JP6110970B1 - 結束バンド把持切断装置および結束バンド把持切断システム並びに結束バンド把持切断方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、工場など搬送された先では、まず上述した結束バンドが切断された後で各種の処理工程へとコイル状の圧延鋼帯が送られることになる。
かような結束バンド切断機では、切断後の処理迅速化などを目的として、切断時において同時に結束バンドを保持することまで要求されている。
一方、特許文献2では、結束バンドの切断時における切断構造に着目し、やはり共通のネジ軸31を介して第1摺動部材25と第2摺動部材26が互いに近接することで、上刃19と下刃20の剪断作用によって結束バンドが切断される構成が開示されている。
すなわち、上記した結束バンドの把持切断装置においては、結束バンドを把持する前に結束バンドの位置を検出する必要がある。そして近年では、製品競争力を増すためロボットアームを使用した迅速で正確な位置検出を行う構想が検討されている。
また、把持のための構成と切断のための構成が、互いに異なるネジ軸によって駆動されることに加え、それぞれのネジ軸で一対の摺動部材が摺動するため、装置規模が大型・複雑化してしまうという課題もある。
本発明は、上記した課題を一例に鑑みて為されたものであり、旋回アームや鉛直ピストンロッドだけでなくロボットアームを使用した場合にも簡易で迅速に結束バンドを把持切断できる結束バンド把持切断装置および結束バンド把持切断システム並びに結束バンド把持切断方法を提供することを目的とする。
なお上記(1)の結束バンド把持切断装置においては、(2)前記下刃および前記把持部材の少なくとも一方を、前記フレームと接続させるヒンジを有し、前記ヒンジを介して前記下刃および前記把持部材の少なくとも一方が回転することで、前記圧延鋼帯の表面に存する凹凸に追従可能とされていることが好ましい。
まず本発明の実施形態にかかる結束バンド把持切断装置100について、図1〜図7を適宜参照しながら説明する。
図1に示すとおり、実施形態にかかる結束バンド把持切断装置100は、コイル状等に巻かれた圧延鋼帯を結束する結束バンドを処理する機能を備えている。より具体的には、結束バンド把持切断装置100は、フレーム10、上刃21、下刃22、およびスライド機構30を含んで構成されている。
そしてフレーム10の少なくとも下面(−Z方向から見た底面)側は開放されており、そこから上刃21、下刃22および一対の把持部材(23、24)などが露出されている。換言すれば、フレーム10は、結束バンド把持切断装置100の先端部位を構成しており、図1(b)に示すごとき上刃21や下刃22などが配置される下面側が結束バンドと接触する。
なお接続板11とロボットアームRAとの間に、弾性部材やスプリング機構などの公知の緩衝機構を介在させてもよい。
また、接続板11と接続されるマニュピレータMPは上記したロボットアームRAに限られず、これに代えて従来の旋回アームや鉛直ピストンロッド(垂直駆動機構)など他の公知の機構を用いてもよい。
また、本実施形態の上刃21は、上記した締結部材を介して固定具14に締結されているが、これに代えて溶接や接着剤などによって固定具14に固着されていてもよい。
なお上刃21の配置や形状については、図7を用いて後述する。
この下刃22の材質に特に限定はないが、例えば上刃21と同じ材質であるダイス鋼など公知の工具鋼が適用される。
また、図1にも示されるとおり、フレーム10は、内部のうち±Y方向の端部側に一対のスライド用レール15(15a、15b)を具備している。このスライド用レール15は、フレーム10内でX方向に延びるように配置されている。
移動脚12は、例えばローラーなど公知のリニアガイド機構を有しており、これによりスライド用レール15上で移動可能となっている。
なお、本実施形態の移動フレーム12は、後述する把持部材23および把持部材24、弾性付与部材28などを搭載していてもよい。
本実施形態のスライド機構30は、例えばエアシリンダが用いられている。しかしながらスライド機構30はエアシリンダに限られず、例えば油圧など他の流体圧シリンダでもよく、あるいは電動シリンダでもよい。
このように本実施形態では、移動フレーム12と移動フレーム13は、共通のスライド用レール15上をX方向に沿って移動することが可能となっている。
