JP6106707B2 - 風の検出及び抑圧のためのシステム及び方法 - Google Patents

風の検出及び抑圧のためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

本開示は、音響ピックアップシステム、より具体的には、そのようなシステムのための風の検出及び軽減に関する。
風切り音はピックアップシステムにとって問題である。ピックアップ装置のユーザには聞こえないであろうレベルでさえ、マイクロホンを過ぎたエアフローの影響は装置の動作に深刻に干渉し、例えば部分的に又は完全に話者の所望の声を不明りょうにする。様々な技術的及び電子的試みは、例えば、乱流を解消し又は別なふうにマイクロホンを保護するようマイクロホン上に置かれたバッフル若しくは“ソックス”又は他の綿毛状の部材を含め、そのようなエアフローの影響を軽減するよう行われてきた。電子的には、例えば、複数のピックアップにおける相関特性を含む、風切り音の様々な特性が、風に汚染されたピックアップから生じる信号を操作して、風切り音の影響を補償し又は別なふうに減らすよう利用されてきた。
ここで記載されるように、風検出器は、第1の入力信号及び第2の入力信号を夫々の第1のチャネル及び第2のチャネルにおいて受信する第1の入力部及び第2の入力部と、
スペクトル傾斜アナライザ、比変化アナライザ、コヒーレンス変化アナライザ及び位相変化アナライザを含むアナライザの群から選択され、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号を分析するよう夫々構成される複数のアナライザと、前記複数のアナライザの出力を結合し、そのようにして結合された出力に基づき、風の活動を示す風レベル表示信号を発行するよう構成されるコンバイナとを有する。
またここで記載されるように、風抑圧器は、第1の入力信号及び第2の入力信号を夫々の第1のチャネル及び第2のチャネルにおいて受信するよう動作する第1の入力部及び第2の入力部と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の比を決定するよう構成される比計算部と、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用するよう構成されるミキサとを有し、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの他は選択されない。
またここで記載されるように、ピックアップシステムは風検出器及び風抑圧器を有する。前記風検出器は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信するよう構成される。前記風検出器は、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号を分析するよう夫々構成される複数のアナライザと、前記複数のアナライザの出力を結合し、そのようにして結合された出力に基づき、風の活動を示す風レベル表示信号を発行するよう構成されるコンバイナとを有する。前記風抑圧器は、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の比を生成するよう構成される比計算部と、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用するよう構成されるミキサとを有し、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの他は選択されない。
またここで記載されるように、風検出方法は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信するステップと、スペクトル傾斜分析、比変化分析、コヒーレンス変化分析及び位相変化分析から選択される複数の分析を前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号に対して行うステップと、風レベル表示信号を生成するよう前記複数の分析の結果を結合するステップとを有する。
またここで記載されるように、風抑圧方法は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信するステップと、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の比を決定するステップと、風レベル表示信号を受信するステップと、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用するステップとを有し、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの他は選択されない。
またここで記載されるように、風を検出して抑圧する方法は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信するステップと、スペクトル傾斜分析、比変化分析、コヒーレンス変化分析及び位相変化分析から選択される複数の分析を前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号に対して行うステップと、風レベル表示信号を生成するよう前記複数の分析の結果を結合するステップと、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の比を決定するステップと、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用するステップとを有し、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの他は選択されない。
またここで記載されるように、ピックアップシステムは、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信するよう構成される風検出器を有する。前記風検出器は、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号を分析するよう夫々構成される複数のアナライザと、前記複数のアナライザの出力を結合し、そのようにして結合された出力に基づき、風の活動を示す風レベル表示信号を発行するよう構成されるコンバイナとを有する。当該ピックアップシステムは、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号を受信するよう構成されるフィルタを更に有し、該フィルタは、カットオフ及び減衰のうちの1又はそれ以上を含む連続的に調整可能なパラメータを有し、前記連続的に調整可能なパラメータは、前記風レベル表示信号の関数として調整可能である。
またここで記載されるように、風検出器は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信する手段と、スペクトル傾斜分析、比変化分析、コヒーレンス変化分析及び位相変化分析から選択される複数の分析を前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号に対して行う手段と、風レベル表示信号を生成するよう前記複数の分析の結果を結合する手段とを有する。
またここで記載されるように、風抑圧器は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信する手段と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の比を決定する手段と、風レベル表示信号を受信する手段と、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用する手段とを有し、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの他は選択されない。
またここで記載されるように、装置は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信する手段と、スペクトル傾斜分析、比変化分析、コヒーレンス変化分析及び位相変化分析から選択される複数の分析を前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号に対して周波数バンドの組にわたって行う手段と、風レベル表示信号を生成するよう前記複数の分析の結果を結合する手段と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の比を決定する手段と、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用する手段とを有し、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの他は選択されない。
