JP6112952B2 - 鉄道回転座席 - Google Patents

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本発明は背部から衝撃を受けた際に座席が破壊しないように衝撃吸収部材を備えた鉄道回転座席に関する。
近年の鉄道車両は、省エネルギーの要請を受けてその軽量化が図られている。車両を構成する車体の軽量化のために従来の鉄に替えてアルミニウムが使用されるようになった。また、車内配線に関しては、TIMS(列車情報管理システム)の採用により配線に必要な電線の量を大幅に削減している。
この軽量化の要請は鉄道座席にもあり、座席の重量を削減するために材料の見直し、構造の見直しが行われている。座席にアルミ部材を使うことで新幹線では一人当たりの座席の重量が100系車両での28Kgから300系の13Kgへ削減されている。座席の軽量化には座席に使用する材料と座席構造の見直しが必要である。
座席構造の見直しの中で重量削減のために使用する材料の厚みを減らす一方では座席に必要な強度を保障する必要がある。求められる強度は、通常の使用に差支えない強度と衝撃を受けた際に破壊されない強度である。通常の強度は、人体を下から支えるためのもので、衝撃を受けた際の強度は急減速時の背後からの人体による衝撃荷重に耐えるものである。
鉄道座席に求められる最も大きな耐荷重は急減速時の背後からの衝撃荷重である。急減速時には座席の背後から人体が座席の背部へ衝突して座席には衝撃荷重が加わるが、軽量化のために使用する部材の厚みを減らすと耐衝撃性が低下するという問題が有るので、座席が破壊をまぬがれるための工夫が必要になる。
従来技術として、座席の耐衝撃性を増すために、座席の座部又は背部を支えるフレーム(架台)に工夫をした例が開示されている(公開特許文献1を参照)。これは、衝撃を受けた際に座席の座部又は背部を支えるフレームを構成する部材の形状が変化することで衝撃を吸収するものである。
また、自動車のシートクッションフレームに蛇腹状の部材を設け、後方から衝撃を受けると蛇腹状の部材が塑性変形して衝撃を吸収する例が開示されている(公開特許文献2を参照)。
上記の衝撃吸収の方法は座席やシートクッションフレームそのものが変形して衝撃を吸収するので、衝撃を受けた後は座席の交換修理が必要になる。そこで、衝撃吸収部材を、座席の構造体とは別に設けて衝撃を吸収する例が開示されている(公開特許文献3を参照)。この例では、内径が次第に狭まるシリンダー内をピストンが移動することで衝撃力に対する抵抗力を発生して衝撃を吸収するようになっている。
ところで、鉄道回転座席においては、上述のように車両重量の軽量化の要請で座席に使用する部材の厚みを減らすことが求められているが、部材の厚みを減らすと座席の耐衝撃性が低下するという問題が有る。特に、回転式座席では車両に固定された脚台と人が載る座部及び背部が取り付けられる架台とを回転可能に接続する接続部が、背後からの衝撃荷重により破壊されることが多い。
特開2003−182427号公報 特開2002−12072号公報 特開2007−161049号公報
上述のように、鉄道車両の軽量化の要請に応えつつ回転座席の耐衝撃性を増す対策が必要になる。
そこで、発明者らは座部及び背部の載る回転座席の架台の回転機能を維持しつつ耐衝撃性を向上させる構成について研究開発を行った。その結果、座席の重量軽減を図るとともに回転座席の弱点である回転接続部を保護することのできる鉄道回転座席の開発に至ったものである。
本発明は、座席の重量軽減を図った回転座席の弱点である回転接続部を保護することのできる鉄道回転座席を提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、車両に取り付けられる脚台と、人体を支える座部及び背部が取り付けられる架台と、前記脚台及び前記架台の間を回転可能に接続する接続部と、前記架台及び前記脚台のいずれか一方に取り付けられ、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に他方から直接的又は間接的に荷重を受けて塑性変形する衝撃吸収部材と、を備えることを特徴とする鉄道回転座席である。
本発明においては、架台及び脚台の何れか一方に取り付けられる衝撃吸収部材が、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際には他方から直接的又は間接的に荷重を受けて塑性変形することで接続部の破壊を防止する。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の鉄道回転座席において、前記衝撃吸収部材が、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に、少なくとも前記脚台と前記架台との間の距離の変化が最も大きい部分の前記架台及び前記脚台のいずれか一方に取り付けられることを特徴とする。
