以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。まず、パチンコ遊技機1の各構成について説明する。
[パチンコ遊技機の基本構成]
図1は、パチンコ遊技機の概略正面図である。図2は、始動口形成部材の内部を模式的に示した模式図である。図3は、図2の始動口形成部材に遊技球が導入された状況を概念的に示した説明図であり、(A)は遊技球が第1始動口に振り分けられた状況を示し、(B)は遊技球が第2始動口に振り分けられた状況を示す図である。パチンコ遊技機1は、図1に示すように、概観の基本構成として、遊技盤2と、遊技盤2の外周側を囲む枠部材3とを備えている。遊技盤2は、入賞や判定(抽選)に関する役物等が設けられている。枠部材3は、遊技盤2の平面に対して、所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持している。すなわち、パチンコ遊技機1は、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下(流通)可能な遊技領域10を形成している。
また、枠部材3の下部側には、上皿28、下皿29、及び、ハンドル20が設けられている。上皿28は、遊技球を貯留する部分であり、当該貯留された遊技球は主に後述する発射装置(図示しない)に供給される。下皿29は、上皿28の下方に位置し、主にパチンコ遊技機1から払い出された遊技球(賞球)を貯留する部分である。また、この下皿29には、取り出しボタン23が備え付けられており、当該取り出しボタン23を操作することで、当該下皿29に貯留された遊技球を下方に向けて排出することができる。ハンドル20は、遊技球を遊技領域10内に向けて打ち出す装置であり、回動式のレバー21と、当該レバー21と連動して作動する図示しない発射装置とを有する。
すなわち、このパチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計回り方向に回転させると、上皿28から案内された遊技球が発射装置側に流れ込み、次々と遊技球が遊技領域10に向けて発射される。この遊技領域10には、遊技球を流下させるための図示しない遊技クギや風車等(以下、クギ等という)が設けられており、ハンドル20によって打ち出された遊技球は、クギ等に衝突しながら流下する。具体的には、ハンドル20によって打ち出された遊技球は、一旦、遊技領域10の外枠に沿って上部側に案内され、クギ等に衝突することでその移動方向を変化させながら遊技盤2の平面に沿って流下する。なお、ハンドル20のレバー21をもとの位置に戻したり、当該ハンドル20に備えられた停止ボタン22を操作することによって、遊技領域10への遊技球の打ち出しを一時的に停止することができる。
また、この種のハンドル20は、レバー21の回転角度に応じて遊技球の打ち出し力を変化させることができる。すなわち、遊技者がレバー21の回転角度を調節することで、いわゆる「左打ち」と「右打ち」を使い分けることができる。
「左打ち」は、レバー21の回転角度を小さく(「右打ち」に比べて相対的に小さく)調節することで行うことができる。すなわち、「左打ち」によって、図1の矢印31に示すように、遊技盤2の概ね左半分側の遊技領域10で遊技球を流下させることができる。なお、「左打ち」によって遊技領域10に打ち出された遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口(図2)11と第2始動口(図2)a12とを有する始動口形成部材8、及び、3つの普通入賞口14a,14b,14cが設けられている。
一方、「右打ち」は、レバー21の回転角度を大きく(「左打ち」に比べて相対的に大きく)調節することで行うことができる。すなわち、「右打ち」によって、図1の矢印32に示すように、遊技盤2の概ね右半分側の遊技領域10で遊技球を流下させることができる。なお、「右打ち」によって遊技領域10に打ち出された遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、大入賞口13、1つの普通入賞口14d、第2始動口b15、電動式開閉役物16、及び、ゲート17が設けられている。
したがって、パチンコ遊技機1において、「左打ち」であれば、遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、始動口形成部材8、及び、普通入賞口14a〜14cのいずれかに入賞し得る(左打ち経路)。また「右打ち」であれば、遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、大入賞口13、第2始動口b15、及び、普通入賞口14dのいずれかに入賞し得る(右打ち経路)。そして、遊技球が、いずれかの入賞口に入賞すれば、その入賞した個所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、前記したいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、遊技盤2の下部に設けられた排出口18を介して、遊技領域10から排出される。
始動口形成部材8は、前記したように、第1始動口11と第2始動口a12を有する部分であり、図2に示すように、各始動口11,12に通じる始動導入口35と、始動導入口35を通過した遊技球を各始動口11,12に振り分ける振り分け部材36をさらに有する。本実施形態では、振り分け部材36として、1つのヒンジを支点としたシーソーの原理で機械的に振り分ける形式のものが採用されている。より詳細には、この振り分け部材36は、遊技盤2の平面に対して平行に回動し、その回動作用によって、遊技球を左右方向に交互に振り分ける機能を有する。すなわち、この振り分け部材36は、始動口形成部材8に導入された遊技球を、概ね50%の確率で、第1始動口11にも、第2始動口a12にも導くことができる、いわゆる、交互入賞タイプである。