またここでは、風検出方法を実行するよう機械によって実行可能な命令のプログラムを含む、前記機械によって読取可能なプログラム記憶装置が記載される。前記風検出方法は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信するステップと、スペクトル傾斜分析、比変化分析、コヒーレンス変化分析及び位相変化分析から選択される複数の分析を前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号に対して行うステップと、風レベル表示信号を生成するよう前記複数の分析の結果を結合するステップとを有する。
またここでは、風抑圧方法を実行するよう機械によって実行可能な命令のプログラムを含む、前記機械によって読取可能なプログラム記憶装置が記載される。前記風抑圧方法は、第1の入力信号及び第2の入力信号を受信するステップと、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の比を決定するステップと、風レベル表示信号を受信するステップと、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用するステップとを有し、前記第1の入力信号又は前記第2の入力信号のうちの他は選択されない。
2つの入力チャネルからの信号が風検出器及び風抑圧器へ与えられるピックアップシステムのブロック図である。 2つのチャネルにおける風の存在下での音響の記録の第1のサンプル期間のプロットである。 2つのチャネルにおける風の存在下での音響の記録の第2のサンプル期間のプロットである。 ノイズ、声及び風、並びにそれらの結合を示す信号が表される2つのチャネル302,304についてのコンパイルされたサンプルテストシーケンスである。 ノイズ、声及び風(306,308,310)の平均電力スペクトル並びにサンプルテストシーケンスからの時間にわたるその電力スペクトルの変化のプロットである。 瞬時電力スペクトルから推測されるものとして示される、200〜1500Hzの間で計算されるスペクトル傾斜特性(dB/dec)をプロットする。 2つのチャネルにおける信号の(例えば、電力又は大きさの)比の平均及び標準偏差を示すプロットである。 声(312,312a)、ノイズ(314,314a)及び風(316,316a)についてのトレーニングデータにおける知覚バンドについて、複数の周波数又は時間ビンにわたるコヒーレンス又は信号コンシステンシーの平均及び標準偏差を示すプロットである。 構成された試験刺激について時間に対する上記のバンドにおける比の標準偏差を示すプロットである。 構成された試験刺激について時間に対する上記のバンドにおけるコヒーレンスの標準偏差を示すプロットである。 位相及び位相偏移又は円周分散のプロットである。 100ms減衰フィルタによる風レベルのプロットである。 一実施形態に従うデュアルチャネル風検出器の詳細を示すブロック図である。 図1の風抑圧器のブロック図である。 一実施形態に従う風抑圧器のブロック図である。 一実施形態に従うミックスダウン配置を含むブロック図である。 フィルタのパラメータを制御するための風検出器の使用を示すブロック図である。 一実施形態に従う風検出方法900のフロー図である。 一実施形態に従う風抑圧方法1000のフロー図である。 一実施形態に従う風検出及び抑圧方法1100のフロー図である。
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、実施形態の1又はそれ以上の例を表し、例となる実施形態の記載とともに、実施形態の原理及び実施を説明する役割を果たす。
例となる実施形態は、回路及びプロセッサに関連してここでは記載される。当業者には当然に、以下の記載は単なる説明であり、多少なりとも制限することを意図されない。他の実施形態は、本開示の利益を有する当業者には容易に想到可能である。このとき、添付の図面に表されている例となる実施形態の実施が詳細に参照される。同じ参照符号は、同じ項目を参照するために、図面及び以下の記載を通して可能な範囲で用いられる。
明りょうさのために、ここで記載される実施の決まりきった特徴の全てが図示及び記載されるわけではない。当然に、幾つかのそのような実際の実施の発展において、多数の実施に特有の決定が開発者の明確な目標(例えば、用途及びビジネスに関わる制約の順守)を達成するためになされなければならず、そのような明確な目標は実施ごと及び開発者ごとに様々であることは明らかである。更に、そのような開発努力は複雑であり且つ時間がかかるが、とは言え本開示の利益を有する当業者にとっては決まりきったエンジニアリングの取り組みであることは明らかである。
本開示に従って、ここで記載される構成要素、処理ステップ、及び/又はデータ構造は、様々なタイプのオペレーティングシステム、コンピュータプラットフォーム、コンピュータプログラム、及び/又は汎用マシンを用いて実施されてよい。更に、当業者には当然に、ハードワイヤードの装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等のようなより汎用でない性質の装置も、ここで開示される発明概念の適用範囲及び精神から逸脱しない範囲で用いられてよい。一連の処理ステップを有する方法がコンピュータ又は機械によって実施され、それらの処理ステップが機械によって読出可能な一連の命令として記憶され得る場合に、それらは、コンピュータメモリ装置(例えば、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ジャンプドライブ等)、磁気記憶媒体(例えば、テープ、磁気ディスクドライブ等)、光記憶媒体(例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ペーパーカード、ペーパーテープ等)及び他のタイプのプログラムメモリのような有形の又は非一時的な媒体に記憶されてよい。
語「例となる」は、もっぱら“例、事例又は例示の役割をすること”を意味するためにここでは使用される。「例となる」としてここで記載される如何なる実施形態も、必ずしも他の実施形態に対して好ましい又は有利であると解されるべきではない。
図1は、2つの入力チャネルCH及びCHからの信号が2つの処理構成要素、すなわち、風検出器102及び風抑圧器104へ供給されるピックアップシステム100のブロック図である。ピックアップシステム100の2つの出力はX及びYで指定される。デュアルチャネルシステムに関して記載されるが、単純な拡張により、ここで提示される原理は、より多くのチャネルを有するシステムに適用可能である。
当業者には当然に、ここで記載される使用されるアルゴリズムの態様は、周波数領域又はフィルタバンク分析の形を用いて実施可能である。それに関して、ここで一般的に言及される信号は、適切な変換により離散時間サンプリングされたマイクロホン信号の分析から得られる値に相当する。一実施形態において、使用される変換は、よく知られている短時間フーリエ変換(STFT(short time Fourier transform))である。そのような変換は、しばしばビン(bin)と呼ばれる信号周波数のある時点及びしばしばバンド(band)と呼ばれるグルーピング又はウィンドウイングによって得られるより大きな周波数範囲における特性を参照して処理信号内容を記述する能力を提供する。フィルタバンク及びバンディング方法の仕様は、風の検出及び抑圧を達成するための十分な時間及び周波数の分解能の要求以外、ここで記載されるアルゴリズムにとっては重要ではない。声及びオーディオ捕捉の一般的適用のために、これは、約25〜200Hzの周波数分解能及び約5〜40msの時間インターバル又は分解能を有するSTFTのようなフィルタバンクによって達成され得る。それらの範囲は妥当な性能にとって指標となり且つ有益であり、他の範囲が考えられるので排他的ではない。簡単さ及び明りょうさのために、図は信号情報のフロー及び処理を表す。これは、特定の実施形態における変換に従い且つ記載される処理の状況及び適用に必要とされる関連のビン及びバンドに対応する信号を表すと理解される。
チャネルCH及びCHにおける入力信号の発生源はマイクロホン(図示せず。)であってよい。マイクロホンには、制限なしに、全指向性マイクロホン、単指向性マイクロホン、及び他のタイプのマイクロホン又は圧力センサ等がある。一般的に、風検出器102は、チャネルCH及びCHにおける不健全な風の影響の存在を検出するよう動作し、一方、風抑圧器104は、この影響を抑圧するよう動作する。より具体的には、風検出器102は、風の連続的な推定を確立し、それを風抑圧器104の起動を累進的にするために使用する。風検出器102は、検出の特異性を高めるとともに、従来技術の風検出において一般的である音響干渉及び声において一般的な音響の過渡バーストによって別なふうに引き起こされうる“フォールスアラーム”の発生を減らすために、複数の特性のアルゴリズム的結合を用いる。これは、風抑圧器104の作用が、風が存在するところの刺激に主として制限されることを可能にし、通常の動作条件下で風抑圧処理の望まない動作による発話品質の如何なる劣化も防ぐ。