前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際の動きは接続部の構造に依存しているので、回動に伴う前記脚台と前記架台との間の距離の変化が最も大きい場所へ衝撃吸収部材を接続することで、衝撃の吸収が効果的に行われる。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載の鉄道回転座席において、前記衝撃吸収部材が、少なくとも前記脚台及び前記架台のいずれか一方に鉛直に取り付けられる鉛直部及びこれに連続して設けられる水平部を有し、前記鉛直部が引張り方向の力に対して塑性変形をするように構成され、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に前記水平部が前記他方から直接的又は間接的に荷重を受けて、前記鉛直部へ引張り方向の力が加わるように構成されていることを特徴とする。
衝撃吸収部材は、少なくとも架台及び脚台の何れか一方に鉛直に取り付けられる鉛直部及びこれに連続して設けられる水平部を有し、前記鉛直部が引張り方向の力に対して塑性変形をするように構成されている。ここで衝撃吸収部材が鉛直部と水平部以外の部材を含んでいても良い。架台が背部に後方から荷重を受けて接続部を中心に前方へ回動する際に水平部が他方から直接的又は間接的に荷重を受けて、鉛直部へ引張り方向の力が加わるように配置されているので、背後からの荷重による力で鉛直部が塑性変形を起こし、これにより回動を妨げる抵抗力が発生する。この衝撃吸収部材は引っ張り方向へ抵抗力を発生するので引抜型吸収部材と呼ぶことにする。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載の鉄道回転座席において、前記鉛直部が前記架台及び前記脚台の何れか一方の後部分に取り付けられ、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に、前記水平部が前記他方の後部分から直接的又は間接的に荷重を受けることを特徴とする。
接続部を中心にして架台が回動すると、背部のある座席の後部分において架台と脚台との距離が増加する。回動の中心から離れた架台及び脚台の何れか一方の後部分に取り付けられた衝撃吸収部材の鉛直部は、架台が背部に後方から荷重を受けて接続部を中心に前方へ回動する際に水平部が架台及び脚台の何れか他方の後部分から直接的又は間接的に荷重を受けることで鉛直方向の力を受けることになる。
請求項5に記載された発明は、請求項3に記載の鉄道回転座席において、前記鉛直部が前記架台及び前記脚台の何れか一方の前部分に取り付けられ、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に、前記水平部が前記他方の前部分から直接的又は間接的に荷重を受けることを特徴とする。
接続部を中心にして架台が回動すると、背部と反対の位置にある座席の前部分において架台と脚台との間の距離が減少する。この距離の減少に伴い、座席の前部では座部が下方へ変位する。
ここで、脚台に固定されて架台よりも上方に位置する部材から架台を見ると回動に伴って、距離が増加する。また、架台に固定されて脚台よりも下方に位置する部材から脚台を見ると回動に伴って、距離が増加する。従って、座席の前部分においても引抜型吸収部材を使える。
回動に伴う架台と脚台との間の距離の減少の大きい架台及び脚台の何れか一方の前部分に取り付けられた衝撃吸収部材の鉛直部は、架台が背部に後方から荷重を受けて接続部を中心に前方へ回動する際に衝撃吸収部材の水平部が他方の前部分から直接的又は間接的に荷重を受けることで鉛直方向の力を受け塑性変形して抵抗力を生じることになる。
請求項6に記載された発明は、請求項4又は5に記載の鉄道回転座席において、前記鉛直部が互いに鉛直方向に移動可能な第1部材と第2部材とを有し、前記第1部材には鉛直方向の荷重を受けて塑性変形し得る変形部及び該変形部に連続する孔部が設けられ、前記第2部材にはこの孔部に挿入される突起が設けられ、前記鉛直部へ引張り方向の力が加わる際に前記突起が前記変形部に荷重を加えて前記変形部が塑性変形を起こすように構成されていることを特徴とする。
衝撃吸収部材の鉛直部は垂直方向に移動可能な二つの部材に分かれていて、一方には鉛直方向に変形部が形成されている。他方にはその変形部に連続する孔部に挿入される突起が設けられている。架台が背部に後方から荷重を受けて接続部を中心に前方へ回動する際に鉛直方向に第1部材と第2部材が互いに離れるように移動すると突起が変形部を塑性変形させながら変形部に沿って鉛直方向に移動する。変形部を構成する材料の塑性変形にはエネルギーを必要とするので、架台の回動に対して抵抗力を生じることになる。
