JP6109502B2 - 抗生物活性粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、抗生物活性粒子およびその製造方法に関する。
従来、殺菌、抗菌、防腐、防藻、防かび、殺虫などの抗生物活性を有する抗生物活性化合物を含有する粒子が知られている。
例えば、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)およびメタクリル酸メチルを含有する疎水性溶液を水分散させて、その後、これを懸濁重合して、IPBC含有徐放性粒子の懸濁剤を得ることが提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特許文献1で提案される懸濁剤は、乾燥によって、IPBC含有徐放性粒子が白色粉末として得られる。
特開2011−79816号公報
しかし、特許文献1に記載の白色のIPBC含有徐放性粒子では、高温下あるいは紫外線下に長期間暴露すると、IPBCが黄変し易い場合がある。そのため、IPBC含有徐放性粒子を配合した製品が黄色に着色して、優れた外観を得られない場合がある。
本発明の目的は、長期暴露後における外観に優れる抗生物活性粒子およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の抗生物活性粒子およびその製造方法について鋭意検討したところ、モノマー成分と抗生物活性化合物とを含有する疎水性溶液を水分散させ、次いで、水分散された疎水性溶液におけるモノマー成分を、高屈折率を有する無機粒子の存在下で、重合させることにより、変色を抑制できるという知見を見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) ポリマー中に抗生物活性化合物が分散しているポリマー粒子と、前記ポリマー粒子の表面に存在し、高屈折率を有する無機粒子とを含有することを特徴とする、抗生物活性粒子、
(2) モノマー成分と抗生物活性化合物とを含有する疎水性溶液を水分散させ、次いで、水分散された前記疎水性溶液における前記モノマー成分を、高屈折率を有する無機粒子の存在下で、重合させることにより得られることを特徴とする、抗生物活性粒子、
(3) モノマー成分と抗生物活性化合物とを含有する疎水性溶液を水分散させる工程、および、水分散された前記疎水性溶液における前記モノマー成分を、高屈折率を有する無機粒子の存在下で、重合させる工程を備えることを特徴とする、抗生物活性粒子の製造方法
である。
本発明の抗生物活性粒子では、たとえ、抗生物活性粒子が、長期間、高温下あるいは紫外線の暴露により、抗生物活性化合物が着色しても、ポリマー粒子の表面に存在する高屈折率の無機粒子により、可視光を反射して、抗生物活性化合物に分散されるポリマー粒子の着色を隠蔽することができる。
そのため、抗生物活性粒子全体の変色を抑制することができ、長期保存後における抗生物活性粒子の外観に優れる。
従って、本発明の抗生物活性粒子を配合した製品は、長期間優れた外観を維持することができる。
本発明の抗生物活性粒子は、ポリマー粒子と、ポリマー粒子の表面に存在する無機粒子とを含有する。
ポリマー粒子は、略球形状をなし、ポリマーと、ポリマー中に分散している抗生物活性化合物とを含有する。
本発明において、抗生物活性化合物がポリマー中に分散している状態とは、抗生物活性化合物がポリマーと相溶している状態、および/または、二相分離構造(海島構造)のように、抗生物活性化合物がポリマー中に均一または不均一に存在している状態を含む。
ポリマーは、例えば、モノマー成分を重合することにより生成される。
モノマー成分は、例えば、重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ分子内に有する重合性ビニルモノマーを含有する。
重合性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、(メタ)アクリル酸系モノマー、芳香族系ビニルモノマー、ビニルエステル系モノマー、マレイン酸エステル系モノマー、ハロゲン化ビニルモノマー、窒素含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーは、メタクリル酸エステルおよび/アクリル酸エステルであって、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどのアルキル部分が炭素数1〜20の直鎖または分岐の脂肪族基である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチルなどのアルキル部分が炭素数3〜20の環状脂肪族基である(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルなどが挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとして、上記したモノマーにおいてアルキル部分の水素原子をヒドロキシル基で置換した、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル部分を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルなども挙げられ、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとして、好ましくは、アルキル部分が炭素数1〜6(好ましくは、炭素数1〜3または炭素数4〜6)の直鎖または分岐の脂肪族基である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸などが挙げられる。
芳香族系ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレンなどが挙げられる。
ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸エステル系モノマーとしては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
ハロゲン化ビニルモノマーとしては、例えば、塩化ビニル、フッ化ビニルなどが挙げられる。また、ハロゲン化ビニルモノマーとして、ハロゲン化ビニリデンモノマーも挙げられ、具体的には、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
窒素含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、N−フェニルマレイミド、ビニルピリジンなどが挙げられる。
上記したモノマー成分のうち、例えば、抗生物活性化合物に対する相溶性が強く、抗生物活性化合物を溶解(相溶)することのできる抗生物活性化合物相溶性モノマー(以下、単に相溶性モノマーという場合がある。)が選択される。
これら相溶性モノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
相溶性モノマーとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの単独使用が挙げられる。
相溶性モノマーは、後述する重合温度(加熱温度)において、抗生物活性化合物と相溶するように、選択される。
また、モノマー成分は、架橋性モノマーを相溶性モノマーとして含むこともできる。
架橋性モノマーは、抗生物活性化合物の徐放性(後述)を調節するために、必要により配合され、例えば、エチレングリコールジ(メタ)クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのモノまたはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、例えば、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート、例えば、アリル(メタ)メタクリレート、トリアリル(イソ)シアヌレートなどのアリル系モノマー、例えば、ジビニルベンゼンなどのジビニル系モノマーなどが挙げられる。好ましくは、モノまたはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
架橋性モノマーは、架橋性モノマーを含むモノマー成分(重合性ビニルモノマー)と抗生物活性化合物との相溶性を確保すべく、架橋性モノマーを除く相溶性モノマーの分子構造と類似する分子構造を有するモノマーが選択され、具体的には、架橋性モノマーを除く相溶性モノマーが(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを含む場合には、架橋性モノマーとしてモノまたはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが選択される。