風検出器102が依存する一般的アプローチは、多様性に基づく取り組み(diversity-based attack)である。このアプローチは、風歪みが主として特定のチャネルにおいて孤立した外乱となる適切な時点及び周波数ウィンドウにわたって入来信号を分割するよう変換又はフィルタバンクの能力に依存する。図2A及び図2Bを参照して、2つのチャネルにおける風の存在下での音響の記録の2つのサンプル期間について、低い相関度がチャネル間で示されている。この効果は、時間及び周波数ウィンドウの両方にわたって信号を見る場合に、より言明される。所与の時間−周波数ウィンドウにおいてより高い風レベルを有するチャネルのシステム出力に対する寄与を減らすことによって、抑圧器は風の影響を選択的に減らすことができる。図2Bの場合における実効的な風速度は、図2Aの場合における実効速度よりも速い。例は、風の進入を伴ってユーザによって身に着けられた約40mmのマイクロホン間隔を有するイヤピース・ヘッドセットから得られる。
一般的に、風は、低周波数端で高くなる‘赤色’スペクトルを有する。図3Aは、参照符号302及び304を付された2つのチャネルについてのコンパイルされたサンプルテストシーケンスを示す。図3Aでは、ノイズ、声及び風、並びにそれらの組み合わせを示す信号が表されている。ノイズ、声及び風(306,308,310)の平均電力スペクトルと、サンプルテストシーケンスからの時間にわたるその電力スペクトルの変化は、図3Bにおいてプロットされている。図3Cは、瞬時電力スペクトルから推測されるものとして示される、200〜1500Hzの間で計算されるスペクトル傾斜特性(dB/dec)をプロットする。図3Aから分かるように、このスペクトル範囲では、風力スペクトル(310)は、ノイズ電力スペクトル(306)と比較される場合に、有意な減少傾向を有する。スペクトル傾斜は、周波数の増大に伴うエネルギの変化の指標である。図3Cは、同じ刺激について時間にわたるこのスペクトル傾斜特性のプロットを示す。スペクトル傾斜特性は風の存在下で増大する負の数を有し、風及びノイズを分割するのに上等であることが分かる。しかし、この特性はまた、強フォルマントのような発話の特定の成分として発話の間のフォールスアラームを示し、更に、両唇破裂音は、分析の範囲にわたってスペクトルにおいて強い負の傾斜を示す。
風を区別するために使用され得る2つの他の関連の特徴又は特性は、その確率論的な非定常の性質に関する。時間又は周波数にわたって見られる場合に、風は、極端な分散を空間推定に導入する。すなわち、いずれかのバンドにおける空間パラメータはむしろ、時間及び周波数にわたって確率論的且つ独立したものとなる。これは、構造空間特性又は時間特性を有さない風の結果である。マイクロホンの配置又は位置付けの幾らかの多様性が存在すると言う条件で、それは通常、夫々のマイクロホンでの独立したランダム処理を近似して、時間、空間及び周波数にわたって無相関とされる。図3Dは、2つのチャネルにおける信号の(例えば、電力又は大きさの)比の平均及び標準偏差を示し、図3Eは、声(312,312a)、ノイズ(314,314a)及び風(316,316a)についてのトレーニングデータにおける知覚バンドについて、複数の周波数又は時間ビンにわたるコヒーレンス又は信号コンシステンシーの平均及び標準偏差を示す。同様の結果は、標準偏差が200〜1500Hzの範囲に及ぶ周波数‘風優勢’周波数バンドにわたって考えられる場合に得られる。構成された試験刺激について図3F及び図3Gにおいて時間に対する上記のバンドにおける比及びコヒーレンスの標準偏差をプロットすることによって、それらの標準偏差が風対声/ノイズの有意なインジケータであることが分かる。いずれの特性についても、周波数にわたるより大きな標準偏差、すなわち特性におけるより高い分散は、風の活動のより大きな尤度を示す。
表されている比及びコヒーレンス特性は、200〜1500Hzのバンドの組に関して計算された分散についてテストベクトルにわたって示される。フィルタバンク及びバンディングアプローチに依存して、これは5〜20の間のバンドに相当する。それら2つの特性は互いを大いに支持する。すなわち、それらの重要な寄与は、声と風とを区別する能力に由来する。これは、声の活動による風検出器102におけるフォールスアラームの発生率を下げる。また、それら2つの比及び位相特性が高ノイズ環境にある場合に風に対する感度を高めることに留意することは興味深い。高いノイズレベルのために、傾斜特性は妨げられ、高ノイズの中で起こる風バーストを検出しない。比及びコヒーレンス特性はこの場合における感度を高める。
関心のある他の特性は絶対信号レベル並びに位相及び位相分散である。位相及び位相偏移又は円周分散は図3Hにおいて示されている。そのような特性は、更なる弁別力を提供するために使用され得るが、計算費用を増大させる。
一実施形態に従って傾斜、比標準及びコヒーレンス標準に関する特性を組み合わせるアプローチは、図3A乃至3Hにおけるプロットの分析から推定され得る幾つかの調整されたパラメータに基づく。一般的に、一実施形態において、個々の特性のスケーリングは、1の励起が風の表示であり且つ0が信号における風の不存在であるように、実行される。一実施形態において使用される3つの特性又はパラメータは、選択される範囲が他の同様の可能性に限定されないことに留意しながら、次のように説明される:
Slope:200〜1500Hzのバンドの回帰を用いるスペクトル傾斜(dB/dec)、
RationStd:200〜1500Hzのバンドにおける瞬時の比と期待される比との間の差(dB)の標準偏差、
CoherStd:200〜1500Hzのバンドにおけるコヒーレンス(dB)の標準偏差。
低いバンドは(バンドに寄与するビンの数に関して)低い多様性を有しうるので、コヒーレンスは400Hzかそこらからほぼ有効である点に留意すべきである。
上記の特性及び対応するグラフから、次の部分音が計算され、スケーリングは暗示的であるが、やはり有効である他の同様の値に限定されない:
Figure 0006106707
ここで、(1)において、Slopeは、現在のデータブロックから得られるスペクトル傾斜であり、WindSlopeBias及びWindSlopeは、0が無風に対応し、1が通常の風を表し、1よりも大きい値が前進的により高い風の活動を示すようにSlopeContributionのスケーリングを達成するよう、値−5及び−20に達する一実施形態におけるプロット(図3C)から経験的に決定される定数である;
ここで、(2)において、CoherStdは、現在のデータブロックから得られ、WindRatioStdは、値0及び1が上記のように風の不存在及び通常のレベルを表すようにRatioContributionのスケーリングを達成するよう、図3Fから経験的に決定される定数である;
ここで、(3)において、CoherStdは、現在のデータブロックから得られ、WindCoherStdは、値0及び1が上記のように風の不存在及び通常のレベルを表すようにRatioContributionのスケーリングを達成するよう、図3Gから経験的に決定される定数である。
次いで、全体的な風レベルがそれらの積として計算され、抑圧の利いたレベル(例えば、2)へとクランプされる。
この全体的な風レベルは、風の活動に対する妥当な感度を表す1の値を含む連続的な変数である。この感度は、必要とされる感度及び特異性の平衡を保たせるよう様々な検出要件について必要とされるように増大又は減少しうる。小さいオフセット(本例では0.1)が、何らかの残りの励起を除くよう減じられる。従って、
Figure 0006106707
信号は更に、様々な関数に必要とされる風のインジケータを達成するよう平滑化又はスケーリングにより処理され得る。100ms減衰フィルタによるWindLevelが図4において示されている。
主に乗算である上記の結合は、次の形で“論理積(ANDing)”関数と同等な何らかの形をとることが理解されるべきである:
Figure 0006106707
具体的に、一実施において、風の存在は、3つ全ての特性が何らかのレベルで風の活動を示す場合にのみ確認される。かかる実施は、例えば、傾斜(Slope)特性がある発話区間中に風の活動を記録する一方で、比(Ratio)及びコヒーレンス(Coherence)特性は記録しないので、“フォールスアラーム”の所望の低減を達成する。