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載の鉄道回転座席において、前記変形部が鉛直方向に設けられた溝であって、前記突起の水平方向の長さが前記溝の側壁間の最大幅以上であることを特徴とする。
突起の水平方向の長さが前記溝の側壁間の最大幅以上であるので、突起が溝の中を移動する際に溝の壁を押し広げて塑性変形を起こす。材料の塑性変形にはエネルギーを必要とするので、架台の回動に対して抵抗力を生じることになる。
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載の鉄道回転座席において、溝の幅が鉛直方向に変化しているので、幅の変化の様子を変えることで、架台の回動の角度の増加に伴う塑性変形に要するエネルギーが変化して抵抗力の変化の様子を所定の大きさに調節することができる。
請求項9に記載された発明は、請求項8に記載の鉄道回転座席において、溝の幅が、前記孔部から離れるにつれて狭くなっているので、架台の回動の角度の増加に伴い塑性変形に要するエネルギーが増加して抵抗力が増加する。
請求項10に記載された発明は、請求項6に記載の鉄道回転座席において、前記変形部の幅が前記突起の水平方向の幅以上であって且つ前記変形部の設けられた部材よりも強度の低い部材で形成されていることを特徴とする。
突起部は架台の回動の角度の増加に伴い変形部の強度の低い部材に塑性変形を起こしながら移動する。その際に塑性変形に要するエネルギーによる抵抗力が発生する。
請求項11に記載された発明は、請求項10に記載の鉄道回転座席において、前記強度の低い部材が、鉛直方向にその強度が変化していることを特徴とする。
塑性変形する部材の強度が変わるので塑性変形に要するエネルギーが変わり、架台の回動に対する抵抗力が変わる。部材の強度を変えることで抵抗力を制御することができる。
請求項12に記載の発明は請求項11に記載の鉄道回転座席において、前記強度が、前記孔部から離れるにつれて高くなることを特徴とする。
強度が、前記孔部から離れるにつれて増加しているので、回動の角度の増加に伴い塑性変形に要するエネルギーが増加して抵抗力が増加する。変形部材の厚さや材質を選択することで塑性変形に必要な荷重の大きさを容易に決めることができる。
請求項1に記載された発明によれば、衝撃吸収部材は、背後から衝撃を受けて架台が回動すると衝撃吸収部材が架台又は脚台と直接的又は間接的に荷重を受けて塑性変形して回動を妨げるので接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項2に記載された発明によれば、衝撃吸収部材は、回動の伴う脚台と架台との間の距離変動が最も大きい場所へ取り付けられるので、効果的に衝撃を吸収することができ接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項3に記載された発明によれば、衝撃を受けて架台が回動すると衝撃吸収部材の水平部が架台又は脚台から直接的又は間接的に荷重を受ける。水平部に連続して設けられて鉛直部が塑性変形することで架台の回動に伴う架台と脚台との距離の変化を妨げて回動を妨げるので、接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項4に記載された発明によれば、衝撃吸収部材の鉛直部が架台及び脚台の何れか一方の後部分に取り付けられているので、回動に伴う架台と脚台との間の距離の変化を有効に捉えることが出来る。衝撃を受けて架台が回動すると衝撃吸収部材の水平部が架台又は脚台から直接的又は間接的に荷重を受け、回動に伴って衝撃吸収部材の鉛直部が塑性変形することで架台の回動を妨げるので、接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項5に記載された発明によれば、衝撃吸収部材の鉛直部が架台及び脚台の何れか一方の前部分に取り付けられているので、回動に伴う架台と脚台との間の距離の変化を有効に捉えることが出来る。衝撃を受けて架台が回動すると衝撃吸収部材の水平部が架台又は脚台から直接的又は間接的に荷重を受け、回動に伴って水平部に連続して設けられた鉛直部が塑性変形することで架台の回動を妨げるので、接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項6に記載された発明によれば、衝撃吸収部材の鉛直部はさらに垂直方向に移動可能な二つの部材に分かれていて、一方には鉛直方向に変形部が形成されていて、他方にはその変形部に連続する孔に挿入される突起が設けられている。架台が背部に後方から荷重を受けて接続部を中心に前方へ回動する際に鉛直方向に第1部材と第2部材が互いに離れるように移動すると突起が変形部を塑性変形させながら変形部の中を移動する。変形部はその他の部位よりも強度を低く構成すると突起は選択的に変形部の中を移動する。