JP6108883B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は、車両用シートに係り、特に、シートクッションに連結された回動リンクを回動させることで車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートに関する。
車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートは既に周知であり、その中には、車両の後部座席に相当する車両用シートであって、後方に跳ね上がって車体フロアの後方に設けられた凹部に収納可能な車両用シートが存在する(例えば、特許文献1参照)。
車両用シートを収納するための機構としては、車両用シートのシートクッションと車体フロアとの間を連結し車体フロアに対して回動する回動リンクが知られている。この回動リンクの回動動作によりシートクッションを含む着座部が収納位置に向かって移動するようになる。特許文献1に記載の車両用シートでは、図17に示すように、上記の回動リンク100がシートクッションの前側に2個、後側に2個備えられており、シート収納時にはこれらの回動リンク100が同期しながら車体フロアに対して回動する。
特許第4019456号公報
車両の構成部材においては、環境のために省資源化すること、及び燃費向上のために軽量化することが望まれている。一方、回動リンク100は、車両用シートの収納及び取り出しに応じて動作するものであり、長寿命化のために高い剛性が必要とされていた。
また、収納可能な車両用シートでは、通常、特許文献1のように上記の回動リンク100が複数設けられ、車両用シートの姿勢を保つロック機構を有する部品、シートベルトを固定するシートベルトアンカー等の部材も設けられるが、当然ながら、これらの回動リンク100及びその他部材は、回動時に互いに干渉しないような位置に配置される必要がある。一方で、車両用シートの収納についてはよりコンパクトに収納できることが望ましい。ただし、複数の回動リンク100の配置レイアウト次第ではより広い設置スペースを確保しなければならなくなり、収納状態での車両用シートのコンパクト化を実現することが困難となる。
また、ロック機構は、車両の振動、衝撃等によっても車両用シートの姿勢を保てるように、剛性の高い部品への取り付けが望まれている。同様に、シートベルトアンカーについても、乗員の姿勢を保てるように、剛性の高い部品への取り付けが望まれている。
また、複数の回動リンク100を配置する際には、バランスを考慮する必要があり、例えば、車両用シートの幅方向一端側と他端側との間で回動リンク100による支持剛性が均衡していることが望ましい。
また、複数の回動リンク100の配置位置については、収納状態での車両シートのコンパクト化を図りつつも、配置の自由度が確保され、さらにまた、回動リンク100同士の干渉若しくは回動リンク100と他の部材との間の干渉を抑制するような位置に設定する必要がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート収納用のリンク構造を、省資源化、軽量化するとともにその剛性を高めることにある。
また、ロック機構を安定して車両用シートに固定させつつ、車両用シートの収納時に、ロック機構とフットリンクとが干渉することを避けることができる車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、シートベルトアンカーが安定して車両用シートに固定された車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、シートの構成部品の剛性が向上した車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、シートの構成部品の連結部分をコンパクトにし、連結を強固にした車両用シートを提供することである。
前記課題は、本発明の車両用シートによれば、シートクッションを備え、車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートであって、前記シートクッションにおける前記車両用シートの前後方向の一方側と前記車体フロアとに連結され、前記車体フロア及び前記シートクッションに対して前記前後方向に回動可能であり、前記車体フロアに対して回動して前記シートクッションを前記収納位置に移動させる第1リンクを備え、該第1リンクは、閉断面構造を有して延出しており、延出方向から見たときに略U字状を有する複数の部材から成り、該複数の部材は、前記前後方向に対向して配置されて接合部によって接合されており、該接合部は、組み合わせられた前記複数の部材の側面同士を接合していることにより解決される。
上記の車両用シートでは、第1リンクが閉断面構造を有することで、省資源化、軽量化するとともに高い剛性となる。
また、シートクッションを備え、車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートであって、前記シートクッションにおける前記車両用シートの前後方向の一方側と前記車体フロアとに連結され、前記車体フロア及び前記シートクッションに対して前記前後方向に回動可能であり、前記車体フロアに対して回動して前記シートクッションを前記収納位置に移動させる第1リンクを備え、該第1リンクは、閉断面構造を有し、前記第1リンクに取り付けられ、前記第1リンクを前記車体フロアに対して着脱するロック機構と、一端が、前記シートクッションにおける前記前後方向の他方側に連結され、前記シートクッションに前記前後方向について回動可能であり、他端が前記車体フロアに対して着脱可能に支持されたフットリンクと、を更に備え、該フットリンクは、前記シートクッションが前記収納位置にあるときには前記前後方向の前記一方側における回動範囲の端部に位置する状態となり、前記ロック機構は、前記車両用シートの幅方向において前記フットリンクとは反対側で前記第1リンクに取り付けられているようにしてもよい。
このようにすると、高い剛性の閉断面構造を有する第1リンクに、ロック機構が取り付けられていることにより、ロック機構の車両用シートへの固定が安定する。また、ロック機構とフットリンクとが、第1リンクを基準として、車両用シートの幅方向における異なる側に設けられていることより、車両用シートの収納時に、ロック機構とフットリンクとが干渉することを避けることができる。
