基材表面はカルボキシル基、カルボニル基などの極性を有する親水性官能基が多く露出する。そのためコーティングしようとするポリマー側鎖に極性がある場合、樹脂基材とポリマー側鎖の相互作用により、コーティング後の表面が期待する機能を充分に発現しないことがある。このよう場合は、電解質溶液がクエン酸−リン酸緩衝液、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水から選択される緩衝液で中和することが好ましい。
具体的には、培養容器10をクエン酸−リン酸緩衝液、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水、及びトリス緩衝生理食塩水からなる群から選択される電解質溶液で前処理する。その後、細胞接着を阻害する、親水性のポリマー鎖、リン脂質、リン脂質・高分子複合体、poly―HEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、細胞接着を阻害するポリマーを固定化する。
また、培養容器10を、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂、シリコン樹脂、及びこれらの組合せからなる群から選択される樹脂からなる成形品であるものを用いる。
2.スフェロイド製造処理から判定処理までの手順
一実施形態の評価方法は、操作性の観点から、複数のウェルを備える培養プレートを用いることが好ましい。特に、スフェロイド製造処理(第1工程)と、添加処理(第2工程)とを同一のウェル内で行うことがより好ましい。そのため、一実施形態では、図1に示す培養プレート1の複数のウェル21を用い、複数のウェル21のうち、一つのウェル21内でスフェロイド製造処理及び添加処理の各工程を実施する場合を説明する。言い換えると、一つのウェル内で培養及び添加の処理において、細胞を別のウェル21または別のプレートのウェルまたは容器に移動させることはない。
例えば、多数の化合物を同時にスクリーニングするような場合、自動培養装置や自動分析装置を用いる。このような場合には、コンタミネーションのリスクを減らすために、スフェロイド製造処理(第1工程)で形成させたスフェロイドを別の容器に移し替えることなく添加処理(第2工程)を行うことが望ましい。
加えて、複数のウェルを有する培養プレート(ウェルプレート)形状を使用し検体数に応じて、6、24、48、96、384ウェルのいずれかの培養プレートを選択することが好ましい。
* スフェロイド製造処理
スフェロイド製造処理では、上述した培養容器10によって形成される培養空間11を用いて、ウェルプレート内で株化肝細胞を培養してスフェロイドを複数形成させる。言い換えると、ウェルプレート内で細胞を三次元的に培養し、所望の大きさの複数のスフェロイドを形成する。培養処理では、50μm以上200μm未満のスフェロイドの細胞を、培養期間が12時間以上72時間未満で製造する。
製造するスフェロイドの直径は、培養容器で説明したように、50μm以上200μm未満が好ましく、60μm以上150μm以下がより好ましい。
形成したスフェロイドが、被験化合物を代謝する代謝酵素を発現しているかを確認したうえで添加処理を実施することが好ましい。
スフェロイド形状の株化肝細胞を得る方法として、ローラーボトル培養、スピナーフラスコ培養、ハンギングドロップ培養など特に限定されない。しかし、これらの方法では培養方法に応じた装置を使用するため、スフェロイド形成処理と接触処理とを別々の容器で行う必要が生じる。発明者らは、上述した培養容器10が形成されたウェル21を用いることにより、同一の容器でスフェロイド形成処理と接触処理とを実施できることを発見した。これにより、操作が簡便になり、形成したスフェロイドを移動させることなく、細胞に第1乃至第3培地を添加することが可能になる。特に、多くの化合物を一度に評価するような医薬品のスクリーニングにおいて、自動培養装置に利用することが可能となる。加えて、細胞の損傷や汚染を防止することが可能になる。
スフェロイドを形成させるためには、培養底面への接着を抑制させ、またはなくすことが重要であることが明らかとなっている。このような観点から非特許文献2、3の方法が開発されるようになった。しかしながら、72時間以内という短時間で向上させることは困難である。その要因として、培養期間中に培地が流動することにより、細胞間接着が阻害されていると考え、スフェロイド1個の大きさを形成するための細胞を隔離、かつ細胞接着性を抑制させる表面処理を施した培養容器10を用いてスフェロイド形成を試みた。その結果、短期間でスフェロイドを形成させることに成功した。
隔離された空間即ち培養空間11は、所望するスフェロイド直径の大きさ(50μm以上200μm未満)の大きさの1〜5倍に設計し、その空間に1個のスフェロイドを形成させることができる。
加えて、細胞密度が0.5〜4×10細胞数/cmになるように細胞を播種して培養することが好ましい。細胞が少ない場合は72時間以内に所望するスフェロイドに成長できないことが想定される。密度が高い場合は培養容器10に細胞が入らずあふれてしまう。その結果各培養容器10の細胞がとなりあう培養容器10の細胞とあふれた細胞を介してつながってしまう。即ち培養容器10の外にある細胞がスフェロイドの形成を阻害する。
* 添加処理
添加処理では、製造した複数のスフェロイドへ、第1乃至第3培地のいずれかを添加する。第1培地は、被験化合物を含まない培地である。第2培地は、所望の濃度の被験化合物を含む培地である。第3培地は、化合物を代謝する代謝酵素の阻害剤を少なくとも1種類含み、所望の濃度の被験化合物を含む培地である。第1乃至第3培地のいずれかが添加されたスフェロイドをインキュベートする。なお、本明細書では、化合物を代謝する代謝酵素の阻害剤には、化合物を代謝することが知られている代謝酵素の阻害剤に限られることなく、化合物を代謝する可能性のある代謝酵素の阻害剤も含む。
化合物を代謝する代謝酵素は、第I相酵素、第II相酵素、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
第I相酵素は、例えば、チトクロムP450であることが好ましい。加えて、チトクロムP450は、CYP1A1、CYP1A2、CYP3A4、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C11、CYP2C19、CYP2B6、CYP2D6、CYP2E1、及びこれらの組合せからなる群から選択される分子種であることが好ましい。これらの酵素は医薬品のような生体異物および内在性基質の代謝反応を行う酵素として知れている。しかしながら、代謝は単にチトクロムP450のみで起こる現象ではなく第II相酵素など種々の酵素の働きにより代謝される。それゆえ、これら酵素群による代謝産物の毒性を調べることは安全な医薬品を開発する上で重要である。
第II相酵素は、例えば、グルクロン酸抱合酵素、硫酸抱合酵素、及びまたはこれらの組合せからなる群から選択される。
第3培地について、阻害剤の濃度は細胞死を引き起こさない濃度であることが好ましく、添加処理で行う培養(インキュベート)時間で阻害剤を含まない溶液と細胞を接触させた時の生存率を100%とした場合、試験に供する阻害剤を含む溶液をそれぞれ細胞と接触させた生存率が90%以上であることが好ましい。より好ましくは99%以上である。
* 測定処理
測定処理では、添加処理後のスフェロイドを構成する細胞の生存率を測定する。生存率測定方法としては、生細胞と死細胞が判定可能な試薬を用いればよく特に限定されない。MTTアッセイ法、ATPアッセイ法、細胞内グルタチオンアッセイ法、LDHアッセイ法などが挙げられる。
* 判定処理
判定処理では、測定処理で測定した生存率に基づいて、スフェロイドを構成する細胞に対して被験化合物の毒性を判定する。第2培地を添加したスフェロイドを構成する細胞の生存率が高いほど、被験化合物の毒性は低くなる。
被験化合物は、生存率が以下の(A)かつ(B)の場合には毒性を有すると判定する。
(A)第1培地添加のスフェロイドの生存率より第2培地添加のスフェロイドの生存率が小さい(第1培地>第2培地)。
(B)第3培地添加のスフェロイドの生存率より第2培地添加のスフェロイドの生存率が小さい(第3培地>第2培地)。
上述した(A)(B)では生存率から見た関係を記載している。一方、スフェロイドが示す毒性の大きさに着目すると、次のように言い換えることができる。
(C)第1培地添加のスフェロイドの毒性より第2培地添加のスフェロイドの毒性が大きい(第1培地<第2培地)。
(D)第3培地添加のスフェロイドの毒性より第2培地添加のスフェロイドの毒性が大きい(第3培地<第2培地)。
記号で示すと、生存率の大きさは、第1培地>第2培地、第2培地<第3培地、という関係になり、毒性の大きさは、第1培地<第2培地、第2培地<第3倍地、という関係になる。
上記の関係が成り立つ場合には、被験化合物はスフェロイド(スフェロイドを構成する細胞)に対して毒性を有すると判定する。加えて、被験化合物は、代謝酵素により代謝されると判定できる。
判定処理において、大小の判定は、データのばらつきを考慮し、同じ試験溶液で3ウェル実施することが好ましい。統計解析をする場合は少なくともN3以上で実施する必要がある。加えて、大小の判定は、有意差検定(t検定)など統計解析に基づいて判断することが好ましい。その理由は、判定処理には統計学的手法に基づいたデータ解析を行う必要がある。t検定とは2つの母集団がいずれも正規分布に従うと仮定した上での、平均が等しいかどうかの検定のことである。
そのため、例えば、被験化合物の濃度を3濃度変化させ、N3で評価する場合、添加処理では次の処理が必要となる。第1培地は被験物質0mmol/Lの溶液1種類を3つのウェルに添加する。また、第2培地は被験化合物3濃度、3種類の培地を準備して合計9つのウェルに添加する。さらに、第3の培地は被験物質濃度3濃度に阻害剤を加えた3種類の培地を準備して合計9つのウェルに添加する。
実施例及び比較例について説明する。一実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例、比較例]
1.細胞の準備(スフェロイド形成処理)
(1−1)培養容器及び細胞
図8に示す、96個のウェル21aを有する培養プレート(96ウェル培養プレート、株式会社クラレ製)1aを使用した。各ウェル21aの底部培養面には凹凸パターン(微細パターン)によって複数の培養容器10aが形成されている。各培養容器10aは、相当直径Dが200μm、高さHが100μmで形成される培養空間11aを有する。また、壁12aの幅Wは10μmである。
培養空間11を形成する培養容器10aの表面は、プラズマ処理により即時接触角0度に処理されたものを用いた。
培養する細胞は、ヒト由来の株化肝細胞を使用した。
比較例は、培養プレートがFALCON社製の細胞培養グレード、96ウェルプレートであること以外、実施例と同じ条件とした。
(1−2)培養容器の準
使用前にリン酸緩衝整理食塩水(PBS:phosphate-buffered saline)を各ウェルに入れ、室温で10分間置いて洗浄した。
洗浄後、PBSを吸い取り、0.05vol%MPC/滅菌水の溶液を65μL入れクリーンベンチ内で乾燥させた。
(1−3)細胞培養
上記表面処理したプレートと比較例のプレートをPBSで洗浄した。
細胞密度が1×10個/cmになるように播種し、5vol%CO2インキュベータで、37度で24時間〜48時間培養した。
培地の組成は、10vol%のウシ胎児血清(FBS)、100U/mlのペニシリン、及び100mg/mlのストレプトマイシンを含むDMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)培地を使用した。
2.試験条件
実施例、比較例ともに次の条件で試験を実施した。
(2−1)被験物質溶液
被験化合物はアフラトキシンB1を使用した。阻害剤は、チトクロムP450の分子種CYP3A4の阻害剤であるケトコナゾールを使用した。これら試薬をそれぞれDMSOに溶解して原液を作製した。下記溶液作成時、DMSO(Dimethyl sulfoxide)の濃度は0.1vol%となるようにした。溶媒は上述した培地を使用した。
Aの溶液(第1培地):被験物質を含まない0.1%濃度のDMSOを含む溶液を作製した。DMSOは第2及び3培地の最終濃度であり、DMSOによる細胞生存性に対する影響を加味するため添加した。ただし、この濃度のDMSOはほとんど細胞毒性がないことが一般的に知られている。
Bの溶液(第2培地):モデル的にアフラトキシンB1の原液を10μmol/L、40μmol/Lになるように培地で希釈し、2種類の被験物質を含む溶液を作製した。10μmol/LのアフラトキシンB1は代謝物毒性が低いような化合物を想定した。40μmol/LのアフラトキシンB1は代謝物毒性が強い化合物を想定したものである。
Cの溶液(第3培地):10μmol/LのアフラトキシンB1と5μmol/Lのケトコナゾールとを含む溶液、40μmol/LのアフラトキシンB1と5μmol/Lのケトコナゾールとを含む溶液の2種類を作製した。
A〜Bの各溶液について、複数のサンプルが得られるように試験を実施し、各溶液の複数のサンプルを、A群、B群、またはC群と称する。従って、A群は、被験物質非添加、B群は、被験物質添加、C群は、被験物質及び阻害剤添加となる。
(2−2)生存率の測定
Cell Counting Kit−8(同仁化学研究所)を使用して生細胞数を測定する方法を採用した。Aの溶液の吸光度の値を100とし、B及びCの溶液の値を算出した。その値を生存率とした。従って、Aの溶液の生存率を100%として示す。
3.試験手順
項目1.細胞の準備で形成したスフェロイドを用いて、項目2.試験条件の条件により、以下の手順で試験を実施した。実施例、比較例ともに同じ手順とした。
(3−1)細胞播種から24時間〜48時間、培養容器10aで培養した後、培養容器10aから上澄みを吸い取る。
(3−2)A〜Cの溶液を培養容器10aに100μL加え、5vol%COインキュベータ内で、37℃で48時間インキュベートした。このとき、A〜Cの溶液を複数のウェルに加え、各溶液について複数のサンプルが得られるようにインキュベートした。
(3−3)Cell Counting Kit−8を用いて生存率を測定した。生存率の測定は、Cell Counting Kit−8のマニュアルに従い実施した。
(3−3−1)測定するウェルにCCK−8溶液を10μLずつ添加した。
(3−3−2)COインキュベータ内で1時間呈色反応を実施した。
(3−3−3)マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定した。
(3−3−4)細胞の生存率は,実施例、比較例それぞれについて、被験物質非添加であるA群の平均値に対する、被験物質添加であるB群と、被験物質及び阻害剤添加であるC群の平均値の割合(%)として算出した。
4.試験結果
図9に、B及びCの溶液が10μmol/LのアフラトキシンB1を含む場合の生存率の測定結果を示す。図10に、B及びCの溶液が40μmol/LのアフラトキシンB1を含む場合の生存率の測定結果を示す。図9、10では、A群の生存率の測定結果を100%とした場合であり、B群、C群は、A群に対する、生存率の割合(%)で示す。
図9、10の結果から、代謝物毒性は、表1のように判定することができる。表1では、A群、B群、及びC群において、生存率の大きさの大小関係と、代謝物毒性の有無とを示す。
B及びCの溶液が10μmol/LのアフラトキシンB1を含む場合の試験結果を参照すると、実施例では、アフラトキシンB1の濃度が低い場合にも正確に予測できることが示されている。一方、比較例では低濃度の場合(言い換えると、代謝物の毒性が低い場合)には、図9に示すように、A乃至Cの溶液間に有意な差を検出できなかった。従って、被験化合物の濃度が低い場合には、代謝物毒性の判定し、肝毒性有無の予測を間違える可能性がある。この結果から、株化肝細胞を培養してスフェロイドを形成させることによって、より精度高く代謝物による毒性の有無を検出することができる。
B及びCの溶液が40μmol/LのアフラトキシンB1を含む場合の試験結果を参照すると、実施例及び比較例ともに、A乃至Cの溶液間に有意な差を検出することができた。
実施例で用いたアフラトキシンB1は一例であり、他の被験化合物であっても一実施形態のスクリーニング方法を適用することができることは言うまでもない。
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
1、1a 培養プレート
8 細胞
9 スフェロイド
10、10a 培養容器
11、11a 培養空間
12 壁
13 底部
14 底部培養面
21、21a ウェル
22 仕切り部

Claims (15)

  1. 培養容器に形成された複数の培養空間内で、株化肝細胞を12時間以上72時間以内で培養して相当直径が50μm以上200μm未満の複数のスフェロイドを作製する工程と、
    前記複数のスフェロイドへ、被験化合物を含まない第1培地、所望の濃度の前記被験化合物を含む第2培地、及び、前記被験化合物を代謝する代謝酵素の阻害剤を少なくとも1種類と、前記所望の濃度の前記被験化合物とを含む第3培地のそれぞれを添加し、異なる培地が添加された複数のスフェロイドをインキュベートする工程と、
    前記第1乃至第3培地をそれぞれ添加して培養した前記複数のスフェロイドの生存率をそれぞれ測定する工程と、
    前記第1培地添加の前記スフェロイドの生存率より前記第2培地添加の前記スフェロイドの生存率が小さく、前記第3培地添加の前記スフェロイドの生存率より前記第2培地添加の前記スフェロイドの生存率が小さいとき、前記被験化合物が前記複数のスフェロイドに対して毒性を有すると判定する工程と、
    を含む化合物のスクリーニング方法。
  2. 前記代謝酵素が、第I相酵素、第II相酵素、及びこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の化合物のスクリーニング方法。
  3. 前記第I相酵素がチトクロムP450であることを特徴とする請求項2記載の化合物のスクリーニング方法。
  4. 前記チトクロムP450が、CYP1A1、CYP1A2、CYP3A4、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C11、CYP2C19、CYP2B6、CYP2D6、CYP2E1、及びこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項3記載の化合物のスクリーニング方法。
  5. 前記第II相酵素が、グルクロン酸抱合酵素、硫酸抱合酵素、グルタチオン抱合、アセチル抱合酵素、アミノ酸抱合酵素、及びこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項2または3記載の化合物のスクリーニング方法。
  6. 記培養容器は、複数のウェルを有する培養プレートの各ウェル内に、前記複数の培養空間を有するように形成され、
    前記培養容器は、相当直径の長さを有する面と、高さを有する壁とを有し、
    各培養空間は、前記面と前記壁とから形成される空間であり、
    前記高さを前記相当直径で割った値が0.3から2の範囲であり、
    各ウェルの底に、前記相当直径が50μmから1000μmの範囲の前記培養容器が少なくとも2個以上配置され、
    細胞密度が0.5〜4×10細胞数/cmになるように細胞を播種して培養することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の化合物のスクリーニング方法。
  7. 前記培養容器が、即時水接触角が20度以下となるように親水化処理されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化合物のスクリーニング方法。
  8. 前記親水化処理が、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、低圧水銀ランプによるUV処理、エキシマUV処理、レーザー処理、及び電子線処理のうちのいずれかであることを特徴とする請求項7記載の化合物のスクリーニング方法。
  9. 前記培養容器が、親水化処理された後に細胞接着を阻害する親水性のポリマー鎖、リン脂質、リン脂質・高分子複合体、poly―HEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される細胞非接着性ポリマーがコートされていること特徴とする請求項7記載の化合物のスクリーニング方法。
  10. 前記培養容器が、親水化処理された後に、細胞接着を阻害する親水性のポリマー鎖、リン脂質、リン脂質・高分子複合体、poly―HEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、細胞接着を阻害するポリマーと、細胞接着性を促進するポリマーである、ポリ−L−リシン、ポリ−D−リシン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、細胞接着性を促進するポリマーとの混合物が固定化されていることを特徴とする請求項7記載の化合物のスクリーニング方法。
  11. 前記培養容器が、親水化処理された後に、クエン酸−リン酸緩衝液、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水から選択される電解質溶液で前処理された後、細胞接着を阻害する親水性のポリマー鎖、リン脂質、リン脂質・高分子複合体、poly―HEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される細胞非接着性ポリマーがコートされていることを特徴とする請求項7記載の化合物のスクリーニング方法。
  12. 前記培養容器が、親水化処理された後に、クエン酸−リン酸緩衝液、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水、及びトリス緩衝生理食塩水からなる群から選択される電解質溶液で前処理された後、細胞接着を阻害する、親水性のポリマー鎖、リン脂質、リン脂質・高分子複合体、poly―HEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、細胞接着を阻害するポリマーと、細胞接着性を促進するポリマーである、ポリ−L−リシン、ポリ−D−リシン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、細胞接着性を促進するポリマーとの混合物を固定化されていることを特徴とする請求項7記載の化合物のスクリーニング方法。
  13. 前記培養容器が、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂、シリコン樹脂、及びこれらの組合せからなる群から選択される樹脂成形品であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の化合物のスクリーニング方法。
  14. 前記培養容器の底部を構成するポリマーの全光線透過率が、85%以上99%未満であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の化合物のスクリーニング方法。
  15. 前記複数のスフェロイドを作成する工程と、前記複数のスフェロイドに前記第1乃至第3培地のいずれかを添加して培養する工程とは、同じ容器で実施することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の化合物のスクリーニング方法。
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