変形部の塑性変形にはエネルギーを必要とするので、回動に対して抵抗力を生じることになり回動を妨げることから接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項7に記載された発明によれば、変形部が溝であって突起の水平方向の長さが溝の側壁幅の最大幅以上なので、架台が背部に後方から荷重を受けて接続部を中心に前方へ回動する際に突起が変形部を押し広げて溝を塑性変形させながら変形部の中を移動する。変形部の塑性変形にはエネルギーを必要とするので、回動に対して抵抗力を生じることになり回動を妨げることから接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項8に記載された発明によれば、溝の幅が鉛直方向に変化しているので幅を変えることで回動に対する抵抗力を変えることができ、接続部の構造に合わせた抵抗力を発生させることができ接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項9に記載された発明によれば、前記幅が、前記孔部から離れるにつれて狭くなっているので、回動の角度の増加につれて抵抗力が増加することで接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項10に記載された発明によれば変形部は、その幅が前記突起の水平方向の幅以上であって且つ前記変形部の設けられた部材よりも強度の低い部材で形成されているので、架台の回動に伴い強度の低い部材が突起により塑性変形させられる。塑性変形にはエネルギーを必要とするので、回動に対して抵抗力を生じることになり回動を妨げることから接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項11に記載された発明によれば変形部の強度の低い部材が、鉛直方向にその強度が変化している。強度が変化すると塑性変形させる応力も変化する。強度を制御することで、抵抗力を制御することができるので接続部の構造に合わせた効果的な抵抗力を発生させることができ接続部が破壊されることを防止することができる。
請求項12に記載された発明によれば、変形部の強度が、前記孔部から離れるにつれて増加しているので、回動の角度の増加に伴い抵抗力が増加することで、効果的に接続部が破壊されることを防止することができる。
衝撃吸収部材1が取り付けられた鉄道回転座席の背面図である。 背部への後方からの荷重で架台が前方に回動する様子を示す図である。 (A)、(B)座席の後部分に衝撃吸収部材を取りつけた説明図である。(C),(D)座席の前部分に衝撃吸収部材を取りつけた説明図である。 鉛直部が2つに分かれた衝撃吸収部材の説明図である。 衝撃吸収部材の鉛直部の鉛直方向の変形部とそれに連続する孔部に挿入される突起の関係を示す説明図である。 水平部に連続する鉛直部の一部を示す図である。 回転座席での衝撃吸収部材の回転の様子を示す斜視図である。
図1は本発明で用いられる衝撃吸収部材が座部及び背部を載せる架台に取り付けられた鉄道回転座席の背面図である。架台が背後から衝撃を受けて回動すると衝撃吸収部材は脚部から荷重を受けることになる。図7に示すように、架台は脚部に対して少なくとも180度回転することができる。衝撃吸収部材は架台の回転時に架台の回転を妨げることの無いように、図1では架台の回転時(図7を参照)に脚台に衝突することの無いように取りつけられている。
図2は通常の状態(実線)と架台が背部に後方から荷重を受けて接続部4を中心に前方へ回動する状態(点線)を示している。車両が衝突又は急停車などで急速な減速をすると座席の後部に座っている人が前の座席の背部6へ後方から衝突する。そうすると、図2の点線に示すように前方の座席は後方から大きな衝撃力を受けて架台の回転を支える接続部4を中心にして回動する。
そうすると、図2の点線で示すように接続部4は大きく変形するので破壊されることが多い。接続部は構造的に架台及び脚台に比べて複雑なので、回転機能を維持しながら回動により破壊されないように構成することは困難が伴う。また、破壊されるとその修理費用が嵩むという問題が有る。
接続部は、中心の軸の周りに所定の直径の円周上にボールベアリングを並べて構成されることが多い。その場合、架台が回動すると、接続部の前縁が回動の中心になり前縁に圧縮応力が加わり、中心軸と後縁に引っ張り応力が掛かることとなる。応力を受けた部材の最も弱い部分が破壊されるので、破壊防止の観点から回動の角度を一定の範囲にとどめる事は重要である。
破壊防止のために、想定される背面からの衝撃荷重により接続部が破壊されることの無いように衝撃吸収部材を図3に示すように設ける。衝撃吸収部材は架台又は脚台の何れかに取り付けられる鉛直部10と、衝撃を受けて架台が回動する際に架台又は脚台の何れか他方から直接的又は間接的に荷重を受ける衝撃吸収部材の水平部11を有している。
