JP6113161B2

JP6113161B2 - スレーブシリンダ

Info

Publication number: JP6113161B2
Application number: JP2014524264A
Authority: JP
Inventors: ボスニャックダニエル; クラートフルーベン; ブレトンエリン
Original assignee: Schaeffler Technologies AG and Co KG
Current assignee: Schaeffler Technologies AG and Co KG
Priority date: 2011-08-05
Filing date: 2012-07-13
Publication date: 2017-04-12
Anticipated expiration: 2032-07-13
Also published as: DE112012003236A5; DE102012212296A1; CN103827532A; WO2013020532A1; EP2739874A1; CN103827532B; JP2014525019A; EP2739874B1

Description

本発明は、スレーブシリンダ、特に、請求項１の上位概念に記載の形式の、車両クラッチのレリーズシステムとして働くＣＳＣ（Concentric Slave Cylinder／同心的スレーブシリンダ）の形式のスレーブシリンダに関する。

特許文献ＥＰ１９７０５８９Ａ２号明細書により公知のスレーブシリンダは、トランスミッション入力軸に対して同心的に配置されているスレーブシリンダハウジングを有しており、ハウジング内には少なくとも１つの円環状の圧力室が配置されていて、この圧力室内ではリングピストンが軸方向に摺動可能に案内されている。このリングピストンには、圧力室に向かう方向で、圧力室に対してシールするシール部材が設けられており、このシール部材はシールリング支持体を介してピストンに結合されている。欠点は、このような形式の装置では、ピストンとシールリング支持体との間並びにシールリング支持体とシールリングとの間に存在する遊びが作用し、これにより、液圧媒体の高められた収容体積が生じてしまい、シール部材のヒステリシスに不都合な影響を与えることにある。

本発明の課題は、スレーブシリンダ、特にＣＳＣ形式のスレーブシリンダを改良して、このスレーブシリンダのピストン・シール部材の配置が僅かな遊びを有していて、収容体積の減少及びシール部材のヒステリシスを保証するスレーブシリンダを提供することである。

この課題は、本発明によれば、請求項１の特徴部に記載の構成により解決される。

有利な構成は従属請求項に記載されている。

スレーブシリンダは特に、ＣＳＣ（同心的スレーブシリンダ）の形式で形成されていて、ハウジングを有しており、該ハウジング内に少なくとも１つの円環状の圧力室が配置されており、該圧力室内には、リングピストンが軸方向摺動可能にガイドされており、該ピストンには前記圧力室の方向で圧力室をシールするシール部材が設けられており、本発明によれば、前記シール部材は、そのピストン側の領域で前記リングピストンに固定されている。

この場合、前記リングピストンの、前記圧力室の方向に向いた端面に、リング溝が設けられており、該リング溝に前記シール部材が挿入結合されている。

前記圧力室の方向に向いた前記リングピストンの端面に、シールリング支持体が接続されており、該シールリング支持体を、前記シール部材が、前記リングピストン内に係合するように貫通しており、前記シール部材は、前記圧力室の方向で、前記シールリング支持体を越えて突出する領域を有している。これにより、前記シールリング支持体は、前記圧力室の方向で前記シールリング支持体を越えて突出する前記シール部材の領域を、前記ハウジング及び／又は前記リングピストンの方向で支持している。

シールリング支持体から突出するシールリングの領域は、半径方向外側に向けられたシールリップと、半径方向内側に向けられたシールリップとを有しており、これらのシールリップは圧力室をハウジングに対してシールしていて、シールリング支持体によって支持されている。

前記リングピストンはリング溝を有しており、該リング溝内には、溝シールリングの形に形成されているシール部材が、ピストン側の領域で、シールリング支持体の貫通部を貫通して挿入結合可能であり、これにより、前記シールリング支持体は前記リングピストンの端面と、前記シール部材の前記シールリップとの間に装着され、前記シール部材によって前記リングピストンに固定されている。

リング溝が設けられていることにより、リング状のピストンは、シールリング支持体の方向で、半径方向内側のリング状の第１の端面と、半径方向外側のリング状の第２の端面とを有している。シールリング支持体が内側リングと、該内側リングに結合ウェブによって結合された外側リングとを有しており、組み付け状態では、内側リングがリングピストンの第１の端面に、外側リングが第２の端面に当接している。内側リング、外側リング、結合ウェブの間に形成されたシールリング支持体の貫通部を通って、リング溝シール部材が、リングピストンのリング溝内に係合する。

