JP6106559B2 - 熱式流量センサ - Google Patents

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Description

本発明は、空気への放熱量を基に空気流量を測定する熱式流量センサに係り、特に、自動車の内燃機関エンジンに吸入される空気流量を測定する際に好適な熱式流量センサに関する。
従来から、この種の空気流量を測定する装置としては、種々の構成や方式のものが実用に供されてきたが、エンジンの高性能化に伴う流量測定の高精度化要求により、特にエンジン脈動時のセンサ誤差を低減するため、流量センサの逆流検知方式が検討されてきた。従来は、特許文献1に代表されるようなボビン式の流量センサが主流であったが、順流、逆流問わず特性がプラス方向に変化してしまうため、逆流が発生するような脈動条件においては、ボビン式の流量センサではリッチ誤差(平均流量が高くなってしまう誤差)が発生する(図1参照)。
これに対し、順流と逆流の方向を検知できる熱式流量センサは逆流波形が反転することなく出力されるため前記誤差の発生を抑制できる。この熱式流量センサの一般的な構成は、特許文献2に示されるような、半導体プロセスを用いて、シリコン基板(ウエハ)に抵抗体および絶縁膜を形成し、裏面エッチングにより薄膜化することによって熱容量を抑えた高速応答型流量センサである。
特開平11−83584号公報 特開2012−32247号公報
しかしながら、特許文献2に示されるような流量センサにおいても、エンジン脈動のような100Hzを超えるような高周波脈動においては応答遅れが発生し、特許文献1に明記されているようなマイナス誤差(2値化現象)(以下、「リーン誤差」と称す。)が発生してしまう。これを対策する手法として、慣性効果を効かせてリーン誤差を相殺させるように、バイパス通路構造を設計するのが主流である。
バイパス設計において、エンジン脈動が200%以上(=逆流が発生する脈動条件)の脈動振幅が発生する領域においては、200%以下の脈動振幅の領域の誤差を低減させるために設計したバイパス構造においては、逆流発生時にバイパス通路内に逆流を取り込みにくくなってしまい、200%以上の高脈動振幅域において、リッチ誤差を発生させてしまう傾向にあることを筆者らは知見を得ている。
つまり、流量センサの応答遅れによるリーン誤差と、バイパス通路の慣性効果によるリッチ誤差が相殺する脈動振幅領域には制限がある。近年、燃費向上を目的としたVTCエンジンを代表するエンジン環境では、1000%近くの脈動振幅が発生し、従来の流量センサでは、リッチ誤差が大きくなってしまう特定の脈動振幅条件が発生してしまうといった課題がある。
本発明の目的は、計測精度を向上した熱式流量センサを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の熱式流量センサは、半導体基板に薄膜部を備えたダイアフラムを有する空気流量検出素子と、前記ダイアフラム上に少なくとも一つの発熱抵抗体を有し、かつ、前記発熱抵抗体の上流側と下流側に少なくとも一つずつの温度を検出する測温抵抗体が形成されており、少なくとも上流側と下流側の二つの前記測温抵抗体の温度差情報に基づいて前記空気流量検出素子の出力信号として処理する補正回路部と、を有する熱式流量センサにおいて、前記補正回路部で処理される出力信号の波形は、波形のピーク値がある任意の所定値を超えた時に前記所定値が出力されることでピーク値を成す山部あるいは谷部の一部を前記所定値にカットした波形であるように構成した。
本発明によれば、計測精度を向上した熱式流量センサを提供することが可能となる。