図3には衝撃吸収部材の水平部11に荷重を与える接触部材13が記載されているが、水平部が架台又は脚台から直接荷重を受けるようにしても良い。
図3(A)は衝撃吸収部材が架台の後部分へ取り付けられた状態を示している。下方へ伸びた鉛直部10の先の水平部11は脚台に固定された接触部材13との間に距離を有しており、この状態で、架台は脚台に対して自由に回転することができる。但しこの距離は分かり易く記載したもので、回転時に架台を少し上下するなどの操作を伴う場合は、普段は水平部11が脚台に固定された接触部材13と接触していてもよい。以後の説明でも同様である。
図3(B)は衝撃吸収部材が脚台の後部分へ取り付けられた状態を示している。上方へ伸びた鉛直部10の先の水平部11は架台に固定された接触部材13との間に距離を有しており、通常の場合は互いに接触することは無い。この状態で、架台は脚台に対して自由に回転することができる。
架台が背部に後方から荷重を受けて接続部を中心に前方へ回動しようとすると、架台の後部と脚台の後部との間の距離が増加する。そうすると水平部11に接触部材13から鉛直方向の力が加わる。一定以上の力が加わると鉛直部が弾性限界を超えて塑性変形を起こすことで、架台の回動に対して抵抗力を生じる。想定される衝撃力の大きさに応じて鉛直部の耐荷重を決めることで、回動の範囲を一定の範囲に抑えることが出来るので、図2に示すように回動に伴い接続部4が変形して破壊されることが防止される。
図3(C)は衝撃吸収部材が脚台の前部分へ取り付けられた状態を示している。下方へ伸びた鉛直部10の先の水平部11は架台に固定された接触部材13との間に距離を有しており、架台が回転可能の状態では互いに接触することは無い。この状態で架台は脚台に対して自由に回転することができる。
図3(D)も衝撃吸収部材が脚台の前部分へ取り付けられた状態を示している。上方へ伸びた鉛直部10の先の水平部11は架台に固定された接触部材13との間に距離を有しており、回転可能の状態では互いに接触することは無い。この状態で、架台は脚台に対して自由に回転することができる。
架台が背部に後方から荷重を受けて接続部を中心に前方へ回動しようとすると、架台の前部と脚台の前部との間の距離が減少する。そうすると水平部11と接触部材13との間の距離が増加するので水平部11に接触部材13から鉛直方向の力が加わる。一定以上の力が加わると鉛直部が弾性限界を超えて塑性変形を起こすことで、架台の回動に対して抵抗力を生じる。想定される衝撃力の大きさに応じて鉛直部の耐荷重を決めることで、回動の範囲を一定の範囲に抑えることが出来るので、図2に示すように回動に伴い接続部4が変形して破壊されることが防止される。
衝撃吸収部材の取り付け方法は上記以外にも考えることが出来る。衝撃吸収部材は回動に伴う架台と脚台との間の距離の変化を妨げるように取り付ければ良い。回動に伴う、架台と脚台との間の距離の変化が最も大きい場所へ接続することが、衝撃吸収には効果的である。
図4に衝撃吸収部材の具体的な形状の例を示す。水平部11は、架台又は脚台の何れかにネジで固定できるようにネジ孔を有している。水平部に連続して設けられる鉛直部は2つの部材、10Aと10Bから構成されている。
10Aには鉛直方向に変形部が形成されていて、変形部に連続する孔部へ10Bに固定された突起12が挿入されている。変形部の形状の一例を図5に示す。図5(A),(B)は変形部が溝であり、図5(C),(D),(E)は変形部が変形部の形成された材料よりも強度の低い材料で形成されている。
図4及び図5では突起12は円柱状であるが突起の形状は任意である。図5(A),(B)においては、突起12の水平方向の長さ(この図では直径)が溝の最大幅以上になっている。衝撃を受けて、架台が回動を始めると鉛直部10Aに形成された変形部である溝の中を突起12が移動する。突起12の水平方向の長さ(この図では直径)が溝の最大幅以上になっているので、10Aに形成された溝が塑性変形を受けて広がる。塑性変形にはエネルギーが必要なので抵抗力が発生して回動の動きを妨げる。
溝の幅は図5(A)に示すように一定でもよいが、その幅を変えることで抵抗力を制御することができる。例えば、図5(B)に示すように、次第に溝の幅を狭くすると、塑性変形にはより大きなエネルギーが必要になるので、回動の角度が増加するに伴い抵抗力が増加するようになる。
図5(C),(D),(E)は変形部が変形部の形成された材料よりも強度の低い材料で形成されている様子を示している。強度の低い材料として、変形部以外の部位の部材と同じ材料を用いてその厚みを減らしたり、材料強度そのものが小さい材料を選ぶことで強度を下げることができる。
図5(C)の断面図を図5(D),(E)に示す。図5(D)に示す変形部はその他の部位よりも薄く形成されている。厚みが薄いことでその強度は他の部位よりも小さくなっている。また、その強度を鉛直方向に変化させることもできる。具体的には厚みを変えることで、所定の抵抗力を得ることができる。例えば、図5(E)に示すように、形部を次第に厚くすると架台の回動に伴う角度の増加に伴い抵抗力が増える。
