JP6112607B2 - 低品位炭の乾燥方法及び乾燥設備 - Google Patents

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Description

本発明は、低品位炭、特に水分を多く含んだ低品位炭を乾燥して、乾燥後の石炭の自然発火を抑制する技術に関する。
昨今、開発途上国のエネルギー事情から、瀝青炭を中心とした石炭の需要は増加傾向にある。
そこで、瀝青炭に代わり、埋蔵量が多く、比較的安価な亜炭、亜瀝青炭、褐炭などの利用量が少ない低品位炭が注目されている。しかし、低品位炭は高水分であるため、エネルギー当たりの輸送コストが高いこと、また、低品位炭を乾燥させた場合、自然発火しやすくなること等の理由で、低品位炭は十分使用されているとは言い難く、低品位炭の使用は、炭鉱近辺に限られていた。
石炭の自然発火の要因としては、一義的には酸素と反応しやすい活性基の存在があげられる。
酸素と活性基の反応を助長させる要因として、比表面積、水分含有量、FeSの存在、酸素分圧、温度等があげられる。
そこで、低品位炭の自然発火を抑制するため、乾燥後ブリケット化することが行われてきた(特許文献1)。
しかし、ブリケット化するためには、破砕処理や高圧処理が必要になり、設備費が高価となるほか、動力費、部品交換費用等の維持費も高価となり、汎用の瀝青炭の価格に対して低品位炭を使用するメリットが少なくなる。また、酸素と活性基の反応を助長させる要因としての比表面積を低減させているだけなので、自然発火抑制効果が少ない。
他の方法としては、酸素と反応しやすい活性基を薬品抽出する方法が提案されているが、設備が複雑になり経済的でない。
さらに他の方法としては、石炭表面を重質油等でコーティングすることで空気(酸素)を遮断する方法も提案されているが、輸送途中の衝撃等でコーティングが剥離すると効果がなくなる。また、高価なコーティング剤を均一にコーティングすることは設備的にも維持費についても経済的でない。
一方、石炭の自然発火抑制法として、酸素雰囲気下で石炭の温度を上げると、石炭表面近傍の酸素と結合しやすい化学構造が酸素と結合し、その後の自然発火を抑制できることが知られている(特許文献2)。すなわち酸素と反応しやすい活性基の大部分を、酸素と反応させてしまうことで自然発火を抑制するものである。
特許文献2の方法は、実際には、不活性ガス中で100〜350℃の加熱処理、1〜10容量%の酸素濃度下での酸化処理の2段階処理を要し、処理時間が長くなり、実用的ではない。
ところで、従来の低品位炭の乾燥方法は、フラッシュドライヤや、熱風回転乾燥のような、熱風の直接加熱による乾燥が主流であった。熱風による直接加熱の場合、酸素濃度は高くすることができるが、石炭の品温が高くならないので、石炭表面近傍の酸素と結合しやすい化学構造が酸素と結合しにくくなっているので、自然発火抑制効果はない。また、加熱水蒸気等を使用して直接乾燥する方法では、石炭の品温は高くすることはできるが、酸素が無いため自然発火の抑制効果はない。従って従来の乾燥方法では、乾燥の後冷却機で乾燥炭を冷却し、自然発火による温度上昇を遅らせて自然発火を抑制している。
さらに、従来の石炭乾燥では、炭塵爆発、発火を防止する観点から限界含水率まで(恒率乾燥区間まで)しか乾燥させておらず、石炭品温もあまり上昇させない運転を行ってきた。
特開2011−37938 特公昭63−67518号
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、低品位炭、特に水分含有量が多い低品位炭を乾燥し、自然発火性を抑制することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
なお、本発明の低品位炭とは、ビクトリア炭、ノースダコダ炭、ベルガ炭等の褐炭、西バゴン炭、ビヌンガン炭などの亜瀝青炭、亜炭などを含む意味である。
<請求項1記載の発明>