また、前記第1リンクにシートベルトアンカーが固定されており、該シートベルトアンカーの後端部は、前記シートベルトアンカーが固定される部位の前記第1リンクの後端部よりも前記前後方向において前側に配置されていると好適である。
このようにすると、上記のロック機構の場合と同様に、高い剛性の閉断面構造を有する第1リンクに、シートベルトアンカーが取り付けられていることにより、シートベルトアンカーの車両用シートへの固定が安定する。
また、シートクッションを備え、車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートであって、前記シートクッションにおける前記車両用シートの前後方向の一方側と前記車体フロアとに連結され、前記車体フロア及び前記シートクッションに対して前記前後方向に回動可能であり、前記車体フロアに対して回動して前記シートクッションを前記収納位置に移動させる第1リンクを備え、該第1リンクは、閉断面構造を有し、前記シートクッションにおける前記車両用シートの前記前後方向の一方側に回動可能に連結され、前記シートクッションを前記収納位置に移動させるために前記車体フロアに対して回動する第2リンクと、前記第1リンク及び前記第2リンクの各々の延出方向一端側の部分同士を連結する第1連結部と、を更に備えるようにしてもよい。
このように、第1リンクと第2リンクとを連結することで、双方の剛性が向上する。
また、前記第1連結部の少なくとも一部は、前記第1リンクの前記車体フロア側の端部に収容された状態で固定されているようにしてもよい。
このようにすると、第1連結部と第1リンクとの連結部分がコンパクトとなる。
また、シートクッションを備え、車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートであって、前記シートクッションにおける前記車両用シートの前後方向の一方側と前記車体フロアとに連結され、前記車体フロア及び前記シートクッションに対して前記前後方向に回動可能であり、前記車体フロアに対して回動して前記シートクッションを前記収納位置に移動させる第1リンクを備え、該第1リンクは、閉断面構造を有し、前記シートクッションにおける前記車両用シートの前記前後方向の一方側に回動可能に連結され、前記シートクッションを前記収納位置に移動させるために前記車体フロアに対して回動する第2リンクと、前記第1リンク及び前記第2リンクの各々の延出方向他端側の部分同士を連結する第2連結部と、更に備えるようにしてもよい。
このように、第1リンクと第2リンクとを連結することで、双方の剛性が更に向上する。
また、前記第1リンクは、複数の板材が複数箇所で連結されて構成されており、前記ロック機構は、前記複数の板材の連結箇所の間に配設されているようにしてもよい。
このようにすると、ロック機構の第1リンクへの取り付けが、第1リンクを構成する複数の板材の連結箇所が妨げとなることなく容易となる。
さらに、前記第1連結部の少なくとも一部は、前記第1リンクの前記車体フロア側の端部における前記前後方向のいずれか一方側の2箇所、及び前記第1リンクの前記車体フロア側の端部における前記前後方向のいずれか他方側の1箇所で溶接されており、前記他方側の1箇所は、前記車両用シートの幅方向において、前記一方側の2箇所の間にあると好適である。
このようにすると、第1連結部と第1リンクとの連結部分がコンパクトとなり、且つ、連結が強固となる。
また、前記第1リンクに取り付けられ、前記第1リンクを前記車体フロアに対して着脱するロック機構を備え、該ロック機構は、略U字状を有する前記複数の部材の側面同士が組み合わせられた部位に取り付けられていてもよい。
本発明に係る車両用シートによれば、第1リンクを省資源化、軽量化するとともに剛性を高めることができる。
本発明に係る車両用シートによれば、ロック機構の車両用シートへの固定を安定させつつ、車両用シートの収納時に、ロック機構とフットリンクとが干渉することを避けることができる。
本発明に係る車両用シートによれば、シートベルトアンカーの車両用シートへの固定を安定させることができる。
本発明に係る車両用シートによれば、第1リンクと第2リンクとを連結することで、双方の剛性が向上する。
本発明に係る車両用シートによれば、第1連結部と第1リンクとの連結部分がコンパクトになる。
本発明に係る車両用シートによれば、ロック機構の第1リンクへの取り付けが、第1リンクを構成する複数の板材の連結箇所が妨げとなることなく容易となる。
本発明に係る車両用シートによれば、第1連結部と第1リンクとの連結部分がコンパクトとなり、且つ、連結が強固となる。
本発明の車両用シートの外観図である。 本発明の車両用シートを収納する様子を示す図である(その1)。 本発明の車両用シートを収納する様子を示す図である(その2)。 本発明の車両用シートを収納する様子を示す図である(その3)。 本発明の車両用シートを収納する様子を示す図である(その4)。 シート収納機構の動きを説明するための模式図である(その1)。 シート収納機構の動きを説明するための模式図である(その2)。 シート収納機構の動きを説明するための模式図である(その3)。 本発明の車両用シートの内部機構を後方から見たときの図である。 シート収納機構の斜視図である。 シート収納機構の側面図である。 シート収納機構の背面図である。 内側リンクに設けられたロック機構周りを示す斜視図である。 各回動リンクの模式断面図である。 内側リンクと外側リンクとの溶接部を示す背面図である。 内側リンクと外側リンクとの溶接部を示す側面図である。 シート収納機構の変形例を示す図であり、図12と対応する図である。 従来の車両用シートの構成を示す側面図である。
<<本発明の一実施形態に係る車両用シートの概略構成>>
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る車両用シートについて図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明において、前後方向とは、車両の前後方向(全長方向)を意味し、車両用シートの前後方向に相当する。また、幅方向とは、車両の左右方向(横幅方向)を意味し、車両用シートの幅方向に相当する。
また、以下に説明する各部材の位置や姿勢等については、特に断る場合を除き、車両用シートが使用状態、すなわち、着座状態にあるときの位置や姿勢等であることとする。