上記の特性計算は、次のようなバンディング及び相関決定によって先んじられる点に留意すべきである。
周波数領域へのあらゆる変換を考えると、入力周波数領域観測は、n=0・・・N−1についてI1,n及びI2,nである。それらは、あるバンディング関数(周波数ビンの重み付き統合)を用いて相関行列にまとめられる。
Figure 0006106707
次いで、以下の特性が得られる:
Power=Rb11+Rb22
Ratio=Rb22/Rb11(分析のためにlog領域で使用される)
Phase=angle(Rb21
Coherence=(Rb12b21/Rb11b221/2(同じく、分析のためにlog領域で使用され得る)
一実施形態で、およそ200〜1500Hzの周波数範囲に及ぶ複数のバンド(通常、5〜20の間)が使用される。Slopeは、10log10(Power)及びlog10(BandFrequency)との間の線形な関係である。RatioStdは、このバンドの組にわたってdB(10log10(Rb22/Rb11))で表されるRatioの標準偏差である。CoherenceStdは、当該バンドの組にわたってdB(10log10(Rb12b21/Rb11b221/2)で表されるCoherenceの標準偏差である。
基底10の対数の仕様は必須ではなく、適切なスケーリングパラメータが計算を簡単にするよう代替の対数表現について決定されてよいことは明らかである。
図5は、一実施形態に従うデュアルチャネル型風検出器500の詳細を示すブロック図である。第1及び第2の入力502,504は、マイクロホンのような検出器(図示せず。)から入力信号を受け取り、それらの入力信号を傾斜アナライザ506、比変化アナライザ508及びコヒーレンス変化アナライザ510へ導く。(3つのアナライザが示されているが、2つ(又はそれ以上)のチャネルにおける信号の異なる特性に夫々捧げられるより多い又は少ないアナライザが使用されてよい点に留意すべきである。)先に詳述されたように、アナライザの出力は、傾斜、比及びコヒーレンスの寄与の現れをスケーリングされる。それらの現れは次いで、乗算器512の一般的な形態をとるコンバイナへ供給される。次いで、必要に応じてスケーリング、オフセット及びリミッティングが風レベルインジケータ514において実行されて、風レベル(WindLevel)出力信号516を生成する。出力信号516は連続的であってよく、風レベルの瞬時表示を与える。先に説明されたように、WindLevelは、0・・・2の範囲をとることができる(これは、異なる実施形態では如何なる範囲であってもよい。)。一実施形態で、0.0の値は、非常に低い風確率又は完全な風の不存在の1つの指標として選択され、一方、1.0の値は、適度な風のありそうな状態を示すよう選択され、2.0以下のより大きい値は、強い風による外乱の存在を示す。それらは風の活動について定義された単位ではないので、特性分析からの設計によるこの値は、更なる風による外乱を示すより高い値を有して連続的に変化しうる。風レベルの絶対値及び範囲は、残りのアルゴリズム構成要素にわたって一貫して使用される範囲でのみ重要である。一実施形態で、風レベル出力の連続性は、抑圧器構成要素において適用される抑圧の量における連続的且つ漸進的な変化を達成するよう信頼される。風の連続的な測定は、風抑圧器が常にアクティブである、あるいは、離散的に有効若しくは無効にされる又は別なふうに制御される場合に起こりうる不連続性及び歪みの問題を回避する。一実施形態で、風レベルインジケータ514は、コンバイナからの決定されたレベルがトリガ閾値を超えるかどうかを判断し、その場合に、トリガ信号は出力信号516において発行される。風の活動に関する連続的な閾決定は、抑圧及びその後の信号処理を制御するための有用な信号である。
1つの解決法において、次の信号モデルが入力信号502及び504について示される:
=s+n
=s+n
ここで、x及びxは、等しく声又は所望の音響成分sを含むが異なるノイズ成分n及びnを有する入力信号である。それらの信号はともに、次のように、中間信号(IS)を生成するようスケーリングされて混合される:
IS=αx+βx=(α+β)s+αn+βn
α+β=1
中間信号ISは、係数α及びβによる2つの入力の線形結合である。係数α及びβの和が1(α+β=1)に強いられる場合に、中間信号ISは、所望の信号sの一定且つ歪みのない表現を有する。次いで、何らかの方法で中間信号を最適化するよう選択がなされる。そのような最適化は、ISのエネルギを最小限にすること(従って、信号対ノイズ比を最大にすること)に基づいてよい。ノイズが無相関であるとすると、最適条件は閉形式で得られる。これに基づき、最も損傷が少ないチャネルを選択するためのチャネル間の連続的又は離散的パニングが実行されてよい。0、0.5又は1.0のいずれかとしてのαの使用は、xに対するxの大きさ比が約4.7dBである場合に、単純なミックスビームフォーマから切り替えるようなされてよい。このアプローチは、バンド又はフーリエ領域において適用可能である。
前の例では、中間信号ISがスケーリングされた入力信号αx及びβxの単純な加算から形成されることが暗黙である。より一般的な場合には、中間信号ISの公称設計は、複素係数p及びpの任意の組を用いてよい。一実施形態で、それらの係数は、ハイパーカージオイド(hypercardioid)を近似する方向性を有してビームフォーマを形成してよい。ハイパーカージオイドは、頭部から離れておおよそ横方向に位置付けられるアレイ感度におけるゼロが存在するので、ヘッドセット装置の広範なフィールドピックアップを最小化するための良好な第一次近似である。また、受動ミックスダウンは、二つのマイクロホン素子の空間的な分離により当然に起こる声又は所望の信号についてのイコライゼーションを補正してよい。そのような実施形態は、一定のグループ減衰及び変化する振幅特性を実施する周波数依存係数p及びpの組を実現する。他の実施形態では、受動係数は、風の活動がない場合に定義される公称動作の場合における所望の感度、方向性及び信号特性を達成するよう任意に選択されてよい。受動係数p及びpは、夫々のバンド(従って、ビン)について特定される。受動アレイの詳細及び設計は本発明の主題ではなく、むしろ受動アレイは、オンラインで設計又は生成されると、風抑制部において適用される夫々のゲインを計算するために使用される信号制約を作る。
また、一般的な場合において、マイクロホンに到達する声又は所望の音響は、任意の位相及び大きさ関係を有してよい。ここで関心があるのは狭バンド信号表現であるから、時間減衰は複素係数により置換され得る。入来信号はマイクロホンアレイにおいて任意且つ未知のスケールを有するので、マイクロホン信号xで考えられる声又は所望の信号が利得1を有するように定義する。その場合に、他のマイクロホンでの声又は所望の信号は、周波数に依存する複素因数rを有する。所与の周波数で、RatioTgtとしてxと比較されるxにおける声又は所望の信号についての期待される電力の比(単位dB)と、xと比較される信号xの声又は所望の信号についての期待される相対位相(単位ラジアン)を定義することができ、次の恒等式が適用される:
Figure 0006106707
ここで、i=√−1。
通常動作において、声又は所望の信号に対するアレイの任意の受動ミックス及び任意の応答は、次のモデルを有する:
=s+n
=rs+n
IS=p+p=(p+pr)s+p+p
風抑圧を達成するよう、スケーリング係数が、一般化された且つ潜在的に複素のパニング係数α及びβとして、各チャネルに導入される:
IS=αp+βp=(αp+βpr)s+αp+βp
これから、パニング係数α及びβに対する一般化された制約が求められ得る:
(αp+βpr)=(p+pr)
α=1+pr(1−β)/p
β=1+p(1−α)/p
最終の式は夫々、他から計算される自由変項としてパニング変数を示す。この関係において、風により汚染されていると考えられるチャネルが特定されて減衰され、一方、他のチャネルの利得は計算される。計算された利得は、複素であり、受動係数p及びp並びに所望の信号応答係数rの性質に依存して大きさを増大又は低減されてよい。これは、一方のチャネルの減衰と他方のチャネルの補正とが、所望の信号位置についての任意のアレイ応答を用いて、任意の受動ミックスから得られる所望の信号成分の歪みを減らすことを可能にするパニング制約を達成するのに有意な一般化及び拡張として見ることができる。
また、上記の式から明らかなように、依存利得が過度に大きく又は小さくなって安定性の問題を引き起こしうるところのpr/p>>1又はpr/p<<1の場合に、特異性の問題が存在する。このため、パニングは、いずれかの係数が小さく又は大きくなり過ぎることを防ぐことによって、何らかの方法において最もよく制限される。