ボビン式空気流量計におけるリッチ誤差の説明図である。 熱式流量センサの一実施形態における説明図である。 熱式流量センサの出力電圧の電気配線図である。 熱式流量センサの出力電圧の一実施形態における説明図である 熱式流量センサの実車搭載される場合の説明図である。 エレメントの応答遅れに起因した二値化誤差の説明図である。 本発明における脈動誤差の説明図である。 本発明における補正方法の一実施形態における説明図である。 補正前のエレメント出力波形の説明図である。 本発明における補正方法の一実施形態における波形の説明図である。 実車でのスロットル開度と平均流量との関係性を説明した図である。 実車でのスロットル開度と脈動率との関係性を説明した図である。 本発明における補正方法の一実施形態における説明図である。 本発明におけるHPF補正を通した後の波形を説明した図である。 本発明における補正方法の一実施形態における説明図である。 本発明における補正方法の一実施形態における説明図である。 本発明における線形変換補正の説明図である。 入力波形にノイズが混入する前後のクランプ補正値の切り替わりを説明した図である。 入力波形にノイズが混入することによるクランプ補正誤差を説明した図である。 入力波形にノイズが混入する前後の流量補正値の切り替わりを説明した図と入力波形にノイズが混入することによる加算方式補正誤差を説明した図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、熱式流量センサの概略について説明する。熱式流量センサのセンシングエレメント20を図2に示す。センシングエレメント20は半導体技術を用いて製造される。シリコン基板(ウエハ)10に酸化膜や窒化膜の絶縁膜、抵抗体を積層してなる積層膜11を形成した後、シリコン基板10の裏面側からエッチングによりシリコンを除去して空洞部を形成する。このとき、積層膜11が薄膜部として残るように形成される。この薄膜部をダイアフラム12と呼ぶ。このダイアフラム12上には、中心部に加熱抵抗体のヒータ13が配置され、このヒータ13の上流側および下流側に上流側温抵抗体14、下流側温抵抗体15がヒータ13に対して左右対称に配置される。検出方法としては、一般的には上流側温抵抗体14と下流側温抵抗体15を直列に接続し、その中間電位(Eout)16を流量信号として取り出すのが一般的である(図3(a)参照)。なお、この時の流量とEoutの関係を図3(b)に示している。
次に、上記センシングエレメント20が搭載される熱式流量センサの概略図を図4に示す。
センシングエレメント20は支持基板25上に搭載され、その支持基板25はハウジング部材30に接着されており、吸気ダクト40の一部の空気をセンシングエレメント20へ誘導するためのバイパス通路31を有している。
このような実装環境下において、熱式流量センサに脈動した吸入空気が到達する。脈動する周波数はエンジンのピストン回転数に依存する。脈動流の周波数は10Hz〜200Hz程度が一般的である。この脈動流に対して、センシングエレメント20の出力には応答遅れが発生する。特に半導体技術で製造されたエレメントにおいては、概ね40Hz以上の周波数において応答遅れが発生することを筆者らは実験により確認している。ここで応答遅れが発生した場合、空気流量と出力信号の非線形性の特性から、マイナス誤差(リーン誤差)が発生してしまう(図5参照)。
これに対して、近年では、熱式流量センサの応答遅れによるリーン誤差を改善する努力が払われた結果、図4に示されるように空気の流れを迂回させるバイパス通路31を設け、このバイパス通路31に流量センサを配置している。なお、取り込んだ吸入空気を迂回させることで吸入空気に含まれるダスト等を遠心分離し、これによりセンシングエレメント20へのダスト等の到達量も併せて低減している。このような迂回バイパス通路方式は、図6の脈動時特性(誤差)に示すように、バイパス通路がない状態(バイパス無し)のときには、エンジン脈動時に流量センサの応答遅れによりリーン誤差が発生してしまう。このため、リーン誤差をゼロ基準まで戻す(リッチ側へ補正する)手法として、バイパス流路を流れる空気の慣性を利用するものである。
しかしながら、この迂回バイパス通路構造の慣性効果を利用しても、図6に示すような逆流が発生する脈動振幅率(200%)以下の低脈動振幅域においては、脈動誤差をゼロに近づける有効な手段ではあるが、200%以上の高脈動振幅域においては、今度はリッチ誤差の傾向が強くなり、低域から高域までの範囲を全てカバーすることが非常に難しいといった課題がある。