より具体的には、振り分け部材36は、遊技球を第1始動口11に振り分ける第1姿勢(図3(A)において遊技球が接触する前の姿勢)と、遊技球を第2始動口a12に振り分ける第2姿勢(図3(B)において遊技球が接触する前の姿勢)との間で姿勢変更可能な構成である。第1姿勢に変化した状態で遊技球が振り分け部材36に接触すると、遊技球は第1始動口11に振り分けられ、このときの遊技球の接触により、振り分け部材36は第2姿勢に変化する。次に始動導入口35を通過した遊技球は、第2姿勢の振り分け部材36に接触して第2始動口a12に振り分けられる。このときも同様に、第2姿勢の振り分け部材36は、遊技球の接触によって、第1姿勢に変化する。このように、振り分け部材36は、遊技球が接触すると第1姿勢から第2姿勢(または第2姿勢から第1姿勢)に変化することで、遊技球を第1始動口11および第2始動口a12に交互に振り分ける。
したがって、かかる構成の始動口形成部材8においては、図3(A),(B)に示すように、始動導入口35を遊技球が通過すると、振り分け部材36によって流下先が左(図3(A))か右(図3(B))に振り分けられ、振り分けられた遊技球は、その下流に位置する第1始動口11あるいは第2始動口a12に導入される。なお、始動口形成部材8では、遊技球の振り分けの確率を、「概ね50%の確率」としているが、これは、振り分け部材36によって遊技球が第1始動口11又は第2始動口a12に振り分けられても、その遊技球が振り分け先の始動口に必ず入賞するとは限らず、遊技球が何れの始動口にも入賞しない場合があるからである。
このように、パチンコ遊技機1は、ハンドル20を操作することで、遊技球が遊技領域10内を流下すると、始動口形成部材8を通過する場合があり、その場合は、第1始動口11や第始動口a12に入賞し得る構成となっている。そして、パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は、遊技球が第2始動口a12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、本実施形態では、上述したように、振り分け部材36は、第1始動口11に遊技球を振り分けた後、第2始動口a12に遊技球を振り分けるように機械的に姿勢変化するが、他の実施形態では、振り分け部材36は、電気的に作動する駆動部によって姿勢が制御されて第1始動口11又は第2始動口a12に振り分けるように動作してもよい。例えば、振り分け部材36は、第1始動口11に振り分ける姿勢と、第2始動口a12に振り分ける姿勢との間で、所定のタイミングで電気的に切り替わるようにしてもよく、また遊技球を所定の割合(例えば、50対50や40対60の割合)で各始動口に振り分けるようにしてもよい。
以下の説明においては、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と称し、第2始動口a12又は第2始動口b15への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と称し、これらの判定(抽選)を総称して、「特別図柄判定(特別図柄抽選)」と称する。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートが開放される。すなわち、プレートを作動させて大入賞口13を開放することで、大当たり遊技が実行される。この状況下においては、遊技者は、「右打ち」によって、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
普通入賞口14a〜14dは、常時開放されており、遊技球の入賞によって所定数の賞球が払い出される入賞口である。なお、普通入賞口14では、前記した各始動口11,12,15のように、遊技球が入賞しても判定(抽選)が行われることはない。
第2始動口b15は、前記したように、右打ち経路に設けられた始動口である。そして、本実施形態では、第2始動口b15は、前記第2始動口a12と同様の役割を果たす始動口となっている。この第2始動口b15は、通常は電動式開閉役物16によって、遊技球の導入開口が閉鎖されており、所定の条件が満たされると開放する構成である。具体的には、第2始動口b15は、ゲート17に遊技球が通過することで、開放するか否かが判定される。そして、この判定によって第2始動口b15を開放すると判定された場合、電動式開閉役物16を構成する羽根部材の開閉動作を規定回数(ここで言う開閉動作の回数は、開姿勢を1回、閉姿勢を1回する組み合わせを1回とする)行う。すなわち、第2始動口b15は、電動式開閉役物16の羽根部材の姿勢が開姿勢となれば開放され、当該開放状態によって遊技球を通過させることができる。このように、第2始動口b15は、電動式開閉役物16が作動していないときは遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動式開閉役物16が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
以下の説明においては、第2始動口b15への遊技球の入賞を条件として実行される判定を、第2始動口a12と同様、「第2特別図柄判定」と称し、ゲート17に対する遊技球の通過を条件として実行される判定(抽選)を、「普通図柄判定(抽選)」と称するものとする。
[パチンコ遊技機の演出手段の構成]
遊技盤2又は枠部材3には、図1に示すように、各種演出を行うものとして、液晶表示器5、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39が設けられている。また、枠部材3には、枠ランプ37(図6)が内蔵されている。
液晶表示器5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。具体的には、液晶表示器5は、遊技盤2の概ね中央付近に配されている。液晶表示器5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定を行う権利が保留された状態(保留状態)を表示する保留画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、液晶表示器に限らず、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されても構わない。
可動役物7は、電気的制御によって作動するものであり、例えば、遊技盤2に対して相対的に移動させるキャラクタの一部や、内蔵された発光装置(例えば発光素子を用いたLED等)を用いることができる。すなわち、可動役物7は、キャラクタの一部を動かしたり、発光装置を発行させることによって、各種演出に寄与することができる。なお、この可動役物7は、第1始動口11、第2始動口a12、又は、第2始動口b15への遊技球の入賞に応じて作動する。
