JP6112408B2 - 加飾合成樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は金属蒸着層により表面に金属光沢を付与して加飾した合成樹脂成形品及びその製造方法に関する。
パッケージにおける装飾が商品力の大きな部分を占める化粧料用等の容器においては、塗装、印刷等によりさまざまな加飾性を発揮させて商品イメージを大きく向上させることが要望されている。
このような加飾性を付与する方法の一つとして、金属蒸着層を積層して成形品の表面を加飾する方法があり、金属光沢を付与することにより高級感を演出することができる。
但し、鏡面状の表面性状を有する成形品の表面に金属蒸着層を積層すると、成形品の表面全域から鏡面状の金属光沢が現出されるが、加飾目的によって鏡面状だけではなく、シボ調の金属光沢を現出させること必要である。
特許文献1には、紫外線(以下、UVと略記する。)硬化型のコート液を硬化させたアンダーコート層上に金属蒸着層を積層した加飾成形品の製造過程で、UV硬化時にまず短波長側のUVを照射して、塗布膜の表面と内部とのUVの吸収量の不均一性により表面と内部の硬化性、硬化収縮率の不均一性によりアンダーコート層の上面をシボ調にして、シボ調の金属光沢を現出させる方法が記載されている。
なお、上記アンダーコートは金属蒸着層の基材への密着性を強固に保持するためのものであり、成形品の表面に金属蒸着層を積層する場合には必須のものである。
特開2002−103515公報
本発明は、上記したUV硬化過程における塗膜表面における凹凸性状の変化を利用して、成形品の表面にさらに高度な態様で金属光沢を付与することを技術的な課題とするものである。
上記技術的課題を解決する手段に係る本発明のうち、加飾合成樹脂成形品の主たる構成は、
合成樹脂成形品の表面に、UV硬化型のコート液を塗布し、UV硬化して形成したアンダーコート層を積層し、このアンダーコート層上に金属蒸着層を積層した加飾合成樹脂成形品において、
金属蒸着層の表面に網目状の模様により分割された多数のドメインが形成され、
このドメインには、内部に金属蒸着層の表面に形成される微細な凹凸による光の回折効果により虹彩色状の視覚効果が現出する虹彩部が形成された領域を有するものがある構成とし、
微細な凹凸が、延設方向に緩やかに湾曲しながら変化する縞状に並列し、交互に規則性を有して繰り返す凸部と凹部によるものであり、
凸部と凹部による縞状模様の繰返し間隔が0.3〜5マイクロメートルの範囲である、と云うものである。
目状の模様、及び微細な凹凸はいずれもアンダーコート層のUV硬化過程でこのアンダーコート層の表面に形成することができる
アクリル系等のUV硬化型のコート液による塗膜は、UV照射の初期には比較的粘度が低く、自由面である表面側では、UVの照射時間の経過に従って、すなわち積算光量の増大、そして硬化反応の進行に従って、さまざまな態様で凹凸が形成されると共にその形状が変化していく。
本願発明者らはこのような硬化条件による凹凸形状の変化について検討するなかで、塗膜の硬化条件を適宜に設定することにより、金属蒸着層を積層した状態で虹彩色状の視覚効果が発揮される虹彩部が現出することを見出し、上記構成を創出するに到った。
UV照射により塗膜の表面には皺による網目模様が形成され、この網目模様により分割された多数の多角形状のドメインが形成され、各ドメイン内でさまざまな態様で微細な凹凸が形成され、この凹凸の態様によって金属蒸着膜を積層した状態で、さまざまな視覚効果が発揮され、その視覚効果の一つの態様として、虹彩色状の視覚効果を現出させることができ、
この虹彩色状の視覚効果が現出する虹彩部を含めて、後述する鏡面部等の視覚効果と共に、成形品の表面に、金属蒸着層によりさまざまなバリエーションで金属光沢による高度な加飾効果を付与することが可能となる。
虹彩部における微細な凹凸に係る構成は、微細な凹凸を、延設方向に緩やかに湾曲しながら変化する縞状に並列し、交互に規則性を有して繰り返す凸部と凹部によるものとし、さらには縞模様の繰り返しの間隔を0.3〜5マイクロメートルの範囲とするものであり、この縞模様により可視光線に係る反射状の回折格子としての機能が発揮され、虹彩色状の視覚効果を顕著に発揮させることができる。
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、観察方向による虹彩部からの視覚効果が、この虹彩部が位置するドメイン毎に異なると云うものである。