に対するxにおける電力の比がRatio[dB]であって、且つ、期待される声の比が、電力比RatioTgt=20log10|r|を用いる場合にRatioTgt[dB]であって、且つ、期待されるノイズ又は正常信号比も0dBに近い場合に、いずれか一方のチャネルの減衰を計算する一実施形態が実施され得る:
Figure 0006106707
ここで、Strengthは、0.5から4.0の範囲において示唆される値を有しながら風抑圧システムの全体的な活動性を制御するパラメータであり、WindLevelは、風検出器500(図5)からの信号(WindLevel)516である。この実施形態で、減衰パラメータα及びβは、所望の抑圧強さStrength、全体的に推定される風の活動WindLevel、瞬時信号比Ratio、及び所望の信号について期待される信号比RatioTgtに基づき、夫々の時点において周波数バンドごとに計算される。
先に論じられたように、選択されたチャネルの減衰は、出力チャネルにおけるある多様性を保つよう制限され得る。一実施形態において示唆される減衰に対する制限は10から20dBである。この実施形態で、所与のバンドにおける如何なる時点においてもWindLevel=0である場合に、いずれのチャネルも抑圧されず、減衰及び補正係数の選択及び計算は計算負荷を減らすために回避され得る。所望の信号についてのRatioTgtがアレイの通常の期待される広範なフィールド又はノイズ応答と有意に異なる場合について、オフセット又はデッドバンドが、WindLevelによって通知される風の活動の期間の間に別なふうに起こりうるバックグラウンドノイズ又は拡散音響応答における歪みを減らすよう、導入され得る。
夫々のバンドにおいて、所与の時点で、1つのチャネルが選択され、減衰パラメータα及びβが計算される。代替のパニング係数は、先に求められた制約に従って計算される。次いで、求められたパニング係数は、大過ぎも小さすぎもしないように大きさ範囲において制限されてよい。一実施形態で、そのような示唆される範囲は、−10dBから+10dBである。
図6は、図1の風抑圧器104のブロック図である。風抑圧器104は、先に求められたパニング係数α及びβに基づく減衰及び/又は利得を適用するよう動作するミキサ602を有する。ミキサ602の動作は、風検出器500(図5)からの出力信号(WindLevel)516の関数である。パニング係数α及びβに基づく利得及び/又は減衰は、乗算器604,606を用いてチャネルCH,CHに適用される。所望の信号についての期待される比に対して最も高い電力のチャネルが、比計算器608から得られる比に基づき減衰されるよう選択される。一実施形態で、次いで、他のチャネルも、先に求められた制約式を用いて計算される利得と、最初に選択されたチャネルについての減衰利得とによって変更され得る(一実施形態で、比アナライザ508は200〜1500Hzの制限された範囲において動作し、一方、比計算器は関心のある全ての音響スペクトルにわたって動作する点に留意すべきである。)。
WindLevel=0の場合に、減衰は1である(減衰なし)。本質的に、WindLevelの小さい値について、風抑圧器104は効果を有さない。WindLevelが増大し且つ瞬時信号比Ratioが所望の信号の期待される比RatioTgtとは異なる場合に、減衰は増大する。WindLevelのより高いレベルでは、抑圧方程式は活動的となり、所与の時点で所与のバンドにおいて風を有すると特定されたチャネルを実質上捨てるよう動作する。連続的に適用される場合に、特に、原の2つのチャネル信号の‘ステレオ多様性(stereo diversity)’の一部を保とうとする場合に、これは、風を減らすための非常に厳しい歪みアプローチである。しかし、提案される実施形態では、チャネルの減衰は、風検出器500(図5)からの信号全体における風の現れと、特定の時点での特定のバンドの比Ratioにおける瞬時の逸脱とが存在する場合にのみ起こる。全体的な風の活動検出に基づく所与のバンドにおける減衰の選択的適用は、風の低減を達成するようあらゆる信号補正の存続期間及び周波数にわたる範囲を実質的に減らす。更に、ここで記載される補正制約は、所望の信号に対して起こる歪みを実質的に減らす。概して、所望の信号に対する風低減システムの影響と、あらゆる下流処理におけるその使用とは、有意に低減される。風検出部の高い特異性による抑圧の選択性は、如何なる歪みも入力信号における風の活動に限られることを確かにする。その時点で、すでに存在する相当量の歪みがしばしばありうる。このように、提案される実施形態は、通常動作における信号に対する最小限の影響を有して十分な風低減、従って、許容可能なシステム風低減性能を達成することができる。
一実施形態による風抑圧器の幾つかの特徴は:
1つのチャネルが減衰されるべく選択される;
チャネルは、所望の比RatioTgtと比較される瞬時信号比に基づき選択される;
減衰は、期待される比からの偏差に依存する(Ratio−RatioTgt);
減衰は、検出器から得られるWindLevelに連続的に依存する;
WindLevel=0で、減衰は最小である(又はない);
WindLevelが増大するにつれて、減衰はより大きくなる;
減衰に対する制限は、何らかのステレオ多様性を保つために使用されてよい。
一実施形態で、抑圧器において減衰されるよう選択されたチャネルについての上記の式α及びβは、より一般的な関数fα,fβによって記述され得、次のように特徴付けられる:
(0・・・1]の範囲について、
風の活動がない場合の単位
α(0,Ratio,RatioTgt)=1
Ratio=RatioTgtの場合に1
α(WindLevel,RatioTgt,RatioTgt)=1
Windlevelによる単調性
Figure 0006106707
Ratioによる単調性
Figure 0006106707
β(WindLevel,Ratio,RatioTgt)は(0・・・1]の範囲を有し、
風の活動がない場合の単位
β(0,Ratio,RatioTgt)=1
Ratio=RatioTgtの場合に1
β(WindLevel,RatioTgt,RatioTgt)=1
Windlevelによる単調性
Figure 0006106707
Ratioによる単調性
Figure 0006106707
この実施形態で、抑圧関数は、主な違いとしてRatioによる単調変化の符号があるが、構造的に類似している。
ここで記載される一実施形態は、log領域において表されるRatio及びRatioTgtとともにそれらの一般的な要件に適合する。
更に、先に説明されたように、一実施形態で、1つのチャネルは減衰され、利得(潜在的に複素)が補正のために他のチャネルに適用される。このように、続く受動アレイ(図示せず。)の出力は、所望の目標の信号レベルを保つ。他のチャネルに適用される利得は、複素であって、1よりも大きい又は小さい大きさを有してよい。p=p=0.5且つr=1の場合に、α+β=2であり、単純なパニングが2つのチャネルの間で起こることが分かる。特定の時点で、第1のチャネルが減衰のために選択され、α=0.5のとき、他のチャネルは補正するよう利得が増大することとなり、β=1.5である。対照的に、ここで記載されるように、より一般的な場合が考えられる。例えば、本実施形態において、関連する受動アレイがp=0.5且つp=−0.5であった場合に、この例についての制約は−α+2β=1である。この場合に、第1のチャネルが減衰され、α=0.5であったならば、他のチャネルに対する補正はβ=0.75であり、第2のチャネルの減衰ももたらす。一般性の損失なしに、この例は、制約及び関連する補正が意図された受動アレイ及び所望の信号特性に依存し、所望の補正を達成するために他のチャネルの利得若しくは減衰又は任意の複素スケーリングをもたらしうることを示すよう提供される。補正は、定義される受動ミックスダウン動作の後に起こる所望の信号の伝達関数又は電力が保たれるように定義される。
図7は、一実施形態に従う風抑圧器700のブロック図である。この配置において、乗算器704又は706で1つのチャネルCH又はCHを減衰させた後、ミキサ702は他のチャネルを不変なままとする。次いで、ミキサ702は、先と同じく、何らかの後のアレイから出力される目標の信号のレベルを保つよう、コンバイナ708,710によって不変のチャネルの一部を減衰されたチャネルに混合又はコピーする。上記の配置で見られたように、ミキサ702は、適用される減衰/利得係数α及びβを決定するよう、比計算器702からのWindLevel信号及び比(Ratio)信号を使用する。
先から信号モデルを拡張すると、スケーリング及びミキシングの任意の結合を用いて2つのチャネルが構成される:
=s+n
=rs+n
′=αx+γx
′=βx+δx
IS=p′+p
=(αp+rγp+rβp+δp)s+αp+δp+βp+γp
更に、先と同じく、所望の信号が中間信号ISへの一定の伝達を有するような制約を考える:
(αp+rγp+rβp+δp)=(p+pr)
1つのチャネルが減衰のために選択され、他のチャネルが不変なままであるべき場合に、2つの制約がこれから得られ、不変のチャネルを減衰されたチャネルに混合する際に使用すべき利得を特定する:
γ=(1−α)/r α<1,β=1,δ=0
δ=r(1−β) β<1,α=1,γ=0
このミキシングは所望の信号の補正量を別なふうに減衰されたチャネルに回復させるので、このアプローチは明示的に下流の受動ミックスに依存しない。当業者には当然に、上記の式は、達成することができる4つの変数α,β,γ,δに対する制約と、信号対の任意のスケーリング及びミキシングとを定義する。一実施形態で、1つのチャネルは減衰のために選択され、他のチャネルのミキシングバック及びスケーリングの結合は所望の制約を達成するために使用される。この実施形態で、混合されるべき量と代わりのチャネル利得補正との間の関係は次のように与えられる:
Figure 0006106707
これが一貫した解決法の組を作り、更に、先に提示された制約式を一般化することは明らかである。
図6及び図7のアプローチは、構造において類似する。図7のアプローチの利点は、2つのチャネルがより平衡を保たれることであり、一方、図6の場合では、1つのチャネルが完全に減衰されてよい。図7の場合に、続く下流での処理(例えば、アップミキサ)は、保たれた信号内容として風抑圧から切り離されてよく、所望の信号は、2つのチャネルに散在する。1つのチャネルの極端な減衰の場合に、図7で提示される補正アプローチは、主として、1つのチャネルを両方の出力に複製するよう動作し、一方、図6で提示されて先に記載されたアプローチは、主として、他方のチャネルを補正しながら一方のチャネルを十分に減衰させるよう動作する。いずれのシステムにおいても、全体的な信号多様性は同じであり、いずれのシステムも、続く受動ミックスの後に所望の信号の実効出力レベルを保つ。そのようなものとして、当然に、2つの方法を組み合わせることによって可能な多数のシステムが存在する。
上記に基づき、風の悪影響を減らすためにどのチャネルがどれくらいの減衰を適用されるべきかを決定するための解決法が提供される。解決法は、例えば、風において1つのチャネルをフェードアウトすることと、風検出器102及び声を維持するパニング式、ミキシング技術又はより一般化された制約式を組み合わせることとを含む。風検出器102は、516(図5)で、風レベル表示(WindLevel)を提供するよう動作する。風レベル表示は、単調音の形でチャネルCH及び/又はCHにおいて決定される風の活動レベルに関連する連続した値の範囲を有する出力信号の形をとる。風抑圧器104(602,702)は次いで、処理の範囲を調整するためにこの連続したレベルを用いる。
幾つかの実施形態において、一般的に、先に紹介された同じ抑圧式が図6及び図7の配置に適用されることが知られる。抑圧関数は、特定のチャネルが所望の信号の期待される比RatioTgtと比較して過度の電力を有することをバンドが示す瞬時比及びWindLevelによって示される風の活動が存在する場合に、指定されるチャネルを減衰させるとされる。選択されたチャネルが減衰されると、次いでシステムは、制約を満足するよう‘補正’を適用する。制約は、パラメータp及びpによって特定される、所定の受動ミックスダウンの出力で得られる所望の信号の電力又は信号レベルを保つよう定義される。受動ミックスダウンは、制約を定義するために使用される場合に起こっても又は起こらなくてもよく、このシステムの必要な部分ではない。これに関して、記載される実施形態は、複数の入力及び出力を備えた風抑圧システムを作る。ミックスダウン配置は図8において示され、800で指定される。
図6の配置において、補正は、他のチャネルをスケーリングすることによっても達成される。よって、第2のチャネルの利得は、第1のチャネルに依存したパラメータとなる。これは、α及びβを導出する上記の2つの式を提供し、逆もまた同様である。スケーリングは複素であってよく、他のチャネルを引き上げ又は減衰させてよい。制約式は、所望の信号の比又は位相rと、意図された受動係数p及びpに依存する。
図7の配置において、同じ制約は、減衰されないチャネルからの信号を減衰されたチャネルに混合する補正により達成される。この方法は同じ目標(受動ミックスダウンから出力される目標信号のエネルギを保つこと)を達成するが、明示的に受動ミックスダウン自体に依存しない。これは、αからγを、及びβからδを導出する上記の2つの式を提供する。ミキシングのみを用いる場合に、制約は、意図された受動ミックスの係数に依存しない。
一般的な場合において、制約は、減衰されたチャネルへの混合と、他のチャネルへ適用される補正利得との組み合わせによって達成されてよい。この場合に、制約は、先と同じく、所望の信号rと、意図された受動係数p及びpとに依存する。示唆されるアプローチの全てが、所定の受動ミックスダウンが後の信号処理において起こる場合にその受動ミックスダウンの後の所望の信号レベルの維持である同じ目標を達成する。
r=1及び図7の混合式の場合に、アプローチは、WindLevelが増大し且つ2つのチャネルの間の比が通常期待される比(r=1の倍に0dB又は1である)から外れるにつれて、2つの独立したチャネルから1つの複製されたチャネルへとフェードするものとなる。これは、風レベルが増大し且つ信号が個別の周波数バンドで損傷されるにつれて、より低い多様性の1つへのステレオ又はマルチチャネルオーディオ信号の漸進的な移動を提供する。風の断続的な性質と、周波数及び時間にわたる典型的な互いに素な活動とにより、このアプローチは、有意な風にあって信号帯域幅の大半にわたってステレオ信号を保持する。WindLevel信号を生成する選択的な風検出器の全体と、周波数バンドにおける瞬時比の使用とは、風によって損なわれていない信号の維持を可能にする。更に、先に説明された補正に対する制約は、所望の信号又は目標の方向からの発生源に対応するアレイにおけるオーディオ信号の音質及び空間的位置が、出力チャネル間でラウドネス、音質並びに相対的な比及び位相において比較的定常性を保つことを確かにする。
このようにして、図7及び関連する実施形態は、2つのチャネルにおいて信号バランスを保つ‘2チャンネル’風抑圧アルゴリズムを提示するが、一方のチャネルが風によって支配されているあらゆる時間−周波数バンドにおいて信号を‘モノ(mono)’又は複製信号チャネルへと減らしてよい。減衰及びミキシング制約は、夫々のチャネルにおいて目標の信号の補正量を保つことを目的とする。対照的に、図6はまた、2つのチャネル間での信号分離を保つ‘2チャンネル’風抑圧アルゴリズムを提示するが、一方のチャネルが風によって支配されるあらゆる時間−周波数バンドにおいて有意なエネルギを有する一方のチャネルのみを有する‘単一チャネル’信号へと減らしてよい。
再び図8Aを参照すると、フィルタ802が、風検出器から風抑圧器へ発せられたWindLevel信号にフィルタをかけるために使用され得ることが分かる。風特性分析(506,508,120)及び決定部(514)は、夫々のフレームにおける風の活動の瞬時測定を提供する。風の性質及び決定アルゴリズムの態様により、この値は速やかに変化しうる。フィルタは、抑圧信号処理の制御により適した信号を生成するために、更に、風の急激な発生を捕捉する何らかのヒステリシスを加えることによって一定のロバスト性を提供するために設けられるが、最初の検出の後にわずかな時間風の活動のメモリを保持する。一実施形態で、これは、低いアタックタイム定数を有するフィルタにより達成され、それにより、検出レベルにおけるピークは瞬時に過ぎ去り、100ミリ秒程度の解除時間定数となる。一実施形態で、これは、次のような簡単なフィルタリングにより達成され得る:
WindLevel>WindDecay×FilteredWindLevelの場合に、FilteredWindLevel=WindLevel
それ以外の場合に、FilteredWindLevel=WindDecay×FilteredWindLevel
ここで、WindDecayは、WindLevelがTのインターバルで計算される場合にWindDecay〜exp(−T/0.100)であるように一次時定数を反映し、100msの時間定数をもたらす。
風抑圧器104の動作を制御することに加えて、風検出器102は、図8Bにおいて見られるようなハイパス又はシェルフフィルタのような、他のタイプの処理を制御するために使用され得る。図8Bで、風検出器のWindLevel出力は、処理チェーンにおける他の処理に介在するフィルタへ与えられている。カットオフ又は減衰等のフィルタパラメータの制御が考えられる。よって、パラメータ化されたハイパスフィルタは、連続的な風検出器の種類を用いて風の活動に基づきフェードインされ得る。これは、推定される風レベルの関数として連続的にカットオフ周波数及びフィルタ深さを変更しながら、バンドレベルにおいて行われ得る。かかるアプローチは、分析と同じフィルタバンクを使用することができ、単に結果として得られるバンド利得における更なる要素であるから、如何なる実際の処理費用も負担しない。