架橋性モノマーの配合割合は、架橋性モノマーを除く相溶性モノマー100質量部に対して、例えば、1〜100質量部、好ましくは、5〜90質量部、さらに好ましくは、10〜80質量部である。
また、抗生物活性化合物がヨウ素系化合物(後述)である場合には、着色を抑制するのに効果的なエポキシ基を含むエポキシ基含有重合性ビニルモノマーを併用することにより、さらにポリマー粒子の着色を抑制することができる。
エポキシ基含有重合性ビニルモノマーとしては、例えば、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、エポキシ基含有エーテル系モノマーなどが挙げられる。
エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマーは、例えば、エポキシ基を含有するメタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルであって、具体的には、(メタ)アクリル酸グリシジル、ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸2−メチルオキシラニルメチルなどが挙げられる。
エポキシ基含有エーテル系モノマーとしては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、イソプロペニルグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキシルグリシジルエーテルなどの直鎖、分岐または環式のエポキシ基含有脂肪族系エーテルモノマー、例えば、3−ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有芳香族系エーテルモノマーなどが挙げられる。これらエポキシ基含有モノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
エポキシ基含有重合性ビニルモノマーの配合割合は、モノマー成分の総量100質量部に対して、例えば、30質量部未満、好ましくは、20質量部以下であり、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上である。
重合性ビニルモノマーは、実質的に疎水性であって、具体的には、例えば、水に対する室温における溶解度が極めて小さく、より具体的には、室温における溶解度が、例えば、10質量部/水100質量部以下、好ましくは、8質量部/水100質量部以下である。
抗生物活性化合物は、例えば、ポリマーと相互作用できる官能部分を少なくとも2つ有している。
このような官能部分としては、例えば、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、リン酸エステル基、カルボキシル基、エーテル基などの極性官能基、例えば、カルボキシレート結合、フォスフェート結合、尿素結合、炭素−ハロゲン結合などの極性基を含む極性結合、例えば、ベンゼン環、さらには、トリアジン環、イミダゾール環、イソチアゾリン環などの共役ヘテロ環などの共役環状部分などが挙げられる。
抗生物活性化合物の分子量は、例えば、200〜600、好ましくは、200〜500である。
抗生物活性化合物の分子量が上記範囲を超える場合には、抗生物活性化合物のポリマーに対する相溶性が低下する場合がある。一方、抗生物活性化合物の分子量が上記範囲に満たない場合には、懸濁重合(後述)中に、抗生物活性化合物が水相に残存してしまい、重合後に、かかる抗生物活性化合物が析出して、懸濁液が固化する場合がある。
また、抗生物活性化合物の融点は、例えば、100℃以下であり、好ましくは、90℃以下、さらに好ましくは、80℃以下である。抗生物活性化合物の融点が上記範囲を超える場合には、抗生物活性化合物がポリマー粒子外に析出する場合がある。
具体的には、抗生物活性化合物は、殺菌、抗菌、防腐、防藻、防かび、殺虫などの抗生物活性を有する、殺菌剤、抗菌剤、防腐剤、防藻剤、防かび剤、殺虫剤(例えば、ピリプロキシフェンなど)、除草剤(例えば、ピラクロニル、ペンディメタリン、インダノファンなど)、誘引剤、忌避剤(例えば、ディートなど)および殺鼠剤などから選択される。これら抗生物活性を有する化合物としては、例えば、ヨウ素系化合物、トリアゾール系化合物、カルバモイルイミダゾール系化合物、ジチオール系化合物、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、パラオキシ安息香酸エステルなどの殺菌防腐防藻防かび剤、例えば、ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物、有機塩素系化合物、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、アルコキシアミン系化合物、オキサジアジン系化合物などの防蟻剤(殺蟻剤)などが挙げられる。
ヨウ素系化合物としては、例えば、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、1−[[(3−ヨード−2−プロピニル)オキシ]メトキシ]−4−メトキシベンゼン、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボネートなどが挙げられる。
トリアゾール系化合物としては、例えば、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(プロピコナゾール)、ビス(4−フルオロフェニル)メチル(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチルシラン)(別称:フルシラゾール、1−[[ビス(4−フルオロフェニル)メチルシリル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール)などが挙げられる。
カルバモイルイミダゾール系化合物としては、例えば、N−プロピル−N−[2−(2,4,6−トリクロロ−フェノキシ)エチル]イミダゾール−1−カルボキサミド(プロクロラズ)などが挙げられる。
ジチオール系化合物としては、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンなどが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、5,6−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(Cl−MIT)などが挙げられる。
ニトロアルコール系化合物としては、例えば、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール(DBNE)などが挙げられる。
パラオキシ安息香酸エステルとしては、例えば、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどが挙げられる。
ピレスロイド系化合物としては、例えば、シロバナムシヨケギクより得られるピレトリン、シネリン、ジャスモリンなどが挙げられ、例えば、これらから誘導されるアレスリン、ビフェントリン、アクリナトリン、アルファシペルメトリン、トラロメトリン、シフルトリン((RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル=(1RS,3RS)−(1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−メチルシクロプロパンカルボキシラート)、シフェノトリン、プラレトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェン、フェンバレレートなども挙げられる。
ネオニコチノイド系化合物としては、例えば、(E)−N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N−シアノ−N−メチルアセトアミジン(アセタミプリド)などが挙げられる。
有機塩素系化合物としては、例えば、ケルセンなどが挙げられる。
有機リン系化合物としては、例えば、ホキシム、ピリダフェンチオン、フェニトロチオン、テトラクロルビンホス、ジクロフェンチオン、プロペタンホスなどが挙げられる。
カーバメート系化合物としては、例えば、フェノブカルブ、プロポクスルなどが挙げられる。
アルコキシアミン系化合物としては、例えば、3−ラウリルオキシプロピリアミンなどが挙げられる。
オキサジアジン系化合物としては、例えば、インドキサカルブなどが挙げられる。
抗生物活性化合物として、好ましくは、ヨウ素系化合物、より好ましくは、IPBC
が挙げられる。
