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Description
本発明は、低品位炭、特に水分を多く含んだ低品位炭を乾燥して、乾燥後の石炭の自然発火を抑制する技術に関する。
昨今、開発途上国のエネルギー事情から、瀝青炭を中心とした石炭の需要は増加傾向にある。
そこで、瀝青炭に代わり、埋蔵量が多く、比較的安価な亜炭、亜瀝青炭、褐炭などの利用量が少ない低品位炭が注目されている。しかし、低品位炭は高水分であるため、エネルギー当たりの輸送コストが高いこと、また、低品位炭を乾燥させた場合、自然発火しやすくなること等の理由で、低品位炭は十分使用されているとは言い難く、低品位炭の使用は、炭鉱近辺に限られていた。
石炭の自然発火の要因としては、一義的には酸素と反応しやすい活性基の存在があげられる。
酸素と活性基の反応を助長させる要因として、比表面積、水分含有量、FeSの存在、酸素分圧、温度等があげられる。
そこで、低品位炭の自然発火を抑制するため、乾燥後ブリケット化することが行われてきた(特許文献1)。
しかし、ブリケット化するためには、破砕処理や高圧処理が必要になり、設備費が高価となるほか、動力費、部品交換費用等の維持費も高価となり、汎用の瀝青炭の価格に対して低品位炭を使用するメリットが少なくなる。また、酸素と活性基の反応を助長させる要因としての比表面積を低減させているだけなので、自然発火抑制効果が少ない。
他の方法としては、酸素と反応しやすい活性基を薬品抽出する方法が提案されているが、設備が複雑になり経済的でない。
さらに他の方法としては、石炭表面を重質油等でコーティングすることで空気(酸素)を遮断する方法も提案されているが、輸送途中の衝撃等でコーティングが剥離すると効果がなくなる。また、高価なコーティング剤を均一にコーティングすることは設備的にも維持費についても経済的でない。
一方、石炭の自然発火抑制法として、酸素雰囲気下で石炭の温度を上げると、石炭表面近傍の酸素と結合しやすい化学構造が酸素と結合し、その後の自然発火を抑制できることが知られている(特許文献2)。すなわち酸素と反応しやすい活性基の大部分を、酸素と反応させてしまうことで自然発火を抑制するものである。
特許文献2の方法は、実際には、不活性ガス中で100〜350℃の加熱処理、1〜10容量%の酸素濃度下での酸化処理の2段階処理を要し、処理時間が長くなり、実用的ではない。
ところで、従来の低品位炭の乾燥方法は、フラッシュドライヤや、熱風回転乾燥のような、熱風の直接加熱による乾燥が主流であった。熱風による直接加熱の場合、酸素濃度は高くすることができるが、石炭の品温が高くならないので、石炭表面近傍の酸素と結合しやすい化学構造が酸素と結合しにくくなっているので、自然発火抑制効果はない。また、加熱水蒸気等を使用して直接乾燥する方法では、石炭の品温は高くすることはできるが、酸素が無いため自然発火の抑制効果はない。従って従来の乾燥方法では、乾燥の後冷却機で乾燥炭を冷却し、自然発火による温度上昇を遅らせて自然発火を抑制している。
さらに、従来の石炭乾燥では、炭塵爆発、発火を防止する観点から限界含水率までしか乾燥させておらず、石炭品温もあまり上昇させない運転を行ってきた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、低品位炭、特に水分含有量が多い低品位炭を乾燥し、自然発火性を抑制することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
なお、本発明の低品位炭とは、ビクトリア炭、ノースダコダ炭、ベルガ炭等の褐炭、西バゴン炭、ビヌンガン炭などの亜瀝青炭、亜炭などを含む意味である。
なお、本発明の低品位炭とは、ビクトリア炭、ノースダコダ炭、ベルガ炭等の褐炭、西バゴン炭、ビヌンガン炭などの亜瀝青炭、亜炭などを含む意味である。
<請求項1記載の発明>
間接加熱乾燥機により、低品位炭を乾燥するに際し、前記乾燥機出口における前記低品位炭の表面温度が前記乾燥機から排出されるキャリヤガスの露点に対して0℃〜5℃高く、かつ70℃〜95℃であり、かつ前記乾燥機から排出されるキャリヤガス中の酸素濃度が湿りガスベースで10%超〜15%となる、間接加熱乾燥機の乾燥条件とすることを特徴とする低品位炭の乾燥方法。
ここで、「間接加熱乾燥機の乾燥条件とする」の意義は、本発明で規定する前半の条件が満たされるのであれば、キャリヤガス量の調整、間接加熱乾燥機の蒸気量の調整、間接加熱乾燥機の回転数の調整などは不要で、予め操作量を設定値に固定しておいてもよいし、もちろん、本発明で規定する前半の条件が満たされるように、その変動値を取込み、キャリヤガス量の調整、間接加熱乾燥機の蒸気量の調整、間接加熱乾燥機の回転数の調整などによって、その目標値になるように操作量を制御するようにすることもできる。実際的には、後者の制御法であるのが望ましい。これは請求項2の発明の場合も同様に当てはまることである。