間接加熱乾燥機により、低品位炭を恒率乾燥区間を経て減率乾燥区間に至るまで乾燥処理する乾燥方法であって、低品位炭の前記間接加熱乾燥機出口の温度が95℃超〜120℃となるよう間接加熱乾燥機に供給する加熱媒体の温度、流量、圧力のうち少なくとも1つを制御するとともに、前記間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガスの酸素濃度が湿りガスベースで7%〜12%となるよう、キャリヤガスの流量を制御することを特徴とする低品位炭の乾燥方法
(作用効果)
本発明では、間接加熱乾燥機により、低品位炭を恒率乾燥区間を経て減率乾燥区間に至るまで乾燥を行う。間接加熱乾燥機による乾燥であるために、低品位炭の品温を高めることができ、たとえば乾燥機出口の品温が95℃〜120℃と高めることができる。
加えて、乾燥機から排出されるキャリヤガスの酸素濃度を7%〜12%とすることをキャリヤガスの流量制御で行うことにより、乾燥処理過程での低品位炭の発火を抑制しつつ、低品位炭表面の活性基と酸素を反応を促進することができる。
<請求項2記載の発明>
間接加熱乾燥機により乾燥処理された低品位炭をエアスライド式コンベアに供給し、低品位炭の搬送とともに、搬送媒体との接触により乾燥炭の酸化処理を行う請求項1記載の低品位炭の乾燥方法。
(作用効果)
低品位炭の発火を抑制しつつ低品位炭の活性基を酸素と良好に反応させることができ、さらにエアスライド式コンベアで搬送するのでさらに低品位炭の活性基を酸素と反応させ高い自然発火性抑制効果を示す低品位炭に改質できる。
<請求項3記載の発明>
間接加熱乾燥機のキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置で処理されたキャリヤガスを、前記エアスライド式コンベアの搬送媒体とする請求項1または2記載の低品位炭の乾燥方法。
(作用効果)
そもそも、間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガスは、石炭から蒸発した水分を多く含むことから空気と比較してO2濃度(湿りガスベース)が低く、かつ乾燥炭表面温度と同程度の温度である。
したがって、かかるキャリヤガスをエアスライド式コンベアの搬送媒体として供給することで、搬送中の自然発火を抑制しつつ(酸素濃度が低いため発火しにくい)、乾燥炭表面の酸化反応を促進(供給ガスの温度が高いため反応が進む)することができる。
その他の発明>
低品位炭を恒率乾燥区間を経て減率乾燥区間に至るまで乾燥処理する間接加熱乾燥機と、
前記間接加熱乾燥機のキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置と、
前記除塵装置で処理されたキャリヤガスを、乾燥処理された低品位炭を搬送するエアスライド式コンベアの搬送媒体として供給する手段と、
前記集塵装置に供給する窒素含有気体を空気から製造する窒素含有気体製造装置とを備え、
さらに、製造した窒素を前記集塵装置の除塵用パルス気体とする窒素利用手段を備えたことを特徴とする低品位炭の乾燥設備。
(作用効果)
キャリヤガスをエアスライド式コンベアの搬送媒体として供給することで、自然発火を抑制しつつ(酸素濃度が低いため発火しにくい)、乾燥炭表面の酸化反応を促進(供給ガスの温度が高いため反応が進む)することができる。
集塵装置としては、パルスエアを使用する除塵装置を使用するのが望ましい。パルスエアは、洗浄時の粉塵爆発防止のため酸素濃度が低いN2ガスでなければならない。この必要とされるN2ガスは、窒素含有気体製造装置により得るのが望ましい。
この例として、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置を挙げることができ、空気中の酸素吸着(この場合、排ガスが窒素リッチ)、または窒素吸着(この場合、脱着ガスが窒素リッチ)のいずれかの方法で製造する。吸着した窒素リッチのガスは、パルスエアとして使用できる。
以上のとおり、本発明によれば、低品位炭、特に水分含有量が多い低品位炭を乾燥するとともに、自然発火性を抑制することができる。したがって、安価な低品位炭を使用でき、エネルギー事情の改善を図ることができる。