抗生物活性化合物は、例えば、実質的に疎水性であって、具体的には、例えば、水に対する室温(20〜30℃、より具体的には、25℃)における溶解度が極めて小さく、より具体的には、例えば、室温の溶解度が、質量基準で、1質量部/水100質量部(10000ppm)以下、好ましくは、0.5質量部/水100質量部(5000ppm)以下、さらに好ましくは、0.1質量部/水100質量部(1000ppm)以下である。
抗生物活性化合物の水に対する溶解度が、上記した範囲を超える場合には、モノマー成分を懸濁重合するときに、抗生物活性化合物がポリマー粒子外(つまり、水相)へ漏出し易く、懸濁重合後に、水相に溶解していた抗生物活性化合物が析出するので、抗生物活性化合物が分散するポリマー粒子を形成することが困難となる場合がある。
これら抗生物活性化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
なお、疎水性溶液の調製において、Hansenで定義され、van Krevelen and Hoftyzer法で算出される溶解度パラメータδの双極子間力項δp,polymerが、例えば、5〜7[(J/cm1/2]であり、溶解度パラメータδの水素結合力項δh,polymerが、例えば、8〜10[(J/cm1/2]であるポリマーを生成するモノマー成分と、溶解度パラメータδの双極子間力項δp,compoundが、例えば、2〜8[(J/cm1/2]であり、溶解度パラメータδの水素結合力項δh,compoundが、例えば、5.5〜9.5[(J/cm1/2]である抗生物活性化合物との組合せが選択される。
なお、各項δ(δおよびδ)の添字polymerおよびcompoundは、ポリマーおよび抗生物活性化合物をそれぞれ示す。
ポリマーにおける双極子間力項δp,polymerおよび水素結合力項δh,polymerと、抗生物活性化合物における双極子間力項δp,compoundおよび水素結合力項δh,compoundとについては、例えば、特開2011−79816号公報などに詳細に説明されており、その記載に従って算出される。
また、ポリマー粒子の25℃における密度は、例えば、1.0〜1.2g/cmである。なお、ポリマー粒子の密度は、粒子間に形成される隙間(空隙)を除いた真密度(理論密度)である。後述する無機粒子の密度も上記と同義である。
無機粒子は、少なくともポリマー粒子の表面に存在している。また、無機粒子は、好ましくは、ポリマー粒子の表面を被覆するように、少なくとも1層をなすように、存在する。
無機粒子は、高屈折率を有しており、具体的には、屈折率が、例えば、1.5以上、好ましくは、2.0以上、より好ましくは、2.5以上であり、また、例えば、3.0以下でもある。無機粒子の屈折率は、例えば、エリプソメータを用いるエリプソメトリーによって求められる。無機粒子の屈折率が上記下限未満であると、十分な隠蔽効果を得ることができない場合がある。
無機粒子を形成する無機物としては、例えば、酸化チタン(二酸化チタン、チタニア、TiO)、酸化亜鉛(亜鉛華、一酸化亜鉛、ZnO)、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化セリウム(CeO)、チタン酸ランタン(LaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)などの酸化金属、例えば、合成雲母、硫化バリウム(BaS)が挙げられる。好ましくは、酸化金属、より好ましくは、酸化チタン(屈折率2.5〜2.7)、酸化亜鉛(屈折率2.0)が挙げられ、さらに好ましくは、より高い屈折率を得る観点から、酸化チタンが挙げられる。
無機粒子の結晶系は、特に限定されず、例えば、無機粒子が酸化チタン粒子である場合には、ルチル(屈折率2.7)、ブルッカイト(屈折率2.6)、アナターゼ(屈折率2.5)などが挙げられ、好ましくは、光触媒活性が低いという観点から、ルチルが挙げられる。
無機粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球形状、針形状、板形状、不定形状(塊状)などが挙げられる。好ましくは、板形状または不定形状である。
無機粒子の最大長さの平均値(球形状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.01〜10μm、好ましくは、0.1〜1μm、より好ましくは、0.2〜0.5μmである。無機粒子の最大長さの平均値が上記した範囲内であれば、無機粒子による隠蔽効果をより一層向上させることができる。
また、無機粒子の25℃における密度は、例えば、1.5〜7.5、好ましくは、2.0〜6.0である。無機粒子の密度は、例えば、JISK5101−11−1に記載されるピクノメータを用いるピクノメータ法によって求められる。
無機粒子は、市販品を用いることができ、具体的には、JRシリーズ(酸化チタン、テイカ社製)、MTシリーズ(酸化チタン、テイカ社製)、JAシリーズ(酸化チタン、テイカ社製)、PFCシリーズ(酸化チタン、石原産業社製)、UTシリーズ(酸化チタン、石原産業社製)、TTOシリーズ(酸化チタン、石原産業社製)などが挙げられる。
また、無機粒子が、酸化金属粒子である場合には、無機粒子に、例えば、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウムなどの金属、例えば、ケイ素、例えば、ポリエーテル、脂肪酸などの有機物、例えば、シランカップリング剤などの表面処理剤によって、表面処理することもできる。
なお、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウムなどの金属、ケイ素、および/または、ポリエーテル、脂肪酸などの有機物によって表面処理された酸化金属粒子は、市販品を用いることができ、具体的には、JR301(Al表面処理品)、JR403(Al・Si表面処理品)、JR405(Al表面処理品)、JR600A(Al表面処理品)、JR605(Al表面処理品)、JR600E(Al表面処理品)、JR603(Al・Zr表面処理品)、JR805(Al・Si表面処理品)、JR806(Al・Si表面処理品)、JR701(Al・Si・Zn表面処理品)、JRNC(Al・Si・Zn表面処理品)、JR800(Al・Si表面処理品)、MT500SA(Al・Si表面処理品)(以上テイカ社製)、UT771(Al・Zr・有機物表面処理品)、PFC107(Al・Si・有機物表面処理品)、TTO−55B(Al表面処理品)(以上石原産業製)などが用いられる。
シランカップリング剤としては、例えば、アルコキシ基およびアルキル基を少なくとも含有する、アルコキシ基/アルキル基併有ケイ素化合物が挙げられる。
アルコキシ基は、水相中で加水分解されて水酸基となり、酸化金属粒子と化学結合を生じる。アルキル基は、酸化金属粒子の表面を疎水化して、酸化金属粒子が疎水性液粒子へ吸着し易くする役割を果たす。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどの非置換アルキル基や、さらには、水素原子がフッ素原子などのハロゲン原子により置換された、ハロゲン原子置換アルキル基(具体的には、トリフルオロプロピルなど)など挙げられる。
アルコキシ基/アルキル基併有ケイ素化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどのモノアルキルトリアルコキシシラン、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ビス(トリフルオロプロピル)ジメトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシランが挙げられる。好ましくは、モノアルキルトリアルコキシシランが挙げられる。
また、シランカップリング剤としては、上記のアルキル基に代えて、反応性官能基を少なくとも併有するアルコキシ基/反応性官能基併有ケイ素化合物も挙げられる。
反応性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基などを含むものが挙げられる。
反応性官能基が(メタ)アクリロイル基および/またはビニル基を含む場合は、酸化金属粒子の表面を疎水化して、酸化金属粒子が疎水性液粒子へ吸着し易くするとともに、疎水性粒子中のモノマー成分と共重合して、ポリマー粒子を酸化金属粒子と化学結合させることができる。
反応性官能基が(メタ)アクリロイル基および/またはビニル基を含むアルコキシ基/反応性官能基併有ケイ素化合物としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリロイル基/アルコキシ基併有ケイ素化合物、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニル基/アルコキシ基併有ケイ素化合物が挙げられる。
反応性官能基がエポキシ基を含むアルコキシ基/反応性官能基併有ケイ素化合物としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基/アルコキシ基併有ケイ素化合物が挙げられる。
シランカップリング剤として、好ましくは、アルコキシ基/反応性官能基併有ケイ素化合物、より好ましくは、ビニル基/アルコキシ基含有ケイ素化合物、さらに好ましくは、ビニルトリメトキシシランが挙げられる。
無機粒子が酸化金属粒子である場合において、無機粒子をシランカップリング剤によって表面処理するには、例えば、先ず、水相中に、シランカップリング剤を配合する。その後、シランカップリング剤中のアルコキシシランが加水分解されて、シラノール基となって水相に溶解し、均一溶液となるまで撹拌を行う。アルコキシシランの加水分解速度は、温度が高いほど、速いので、加温して行ってもよい。加熱温度は、例えば、30〜80℃、好ましくは、40〜60℃である。また、アルコキシシランの加水分解は水素イオンにより、加速されるので、酢酸、塩酸などの酸を添加して行ってもよい。酸の添加量は、水素イオン濃度、すなわち、pHとして、例えば、2〜6、好ましくは、3〜5である。また、アルコキシシランの加水分解速度は、アルコキシ基の炭素数が多いほど、遅い。温度、pH、アルコキシ基の炭素数により加水分解時間は、大きく変化するので、均一な溶液状態となったことを確認することにより、加水分解が終了したこととする。
次いで、加水分解されたシランカップリング剤水溶液中へ、撹拌しながら、無機粒子(酸化金属粒子)を配合する。無機粒子は水相中で表面に水酸基を生成し、シランカップリング剤のシラノール基と水素結合することにより相互作用を発現する。すなわち、無機粒子の表面がシランカップリング剤処理されたこととなる。無機粒子を配合してから、シランカップリング処理終了までの時間は、例えば、1〜100分間、好ましくは、5〜60分間である。これによって、シランカップリング剤で表面処理された無機粒子(金属酸化物粒子)が水に分散する、無機粒子水分散液(酸化金属粒子水分散液)が調製される。
水は、無機粒子100質量部に対して、例えば、200〜1000質量部、好ましくは、400〜800質量部となるように、配合される。
シランカップリング剤の配合割合は、無機粒子100質量部に対して、例えば、0.01〜5質量部、好ましくは、0.1〜2質量部である。
その後、必要に応じて、その後、無機粒子水分散液中の水を留去すると、シランカップリング剤で表面処理された酸化金属を粉末状態として取りだすことができる。この粉末は上記した水素結合を形成する複数のヒドロキシル基が脱水されて、無機粒子の金属原子とケイ素原子とが、酸素原子を介して共有結合した、シランカップリング剤表面処理無機粒子(シランカップリング剤表面処理酸化金属粒子)からなる。この粉末は、無機粒子が酸化金属粒子である場合には、再度、水中に懸濁することができるが、金属原子、酸素原子、ケイ素原子の共有結合はそのまま維持されていると考えられる。
そして、本発明の抗生物活性粒子の製造方法は、モノマー成分と抗生物活性化合物とを含有する疎水性溶液を水分散させる工程、および、水分散された疎水性溶液におけるモノマー成分を、上記した無機粒子の存在下で、重合させる工程を備える。
疎水性溶液を水分散させる工程では、まず、モノマー成分と抗生物活性化合物とを含有する疎水性溶液を調製する。
疎水性溶液は、抗生物活性化合物がモノマー成分に溶解した疎水性の溶液である。
具体的には、モノマー成分および抗生物活性化合物を配合し、溶剤(ヘキサン、トルエン、酢酸エチルなどの疎水性の有機溶剤)を配合することなく、均一に攪拌することにより、疎水性溶液を調製する。
抗生物活性化合物の配合割合は、疎水性溶液に対して、例えば、5〜60質量%、好ましくは、10〜50質量%である。また、モノマー成分の配合割合は、疎水性溶液に対して、例えば、40〜95質量%、好ましくは、50〜90質量%である。
また、疎水性溶液には、油溶性重合開始剤をモノマー成分とともに配合する。
油溶性重合開始剤としては、例えば、ジラウロイルパーオキシド(10時間半減温度T1/2:61.6℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減温度T1/2:65.3℃)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減温度T1/2:69.9℃)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(10時間半減温度T1/2:40.5℃)、ベンゾイルパーオキシド(10時間半減温度T1/2:73.6℃)などの有機過酸化物、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(10時間半減温度T1/2:60℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(10時間半減温度T1/2:51℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(10時間半減温度T1/2:67℃)などのアゾ化合物などが挙げられる。好ましくは、有機過酸化物が挙げられる。
油溶性重合開始剤の10時間半減期温度T1/2は、例えば、40〜90℃、好ましくは、50〜80℃である。油溶性重合開始剤の10時間半減期温度T1/2は、任意の温度数点における濃度半減時間をプロットして得られたグラフの10時間値の温度とされる。
油溶性重合開始剤の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば、0.01〜2質量部、好ましくは、0.1〜1質量部である。
疎水性溶液を水分散させる工程では、次の3通りのものを調製して行うことができる。すなわち、
(1)疎水性溶液、および、無機粒子が水分散された無機粒子水分散液、
(2)疎水性溶液、および、無機粒子が水分散された無機粒子水分散液、ならびに、分散剤および/または界面活性剤を配合した水、
(3)疎水性溶液と、分散剤および/または界面活性剤とを配合した水。
(1)の場合は、無機粒子のみで水分散液を安定化させており、この状態で重合を行うとピッカリング(懸濁)重合である。
一方、(3)の場合は、後で述べるように、無機粒子が水分散された無機粒子水分散液を重合進行中に重合系へ添加する。
好ましくは、(1)の疎水性溶液を、無機粒子水分散液に加える。
あるいは、無機粒子水分散液として、例えば、シランカップリング剤による表面処理により調製された酸化金属粒子水分散液をそのまま用いることができる。
一方、シランカップリング剤により表面処理され、粉状に調製された酸化金属粒子を、再度、水に分散(再分散)させて調製された無機粒子水分散液を用いることもできる。また、再分散時には、粉状の無機粒子を、水が、粉状の金属酸化物粒子100質量部に対して、例えば、200〜1000質量部、好ましくは、400〜800質量部となるように、水分散させる。
無機粒子水分散液の配合割合は、疎水性溶液100質量部に対して、例えば、100〜1000質量部、好ましくは、150〜500質量部である。
また、無機粒子の配合割合は、疎水性溶液100質量部に対して、例えば、1〜200質量部、好ましくは、10〜100質量部でもある。例えば、球形状の無機粒子を、球形状のポリマー粒子の表面を被覆するように、1層で存在させる場合には、近似的に、ポリマー粒子の質量の、無機粒子の質量に対する比は、下記式(A)で与えられる。
ポリマー粒子の質量/無機粒子の質量=(r1×d1)/(4×r2×d2) (A)
r1:ポリマー粒子の半径
d1:ポリマー粒子の密度(25℃)
r2:無機粒子の半径
d2:無機粒子の密度(25℃)
具体的には、例えば、平均粒子径20μmで密度1.0g/cmのポリマー粒子100gの表面に、平均粒子径0.03μmで密度4.0g/cmの球形状の酸化チタンによって1層で被覆させるのに必要な酸化チタンの質量部数は、2.4gであり、また、平均粒子径20μmで密度1.0g/cmのポリマー粒子100gの表面に、平均粒子径0.3μmで密度4.0g/cmの球形状の酸化チタンによって1層で被覆させるのに必要な酸化チタンの質量部数は、24gである。従って、これらの質量部数を目安に無機粒子の配合量を選べばよい。
また、疎水性溶液の水分散において、必要により、分散剤および/または界面活性剤を、無機粒子水分散液に、配合する。好ましくは、界面活性剤を、水分散液に配合する。
分散剤は、重合中に、疎水性溶液粒子の界面を安定化して、重合安定性を向上させるために必要により配合され、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化澱粉、ポリアクリル酸およびそのナトリウム塩、スチレンマレイン酸コポリマーおよびそのナトリウム塩などの水溶性ポリマー、例えば、第三リン酸カルシウム、コロイダルシリカ、モンモリロナイト、炭酸マグネシウムなどの無機分散剤(上記した無機粒子を除く)などが挙げられる。分散剤のうち、好ましくは、無機分散剤、さらに好ましくは、第三リン酸カルシウムが挙げられる。
分散剤は、疎水性溶液100質量部に対して、例えば、0.1〜20質量部、好ましくは、0.1〜15質量部となるように、水分散液に配合する。
界面活性剤は、重合中に、疎水性溶液からなる水分散粒子の凝集を有効に防止して、重合安定性を向上させるために必要により配合され、具体的には、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ノニルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンリン酸エステルアンモニウム塩などのアニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン系界面活性剤などが挙げられる。好ましくは、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、疎水性溶液100質量部に対して、例えば、0.0001〜1.0質量部、好ましくは、0.001〜0.1質量部となるように、水分散液に配合する。
疎水性溶液の水分散(懸濁)では、例えば、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、加圧式ホモジナイザー、マイルダー、多孔膜圧入分散機などの分散機が用いられ、好ましくは、ホモミキサーが用いられる。
上記した水分散によって、疎水性溶液は、水中で、例えば、平均粒子径(メジアン径)1μm〜1mm、好ましくは、平均粒子径2μm〜100μmの水分散粒子を生成する。
なお、分散剤および/または界面活性剤は、酸化金属粒子が、シランカップリング剤による表面処理によって酸化金属粒子水分散液として調製される場合には、例えば、かかる酸化金属粒子水分散液の調製において、酸化金属粒子の水(シランカップリング剤を含有する水)への配合後において、酸化金属粒子水分散液に配合する。
疎水性溶液を水分散させる工程では、無機粒子は、疎水性溶液と水相との間の界面に存在する。これによって、次に説明する懸濁重合が安定化する。
そして、水相中に分散した疎水性溶液粒子中のモノマー成分が、無機粒子の存在下で、重合する。詳しくは、疎水性溶液と水相との界面に存在する無機粒子の内側において、モノマー成分が重合する。
また、モノマー成分は、水相中に分散した、平均粒子径1μm〜1mmの疎水性溶液粒子(懸濁粒子)の構成成分として調製されて重合することから、かかる重合形態は、懸濁重合となる。
そして、懸濁重合を実施するには、まず、疎水性溶液の水分散液を、油溶性重合開始剤の10時間半減期温度T1/2より、例えば、1〜30℃、好ましくは、5〜20℃高い温度に昇温する。
具体的には、疎水性溶液の水分散液を、例えば、30〜100℃、好ましくは、40〜80℃、さらに好ましくは、50〜70℃に昇温する。
そして、昇温中の水分散液では、油溶性重合開始剤が熱分解することにより、懸濁重合が開始する。
懸濁重合が開始する温度(開始温度)Tは、例えば、上記した油溶性重合開始剤の10時間半減温度T1/2と下記式(1)の関係にある。
1/2−10≦T≦T1/2+10 (1)
(式中、Tは、懸濁重合の開始温度、T1/2は、油溶性重合開始剤の10時間半減温度を示す。)
懸濁重合の重合時間は、例えば、1時間以上、好ましくは、3時間以上、さらに好ましくは、4時間以上であり、通常、10時間以下である。
懸濁重合が進行するにつれて、生成するポリマーと抗生物活性化合物との相溶性、および反応速度により、抗生物活性化合物が完全に相溶する場合、ミクロ相分離を起こして海二相分離構造(海島構造)を呈する場合など、多様なモルフォロジーを呈する。好ましくは、完全相溶を呈する。
また、モノマー成分は、懸濁重合中の重合温度において、抗生物活性化合物の融点が重合温度以下で、かつ、ポリマー成分および抗生物活性化合物が上記した溶解度パラメータ(δp,polymer、δh,polymer、δp,compoundおよびδh,compound)の範囲であれば、モノマー成分から生成するポリマーと抗生物活性化合物とが相溶する。そのため、懸濁重合中に相分離が生じにくく、ポリマー(反応途中のポリマー)に抗生物活性化合物が溶解し、あるいは、ポリマー(反応途中のポリマー)が抗生物活性化合物に対して膨潤した状態で反応が進行し、均一相が形成されたポリマー粒子を生成する。
一方、無機粒子は、疎水性溶液と水相との間の界面に存在するので、ポリマー粒子中に実質的に取り込まれることなく、ポリマー粒子の表面に存在する。
抗生物活性粒子の平均粒子径(メジアン径)は、例えば、1μm〜1mm、好ましくは、2μm〜100μmである。
上記した重合によって、ポリマー中に抗生物活性化合物が分散しているポリマー粒子と、ポリマー粒子の表面に存在する無機粒子とを含有する抗生物活性粒子が懸濁された懸濁液を得ることができる。
そして、抗生物活性粒子を含む懸濁液に、必要により、例えば、増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、微生物増殖抑制剤、比重調節剤などの公知の添加剤を適宜の割合で配合する。
このようにして得られた抗生物活性粒子は、そのままの状態(懸濁液)、つまり、懸濁剤(乳濁液)として用いてもよく、また、濾過および/または遠心分離などによって固液分離した後に、例えば、粉剤または粒剤などの公知の剤型に製剤化して用いることもできる。また、懸濁液(乳濁液)をそのまま噴霧乾燥または風乾して、粉剤または粒剤などの剤型に製剤化することもできる。
また、抗生物活性粒子を粉剤または粒剤などに製剤化する場合において、上記した乾燥または風乾によって、無機粒子の表面において、シランカップリング剤によるケイ素原子との水素結合が脱水により酸素原子を介する化学結合となることから、無機粒子とケイ素原子との結合力が向上する。つまり、ポリマー粒子と無機粒子との結合力が向上する。
懸濁剤における固形分濃度(抗生物活性粒子の濃度)は、例えば、1〜50質量%、好ましくは、5〜40質量%である。
懸濁剤における抗生物活性化合物の濃度は、例えば、0.5〜40質量%、好ましくは、1〜25質量%である。
本発明の抗生物活性粒子では、たとえ、抗生物活性粒子、さらには、それを配合した、塗料、成形品、シーリング材などの製品が、長期間、高温下あるいは紫外線の暴露により、抗生物活性化合物が着色しても、ポリマー粒子の表面に存在する高屈折率の無機粒子により、可視光を反射して、抗生物活性化合物に分散されるポリマー粒子の着色を隠蔽することができる。
そのため、抗生物活性粒子全体の変色を抑制することができ、長期保存後における抗生物活性粒子の外観に優れる。
従って、本発明の抗生物活性粒子を配合した、塗料、成形品、シーリング材などの製品は、長期間優れた外観を維持することができる。
このような抗生物活性粒子は、ポリマー中に、抗生物活性化合物が分散しているので、徐放性を有し、抗生物活性持続効果を発現することができる徐放性粒子として調製される。なお、徐放性とは、ポリマー粒子内に分散する抗生物活性化合物を緩徐に放出できる性質である。
また、上記した説明では、疎水性溶液を無機粒子水分散液に水分散させて調製した分散液を、重合しているが、水分散された疎水性溶液を、少なくとも無機粒子の存在下で重合すればよく、例えば、疎水性溶液を、無機粒子を含まない水に水分散させて水分散液を調製し、これを重合し、その重合途中において、無機粒子あるいは無機粒子水分散液を、重合途中の水分散液に配合することもできる。
この場合において、無機粒子あるいは無機粒子水分散液を、例えば、モノマー成分の重合率(転化率)が、例えば、30〜70質量%、好ましくは、40〜60質量%のときに、重合途中の水分散液に配合する。重合率は、例えば、ガスクロマトグラフィにより測定される。
以下に、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何らそれらに限定されない。
また、各実施例および各比較例で用いる略号の詳細を以下に記載する。
IPBC:商品名「ファンギトロール400」、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、分子量281、融点:60℃、水への溶解度:150ppm、溶解度パラメータδの双極子間力項δp,compound:3.23[(J/cm1/2]、溶解度パラメータδの水素結合力項δh,compound:7.83[(J/cm1/2]、インターナショナル・スペシャリティ・プロダクツ社製
メタクリル酸メチル:商品名「アクリエステルM」(「アクリエステル」は登録商標)、水への溶解度:1.6質量%、モノマー単位としての溶解度パラメータδの双極子間力項δp,monomer unit:6.69[(J/cm1/2]、モノマー単位としての溶解度パラメータδの水素結合力項δh,monomer unit:9.78[(J/cm1/2]、三菱レイヨン社製