間接加熱乾燥機により、低品位炭を乾燥するに際し、前記乾燥機出口における前記低品位炭の表面温度が前記乾燥機から排出されるキャリヤガスの露点に対して0℃〜5℃高く、かつ70℃〜95℃であり、かつ前記乾燥機から排出されるキャリヤガス中の酸素濃度が湿りガスベースで10%超〜15%となる、間接加熱乾燥機の乾燥条件とすることを特徴とする低品位炭の乾燥方法。
ここで、「間接加熱乾燥機の乾燥条件とする」の意義は、本発明で規定する前半の条件が満たされるのであれば、キャリヤガス量の調整、間接加熱乾燥機の蒸気量の調整、間接加熱乾燥機の回転数の調整などは不要で、予め操作量を設定値に固定しておいてもよいし、もちろん、本発明で規定する前半の条件が満たされるように、その変動値を取込み、キャリヤガス量の調整、間接加熱乾燥機の蒸気量の調整、間接加熱乾燥機の回転数の調整などによって、その目標値になるように操作量を制御するようにすることもできる。実際的には、後者の制御法であるのが望ましい。これは請求項2の発明の場合も同様に当てはまることである。
(作用効果)
本発明では、間接加熱乾燥機により、低品位炭を限界含水率時点に至るまでの恒率乾燥区間において乾燥を行う。間接加熱乾燥機による乾燥であるために、低品位炭の品温をキャリヤガスの露点を調整(キャリヤガス量を調整)することで高めることができ、たとえば乾燥機出口の品温が70℃〜95℃と高めることができる。加えて、湿りガスベースで10%超〜15%の高い酸素濃度の乾燥雰囲気で乾燥処理するので、低品位炭の活性基を酸素と良好に反応させることができ、高い自然発火性抑制効果を示す低品位炭に改質できる。
ここで、乾燥温度上限を95℃とするのは、95℃超では、減率乾燥区間での乾燥となる。減率乾燥区間では、石炭の温度が露点以上に上昇する可能性があり、酸素富化したキャリヤガスでは発火する恐れが生じる。他方、乾燥温度下限70℃以上とするのは、70℃未満では酸化反応が遅くなるからである。
本発明では、間接加熱乾燥機により、低品位炭を限界含水率時点に至るまでの恒率乾燥区間において乾燥を行う。間接加熱乾燥機による乾燥であるために、低品位炭の品温をキャリヤガスの露点を調整(キャリヤガス量を調整)することで高めることができ、たとえば乾燥機出口の品温が70℃〜95℃と高めることができる。加えて、湿りガスベースで10%超〜15%の高い酸素濃度の乾燥雰囲気で乾燥処理するので、低品位炭の活性基を酸素と良好に反応させることができ、高い自然発火性抑制効果を示す低品位炭に改質できる。
ここで、乾燥温度上限を95℃とするのは、95℃超では、減率乾燥区間での乾燥となる。減率乾燥区間では、石炭の温度が露点以上に上昇する可能性があり、酸素富化したキャリヤガスでは発火する恐れが生じる。他方、乾燥温度下限70℃以上とするのは、70℃未満では酸化反応が遅くなるからである。
<請求項2記載の発明>
間接加熱乾燥機により、低品位炭を乾燥するに際し、前記乾燥機出口における前記低品位炭の表面温度が前記乾燥機から排出されるキャリヤガスの露点に対して0℃〜5℃高く、かつ80℃〜95℃であり、かつキャリヤガスに酸素を富化して、前記乾燥機から排出されるキャリヤガス中の酸素濃度が湿りガスベースで10%超〜15%となる、間接加熱乾燥機の乾燥条件とすることを特徴とする低品位炭の乾燥方法。
間接加熱乾燥機により、低品位炭を乾燥するに際し、前記乾燥機出口における前記低品位炭の表面温度が前記乾燥機から排出されるキャリヤガスの露点に対して0℃〜5℃高く、かつ80℃〜95℃であり、かつキャリヤガスに酸素を富化して、前記乾燥機から排出されるキャリヤガス中の酸素濃度が湿りガスベースで10%超〜15%となる、間接加熱乾燥機の乾燥条件とすることを特徴とする低品位炭の乾燥方法。
(作用効果)
前記間接加熱乾燥機として、スチームチューブドライヤを使用する場合には、キャリヤガスを流通させることができる構造のものが汎用されている。前記低品位炭から乾燥蒸発した水蒸気を搬送するキャリヤガスとして、空気を使用する場合に比較して、酸素富化した空気を使用することとし、このキャリヤガスを前記間接加熱乾燥機の入口側から出口側に向かって移動させるようにすると、乾燥速度が高いものとなる。その結果、同一乾燥時間ながら、効率的に石炭表面の酸化反応を促進でき、発火抑制効果が向上する。