本発明の乾燥炭は、たとえば流動層ボイラ、石炭ガス化複合発電(IGCC)用の燃料として使用することができる。特にIGCCでは3〜5%の含水率の石炭を使用することが望ましい(水蒸気発生抑制が求められるため)。また、低品位炭は、比較的融点の低いため、ガス化後の スラリのハンドリングが行いやすく、含水率が下げられれば燃料として適している。
本発明の乾燥処理の一例のフロー図である。 間接加熱型乾燥機(スチームチューブドライヤ(STD))例の概要斜視図である。 エアスライド式(メッシュ)コンベアの多孔板の部分斜視図である。 エアスライド式(メッシュ)コンベアの多孔板の断面図である。 露点と酸素濃度の関係図である。 自然発火性に関する説明図である。 石炭品温の影響を示す説明図である。 雰囲気酸素濃度の影響を示す説明図である。 減率乾燥区間に至るまで乾燥する場合の雰囲気酸素濃度の影響を示す説明図である。 吹き出しノズルの角度を変えたエアスライドの単位幅当たりの搬送量を示す説明図である。 エアスライドへの供給風量(1/2ρmu3)と搬送性をとの関係を示す説明図である。 PSA装置を組み込んだ例のフロー図である。
以下本発明をさらに説明する。
本発明の低品位炭の乾燥処理全体としては、たとえば図1の形態で実施することができる。
そして、乾燥処理機としては、好適にはスチームチューブドライヤ(STD)3を使用することができる。
処理全体の説明に先だって、理解を深めるために本発明の実施の形態に適用される間接加熱型乾燥機であるスチームチューブドライヤ(STD)3の例について、図2に基づき説明する。
図2に示す、スチームチューブドライヤ3は、軸心周りに回転自在とされる回転筒30内において、両端板間に軸心と並行に複数の加熱管31が配管されていて、回転継手50に取付けられた熱媒体入口管51を通して、これらの加熱管31に熱媒体としての加熱蒸気が供給され、各加熱管31に流通された後、熱媒体出口管52を介してこの加熱蒸気Kのドレンが排出されるようになっている。
そして、被処理物を回転筒30内に装入するためにスクリュー等を有した装入装置33が、スチームチューブドライヤ3に備えられている。この装入装置33の装入口53より回転筒30内にその一端側から投入される低品位炭(LRC)を、加熱蒸気Kにより加熱した加熱管31と接触させて乾燥させるようなる。これとともに回転筒30が下り勾配をもって設置されていることで、排出口54方向に順次円滑に移動させて、回転筒30の他端側からこの乾燥炭(DC)を連続的に排出させるようになっている。
図2に示されるように、回転筒30は基台36の上に設置され、回転筒30の軸心と並行に相互に間隔を置いて配された2組の支承ローラ35によって、タイヤ34を介して支承されている。回転筒30の下り勾配および直径に合わせて2組の支承ローラ35間の幅およびそれらの長手方向傾斜角度が選択される。
一方、回転筒30を回転させるために、回転筒30の周囲には、従動ギア40が設けられており、これに駆動ギア43が噛合し、原動機41の回転力が減速機42を介して伝達され、回転筒30の軸心回りに回転するようになっている。さらに、回転筒30の内部には、キャリヤガス入口61からキャリヤガスが導入され、これらキャリヤガスは低品位炭(LRC)に含有される水分が蒸発した蒸気を同伴してキャリヤガス排出口62より排出される。
なお、上記スチームチューブドライヤ3の全体構成は一例であり、本発明は上記構成により限定されるものではない。
本発明では、図1に処理フロー全体を示すように、たとえば次のように乾燥処理を行うことができる。
間接加熱型乾燥機3の乾燥機出口54には乾燥炭の温度を測定する温度測定装置21が設置されている。この温度測定装置は、乾燥炭の品温を測定することができる温度計であれば制限はないが、非接触式温度計などの乾燥炭の温度測定装置21が設置されている。なお、測定する乾燥炭の品温は、内部温度、表面温度のいずれでもよい。本実施例では温度測定装置は、表面温度を測定するものを採用した。温度測定装置21によって測定値は、乾燥条件調整手段(図示せず)に送られる。
キャリヤガスは押し込みファン22で昇圧され、装入装置33のキャリヤガス入口61から供給される。
キャリヤガスは、間接加熱型乾燥機3内で低品位炭(LRC)から蒸発した水蒸気及び若干の石炭ダストを伴って排出され、バグフィルタなど集塵機24で除塵される。