エチレングリコールジメタクリレート:商品名「ライトエステルEG」(ライトエステルは登録商標)、水への溶解度:5.37ppm、モノマー単位としての溶解度パラメータδの双極子間力項δp,monomer unit:5.37[(J/cm1/2]、モノマー単位としての溶解度パラメータδの水素結合力項δh,monomer unit:10.42[(J/cm1/2]、共栄社化学社製
ジラウロイルパーオキシド:商品名「パーロイルL」(「パーロイル」は登録商標)、油溶性重合開始剤、10時間半減温度T1/2:61.6℃、日油社製
プライサーフA210G:商品名(プライサーフは登録商標)、ポリオキシエチレンリン酸エステルアンモニウム塩、アニオン系界面活性剤、第一工業製薬社製
酸化チタン(JR805):商品名「JR805」、結晶系:ルチル、球形状、平均粒子径:0.29μm、表面処理、Al・Si、テイカ社製
酸化チタン(UT771):商品名「UT771」、結晶系:ルチル、球形状、平均粒子径:0.25μm、表面処理、Al・Zr・有機物、石原産業社製
酸化チタン(MT500SA):商品名「MT500SA」、結晶系:ルチル、球形状、平均粒子径:0.035μm、表面処理、Al・Si、テイカ社製
酸化チタン(JR1000):商品名「JR1000」、平均粒子径:1μm、結晶系:ルチル、テイカ社製
酸化チタン(PFC107):商品名「PFC107」、平均粒子径:0.25μm、表面処理、Al・Si、有機物、結晶系:ルチル、石原産業社製
酸化チタン(TTO−55B):商品名「TTO−55B」、平均粒子径:0.03μm、表面処理、Al、結晶系:ルチル、石原産業社製
TCP−10U:商品名、第三リン酸カルシウム、[Ca(PO]・Ca(OH)の10%懸濁液、松尾薬品産業社製
KBM−1003:商品名、シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニル基/アルコキシ基併用ケイ素化合物、信越シリコーン社製
KBM−5103:商品名、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、シランカップリング剤、アクリルロイル基/アルコキシ基併有ケイ素化合物、信越シリコーン社製
KBM−403:商品名、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、シランカップリング剤、エポキシ基/アルコキシ基併有ケイ素化合物、信越シリコーン社製
KBM−503:商品名、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルロイル基/アルコキシ基併有ケイ素化合物、信越シリコーン社製
KBM−13:商品名、メチルトリメトキシシラン、シランカップリング剤、アルコキシ基/アルキル基併有ケイ素化合物、信越シリコーン社製
KBE−22:商品名、ジメチルジエトキシシラン、シランカップリング剤、アルコキシ基/アルキル基併有ケイ素化合物、信越シリコーン社製
KBM−3063:商品名、(ヘキシルトリメトキシシラン)、シランカップリング剤、アルコキシ基/アルキル基併有ケイ素化合物、信越シリコーン社製
KBM−7103:商品名、(トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)、シランカップリング剤、アルコキシ基/アルキル基併有ケイ素化合物、信越シリコーン社製
実施例1
まず、500mLのビーカー(1)に、イオン交換水233.0gを仕込んだ。その中に酸化チタン粒子(JR805)48.0gをスターラーで撹拌しながら添加した。その後、さらにプライサーフA210Gの5%水溶液1.0gを添加し、酸化チタン水分散液を調製した。
別途、200mLのビーカー(2)に、IPBC25.0g、メタクリル酸メチル52.5g、エチレングリコールジメタクリレート22.5gおよびジラウロイルパーオキシド0.5gを仕込み、室温で均一に攪拌することにより、疎水性溶液を調製した。
500mLのビーカー(1)において、酸化チタン水分散液を、T.K.ホモミキサーMARK2.5型(プライミクス社製)により、3000rpmで攪拌しながら、疎水性溶液を連続的に加えた後、3000rpmで5分間攪拌することにより、疎水性溶液を水分散させて、懸濁液を調製した。
その後、懸濁液を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頸コルベンに移し、窒素気流下、200rpmで攪拌しながら昇温して、懸濁重合を実施した。
懸濁重合は、65℃到達時点を重合開始とし、その後、70±2℃で6時間、連続して実施した。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、IPBCが分散しているポリマー粒子と、ポリマー粒子の表面に存在する酸化チタン粒子とを含有する、平均粒子径17μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例2
酸化チタンの種類をUT771(石原産業社製)に変更した以外は、実施例1と同様に重合を行い、平均粒子径18μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例3
まず、500mLのビーカー(1)に、酢酸(pH調整剤)によりpH4.0に調整したイオン交換水232.8gを仕込んだ。
次いで、500mLのビーカー(1)にシランカップリング剤としてKBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.96gをスターラーにて、室温で攪拌しながら滴下し、液が透明になるまで攪拌を継続した。次いで、液が透明になった時点で酸化チタン粒子(JR805)48.0gを添加し、さらに30分間攪拌を継続した。その後、さらにプライサーフA210Gの5%水溶液1gを添加し、酸化チタン水分散液を調製した。これによって、酸化チタン粒子をシランカップリング剤で表面処理した。つまり、酸化チタン粒子の表面のヒドロキシル基とシランカップリング剤のシラノール基との水素結合に基づく相互作用が発現した。
別途、200mLのビーカー(2)に、IPBC25.0g、メタクリル酸メチル52.5g、エチレングリコールジメタクリレート22.5gおよびジラウロイルパーオキシド0.5gを仕込み、室温で均一に攪拌することにより、疎水性溶液を調製した。
500mLのビーカー(1)において、酸化チタン水分散液を、T.K.ホモミキサーMARK2.5型(プライミクス社製)により、回転数5000rpmで5分間、水分散させた。
続いて、酸化チタン水分散液を3000rpmで攪拌しながら、疎水性溶液を連続的に加えた後、3000rpmで5分間攪拌することにより、疎水性溶液を水分散させて、懸濁液を調製した。
その後、懸濁液を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頸コルベンに移し、窒素気流下、200rpmで攪拌しながら昇温して、懸濁重合を実施した。
懸濁重合は、65℃到達時点を重合開始とし、その後、70±2℃で6時間、連続して実施した。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、IPBCが分散しているポリマー粒子と、ポリマー粒子の表面に存在する酸化チタン粒子とを含有する、平均粒子径19μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例4
シランカップリング剤の滴下量を0.24gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径26μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例5
シランカップリング剤の滴下量を0.048gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径22μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例6
シランカップリング剤の種類をKBM−1003(ビニルトリメトキシシラン)に変更し、滴下量を0.24gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径18μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例7
シランカップリング剤の種類をKBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)に変更し、滴下量を0.24gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径22μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例8
シランカップリング剤の種類をKBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)に変更し、滴下量を0.24gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径19μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例9
シランカップリング剤の種類をKBM−13(メチルトリメトキシシラン)に変更し、滴下量を0.24gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径17μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例10
シランカップリング剤の種類をKBE−22(ジメチルジエトキシシラン)に変更し、滴下量を0.24gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径22μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例11
シランカップリング剤の種類をKBM−3063(ヘキシルトリメトキシシラン)に変更し、滴下量を0.24gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径24μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例12
シランカップリング剤の種類をKBM−7103(トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)に変更し、滴下量を0.24gに変更した以外は、実施例3と同様に重合を行い、平均粒子径24μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例13
(シランカップリング剤表面処理酸化チタンの調製):まず、500mLのビーカー(1)に、酢酸(pH調整剤)によりpH4.0に調整したイオン交換水432.0gを仕込んだ。次いで、500mLのビーカー(1)にシランカップリング剤KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.24gをスターラーにて、室温で攪拌しながら滴下し、液が透明になるまで攪拌を継続した。次いで、液が透明になった時点で酸化チタン粒子(JR805)48.0gを添加し、さらに30分間攪拌を継続し、酸化チタン水分散液を得た。得られた酸化チタン水分散液を遠心分離(15000rpm×5分間)により固液分離を行い、固体部分のみを回収し、60℃で乾燥させた。これを乳鉢で粉砕し、シランカップリング剤表面処理酸化チタンを得た。乾燥により、シランカップリング剤と酸化チタンの結合(具体的には、共有結合)は、実施例3の結合(水素結合)よりもより強固な結合となっている。
(重合):まず、500mLのビーカー(2)に、イオン交換水232.8g、プライサーフA210Gの5%水溶液1.0g、上記で調製したシランカップリング剤表面処理酸化チタン48.0gを添加し、酸化チタン水分散液を調製した。
別途、200mLのビーカー(3)に、IPBC25.0g、メタクリル酸メチル52.5g、エチレングリコールジメタクリレート22.5gおよびジラウロイルパーオキシド0.5gを仕込み、室温で均一に攪拌することにより、疎水性溶液を調製した。
500mLのビーカー(2)において、酸化チタン水分散液を、T.K.ホモミキサーMARK2.5型(プライミクス社製)により、回転数5000rpmで5分間、水分散させた。
続いて、酸化チタン水分散液を3000rpmで攪拌しながら、疎水性溶液を連続的に加えた後、3000rpmで5分間攪拌することにより、疎水性溶液を水分散させて、懸濁液を調製した。
その後、懸濁液を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頸コルベンに移し、窒素気流下、200rpmで攪拌しながら昇温して、懸濁重合を実施した。
懸濁重合は、65℃到達時点を重合開始とし、その後、70±2℃で6時間、連続して実施した。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、IPBCが分散しているポリマー粒子と、ポリマー粒子の表面に存在する酸化チタン粒子とを含有する、平均粒子径19μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例14
シランカップリング剤の滴下量を0.048gに変更した以外は、実施例13と同様に重合を行い、平均粒子径20μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例15
まず、500mLのビーカー(1)に、酢酸(pH調整剤)によりpH4.0に調整したイオン交換水192.8gを仕込んだ。
次いで、500mLのビーカー(1)にシランカップリング剤KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.24gをスターラーにて、室温で攪拌しながら滴下し、液が透明になるまで攪拌を継続した。次いで、液が透明になった時点で酸化チタン粒子(JR805)48.0gを添加し、さらに30分間攪拌を継続した。これによって、酸化チタン粒子をシランカップリング剤で表面処理した。
その後、さらにリン酸カルシウム10%水分散液(TCP−10U)40.0g、プライサーフA210Gの5%水溶液1.0gを添加し、酸化チタン水分散液を調製した。これによって、酸化チタン粒子をシランカップリング剤で表面処理した。
これ以降の操作は実施例4と同様に重合を行い、平均粒子径18μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例16
(シランカップリング剤表面処理酸化チタンの調製):実施例13と同様の処理を行い、シランカップリング剤表面処理酸化チタンを得た。
(重合):まず、500mLのビーカー(1)に、イオン交換水260.82g、プライサーフA210Gの5%水溶液0.20g、リン酸カルシウム10%水分散液(TCP−10U)40.0g、上記で調製したシランカップリング剤表面処理酸化チタン48.0gを添加し、酸化チタン水分散液を調製した。
別途、200mLのビーカー(2)に、IPBC25.0g、メタクリル酸メチル52.5g、エチレングリコールジメタクリレート22.5gおよびジラウロイルパーオキシド0.5gを仕込み、室温で均一に攪拌することにより、疎水性溶液を調製した。
500mLのビーカー(2)において、酸化チタン水分散液を、T.K.ホモミキサーMARK2.5型(プライミクス社製)により、回転数5000rpmで5分間、水分散させた。
続いて、500mLのビーカー(1)において、酸化チタン水分散液を、T.K.ホモミキサーMARK2.5型(プライミクス社製)により、回転数3000rpmで攪拌しながら、疎水性溶液を連続的に加えた後、3000rpmで5分間攪拌することにより、疎水性溶液を水分散させて、懸濁液を調製した。
その後、懸濁液を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頸コルベンに移し、窒素気流下、200rpmで攪拌しながら昇温して、懸濁重合を実施した。
懸濁重合は、65℃到達時点を重合開始とし、その後、70±2℃で6時間、連続して実施した。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、IPBCが分散しているポリマー粒子と、ポリマー粒子の表面に存在する酸化チタン粒子とを含有する、平均粒子径18μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例17
シランカップリング剤の滴下量を0.48gに変更した以外は、実施例16と同様に重合を行い、平均粒子径19μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例18
シランカップリング剤の種類をKBM−1003(ビニルトリメトキシシラン)に変更し、滴下量を0.48gに変更した以外は、実施例16と同様に重合を行い、平均粒子径18μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例19
シランカップリング剤の種類をKBE−22(ジメチルジエトキシシラン)に変更し、滴下量を0.48gに変更した以外は、実施例16と同様に重合を行い、平均粒子径18μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例20
シランカップリング剤表面処理酸化チタンの添加量を24.0gに変更した以外は、実施例17と同様に重合を行い、平均粒子径27μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例21
酸化チタンの種類をMT500SAに変更し、シランカップリング剤表面処理酸化チタンの添加量を24.0gに変更した以外は実施例17と同様に重合を行い、平均粒子径21μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例22
酸化チタンの種類をJR1000に変更し、シランカップリング剤表面処理酸化チタンの添加量を10.0gに変更した以外は、実施例17と同様に重合を行い、平均粒子径28μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例23
酸化チタンの種類をPFC−107に変更し、シランカップリング剤の種類をKBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)に変更し、その滴下量を0.48gに変更し、シランカップリング剤表面処理酸化チタンの添加量を10.0gに変更した以外は、実施例15と同様に重合を行い、平均粒子径21μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例24
(シランカップリング剤処理酸化チタンスラリーの調製):200mLのビーカー(1)に、酢酸(pH調整剤)によりpH4.0に調整したイオン交換水60.0gを仕込んだ。次いで、200mLのビーカー(1)にシランカップリング剤KBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.1gをスターラーにて、室温で攪拌しながら滴下し、液が透明になるまで攪拌を継続した。次いで、液が透明になった時点で酸化チタン粒子(PFC107)10.0gを添加し、さらに30分間攪拌を継続した。これによってシランカップリング剤処理酸化チタンスラリーを得た。
(重合):まず、500mLのビーカー(2)に、イオン交換水189.2g、プライサーフA210Gの5%水溶液0.2gおよびリン酸カルシウム10%水分散液(TCP−10U)40.0gを添加し、水相を調製した。
別途、200mLのビーカー(3)に、IPBC25.0g、メタクリル酸メチル52.5g、エチレングリコールジメタクリレート22.5gおよびジラウロイルパーオキシド0.5gを仕込み、室温で均一に攪拌することにより、疎水性溶液を調製した。
水相を3000rpmで攪拌しながら、疎水性溶液を連続的に加えた後、3000rpmで5分間攪拌することにより、疎水性溶液を水分散させて、懸濁液を調製した。
その後、懸濁液を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頸コルベンに移し、窒素気流下、200rpmで攪拌しながら昇温して、懸濁重合を実施した。
懸濁重合は、65℃到達時点を重合開始とし、その後、70±2℃で6時間、連続して実施した。反応開始から1時間経過時点でシランカップリング剤処理酸化チタンスラリーを添加した。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、IPBCが分散しているポリマー粒子と、ポリマー粒子の表面に存在する酸化チタン粒子とを含有する、平均粒子径20μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例25
シランカップリング剤処理酸化チタンスラリーを重合開始3時間目に添加した以外は、実施例24と同様に重合を行い、平均粒子径20μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例26
酸化チタンの添加量を100.0gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行い、平均粒子径19μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例27
酸化チタンの添加量を10.0gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行い、平均粒子径24μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
実施例28
酸化チタンの種類をTTO−55B(平均粒子径:0.03μm)に変更した以外は、実施例1と同様に重合を行い、平均粒子径16μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
比較例1
まず、500mLのビーカー(1)に、イオン交換水174.9g、リン酸カルシウム10%水分散液64.0g、プライサーフA−210Gの5%水溶液0.3gを仕込み、水相を調製した。
別途、200mLのビーカー(2)に、IPBC25.0g、メタクリル酸メチル52.5g、エチレングリコールジメタクリレート22.5gおよびジラウロイルパーオキシド0.5gを仕込み、室温で均一に攪拌することにより、疎水性溶液を調製した。
500mLのビーカー(1)において、水相を、T.K.ホモミキサーMARK2.5型(プライミクス社製)により、3500rpmで攪拌しながら、疎水性溶液を連続的に加えた後、3500rpmで5分間攪拌することにより、疎水性溶液を水分散させて、懸濁液を調製した。
その後、懸濁液を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頸コルベンに移し、窒素気流下、200rpmで攪拌しながら昇温して、懸濁重合を実施した。
懸濁重合は、65℃到達時点を重合開始とし、その後、70±2℃で6時間、連続して実施した。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、平均粒子径18μmのIPBC含有徐放性粒子の懸濁液を得た。
(評価試験方法)
<変色試験>
イオン交換水754.5g、オロタン731SDの25質量%水溶液402.4g、ぺレックスSS−L47.2g、ノプコDF−122 376.6g、タイペークUT−771 124.8g、ウルトラゾールA−20(アクリル・スチレン共重合系エマルジョン、アイカ工業社製) 7878.4g、メトローズ60SH−10000の1重量%水溶液850.8gを配合し、白色水性エマルジョン塗料を調製した。その白色水性エマルジョン塗料に、実施例1〜18および比較例1の懸濁液のそれぞれを、IPBC含有割合が1000ppmとなるように添加し、ディスパーにて撹拌することで評価用塗料を調製した。
また、上記白色水性エマルジョン塗料に、IPBCをスラリーで1000ppmとなるように、かつ、酸化チタン(JR805)を実施例1と同量となるように、添加したものを比較例2の評価用塗料として調製した。
コントロールには上記白色水性エマルジョン塗料にIPBCをスラリーで1000ppmとなるように添加したものを使用した。
評価用塗料およびコントロールをアルミ板(JIS A 1050P、20mm×20mm)にバーコーターを用いて塗布して塗膜を形成した。これを40℃で1晩乾燥させたものを評価用塗膜とし、ブラックライト下に一定期間曝露した。
一定期間曝露した試験片を、測色計を用いてb値を測定した。また、未曝露の試験片についても同様に測定した。
未曝露および曝露後の試験片のb値から、b値の変化(Δb)を算出した。算出したΔbから、着色率を以下のように定義した。
着色率(%)=(各試験片のΔb)/(コントロールのΔb)
その結果を表1〜表4に示す。
Figure 0006109502
Figure 0006109502
Figure 0006109502
Figure 0006109502
抗生物活性粒子は、各種の工業製品、例えば、屋内外の塗料、ゴム、繊維、樹脂、プラスチック、接着剤、目地剤、シーリング剤、建材、コーキング剤、土壌処理剤、木材、製紙工程における白水、顔料、印刷版用処理液、冷却用水、インキ、切削油、化粧用品、不織布、紡糸油、皮革などに適用(あるいは配合)することができる。

Claims (2)

  1. ポリマー中にIPBCが分散しているポリマー粒子と、
    前記ポリマー粒子の表面に存在し、2.0以上の屈折率を有する無機粒子と
    を含有することを特徴とする、抗生物活性粒子。
  2. モノマー成分とIPBCとを含有する疎水性溶液を水分散させる工程、および、
    水分散された前記疎水性溶液における前記モノマー成分を、2.0以上の屈折率を有する無機粒子の存在下で、重合させる工程
    を備えることを特徴とする、抗生物活性粒子の製造方法。
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