JP6035343B2 - 毒性スクリーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物のスクリーニング方法に関し、特に分析技術に関する。
肝細胞は非常に多くの生理的機能を有しており、薬物、食品添加物、環境汚染物質などの代謝に重要な機能を有している。代謝には肝細胞に存在する多くの酵素が関与しているといわれており、例えば、エステルなどの加水分解酵素、酸化反応に重要な役割を果たす第I相薬物代謝酵素であるチトクロムP450、還元酵素、及び、第II相薬物代謝酵素である、硫酸、酢酸、グルタチオン、またはグルクロン酸などを付与する抱合酵素がある。これら酵素反応により反応性に富む中間体(反応性代謝物)が生成される場合がある。反応性代謝物の化学構造は不安定で寿命が短く、ほとんどが内在性のグルタチオンにより解毒されるが、タンパク質やDNAとも結合し肝毒性を示すことがある。また、反応性代謝物が大量に生成されるとグルタチオンが枯渇するため、周辺のタンパク質やDNAと結合し非常に強い毒性を発現する。その結果、重篤な肝障害を招くことがある。このため、肝細胞の代謝物毒性を解析する様々な方法が開発されている。
例えば、特許文献1には、ヒト細胞に及ぼす毒性影響について薬物候補をスクリーニングする方法、被験化合物の特異体質の毒性を測定する方法が開示されている。より具体的には、特許文献1では、被験化合物が第I相薬物代謝酵素による代謝を受けて生成された代謝物が毒性を示すか否かをスクリーニングする方法について開示されている。第I相薬物代謝酵素が発現している細胞を用いる方法が開示されており、好ましい様態として、各々異なるチトクロムP450を発現する複数の細胞を使用することと、第I相薬物代謝酵素の発現が第II相薬物代謝酵素の20倍大きいことが推奨されている。これは、第I相薬物代謝酵素による代謝の後に第II相薬物代謝酵素により代謝されて毒性を示す化合物が生成、または無毒化されることがあるため第II相薬物代謝酵素反応の影響を排除するために上述したような特性をもつ細胞を使用している。このように、代謝物の毒性を評価するうえで細胞内の代謝機能を意図的にコントロールする方法を組合せることで正確な毒性が評価できるようになる。
また、非特許文献1には、ヒト初代肝細胞を用いコラーゲン−マトリゲルのサンドウィッチ法で培養、活性酸素量、ミトコンドリア膜活性、抗酸化物質であるグルタチオン(GSH)の消費量を可視化することで生体内における毒性発現のメカニズムを予測する方法が開示されている。しかし、特許文献1に示されているように、細胞内には第I相薬物代謝酵素で代謝され生成した代謝物が第II相薬物代謝酵素で代謝されて毒性を示す物質が生成される可能性もあり、この方法ではどの代謝酵素で代謝されたか否かを正確に判定することはできない。
特表2005−511093号公報
Jinghai J. Xu, Peter V. Henstock, Margaret C. Dunn, Arthur R. Smith, Jeffrey R. Chabot, David de Graaf著、"Cellular Imaging Predictions of Clinical Drug-Induced Liver Injury"、TOXICOLOGICAL SCIENCES 105(1)、2008年、pp.97-105
特許文献1では、第I相薬物代謝酵素が第II相薬物代謝酵素の発現量に対して大幅に高い複数種の細胞を用いる。このため細胞の維持管理に手間を要するという問題がある。また、非特許文献1で用いられているサンドウィッチ法は初代肝細胞の機能を長期間維持できる点で優れているが、ゲルの取扱いには容易ではなく操作が煩雑になるという問題がある。加えて、マトリゲルは高価であるため、コストが高くなるという問題もある。一方、一般的な平板培養法の操作は簡便で低コストであるものの、細胞が培養底面に扁平に広がった生体内とまったく異なる形態をしている。このため、細胞機能をin vitroで再現できないことが知られている。その結果、平板培養では反応性代謝物による細胞死が検知できない可能性がある。
この課題を解決するために、生体内に近い組織構造をin vitroで再現する方法、例えば凝集体状の塊を作製するための方法が多く研究され市販されている。例えば、AlgiMatrix(登録商標)など3次元培養システムが販売されている。これらの方法では、操作が煩雑である上、担体の光透過性が平板と比較して低い。このため、非特許文献1に開示されたイメージング手法には適さない。
このような事情から、化合物のスクリーニング方法において、細胞機能を高度に保つことができる三次元培養細胞を用い、被験化合物が代謝されることにより毒性を生じさせる薬物代謝酵素をイメージング法で特定する分析技術が要請されていた。
発明者らは、立体的に培養した細胞に被験物質と代謝酵素阻害剤を同時に添加することによって、代謝物による毒性か否かを生細胞と死細胞を可視化して評価する新しいスクリーニング方法を発見した。
一実施形態の毒性スクリーニング方法は、被験化合物が肝臓の薬物代謝酵素によって代謝されて毒性を示すか否かを判定する方法であり、次の構成を含む。
(1)複数の肝細胞を立体的に培養する工程。
(2)前記被験化合物を含まない第1溶液、前記被験化合物を含む第2溶液、及び、薬物代謝酵素反応を阻害する1種類以上の阻害剤と前記被験化合物との第3溶液のそれぞれを、各肝細胞に曝露させることによって、異なる溶液と接触させた前記複数の肝細胞を取得する工程。ここでは、各肝細胞に第1乃至第3溶液のいずれかを曝露させ、第1乃至第3溶液のうちの一つと接触させた、3種類の肝細胞を得る。
(3)生細胞を認識する蛍光プローブ、死細胞を認識する蛍光プローブ、及びこれらの組合せからなる群から選択される蛍光プローブを含む溶液と前記複数の肝細胞とを接触させる工程。
(4)染色後の前記複数の肝細胞を用いて蛍光染色像を得て、前記蛍光染色像のデータを元に被験化合物の毒性を判定する工程。
立体的に培養した細胞に、被験物質と代謝酵素阻害剤を同時に添加することによって、肝細胞と同様の代謝機能を発現することが可能になる。加えて、蛍光プローブを用いて解析することにより、培養した肝細胞の代謝酵素が被験化合物を代謝した代謝物による毒性か否かを、生細胞と死細胞を可視化して評価することができる。