当然に、これは、2つのマイクロホン又はチャネルを超えて拡大され得る。2つのチャネル又はマイクロホンに関して、声を保つ利用可能な1次元パニング面が存在する。3つのマイクロホンに関して、これは2次元面であるが、風を低減するよう同様に計算され、旋回され、検索され、最適化され得る。ここで記載される実施形態は、保たれるのに必要とされるP個の発生源位置によるM個の出力信号及びN個のマイクロホンに一般化され得る。この場合において、単一の中間信号及び1つの目標の声位置に関し、M=1及びP=1である。M+P<Nと言う条件で、N−M−P+1次元のパニングコンツアが生成され、固定位置にあるP個の発生源の励起から生じるM個の出力信号の出力統計値を保つ。風の重大度及び一貫性に依存して、出力の損傷を減らすようサブスペースがある最適な位置を検索され得る。単純な離散マイクロホン干渉が、起こり得るM個の信号におけるP個の発生源の完全な回復により、N−M−P+1個のマイクロホン又はセンサに対して許容され得るということになる。N個のマイクロホンにわたる任意の多次元干渉を仮定してこの問題を最適化と装う古典的な従来技術とは対照的に、本発明において説明されるアプローチ及び実施形態は、特定の個別のマイクロホンを減衰させる直接視診及び決定の方法を提供する。これは、一般的に時間、空間及び周波数にわたって離散的に存在し独立している風による外乱に良く適している。このようにより多くのマイクロホンに拡張され得る本発明の重要な態様は、抑圧の漸進的な起動を制御するための複数特性の連続的な風検出器の使用、特定のマイクロホンを選択し減衰させるアプローチ、及びアレイ出力信号を補正するためのパニング制約又はリミキシング動作の使用である。実施形態において記載されるように、このアプローチは、計算上効率的であり、風の低減にとって有効であり、且つ、風の活動がないときの抑圧器による不必要な歪み及びフィルタリングを回避する。
多次元の場合の一般化された制約は、アレイ相関行列を用いて便宜上表され計算され得る。これは、計算に必要な全ての情報を含む。2つのチャネルに関して、比、位相及びコヒーレンスは相関行列の完全情報を含むことが分かる。2よりも多いマイクロホンに関して、制約は、使用する信号ベクトル及び相関行列としてよりすっきりと表される。関心のある所望の発生源についての相関行列S(N×N)が知られており、公称の受動ミックスダウン行列W(M×N)が利用可能である場合に、それらは、出力される相関行列(M×M)がパニング又はミキシング変換によってもたらされないように、不変変換の同値類を定義するために使用され得る。簡潔に、これは、Sの固有空間における単純な対角問題として分解され得るWVSV’W’=WSW’であるように、パニング及びミキシング空間V(N×N)について解くよう提示される。Sは、ランク不足(rank deficient)であると期待され(一般的には、ランクPである。)、別な場合には、解は単数である(V=I)。パニング及びミキシング行列Vは、風によってその瞬間に汚染されるであろうチャネルの識別及び選択と、風レベル信号とに基づき、特定のマイクロホンチャネルからの寄与を減衰又は低下させるよう制約される。
図9は、一実施形態に従う風検出方法900を表すフロー図である。902で、第1及び第2の入力信号が受信される。904で、複数の分析が第1及び第2の入力信号に対して行われる。複数の分析は、例えば、スペクトル傾斜分析、比分析、コヒーレンス分析及び位相変化分析から選択される。906で、複数の分析の結果は結合されて、風レベル表示信号が生成される。
図10は、一実施形態に従う風抑制方法1000のフロー図である。1002で、第1及び第2の入力信号が受信される。1004で、第1及び第2の入力信号の比が決定される。1006で、風レベル表示信号が受信され、1008で、第1又は第2の入力信号のうちの1つが選択されて、その選択された1つに風レベル表示信号及び比に基づき第1又は第2のパニング係数のうちの1つが適用され、第1又は第2の入力信号のうちの他方は選択されない。
図11は、一実施形態に従う風検出及び抑圧方法1100のフロー図である。1102で、第1及び第2の入力信号が受信される。1004で、複数の分析が第1及び第2の入力信号に対して実行される。複数の分析は、スペクトル傾斜分析、比分析、コヒーレンス分析及び位相変化分析から選択される。1106で、複数の分析の結果は結合されて、風レベル表示信号が生成される。1108で、第1及び第2の入力信号の比が決定される。1110で、第1又は第2の入力信号のうちの1つが選択されて、その選択された1つに風レベル表示信号及び比に基づき第1又は第2のパニング係数のうちの1つが適用され、第1又は第2の入力信号のうちの他方は選択されない。
実施形態及び適用が図示及び記載されてきたが、当業者には当然に、上記以外の多数の更なる改良が、ここで開示されている発明概念を逸脱しない範囲で可能である。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の主旨以外では限定されない。
[関連出願の相互参照]
本願は、2011年2月10日に出願された米国特許仮出願第61/441396号明細書、2011年2月10日に出願された米国特許仮出願第61/441397号明細書、2011年2月10日に出願された米国特許仮出願第61/441611号明細書、2011年2月10日に出願された米国特許仮出願第61/441528号明細書、及び2011年2月10日に出願された米国特許仮出願第61/441633号明細書に関連する。

Claims (25)

  1. 複数の入力信号を受信するよう構成される風検出器と、
    風抑圧器と
    を有し、
    前記風検出器は、
    前記複数の入力信号を分析するよう夫々構成される複数のアナライザと、
    前記複数のアナライザの出力の論理積求め該論理積に基づき、風の活動を示す風レベル表示信号を発行するよう構成されるコンバイナと
    を有し、
    前記風抑圧器は、
    前記複数の入力信号のサブバンド電力の比を生成するよう構成される比計算部と、
    前記複数の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用するよう構成されるミキサと
    を有し、
    前記複数の入力信号のうちの他の1又はそれ以上は選択されない、
    ピックアップシステム。
  2. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数の適用は、前記第1の入力信号と前記第2の入力信号との比の関数であり、
    前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの1つαは、前記風抑圧器へ与えられる風検出器出力信号と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号についてのサブバンド電力の現在の比と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号のサブバンド電力についての予め選択された比値との関数である、
    請求項1に記載のピックアップシステム。
  3. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    前記第1のパニング係数及び前記第2のパニング係数は、
    Figure 0006106707
    として関連し、
    αは、前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの1つであり、βは、前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの他であり、p1及びp2は、風抑圧の後の予想される処理を特徴付ける受動アレイを定義し、rは、所望の信号について第1の入力信号サブバンドと第2の入力信号サブバンドとの間のサブバンド関係を定義する複素因数である、
    請求項1に記載のピックアップシステム。
  4. 前記風抑圧器は、前記風検出器から発せられる前記風レベル表示信号にフィルタをかけるフィルタを更に有する、
    請求項1に記載のピックアップシステム。
  5. 複数の入力信号を受信するステップと、
    スペクトル傾斜分析、比変化分析、コヒーレンス変化分析及び位相変化分析から選択される複数の分析を前記複数の入力信号に対して行うステップであって、前記複数の分析が夫々、周波数バンドの組にわたって前記複数の入力信号を分析するよう構成される、ステップと、