前記溝リングシール部材は、前記ピストン内に係合する端部に切欠を有しており、該切欠には組み付け状態で前記シールリング支持体の前記結合ウェブが係合する。

ピストン及び／又はシールリング支持体は、繊維強化材料から製造することができ、高い摩耗強度が保証されている。

スレーブシリンダの圧力室内で圧力が作用すると、シールリング支持体の内側リングが、ピストンの第１の端面に、シールリング支持体の外側リングがピストンの第２の端面に押し付けられる。さらに、シールリング支持体の外径は、圧力室の外径に支持されていて、シールリング支持体の内径は、圧力室の内径に支持されていて、溝シールリングは、シールリング支持体の内側リングと外側リングによって支持されている。この場合、シールリング支持体は、第１のシールリップ及び第２のシールリップの方向で、丸みをおびた輪郭を有しており、シールリップは対応する凹状の切欠を有しているので、圧力室の方向から圧力負荷がかけられた場合、第１のシールリップは内側リングに向かって、輪郭に基づき内側リングに向かって半径方向内側に押し付けられ、第２のシールリップは外側リングに向かって、ここに接触する輪郭に基づき半径方向外側に向かって押し付けられ、これによりシール作用が支援される。さらにシールリング支持体によって、収容体積と溝リングシール部材のヒステリシスが減じられる。

以下に本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

複式クラッチの操作のために働くＣＳＣの形式のスレーブシリンダを示す部分縦断面図である。図１の細部を示す図である。リングピストンを３次元的に示した図である。シールリング支持体を３次元的に示した図である。溝シールリングを３次元的に示した図である。接続ベアリング、ピストン、シールリング支持体、溝シールリングから成るユニットを示す正面図である。接続ベアリング、ピストン、シールリング支持体、溝シールリングから成るユニットを図６のＡ−Ａ線で縦断面して示した図である。図７のＸの部分を示す図である。図７のＹの部分を示す図である。

スレーブシリンダは、図１に示したように、同心的スレーブシリンダ（ＣＳＣ）として形成されていて、複式クラッチの操作のために働く。このスレーブシリンダはハウジング１を有しており、このハウジング１内では両者とも符号２で示されている第１のリングピストンと第２のリングピストンが、互いに同心的に、それぞれ別個の圧力室Ｄ内に長手方向軸線Ａの方向で摺動可能に配置されている。半径方向外側に位置するピストン２は、半径方向外側に配置された第１の接続ベアリングＥ１に作用し、半径方向内側に位置するピストン２は、半径方向内側に配置された第２のレリーズベアリングＥ２に作用する。各ピストンには、圧力室Ｄの方向で、溝シールリング４が取り付けられていて、この溝シールリング４は、ハウジング１に対してシールしていて、シールリング支持体３に支持されている。

溝シールリング４は、図２に示したように、公知の形状エレメントを介してピストン２にピストン形状接続部２．２によって結合されている。これにより溝シールリング４のピストン側端部は、ピストン２に設けられた対応するリング溝２．１内に挿入結合されている。リング溝２．１が設けられていることにより、リングピストン２は、半径方向内側のリング状の第１の端面２．３と、半径方向外側のリング状の第２の端面２．４とを有している。さらに、溝シールリング４はシールリング支持体３を貫通している。シールリング支持体３から突出する溝シールリング４の領域は、半径方向外側に向けられたシールリップ４．１と、半径方向内側に向けられたシールリップ４．２とを有しており、これらのシールリップ４．１，４．２はハウジング１に対して、従って圧力室Ｄに対してシールをしている。シールリング支持体３は、溝シールリング４に対して、シール形状接続部３．１を有しており、このシール形状接続部３．１は、各シールリップ４．１、４．２の方向で、溝シールリングの対応する形が当接することができるような曲率半径を有する形に形成されている。

シールリング支持体３は、組み付け状態でピストン２の第１の端面２．３に当接する内側リング３．２と、ピストン２の第２の端面２．４に当接する外側リング３．３とを有している。

