JP6108613B2 - 誘導加熱装置及び熱処理方法 - Google Patents
誘導加熱装置及び熱処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6108613B2 JP6108613B2 JP2013105235A JP2013105235A JP6108613B2 JP 6108613 B2 JP6108613 B2 JP 6108613B2 JP 2013105235 A JP2013105235 A JP 2013105235A JP 2013105235 A JP2013105235 A JP 2013105235A JP 6108613 B2 JP6108613 B2 JP 6108613B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- induction heating
- heating coil
- conductors
- workpiece
- steel workpiece
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- General Induction Heating (AREA)
Description
図6に示す高周波焼入装置(誘導加熱装置)100は、一つの電源部5と、一つの変成器6、一つの誘導加熱コイル8が組み合わされたものである。
この様なワークは、一般的に高周波焼き入れには適さない。特に、幅や高さが一定でなく、凹凸や開口を有するワークは、高周波焼き入れを行い難い。
しかしながら、誘導加熱コイルは、一般にコイルを構成する導体が直列的に接続されたものである。即ち誘導加熱コイルは、コイルを構成する導体が一筆書きのごとくに、直列に繋がっている。そのため複雑なワークに合致する形状の誘導加熱コイルは、導体が入り組み、実質的に作ることができない。
即ち厚さの薄い部位は、誘導加熱によって急激に昇温する。これに対して厚さの厚い部位は、比較的温度上昇が緩やかとなる。
即ち誘導加熱コイルは、前記した様にコイルを構成する導体が直列的に接続されたものであるから、コイルのいずれの部位も、流れる電流値は同一である。そのためコイルのいずれの部位も、ワークに与える温度上昇効果が同一であり、薄い部位は急激に昇温し、厚さの厚い部位は所望の温度まで上昇しにくい。
即ち、誘導加熱コイルをワークの各部に近接して配置し、誘導加熱を行うには、各誘導加熱コイルに適量の電流を通電する必要がある。しかしながら、各誘導加熱コイルに供給される電流を調節することは困難である。
例えば、理論的には、各誘導加熱コイルに可変抵抗を取り付け、抵抗値を変えることによってコイルに適量の電流を通電することができる。しかしながら、高周波焼き入れを行うには、各誘導加熱コイルに大電流を通電する必要があるから、可変抵抗が過度に発熱してしまう。そのため可変抵抗によって電流を調節することは困難である。
また併せて、本発明は、複雑な形状のワークや、肉厚の薄いワーク、面積が広いワークであっても誘導加熱によって加熱することができる熱処理方法を提案するものである。
また本発明の誘導加熱装置では、複数の誘導加熱コイルが並列に接続されているが、一部又は全部の誘導加熱コイルは、実動部を含む誘導加熱コイルの通電距離を変更する通電距離調節部を有している。
そのため通電距離調節部を調節することにより、実動部を含む誘導加熱コイルの通電距離が変わり、コイルのインピーダンスが変わる。その結果、コイルに流れる電流を所望の値に変更することができる。
通電距離調節部は、複数の導体と、前記複数の導体と同時に接触して前記複数の導体を短絡させる短絡部材とを有し、短絡部材は、前記複数の導体との接触位置を変更可能であり、一又は一群の導体の一部と、他の一又は一群の導体の一部が、実動部に対して直列に接続され、実動部と、一又は一群の導体と、短絡部材と、他の一又は一群の導体とが直列に接続されることとなることが望ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の誘導加熱装置を使用して鋼製ワークを熱処理する熱処理方法において、鋼製ワークの所定の位置に一つの誘導加熱コイルの実動部を近接させ、鋼製ワークの他の位置に他の一つの誘導加熱コイルの実動部を近接させ、前記鋼製ワークの複数の箇所を同時に発熱させることを特徴とする熱処理方法である。
本実施形態の誘導加熱装置1は、図1の様に高周波発振器2(交流商用電源を含む)やコンデンサ3等からなる電源部5と、変成器6と、第一誘導加熱コイル20と第二誘導加熱コイル21等によって構成されている。
本実施形態では、第一誘導加熱コイル20と第二誘導加熱コイル21は、並列に接続されている。即ち、第一誘導加熱コイル20は、接続端子A,Bを有し、第二誘導加熱コイル21は、接続端子a,bを有している。
また変成器6は、出力端子C,Dを有している。そして変成器6は、出力端子Cが、第一誘導加熱コイル20の接続端子Aと、第二誘導加熱コイル21の接続端子aに接続されている。
またそして変成器6の出力端子Dが、第一誘導加熱コイル20の接続端子Bと、第二誘導加熱コイル21の接続端子bに接続されている。
通電距離調節部30は、二列の導体31,32と、短絡部材33によって構成されている。
そして一方の導体31の一端側は、第二誘導加熱コイル21の実動部26と連通している。導体31の他端側は、自由端である。
また他方の導体32の一端側は、第二誘導加熱コイル21の接続端子bと連通している。導体32の他端側は、自由端である。
二列の導体31,32自体は、直接接触していない。
従って、第二誘導加熱コイル21の接続端子a、実動部26、導体31、短絡部材33、導体32及び接続端子bは、直列接続状態となる。