前記間接加熱乾燥機として、スチームチューブドライヤを使用する場合には、キャリヤガスを流通させることができる構造のものが汎用されている。前記低品位炭から乾燥蒸発した水蒸気を搬送するキャリヤガスとして、空気を使用する場合に比較して、酸素富化した空気を使用することとし、このキャリヤガスを前記間接加熱乾燥機の入口側から出口側に向かって移動させるようにすると、乾燥速度が高いものとなる。その結果、同一乾燥時間ながら、効率的に石炭表面の酸化反応を促進でき、発火抑制効果が向上する。
<請求項3記載の発明>
前記乾燥機出口からの前記低品位炭の乾燥炭を搬送するに際し、エアスライド式コンベアを使用し、その偏向性多孔板上を乾燥炭を搬送する過程で、多孔板の開孔を通してエアを吹き出す方向が、乾燥炭搬送方向に向かい、水平に対して10度〜20度上方として、低品位炭の表面と酸素とを接触させる請求項1または2記載の低品位炭の乾燥方法。
前記乾燥機出口からの前記低品位炭の乾燥炭を搬送するに際し、エアスライド式コンベアを使用し、その偏向性多孔板上を乾燥炭を搬送する過程で、多孔板の開孔を通してエアを吹き出す方向が、乾燥炭搬送方向に向かい、水平に対して10度〜20度上方として、低品位炭の表面と酸素とを接触させる請求項1または2記載の低品位炭の乾燥方法。
(作用効果)
乾燥炭の微粉を風力分級することにより、自然発火、粉塵爆発の要因の一つである比表面積を低減した乾燥炭を目的個所に向かって搬送することができる。この場合、後に示すように偏向性多孔板上を乾燥炭を搬送するエアスライド式コンベアを使用するのが望ましい。
多孔板の開孔を通してエアを吹き出す方向角度としては、10度〜20度、特に14度〜16度が、搬送用ブロワの駆動動力が少なくて単位幅当たりの搬送量が多いものとなる。エアスライド式コンベアは、固気の接触が良く、比較的駆動動力が少ない利点を発揮し、最適である。
乾燥炭の微粉を風力分級することにより、自然発火、粉塵爆発の要因の一つである比表面積を低減した乾燥炭を目的個所に向かって搬送することができる。この場合、後に示すように偏向性多孔板上を乾燥炭を搬送するエアスライド式コンベアを使用するのが望ましい。
多孔板の開孔を通してエアを吹き出す方向角度としては、10度〜20度、特に14度〜16度が、搬送用ブロワの駆動動力が少なくて単位幅当たりの搬送量が多いものとなる。エアスライド式コンベアは、固気の接触が良く、比較的駆動動力が少ない利点を発揮し、最適である。
<請求項4記載の発明>
間接加熱乾燥機のキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置で処理されたキャリヤガスを、前記エアスライド式コンベアの搬送媒体とする請求項3記載の低品位炭の乾燥方法。
間接加熱乾燥機のキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置で処理されたキャリヤガスを、前記エアスライド式コンベアの搬送媒体とする請求項3記載の低品位炭の乾燥方法。
(作用効果)
そもそも、間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガスは、石炭から蒸発した水分を多く含むことから空気と比較してO2濃度(湿りガスベース)が低く、かつ乾燥炭表面温度と同程度の温度である。
したがって、かかるキャリヤガスをエアスライド式コンベアの搬送媒体として供給することで、自然発火を抑制しつつ(酸素濃度が低いため発火しにくい)、乾燥炭表面の酸化反応を促進(供給ガスの温度が高いため反応が進む)することができる。
そもそも、間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガスは、石炭から蒸発した水分を多く含むことから空気と比較してO2濃度(湿りガスベース)が低く、かつ乾燥炭表面温度と同程度の温度である。
したがって、かかるキャリヤガスをエアスライド式コンベアの搬送媒体として供給することで、自然発火を抑制しつつ(酸素濃度が低いため発火しにくい)、乾燥炭表面の酸化反応を促進(供給ガスの温度が高いため反応が進む)することができる。
<請求項5記載の発明>
偏向性多孔板の開孔からのガス吹き出し速度をu m/s、ノズルの開孔比をm、ガス密度をρkg/m3としたとき、1/2ρmu3が、30〜200である請求項3記載の低品位炭の乾燥方法。
偏向性多孔板の開孔からのガス吹き出し速度をu m/s、ノズルの開孔比をm、ガス密度をρkg/m3としたとき、1/2ρmu3が、30〜200である請求項3記載の低品位炭の乾燥方法。
(作用効果)
多孔板の開孔からの、あるガス吹き出し量に対し、実用的な単位幅当たりの搬送量を得ることができる。1/2ρmu3の好ましい範囲は40〜100である。
多孔板の開孔からの、あるガス吹き出し量に対し、実用的な単位幅当たりの搬送量を得ることができる。1/2ρmu3の好ましい範囲は40〜100である。
<請求項6記載の発明>