スピーカ24は、液晶表示器5で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音によって演出を行う。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターン変更、発光色の変更等、光によって各種演出を行う。
回転演出装置38,39は、内蔵された発光素子と発光素子の周辺を回転する回転体とによって各種演出を行う。
[パチンコ遊技機の演出等に係る操作手段の構成]
図4は、パチンコ遊技機の一部を示した概略平面図である。枠部材3には、図4に示すように、遊技者がハンドル20以外に操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押しボタンである。演出キー27は、遊技者が選択操作を行うための十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器の構成]
図5は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図5に示すように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、及び、ラウンドランプ48によって構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定の判定結果を報知するものである。具体的には、第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄(第1特別図柄)を変動表示する。そして、当該第1特別図柄を変動表示させてから所定時間が経過すると、第1特別図柄判定の結果を示す判定図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示される。つまり、第1特別図柄表示器41に、判定図柄が停止表示されることによって、第1特別図柄判定の判定結果が報知される。同様に、第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定の判定結果を報知するものである。すなわち、第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄(第2特別図柄)を変動表示し、所定時間経過後に、その結果を示す判定図柄を停止表示する。こうして、第2特別図柄表示器42においても、判定図柄が停止表示されることによって、第2特別図柄判定の判定結果が報知される。そして、第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42では、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であれば、判定図柄として、その大当たりを示す大当たり図柄が停止表示され、また特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であれば、判定図柄として、そのハズレを示すハズレ図柄が停止表示される。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定の判定結果を報知するものである。具体的には、普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄(普通図柄)を変動表示する。そして、変動表示の開始から所定時間が経過すると、その結果を示す判定図柄を停止表示する。つまり、普通図柄表示器45に、判定図柄が停止表示されることによって、普通図柄判定の判定結果が報知される。さらに、普通図柄表示器45は、点灯パターンによって、普通図柄の結果が当たりか否かを報知する。
普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示するものである。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時における遊技状態を表示するものである。
ラウンドランプ48は、大当たり中の大入賞口13の開放回数(ラウンド数)を表示するものである。具体的には、ラウンドランプ48は、大入賞口13の開放回数が4回の4R表示ランプと、大入賞口13の開放回数が16回の16R表示ランプの2つで構成されている。なお、ラウンドランプ48は、複数のランプにより構成されたものでもよく、この場合、ランプの点灯及び消灯させる組み合わせを変えることで、4Rと16Rを区別して表示することができる。
以下の説明においては、第1特別図柄表示器41に表示される図柄を「第1特別図柄」、第2特別図柄表示器42に表示される図柄を、「第2特別図柄」と称し、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して「特別図柄」と称する。また、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と称するものとする。
[パチンコ遊技機に搭載された制御装置の構成]
遊技盤2の背面側には、賞球として払い出される遊技球を貯留しておく補給タンクの他に、パチンコ遊技機1の各種動作を制御する制御装置が設けられている。図6は、パチンコ遊技機の制御装置の構成例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1の制御装置は、図6に示すように、判定(抽選)の実行や大当たりの遊技の制御、演出制御部130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御部100、遊技制御部100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御部130、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140、及び、各種のランプや可動役物7による演出を制御するランプ制御部150を備えている。また、パチンコ遊技機1は、その他、賞球の払い出しを制御する図示しない払出制御部も備えている。