本実施形態に係る車両用シート(以下、単にシート)Sは、車両の後部座席を構成するものであり、本実施形態では図1に示すように幅方向において2つ並んで配置されている。幅方向に2つ並んだシートSについては、その横幅(幅方向における長さ)が異なっており、本実施形態では横幅の比が約4:6に設定されている。ただし、これに限定されるものではなく、横幅の比は任意に設定可能であり、例えば5:5であってもよい。
幅方向に2つ並んだシートSは、それぞれ着座部S1を備え、着座部S1は、乗員が着座するシートクッション1、乗員を背側から支えるシートバック2及び乗員の頭部を支えるヘッドレスト3からなる。また、図2等に示すように、各シートSの後方には車体フロアTに形成された凹型の収納スペースT1が設けられている。この収納スペースT1の内部が収納位置に相当し、各シートSは、収納スペースT1に収納可能となるように構成されている。
シートSの収納動作について概説すると、シートSが収納前の状態、すなわち、図2に図示の着座可能状態にあるときに乗員が不図示の操作ストラップを引っ張ると、シートバック2が前傾して着座部S1が折り畳まれるようになる。その後、折り畳まれた着座部S1は、図3及び4に示すように後方に沈み込む方向へ移動する。そして、最終的には、図5に示すように収納スペースT1内にシートS全体が格納される。
そして、シートSは、上記の収納動作を実現するために着座部S1の下部にシート収納機構4を備えている。このシート収納機構4は、着座部S1を収納スペースT1内に向けて移動させるための機構であり、図2等に図示のフットリンク10及び回動リンク20を主たる構成要素として備えている。
フットリンク10は、支持部材に相当し、車体フロアTとシートクッション1との間に配置され、シートクッション1を含む着座部S1を支持する。このフットリンク10は、図12等に図示のロック機構10bを下端部に下向きに備えており、車体フロアT上に取り付けられた図10等に図示のストライカT2に係合する。フットリンク10がストライカT2に係合していることにより、着座部S1が着座可能位置に位置した状態でロックされる。反対に、フットリンク10とストライカT2との係合状態が解除されると、着座部S1を含むシートS全体は、移動自在となり、収納スペースT1内に向かって移動することが可能となる。
フットリンク10とストライカT2との係合状態は、不図示のロック解除機構により解除され、当該ロック解除機構は、着座部S1が所定の姿勢となったとき、より具体的にはシートバック2が前傾して所定位置に至ったときに作動する。
なお、フットリンク10の構成については後に詳述する。
回動リンク20は、長尺状の部材であり、その延出方向一端部(上端部)がシートクッション1、より具体的にはシートクッション1の骨格をなす図9等に図示のシートクッションフレーム1aに連結している。また、回動リンク20の延出方向他端部(下端部)は、車体フロアTに対して回動自在に軸支されている。そして、フットリンク10とストライカT2との係合状態が解除された状態において、回動リンク20が後傾するように回動すると、着座部S1が収納スペースT1内に向かって移動するようになる。すなわち、回動リンク20は、着座可能位置と収納位置との間で着座部S1を移動させるために車体フロアTに対して回動する。
なお、回動リンク20の構成については後に詳述する。
以下、シート収納機構4の動作例について図6乃至8を参照しながら概説する。なお、図6乃至8では、シート収納機構4及び着座部S1の各部を一直線で模式的に示している。また、図6乃至8の各図中、黒塗りの円は、回動中心を示している。
先ず、シートSが着座可能状態にあるときに乗員が不図示の操作ストラップを引っ張ると、前述したように、シートバック2が前傾する。すなわち、シートバック2がシートクッション1に対して図6中、記号d1にて示される方向に回動する。
そして、シートバック2とシートクッション1とがなす角度(図6中、記号αにて示される角度)が所定角度まで小さくなると、これに連動する形で不図示のロック解除機構が作動し、車体フロアT上に取り付けられたストライカT2とフットリンク10との係合状態が解除される。このとき、図7に示すように、シートクッション1の前端部が後述のピストンダンパ24の付勢力により幾分上方に持ち上がるようになる。
また、ストライカT2とフットリンク10との係合状態が解除されると、前述したように、着座部S1が移動自在となり、かかる状態で回動リンク20が後傾すると、折り畳まれた状態の着座部S1が収納スペースT1に向かって移動するようになる。すなわち、回動リンク20が車体フロアTに対して図7中、記号d2にて示される方向に回動すると、着座部S1が後方に廻り込みながら下降する。
また、着座部S1自体は、回動リンク20に対して記号d3にて示す方向に回動することが可能である。これにより、着座部S1は、後方に廻り込みながら下降する際、同時に、シートクッション1と回動リンク20とがなす角度(図7中、記号βにて示される角度)が小さくなるように回動する。
さらに、回動リンク20とフットリンク10は、図10や図11等に図示した中継部材25によって連結されている。この中継部材25が回動リンク20とフットリンク10との間に介在していることにより、回動リンク20の回動がフットリンク10に伝達されるようになる。この結果、フットリンク10は、回動リンク20が後傾すると、折り畳まれるように回動するようになる。すなわち、フットリンク10は、回動リンク20の後傾動作に連動して図7中、記号d4にて示される方向に回動し、当該回動動作が進むにつれてフットリンク10とシートクッション1とがなす角度(図7中、記号γにて示される角度)が小さくなる。
そして、最終的に回動リンク20が所定の位置(具体的には、図8に図示した回動リンク20の位置)に到達するまで後傾した時点で、折り畳まれた状態の着座部S1及びフットリンク10が回動リンク20とともに収納スペースT1内に収納されるようになる。このとき、フットリンク10は、後方側への回動範囲の端部に位置する状態となる。つまり、フットリンク10及び回動リンク20は、幅方向においてシートクッション1(より具体的にはシートクッションフレーム1a)の内側に収まった状態となっている。
<<シート収納機構の構成について>>
次に、前述したシート収納機構4の構成について図9乃至15を参照しながら詳しく説明する。
シート収納機構4は、図9に示すように、後部座席を構成し横幅の異なる2つのシートSのそれぞれに対して個別に設けられている。ここで、横幅が短いシートSに設けられたシート収納機構4と横幅が長いシートSに設けられたシート収納機構4とでは、フットリンク10の個数が異なる等、若干の相違があるものの、基本的な構成については両機構間で同様である。したがって、以下では、横幅が短いシートSのシート収納機構4の構成のみを説明することとする。