集塵機24には、濾布などの濾材に付着した石炭ダストを払い落とすパルスガス供給装置(図示せず)が備えられていて、一定間隔、もしくは濾材前後の圧力差に応じてパルスガスが供給される。なお、パルスガスとしては窒素ガスが好ましい。この窒素ガスは、別途窒素PSA装置(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着装置)により空気から精製され集塵機24に供給される。
集塵機24から排出されたキャリヤガスは、酸素濃度計(O2計)23Bで湿りガスベースの酸素濃度が測定されながら、排気ファン25から排出される。酸素濃度計23Bは、ジルコニア式酸素濃度計が好適である。なお、酸素濃度計23Bの設置位置は、集塵機24の出口側に限定されることなく、例えば間接加熱型乾燥機3と集塵機24との間のキャリヤガス流路に設けることも可能である。酸素濃度計23Bの測定値は、乾燥条件調整手段(図示せず)に送られる。
乾燥条件調整手段(図示せず)は、温度測定装置21によって測定値と、予め設定された乾燥炭の温度の設定範囲(もしくは設定値)とを比較し、測定値が設定範囲内(設定値)となるよう間接加熱乾燥機に供給する蒸気の流量、温度、圧力や間接加熱乾燥機の回転数などを調節する。これらの調整項目は、1つに限定されるものではなく、適宜組み合わせて調整することが可能である。
また、酸素濃度計23Bから送られた測定値と、予め設定したキャリヤガスの酸素濃度の設定範囲(もしくは設定値)とを比較し、測定値が設定範囲内(設定値)となるようキャリヤガスの供給流量を変更する。具体的には、押し込みファン22の回転数の変更や、キャリヤガスの流路に設けられた調整弁(図示せず)の開度変更などである。なお、乾燥条件調整手段は、乾燥炭の温度調整用とキャリヤガスの酸素濃度調整用の2つに分割することも可能である。
さらに自然発火性を抑制する場合は、乾燥炭(DC)を、中空構造の本体の内部を上下に分割する開孔26aを有する多孔板26Aを設けた、エアスライド式コンベア26に供給し、ブロワ27aによりエアスライド式コンベア26に供給される乾燥排ガス27によって、搬送しながら温度の保持とガス中の酸素で低品位炭の、活性基の酸化を進め、自然発火性を抑制することが望ましい。
エアスライド式コンベア26に供給される乾燥排ガスは、そのまま使用しても良いが、乾燥使用後の蒸気ドレン等で予熱して使用しても良い。エアスライド式コンベア26を使用する場合、図3及び図4に示すように、多孔板26の開孔26aが、乾燥炭の搬送方向で水平に対して10度〜20度の吹き出し角度θをもって上方である、特に14度〜16度の吹き出しが、さらに搬送動力が低減できるので好適である。
エアスライド式コンベア26から排出された微粉末は流路28により集塵機24前に返送され、乾燥済みの乾燥炭(DC)は、図示しないバンカーに貯留され、たとえば流動層ボイラに燃料として供給される。また他の例としては、バンカーから、微粉砕機を介して微粉化した後、燃焼バーナーに供給される。
ところで、前述のように、石炭の自然発火抑制法に一つに、酸素と反応しやすい石炭の活性基を予めゆっくりと酸素と反応させる方法が知られている。
酸素と反応しやすい石炭の活性基を酸素と反応させる場合、温度が高いほど、雰囲気の酸素濃度が高いほど反応が速い。
しかし、温度が高く、酸素濃度が高いと急激な酸化反応が進み、反応中の低品位炭が発火するおそれがある。
また、間接加熱型乾燥機3の内部には低品位炭の乾燥過程で生じる石炭ダストが浮遊しており、キャリヤガスとともに外部に排出される。ここで本発明者らは、多くのテストにより間接加熱型乾燥機3内部の酸素濃度が湿りガスベースで16%以上である場合に、炭塵爆発が起こる可能性があることを知見した。
そこで、本発明は、急激な酸化反応が起こり危険域に達しない低品位炭温度、雰囲気酸素濃度の範囲で、酸素と反応しやすい活性基を予め徐々に酸化させることで、自然発火を抑制しようとするものである。