そのため第二誘導加熱コイル21のインダクタンスが変わる。その結果、高周波電流を通電した際のインピーダンスが変わり、第二誘導加熱コイル21に流れる電流値が変わる。
図2は、高周波焼き入れを実施する鋼製のワーク40を図示している。
ワーク40は、平面形状があたかもブーメランの如くに湾曲している。また中央と両端の近傍に開口41,42,43がある。さらに中央に溝45がある。
第一誘導加熱コイル50は、ワンターンコイルであり、実動部53の平面形状は、図3の様に湾曲している。第一誘導加熱コイル50は、接続端子A,Bを有している。
なお本実施形態では、第一誘導加熱コイル50の実動部53は、図3の様にワーク40の上面側であって、外側の曲面80に近い部位に配される。
第二誘導加熱コイル51についてもワンターンコイルであり、実動部55の平面形状は、図4の様に湾曲している。第二誘導加熱コイル51は、接続端子a,bを有している。
なお本実施形態では、第二誘導加熱コイル51の実動部55は、図3の様にワーク40の上面側であって、内側の曲面81に近い部位に配される。
通電距離調節部60は、二列の導体61,62と、短絡部材63及びスペーサ65によって構成されている。
導体61,62は、いずれも断面形状が長方形のバーである。即ち導体61,62は、いずれも短冊状である。導体61,62には、中央に長手方向に延びるスリット66,67が設けられている。
短絡部材63は、銅等の導電性の高い素材で作られたものであり、断面形状が長方形のブロックである。短絡部材63には貫通孔68(図5)が設けられている。
スペーサ65は、絶縁体のブロックである。
そして当該空間に短絡部材63が摺動可能に配されている。そして導体61,62のスリット66,67及び短絡部材63の貫通孔68にボルト・ナット70が挿通されている。
また他方の導体61の端部(スペーサ65が無い側)には、接続端子bが設けられている。なお接続端子bは、第二誘導加熱コイル51全体の端子として機能する。
本実施形態においても、第二誘導加熱コイル51の接続端子a、実動部55、導体62、短絡部材63、導体61及び接続端子bは、直列接続状態となる。
そして先の実施形態と同様に、出力端子Cが、第一誘導加熱コイル50の接続端子Aと、第二誘導加熱コイル51の接続端子aに接続されている。
またそして変成器6の出力端子Dが、第一誘導加熱コイル50の接続端子Bと、第二誘導加熱コイル51の接続端子bに接続されている。
本第二実施形態の誘導加熱装置48についても、短絡部材63を移動させることによって第二誘導加熱コイル51のインダクタンスが変わる。その結果、高周波電流を通電した際のインピーダンスが変わり、第二誘導加熱コイル51に流れる電流値が変わる。
2 高周波発振器
5 電源部
6 変成器
20 第一誘導加熱コイル
21 第二誘導加熱コイル
23 ワーク(鋼製ワーク)
25,26 実動部
30 通電距離調節部
31,32 導体
33 短絡部材
40 ワーク
48 誘導加熱装置
50 第一誘導加熱コイル
51 第二誘導加熱コイル
53,55 実動部
60 通電距離調節部
61,62 導体
65 スペーサ
66,67 スリット
A,B 接続端子
a,b 接続端子
C,D 出力端子
Claims (4)
- 鋼製ワークに近接して前記鋼製ワークに誘導電流を発生させる誘導加熱コイルを有し、鋼製ワークに発生した誘導電流によって鋼製ワーク自身を発熱させて鋼製ワークに熱処理を施す誘導加熱装置において、
一つの鋼製ワークを加熱する複数の誘導加熱コイルを有し、一部又は全部の誘導加熱コイルは、前記鋼製ワークに近接して実質的に鋼製ワークの発熱に寄与する実動部と、実動部を含む誘導加熱コイルの通電距離を変更する通電距離調節部を有し、
前記複数の誘導加熱コイルは電気的に並列接続され、複数の誘導加熱コイルに流れる電流を前記通電距離調節部によって調節することが可能であり、
前記通電距離調節部は、複数の導体と、前記複数の導体と同時に接触して前記複数の導体を短絡させる短絡部材とを有し、複数の導体の間には空間があり、短絡部材は、前記複数の導体との接触位置を変更可能であり、
前記通電距離調節部と前記実動部とが平面視して重なる様に近接した位置関係に配置されていることを特徴とする誘導加熱装置。 - 二つの誘導加熱コイルを有し、前記二つの誘導加熱コイルにはそれぞれ一個ずつ実動部があり、一方の誘導加熱コイルにのみ前記通電距離調節部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
- 二つの誘導加熱コイルを有し、前記通電距離調節部は前記二つの誘導加熱コイルの実動部と平面視して重なる様に近接した位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の誘導加熱装置を使用して鋼製ワークを熱処理する熱処理方法において、鋼製ワークの所定の位置に一つの誘導加熱コイルの実動部を近接させ、鋼製ワークの他の位置に他の一つの誘導加熱コイルの実動部を近接させ、前記鋼製ワークの複数の箇所を同時に発熱させることを特徴とする熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013105235A JP6108613B2 (ja) | 2013-05-17 | 2013-05-17 | 誘導加熱装置及び熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013105235A JP6108613B2 (ja) | 2013-05-17 | 2013-05-17 | 誘導加熱装置及び熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014225419A JP2014225419A (ja) | 2014-12-04 |
JP6108613B2 true JP6108613B2 (ja) | 2017-04-05 |