低品位炭を乾燥する間接加熱乾燥機と、乾燥機出口の乾燥炭の温度を測定する測定手段と、乾燥機から排出されたキャリヤガスの露点を測定する露点測定手段と、キャリヤガスの酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段とを備え、
前記乾燥機出口の乾燥炭の表面温度を、前記露点測定手段で測定した露点と関連付けて調節する手段と、前記乾燥機から排出されるキャリヤガス中の酸素濃度を湿りガスベースで調節する手段を備えることを特徴とする低品位炭の乾燥設備。
低品位炭を乾燥する間接加熱乾燥機と、乾燥機出口の乾燥炭の温度を測定する測定手段と、乾燥機から排出されたキャリヤガスの露点を測定する露点測定手段と、キャリヤガスの酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段とを備え、
前記乾燥機出口の乾燥炭の表面温度を、前記露点測定手段で測定した露点と関連付けて調節する手段と、前記乾燥機から排出されるキャリヤガス中の酸素濃度を湿りガスベースで調節する手段を備えることを特徴とする低品位炭の乾燥設備。
(作用効果)
基本的に請求項1と同様の作用効果を奏する。
<請求項7記載の発明>
前記間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置で処理されたキャリヤガスを搬送媒体として、前記間接加熱乾燥機から排出される低品位炭を搬送するエアスライド式コンベアを備えた請求項6記載の低品位炭の乾燥設備。
基本的に請求項1と同様の作用効果を奏する。
<請求項7記載の発明>
前記間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置で処理されたキャリヤガスを搬送媒体として、前記間接加熱乾燥機から排出される低品位炭を搬送するエアスライド式コンベアを備えた請求項6記載の低品位炭の乾燥設備。
(作用効果)
請求項4と同様の作用効果を奏する。
<請求項8記載の発明>
前記間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置と、この集塵装置に供給する窒素含有気体を空気から製造する窒素含有気体製造装置とを備え、
前記窒素含有気体製造装置から排出される酸素含有排ガスを間接加熱乾燥機のキャリヤガスとして供給する手段を備えた請求項6または7記載の低品位炭の乾燥設備。
請求項4と同様の作用効果を奏する。
<請求項8記載の発明>
前記間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置と、この集塵装置に供給する窒素含有気体を空気から製造する窒素含有気体製造装置とを備え、
前記窒素含有気体製造装置から排出される酸素含有排ガスを間接加熱乾燥機のキャリヤガスとして供給する手段を備えた請求項6または7記載の低品位炭の乾燥設備。
(作用効果)
間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置の設置が、環境汚染防止の観点から必要となる。
この場合、集塵装置としては、パルスエアを使用する除塵装置を使用するのが望ましい。パルスエアは、洗浄時の粉塵爆発防止のため酸素濃度が低いN2ガスでないとならない。この必要とされるN2ガスは、窒素含有気体製造装置により得るのが望ましい。
この例として、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置を挙げることができ、空気中の酸素吸着(この場合、排ガスが窒素リッチ)、または窒素吸着(この場合、脱着ガスが窒素リッチ)のいずれかの方法で製造する。吸着した窒素リッチのガスは、パルスエアとして使用し、このとき不要となる酸素リッチのガスは、スチームチューブドライヤ(STD)のキャリヤガスとすることで、余計な設備を別途設けることなく発火性抑制に必要なキャリヤガスを得ることができる。
間接加熱乾燥機から排出されるキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置の設置が、環境汚染防止の観点から必要となる。
この場合、集塵装置としては、パルスエアを使用する除塵装置を使用するのが望ましい。パルスエアは、洗浄時の粉塵爆発防止のため酸素濃度が低いN2ガスでないとならない。この必要とされるN2ガスは、窒素含有気体製造装置により得るのが望ましい。
この例として、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置を挙げることができ、空気中の酸素吸着(この場合、排ガスが窒素リッチ)、または窒素吸着(この場合、脱着ガスが窒素リッチ)のいずれかの方法で製造する。吸着した窒素リッチのガスは、パルスエアとして使用し、このとき不要となる酸素リッチのガスは、スチームチューブドライヤ(STD)のキャリヤガスとすることで、余計な設備を別途設けることなく発火性抑制に必要なキャリヤガスを得ることができる。