衝撃を受けて、架台が回動を始めると鉛直部10Aに形成された変形部の中を突起12が移動する。その際、突起12が変形部の強度の低い薄い部材に塑性変形を起こしながら薄い部分を押し破って移動する。塑性変形にはエネルギーが必要なので抵抗力が発生して回動の動きを妨げる。
衝撃吸収部材の形状はその鉛直部が塑性変形を起こすように構成することが条件であり図6(A),(B)以外にも様々な形状を考えることが出来るので上記の例に限られないことは勿論である。また、変形部の形状および材料を選択することで、塑性変形に必要な荷重の大きさを容易に制御することができる。
1 衝撃吸収部材
2 脚台
3 架台
4 接続部
5 座部
6 背部
6’回動した状態の背部
10 衝撃吸収部材の鉛直部
10A 変形部を有する鉛直部
10B 突起を有する鉛直部
11 衝撃吸収部材の水平部
12 突起
13 接触部材

Claims (12)

  1. 車両に取り付けられる脚台と、
    人体を支える座部及び背部が取り付けられる架台と、
    前記脚台及び前記架台の間を回転可能に接続する接続部と、
    前記脚台及び前記架台のいずれか一方に取付けられ、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に他方から直接的又は間接的に荷重を受けて塑性変形する衝撃吸収部材と、を備えることを特徴とする鉄道回転座席。
  2. 前記衝撃吸収部材が、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に、少なくとも前記脚台と前記架台との間の距離の変化が最も大きい部分の前記脚台及び前記架台のいずれか一方に取付けられることを特徴とする請求項1に記載の鉄道回転座席。
  3. 前記衝撃吸収部材が、少なくとも前記脚台及び前記架台のいずれか一方に鉛直に取り付けられる鉛直部及びこれに連続して設けられる水平部を有し、前記鉛直部が引張り方向の力に対して塑性変形をするように構成され、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に前記水平部が前記他方から直接的又は間接的に荷重を受けて、前記鉛直部へ引張り方向の力が加わるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道回転座席。
  4. 前記鉛直部が前記脚台及び前記架台のいずれか一方の後部分に取付けられ、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に、前記水平部が前記他方の後部分から直接的又は間接的に荷重を受けるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の鉄道回転座席。
  5. 前記鉛直部が前記一方の前部分に取付けられ、前記架台が前記背部に後方から荷重を受けて前記接続部を中心に前方へ回動する際に、前記水平部が前記他方の前部分から直接的又は間接的に荷重を受けるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の鉄道回転座席。
  6. 前記鉛直部が互いに鉛直方向に移動可能な第1部材と第2部材とを有し、前記第1部材には鉛直方向の荷重を受けて塑性変形し得る変形部及び該変形部に連続する孔部が設けられ、前記第2部材にはこの孔部に挿入される突起が設けられ、前記鉛直部へ引張り方向の力が加わる際に前記突起が前記変形部に荷重を加えて前記変形部が塑性変形を起こすように構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の鉄道回転座席。
  7. 前記変形部が鉛直方向に設けられた溝であって、前記突起の水平方向の長さが前記溝の側壁間の最大幅以上であることを特徴とする請求項6に記載の鉄道回転座席。
  8. 前記溝が、鉛直方向にその幅が変化していることを特徴とする請求項7に記載の鉄道回転座席。
  9. 前記幅が、前記孔部から離れるにつれて狭くなっていることを特徴とする請求項8に記載の鉄道回転座席。
  10. 前記変形部は、その幅が前記突起の水平方向の幅以上であって、且つ前記第1部材における前記変形部以外の部位よりも強度の低い部材で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の鉄道回転座席。
  11. 前記変形部が、鉛直方向にその強度が変化していることを特徴とする請求項10に記載の鉄道回転座席。
  12. 前記変形部が、前記孔部から離れるにつれて強度が高くなることを特徴とする請求項11に記載の鉄道回転座席。
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