このうち第1把持部材としての把持部材24は、フレーム10に搭載されており、下刃22に対して移動可能に結束バンドを把持することができる。より具体的には、把持部材24は、図3に示すとおり、移動フレーム12の下端側に配置されている。このとき把持部材24は、ヒンジ25を介して移動フレーム12に接続され、これによりヒンジ25を介して把持部材24が回転(ヒンジ25を軸としてY軸周りに回転)することで圧延鋼帯の表面に存する上記凹凸に追従が可能とされている。
また本実施形態では、対向して配置される一対の把持部材(23、24)がそれぞれヒンジを介して各々の移動フレームに接続されているので、上記した凹凸に追従する際にヒンジへ伝わる反力の影響を抑制することができる。
より具体的には、図3に示されるとおり、ヒンジ25は弾性付与部材28と接続されるとともに、この弾性付与部材28が移動フレーム12の下部に固定されている。また、弾性付与部材28は、移動フレーム12のうち、スライド機構30と把持部材24の間に配置されている。
これにより、把持部材24は、弾性付与部材28および移動フレーム12を介してスライド機構30によってX方向に移動することが可能となっている。
なお弾性付与部材28は、本実施形態ではガススプリングが適用されている。しかしながら本実施形態の弾性付与部材28はガススプリングに限られず、例えばゴムやバネなどの他の部材、あるいは油・空圧シリンダ―など公知のアクチュエータ機構を適宜用いてもよい。
図7は、結束バンド把持切断装置100を下面(底面)側から見た図である。
すなわちZ方向から平面視した場合に、結束バンド把持切断装置100の上刃21、下刃22および一対の把持部材(23、24)は一例として次のA〜Hに示す特徴を備えることができる。
なお以下の特徴A〜Hは非限定的な例であって必須ではなく、結束バンド把持切断装置100は、これら特徴のうち少なくとも1つを備える形態としてもよい。
B.把持切断処理前の初期位置において、上刃21の左端は下刃22の右端よりも+X側に配置されている。
C.X方向に関して、下刃22の右端22aと把持部材24の右端24aは、実質的に等しい位置に配置されている。
E.一対の把持部材は、固定具14の側面に倣ってX方向に向けて移動可能なように、所定の空間を開けて対向して配置されている。把持切断処理時において当該空間に結束バンドの一部が配置されることで、一対の把持部材によって結束バンドが挟持される。
F.スライド用レール15(15a、15b)がフレーム10のうちY方向の両端にそれぞれ配置され、スライド用レール15aとスライド用レール15bの間に上刃21、下刃22および一対の把持部材が配置される。
次に図8を用いて本実施形態に係る結束バンド把持切断方法を説明する。
すなわち本実施形態の結束バンド把持切断方法は、以下のステップを含むことを特徴としている。
最初に、上記したロボットアームRAの駆動によって結束された圧延鋼帯MRの表面にある結束バンドBDの位置が検出される。この結束バンドの位置検出態様としては、例えば結束バンド把持切断装置100に内蔵された不図示の光学センサーなどで検出される。
また、一例として、上記において結束バンドBDに上刃21が近接した際には、これらの間隔(隙間)は0〜1mm程度に設定されている。
すると、図8(b)に示されるように、一対の把持部材(23、24)によって結束バンドBDが挟持されるとともに、下刃22が継続して+X方向に移動することで結束バンドBDの底面(結束バンドBDと圧延鋼帯MRとの間)に潜り込み始める。
なお結束バンドBDが一対の把持部材で挟持された後も下刃22が継続して+X方向に移動するが、把持部材24は弾性付与部材28を介して移動フレーム12に取り付けられているので、結束バンドBDが把持部材23と把持部材24で挟持された後は把持部材23と把持部材24の間の距離はほぼ等しい状態が維持される。
すなわち、図8(c)に示されるとおり、下刃22が継続して+X方向に移動することで、上刃21と下刃22の剪断作用によって結束バンドBDは左端から切断されていく。
また、結束バンドBDが切断される際も一対の把持部材(23、24)は依然として結束バンドBDを挟持しているため、切断後の結束バンドBDが飛散してしまうことが抑制されている。
すなわちこの場合においては、まず移動フレーム12に回転可能に支持された下刃22の右端22a又は把持部材24の右端24aが、結束バンドBDの端面あるいは側面に押し付けられてX方向への移動が停止する。その後、移動フレーム13に回転可能に支持された把持部材23の左端23aが、結束バンドBDの端面あるいは側面に当接してX方向への移動が停止する。そして最後に、移動フレーム12に搭載された下刃22が、結束バンドBDの下面に潜り込む。
なお把持部材23の左端23aが先に結束バンドBDの端面あるいは側面に当接するときには、上記とは逆の順序でX方向への移動が停止された後に、移動フレーム12に搭載された下刃22が結束バンドBDの下面に潜り込むことになる。
なお図9は、本実施形態にかかる結束バンド把持切断システムの構成を示す模式図である。本実施形態の結束バンド把持切断システムは、上記で詳述した結束バンド把持切断装置100と、この結束バンド把持切断装置100を移動させるマニュピレーMPと、フレーム10の接続板11とマニュピレータMPとの間に介在するフローティング装置FDと、制御装置CNTLと、を含んで構成されている。
例えば、下刃22のうち圧延鋼帯MRと接触する底面に低摩擦処理を行ってもよい。低摩擦処理の一例としては、例えば潤滑油をコーティングしたり、フッ素樹脂をコーティングしたりすることができる。
また、一対の把持部材(23、24)のうち圧延鋼帯MRと接触する底面にも、上記と同様の低摩擦処理を行ってもよい。
10 フレーム
11 接続板
12、13 移動フレーム
14 固定具
15、15a、15b スライド用レール
21 上刃
22 下刃
23、24 把持部材
25、26、27 ヒンジ
28 弾性付与部材
30 スライド機構
BD 結束バンド
MR 圧延鋼帯
FD フローティング装置
MP マニュピレータ
RA ロボットアーム
CNTL 制御装置
Claims (4)
- フレームと、
前記フレームに固定される上刃と、
前記フレーム内で移動可能に搭載されるとともに、1つの直線移動機構で互いが連結された一対の移動フレームと、
前記移動フレームの一方に搭載され、前記上刃に対して接近することで当該上刃との剪断作用により結束バンドを切断する下刃と、
前記移動フレームの一方に搭載されて前記下刃に対して移動可能な第1把持部材と、
前記移動フレームの他方に固定された第2把持部材と、
を備え、
前記第1把持部材及び前記第2把持部材は、前記フレームに固定された上刃に対してそれぞれ相対移動をすることを特徴とする圧延鋼帯の結束バンド把持切断装置。 - 前記下刃および前記把持部材の少なくとも一方を、前記フレームと接続させるヒンジを有し、
前記ヒンジを介して前記下刃および前記把持部材の少なくとも一方が回転することで、前記圧延鋼帯の表面に存する凹凸に追従可能とされている請求項1に記載の結束バンド把持切断装置。 - 請求項1又は2に記載の結束バンド把持切断装置と、
前記結束バンド把持切断装置を移動させるマニュピレータと、
前記フレームの接続板と前記マニュピレータとの間に介在するフローティング装置と、
前記結束バンド把持切断装置、前記マニュピレータ、および前記フローティング装置を制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする結束バンド把持切断システム。 - 圧延鋼帯の結束に用いられる結束バンド把持切断方法であって、
前記圧延鋼帯に対し、フレームに固定された上刃を近接させるステップと、
前記上刃が前記圧延鋼帯に近接した状態で、前記フレーム内に移動可能に配置された移動フレームの一方に搭載された下刃、前記移動フレームの一方に搭載されて前記結束バンドを把持するための第1把持部材、及び前記移動フレームの他方に固定されて前記結束バンドを把持するための第2把持部材を前記結束バンドに向けて直線移動させ、且つ前記第1把持部材及び前記第2把持部材を前記フレームに固定された上刃に対してそれぞれ相対移動させるステップと、
前記第1把持部材及び前記第2把持部材によって前記結束バンドを把持しつつ、前記下刃を前記結束バンドの下面に潜り込ませ前記上刃との剪断作用によって前記結束バンドを切断するステップと、
を有することを特徴とする結束バンド把持切断方法。
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