圧力室Ｄ内に圧力が作用する場合、内側リング３．２はシールリップ４．１によって第１の端面２．３に押し付けられ、外側リング３．３の下面３．４は第２の端面２．４に押し付けられるので、シールリング支持体３はピストン２によって支持される。溝シールリング４は、シールリング支持体３の内側リング３．２と外側リング３．３によって支持されている。シールリング支持体３の外径３．５はこの場合、圧力室Ｄの半径方向外側に位置する直径Ｄ１で支持されていて、シールリング支持体３の内径３．６は、圧力室Ｄの半径方向内側に位置する直径ｄ１で支持されている。

図３〜図５には、リングピストン２、シールリング支持体３、溝シールリング４を３次元的に示した図が示されている。

リングピストン２は、図３に示したように、リング溝２．１が設けられていることにより、半径方向内側のリング状の第１の端面２．３と、半径方向外側のリング状の第２の端面２．４とを有している。長手方向軸線（図示せず）に対して横方向に、ピストン２には端面２．３，２．４の方向から溝状の切欠２．５が延在している。

図４により、シールリング支持体３が内側リング３．２と外側リング３．３とを有しており、これらのリング３．２，３．３は結合ウェブ３．７によって互いに１つの構成部分を成すように結合されているので、組み付け状態では、内側リング３．２がピストン２の第１の端面２．３に、外側リング３．３が第２の端面２．４に当接していることがわかる。この場合、結合ウェブ３．７は、細かい点線の矢印で示したように、ピストン２に設けられた切欠２．５内に係合し、これによりシールリング支持体３は回動不能にピストン２に当接する。結合ウェブ３．７はブリッジ状に形成されている。

内側リング３．２、外側リング３．３、結合ウェブ３．７によって形成されたシールリング支持体３の貫通部３．８には、組み付けの際に、溝シールリング４が（一点鎖線矢印で示したように）係合し、リングピストン２のリング溝２．１内に挿入結合される。この場合、この領域には所定の遊びが維持されるべきである。

さらに、図５に示した溝シールリング４は、リングピストン２内に係合する端部に切欠４．３を有しており、この切欠４．３には組み付け状態でシールリング支持体３の結合ウェブ３．７が係合する。このことは、点線矢印で示されている。

図６には再度、正面図が示されていて、図７には、接続ベアリング又はレリーズベアリング（Ｅ１又はＥ２）と、ピストン２と、シールリング支持体３と、溝リングシール部材４とから成るユニットの縦断面図Ａ−Ａが示されていて、図８には図７の細部Ｘが示されていて、図９には図７の細部Ｙが示されている。

この場合、細部Ｘはシールリング支持体３の結合ウェブ３．７の断面を示しており、この図面から、シールリング支持体３が、溝シールリング４に対して対応する形状エレメントによりシール形状接続部３．１を有していることが判る。

細部Ｙは、シールリング支持体３の結合ウェブ３．７が設けられていないところの断面を示していて、この図面から、溝シールリング４がシールリング支持体３を貫通していて、リングピストン２のためにピストン形状接続部２．２を有しており、これも同様に対応する形状エレメントによって形成されていることが判る。

本発明の手段により、シール部材は直接ピストンに挿入結合されるので、ＣＳＣのためのピストンシール部材の収容体積とヒステリシスが減じられる。この場合、シールリング支持体３は、シール部材の両側で補強リングとして作用し、シール作用を改善する。

１ハウジング
２ピストン
２．１リング溝
２．２ピストン形状接続部
２．３第１の端面
２．４第２の端面
２．５切欠
３シールリング支持体
３．１シール形状接続部
３．２内側リング
３．３外側リング
３．４下面
３．５シールリング支持体の外径
３．６シールリング支持体の内径
３．７結合ウェブ
３．８貫通部
４溝シールリング
４．１半径方向外側に向けられたシールリップ
４．２半径方向内側に向けられたシールリップ
４．３切欠
Ａ長手方向軸線
Ｄ圧力室
Ｄ１半径方向外側に位置する圧力室の直径
ｄ１半径方向内側に位置する圧力室の直径
Ｅ１第１の接続ベアリング
Ｅ２第２のレリーズベアリング