本発明の補正手段の一構成例を図7に示す。センシングエレメント20からの出力であるエレメント出力は補正LSI内部に取り込まれ、内部のA/D変換器によってA/D変換される(D_in)。この入力値は最大値検出回路および、最小値検出回路を通ることにより、それぞれD_max、D_minとして認識される。この二つの出力値は計算ブロックで平均流量(D_ave)と流量振幅(D_amp)の値が算出される。この二つの出力値をパラメータとした補正クランプ値(D_clp)がクランプ補正マップにより選択される。この補正クランプ値(D_clp)と、元の入力値(D_in)とを比較計算することによって、元の入力値が補正クランプ値よりも大きくならないようにすることができる。すなわち、元の入力値(D_in)と補正クランプ値(D_clp)を比較したときに、補正クランプ値(D_clp)を超えない場合は、元の入力値(D_in)が波形比較で比較計算された値(D_out)として出力される、一方で、補正クランプ値(D_clp)を超える場合は、補正クランプ値(D_clp)が波形比較で比較計算された値(D_out)として出力される。なお、入力値がある任意の所定値(ここでは、補正クランプ値に対応する。)を超えたときに、その任意の所定値を出力し、かつ、その所定値が波形の振幅の最大値(あるいは最小値)となるように設定して、出力波形の山(あるいは谷)をある任意の所定値でカットすることを以降ではクランプとよび、そのような補正をクランプ補正と呼ぶ。
比較計算された値(D_out)はD/A変換されて流量センサの出力信号として出力されECUで読み取られる。
次に、上述した補正手段における効果について図8および図9を用いて説明する。まず図8は、脈動振幅率が200%以上(逆流域まで脈動振幅している)の状態を示している。図8の実線は、実際の吸気ダクト内の脈動波形を示しており、この平均値(太い一点鎖線)が真の値となる。これに対し、流量センサのエレメント出力をA/D変換した値は図8のD_inの点線波形となる。この点線波形は真の空気脈動に対して応答遅れが発生し、振幅が小さくなっており、かつ、バイパス通路の迂回による慣性効果により全体の平均値が大幅にプラス誤差方向にシフトしている波形を示している。これにより、D_inの平均値(細い一点鎖線)は脈動誤差としてはリッチ誤差を示している。
一方、LSI内部で補正した場合について図9を用いて説明する。入力値であるD_inに対して、最大値、最小値検出回路でそれぞれD_maxとD_minが認識される。これらの値から平均流量(D_ave)と流量振幅(D_amp)の値が算出され、LSI内部のクランプ補正マップからある補正クランプ値(D_clp)が選択される。その後、D_inはD_clpと比較計算されてD_out出力が導き出される。この時のD_outの平均値は図9に示すように、波形の上部の波形がカットとされたため平均値としては、低くなり真の空気平均流量値に近づけることができ、より誤差の少ない高精度な熱式流量センサを提供することができる。また上記最大値、最小値検出回路で得られる値は、ある時刻毎で更新されるか、減衰するように設定される。
次に、本実施例で波形をクランプしている利点について説明する。波形を補正する方法として、クランプのように、波形の一部をカットして補正をかける場合と、波形自体に補正量自体を足し合わせることによって補正する方法の大きく2種類に分類される。通常の脈動波形を補正する場合は、共に有効な補正方法であると考えられる。しかしながら、エンジン脈動においては、常に安定した脈動波形が得られるとは限らず、ノイズが混入した波形になってしまう場合がある。ここでノイズが混入した場合における、それぞれの補正波形を図16、図17に示す。
まず、クランプして補正する方式について図16を用いて説明する。
図16(a)はエレメント出力(D_in)にノイズが混入した場合の波形を示しており、この時にLSIで検知される最小値はノイズが混入する前と後で認識する値が異なってしまう。これによって、クランプ値が異なる値(D_clp2)が適応される。しかしながら、クランプして補正をかける場合は、元の波形がクランプ値を超えない限りは元の波形のままであるため、誤差が発生する部分が一部で済む。その出力波形が図17(b)のD_outとなる。
これに対して補正量を加える方式について図17を用いて説明する。
図17は同様にエレメント出力(D_in)にノイズが混入した場合の波形を示しており、この時にLSIで検知される最小値はノイズが混入する前と後で認識する値が異なってしまう。これによって、補正値が異なる値(−x2)が適応される。補正量をたし合わせる場合の出力波形を図17に示すように、常に補正量をたし合わせるため波形全てに誤差[(−x1)−(−x2)]分が常に発生し、補正精度が悪化してしまう場合がある。
したがって、波形にノイズが混入するような場合において、クランプして補正する方式の方が、補正誤差が小さくなる。
また、本実施例は図6に示すようなリッチ誤差を低減するために、脈動波形の山部をクランプする実施例を説明したが、リーン誤差を低減するためには、脈動波形の谷部をクランプすれば、リーン誤差が同様に低減できることは明白である。
以上より、例えば燃費向上を目的としたVTCエンジンを代表する高脈動振幅が発生するエンジン環境においても、出力信号の脈動誤差が低く、また、ノイズに対する補正精度を向上させた熱式流量センサを提供できる。
次に、本発明の他の一構成例について説明する。
まず、クランプ補正値が平均流量と振幅値の二つのパラメータから決定されることについて説明する。図10(a)、(b)を用いて実車エンジンでの脈動挙動について説明する。図10(a)はスロットルバルブの開度とその時に流れる空気脈動の平均値を簡易的に示したグラフを示す。スロットル開度を大きくしていくと、ダクト内を流れる平均流量が大きくなる。また平均流量は、その時のエンジン回転数に依存する。また、エンジン回転数はそのまま脈動波形の周波数に依存する。
次に、図10(b)はスロットルバルブの開度とその時に流れる空気脈動の脈動振幅率を簡易的に示したグラフを示す。なお、脈動振幅率は以下の式(1)で算出される。
(脈動振幅率)=(脈動振幅量)/(平均流量) (1)
図10(b)に示されるように、スロットル開度を大きくしていくと空気脈動の脈動振幅率が大きくなる。また平均流量は、その時のエンジン回転数に依存する。
以上より、実車エンジンにおける空気脈動は、「周波数」、「平均流量」、そして「脈動振幅率(脈動振幅量)」に依存した物理現象である。この3つのパラメータの組合せによって、流量計の誤差が決まることになる。つまり、各脈動条件において、センサ内部で、つまり補正LSIで各パラメータを正しく読み取ることができれば、それに応じた補正が可能となる。
しかしながら、3つのパラメータを持つということは、補正値を3次元で持つことになり、補正LSI内部の補正値マップ、および計算ステップが過大に必要となり、コストが高くなってしまう。
そこで筆者らは、HPF(High Pass Filter)などの周波数応答補償と、上記補正(図7)とを組合せることにより、より補正精度が高く、そしてLSIのコストダウンを図った。この構成について図11に示す。
図7との異なる点は、A/D変換器でのA/D変換後にHPFによる補正処理を行うことである。HPFによる補正処理を通すことによって、応答遅れによって減衰した出力波形(出力振幅)が真の空気脈動振幅に近づくように補正される。これにより、周波数に依存した応答遅れによるリーン誤差が解消される。つまり、3つのパラメータのうちの一つである「周波数」の脈動誤差の依存性が低減される。これによって、残りのパラメータである「平均流量」と「脈動振幅量」に応じた補正を入力信号に与えれば、より高精度な脈動補正が可能となる。そして補正に必要なクランプ補正値が3次元マップから2次元マップへ低減されたため、LSIのコストアップが改善される。
また、本実施例によれば、クランプ補正値は検出される平均値と脈動振幅量をパラメータとして決定されるため、脈動が発生しないようなDC波形においては、振幅量がほぼゼロとなるため、振幅量がゼロのような小さな値の場合は、クランプ補正値をはるかに大きな値に設定しておけば、全く補正がかからず静特性への影響をゼロにすることができる。つまり、本補正の特徴は、補正をかける必要がない静特性の条件においては、全く補正影響が無く、かつ、補正が必要な動特性の条件でのみ有効な補正がかかるといった特徴を持つ。
また、本実施例では、周波数の依存性を低減するためにHPFなどを代表とした周波数応答補償を加えた説明をしたが、前記、慣性効果などを代表としたバイパス構造に起因した脈動誤差を低減する手法により、応答遅れによるリーン誤差を補正しなくても良い場合は、図7に示すような補正手法により、脈動補正が可能となる。