低品位炭の品温は、120℃以上になると、低品位炭の種類にもよるが、急激に酸化反応が進み燃焼に至る危険性がある。一方、低品位炭の品温95℃以下では、低品位炭を減率乾燥区間に至るまでの必要な乾燥時間が長くなり乾燥機の大型化が求められる。従って低品位炭の品温は95℃超、120℃以下が望ましい。なお、乾燥処理中の低品位炭の品温は乾燥時間とともに温度が上昇する傾向があるため、間接加熱型乾燥機排出口での温度を監視すれば良く、低品位炭の品温が95℃超、120℃以下となるよう乾燥機に供給する加熱媒体の温度、流量、圧力の少なくとも1つを制御すれば良い。
また、低品位炭水分を減率乾燥区間に至るまで乾燥させる場合、低品位炭の品温がキャリヤガスガスの露点以上になるがこの時の間接加熱型乾燥機3から排出されるキャリヤガスの酸素濃度が、12%以上あると低品位炭が火炎を伴って燃焼することがある。従って、炭塵爆発防止および、燃焼防止の観点から間接加熱型乾燥機3からは12%以下にする。一方、間接加熱乾燥機3から排出されるキャリヤガス酸素濃度が7%以下であると、間接加熱型乾燥機3内における乾燥効率が低下するとともに、低品位炭の発火性抑制効果が十分に得ることができない。
なお、乾燥初期においてはキャリヤガスの酸素濃度は高いが、同時に低品位炭も含水率が高く、温度も低いため、炭塵爆発や発火の恐れはない。乾燥が進行につれて、酸素濃度が低下する。
一方、乾燥機内の滞留時間では、十分な自然発火抑制効果が無いことがある。そのような場合は、乾燥した後乾燥炭搬送工程において、乾燥炭の温度を維持しながら酸素濃度が高い雰囲気で搬送する、たとえばエアスライド式(メッシュ)コンベアを使用して搬送することで、酸素と反応しやすい低品位炭の活性基を酸素と反応させる。
以上をまとめると本発明の操作範囲は図6のようになる。本発明者らは、以下の実験のほか多くの実験によって、本発明の操作範囲Z3(請求項1の範囲)を定めたものであることを付言しておく。
すなわち低品位炭を減率乾燥区間まで乾燥させる場合、低品位炭の品温を95℃超、120℃以下、キャリヤガスの酸素濃度(湿りガスベース)は7%〜12%とし、できるだけ高い濃度が好適である。そして、低品位炭の品温、およびキャリヤガスの酸素濃度(湿りガスベース)は、乾燥機排出口における低品位炭の表面温度、およびキャリヤガスの酸素濃度を採用することが好ましい。
先に述べたように、間接加熱型乾燥機3から排出されるキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置の設置が、環境汚染防止の観点から必要となる。この場合、集塵装置としては、パルスガスを使用する除塵装置を使用するのが望ましい。パルスガスは、洗浄時の粉塵爆発防止のため酸素濃度が低いN2ガスでなければならない。この必要とされるN2ガスは、窒素含有気体製造装置により得るのが望ましい。
この例として、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置を挙げることができ、空気中の酸素吸着(この場合、排ガスが窒素リッチ)、または窒素吸着(この場合、脱着ガスが窒素リッチ)のいずれかの方法で製造する。
窒素吸着の場合の具体例を挙げると、図12に示すように、吸着充填材70aを有する窒素吸着PSA70を設け、空気を取り込んで、N2吸着を行ない、吸着したN2 は真空ポンプ72によりN2リッチガスとして、一時貯留タンク73に貯留し、パルスガス供給装置74を備えたバグフィルタ集塵機(除塵装置)24に供給する。このように、吸着した窒素リッチガスを、逆洗用のパルスガスとして使用することができる。逆洗装置74は概略的に示されている。
このとき不要となる酸素リッチのガスは、PSA装置70上部から大気に放出するか、又は仕向け先に送る。
本発明を実施例により説明する。
実験に供した低品位炭(LRC)は全水分59.2%風乾水分13.2%のインドネシア産褐炭である。自然発火性の比較例としてオーストラリア産瀝青炭(以下BCと称する)を使用した。
自然発火性の指標の測定は、石炭サンプルを窒素雰囲気下で110℃まで加熱し、その後酸素雰囲気に切り替え、温度の上昇を見た。すなわち短時間で温度が上昇すると自然発火性が強いことになる。指標として180℃まで達する時間(以下T−180と称する)で評価する。
(実施例1:雰囲気酸素濃度の影響)