[遊技制御部の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及び、RAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。
そして、この遊技制御部100に対しては、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、第2始動口スイッチ(SW)118、電動式開閉役物開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、及び、表示器4が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口a12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。また、第2始動口スイッチ118は、第2始動口b15に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力するものであり、本実施形態では第2始動口スイッチ112と同一の検知信号を発信する。すなわち、本実施形態では、第2始動口スイッチ118において検知された信号は、第2始動口スイッチ112において検知された信号とみなされる。なお、本実施形態では、第2始動口スイッチ118によって検知された検知信号を、遊技制御部100側で第2始動口スイッチ112から出力される検知信号と同等のものとして処理する一方で(すなわち、第2始動口a12への入賞と第2始動口b15への入賞によって何れも第2特別図柄を変動させる一方で)、入賞した場所に応じて異なる演出が行われる構成であっても構わない。
電動式開閉役物開閉部113は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、第2始動口b15を開閉する。具体的には、電動式開閉役物開閉部113は、電動式開閉役物16を構成する羽根部材に、電動ソレノイドを介して駆動力を伝動し、第2始動口b15を開閉する。
ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート17を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
大入賞口スイッチ115は、遊技球が大入賞口13に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
大入賞口制御部116は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、電動ソレノイドを駆動し、当該電動ソレノイドから受けた駆動力によって大入賞口13の開閉状態を制御するプレートを作動させる。すなわち、大入賞口制御部116は、大入賞口13を開閉制御する。
普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14a〜14dに入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
遊技制御部100は、CPU101において、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第2始動口スイッチ118、大入賞口スイッチ115、又は、普通入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されると、図示しない払出制御部によって、遊技球の入賞位置に応じた所定数の賞球の払い出しの指示を行う。そして、CPU101において、払出制御部の情報に基づいた払い出し賞球の個数が管理される。
また、遊技制御部100は、CPU101において、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、当該取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。同様に、CPU101は、第2始動口スイッチ112又は第2始動口スイッチ118からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、当該取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、特別図柄判定の結果が大当たりになると、大入賞口制御部116によって大入賞口13を開閉させて特別遊技を実行する。
また、遊技制御部100のCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、当該取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、普通図柄判定の結果が当たりになると、電動式開閉役物開閉部113によって第2始動口b15を一時的に開放する。
また、遊技制御部100のCPU101は、特別図柄の変動開始や変動停止を示す情報や、特別図柄抽選の当選確率の変動設定や普通図柄抽選の当選確率の変動設定に関する情報、さらには特別図柄の変動時間の短縮設定を示すデータや、第1始動口11又は第2始動口a12に遊技球が入賞したことを通知するための情報等を、演出制御部130に送信する。
また、遊技制御部100のCPU101は、表示器4に対して、以下のような処理を実行する。すなわち、CPU101は、第1特別図柄判定を実行すると、第1特別図柄表示器41に第1特別図柄を変動表示させた後に、その判定結果を示す第1特別図柄を停止表示させる。同様に、CPU101は、第2特別図柄判定を実行すると、第2特別図柄表示器42に第2特別図柄を変動表示させた後に、その判定結果を示す第2特別図柄を停止表示させる。さらに、CPU101は、普通図柄判定を実行すると、普通図柄表示器45に普通図柄を変動させた後に、その判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
また、CPU101は、第1特別図柄判定の保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させ、第2特別図柄判定の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させ、普通図柄判定の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。また、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を遊技状態表示器47に表示させる。