ただし、誤差自体はバイパス構造により低減されるが、エレメント出力自体は、応答遅れにより高周波脈動における波形は、真の脈動振幅量から減衰した波形のままである。その場合、波形の最大値および最小値が正しく認識できず、その脈動条件に適した補正ができない場合がある。それを解決するための補正方法の一例の構成について図13を用いて説明する。
入力信号にはHPF補正を通さないことによって、脈動誤差のリッチ化を防止し、かつ、波形の最大値、最小値は真の脈動振幅量に近い値を検知する必要があるため、最大値、最小値検出の入力のみHPFを通すことによって波形の減衰が改善され、より高精度に上記ピーク値を認識できる。これによって、脈動条件を正しく認識することによって高精度な補正が可能となる。
これによって、図6に示すような、高脈動域においてもリッチ誤差を低減した高精度な熱式流量センサが提供できる。
また、上記補正方法に対して、最大値、最小値検出回路で検出される値をさらに高精度に認識する一構成例について図14に示す。
図14は実施例2の補正方法を基準にしているが、その他の実施例においても同様である。図14に示されるように、本実施例ではHPFによる応答遅れ補償を行なった後の信号を線形変換回路にて補正を行なう構成である。この補正の詳細について図15を用いて説明する。
センサエレメント20の出力は図15に示されるように、空気流量に対して非線形曲線の関係にある。そのため、曲がり補正がない場合の出力値(D_in)は図のような曲がりを持った特性となる。この場合、脈動波形の振幅量(Qa)が同じで平均流量が異なる場合、平均流量が異なると、LSIでは振幅量(Va)がそれぞれ異なった値として検出されるため、補正の精度が低下してしまう。
それに対して、線形変換補正を入れると、脈動波形の平均流量が変化した場合でも、振幅量を正しく検出することができる。これによって、高精度な補正が可能となる。
10・・・シリコン基板
11・・・絶縁膜と抵抗体の積層膜
12・・・ダイアフラム
13・・・ヒータ
14・・・上流側温抵抗体
15・・・下流側温抵抗体
16・・・中間電位
20・・・センシングエレメント
25・・・支持基板
30・・・ハウジング部材
40・・・吸気ダクト

Claims (6)

  1. 半導体基板に薄膜部を備えたダイアフラムを有する空気流量検出素子と、前記ダイアフラム上に少なくとも一つの発熱抵抗体を有し、かつ、前記発熱抵抗体の上流側と下流側に少なくとも一つずつの温度を検出する測温抵抗体が形成されており、少なくとも上流側と下流側の二つの前記測温抵抗体の温度差情報に基づいて前記空気流量検出素子の出力信号として処理する補正回路部と、を有する熱式流量センサにおいて、
    前記補正回路部で処理される出力信号の波形は、波形のピーク値がある任意の所定値を超えた時に前記所定値が出力されることでピーク値を成す山部あるいは谷部の一部を前記所定値にカットした波形であることを特徴とする熱式流量センサ。
  2. 請求項1に記載の熱式流量センサにおいて、
    前記任意の所定値は、前記空気流量検出素子の出力信号を元にした信号から求められる平均流量と振幅値の二つのパラメータから決定することを特徴とする熱式流量センサ。
  3. 請求項2に記載の熱式流量センサにおいて、
    前記平均流量と前記振幅値は、前記空気流量検出素子の出力信号を元にした信号から、最大値を検出する回路と最小値を検出する回路から検出される各々の値を用いて求められることを特徴とする熱式流量センサ。
  4. 請求項3に記載の熱式流量センサにおいて、
    前記空気流量検出素子の出力信号を元にした信号は、前記空気流量検出素子の出力信号に応答遅れを補償する回路で補正された信号であることを特徴とする熱式流量センサ。
  5. 請求項3または請求項のいずれかに記載の熱式流量センサにおいて、
    前記出力信号は、周波数応答回路による補正処理がされていることを特徴とする物理量センサ。
  6. 請求項3から請求項5のいずれかに記載の熱式流量センサにおいて、
    前記最大値を検出する回路および最小値を検出する回路に入力される信号は、前記出力信号を流量と出力の関係で線形方向に補正した信号であることを特徴とする物理量センサ。
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