乾燥石炭の品温を約100℃ 乾燥石炭の水分を約3%の条件において乾燥排ガ ス酸素濃度(湿ガス基準)を5%、9%、12%の場合のT−180を調査した。結果を表1に示す。
乾燥排ガスの酸素濃度(湿ガス基準)が5%の場合は自然発火性は改善されな かったが、9%の場合は自然発火性は改善され、さらに12%の場合は豪州瀝青炭以上に自然発火性が改善された。
(実施例2:乾燥炭品温の影響)
乾燥排ガスの酸素濃度(湿ガス基準)を9%とし乾燥炭品温を90℃、100℃ 120℃とした場合のT−180を調査した。結果を表2に示す。
乾燥炭品温が高いほど自然発火性は改善された。
(実施例3:エアスライド式コンベアの影響)
乾燥排ガスの酸素濃度(湿ガス基準)を9%とし乾燥炭品温を100℃とし乾燥炭を乾燥排ガスを使用したエアスライド式コンベアで搬送した。
エアスライド式コンベアに供給する乾燥排ガス量は、40m3/min・m2であり、乾燥炭のエアスライド式コンベアでの滞留時間は概略5分である。
以上の条件において搬送したあとにT−180を調査したところ、10.8minであった。エアスライド式コンベアで搬送する事で、T−180が90.2分から110.8分に改善できた。
(実施例4:偏向性多孔板のノズル吹き出し角度と搬送姓)
偏向性多孔板のノズルの水平に対する吹き出し角度と乾燥炭の搬送姓を調査した。
使用した乾燥炭は、インドネシア産褐炭を10mm以下まで粉砕した後(最大粒径は30mm程度も混在、水分25%まで乾燥した物を使用した。水平に設置したエアスライドに1/2ρmu3が100になるように80℃に予熱した空気を供給し、吹き出しノズルの角度θを変えてエアスライドの単位幅当たりの搬送量を測定した。その結果を図10に示す。ノズル吹き出し角度は、14度から16度が好適である。
(実施例5:エアスライドへの供給風量と搬送姓)
エアスライドの吹き出し角度θは、16度を使用し、エアスライドへの単位面積当たりの空気供給量を変えて(1/2ρmu3を変えて)エアスライドの単位幅当たりの搬送量を測定した。
その結果を図11に示す。使用した石炭は実施例4と同等である。1/2ρmu3にほぼ比例して搬送能力が上昇している。しかし1/2ρmu3が30以下では大粒子の石炭がエアスライド上に残留していた。従って1/2ρmu3は30以上が好ましい。
1/2ρmu3はエアスライド用ブロワの動力に比例するのでできるだけ小さい方が良いしエアスライドの排ガス処理設備にも影響する。
しかし破砕機の種類によっては、破砕後の最大粒径が変わるので1/2ρmu3は適宜選ぶことになるが最大で200程度で十分である。
3…間接加熱型乾燥機(スチームチューブドライヤ(STD))、21…乾燥炭の温度(品温)測定装置、23A・23B…酸素濃度計、24…集塵装置、26…エアスライド式(メッシュ)コンベア、27…コンベア乾燥排ガス、30…回転筒、31…加熱管、33…装入装置、54…乾燥機出口、61…キャリヤガス入口、70…PSA装置、LRC…低品位炭、DC…乾燥石炭

Claims (3)

  1. 間接加熱乾燥機により、低品位炭を恒率乾燥区間を経て減率乾燥区間に至るまで乾燥処理する乾燥方法であって、低品位炭の前記間接加熱乾燥機出口の温度が95℃超〜120℃となるよう間接加熱乾燥機に供給する加熱媒体の温度、流量、圧力のうち少なくとも1つを制御するとともに、前記間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガスの酸素濃度が湿りガスベースで7%〜12%となるよう、キャリヤガスの流量を制御することを特徴とする低品位炭の乾燥方法。
  2. 間接加熱乾燥機により乾燥処理された低品位炭をエアスライド式コンベアに供給し、低品位炭の搬送とともに、搬送媒体との接触により乾燥炭の酸化処理を行う請求項1記載の低品位炭の乾燥方法。
  3. 間接加熱乾燥機のキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置で処理されたキャリヤガスを、前記エアスライド式コンベアの搬送媒体とする請求項1または2記載の低品位炭の乾燥方法。
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