Claims

ハウジング（１）を有しており、該ハウジング（１）内に少なくとも１つの円環状の圧力室（Ｄ）が配置されており、該圧力室内には、リングピストンとして形成されたピストン（２）が軸方向摺動可能にガイドされており、該ピストンには前記圧力室（Ｄ）の方向でシールするシール部材が設けられているスレーブシリンダ、特にＣＳＣ（同心的スレーブシリンダ）の形式のスレーブシリンダにおいて、
前記シール部材は、そのピストン側の領域で前記リングピストン（２）に固定されており、
前記リングピストン（２）の、前記圧力室（Ｄ）の方向に向いた端面に、リング溝（２．１）が設けられており、該リング溝（２．１）に前記シール部材が挿入結合されており、
前記圧力室（Ｄ）の方向に向いた前記リングピストン（２）の端面に、シールリング支持体（３）が接続されており、前記シール部材は、前記圧力室（Ｄ）の方向で、前記シールリング支持体（３）を越えて突出する領域を有しており、
前記リング溝内には、溝シールリング（４）の形に形成されている前記シール部材が、ピストン側の領域で、前記シールリング支持体（３）の貫通部（３．８）を貫通して挿入結合可能であり、これにより、前記シールリング支持体（３）は前記リングピストン（２）の端面と、前記溝シールリング（４）のシールリップとの間に装着され、前記溝シールリング（４）によって前記リングピストン（２）に位置固定されており、
前記リングピストン（２）は、前記シールリング支持体（３）の方向で前記リング溝（２．１）が設けられていることにより、内側のリング状の第１の端面（２．３）と外側のリング状の第２の端面（２．４）とを有しており、前記シールリング支持体（３）は、内側リング（３．２）と、該内側リング（３．２）に結合ウェブ（３．７）を介して結合された外側リング（３．３）とを有しており、組み付け状態で、前記内側リング（３．２）は前記リングピストン（２）の第１の端面（２．３）に、前記外側リング（３．３）は第２の端面（２．４）に当接し、前記内側リング（３．２）と、前記外側リング（３．３）と、前記結合ウェブ（３．７）とによって形成された、前記シールリング支持体（３）の前記貫通部（３．８）に前記溝シールリング（４）が貫通係合し、前記リングピストン（２）の前記リング溝（２．１）内に挿入結合されることを特徴とする、スレーブシリンダ。
前記シールリング支持体（３）は、前記圧力室（Ｄ）の方向で前記シールリング支持体（３）を越えて突出する前記シール部材の領域を、前記ハウジング（１）及び／又は前記リングピストン（２）の方向で支持している、請求項１記載のスレーブシリンダ。
前記シール部材の、前記シールリング支持体（３）を越えて突出する前記領域は、前記ハウジングに対してシールする、半径方向外側に向けられたシールリップと、半径方向内側に向けられたシールリップとを有している、請求項１又は２記載のスレーブシリンダ。
前記溝シールリング（４）は、前記リングピストン（２）内に係合する端部に切欠（４．３）を有しており、該切欠（４．３）には組み付け状態で前記シールリング支持体（３）の前記結合ウェブ（３．７）が係合する、請求項１から３までのいずれか１項記載のスレーブシリンダ。
前記リングピストン（２）及び／又は前記シールリング支持体（３）が、繊維強化材料から成っている、請求項１から４までのいずれか１項記載のスレーブシリンダ。
前記圧力室内に圧力が作用している場合に、
前記シールリング支持体（３）の前記内側リング（３．２）は、前記リングピストン（２）の前記第１の端面（２．３）に押し付けられ、
前記シールリング支持体（３）の前記外側リング（３．３）は、前記リングピストン（２）の前記第２の端面（２．４）に押し付けられ、
前記シールリング支持体（３）の外径（３．５）は、前記圧力室（Ｄ）の半径方向外側に位置する直径（Ｄ１）に支持されていて、
前記シールリング支持体（３）の内径（３．６）は、前記圧力室（Ｄ）の半径方向内側に位置する直径（ｄ１）に支持されており、
前記溝シールリング（４）は、前記シールリング支持体（３）の内側リング（３．２）と外側リング（３．３）によって支持されている、請求項１から５までのいずれか１項記載のスレーブシリンダ。