    風レベル表示信号を生成するよう前記複数の分析の結果の論理積を求めるステップと
    を有する風検出方法。
  6. 前記複数の分析は瞬時に行われる、
    請求項5に記載の風検出方法。
  7. 前記風レベル表示信号は連続的である、
    請求項5に記載の風検出方法。
  8. 前記複数の分析の結果を閾値と比較するステップ
    を更に有する請求項5に記載の風検出方法。
  9. 複数の入力信号を受信するステップと、
    前記複数の入力信号のサブバンド電力の比を決定するステップと、
    風レベル表示信号を受信するステップと、
    前記複数の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用するステップと
    を有し、
    前記複数の入力信号のうちの他の1又はそれ以上は選択されない、
    風抑圧方法。
  10. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    選択されなかった入力信号に前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの他を適用するステップ
    を更に有する請求項9に記載の風抑圧方法。
  11. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    前記選択された入力信号に選択されなかった入力信号の少なくとも一部を適用するステップ
    を更に有する請求項9に記載の風抑圧方法。
  12. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの1つαは、前記風レベル表示信号と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号についてのサブバンド電力の現在の比と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号のサブバンド電力についての予め選択された比目標値との関数である、
    請求項9に記載の風抑圧方法。
  13. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    前記第1のパニング係数及び前記第2のパニング係数は、
    Figure 0006106707
    として関連し、
    αは、前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの1つであり、βは、前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの他であり、p1及びp2は、風抑圧の後の予想される処理を特徴付ける受動アレイを定義し、rは、所望の信号について第1の入力信号サブバンドと第2の入力信号サブバンドとの間のサブバンド関係を定義する複素因数である、
    請求項9に記載の風抑圧方法。
  14. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    rは、
    Figure 0006106707
    と定義され、
    RatioTgtは、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の予め選択されたサブバンド比値(単位dB)であり、PhaseTgtは、第1の入力サブバンド信号と第2の入力サブバンド信号との間の予め選択された位相差値である、
    請求項13に記載の風抑圧方法。
  15. 非一時的なコンピュータ可読媒体において配置される風検出ためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに、
    複数の入力信号を受信するステップと、
    スペクトル傾斜分析、比変化分析、コヒーレンス変化分析及び位相変化分析から選択され、周波数バンドの組にわたって前記複数の入力信号を分析するよう夫々構成される複数の分析を前記複数の入力信号に対して行うステップと、
    風レベル表示信号を生成するよう前記複数の分析の結果の論理積を求めるステップと
    を有する方法を実行させることができるコンピュータプログラム命令を有するコンピュータプログラム。
  16. 前記方法は、カットオフ及び減衰のうちの1又はそれ以上を含む連続的に調整可能なパラメータを有するフィルタへ前記複数の信号を送信するステップを更に有し、前記連続的に調整可能なパラメータは、前記風レベル表示信号の関数として調整可能である、
    請求項15に記載のコンピュータプログラム。
  17. 前記方法は、
    風の活動の閾レベルに到達したかどうかを決定するステップと、
    前記決定の表示を前記風レベル表示信号において発行するステップと
    を更に有する、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
  18. 前記複数の分析は瞬時に行われる、
    請求項15に記載のコンピュータプログラム。
  19. 前記風レベル表示信号は連続的である、
    請求項15に記載のコンピュータプログラム。
  20. 前記方法は、前記複数の分析の結果を閾値と比較するステップを更に有する、
    請求項15に記載のコンピュータプログラム。
  21. 非一時的なコンピュータ可読媒体において配置される風抑圧ためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに、
    複数の入力信号を受信するステップと、
    前記複数の入力信号のサブバンド電力の比を決定するステップと、
    風レベル表示信号を受信するステップと、
    前記複数の入力信号のうちの1つを選択し、そのようにして選択された入力信号に前記風レベル表示信号及び前記比に基づき第1のパニング係数又は第2のパニング係数のうちの1つを適用するステップと
    を有する方法を実行させることができるコンピュータプログラム命令を有し、
    前記複数の入力信号のうちの他の1又はそれ以上は選択されない、
    コンピュータプログラム。
  22. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    前記方法は、選択されなかった入力信号に前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの他を適用するステップを更に有する、
    請求項21に記載のコンピュータプログラム。
  23. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの1つαは、前記風レベル表示信号と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号についてのサブバンド電力の現在の比と、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号のサブバンド電力についての予め選択された比目標値との関数である、
    請求項21に記載のコンピュータプログラム。
  24. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    前記第1のパニング係数及び前記第2のパニング係数は、
    Figure 0006106707
    として関連し、
    αは、前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの1つであり、βは、前記第1のパニング係数又は前記第2のパニング係数のうちの他であり、p1及びp2は、風抑圧の後の予想される処理を特徴付ける受動アレイを定義し、rは、所望の信号について第1の入力信号サブバンドと第2の入力信号サブバンドとの間のサブバンド関係を定義する複素因数である、
    請求項21に記載のコンピュータプログラム。
  25. 前記複数の入力信号は、第1の入力信号及び第2の入力信号であり、
    rは、
    Figure 0006106707
    と定義され、
    RatioTgtは、前記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の予め選択されたサブバンド比値(単位dB)であり、PhaseTgtは、第1の入力サブバンド信号と第2の入力サブバンド信号との間の予め選択された位相差値である、
    請求項24に記載のコンピュータプログラム。
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