シート収納機構4は、図9乃至12に示すように、フットリンク10を備えるとともに、回動リンク20を3つ備えている。より具体的に説明すると、シート収納機構4は、3つの回動リンク20として、内側リンク21、外側リンク22及びガイドリンク23を備えている。また、シート収納機構4は、図10及び11に示すように、付勢部材としてのピストンダンパ24を備えている。
フットリンク10は、板状の鋼材からなり、その両端を折り曲げることによりフランジ部10aを形成して剛性を確保している。フットリンク10は、図12に示すようにロック機構10bを下端部に備えており、車体フロアTに取り付けられたストライカT2に係合する。また、フットリンク10は、回動自在な状態でシートクッション1に連結されている。
より具体的に説明すると、図11に示すように、シートクッション1(厳密には、シートクッションフレーム1a)の前端部にはフットリンク用回動軸10cを固定するための固定ブラケット1bが溶接にて取り付けられている。この固定ブラケット1bに固定されたフットリンク用回動軸10cにフットリンク10の上端部が支持されている。これにより、フットリンク10は、起立位置(図6に図示したフットリンク10の位置)と折り畳み位置(図8に図示したフットリンク10の位置)との間を往来することが可能である。
なお、フットリンク用回動軸10cには不図示のコイルばねが介装されており、当該コイルばねの一端は、フットリンク10の後面に締結され、当該コイルばねの他端は、シートクッションフレーム1aに締結されている。これにより、フットリンク10は、起立位置に向かうようにコイルばねによって付勢される。
一方、フットリンク10には前述した中継部材25の一端部が取り付けられており、回動リンク20(より具体体には、内側リンク21または外側リンク22)から駆動力が伝達されるようになっている。具体的に説明すると、回動リンク20が後傾する向きに回動すると、当該回動動作を利用して中継部材25がフットリンク10の上端部、厳密にはフットリンク用回動軸10cよりも上方に位置する部分を前方に押圧する。これにより、フットリンク10は、上記のコイルばねの付勢力に抗して折り畳まれるように回動するようになる。
なお、図9に示すように、横幅が小さいシートSには、略幅方向中央部分にフットリンク10が1個取り付けられているのに対し、幅方向が大きいシートSには、幅方向外側及び内側にそれぞれ1個ずつ、計2個のフットリンク10が取り付けられている。
内側リンク21は、第1リンクに相当し、シートSが使用状態にある際には着座部S1を支持し、シートSの収納時には着座部S1を収納スペースT1内に移動させる。外側リンク22は、第2リンクに相当し、シートSの収納時には内側リンク21と協働して着座部S1を収納スペースT1内に移動させる。ここで、内側リンク21は、幅方向において内側に位置し、外側リンク22は、幅方向において外側に位置している。なお、幅方向の外側とは、シートSが搭載される車両の側壁(厳密は、シートSから見てより近くに位置する側壁)に近い側のことであり、幅方向の内側とは、車両の側壁から離れている側、より具体的には、隣り合うシートSに近い側のことである。
ガイドリンク23は、第3リンクに相当し、シートSの収納時にシートクッション1が所定の軌道に沿って収納スペースT1に移動するようにシートクッション1をガイドする。
内側リンク21、外側リンク22及びガイドリンク23は、いずれもシートクッション1(厳密には、シートクッションフレーム1a)の後端部に連結されており、車体フロアTに対して回動自在に支持されている。
より具体的に説明すると、車体フロアT(厳密には、収納スペースT1の前側壁面)に取り付けブラケットT3が取り付けられており、取り付けブラケットT3上には、図10乃至12に図示した軸固定具26a、26bが溶接にて取り付けてられている。
そして、一方の軸固定具26aには内側リンク用回動軸21aが固定されており、内側リンク21の下端部が内側リンク用回動軸21aに支持されている。また、他方の軸固定具26bには外側リンク用回動軸22a及びガイドリンク用回動軸23aが固定されており、外側リンク22の下端部が外側リンク用回動軸22aに支持され、ガイドリンク23の下端部がガイドリンク用回動軸23aに支持されている。
以上のように内側リンク21、外側リンク22及びガイドリンク23の各々は、対応する回動軸21a、22a、23aを中心にして前傾又は後傾するように回動する。
なお、内側リンク用回動軸21aと外側リンク用回動軸22aとの位置関係については、各回動軸21a、22aの軸中心が前後方向及び上下方向において一致するように設計されている。一方、外側リンク用回動軸22aとガイドリンク用回動軸23aとの位置関係については、図11に示すように、外側リンク用回動軸22aの軸中心がガイドリンク用回動軸23aの軸中心よりも前方かつ上方に位置するように設計されている。
また、内側リンク21、外側リンク22及びガイドリンク23の各々は、シートクッション1に対して回動自在な状態でシートクッション1に連結されている。より具体的に説明すると、図10乃至12に示すように、シートクッション1(厳密には、シートクッションフレーム1a)の後端部には連結軸21b、22b、23bを固定するための固定ブラケット1c、1dが取り付けられている。
一方の固定ブラケット1cには、内側リンク21の上端部を回動自在に支持する連結軸21bが固定される。他方の固定ブラケット1dには、外側リンク22の上端部を回動自在に支持する連結軸22b、及び、ガイドリンク23の上端部を回動自在に支持する連結軸23bが固定される。
以上のように内側リンク21、外側リンク22及びガイドリンク23の各々は、その上端部が連結軸21b、22b、23bに支持されることにより、シートクッション1に対して相対的に回動することが可能である。換言すると、シートクッション1は、内側リンク21、外側リンク22及びガイドリンク23に対して相対的に回動可能となっている。
次に、内側リンク21、外側リンク22及びガイドリンク23の各々の構造について説明する。
内側リンク21は、略角筒状の鋼材からなり、より詳しく説明すると略U字状に折り曲げられた鋼板21x,(鋼板21xよりも一回り大きい)鋼板21yを組み合わせて、図13に示すように、延出方向に所定の間隔で溶接部21gによって接合して筒状にしたものである。すなわち、内側リンク21の断面(延出方向と交差する断面)は、閉断面となっている。一方で、内側リンク21の鋼板21xにおける延出方向両端部には舌状突起21eaが形成されており、一方(下側)の舌状突起21eaには内側リンク用回動軸21aが取り付けられ、他方(上側)の舌状突起21eaには連結軸21bが取り付けられている。
さらにまた、内側リンク21の鋼板21yにおける車両用シートの幅方向の内側の側壁部には、図10、11及び13に図示のロック機構21cが前向きに取り付けられている。このロック機構21cは、フットリンク10に設けられたロック機構10bと同様、着座部S1を着座可能位置に位置した状態でロックするためのものである。具体的に説明すると、ロック機構21cは、図13に示すように、上下方向において溶接部21gの間であって、鋼板21の内側の面に固定されている。また、ロック機構21cは、着座部S1を着座可能位置でロックするために、車体フロアTのうち、収納スペースT1の前壁面に取り付けられた不図示のストライカに係合する。なお、ロック機構21cとストライカとの係合状態は、フットリンク10に設けられたロック機構10bとストライカT2との係合状態が解除されるタイミングで解除される。以上のように、内側リンク21の前側壁にロック機構21cが取り付けられているので、その分、内側リンク21の剛性がより高くなっている。
また、フットリンク10のロック機構10bが下向きに設けられてストライカT2と係合しているのに対して、内側リンク21のロック機構21cは前向きに設けられて不図示のストライカと係合している。このように、フットリンク10と内側リンク21とでロック機構が設けられている向きが異なる。このため、車両に対して一方向に衝撃が加わった場合に、ロック機構10b又はロック機構21cいずれかについてはロック解除方向の力が加わらないため、ロックを維持しやすくなり、シートSの姿勢を安定して保つことができる。
さらにまた、ロック機構21cの上方であって、内側リンク21の鋼板21yにおけるロック機構21cが取り付けられている内側の側壁部には、図12に示すように、シートベルトアンカー21dが取り付けられている。このシートベルトアンカー21dは、シートベルトの不図示の固定用バックルを固定するものであり、挿通孔を有する2枚の金属板から構成されている。固定用バックルは、2枚の金属板に形成された孔を通るボルトによって、シートベルトアンカー21dに固定される。
以上のように、剛性の高い内側リンク21の前側壁にシートベルトアンカー21dが取り付けられているので、シートベルトアンカー21dが安定して固定され、経年使用によっても配置がずれることがない。
外側リンク22は、円筒の金属パイプを略L字状に折り曲げてなり、長尺部分22gが内側リンク21に沿うように設けられている。一方、L字状の外側リンク22のうち、下短尺部分22lは、内側リンク21に向かって延出している。そして、当該下短尺部分22lは、内側リンク21の延出方向一端部(下端部)に溶接にて接合されている。このように内側リンク21と外側リンク22との間には、両リンク21、22の間を連結する連結部が設けられ、当該連結部は、外側リンク22の一部分、より具体的には外側リンク22の下短尺部分22lにより構成されている。
なお、内側リンク21の一方の端部は、下短尺部分22lの前側、後側及び上側を覆って、下短尺部分22lを収容する収容部21eを構成する。具体的には、内側リンク21の舌状突起21eaは、外側リンク22の下短尺部分22lの外面に沿うように配設されており、収容部21eは、鋼板21xの舌状突起21ea及び下端部21ebと、鋼板21yの両側面を挿通するように形成された略半円状の切欠き21ecとによって形成されている。この収容部21eは、鋼板21xの舌状突起21eaが下短尺部分22lの後側を覆い、下端部21ebが下短尺部分22lの上側を覆い、切欠き21ecが形成された鋼板21yが下短尺部分22lの前側を覆って、下短尺部分22lを収容している。
また、図15A及び15Bに示すように、内側リンク21の下方の端部における鋼板21の両側面2箇所の切欠き21ecの縁、及び舌状突起21eaの下縁の1箇所は、溶接部21fによって下短尺部分22lと接合されている。より具体的には、舌状突起21eaの下縁の溶接部21fは、シートSの幅方向において、鋼板21の両側面2箇所の溶接部21fの間にある。このように、内側リンク21が下短尺部分22lを収容した状態で、相互が上記の位置で溶接されていることによって、内側リンク21と外側リンク22とがコンパクト、且つ、強固に連結されることとなる。
以上のように、内側リンク21は、閉断面形状に構成されていることで、剛性を確保しつつ、省資源化できコストを低減することができる。
また、内側リンク21が外側リンク22の下短尺部分22lを収容した状態で、溶接部21fによって連結されていることにより、コンパクト、且つ、高い接合力で連結されて双方の剛性が向上する。さらに、外側リンク22の下短尺部分22lを内側リンク21との連結部(第1連結部)として用いているので、部品数を増加させることなく内側リンク21と外側リンク22との間を連結することが可能となる。
なお、外側リンク22は、図12に示すように、その屈曲している部分に溶接された延出ブラケット22iを備えている。この延出ブラケット22iは、下方に向かって延出しており、その先端部(下端部)に外側リンク用回動軸22aが取り付けられる。
ガイドリンク23は、アングル型の鋼板からなり、内側リンク21及び外側リンク22の長尺部分22gに沿うように設けられている。このガイドリンク23は、内側リンク21や外側リンク22に比して剛性が低く、着座部S1を支持し搬送するのに十分な強度を備えない。したがって、前述したように、ガイドリンク23は、シートSの収納時に着座部S1が正しい軌跡で収納スペースT1に向かうようにガイドする機能のみを有することになる。
そして、本実施形態では、内側リンク21のサイズ(太さ)が外側リンク22及びガイドリンク23のサイズ(太さ)に比べて大きくなっている。より詳しく説明すると、図14に示すように、内側リンク21は、中抜き四角状の断面を有し、外側リンク22は、中抜き円状の断面を有し、ガイドリンク23は、略L字状の断面を有する。ここで、各回動リンク20の断面とは、各回動リンク20本体(回動軸により支持されている端部とは異なる部分)の断面を意味する。そして、本実施形態では、図14に示すように、内側リンク21は、前後方向における長さ、幅方向における長さ及び断面2次モーメントのいずれにおいても外側リンク22及びガイドリンク23よりも大きくなっている。