以上のとおり、本発明によれば、低品位炭、特に水分含有量が多い低品位炭を乾燥するとともに、自然発火性を抑制することができる。したがって、安価な低品位炭を使用でき、エネルギー事情の改善を図ることができる。
以下本発明をさらに説明する。
本発明の低品位炭の乾燥処理全体としては、たとえば図1の形態で実施することができる。
そして、乾燥処理機としては、好適にはスチームチューブドライヤ(STD)3を使用することができる。
そして、乾燥処理機としては、好適にはスチームチューブドライヤ(STD)3を使用することができる。
処理全体の説明に先だって、理解を深めるために本発明の実施の形態に適用される間接加熱型乾燥機であるスチームチューブドライヤ(STD)3の例について、図2に基づき説明する。
図2に示す、スチームチューブドライヤ3は、軸心周りに回転自在とされる回転筒30内において、両端板間に軸心と並行に複数の加熱管31が配管されていて、回転継手50に取付けられた熱媒体入口管51を通して、これらの加熱管31に熱媒体としての加熱蒸気が供給され、各加熱管31に流通された後、熱媒体出口管52を介してこの加熱蒸気Kのドレンが排出されるようになっている。
そして、被処理物を回転筒30内に装入するためにスクリュー等を有した装入装置33が、スチームチューブドライヤ3に備えられている。この装入装置33の装入口53より回転筒30内にその一端側から投入される低品位炭(LRC)を、加熱蒸気Kにより加熱した加熱管31と接触させて乾燥させるようなる。これとともに回転筒30が下り勾配をもって設置されていることで、排出口54方向に順次円滑に移動させて、回転筒30の他端側からこの乾燥炭(DC)を連続的に排出させるようになっている。
図2に示されるように、回転筒30は基台36の上に設置され、回転筒30の軸心と並行に相互に間隔を置いて配された2組の支承ローラ35によって、タイヤ34を介して支承されている。回転筒30の下り勾配および直径に合わせて2組の支承ローラ35間の幅およびそれらの長手方向傾斜角度が選択される。
一方、回転筒30を回転させるために、回転筒30の周囲には、従動ギア40が設けられており、これに駆動ギア43が噛合し、原動機41の回転力が減速機42を介して伝達され、回転筒30の軸心回りに回転するようになっている。さらに、回転筒30の内部には、キャリヤガス入口61からキャリヤガスが導入され、これらキャリヤガスは低品位炭(LRC)に含有される水分が蒸発した蒸気を同伴してキャリヤガス排出口62より排出される。
なお、上記スチームチューブドライヤ3の全体構成は一例であり、本発明は上記構成により限定されるものではない。
本発明では、図1に処理フロー全体を示すように、たとえば次のように乾燥処理を行うことができる。
予め、破砕機33Aで、たとえば約10mm以下に破砕された低品位炭(LRC)は、装入装置33に投入された後、間接加熱型乾燥機3に供給され、間接加熱型乾燥機3に供給される蒸気で間接加熱され乾燥され、乾燥機出口54から乾燥石炭(DC)となり排出される。
間接加熱型乾燥機3の乾燥機出口54には、乾燥炭の温度を測定する温度測定装置21が設置されている。この温度測定装置は、乾燥炭の品温を測定することができる温度計であれば制限はないが、非接触型温度計などの乾燥炭の表面温度測定装置21が設置されている。なお、測定する乾燥炭の品温は、内部温度、表面温度のいずれでもよい。本実施例では温度測定装置は、表面温度を測定するものを採用した。温度測定装置21によって測定値は、乾燥条件調整手段(図示せず)に送られる。
キャリヤガスは押し込みファン22で昇圧され、酸素濃度計(O2計)23Aにより監視しながら、所定の酸素濃度となるように、空気と酸素を装入装置33のキャリヤガス入口61から供給する。ここで空気に富化する酸素は、別途設けられた図示しない酸素PSA装置(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着装置)で吸着したものや窒素PSA装置で窒素を吸着した後の排ガスを使用することができる。特に本発明にかかる設備を火力発電所内に設置する場合、火力発電所内で使用される窒素パージ用の窒素を生成する窒素PSA装置から排出される酸素含有ガスを利用することが好ましい。
キャリヤガスは、間接加熱型乾燥機3内で低品位炭(LRC)から蒸発した水蒸気及び若干の石炭ダストを伴って排出され、乾式集塵機(集塵装置)24で除塵される。
乾式集塵機24には、石炭ダストを払い落とすパルスガス供給装置(図示せず)が備えられていて、一定間隔、もしくは濾材前後の圧力差に応じてパルスガスが供給される。
乾式集塵機24には、石炭ダストを払い落とすパルスガス供給装置(図示せず)が備えられていて、一定間隔、もしくは濾材前後の圧力差に応じてパルスガスが供給される。
乾式集塵機24から排出されたキャリヤガスは、酸素濃度計(O2計)23Bで酸素濃度が測定されながら、排気ファン25から排出される。酸素濃度は、湿りガスベースで算出されるものであり、具体的には、たとえばジルコニア式酸素濃度計を用いることができる。なお、酸素濃度計23Bの設置位置は、乾式集塵機24の出口側に限定されることなく、例えば間接加熱型乾燥機3と集塵機24との間のキャリヤガス流路に設けることも可能である。酸素濃度計23Bの測定値は、乾燥条件調整手段(図示せず)に送られる。
乾燥条件調整手段(図示せず)では、温度測定装置21によって測定値と、予め設定された乾燥炭の温度の設定範囲(もしくは設定値)とを比較し、測定値が設定範囲内(設定値)となるよう間接加熱乾燥機3に供給する蒸気の流量、温度、圧力や間接加熱乾燥機3の回転数などを調節する。これらの調整項目は、1つに限定されるものではなく、適宜組み合わせて調整することが可能である。
また、酸素濃度計23Bから送られた測定値と、予め設定されたキャリヤガスの酸素濃度の設定範囲(もしくは設定値)とを比較し、測定値が設定範囲内(設定値)となるようキャリヤガスへの酸素富化量を調節する。
なお、乾燥条件調整手段は、乾燥炭の温度調整用とキャリヤガスの酸素濃度調整用の2つに分割することも可能である。
また、酸素濃度計23Bから送られた測定値と、予め設定されたキャリヤガスの酸素濃度の設定範囲(もしくは設定値)とを比較し、測定値が設定範囲内(設定値)となるようキャリヤガスへの酸素富化量を調節する。
なお、乾燥条件調整手段は、乾燥炭の温度調整用とキャリヤガスの酸素濃度調整用の2つに分割することも可能である。
乾燥石炭(DC)の乾燥速度は、間接加熱型乾燥機3に供給する蒸気圧力または、供給する低品位炭(LRC)の量で調整する。
さらに自然発火性を抑制する場合は、乾燥炭(DC)を、中空構造の本体の内部を上下に分割する開孔26aを有する多孔板26Aを設けた、エアスライド式(メッシュ)コンベア26に供給し、ブロワ27aによりエアスライド式コンベア26に供給される乾燥排ガス27によって、搬送しながら温度の保持とガス中の酸素で低品位炭の、活性基の酸化を進め、自然発火性を抑制することが望ましい。エアスライド式コンベア26に供給される乾燥排ガスは、そのまま使用しても良いが、乾燥使用後の蒸気ドレン等で予熱して使用しても良い。
エアスライド式コンベアから排出された微粉末は流路28により集塵機24前に返送され、乾燥済みの乾燥炭(DC)は、図示しないバンカーに貯留され、たとえば流動層ボイラに燃料として供給される。また他の例としては、バンカーから、微粉砕機を介して微粉化した後、燃焼バーナーに供給される。
ところで、前述のように、石炭の自然発火抑制法に一つに、酸素と反応しやすい石炭の活性基を予め酸素と反応させる方法が知られている。
酸素と反応しやすい石炭の活性基を酸素と反応させるためには、温度が高いほど、雰囲気の酸素濃度が高いほど反応が速い。
酸素と反応しやすい石炭の活性基を酸素と反応させるためには、温度が高いほど、雰囲気の酸素濃度が高いほど反応が速い。
しかし、温度が高すぎると、酸素濃度が高いと急激な酸化反応が進み、反応中の石炭が発火するおそれがある。
本発明者らの、多くのテストデータでは、低品位炭の炭塵爆発は酸素濃度が16%以上であると起こる可能性がある。一方、低品位炭の自然発火は、石炭温度、雰囲気酸素濃度、及び経過時間に支配される。
ところで間接加熱乾燥機を用いて石炭を乾燥処理する場合、石炭の恒率乾燥区間と減率乾燥区間との境界である、限界含水率時点までは、石炭の品温と雰囲気露点は概略一致する。したがって、乾燥機出口における石炭の表面温度が、乾燥機から排出されるキャリヤガスの露点に対して0〜+5℃の範囲にある場合、当該石炭は、恒率乾燥がなされていると判断できる。
そこで、本発明は、間接加熱乾燥機を用いて恒率乾燥区間まで石炭を乾燥処理する場合に、急激な酸化反応が起こり危険域に達しない石炭温度、雰囲気酸素濃度の範囲で、酸素と反応しやすい活性基を予め徐々に酸化させることで、自然発火を抑制しようとするものである。
ここで間接加熱乾燥機に供給するキャリヤガスとして空気だけを使用して減率乾燥区間まで乾燥した場合の酸素濃度(湿りガスベース。以下同様。)と露点との関係を図5に示す。空気だけを使用した場合、キャリヤガス中の酸素濃度と露点とは、反比例の関係にあり、露点を上げる、すなわち石炭の品温を上げる程、ガス中の酸素濃度が減少する。