Family
ID=52123949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013105235A Active JP6108613B2 (ja) | 2013-05-17 | 2013-05-17 | 誘導加熱装置及び熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6108613B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3426000A4 (en) * | 2016-03-02 | 2019-08-07 | NTN Corporation | THERMAL TREATMENT DEVICE AND THERMAL TREATMENT METHOD |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2502138Y2 (ja) * | 1992-04-27 | 1996-06-19 | 富士電子工業株式会社 | 加熱域長さの調節が可能な高周波加熱コイル |
JP3676215B2 (ja) * | 2000-09-22 | 2005-07-27 | 電気興業株式会社 | カムシャフトの低歪高周波焼入方法とその装置 |
-
2013
- 2013-05-17 JP JP2013105235A patent/JP6108613B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014225419A (ja) | 2014-12-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101291598B1 (ko) | 스캔 유도 가열 | |
WO2011118452A1 (ja) | ばねの通電加熱方法及びその装置 | |
KR102388526B1 (ko) | 가열 방법, 가열 장치 및 프레스 성형된 물품에 대한 제조 방법 | |
EP3004402B1 (en) | Heating method, heating apparatus, and hot press molding method for plate workpiece | |
KR20080094963A (ko) | 횡자속 전기 인덕터 | |
KR101114700B1 (ko) | 금속 봉 형태의 치형 랙의 고주파 경화를 위한 인덕터 | |
JP6108613B2 (ja) | 誘導加熱装置及び熱処理方法 | |
EP2900036A1 (en) | High-frequency induction heating device and processing device | |
KR100362814B1 (ko) | 스파크 발생을 방지하기 위한 유닛을 가지는 유도 가열장치 | |
JP6229223B2 (ja) | 薄肉立体形状体の製造方法 | |
US2479341A (en) | Induction heating apparatus | |
WO2016017147A1 (en) | Direct resistance heating method and press-molded product manufacturing method | |
JP5875176B2 (ja) | 軸状ワークの通電加熱装置 | |
US20160353527A1 (en) | Customized Retainer for Induction Heating Coil | |
JP2006028589A (ja) | 直接通電焼入装置による焼入焼戻方法 | |
US3403241A (en) | Induction heating element | |
WO2004036957A1 (en) | Coil for induction heating of a strip or another elongate metal workpiece | |
JP6069725B2 (ja) | 加熱用電極体、通電加熱装置及び通電加熱方法 | |
KR101985467B1 (ko) | 핫 스탬핑 소재 가열 장치 | |
CN207770640U (zh) | 热冲压板料加热装置 | |
JP5481100B2 (ja) | 誘導加熱コイル、誘導加熱装置及び部品製造装置 | |
JP5178756B2 (ja) | ピン端子の接合方法及び装置、並びにピン端子付きパワー基板 | |
US3472992A (en) | Crossfield inductor for inductively heating workpieces of varying cross section | |
JP2009287060A (ja) | 凹状多面部用の高周波焼入焼戻コイル及びこの高周波焼入焼戻コイルを用いた高周波焼入焼戻装置 | |
JP6605218B2 (ja) | 加熱方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160411 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161222 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170302 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170306 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6108613 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |