JP6106806B2 - 判定装置、判定方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンリングの異常を把握するための技術に関する。
ディーゼル機関等の内燃機関の異常を検出する技術として、特許文献1は、掃気口温度と掃気管温度との温度差の平均値が、正常時に求めておいた基準より上昇していると、エンジンとピストンの摺動異常があると判定する技術を開示している。
特開2010−007672号公報
例えば船舶の内燃機関の多くには複数のピストンが備えられ、複数のピストンの各々には、ピストンリングが設けられている。ピストンリングは、ピストンが格納されているシリンダ内の気密を保つことを目的として設けられている。例えばこのピストンリングが損傷した場合、船舶等の運転に支障を来たす原因となったり、他の部品の損傷を招く原因となったりする可能性がある。よって、ピストンリングに異常が生じた場合には、その早期の発見が望まれる。
しかし、多数のピントンリングのうちのごく少数が異常であるだけでは、その異常の有無の検出や異常のある箇所の特定が難しい。また、定期的にピストンリングを1つずつ目視にて確認しようとしても、その作業負担は大きい。特許文献1は、ピストンリングに生じている異常を検出することについては開示していない。
そこで、本発明の目的は、内燃機関が有するピストンリングに生じている異常を把握するための情報を生成することである。
上記目的を達成するため、本発明は、複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気する加圧気体の温度を示す掃気温度データ、及び前記内燃機関の排気温度を示す排気温度データを取得する取得手段と、前記掃気温度データと前記排気温度データの両方が上昇を示した期間の、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇後の状態で安定した場合、前記内燃機関のピストンリングが異常であると判定する判定手段とを備える判定装置を提供する。
上記の判定装置において、前記取得手段は、複数の時点の各々に関し、前記内燃機関の負荷の大小を示す負荷指標を取得し、前記判定手段は、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が、前記掃気温度データ及び前記排気温度データの各々に関し前記負荷指標に応じて定められた基準値から乖離するように上昇した期間の後、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が、前記基準値を越えた状態で安定した場合、前記ピストンリングが異常であると判定する、という構成としてもよい。
また、上記の判定装置において、前記内燃機関は複数のシリンダを有し、前記取得手段は、前記複数のシリンダの各々に応じた前記排気温度データを取得し、前記判定手段は、前記複数のシリンダの各々に応じた前記排気温度データの経時的な変化を比較し、前記複数のシリンダのうち前記上昇及び前記安定を最初に示したシリンダの前記ピストンリングが異常であると判定する、という構成としてもよい。
また、上記の判定装置において、前記取得手段は、複数の時点の各々に関し、前記内燃機関を冷却する冷却材の温度を調整する温度調整機器の制御出力、及び前記冷却材の温度を示す冷却材温度データを取得し、前記判定手段は、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇を示した後に上昇後の状態で安定したことに加え、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇を示した期間において前記温度調整機器の制御出力が上昇を示し、その後に前記制御出力が安定し且つ冷却後の前記冷却材温度データが上昇した場合、前記ピストンリングが異常であると判定する、という構成としてもよい。
また、上記の判定装置において、前記取得手段は、複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気した加圧気体の圧力を示す圧縮圧力データ、及び前記内燃機関で燃焼した前記加圧気体の最大の圧力である燃焼最大圧力を示す燃焼最大圧力データを取得し、前記判定手段は、更に、前記圧縮圧力データと前記燃焼最大圧力データとの両方が下降を示した後に下降後の状態で安定した場合、前記ピストンリングが異常であると判定する、という構成としてもよい。
また、上記の判定装置において、前記内燃機関は船舶に搭載され、前記取得手段は、前記船舶が航行中に遭遇する気象又は海象の計測結果を示す気象海象データを取得し、前記判定手段は、前記気象海象データが所定の条件を満たす間、前記判定を行わない、という構成としてもよい。
また、本発明は、複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気する加圧気体の温度を示す掃気温度データ、及び前記内燃機関の排気温度を示す排気温度データを取得するステップと、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇を示した期間の後、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇後の状態で安定した場合、前記内燃機関のピストンリングが異常であると判定するステップとを備える判定方法を提供する。
また、本発明は、コンピュータに、複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気する加圧気体の温度を示す掃気温度データ、及び前記内燃機関の排気温度を示す排気温度データを取得する処理と、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇を示した期間の後、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇後の状態で安定した場合、前記内燃機関のピストンリングが異常であると判定する処理とを実行させるためのプログラムを提供する。
また、本発明は、コンピュータに、複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気する加圧気体の温度を示す掃気温度データ、及び前記内燃機関の排気温度を示す排気温度データを取得する処理と、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇を示した期間の後、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇後の状態で安定した場合、前記内燃機関のピストンリングが異常であると判定する処理とを実行させるためのプログラムを持続的に記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明によれば、内燃機関の掃気温度及び排気温度の経時的な変化に基づき、内燃機関が有するピストンリングに生じた異常を把握するための情報を生成することができる。
本発明の一実施形態に係る船舶の模式図。 同実施形態に係る動力発生部、冷却機及びその周辺の構成を示す図。 同実施形態に係る内燃機関及び過給機の構成を示す図。 同実施形態に係る内燃機関及び過給機の構成を示す図。 同実施形態に係るコンピュータ装置の構成を示すブロック図。 同実施形態に係るテーブルの構成例を示す図。 同実施形態に係るコンピュータ装置が実行する処理を示すフローチャート。 同実施形態に係る計測結果の経時的な変化の一例を示すグラフ。 本発明の変形例(3)に係る内燃機関及び過給機の構成を示す図。 同変形例に係る圧縮圧力データ、及び燃焼最大圧力データの経時的な変化の一例を示すグラフ。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明で参照する各図において、各部材、各領域等を認識可能な大きさとするために、実際とは縮尺を異ならせている場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る船舶1の模式図を示す。
船舶1は、例えばコンテナ船で、船舶1の本体である船体100と、動力発生部200と、冷却機300と、コンピュータ装置400と、計測装置500とを備える。動力発生部200は、船体100に設けられ、船尾側に設けられたプロペラを回転させるための動力を発生させる。動力発生部200は、ディーゼル機関等の内燃機関(主機)を備え、船舶1の動力を発生させる。冷却機300は、ここでは船体100に設けられた熱交換器で、動力発生部200の内燃機関を水冷方式により冷却する。コンピュータ装置400は、船体100に設けられ、船員が活動するための居住区410に配置されたコンピュータ装置である。計測装置500は、例えば外気温度を計測する温度計や、風向風速計、気圧計、温度計、雨量計及び波高計を備え、船舶1の航行中における気象及び海象の状態(以下「気象海象状態」という。)を示す気象海象データを計測する。また、計測装置500は、平均船速、航行距離及び燃料消費量等の、船舶1の出発地から目的地までの航海に関する情報(航行情報)を特定するためのデータを計測する。
図2は、動力発生部200、冷却機300及びその周辺の構成の構成を示す図である。図3及び図4は、動力発生部200が備える内燃機関210及び過給機220の構成を示す図である。図2の実線の矢印は、信号の流れを意味し、破線の矢印は、冷却のための海水又は冷却水の流れを意味する。図3及び図4の破線の矢印は、気体の流れを意味する。なお、図3は内燃機関210及び過給機220を上方から見た場合の構成を概念的に示し、図4は、内燃機関210及び過給機220を側方から見た場合の構成を概念的に示している。
動力発生部200は、内燃機関210及び過給機220(図2において図示略)を備える。内燃機関210はシリンダを複数備える。以下、例として、内燃機関210が備えるシリンダの数を6本とし、それらをシリンダ211−1〜211−6とする。シリンダ211−1〜211−6の構成は互いに同一である。シリンダ211−1〜211−6の各々を特に区別する必要のないときは、「シリンダ211」と総称する。
図3及び図4に示すように、内燃機関210が備えるシリンダ211の各々は、過給機220から供給される加圧気体を吸気し、燃料タンク(図示略)から供給される燃料との混合気を生成して当該混合気を燃焼させる。シリンダ211の各々の内部には、円柱状のピストン212が設けられている。シリンダ211内で混合気が燃焼すると、熱エネルギーが運動エネルギーに変換されて、ピストン212が、シリンダ211の内側を軸方向に沿って往復移動する。ピストン212の外周面にはリング溝が2個形成され、これらのリング溝にはピストンリング213A,213Bがそれぞれ設けられている。ピストンリング213A,213Bは、シリンダ211の内壁に接する。ピストンリング213A,213Bの各々を特に区別する必要のないときは、以下では「ピストンリング213」と総称する。ピストン212に設けられるピストンリング213の数は、2個に限られず、1個又は3個以上であってもよい。なお、ピストン212の各々が2個のピストンリング213を備える場合、内燃機関210は全体で計12個のピストンリング213を備えることになる。
過給機220は、シリンダ211に加圧気体を供給するとともに、シリンダ211からの排気ガスにより駆動される。過給機220は、シリンダ211からの排気ガスのエネルギーにより回転するタービン221と、タービン221により回転駆動されて吸気した外気に加圧するコンプレッサ(圧縮機)222と、コンプレッサ222により生成される加圧気体を冷却するガス冷却機223と、冷却された加圧気体を一時的に貯留した後、掃気ポート(図示略)を介してシリンダ211内に加圧気体を送り込む掃気レシーバ224と、シリンダ211内の燃焼によって生成された排気ガスを一時的に貯留した後、タービン221に供給する排気レシーバ225とを備える。
内燃機関210には、掃気温度センサ250−1〜250−6(以下「掃気温度センサ250」と総称することがある。)と、排気温度センサ260−1〜260−6(以下「排気温度センサ260」と総称することがある。)を備える。掃気温度センサ250−1〜250−6は各々、掃気レシーバ224からシリンダ211−1〜211−6へと加圧気体を導く導通管内に配置され、過給機220からシリンダ211の各々に供給される加圧気体(掃気)の温度(掃気温度)を計測し、掃気温度を示す掃気温度データを出力する。排気温度センサ260−1〜260−6は各々、シリンダ211−1〜211−6から排出された排気ガスを排気レシーバ225へと導く導通管内に配置され、内燃機関210(シリンダ211の各々)の排気温度を計測し、排気温度を示す排気温度データを出力する。
図2に戻り、冷却機300は、シリンダ211の各々から熱を奪いそれらを冷却した後の冷却水を、船外から取り入れられて経路CAを流れる海水と熱交換を行うことにより冷却する。即ち、冷却水は、内燃機関210を冷却する冷却材として機能する。海水温度センサ230は、経路CAを流れる海水の温度(海水温度)を計測し、海水温度を示す海水温度データを出力する。冷却機300は、熱交換後の海水を船外へ排出する。冷却機300から流出又は冷却機300に流入する冷却水は、内燃機関210(シリンダ211−1〜211−6)を経由する閉鎖回路CBを循環する。閉鎖回路CBには、冷却機300を迂回して冷却水を循環させるためのバイパスラインBPが設けられ、更に、バイパスラインBPと閉鎖回路CBとの合流箇所には、三方弁の機構を持つ温度調整機器として、温度調整弁231が設けられている。温度調整弁231は、内燃機関210に流入する冷却水の温度を調整するために、温度調整弁制御部270により、温度調整機器の制御出力としてのバイパスラインBPに対する開度が調整される。閉鎖回路CBにおいて、内燃機関210よりも下流側、且つ閉鎖回路CBから分岐するバイパスラインBPの分岐箇所よりも上流側に、内燃機関210を冷却した後の冷却水の温度を計測する冷却水温度センサ232が配置されている。温度調整弁制御部270は、冷却水温度センサ232から冷却水の温度を示す冷却水温度データを取得し、内燃機関210を冷却した後の冷却水の温度を所定の温度(即ち、目標温度)に近づけるように、温度調整弁231の開度を調整する。温度調整弁231の開度の調整によって、冷却機300を経由して流れる冷却水と、バイパスラインBPを経由して流れる冷却水との配分が調整される。
更に、閉鎖回路CBを流れる冷却水は、温度調整弁231が配置された位置よりも下流側で分岐し、シリンダ211−1〜211−6にそれぞれ流入する。シリンダ211−1〜211−6を冷却した後の冷却水は、合流後、冷却機300又はバイパスラインBPへ流れる。
冷却水温度センサ240−1〜240−6(以下「冷却水温度センサ240」と総称する。)は各々、シリンダ211−1〜211−6を冷却した後の冷却水の温度(以下「冷却水出口温度」という。)を計測するセンサで、冷却水出口温度を示す冷却水出口温度データを出力する。冷却水温度センサ240は、シリンダ211を冷却した後の冷却水の合流地点よりも上流側に配置される。
負荷取得部280は、内燃機関210の負荷(主機負荷)を取得する負荷取得手段として機能する。本願において内燃機関の負荷とは、内燃機関の単位時間当たりの仕事量を意味する。負荷取得部280は、例えば、過給機220の掃気圧力データを主機210の負荷のデータとして取得する。船舶1が建造された際の試運転時において、内燃機関210の各種データ(掃気圧力を含む。)を計測、記録してあるため、試運転時の掃気圧力データと比較しての主機210の負荷を推定することが可能である。掃気圧力は、内燃機関210の負荷の大小の指標となる。そして、負荷取得部280は、取得(推定)した負荷のデータを出力する。
コントローラ290は、動力発生部200及び冷却機300の各部で計測された結果のデータを収集して蓄積する。コントローラ290は、海水温度センサ230から海水温度データを、温度調整弁制御部270から温度調整弁231の開度を、冷却水温度センサ240の各々から冷却水出口温度データを、掃気温度センサ250の各々から掃気温度データを、排気温度センサ260の各々から排気温度データを、負荷取得部280から負荷のデータを、それぞれ収集する。コントローラ290は、収集し蓄積したデータを、コンピュータ装置400へ出力する。
図5は、コンピュータ装置400の構成を示すブロック図である。
コンピュータ装置400は、内燃機関210が有するピストンリング213が異常であるか否かを船員等のユーザが判定するための情報を出力する出力装置として、また、ピストンリング213が異常であるか否かを自動的に判定する判定装置として機能する。ピストンリング213の異常は、例えばピストンリング213の損傷(例えば折れ)であり、シリンダ211内の気密性が損なわれる原因となる。
コンピュータ装置400は、制御部401と、記憶部402と、表示部403と、入出力部404と、通信部405と、操作部406とを備える。制御部401は、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータである。CPUは、ROM又は記憶部402に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、コンピュータ装置400の各部を制御する。制御部401は、取得手段401Aと、判定手段401Bと、出力手段401Cに相当する機能を実現する。取得手段401Aは、コントローラ290及び計測装置500からデータを取得する手段である。判定手段401Bは、取得手段401Aにより取得されたデ−タに基づき、ピストンリング213のいずれかが異常であるか否かを判定する手段である。
出力手段401Cは、掃気温度データの経時的な変化を示す第1出力と、当該第1出力と同一の時点における、排気温度データの経時的な変化を示す第2出力とを出力する。また、出力手段401Cは、前記第1出力及び前記第2出力と同一の時点における、開度の経時的な変化を示す第3出力と、前記第1出力及び前記第2出力と同一の時点における、冷却材温度データの経時的な変化を示す第4出力とを出力する。出力手段401Cは、更に、前記第1出力及び第2出力と同一の時点における、内燃機関210の負荷(負荷指標)に応じた基準値の経時的な変化を示す第5出力を出力する。更に、出力手段401Cは、気象海象データの経時的な変化を示す第6出力を出力する。出力手段401Cは、本実施形態では、第1〜第6出力としてのグラフを表示部403に出力する。表示部403により表示されるグラフは、ピストンリング213の異常の有無を船員等のユーザが判定するための情報である。
記憶部402は、例えばハードディスク装置で、コンピュータ装置400を動作させるためのプログラム、及びテーブルTを記憶する。図6に示すように、テーブルTは、内燃機関210のシリンダ211の各々に関し、例えば定期的に計測又は取得される、負荷、海水温度データ、温度調整弁231の開度(温度調整弁開度)、冷却水出口温度データ、掃気温度データ、及び排気温度データ、外気温度データ、気象海象データ、及び日時データを互いに関連付けて格納するテーブルである。表示部403は、例えば液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入出力部404は、コントローラ290及び計測装置500との間でデータの入出力を行うためのインタフェースである。通信部405は、例えば、ネットワークに接続するための通信回路及びアンテナを備え、陸上に設置されたコンピュータ装置とネットワーク経由で通信する。操作部406は、例えばキーボード及びマウスを備え、操作者(ここでは船員)が行った操作を受け付ける。
図7は、コンピュータ装置400が実行する処理を示すフローチャートである。コンピュータ装置400は、例えば、図7に示す処理を定期的に、又は船員からの指示に応じて実行する。
コンピュータ装置400の制御部401は、まず、計測装置500から計測結果を示すデータを、また、コントローラ290から海水温度データ、温度調整弁231の開度、冷却水出口温度データ、排気温度データ、掃気温度データ、及び内燃機関210の負荷の計測結果を示すデータを取得する(ステップS1)。次に、制御部401は、ステップS1において計測装置500から取得したデータが示す風向、風速、波高等に基づき、船舶1が現在遭遇している気象海象状態を示す気象海象データを取得する(ステップS2)。気象海象データは、例えば、荒天の度合いを1〜10の10段階に区分したもの(例えば、数値が大きい程、荒天の度合いが高いことを示す。)であるが、その形式はこれに限られない。なお、制御部401は、計測装置500から取得したデータの使用に代えて、もしくは加えて、通信部405を介して気象情報を提供するサーバ装置から気象海象状態を示すデータを取得して、船舶1が現在遭遇している気象海象状態を示す気象海象データを取得してもよい。
次に、制御部401は、ステップS1で取得した負荷の計測結果、海水温度データ、温度調整弁231の開度、冷却水出口温度データ、排気温度データ、掃気温度データ、及び外気温度データと、ステップS2で取得した気象海象データとを、これらの計測又は取得の日時を示す日時データとともに互いに対応付けて、テーブルTに格納する(ステップS3)。次に、制御部401は、テーブルTに格納した気象海象データを閾値と比較することにより、ピストンリング213の異常の有無の判定を行うか否かを判定する(ステップS4)。例えば、閾値として「7」が設定されている場合、制御部401は、ステップS3において最後にテーブルTに格納した気象海象データが示す数値が6以下であるならば、ピストンリング213の異常の有無の判定を行う、と判定する(ステップS4;YES)。これは、船舶1が遭遇している気象がひどい荒天ではない場合、ステップS1において取得したデータが種々の外乱により乱れる程度が小さく、それらのデータに基づきピストンリング213の異常の有無の判定が可能であるためである。この場合、制御部401は、掃気温度データ等の経時的な変化に基づき、ピストンリング213の異常の有無の判定を行う(ステップS5)。
以下に、ステップS5において制御部401が行う判定の方法を説明する。
まず、制御部401は、取得した各データの経時的な変化を示すグラフを生成する。図8は、制御部401が生成するグラフの一例である。図8において、横軸は時刻を表し、縦軸は気象海象データ、海水温度データ、温度調整弁231の開度、冷却水出口温度データ、排気温度データ、又は掃気温度データを表す。図8に示す気象海象データ、海水温度データ、及び温度調整弁231の開度に関するグラフは、シリンダ211−1〜211−6において共通するグラフである。一方、図8に示す冷却水出口温度データ、排気温度データ、及び掃気温度データに関するグラフは、シリンダ211−1〜211−6の各々に応じて生成されるが、図8には例として、シリンダ211−1に関するグラフのみを示している。また、図8に示す各グラフは、互いに時間軸を共有している。
図8において実線のグラフは、各データの移動平均、即ち、単位期間毎の平均値を示す。また、図8(最上段及び第2段を除く。)において一点鎖線のグラフは、各時点における負荷に応じた基準値を示す。例えば、図8の最下段における一点鎖線のグラフは、グラフの横軸に示される各時刻における内燃機関210の負荷に応じたシリンダ211−1の掃気温度データの基準値を示す。制御部401は、例えば、負荷帯毎に、過去の所定時間長の期間(ステップS4の判定において、ピストンリング213が異常であると判定された期間を除く。)におけるシリンダ211−1の掃気温度データの平均値を算出し、それらを負荷帯毎の基準値とする。負荷帯は、主機210の負荷の全体の範囲を予め定められた範囲毎(例えば、10%毎)に複数段階に区分した場合の各範囲を示す。例えば、負荷の最大値を100%として10%毎に区切った場合、10%毎に区切った各範囲を負荷帯とする。図8の最下段において点Xで示される点の縦軸の値は、時刻t1における内燃機関210の負荷が属する負荷帯において、ピストンリング213が異常でない状態で、シリンダ211−1において所定時間長の期間に計測されたシリンダ211−1の掃気温度データの平均値を示す。
図8に示されるように、期間Iから期間IIIの全期間を通して、気象海象状態は晴天であり、海水温度データは安定している。また、期間Iにおいては、温度調整弁231の開度、シリンダ211−1の冷却水出口温度データ、シリンダ211−1の排気温度データ、及びシリンダ211−1の掃気温度データの経時的な変化が小さく、基準値の付近で概ね安定している。従って、期間Iにおいては、シリンダ211−1内のピストンリング213に異常はないと推定される。期間IIにおいては、温度調整弁231の開度、シリンダ211−1の排気温度データ、及びシリンダ211−1の掃気温度データが上昇している。従って、期間IIにおいて、シリンダ211−1内のピストンリング213が異常であることが疑われる。その理由は以下のとおりである。
仮にピストンリング213に異常(ここでは損傷)がある場合、シリンダ211の気密性が損なわれる。この場合、シリンダ211内のガスがピストンリング213の位置よりも下部に吹き抜けて、掃気ポートを介して掃気レシーバ224に流れることにより、掃気温度が上昇する。掃気温度が上昇すると、それに伴いシリンダ211の排気温度が上昇する。また、排気温度が上昇した場合、シリンダ211の温度が上昇するため、冷却水出口温度が上昇する。従って、冷却後の冷却水の温度上昇を抑制するように、温度調整弁231の開度が上昇する。このように、温度調整弁231が上昇するとともに、いずれかのシリンダ211に関する掃気温度及び排気温度が連動して上昇した場合、そのシリンダ211が有するピストンリング213が異常である可能性がある。
更に、図8に示す期間IIの後の期間IIIでは、温度調整弁231の開度が上昇した後、高止まりしている。これは、シリンダ211−1の排気温度の上昇に伴い温度調整弁231の開度が高くなり、上限まで達したことを意味する。この場合、シリンダ211−1の排気温度が更に上昇したとしても、温度調整弁231の開度の調整によってシリンダ211−1の冷却水出口温度の上昇を抑制することができない。このため、期間IIにおいては上昇が抑制されていたシリンダ211−1の冷却水出口温度データが、期間IIIにおいては上昇している。また、期間IIIにおいては、期間IIにおいて上昇したシリンダ211−1の排気温度データ及び掃気温度データが上昇した状態で概ね安定している。これは、温度調整弁231による冷却水の温度調整が機能しなくなった後、ピストンリング213に異常である状態で、温度のバランスが取れたためである。従って、制御部401は、温度調整弁231の開度、シリンダ211−1の冷却水出口温度データ、シリンダ211−1の排気温度データ、及びシリンダ211−1の掃気温度データの経時的な変化が、図8に示すような相関を示す場合、シリンダ211−1のピストンリング213が異常である、と判定する。シリンダ211−2〜211−6に関しても同様である。
なお、図8の例示のように、シリンダ211−1のピストンリング213に異常があり、他のシリンダ、即ちシリンダ211−2〜211−6のピストンリング213に異常がない場合、それらの他のシリンダに関する冷却水出口温度データ、排気温度データ、及び掃気温度データも、シリンダ211−1に関するそれらのデータと同様の経時的な変化を示す。その理由は、シリンダ211の各々を冷却する冷却水が独立しておらず、シリンダ211−1の温度上昇に伴い、他のシリンダ211を冷却する能力が低下するためである。ただし、シリンダ211−2〜211−6の排気温度データ等の経時的な変化の程度は、シリンダ211−1の排気温度データ等の経時的な変化の程度と比べて小さく、また、それらの変化には時間的な遅れを伴う。従って、制御部401は、図8に例示するようなデータの経時的な変化を最初に示し、且つ、その変化の程度が大きいシリンダ211のピストンリング213を、異常であるピストンリング213として特定する。
ステップS4において、気象海象状態が荒天であるためステップS5の判定を行わない、と判定された場合(ステップS4;NO)、又は、ステップS5における判定が完了した場合、制御部401は生成したグラフの表示を指示する表示データを、表示部403に出力する(ステップS6)。ステップS5の判定において、いずれかのシリンダ211のピストンリング213が異常である、と判定した場合、制御部401は、グラフに加え、例えば「警告! 第1のシリンダのピストンリングに異常があります。」といった通知メッセージの表示を指示する表示データを、表示部403に出力する。表示部403は、制御部401から出力される表示データに従い、図8に例示のようなグラフを表示するとともに、ピストンリング213の異常が検出された場合、その旨の通知メッセージを表示する。表示部403の表示内容を見た船員は、ピストンリング213に異常があるかどうか、また、異常がある場合は異常であるピストンリング213がいずれのシリンダ211のピストンリング213であるかを判定し、ピストンリング213のメンテナンス(例えば、部品交換)の実施の要否を判断することができる。例えば、計測結果が、図8に例示の経時的な変化を示す場合、船員は、シリンダ211−1のピストンリング213のメンテナンスを実施すべきと判断する。
なお、いずれかのピストンリング213の異常が検出された場合、コンピュータ装置400がその旨を船員等のユーザに通知する態様は通知メッセージの表示に限られない。例えば、警報音の出力やランプの点灯等の態様により、船員等に対するピストンリング213が異常である旨の通知が行われてもよい。
以上説明した実施形態によれば、温度調整弁231の開度、冷却水出口温度データ、排気温度データ、及び掃気温度データの経時的な変化に基づいて、内燃機関210が備えるピストンリング213の異常を把握するための情報を出力できる。
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
(1)ピストンリング213が正常であっても、外気温度が上昇した場合に、掃気温度や排気温度が上昇する可能性がある。また、ピストンリング213が損傷した場合であっても、同時期に外気温度が低下すれば、掃気温度や排気温度が上昇しない可能性がある。また、ピストンリング213が正常であっても、海水温度が上昇した場合に、温度調整弁231の開度や冷却水出口温度が上昇する可能性がある。また、ピストンリング213が損傷した場合であっても、同時期に海水温度が低下すれば、温度調整弁231の開度や冷却水温度が上昇しない可能性がある。このように、温度調整弁231の開度、冷却水出口温度データ、排気温度データ、及び掃気温度データの経時的な変化は、外気温度や海水温度に例示される外乱要素による影響を受けることがある。そこで、制御部401(出力手段401C)は、温度調整弁231の開度、冷却水出口温度、排気温度、及び掃気温度に影響を与える外乱要素の計測結果を示す外乱データを取得し、掃気温度データを外乱データに基づき補正した補正掃気温度データの経時的な変化を示す第1補正出力を出力する第1の処理を行ったり、排気温度データを外乱データに基づき補正した補正排気温度データの経時的な変化を示す第2補正出力を出力する第2の処理を行ったりしてもよい。制御部401は、本実施形態では、第1,第2補正出力としてグラフを表示部403に出力する。また、制御部401は、補正掃気温度データや、補正排気温度データを用いて、ピストンリング213の異常の有無の判定を行ってもよい。
(2)上述した実施形態では、温度調整機器として温度調整弁231を用い、その制御出力として調整弁の開度を調整する例を示したが、他の温度調整機器による制御を行う場合には、適宜その調整機器の特性に応じた制御出力を用い、当該制御出力の計測結果を取得するようにしてもよい。
(3)内燃機関210が有するピストンリング213の異常を把握するための情報を生成するために、コンピュータ装置400の制御部401(取得手段401A)は、掃気温度データ、及び排気温度データに代えて、複数の時点の各々に関し、内燃機関210が過給機220から吸気した加圧気体の圧力を示す圧縮圧力データ、及び内燃機関210で燃焼した加圧気体の最大の圧力を示す燃焼最大圧力データをそれぞれ取得してもよい。
図9は、この変形例の内燃機関210及び過給機220の構成を示す図である。
圧縮圧力データは、例えば、シリンダ211−1〜211−6内の各々に配置された、加圧気体の圧力を計測する圧力センサ262−1〜262−6により計測される。この圧縮圧力データは、加圧気体の燃焼前(点火前)の圧縮圧力を示し、例えば加圧気体の容積が最も小さくなるピストン上死点付近の圧縮圧力である。燃焼最大圧力データは、例えば、シリンダ211−1〜211−6の各々の内部に設けられた、燃焼された当該加圧気体の圧力(燃焼圧)を計測する燃焼圧センサ264−1〜264−6により計測される。燃焼最大圧力データは、シリンダ211−1〜211−6の各々の内部で燃焼した加圧気体の最大の圧力を示す。
図10は、図8で説明した期間I,II,IIIの各期間における圧縮圧力データ、及び燃焼最大圧力データの経時的な変化を説明する。
期間Iのシリンダ211−1内のピストンリング213に異常がない期間においては、シリンダ211−1における圧縮圧力データ、及び燃焼最大圧力データの経時的な変化は小さく、基準値の付近で概ね安定する。
シリンダ211−1内のピストンリング213の異常が疑われる期間IIにおいては、シリンダ211−1における圧縮圧力データ、及び燃焼最大圧力データは、経時的に低下する。ここでは、圧縮圧力データ、及び燃焼最大圧力データは、期間Iから期間IIに遷移したタイミングで低下した後、低い状態で概ね安定する。例えばピストンリング213が損傷して、シリンダ211−1の気密性が損なわれた場合、シリンダ211−1内のガスがピストンリング213の位置よりも下部に吹き抜けて、掃気ポートを介して掃気レシーバ224に流れることにより、シリンダ211−1内の圧力が低下するからである。期間II後の期間IIIでは、シリンダ211−1内の圧縮圧力データ、及び燃焼最大圧力データが低下した後、低い状態で概ね安定する。従って、制御部401(判定手段401B)は、圧力センサ262−1から取得した圧縮圧力データ、及び燃焼圧センサ264−1から取得した燃焼最大圧力データが、以上説明した経時的な変化を示す場合、シリンダ211−1のピストンリング213が異常である、と判定する。シリンダ211−2〜211−6に関しても同様である。
また、制御部401(出力手段401C)は、圧力センサ262−1から取得した圧縮圧力データの経時的な変化を示す第7出力と、当該第7出力と同一の時点における、燃焼圧センサ264−1から取得した燃焼最大圧力データの経時的な変化を示す第8出力とを出力する。制御部401は、ここでは、第7,第8出力としてのグラフを表示部403に出力する。例えば、制御部401は、図10に示すような、圧縮圧力データの経時的な変化を示すグラフと、当該グラフと時間軸を共有する燃焼最大圧力の経時的な変化を示すグラフとを出力する。また、シリンダ211−2〜211−6に関しても同様である。
なお、制御部401は、上述した実施形態で説明した、掃気温度データ、及び排気温度データと、圧縮圧力データ、及び燃焼最大圧力データとを組み合わせて、ピストンリング213の異常を把握するための情報を生成してもよい。制御部401は、更に温度調整弁231の開度、及び冷却水出口温度データを組み合わせて、ピストンリング213の異常を把握するための情報を生成してもよい。
(4)ステップS6で出力される表示データにより表示されるグラフや通知メッセージの態様は、上述した実施形態で説明した例に限られない。例えば、図8に例示のようなデータの経時的な変化が全てのシリンダ211に関し概ね同時期に同程度に現れた場合、制御部401はピストンリング213の異常ではない他の異常があると判断して、ピストンリング213が異常である旨の通知メッセージの表示を指示する代わりに、例えば、「主機に原因不明の温度異常が見られます。」といった他の通知メッセージの表示を指示する表示データを出力するようにしてもよい。
また、制御部401は、ピストンリング213の異常を把握するためのグラフ以外の情報を出力してもよい。
(5)ステップS6のデータの出力先は表示部403に限られない。例えば、コンピュータ装置400が、通信部405を介して、ドック等の陸上に設置された他のコンピュータ装置に表示データを送信してもよい。
(6)コンピュータ装置400の配置場所は船舶1に限られず、例えば、ドック等の陸上に配置されてもよい。この場合、コンピュータ装置400は、通信部405を介して、船舶1から送信されてくる計測結果を示すデータを受信し用いればよい。
(7)本願の負荷指標は、内燃機関の負荷の大小を示す物理量であればよく、上述した実施形態で説明した掃気圧力によって計測される負荷に限られない。また、本願の負荷指標は、過給機で計測されるデータによって特定される指標に限られない。このため、本願の負荷指標として、例えば、軸馬力計により計測される主機負荷や、単位時間当たりの燃料消費量、過給機のタービンの回転速度等を使用することも可能である。
(8)上述した実施形態で説明した構成及び動作の一部が省略されてもよい。例えば、温度調整弁231の開度及び冷却水出口温度データの少なくとも一方のデータの取得や、当該データに応じた情報の出力が省略されてもよい。この場合、制御部401は温度調整弁231の開度及び冷却水出口温度データの経時的な変化の有無に関係なく、排気温度データ及び掃気温度データの経時的な変化に基づき、ピストンリング213の異常の有無を判定することになる。また、コンピュータ装置400において、気象海象データに関する構成が省かれてもよい。この場合、制御部401は気象海象状態が荒天であるか否かにかかわらず、ピストンリング213の異常の有無を判定することになる。
また、図7のフローチャートを参照して説明したコンピュータ装置400が行う処理の順番が変更されてもよい。
(9)本願の出力装置及び判定装置は、船舶に搭載された内燃機関に限られず、例えば、自動車等の船舶以外の移動体に搭載された内燃機関や、移動体に搭載されない内燃機関にも適用することができる。
(10)上述した実施形態のコンピュータ装置400の制御部401が実現する各機能は、1又は複数のハードウェア回路により実現されてもよいし、1又は複数のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、これらの組み合わせにより実現されてもよい。制御部401の機能がプログラムを用いて実現される場合、このプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよいし、ネットワークを介して配信されてもよい。また、本発明は、判定方法として把握することも可能である。
本願の発明は、上述した実施形態に限定されることなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
1…船舶、100…船体、200…動力発生部、210…内燃機関、211…シリンダ、212…ピストン、213…ピストンリング、220…過給機、221…タービン、222…コンプレッサ、223…ガス冷却機、224…掃気レシーバ、225…排気レシーバ、230…海水温度センサ、231…温度調整弁、232…冷却水温度センサ、240…冷却水温度センサ、250…掃気温度センサ、260…排気温度センサ、262−1〜262−6…圧力センサ、264−1〜264−6…燃焼圧センサ、270…温度調整弁制御部、280…負荷取得部、290…コンローラ、300…冷却機、400…コンピュータ装置、401…制御部、401A…取得手段、401B…判定手段、401C…出力手段、402…記憶部、403…表示部、404…入出力部、405…通信部、406…操作部、500…計測装置。