虹彩部における微細な凹凸が形成される方向性が多角形状に区分けされる各ドメインによって異なるため、各ドメイン毎に、見る方向よって虹彩の出方が変化するため、観察方向を変えると虹彩状の色彩変化がドメイン毎に多様に変化するため、虹彩部による色彩変化がモザイク模様状に現出し、成形品の表面に金属光沢によるより高度な加飾効果を付与することが可能となる。
本発明の他のさらに他の構成は、上記主たる構成において、ドメインには、内部に観察方向によらず鏡面状の視覚効果が現出する鏡面部が形成された領域を有するものがある構成とする、と云うものである。
本発明の他のさらに他の構成は、上記主たる構成において、ドメインには、内部に金属蒸着層の表面に形成される微細な凹凸による、観察方向により鏡面状の視覚効果が現出する異方性鏡面部が形成された領域を有するものがある構成とする、と云うものである。
本発明の他のさらに他の構成は、上記主たる構成において、ドメインには、内部に金属蒸着層の表面の形成される微細な凹凸による光の散乱効果により白化状の視覚効果が現出する白化部が形成された領域を有するものがある構成とする、と云うものである。
上記3つの構成は、UV硬化工程でアンダーコート層の表面に形成される微細な凹凸性状によりドメイン中に虹彩部と共に、あるいは別ドメイン中に形成される、鏡面部、異方性鏡面部、白化部についてのものであり、
虹彩部に、これら鏡面部、異方性鏡面部、あるいは白化部を組み合せることにより成形品の表面に金属光沢による、より多様な加飾効果を付与することが可能となる。
本発明の他のさらに他の構成は、上記主たる構成において、金属蒸着層上にトップクリアコート層を積層する、と云うものであり、このトップクリアコート層は金属蒸着層の傷付き、剥離、腐食等を防止する機能を発揮する。
本発明のうち、加飾合成樹脂成形品の製造方法の主たる構成は、
加飾合成樹脂成形品の製造方法であって、
合成樹脂成形品の表面に、紫外線硬化型のコート液を塗布して乾燥させた後、紫外線を照射し硬化させて、表面に網目状の模様及び微細な凹凸を有するアンダーコート層を形成させて積層し、
次いでこのアンダーコート層上に金属蒸着層を積層することによりこの金属蒸着層の表面に網目状の模様により分割された多数のドメインを形成し、
このドメインには、内部に金属蒸着層の表面に形成される微細な凹凸による虹彩色状の視覚効果が現出する虹彩部が形成された領域を有するものがある構成とする工程を有する、と云うものである。
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、紫外線硬化工程において、微細な凹凸を、延設方向に緩やかに湾曲しながら変化する縞状に並列し、交互に規則性を有して繰り返す凸部と凹部によるものとし、凸部と凹部による縞状模様の繰返し間隔を0.3〜5マイクロメートルの範囲に形成する、と云うものである。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、紫外線硬化型のコート液の乾燥を60℃で行う、と云うものである。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、紫外線硬化型のコート液の硬化を照度47mW/cm の紫外線照射で行う、と云うものである。
アクリル系等のUV硬化型のコート液による塗膜は、UV照射の初期には比較的粘度が低く、自由面である表面側では、UVの照射時間の経過に従って、すなわち積算光量の増大、そして硬化反応の進行に従って、さまざまな態様で凹凸が形成されると共にその形状が変化していく。本願発明者らはこのような硬化条件による凹凸形状の変化について検討するなかで、塗膜の硬化条件を適宜に設定することにより、金属蒸着層を積層した状態で虹彩色状の視覚効果が発揮される虹彩部が現出することを見出し、上記構成を創出するに到った。
UV照射により塗膜の表面には皺による網目模様が形成され、この網目模様により分割された多数の多角形状のドメインが形成され、各ドメイン内でさまざまな態様で微細な凹凸が形成され、この凹凸の態様によって金属蒸着膜を積層した状態で、さまざまな視覚効果が発揮され、その視覚効果の一つの態様として、虹彩色状の視覚効果を現出させることができ、この虹彩色状の視覚効果が現出する虹彩部を含めて、後述する鏡面部等の視覚効果と共に、成形品の表面に、金属蒸着層によりさまざまなバリエーションで金属光沢による高度な加飾効果を付与することが可能となる。