すなわち、例えば石炭品温を90℃程度にしたい時の雰囲気酸素濃度(湿りガスベース。以下同様。)は7%程度となる。これでは、酸化反応を促進できない。
本発明では、水分を多く含んだ低品位炭を乾燥して、石炭の発熱量を向上する際、乾燥雰囲気の露点(乾燥石炭の温度と概略等しい)を、キャリヤガスとしての酸素富化空気で調整することで制御する。
もちろん、乾燥温度を上げると酸化反応促進でき、発火性抑制に寄与する。しかしながら、キャリヤガス露点=石炭温度(乾燥温度)となる恒率乾燥区間では、乾燥温度を上げるほど、湿りガスベースの酸素濃度が下がる。よって乾燥温度を上げても酸素濃度が低く、効率的に発火性抑制を行うことが困難となる。
従って、雰囲気酸素濃度は12%以下にする。一方、乾燥機内の滞留時間では、十分な自然発火抑制効果が無いことがある。そのような場合は、乾燥した後、乾燥炭搬送工程において、乾燥炭の温度を維持しながら酸素濃度が高い雰囲気で搬送する、たとえば前述のようにエアスライド式(メッシュ)コンベアを使用して搬送することで、酸素と反応しやすい石炭の活性基を酸素と反応させる。
搬送設備の形式は特にエアライド式(メッシュ)コンベアに制限されるものではなく、スクリューコンベア、ベルトコンベア、振動コンベア等いずれでもよいしこれらの組み合わせでもよい。
以上をまとめると本発明の操作範囲は図6のようになる。本発明者らは、以下の実験のほか多くの実験によって、本発明の操作範囲Z1(請求項1の範囲)及び操作範囲Z2(請求項2の範囲)を定めたものであることを付言しておく。
乾燥雰囲気の酸素濃度は16%以下で、実用的には安全率をみて15%以下の、できるだけ高い濃度が好適である。
搬送設備への酸素濃度が15%以下のガスの供給方法は特に制限はなく、単にノズルで供給しても良いし、より石炭とガスの接触を良くするためにエアスライド式コンベアの多孔板等を介して供給しても良い。
エアスライドを使用する場合、図3及び図4に示すように、多孔板26の開孔26aが、乾燥炭の搬送方向で水平に対して10度〜20度の吹き出し角度θをもって上方である、特に14度〜16度の吹き出しが、さらに搬送動力が低減できるので好適である。
先に述べたように、間接加熱型乾燥機3から排出されるキャリヤガス中の粉塵を乾式で除塵する集塵装置の設置が、環境汚染防止の観点から必要となる。この場合、集塵装置としては、パルスガスを使用する除塵装置を使用するのが望ましい。パルスガスは、洗浄時の粉塵爆発防止のため酸素濃度が低いN2ガスでないとならない。この必要とされるN2ガスは、窒素含有気体製造装置により得るのが望ましい。
この例として、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置を挙げることができ、空気中の酸素吸着(この場合、排ガスが窒素リッチ)、または窒素吸着(この場合、脱着ガスが窒素リッチ)のいずれかの方法で製造する。
この例として、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置を挙げることができ、空気中の酸素吸着(この場合、排ガスが窒素リッチ)、または窒素吸着(この場合、脱着ガスが窒素リッチ)のいずれかの方法で製造する。
窒素吸着の場合の具体例を挙げると、図11に示すように、吸着充填材70aを有する窒素吸着PSA70を設け、空気を取り込んで、N2吸着を行ない、吸着したN2 は真空ポンプ72によりN2リッチガスとして、一時貯留タンク73に貯留し、パルスガス供給装置を備えたバグフィルタ集塵機(除塵装置)24に供給する。このように、吸着した窒素リッチガスを、逆洗のパルスエアとして使用することができる。パルスガス供給装置74は概略的に示されている。
このとき不要となる酸素リッチのガスは、PSA装置70上部から一時貯留タンク71に貯留しておき、スチームチューブドライヤ(STD)3のキャリヤガスとすることで、余計な設備を別途設けることなく発火性抑制に必要な酸素濃度のキャリヤガスを得ることができる。
他方、酸素吸着の場合の具体例を挙げると、図12に示すように、吸着したO2 は真空ポンプ72によりOガスとして、一時貯留タンク71に貯留し、スチームチューブドライヤ(STD)3のキャリヤガスとする。
このとき不要となる窒素リッチのガスは、PSA装置70上部から一時貯留タンク73に貯留し、パルスガスを使用する濾布24aを備えたバグフィルタ集塵機(除塵装置)24の逆洗に際し、窒素リッチガスを、逆洗用のパルスガスとして使用することができる。
本発明を実施例により説明する。
実験に供した低品位炭(LRC)は全水分59.2%風乾水分13.2%のインドネシア産褐炭である。自然発火性の比較例としてオーストラリア産瀝青炭(以下BCと称する)を使用した。
自然発火性の指標の測定は、石炭サンプルを窒素雰囲気下で110℃まで加熱し、その後酸素雰囲気に切り替え、温度の上昇を見た。すなわち短時間で温度が上昇すると自然発火性が強いことになる。
(実施例1:石炭品温の自然発火性の影響)
乾燥排ガスの酸素濃度は約15%、乾燥石炭水分は約22%で、乾燥石炭の表面温度が70℃の場合と92℃の場合、未乾燥品の自然発火性を調査した。
乾燥排ガスの酸素濃度は約15%、乾燥石炭水分は約22%で、乾燥石炭の表面温度が70℃の場合と92℃の場合、未乾燥品の自然発火性を調査した。
図面の符号は次の物を意味する。
S00:未乾燥品
S70:乾燥石炭の表面温度が70℃
S92:乾燥石炭の表面温度が92℃
BC :オーストラリア産瀝青炭
S00:未乾燥品
S70:乾燥石炭の表面温度が70℃
S92:乾燥石炭の表面温度が92℃
BC :オーストラリア産瀝青炭
乾燥雰囲気酸素濃度が15%の場合、乾燥石炭の品温が70℃の場合、自然発火性は改善され、さらに乾燥石炭の品温が92℃の場合は、オーストラリア瀝青炭以上に自然発火性が抑制された。
(実施例2:雰囲気酸素濃度の影響)
乾燥石炭水分は約22%、乾燥石炭の表面温度が92℃となる加熱条件において、乾燥機から排出されるキャリヤガス(以下、排出キャリヤガスという)の酸素濃度をそれぞれ約5%、10%、15%に調整した場合の自然発火性を調査した。
乾燥石炭水分は約22%、乾燥石炭の表面温度が92℃となる加熱条件において、乾燥機から排出されるキャリヤガス(以下、排出キャリヤガスという)の酸素濃度をそれぞれ約5%、10%、15%に調整した場合の自然発火性を調査した。
図面の符号は次の物を意味する。
S00 :未乾燥品
S5% :排出キャリヤガスの酸素濃度5%
S10%:排出キャリヤガスの酸素濃度10%
S15%:排出キャリヤガスの酸素濃度15%
BC :オーストラリア産瀝青炭
S00 :未乾燥品
S5% :排出キャリヤガスの酸素濃度5%
S10%:排出キャリヤガスの酸素濃度10%
S15%:排出キャリヤガスの酸素濃度15%
BC :オーストラリア産瀝青炭
乾燥石炭品温が92℃の場合、排出キャリヤガスの酸素濃度が5%の場合自然発火性の改善は見られなかった。排出キャリヤガスの酸素濃度が10%の場合、自然発火性の改善がみられ、乾燥雰囲気酸素濃度が15%の場合、オーストラリア瀝青炭以上に自然発火性が抑制された。
(実施例3:偏向性多孔板のノズル吹き出し角度と搬送姓)
偏向性多孔板のノズルの水平に対する吹き出し角度と乾燥炭の搬送姓を調査した。
偏向性多孔板のノズルの水平に対する吹き出し角度と乾燥炭の搬送姓を調査した。
使用した乾燥炭は、インドネシア産褐炭を10mm以下まで粉砕した後(最大粒径は30mm程度も混在)、水分25%まで乾燥した物を使用した。水平に設置したエアスライドに1/2ρmu3が100になるように80℃に予熱した空気を供給し、吹き出しノズルの角度θを変えてエアスライドの単位幅当たりの搬送量を測定した。その結果を図9に示す。ノズル吹き出し角度は、14度から16度が好適である。
(実施例4:エアスライドへの供給風量と搬送姓)
エアスライドの吹き出し角度θは、16度を使用し、エアスライドへの単位面積当たりの空気供給量を変えて(1/2ρmu3を変えて)エアスライドの単位幅当たりの搬送量を測定した。
エアスライドの吹き出し角度θは、16度を使用し、エアスライドへの単位面積当たりの空気供給量を変えて(1/2ρmu3を変えて)エアスライドの単位幅当たりの搬送量を測定した。
その結果を図10に示す。使用した石炭は実施例4と同等である。1/2ρmu3にほぼ比例して搬送能力が上昇している。しかし1/2ρmu3が30以下では大粒子の石炭がエアスライド上に残留していた。従って1/2ρmu3は30以上が好ましい。
1/2ρmu3はエアスライド用ブロワの動力に比例するのでできるだけ小さい方が良いしエアスライドの排ガス処理設備にも影響する。
1/2ρmu3はエアスライド用ブロワの動力に比例するのでできるだけ小さい方が良いしエアスライドの排ガス処理設備にも影響する。
しかし破砕機の種類によっては、破砕後の最大粒径が変わるので1/2ρmu3は適宜選ぶことになるが最大で200程度で十分である。
3…間接加熱型乾燥機(スチームチューブドライヤ(STD))、21…乾燥炭の温度(品温)測定装置、23A・23B…酸素濃度計、24…集塵装置、26…エアスライド式(メッシュ)コンベア、27…コンベア乾燥排ガス、30…回転筒、31…加熱管、33…装入装置、54…乾燥機出口、61…キャリヤガス入口、70…PSA装置、LRC…低品位炭、DC…乾燥石炭。
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