Claims (9)

  1. 複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気する加圧気体の温度を示す掃気温度データ、及び前記内燃機関の排気温度を示す排気温度データを取得する取得手段と、
    前記掃気温度データと前記排気温度データの両方が上昇を示した期間の、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇後の状態で安定した場合、前記内燃機関のピストンリングが異常であると判定する判定手段と
    を備える判定装置。
  2. 前記取得手段は、複数の時点の各々に関し、前記内燃機関の負荷の大小を示す負荷指標を取得し、
    前記判定手段は、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が、前記掃気温度データ及び前記排気温度データの各々に関し前記負荷指標に応じて定められ基準値から乖離するように上昇した期間の後、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が、前記基準値を越えた状態で安定した場合、前記ピストンリングが異常であると判定する
    ことを特徴とする請求項に記載の判定装置。
  3. 前記内燃機関は複数のシリンダを有し、
    前記取得手段は、前記複数のシリンダの各々に応じた前記排気温度データを取得し、
    前記判定手段は、前記複数のシリンダの各々に応じた前記排気温度データの経時的な変化を比較、前記複数のシリンダのうち前記上昇及び前記安定を最初に示したシリンダの前記ピストンリングが異常である判定する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の判定装置。
  4. 前記取得手段は、複数の時点の各々に関し、前記内燃機関を冷却する冷却材の温度を調整する温度調整機器の制御出力、及び前記冷却材の温度を示す冷却材温度データを取得し、
    前記判定手段は、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇を示した後に上昇後の状態で安定したことに加え、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇を示した期間において前記温度調整機器の制御出力が上昇を示し、そのに前記制御出力が安定し且つ冷却後の前記冷却材温度データが上昇した場合、前記ピストンリングが異常であると判定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の判定装置。
  5. 前記取得手段は、複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気した加圧気体の圧力を示す圧縮圧力データ、及び前記内燃機関で燃焼した前記加圧気体の最大の圧力である燃焼最大圧力を示す燃焼最大圧力データを取得し、
    前記判定手段は、前記圧縮圧力データと前記燃焼最大圧力データとの両方が下降を示した後に下降後の状態で安定した場合、前記ピストンリングが異常であると判定す
    とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の判定装置。
  6. 前記内燃機関は船舶に搭載され、
    前記取得手段は、
    前記船舶が航行中に遭遇する気象又は海象の計測結果を示す気象海象データを取得し、
    前記判定手段は、前記気象海象データが所定の条件を満たす間、前記判定を行わない
    ことを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の判定装置。
  7. 複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気する加圧気体の温度を示す掃気温度データ、及び前記内燃機関の排気温度を示す排気温度データを取得するステップと、
    前記掃気温度データと前記排気温度データの両方が上昇を示した期間の、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇後の状態で安定した場合、前記内燃機関のピストンリングが異常であると判定するステップと
    を備える判定方法。
  8. コンピュータに、
    複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気する加圧気体の温度を示す掃気温度データ、及び前記内燃機関の排気温度を示す排気温度データを取得する処理と、
    前記掃気温度データと前記排気温度データの両方が上昇を示した期間の、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇後の状態で安定した場合、前記内燃機関のピストンリングが異常であると判定する処理と
    を実行させるためのプログラム。
  9. コンピュータに、
    複数の時点の各々に関し、内燃機関が過給機から吸気する加圧気体の温度を示す掃気温度データ、及び前記内燃機関の排気温度を示す排気温度データを取得する処理と、
    前記掃気温度データと前記排気温度データの両方が上昇を示した期間の、前記掃気温度データと前記排気温度データとの両方が上昇後の状態で安定した場合、前記内燃機関のピストンリングが異常であると判定する処理と
    を実行させるためのプログラムを持続的に記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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