また、虹彩部における微細な凹凸に係る構成は、微細な凹凸を、延設方向に緩やかに湾曲しながら変化する縞状に並列し、交互に規則性を有して繰り返す凸部と凹部によるものとし、さらには縞模様の繰り返しの間隔を0.3〜5マイクロメートルの範囲とするものであり、この縞模様により可視光線に係る反射状の回折格子としての機能が発揮され、虹彩色状の視覚効果を顕著に発揮させることができる。
本発明の加飾合成樹脂成形品及びその製造方法は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、虹彩部における微細な凹凸が形成される方向性が多角形状に区分けされる各ドメインによって異なるため、各ドメイン毎に、見る方向よって虹彩の出方が変化するため、観察方向を変えると虹彩状の色彩変化がドメイン毎に多様に変化するため、虹彩部による色彩変化がモザイク模様状に現出し、成形品の表面に金属光沢による、より高度な加飾効果を付与することができる。
また、微細な凹凸を縞状に並列して交互に規則性を有して繰り返す凸部と凹部によるものとし、さらには上記縞模様の隣接する凸部間の間隔を0.3〜5マイクロメートルの範囲とすることにより、縞模様により可視光線に係る反射状の回折格子としての機能が発揮され、虹彩色状の視覚効果を顕著に発揮させることができる。
(a)は本発明の加飾成形品の一実施例についてその表面の加飾状態を示す写真、(b)は(a)の要部を拡大した写真である。 虹彩部と鏡面部の凹凸状態を示す電子顕微写真である。 図2中の白矢印方向に沿った、積層構造を示す断面図である。 異方性鏡面部の凹凸状態を示す電子顕微写真である。 白化部の凹凸状態を示す電子顕微写真である。 UV照射装置の概略説明図である。 加飾成形品の表面状態のバリエーションを示す写真である。
以下、本発明の実施形態を、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1〜4は本発明の加飾合成樹脂成形品の一実施例を説明するためのものであり、図1の(a)は表面の加飾状態を示す写真、(b)は(a)の要部を拡大した写真、図2は虹彩部Aと鏡面部Mの凹凸状態を示す電子顕微写真、図3は図2中の白矢印方向に沿った虹彩部Aの積層構造を示す断面図、図4は異方性鏡面部Maの凹凸状態を示す電子顕微写真である。
本実施例の加飾成形品は図3に示されるように、下から順に、成形品1/アンダーコート層2/金属蒸着層3、と云う積層構造を有し、本実施例では成形品1はABS樹脂製の射出成形による平板で、アンダーコート層2はアクリル系のUV硬化型のコート液を塗布し、UV硬化して形成したものであり、金属蒸着層3は金属としてアルミニウムを使用して蒸着法により形成したものである。
そして、図1(a)の写真に示されるように、後述するアンダーコート層2の表面にUV硬化過程で形成される微細な凹凸構造と、金属蒸着層3による光の反射による作用効果により、さまざまな態様で視覚効果が発揮されている。
図1(a)にみられるように金属蒸着層3は網目状の模様Nwにより、多数の、多角形状のドメインRに区画されており、各ドメインRからそれぞれ異なる視覚効果が発揮されている。
なお、図1(b)は図1(a)中の要部を拡大した写真であるが、複数のドメインRの境界を形成する網目状の模様Nwを黒色の線で強調して描いている。
この例では各ドメインRの径は1〜5mm程度の大きさであるが、各ドメインRでの視覚効果を詳細に調べると、大きくわけて虹彩状の色彩効果が現出する虹彩部Aと、観察方向に拘わらず鏡面状の視覚効果が発揮される鏡面部Mと、観察する方向により鏡面状の視覚効果が発揮される異方性鏡面部Maがある。
ここで、虹彩部Aと鏡面部Mと異方性鏡面部Maのいずれか一つの領域が一つのドメインR全体を占める場合もあるが、一つのドメインRに2種類の、あるいは3種類の領域が混在する場合もある。
たとえば、図1(b)中で、ドメインRaでは白く見える虹彩部Aと黒く見える鏡面部Mが隣接して混在しており、ドメインRbはほぼ全体が異方性鏡面部Maとなっている。
そして、虹彩部Aと異方性鏡面部Maによる視覚効果は、虹彩部Aあるいは異方性鏡面部Maが位置するドメインR毎に異なり、さらに観察方向によりあるドメインRに形成される虹彩部Aあるいは異方性鏡面部Maの視覚効果自体が変化するため、特に虹彩部Aによる虹彩状の色彩が観察する方向によりドメインR毎に多様に変化するため、今までにないモザイク状の光学的な加飾効果が現出する。
図2は図1(b)中のドメインRa中で、虹彩部Aと鏡面部Mが隣接する領域についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、図3は図2中の白矢印方向に沿った、積層構造を示す断面図である。(なお図2中では虹彩部Aと鏡面部Mの境界を白い破線で示している。)
虹彩部Aでは、微細な凹凸Pが観察され、この凹凸Pは縞状に並列し、交互に規則性を有して繰り返す凸部Ptと凹部Pbによるものであり、図2中の白矢印の範囲で測定、算出した凸部Ptと凹部Pbの繰返し間隔dの平均値は1.9マクロメートルであり、この縞状に並列した凹凸Pの反射型の回折格子状の作用効果により、虹彩状の色彩が現出するものと推察され、この縞模様の方向性のため観察方向によりその色彩が大きく変化する。
この種の反射型の回折格子による虹彩状の色彩の現出は、たとえば多数の溝(groove)が同心円上に規則正しく刻設されているコンパクトディスク(CD)に見られる視覚効果と同様なものである。
ただ、CDの場合には隣接する溝の間隔は1.6マイクロメートルで、ディスク全体に亘って高い規則性で形成されているため、見る方向により現出する色が明確に区別されるが、上記虹彩部Aでは縞状の凹凸Pの間隔の規則性が低く、すなわちかなりのフレ幅を有し、さらにその縞状模様の延設方向は一つの虹彩部Aで直線状や同心円上でもなく、図2にも見られるように緩やかに湾曲しながら変化するものであり、現出される虹彩色状の視覚効果は、観察する方向によって緩やかに色彩が変化すると共に、柔らかな視覚効果が発揮され、むしろ落ち着いて、高品位な視覚効果が発揮される。
また、図2中で示されるように鏡面部Mでは顕著な凹凸は認められず、全体が平滑な鏡面状の状態にある。
次に、図4は図1(b)中のドメインRbの異方性鏡面部MaのSEM写真であり、虹彩部Aと同様に縞模様状に凹凸構造が観察されるが、縞模様の繰返し間隔の平均値は9マクロメートル程度であり、可視光線の波長に比較して長く、虹彩部Aのような虹彩色状の視覚効果は現出せず、
図4中に示した白矢印の方向に対して直角方向から観察した際、すなわち縞模様の延設方向と平行な方向から観察した際には鏡面状に見え、白矢印の方向と平行な方向から観察した際には、凹凸による光の散乱により、白く光るような視覚効果が現出するものと推察される。
次に図1(a)に示される加飾成形品の製造工程は次の工程1〜工程4からなる。
・工程1;成形品1の表面にアクリル系のUV硬化型のコート液(東邦化研工業株式会社製のVMCR−100)を10マイクロメートルの厚さで塗布する。
・工程2;上記のコート液を塗布した成形品1を、赤外線乾燥炉で、60℃で1分間乾燥する。
・工程3;図6に示した、メタルハライドタイプのランプ32を配設したUV硬化装置31内をベルトコンベア32に積載した状態で、塗布層2aを積層した成形品1を一定速度で移動させながら、UV33を照射し、アンダーコート層を形成する。
なお、本実施例において、UVの照度は47mW/cm 、照射時間は50秒、積算光量計で測定した積算光量は252mJ/cm である。
・工程4;金属蒸着装置で、金属としてアルミニウムを使用し金属蒸着層3を積層する。
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果を説明したが、本発明の加飾合成樹脂成形品はこれら実施例に限定されるものではなく、使用目的や加飾目的に応じて様々なバリエーションとすることができる。
図7は、アンダーコート層2を形成するためのアクリル系のUV硬化型のコート液の組成を変えて上記工程に沿って製造した5種類の加飾成形品の表面の加飾態様を示す写真であり、写真(a)から(e)にかけてドメインが細かいものから大きなものとなっている。
これらの写真からも分かるように、コート液の組成を変えることによりドメインの径の大きさを加飾目的に応じて変化、調整することができる。
また、積算光量を上記した工程に記載されるよりもさらに大きくすると、図5のSEM写真で示したような、縦糸と横糸による織物状の微細な凹凸構造を形成することができ、この凹凸による光の散乱効果により白化状の視覚効果が現出する白化部を形成することもできる。
そして、アンダーコート層の形成に使用するコート液の組成、UVランプの照度や照射時間や積算光量等のUV硬化条件等を適宜組み合せることにより、ドメインの大きさ、虹彩部Aと鏡面部Mと異方性鏡面部Maとさらには上記した白化部の現出割合を変化させることができ、加飾目的に応じてさまざまなバリエーションで金属蒸着膜による加飾態様を実現することができる。
また、上記実施例では成形品1をABS樹脂製の射出成形による平板としたが、勿論、成形品に使用する樹脂や、成形品の成形方法、形状については使用目的に適宜選択することができる。
以上説明したように、本発明の加飾合成樹脂成形品は虹彩色状の視覚効果が現出する虹彩部を含めて、成形品の表面に、金属蒸着層によりさまざまなバリエーションで金属光沢を付与して高度な加飾効果が現出されるものであり、化粧料容器分野等での幅広い利用展開が期待される。
1 ;成形品
2 ;アンダーコート層
2a;塗布層
3 ;金属蒸着層
31;UV硬化装置
32;ランプ
33;UV
34;ベルトコンベア
A ;虹彩部
M ;鏡面部
Ma;異方性鏡面部
Nw;網目状の模様
R、Ra、Rb;ドメイン
P ;凹凸
Pt;凸部
Pb;凹部
d ;間隔

Claims (10)

  1. 合成樹脂成形品の表面に、紫外線硬化型のコート液を塗布し、紫外線硬化して形成したアンダーコート層(2)を積層し、該アンダーコート層(2)上に金属蒸着層(3)を積層した加飾合成樹脂成形品において、前記金属蒸着層(3)の表面には網目状の模様(Nw)により分割された多数のドメイン(R)が形成され、前記ドメイン(R)には、該ドメイン(R)内に金属蒸着層(3)の表面に形成される微細な凹凸(P)よる光の回折効果により虹彩色状の視覚効果が現出する虹彩部(A)が形成された領域を有するものがある構成とし、前記微細な凹凸(P)が、延設方向に緩やかに湾曲しながら変化する縞状に並列し、交互に規則性を有して繰り返す凸部(Pt)と凹部(Pb)によるものであり、凸部(Pt)と凹部(Pb)による縞状模様の繰返し間隔が0.3〜5マイクロメートルの範囲である加飾合成樹脂成形品。
  2. 観察方向による虹彩部(A)からの視覚効果が、該虹彩部(A)が位置するドメイン(R)毎に異なるものとした請求項1記載の加飾合成樹脂成形品。
  3. ドメイン(R)には、観察方向によらず鏡面状の視覚効果が現出する鏡面部(M)が形成された領域を有するものがある構成とした請求項1または2記載の加飾合成樹脂成形品。
  4. ドメイン(R)には、該ドメイン(R)内に金属蒸着層(3)の表面に形成される微細な凹凸による、観察方向により鏡面状の視覚効果が現出する異方性鏡面部(Ma)が形成された領域を有するものがある構成とした請求項1、2または3記載の加飾合成樹脂成形品。
  5. ドメイン(R)には、該ドメイン(R)内に金属蒸着層(3)の表面の形成される微細な凹凸による光の散乱効果により白化状の視覚効果が現出する白化部が形成された領域を有するものがある構成とした請求項1、2、3または4記載の加飾合成樹脂成形品。
  6. 金属蒸着層(3)上にトップクリアコート層(4)を積層する請求項1、2、3、4または5記載の加飾合成樹脂成形品。
  7. 合成樹脂成形品の表面に、紫外線硬化型のコート液を塗布して乾燥させた後、紫外線を照射し硬化させて、表面に網目状の模様(Nw)及び微細な凹凸を有するアンダーコート層(2)を積層し、
    次いで該アンダーコート層(2)上に金属蒸着層(3)を積層することにより該金属蒸着層(3)の表面に網目状の模様(Nw)により分割された多数のドメイン(R)を形成し、前記ドメイン(R)には、該ドメイン(R)内に金属蒸着層(3)の表面に形成される微細な凹凸(P)による虹彩色状の視覚効果が現出する虹彩部(A)が形成された領域を有するものがある構成とする工程を有する加飾合成樹脂成形品の製造方法。
  8. 紫外線硬化工程において、微細な凹凸(P)を、延設方向に緩やかに湾曲しながら変化する縞状に並列し、交互に規則性を有して繰り返す凸部(Pt)と凹部(Pb)によるものとし、凸部(Pt)と凹部(Pb)による縞状模様の繰返し間隔を0.3〜5マイクロメートルの範囲に形成する請求項7記載の加飾合成樹脂成形品の製造方法。
  9. 紫外線硬化型のコート液の乾燥を60℃で行う請求項7または8記載の加飾合成樹脂成形品の製造方法。
  10. 紫外線硬化型のコート液の硬化を照度47mW/cm の紫外線照射で行う請求項7、8または9記載の加飾合成樹脂成形品の製造方法。
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