ピストンダンパ24は、その延出方向の外側に向かって付勢力を付与する付勢部材であり、本実施形態では、シートSが使用状態にあるときに着座部S1のうち、シートクッション1を上方に付勢する。このピストンダンパ24が設けられていることにより、着座者の荷重が掛かったとしてもシートクッション1が所定位置で良好に保持することが可能となる。かかる性能を発揮するため、ピストンダンパ24の上端部は、シートクッションフレーム1aの側壁に固定されている。
また、ピストンダンパ24は、シートSの収納時、回動リンク20(つまり、内側リンク21、外側リンク22及びガイドリンク23)の回動方向と同じ方向に回動し、回動リンク20とともに後傾する。すなわち、ピストンダンパ24は、シートクッション1を付勢しながら回動リンク20とともに車体フロアTに対して回動する。このため、ピストンダンパ24は、その下端部が不図示の回動軸に支持されている。なお、当該回動軸は、外側リンク用回動軸22a及びガイドリンク用回動軸23aが固定された軸固定具26bに固定されている。
さらに、シートSが収納スペースT1に完全に収納された状態において、ピストンダンパ24は、水平姿勢よりもやや傾いた姿勢にあり、より詳しくは、シートクッションフレーム1aの側壁に固定されている側の端部が回動軸よりも下方に位置した姿勢となる。かかる姿勢にあるピストンダンパ24は、シートクッションフレーム1aを下方に付勢するようになる。これにより、シートSが収納スペースT1に完全に収納された状態において、シートクッション1は、ピストンダンパ24により下方に付勢されているため収納状態を良好に維持することが可能となる。
また、シートSを収納スペースT1に収納されている状態から起立させて使用状態に戻すときにピストンダンパ24による付勢力が上向きに作用すると、シートSが急に跳ね上がって操作者(乗員)に衝突してしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、上述したようにシートSが収納状態にあるときにピストンダンパ24の付勢力が下向きに作用するので、シートSと乗員との衝突を抑制することが可能となる。
ところで、発明が解決しようとする課題の項で説明したように、シートクッション1を含む着座部S1を収納位置に移動させるための機構として複数の回動リンク20を設ける場合には、これらの回動リンク20の配置位置については、互いに干渉しないような位置であるとともに、収納状態でのシートSのコンパクト化を図ることが可能な位置である必要がある。
回動リンク20の配置位置については、また、シートSの幅方向一端側と他端側との間で回動リンク20による支持剛性が均衡するように各回動リンク20をバランスよく配置する必要がある。
回動リンク20の配置については、また、自由度を確保しつつ、回動リンク20同士の干渉若しくは回動リンク20と他の部材と間の干渉を抑制できる位置である必要がある。
そこで、本実施形態では、上述した3つの回動リンク20の配置位置が上記要求を満たすように設計されている。
具体的に説明すると、本実施形態に係る回動リンク20の配置は、図9及び12に示すようにシートSの幅方向中央から見て非対称になっている。より具体的に説明すると、3つの回動リンク20は、幅方向において互いに異なる位置に配置されており、幅方向の外側から内側に向かってガイドリンク23、外側リンク22、内側リンク21の順で配置されている。以上のように各回動リンク20が幅方向において互いに異なる位置に配置されていることにより、回動リンク20同士の干渉を抑制することが可能となる。
特に本実施形態では、サイズ(太さ)が最も大きい回動リンク20(すなわち、内側リンク21)を幅方向内側に配置し、それ以外の回動リンク(すなわち、外側リンク22及びガイドリンク23)を幅方向外側に配置している。換言すると、幅方向において内側リンク21及び外側リンク22のうち、外側リンク22により近い位置にガイドリンク23が配置されている。これにより、幅方向の外側及び内側の一方に回動リンク20が偏って配置されるのを抑制することが可能となる。分かり易く説明すると、本実施形態では、よりサイズの大きい内側リンク21、及び、よりサイズの小さい外側リンク22のうち、外側リンク22に近くなるようにガイドリンク23が配置されている。これにより、3つの回動リンク20がバランスよく配置され、この結果、シートSの幅方向において回動リンク20による支持剛性が均衡するようになる。
なお、本実施形態では2つのシートSが幅方向に並んで設置されている構成であるので、シートSの幅方向内側では幅方向外側に比べて回動リンク20の設置スペースが制限されてしまう。このため、シートSの幅方向内側に配置される回動リンク20については、設置数を少なくし、その分、回動リンク20の剛性を高くする必要がある。かかる理由から、本実施形態では、シートSの幅方向外側については2個の回動リンク20(すなわち、外側リンク22及びガイドリンク23)を配置しているのに対して、シートSの幅方向内側についてはサイズが最も大きい回動リンク20(すなわち、内側リンク21)を1個だけ配置することとしている。
また、本実施形態では、図9及び12に示すように、内側リンク21の配置位置が外側リンク22の配置位置よりもシートSの幅方向中央に近い位置となっている。これにより、内側リンク21の回動に支障が及ぶのを抑制することが可能となる。より詳しく説明すると、3つの回動リンク20の中で内側リンク21のサイズが最も大きく、かかる内側リンク21をシートSの端側に配置すると、シートSの脇位置にある機器(具体的には、隣のシートS)と内側リンク21とが互いに干渉する可能性がある。このため、内側リンク21をシートSの幅方向中央に寄せることにより、内側リンク21と隣のシートSとの干渉を抑制することが可能となる。
さらにまた、本実施形態では、内側リンク21及び外側リンク22は、幅方向において上述のフットリンク10を挟む位置に配置されている。換言すると、フットリンク10は、幅方向において内側リンク21及び外側リンク22の間に位置している。これにより、シートSの収納時、フットリンク10が折り畳まれるように回動する際、フットリンク10が内側リンク21、外側リンク22、ロック機構21c及びシートベルトアンカー21dと干渉してしまうのを抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、前述したように、横幅が長いシートSに2つのフットリンク10が取り付けられている。そして、図9に示すように、2つのフットリンク10のうち、一方(幅方向外側)のフットリンク10が内側リンク21及び外側リンク22の間にある。他方(幅方向内側)のフットリンク10については、横幅が短いシートSが備える内側リンク21と、横幅が長いシートSが備える内側リンク21との間に配置されている。このように横幅が長いシートSには2つのフットリンク10が取り付けられているので、当該シートSの支持状態をより安定化させることが可能となる。さらに、シートS別の内側リンク21同士の間に位置するフットリンク10については、内側リンク21との干渉が抑制される位置に配置されているので、各シートSを個別に収納させる際の支障となり難くなる。
そして、本実施形態では、ガイドリンク23がシートSの前後方向において内側リンク21及び外側リンク22とは異なる位置に配置されている。具体的に説明すると、内側リンク21及び外側リンク22は、前後方向において略同じ位置に配置されている。これに対し、ガイドリンク23は、図10及び11に示すように、上記2つの回動リンク20よりもやや後方に配置されている。以上のようなガイドリンク23の配置によって、本実施形態では、シートSをよりコンパクトに収納することが可能となる。つまり、本実施形態では、ガイドリンク23の配置位置を内側リンク21及び外側リンク22の配置位置とずらすことにより、車内スペースを有効に活用して回動リンク20を配置でき、この結果、収納状態のシートSをよりコンパクト化することが可能となる。
また、ガイドリンク23の配置位置は、内側リンク21及び外側リンク22の各々の配置位置よりも幅方向において外側、すなわち、シートSが搭載される車両の側壁に近い位置となっている。このような位置関係によって、ガイドリンク23の配置位置については、内側リンク21や外側リンク22に拘束されることなく自由に決定することが可能となる。さらに、内側リンク21と外側リンク22との間に連結部(具体的には、外側リンク22の下短尺部分22l)が備えられている構成において、ガイドリンク23が両リンク21、22の間から外れた位置に配置されているので、ガイドリンク23と連結部との干渉を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態において、ガイドリンク23の傍には前述のピストンダンパ24が設けられている。より具体的に説明すると、ピストンダンパ24は、図11及び12に示すように、前後方向においてはガイドリンク23よりも前方に位置し、幅方向においてはガイドリンク23と略同じ位置に配置されている。換言すると、ピストンダンパ24は、前後方向においてガイドリンク23と並ぶ位置に設けられている。
以上のような位置関係により、シートSの収納時には、ピストンダンパ24がその延出方向外側に向かってシートクッション1を付勢しながらガイドリンク23とともに車体フロアTに対して回動するようになる。これにより、ガイドリンク23は、ピストンダンパ24の付勢力にアシストされながら、シートクッション1を含む着座部S1を収納位置にスムーズに移動させることが可能となる。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態には、主として本発明の車両用シートについて説明した。しかし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、ガイドリンク23がシートSの前後方向において内側リンク21及び外側リンク22よりも後方に配置されていることとした。ただし、ガイドリンク23の配置位置については、内側リンク21及び外側リンク22の後方位置に限定されるものではない。すなわち、ガイドリンク23の配置位置については、回動リンク20同士の干渉を抑えつつシートSをよりコンパクトに収納することが可能な位置であればよく、前後方向において内側リンク21及び外側リンク22と異なる位置である限り、特に限定されるものではない。
また、上記の実施形態では、内側リンク21が前後方向における長さ、幅方向における長さ及び断面2次モーメントのいずれにおいても外側リンク22よりも大きくなっていることとしたが、これに限定されるものではない。つまり、内側リンク21は、前後方向における長さ、幅方向における長さ及び断面2次モーメントの少なくとも一つ以上において外側リンク22よりも大きくなっていればよい。
また、上記の実施形態では、内側リンク21と外側リンク22との間に両リンク21、22の間を連結する連結部が設けられていることとした。さらに、本実施形態では連結部が外側リンク22の一部分、より具体的には外側リンク22の下短尺部分22lであることとした。これにより部品数を増加させることなく内側リンク21と外側リンク22との間を連結させて外側リンク22の剛性を確保することが可能となる。かかる効果をより有効発揮するために、図16に示すように、外側リンク22を横向きU字状に折り曲げて、上側及び下側に形成された上短尺部分22h及び下短尺部分22lをそれぞれ連結部として用いることとしてもよい。
すなわち、内側リンク21及び外側リンク22の各々の延出方向一端側の部分同士を連結する第1連結部、及び、内側リンク21及び外側リンク22の各々の延出方向他端側の部分同士を連結する第2連結部を備えていることとしてもよい。かかる構成によれば、外側リンク22の剛性を更に向上させることが可能となる。そして、第1連結部及び第2連結部については、外側リンク22に形成された上側の上短尺部分22h及び下側の下短尺部分22lにより構成されていることとしてもよい。また、上短尺部分22hにおいても、下短尺部分22lと同様に、内側リンク21を収容する収容部を構成して、内側リンク21に溶接するようにすると、コンパクト化でき、剛性を向上させることができる。
また、上記の実施形態では、内側リンク21と外側リンク22の下短尺部分22lとが、内側リンク21の一方の端部における側面の縁の2箇所及び舌状突起21eaの下縁の1箇所の溶接部21fによって接合されていることとした。しかし、その溶接部21fの位置、数は限定されず、内側リンク21と外側リンク22とが安定して接合できれば、双方の形状に応じて変更してもよい。
また、上記の実施形態では、回動リンク20の個数が3つであることとしたが、回動リンク20の個数については少なくとも3つ以上であればよく、4つ以上の回動リンク20を有する車両用シートに対しても本発明は適用可能である。
S シート
S1 着座部
T 車体フロア
T1 収納スペース
T2 ストライカ
T3 取り付けブラケット
1 シートクッション
1a シートクッションフレーム
1b、1c、1d 固定ブラケット
2 シートバック
3 ヘッドレスト
4 シート収納機構
10 フットリンク
10a フランジ部
10b ロック機構
10c フットリンク用回動軸
20 回動リンク
21 内側リンク
21a 内側リンク用回動軸
21b 連結軸
21c ロック機構
21d シートベルトアンカー
21e 収容部
21ea 舌状突起
21eb 下端部
21ec 切欠き
21f、21g 溶接部
21x、21y 鋼板
22 外側リンク
22a 外側リンク用回動軸
22b 連結軸
22g 長尺部分
22h 上短尺部分
22i 延出ブラケット
22l 下短尺部分
23 ガイドリンク
23a ガイドリンク用回動軸
23b 連結軸
24 ピストンダンパ
25 中継部材
26a、26b 軸固定具
100 回動リンク

Claims (9)

  1. シートクッションを備え、車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートであって、
    前記シートクッションにおける前記車両用シートの前後方向の一方側と前記車体フロアとに連結され、前記車体フロア及び前記シートクッションに対して前記前後方向に回動可能であり、前記車体フロアに対して回動して前記シートクッションを前記収納位置に移動させる第1リンクを備え、
    該第1リンクは、閉断面構造を有して延出しており、延出方向から見たときに略U字状を有する複数の部材から成り、
    該複数の部材は、前記前後方向に対向して配置されて接合部によって接合されており、
    該接合部は、組み合わせられた前記複数の部材の側面同士を接合していることを特徴とする車両用シート。
  2. シートクッションを備え、車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートであって、
    前記シートクッションにおける前記車両用シートの前後方向の一方側と前記車体フロアとに連結され、前記車体フロア及び前記シートクッションに対して前記前後方向に回動可能であり、前記車体フロアに対して回動して前記シートクッションを前記収納位置に移動させる第1リンクを備え、
    該第1リンクは、閉断面構造を有し、
    前記第1リンクに取り付けられ、前記第1リンクを前記車体フロアに対して着脱するロック機構と、
    一端が、前記シートクッションにおける前記前後方向の他方側に連結され、前記シートクッションに前記前後方向について回動可能であり、他端が前記車体フロアに対して着脱可能に支持されたフットリンクと、を更に備え、
    該フットリンクは、前記シートクッションが前記収納位置にあるときには前記前後方向の前記一方側における回動範囲の端部に位置する状態となり、
    前記ロック機構は、前記車両用シートの幅方向において前記フットリンクとは反対側で前記第1リンクに取り付けられていることを特徴とする車両用シート。
  3. シートクッションを備え、車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートであって、
    前記シートクッションにおける前記車両用シートの前後方向の一方側と前記車体フロアとに連結され、前記車体フロア及び前記シートクッションに対して前記前後方向に回動可能であり、前記車体フロアに対して回動して前記シートクッションを前記収納位置に移動させる第1リンクを備え、
    該第1リンクは、閉断面構造を有し、
    前記シートクッションにおける前記車両用シートの前記前後方向の一方側に回動可能に連結され、前記シートクッションを前記収納位置に移動させるために前記車体フロアに対して回動する第2リンクと、
    前記第1リンク及び前記第2リンクの各々の延出方向一端側の部分同士を連結する第1連結部と、を更に備えることを特徴とする車両用シート。
  4. シートクッションを備え、車体フロアに形成された収納位置に収納可能な車両用シートであって、
    前記シートクッションにおける前記車両用シートの前後方向の一方側と前記車体フロアとに連結され、前記車体フロア及び前記シートクッションに対して前記前後方向に回動可能であり、前記車体フロアに対して回動して前記シートクッションを前記収納位置に移動させる第1リンクを備え、
    該第1リンクは、閉断面構造を有し、
    前記シートクッションにおける前記車両用シートの前記前後方向の一方側に回動可能に連結され、前記シートクッションを前記収納位置に移動させるために前記車体フロアに対して回動する第2リンクと、
    前記第1リンク及び前記第2リンクの各々の延出方向他端側の部分同士を連結する第2連結部と、更に備えることを特徴とする車両用シート。
  5. 前記第1連結部の少なくとも一部は、前記第1リンクの前記車体フロア側の端部に収容された状態で固定されていることを特徴とする請求項に記載の車両用シート。
  6. 前記第1リンクは、複数の板材が複数箇所で連結されて構成されており、
    前記ロック機構は、前記複数の板材の連結箇所の間に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用シート。
  7. 前記第1連結部の少なくとも一部は、前記第1リンクの前記車体フロア側の端部における前記前後方向のいずれか一方側の2箇所、及び前記第1リンクの前記車体フロア側の端部における前記前後方向のいずれか他方側の1箇所で溶接されており、
    前記他方側の1箇所は、前記車両用シートの幅方向において、前記一方側の2箇所の間にあることを特徴とする請求項又は5に記載の車両用シート。
  8. 前記第1リンクに取り付けられ、前記第1リンクを前記車体フロアに対して着脱するロック機構を備え、
    該ロック機構は、略U字状を有する前記複数の部材の側面同士が組み合わせられた部位に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  9. 前記第1リンクにシートベルトアンカーが固定されており、
    該シートベルトアンカーの後端部は、前記シートベルトアンカーが固定される部位の前記第1リンクの後端部よりも前記前後方向において前側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車両用シート。
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