本発明によれば、細胞機能を高度に保つことができる三次元培養細胞を用い、被験化合物が代謝されることにより毒性を生じさせる代謝酵素をイメージング法で特定する分析技術を提供することができる。
本発明の一実施形態で用いる培養プレートの全体を示す図である。 図1に示す培養プレートのII−II線断面図である。 図1に示す培養プレートの他のII−II線断面図である。 本発明の一実施形態で用いる培養容器の全体を示す図である。 図3に示す培養容器のIV−IV線断面図である。 培養空間で凝集体を培養する状態を表す概略図である。 培養空間で培養した凝集体の好ましいサイズの一例を説明する模式図を示す図である。 培養空間でスフェロイドを培養する状態を表す概略図である。 培養空間で培養したスフェロイドの好ましいサイズの一例を説明する模式図を示す図である。 培養空間の他の形状例を示す図である。 培養空間のさらに他の形状例を示す図である。 培養空間の他の側面の形状例を示す断面図である。 培養空間のさらに他の側面の形状例を示す断面図である。 培養空間のさらに他の側面の形状例を示す断面図である。 実施例で用いる培養プレートの一例を示す写真である。 実施例で培養した肝細胞の一例を示す写真である。 実施例において、溶液(i)〜(iii)を接触させた肝細胞の蛍光染色像の写真である。 比較例において、溶液(i)〜(iii)を接触させた肝細胞の蛍光染色像の写真である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
本明細書では次の用語を用いる。
用語「凝集体」は、複数の細胞が少なくとも2層以上積層し立体的な形状を有する態様をいう。
用語「チトクロムP450(CYP)」は、細菌から植物,哺乳動物に至るまでのほとんどすべての生物に存在する、異物(薬物)代謝の役割を果たす酵素である。動物では、主に肝臓に存在する。
用語「ウェルプレート」は、多数のくぼみ(穴またはウェル)のついた平板からなる実験・検査器具であり、各ウェルを試験管あるいはシャーレとして利用するものをいう。ウェルの数には、ウェルの数には例えば、6、24、96、384などがあり、それ以上の数のものもある。ウェルの底は平らなもの、丸いもののほか、細長いマイクロチューブを多数組み合わせた形式のもの(ディープウェルプレート)もある。
用語「薬物代謝酵素」は、薬、毒物などの生体外物質(ゼノバイオティクスXenobiotics、異物ともいう)を分解あるいは排出するための反応に関わる酵素の総称である。
用語「第I相薬物代謝酵素」は、第I相反応と呼ばれる対象物質の分子量を低くする(分解)、または大きく変えない反応として、エステルなどの加水分解、酸化反応、還元反応に関わる酵素群である。酸化反応は、主にシトクロムP450(P450)による酸化である。
用語「第II相薬物代謝酵素」は、第II相反応と呼ばれる他の分子を付加する(分子量は大きくなる)反応で、抱合(ほうごう)ともいう反応において、付加される分子として、硫酸、酢酸、グルタチオン、グルクロン酸などを抱合する酵素群である。本明細書では「第II相薬物代謝酵素」を、「第II相酵素群」とも記載する。
以下の説明において、「値Aから値Bの範囲」という場合には、特に明記していない限り、「値A以上値B以下」を意味する。
加えて、「A、B、・・・、C、及びこれらの組合せ」という記載の「これらの組合せ」は、その前に記載のA、B、・・・、Cのうちの二つ以上の任意の数の組合せであることを意味する。言い換えると、「A、B、・・・、C、及びこれらの組合せ」は、A、B、・・・、Cのうちのいずれか一つと、これらの任意の数の組合せとのうちの一方、ということもできる。
一実施形態は、立体培養した細胞に被験物質と代謝酵素阻害剤を同時に添加することで代謝物による毒性か否かを生細胞と死細胞を可視化して評価する新しいスクリーニング系を提供する。この方法では、非特許文献1のようなゲルを用いることなく立体培養でき、さらに、光透過性の高い培養方法であるため顕微鏡を使った可視化も可能である。毒性スクリーニング方法は、例えば、第1乃至第4工程の手順を実施する。以下に第1乃至第4工程の概略を説明する。なお、第1乃至第4工程は説明を容易にするために工程を分けたものであり、これに限られるものではない。
第1工程は、複数の肝細胞を立体的に培養する培養処理である。
第2工程は、被験化合物を含む溶液、被験化合物と薬物代謝酵素の阻害剤を含む溶液、または被験化合物を含まない溶液を立体的に培養した複数の肝細胞と接触させる被験化合物処理である。
第3工程は、蛍光プローブを含む溶液と複数の肝細胞とを接触させる蛍光プローブ処理である。
第4工程は、被験化合物の毒性を判定する判定処理である。
以下、一実施形態の評価方法について、最初に培養処理で用いる培養容器について説明し、次に、培養処理から判定処理までを実施する毒性スクリーニング方法の手順について詳細に説明する。
1.培養容器
培養容器は、肝細胞を立体的に培養できる培養容器を用いる。言い換えると、複数の細胞が積層して立体的な形状を有する肝細胞を製造できる培養容器であればよい。特に、凝集体形状を有する肝細胞を製造することが好ましい。以下に、培養容器の一例として、凝集体を形成させるための容器の好ましい例を説明する。
* 培養容器の概略
図1は、本発明の一実施形態で用いる培養プレートの全体を示す図である。図2Aは、図1に示す培養プレートのII−II線断面図であり、図2Bに、他の態様の断面図を示す。培養プレート1は、複数のウェル21を備える。複数のウェル21は、仕切り部22によって、隣り合うウェル21と隔てられる。複数のウェル21それぞれには、培養容器10が形成されている。
図3に、本発明の実施形態で用いる培養容器の構成例を示す。図4は、図3に示す培養容器のIV−IV線断面図である。
培養容器10は、培養空間11と、壁12と、底部13とを有する。
培養空間11は、壁12と底部13とで仕切られた領域であり、細胞を培養する三次元の空間領域(培養領域)となる。培養空間11は、単に「空間」、または「マイクロ空間」とも称する。
壁12は、培養空間11を仕切る隔壁であり、培養容器10に凹凸パターンを形成する凸部ともいえる。培養空間11が仕切り部22に隣接する場合、壁12は、図2Aに示すように、仕切り部22の壁面の一部分と同じになってもよいし、図2Bに示すように、仕切り部22の壁面に隣接して壁12が配置されてもよい。
底部13は、培養容器10の基板として機能するとともに、培養空間11が配置される側の表面は、培養領域(培養表面)の一部となる。底部13は、培養プレート1に形成された各ウェル21の底部と同じ領域であり、各ウェル21の底部が用いられる。底部13は、培養空間11の底を形成する。底部13のうち、培養空間11を形成する面の一部分であり、かつ、培養領域となる底部の表面を、「底部培養面14」とも称する。
図3,4では、培養容器10に形成される培養空間11に関して、相当直径D、高さ(深さ)H、壁12の幅(厚さ)W、及び、底部13の厚さTを示す。図3,4では、底部13は、壁12と一体として作製された場合を示している。
相当直径Dは、培養空間11に内接する内接円の直径をいう。より詳しくは、相当直径Dは、培養空間11の底部13と平行する面の形状(正面の形状)、言い換えると、培養空間11の高さHの方向と垂直になる面の形状の内接円の直径をいう。培養空間11の正面の形状が、高さHに応じて異なる場合、肝細胞を培養する空間領域の最大値を相当直径とする。
高さHは、培養空間11の底(底部培養面14)から壁12の上面までの長さであり、培養空間11の深さでもあるともいえる。また、底部培養面14が平面の場合、高さHは、壁12の高さと同じである。
壁12の幅Wは、壁12の厚さであるとともに、隣接する培養空間11間を隔てる距離であるともいえる。
培養容器10内(言い換えると、各ウェル21内)において、複数の培養空間11は、図3に示すようにアレイ状に配置される。培養容器10に含まれる培養空間11の数または大きさは、培養プレート1に作製されるウェル21の数(ウェル21の大きさ)と培養空間11及び壁12の大きさに依存するものである。具体的には、ウェル21の数が多くなるに従って、培養空間11の数が小さくなる関係にある。同じ大きさのウェル21のとき、ウェル21の中の培養空間11の数は、相当直径Dが大きい場合や幅Wが大きい場合に小さくなる関係にある。図1乃至4では、構成をわかりやすく説明するため、培養空間11の数を少なくして表した概略図であり、培養容器10に含まれる培養空間11の数は実際とは異なる。加えて、図3,4では、9個の培養空間11を示している。これは説明のために示したものであり、実際の培養容器10(各ウェル21)に含まれる培養空間11の数に対応するものではない。
発明者らは、凝集体の直径が30〜200μmであって、この大きさの凝集体を作製するためには、相当直径Dが所望する凝集体の直径の1〜5倍であり、高さHが相当直径Dの0.1倍〜3倍である培養空間11を複数有するとともに、該培養空間表面の水接触角が45度以下である培養容器10を使用し、各培養空間11で肝細胞を培養することによって、上述した直径の肝細胞の凝集体を培養することができることを見出した。
図1乃至4を参照して、所望の凝集体を形成させるためのマイクロオーダの培養空間11の大きさ、形状等と、培養表面の特性を説明する。
* 培養空間の大きさ、形状等
細胞を播種した後、壁11を乗り越えて隣り合う培養空間11に移動しない、すなわち凝集体を形成するまでは、培養空間11に細胞を保持しておくことが重要となる。そのため、高さHが相当直径Dの0.1倍〜3倍であることが好ましく、細胞を保持するためにはHは高いほうがよく、かつ、栄養分の供給を円滑に行うためには、高さHは低い方が良いことから、高さHが相当直径Dの0.2〜1倍がより好ましい。凝集体の相当直径は、培養空間11によって規定されるため、培養空間11の相当直径Dは、所望する凝集体の直径の1〜5倍の範囲が好ましく、1.2〜4倍の範囲がより好ましい。
例えば、直径100μmの肝細胞の凝集体を形成させるために、所望する凝集体の直径の1〜5倍の範囲、即ち、相当直径Dが100〜500μmの範囲で、高さHが相当直径の0.1〜3倍の範囲の培養空間11が規則的に配置されている底部13を有する培養容器10を用いる。
一実施形態では、試験溶液を凝集体中心部まで拡散または輸送させるためには、凝集体の直径は最大200μm未満、好ましくは150μm以下が好ましい。さらに加えて、細胞間の相互作用を最大限に引き出すためには、凝集体の直径は、最小50μmが好ましく、60μm〜150μmの範囲がより好ましい。
壁12の幅Wは、培養空間11と隣接する培養空間11を隔てる壁12の厚みである。従って、壁12の幅Wは、壁12の上面を超えて細胞が移動することを防ぐため、かつ、細胞が培養空間11内に入りやすくするため、10μm以上50μm未満がよく、好ましくは、細胞体1個以下の大きさ、即ち5〜30μmの範囲が好ましく、5〜10μmの範囲がより好ましい。さらに、同様の観点から、壁12の上面と培養空間11の側面とのなす角θは、90〜135度の範囲が好ましく、90度〜120度の範囲がより好ましい。
図5Aに、培養空間11で凝集体を培養する状態を表す概略図を示す。図5Aでは、図4に示す断面図を用い、凝集体9を、○印で示す。凝集体9は、複数の培養空間11それぞれにおいて培養される。
図1に示す培養プレート1で培養する場合、ウェル21毎に培養条件の設定、培地の交換等を実施することになる。そのため、各ウェル21に複数の培養空間11を形成するため、各ウェル21において、同条件で複数の凝集体を培養することが可能になる。加えて、ウェルプレートを用いて凝集体を培養することができるため、従来の細胞培養で用いる装置等を利用することが可能になる。
凝集体9の直径DSPを値dsp(dspは正の数値)とすると、培養空間11の相当直径Dは、値dspから値dspの5倍の範囲(dsp≦D≦5dsp)が好ましい範囲となる。また、培養空間11の高さHは、値dspの0.3倍から値dspの25倍(5×5)の範囲(0.3dsp≦H≦25dsp)が好ましい範囲となる。
図5Bに、培養空間で培養した凝集体の好ましいサイズの一例を説明する模式図を示す。図5Bは、凝集体9の相当直径Dに沿って切断した切断部端面を模式的に示した図である。上述したように、凝集体の直径の平均が30μm以上200μm未満であることが好ましく、特に、60μm〜150μmの範囲が好ましい。図5Bでは、凝集体9の切断部端面が5個の細胞8により形成されている様子を示す。例えば、細胞8の直径DCLが20μmであり、凝集体9の直径DSPが60μmの凝集体9を形成する場合には、例えば、細胞8が直線上に3個並ぶことにより形成される。同様に、凝集体9の直径DSPが150μmの凝集体9を形成する場合には、例えば、細胞8が直線上に5個並ぶことにより形成される。図5Bは説明を容易にするために細胞8を直線上に並べて模式的に示したものであり、細胞8は必ずしも直線上に並ぶとは限らない。
加えて、培養する立体的な細胞は、凝集体9の下位概念である、スフェロイドを培養する場合であってもよい。図5Cに、培養空間11でスフェロイド9aを培養する状態を表す概略図を示し、図5Dに、培養空間で培養したスフェロイド9aの好ましいサイズの一例を説明する模式図を示す。スフェロイド9aは、凝集体9より球状に形成される細胞塊である。
加えて、1試験領域(1ウェル、1シャーレ)にある凝集体は、その直径が半値幅の範囲内にあるものが全体の70%以上含まれることが好ましい。言い換えると、凝集体の直径の大きさがそろっていることが好ましい。その理由は以下の通りである。まず、凝集体の大きさによって代謝活性値が異なることが知られていることから、様々な直径の凝集体が混在していると精度の高い結果が得られない。また、小さい(50μm以下の)凝集体の代謝機能は極端に低いことが知られている。即ち小さい凝集体は代謝物の生成量が少なく細胞死が観察できない場合が考えられる。毒性を判定する際には、1ウェル内で細胞死が起きている部分とそうでない部分が混在するため毒性有無を正確に判定することができない可能性がある。
培養空間11の形状(正面の形状)、あるいは、底部13と平行な面の形状は、図3に示す形状に限定されるものではなく、例えば、図6A〜6Bに示すような形状であっても、その他の形状(楕円や菱形など)であってもよい。より高密度で均一な直径を有する凝集体を形成させるためには、左右対称構造であることが好ましい。
培養空間11の側面の形状は、図4に示す形状に限定されるものではなく、例えば、図7A〜7Cに示すような形状であってもよい。
培養容器10を構成する材料としては、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂、シリコン樹脂、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
培養容器10の底部13の厚さTは、観察性の観点から、1mm以下が好ましい。ただし、顕微鏡での観察に支障をきたさない限り、1mm以上であってもよく、底部13の厚さTを限定するものではない。培養容器の底部13の観察性を確保することにより、培養プレートをそのまま用いて、培養した凝集体を観察することが可能になる。培養容器の観察性を確保することにより、培養容器をそのまま用いて、免疫組織学法による蛍光染色観察などのイメージング技術を適用することが可能となる。
加えて、培養容器10の底部13を構成するポリマーの全光線透過率が、85%以上99%未満であることが好ましい。全光線透過率(total luminous transmittance)は、日本工業規格(JIS K7375)により測定する。全光線透過率を高くすることにより、底部13の上に培養された凝集体の観察性を確保することができる。さらに加えて、培養容器10(ウェル)の底部の厚さが300μm以下であることが好ましい。
* 培養表面の特性
次に、細胞を培養する培養表面、すなわち、培養空間11を囲む壁12及び底部培養面14の特性、特に親水化処理について説明する。培養表面は、各培養空間11内に培地を入れるため、また、コーティング溶液を用いる場合には、その溶液が培養空間11内に入り込まなければ表面を覆うことができない。このため、水接触角を45度以下にすることが好ましい。より好ましくは0度〜20度の範囲である。また、水接触角の値は、培養空間11と壁12の凹凸パターンが形成されていない平板を、培養容器10と同条件で作製して測定した値を前提とする。
培養空間11をアレイ状に配置した表面に関して、当該表面の疎水性が高く水接触角が45度を超えると、すなわち濡れ性が低い場合は、培地やコート溶液を添加した際、空間に気泡が入りやすくなり、細胞が培養できない空間が生じることがある。そのため、水接触角が45度以下になるよう、親水化を行うことが必要である。親水化する方法としては、SiOを蒸着する方法や、プラズマ処理を行う方法が挙げられる。
加えて、培養容器10で効率よく凝集体を形成させるため、初代肝細胞では細胞接着性を高め、株化肝細胞の場合は細胞接着性を抑制することが好ましい。
上述した親水化処理を行った後、細胞接着性を促進する物質または細胞接着性を抑制する物質をコートして接着性を制御することにより、効率よく凝集体を形成させることができる。例えば、プラズマ処理を施し、水接触角を45度以下にした後、ポリ‐L-リシンをコートして細胞接着性を高めてもよい。
2.培養処理から判定処理までの手順
一実施形態の毒性スクリーニング方法は、操作性の観点から、複数のウェルを備える培養プレートを用いることが好ましい。特に、培養処理(第1工程)から蛍光プローブ処理(第3工程)までを同一のウェル21内(言い換えると、同一の細胞容器10内)で行うことがより好ましい。特に、培養プレートの各ウェルには、凹凸パターンによって形成される複数の培養空間を有する培養容器が形成されていることが好ましい。そのため、一実施形態では、図1に示す培養プレート1の複数のウェル21を用い、複数のウェル21のうち、一つのウェル21内で培養処理から蛍光プローブ処理までの工程を実施する場合を説明する。言い換えると、一つのウェル21内で培養処理、被験化合物処理、及び蛍光プローブ処理を実施し、各処理で細胞を別のウェル21に移動させることはない。
例えば、多数の化合物を同時にスクリーニングするような場合、自動培養装置や自動分析装置を用いる。このような場合には、コンタミネーションのリスクを減らすために、培養処理で形成させた立体的に培養した肝細胞を別の容器に移し替えることなく被験化合物処理及び蛍光プローブ処理を行うことが望ましい。
加えて、複数のウェルを有する培養プレート(ウェルプレート)形状を使用し検体数に応じて、6、24、48、96、384ウェルのいずれかの培養プレートを選択することが好ましい。
* 培養処理
培養処理では、上述した培養容器10によって形成される複数の培養空間11を用いる。ウェルプレート内の各ウェル21には複数の培養空間11が形成されている。各培養空間11で肝細胞を立体的に培養し、複数の培養空間11に複数の肝細胞を形成させる。言い換えると、ウェルプレート内で細胞を三次元的に培養し、所望の大きさの複数の肝細胞を形成する。
培養する肝細胞の由来は、ヒト、げっ歯類、ラット、イヌ、及びサルのうちいずれかから選択されることが好ましい。加えて、肝細胞は、初代肝細胞であることがより好ましい。
製造する肝細胞の相当直径は、30μm以上200μm未満が好ましい。
形成した凝集体が、被験化合物を代謝する代謝酵素を発現しているかを確認したうえで添加処理を実施することが好ましい。
凝集体形状の肝細胞を得る方法として、ローラーボトル培養、スピナーフラスコ培養、ハンギングドロップ培養など特に限定されない。しかし、これらの方法では培養方法に応じた装置を使用するため、凝集体形成処理と接触処理とを別々の容器で行う必要が生じる。発明者らは、上述した培養容器10が形成されたウェル21を用いることにより、同一の容器で凝集体形成処理と接触処理とを実施できることを発見した。これにより、操作が簡便になり、形成した凝集体を移動させることなく、細胞に第1乃至第3培地を添加することが可能になる。特に、多くの化合物を一度に評価するような医薬品のスクリーニングにおいて、自動培養装置に利用することが可能となる。加えて、細胞の損傷や汚染を防止することが可能になる。
* 被験化合物処理
被験化合物処理では、被験化合物を含むまたは被験化合物を含まない、第1乃至第3溶液のいずれかを立体的に培養した肝細胞へ曝露させる。第1溶液は、被験物質を含まないコントロール溶液である。第2溶液は、被験化合物を含む被験溶液である。第3溶液は、薬物代謝酵素反応を阻害する1種類以上の化合物(薬物代謝酵素の阻害剤)と被験化合物とを混合した混合溶液である。第1乃至第3溶液のいずれかを各肝細胞へ曝露させることにより、異なる溶液と接触させた複数の肝細胞を得る。言い換えると、第1溶液と曝露させた複数の肝細胞、第2溶液と曝露させた複数の肝細胞、及び、第3溶液と曝露させた複数の肝細胞を得る。
各肝細胞に接触させる第1乃至第3溶液に用いる溶媒としては、蛍光染色像を得る際のバックグラウンドを小さくするためにフェノールレッドを含まない培地を用いることが好ましい。加えて、血清中に含まれるサイトカインによる細胞への影響を排除するために血清を含まないことが好ましい。一方で、各試験溶液と細胞を48時間以上接触させる場合は細胞の生理機能を保つため0.1〜1%の範囲の血清を加えても良い。
第1乃至第3溶液の溶媒は200〜315mOsm/kg・HOの浸透圧であって、pH域が6.8〜8.4に緩衝作用があればよい。加えて、細胞の生理機能を一定に保つためには、グルコース及びアミノ酸、ビタミン類などの栄養素が含まれているものを使用することが好ましい。例えばダルベッコ変法イーグル培地(DEM:Dulbecco's Eagle medium)とNutrient Mixture F-12の混合培地を用いることで生理機能が一定に保たれる。
被験物質および薬物代謝酵素阻害剤の濃度は、任意の薬剤の濃度の溶液を1時間から96時間の範囲で肝細胞と接触させ、生存率が80%を超える濃度を採用する。濃度が低すぎる場合は反応性代謝物による毒性が観察されない場合も想定されるため、生存率が80%を下回らない範囲でできる限り高い濃度の被験物質の溶液を最大濃度として用いることが好ましい。最大濃度の1/2〜1/100の範囲の複数の濃度の被験物質を用いることがより好ましい。
* 蛍光プルーブ処理
蛍光プローブ処理は、蛍光プローブを含む溶液と複数の肝細胞とを接触させる。蛍光プローブは、生細胞を認識する蛍光プローブ、死細胞を認識する蛍光プローブ、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
蛍光染色像を得る装置としては、共焦点レーザ顕微鏡または蛍光顕微鏡を用いる。
* 判定処理
第4工程は、被験化合物の毒性を判定する判定処理である。判定処理は、染色後の複数の肝細胞を用いて蛍光染色像を得て、蛍光染色像のデータを元に被験化合物の毒性を判定する。蛍光染色像から判定条件を満たすことが検出されると、肝細胞による代謝を受けた被験化合物(反応性代謝物)が細胞毒性の要因であると判定する。言い換えると、被験化合物が肝細胞に有する薬物代謝酵素によって代謝を受けると、反応性代謝物が生成され、細胞毒性の要因となると判定できる。
蛍光染色像の判定は、蛍光領域または蛍光強度を用いる。以下に、3種類の判定条件を示す。これらの判定条件のいずれか一つまたは複数を用いて判定することができる。
蛍光領域を用いる場合には次の二種類の判定条件がある。
蛍光領域を次のように定義する。
第1溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第1生領域(A)とする。
第2溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第2生領域(B)とする。
第3溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第3生領域(C)とする。
第1溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第1死領域(D)とする。
第2溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第2死領域(E)とする。
第3溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第3死領域(F)とする。
一つ目の判定条件は、以下の(1)と(2)との少なくとも一方であるときに肝細胞による代謝を受けた被験化合物が細胞毒性の要因であると判定する。
(1)第1生領域が第2生領域より大きく、かつ、第2生領域が第3生領域より小さい(A>B、かつ、B<C)。
(2)第1死領域が第2死領域より小さく、かつ、第2死領域が第3死領域より大きい(D<E、かつ、E>F)
二つ目の判定条件は、
第1死領域を第1生領域で割った値が、第2死領域を第2生領域で割った値より小さく、かつ、第2死領域を第2生領域で割った値が、第3死領域を第3生領域で割った値より大きいとき、肝細胞による代謝を受けた被験化合物が細胞毒性の要因であると判定する。記号で表すと次のような関係式になる。
(D/A)<(E/B)、かつ、(E/B)>(F/C)
蛍光強度を用いる場合には次の判定条件となる。
蛍光強度を次のように定義する。
第1溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光強度を第1生強度(G)とする。
第2溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光強度を第2生強度(H)とする。
第3溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光強度を第3生強度(I)とする。
第1溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光強度の第1死強度(J)とする。
第2溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光強度の第2死強度(K)とする。
第3溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光強度の第3死強度(L)とする。
判定条件は、以下の(3)と(4)との少なくとも一方であるときに肝細胞による代謝を受けた被験化合物が細胞毒性の要因であると判定する。
(3)第1生強度が第2生強度より大きく、かつ、第2生強度が第3生強度より小さい(G>H、かつ、H<I)。
(4)第1死強度が第2死強度より小さく、かつ、第2死強度が第3死強度より大きい(J<K、かつ、K>L)。
蛍光観察を行う領域について、目視または定量化して第1乃至第3溶液を接触させた肝細胞の蛍光強度または面積(領域)を比較する方法で判定する。このため、被験化合物処理の操作の前の細胞の状態がすべての観察領域で同じである必要がある。同条件(細胞播種密度、培地等)で培養した場合であっても培養底面の細胞の接着面積が視野によって異なることが想定される。そのため、被験化合物処理の操作を行う前にあらかじめ顕微鏡を用い、第1乃至第3溶液それぞれを接触させた肝細胞が存在する領域(面積)が同じ場所を数箇所選択し、蛍光プルーブ処理の工程では、あらかじめ決定しておいた場所を撮影することが好ましい。
この方法を用いることができない場合は、死細胞の面積と生細胞の面積との割合(死細胞の面積/生細胞の面積)を計算し判定することが好ましい。
以上説明したように、一実施形態によれば、立体的に培養した細胞に被験物質と代謝酵素阻害剤を同時に添加することによって、被験物質が代謝酵素により代謝された代謝物による毒性か否かを生細胞と死細胞を可視化して評価する新しいスクリーニング系を提供することができる。
また、一実施形態の培養処理は、特許文献1の培養方法に比べ、単一の細胞で毒性が発現した場合にそれがどの代謝酵素によるものかを評価できるので、複数種の細胞を維持する手間を省くことができる点で優れている。加えて、一実施形態の培養工程は、非特許文献1のようなゲルを用いることなく立体培養できる。さらに、一実施形態のスクリーニング方法は、培養処理から蛍光プローブ処理までの工程を、光透過性の高い培養プレートを用い、かつ、一連の処理を同じ培養プレートを用いる。このため、顕微鏡を使った可視化も可能である点で優れている。
一実施形態の毒性スクリーニング方法の実施例について説明するが、一実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例]
1.細胞の準備(培養処理)
(1−1)肝細胞の調製
培養に用いる初代ラット肝細胞は以下のように調製した。6週齢のSD系ラットの門脈にサーフロー留置針を挿入し、EDTA含有溶液を流して脱血液を行った後、コラゲナーゼ溶液を還流した。その後、コラゲナーゼ溶液で処理された肝臓を培養液へ入れ、メスピペットによるピペッティングで肝細胞を分散させた。肝細胞懸濁液を3回洗浄し、肝細胞以外の細胞を除去し、単離した肝細胞を培養に用いた。
(1−2)培養容器
図8に示す、24個のウェル21aを有する培養プレート(24ウェル培養プレート)1aを使用した。各ウェル21aの底部培養面には凹凸パターン(微細パターン)によって複数の培養容器10aが形成されている。各培養容器10aは、相当直径Dが200μm、高さHが50μmで形成される培養空間11aを、底部培養面14(培養底面)に有する。また、壁12aの幅Wは10μmである。
上述の凹凸パターンをフォトリソグラフィにより作製し、Ni電解メッキを行い、対応する凹凸形状を有する金型を得た。その金型を用い、ホットエンボス成形によりポリスチレン上にパターン転写を行い、前記寸法の樹脂基材を作製した。その樹脂基材表面へ真空蒸着により二酸化ケイ素膜を100nm形成させ、γ線滅菌を行い、凹凸パターンによって形成される複数の細胞容器10を得た。複数の培養容器10によって形成される複数の培養空間11で肝細胞を培養した。
(1−3)培養方法
ラット初代肝細胞を1×10個/cmになるように培地に播種して5日間培養した。
培養に用いる培養液は以下のように調製した。DMEM/F12培地に10% ウシ胎児血清、1μg/ml インシュリン、1×10−7mol/L デキサメタゾン、10mM ニコチンアミド、2mmol/L L−グルタミン、50μm β−メルカプトエタノール、5mmol/L HEPES、59μg/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、20ng/ml EGFを添加した。凹凸パターン基材上に、1.0×10細胞/cmの濃度で肝細胞を播種し、5vol%CO、37℃で所定時間培養した。また、同組成の新鮮培地0.5mLを用い、1日から2日毎に培地交換を行った。
(1−4)培養した細胞
図9に培養した肝細胞を示す。立体的に培養できていることが分かる。
2.試験条件・手順
(2−1)被験化合物
表1に示す溶液(i)〜(iii)を用いた。被験物質として、アセトアミノフェン、チトクロムP450の阻害剤として、1−アミノベンゾトリアゾール(ABT)を用いた。
アセトアミノフェンはチトクロムP450種に属するCYP2E1により代謝され毒性を示すことが知られている。
Figure 0006035343
(2−1)試験手順
項目1.細胞の準備で説明した手順に従って、肝細胞を立体的に培養する。
次に、培地を吸い取り燐酸緩衝液で洗浄した後、表1の溶液(i)〜(iii)のいずれかをそれぞれのウェルに添加し、異なる溶液を添加した複数のウェルを得る。各ウェルにおいて、肝細胞と添加した溶液とを24時間反応させた。
反応後、生細胞を染色するためにCalcein−AMとMCBの2種類の蛍光試薬を用いた。Calcein−AMは細胞透過性があり、細胞内のエステラ−ゼによる加水分解を受けてCalceinになり緑色の蛍光を示す。また、細胞死はグルタチオンの枯渇によって起こることが知られていることから、グルタチオンと反応し青色の蛍光を発するMCB(monochlorobimane)を用いて細胞を染色した。
3.試験結果(目視観察結果)
図10に溶液(i)〜(iii)を接触させた肝細胞の蛍光染色像の写真を示す。
Calceinの列は、Calcein−AMで染色した蛍光染色像である。MCBの列は、MCBで染色した蛍光染色像である。Mergeの列は、Calcein−AMの蛍光染色像とMCBの蛍光染色像とを合併させた画像である。
溶液(i)〜(iii)により蛍光強度に違いが見られる。生細胞を認識するCalcein、MCBは、A>B、B<CとなりアセトアミノフェンがチトクロムP450で代謝されたことにより毒性を示すことが判断できる。
[比較例]
1.細胞の準備(培養処理)
培養プレートは市販されている培養底面が平板な培養プレート(ベクトン・ディッキンソン製、ファルコン(登録商標)のγ線滅菌済み平面状24ウェル培養プレート)を用いた。
ラット初代肝細胞を1×10個/cmになるように播種し7日間培養した。
上記以外は実施例と同じ条件とした。
2.試験条件・手順
(2−1)被験化合物
表2に示す溶液(i)〜(iii)を用いた。
Figure 0006035343
(2−1)試験手順
項目1.細胞の準備で説明した手順に従って、肝細胞を平面状の培養プレートを用いて培養する。
次に、培地を吸い取り燐酸緩衝液で洗浄した後、表2の溶液(i)〜(iii)のいずれかをそれぞれのウェルに添加し、異なる溶液を添加した複数のウェルを得る。各ウェルにおいて、肝細胞と添加した溶液とを24時間反応させた。
反応後、生細胞を染色するためにCalcein−AMとMCBの2種類の蛍光試薬を用いた。
3.試験結果(目視観察結果)
図11に溶液(i)〜(iii)を接触させた肝細胞の蛍光染色像の写真を示す。図11は、図10と同様に、各列に染色した染色試薬ごとに結果を示している。
溶液(i)〜(iii)ともに同程度の染色強度で毒性が検知できなかった。
上述した実施例で用いた被験物質、代謝酵素、及びその阻害剤は一例であり、他の阻害剤であっても一実施形態の評価方法を適用することができることは言うまでもない。
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
この出願は、2012年10月18日に出願された日本出願特願2012−231226を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1、1a 培養プレート
8 細胞
9 凝集体
9a スフェロイド
10、10a 培養容器
11、11a 培養空間
12 壁
13 底部
14 底部培養面
21、21a ウェル
22 仕切り部

Claims (20)

  1. 被験化合物が肝臓の薬物代謝酵素によって代謝されて毒性を示すか否かを判定する毒性スクリーニング方法であって、
    複数の肝細胞を立体的に培養する工程と、
    前記被験化合物を含まない第1溶液、前記被験化合物を含む第2溶液、及び、薬物代謝酵素反応を阻害する1種類以上の阻害剤と前記被験化合物との第3溶液のそれぞれを、各肝細胞と曝露させることによって、異なる溶液と接触させた前記複数の肝細胞を取得する工程と、
    生細胞を認識する蛍光プローブ、死細胞を認識する蛍光プローブ、及びこれらの組合せからなる群から選択される蛍光プローブを含む溶液と前記複数の肝細胞とを接触させる工程と、
    染色後の前記複数の肝細胞を用いて蛍光染色像を得て、前記蛍光染色像のデータを元に被験化合物の毒性を判定する工程と、
    を含む毒性スクリーニング方法。
  2. 前記被験化合物の毒性を判定する工程は、前記第1溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第1生領域、前記第2溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第2生領域、前記第3溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第3生領域、前記第1溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第1死領域、前記第2溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第2死領域、前記第3溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第3死領域とした場合、
    第1生領域>第2生領域、かつ、第2生領域<第3生領域と、
    第1死領域<第2死領域、かつ、第2死領域>第3死領域と、
    の少なくともとも一方であるとき、各肝細胞による代謝を受けた被験化合物が細胞毒性の要因であると判定することを特徴とする請求項1記載の毒性スクリーニング方法。
  3. 前記被験化合物の毒性を判定する工程は、前記第1溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第1生領域、前記第2溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第2生領域、前記第3溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光領域を第3生領域、前記第1溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第1死領域、前記第2溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第2死領域、前記第3溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光領域の第3死領域とした場合、
    (第1死領域/第1生領域)<(第2死領域/第2生領域)、かつ、(第2死領域/第2生領域)>(第3死領域/第3生領域)であるとき、各肝細胞による代謝を受けた被験化合物が細胞毒性の要因であると判定することを特徴とする請求項1記載の毒性スクリーニング方法。
  4. 前記被験化合物の毒性を判定する工程は、前記第1溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光強度を第1生強度、前記第2溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光強度を第2生強度、前記第3溶液と接触させた肝細胞の生細胞を認識する蛍光強度を第3生強度、前記第1溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光強度の第1死強度、前記第2溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光強度の第2死強度、前記第3溶液と接触させた肝細胞の死細胞を認識する蛍光強度の第3死強度とした場合、
    第1生強度>第2生強度、かつ、第2生強度<第3生強度と、
    第1死強度<第2死強度、かつ、第2死強度>第3死強度と、
    の少なくともとも一方であるとき、各肝細胞による代謝を受けた被験化合物が細胞毒性の要因であると判定することを特徴とする請求項1記載の毒性スクリーニング方法。
  5. 前記複数の肝細胞は、複数のウェルを有する培養プレートを用いて培養され、
    各ウェル内で前記複数の肝細胞を培養し、培養した前記複数の肝細胞を他の容器に移し替えることなく、前記各ウェルに前記第1乃至第3溶液のいずれかを添加し反応させた後、前記各ウェルに前記蛍光プローブを添加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  6. 各肝細胞は、細胞が凝集した凝集体を形成していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  7. 前記凝集体の相当直径が30μm以上200μm未満であることを特徴とする請求項6記載の毒性スクリーニング方法。
  8. 前記薬物代謝酵素反応を阻害する1種類以上の化合物が、チトクロムP450酵素群、第II相薬物代謝酵素、及びこれらの組合せからなる群から選択される薬物代謝酵素の薬物代謝酵素反応を阻害する1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  9. 前記薬物代謝酵素反応を阻害する1種類以上の化合物が、チトクロムP450酵素群であって、CYP1A1、CYP1A2、CYP3A4、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2C11、CYP2D6、及びCYP2E1からなる群から選択される薬物代謝酵素の薬物代謝酵素反応を阻害する1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  10. 前記複数の肝細胞の由来が、ヒト、げっ歯類、ラット、イヌ、及びサルのうちいずれかから選択されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  11. 前記複数の肝細胞が初代肝細胞であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  12. 前記複数の肝細胞は、複数のウェルを有する培養プレートを用いて培養され、
    各ウェルは、複数の培養空間を有する培養容器が形成され、
    前記複数の培養空間は、各培養容器の底からの高さが25〜500μmの範囲の壁で囲まれ、かつ、相当直径50〜1000μmの範囲の空間が規則的に配列して形成され、
    前記複数の肝細胞を立体的に培養する工程は、前記複数の培養空間を用いて複数の肝細胞の凝集体を作製することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  13. 前記壁の厚さが10μm以上50μm未満であることを特徴とする請求項12記載の毒性スクリーニング方法。
  14. 前記培養容器の底部を構成するポリマーの全光線透過率が85%以上99%未満であることを特徴とする請求項12または13に記載の毒性スクリーニング方法。
  15. 前記培養容器が、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂、シリコン樹脂、及びこれらの組合せからなる群から選択される樹脂成形品であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  16. 前記培養容器の底部の厚さが300μm以下であることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  17. 前記培養容器の底部培養面が親水化処理されていることを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  18. 前記培養容器の底部培養面が、ガラスであって、水接触角を45度以下になるように処理されたことを特徴とする請求項12乃至17のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  19. 前記培養容器の底部培養面が、プラズマ処理により官能基を形成させて、水接触角を45度以下になるように処理されたことを特徴とする請求項12乃至18のいずれか一項に記載の毒性スクリーニング方法。
  20. 前記親水化処理された前記底部培養面に、さらに、細胞接着性を促進するポリマーである、ポリ−L−リシン、ポリ−D−リシン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、及びこれら組合せからなる群から選択されるポリマーが固定化されていることを特徴とする請求項17記載の毒性スクリーニング方法。
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