[演出制御部の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、及び、RTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄判定の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26または演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。そして、演出制御部130は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。
[画像音響制御部の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、およびRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。また、画像音響制御部140は、図示は省略するが、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、及び、スピーカ24から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。そして、CPU141は、演出制御部130からのコマンドおよびROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成し、VDP及び音響DSPに出力することで、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び、描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示器5に出力する。
[ランプ制御部の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及び、RAM153を備えている。CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25や枠ランプ37、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域、又は、データ処理等の作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータおよび動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤ランプ25、および可動役物7が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAM153に読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、および可動役物7の発光素子の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAM153に読み出して、可動役物7を作動させるためのモータを制御する。
次に、パチンコ遊技機の動作について説明する。
[パチンコ遊技機の基本動作の概要]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域10内に遊技球が打ち出され、第1始動口11、第2始動口a12、又は、第2始動口b15に遊技球が入賞した場合、それぞれの始動口11,12,15に対応する始動口スイッチ111,112,118が当該遊技球の入賞を検知し、特別図柄を始動させるための条件(特別図柄をただちに変動開始させることができる条件)が成立していない場合は、遊技制御部100において、当該検知情報に基づいた特別図柄判定を行う権利が保留球として保留される。これに対して、それぞれの始動口11,12,15に対応する始動口スイッチ111,112,118が遊技球の入賞を検知し、特別図柄を始動させるための条件が成立している間に遊技球が始動口を通過すると、当該遊技球の入賞に基づいた特別図柄判定が行われて特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が停止して当該判定結果が報知される。
ここで、「特別図柄を始動させるための条件が成立している間」とは、特別図柄が変動している間(停止直後の確定表示期間(例えば、0.5秒間)を含む)、又は、特別遊技中は、含まない。つまり、特別図柄を始動させるための条件が成立していない間は、遊技球が始動口を通過しても特別図柄を始動(変動開始)させることができないため、本実施形態では、上記のように特別図柄判定を行う権利が保留される。
より詳細に説明すると、遊技球が第1始動口11に入賞した場合は、第1始動口スイッチ111によって当該入賞が検知され、当該検知された時点の各種乱数(後述する大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数等)が取得情報として取得される。そして、特別図柄を始動させるための条件が成立していない場合は、当該取得情報が記憶されて、第1特別図柄判定を行う権利として遊技制御部100に保留される。遊技球が第2始動口a12に入賞した場合は、第2始動口スイッチ112によって当該入賞が検知され、上記取得情報が記憶されて第2特別図柄判定を行う権利として遊技制御部100に保留される。同様に、遊技球が第2始動口b15に入賞した場合は、第2始動口スイッチ118によって当該入賞が検知され、上記取得情報が記憶されて第2特別図柄判定を行う権利として遊技制御部100に保留される。
そして、始動条件が成立して、保留された特別図柄判定を行う権利(保留球)に基づいて特別図柄判定が行われると、それに伴い、当該特別図柄判定に基づく特別図柄の変動が開始される。具体的には、保留球が消化されると、当該保留球の入賞時に取得された各種乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりである場合の大当たりの種類(図柄)や、特別図柄の変動パターン(変動時間)等が判定される。こうして判定された大当たりや変動パターン等の情報は、演出制御部130に送られて、当該情報に基づいた演出が実行される。
液晶表示器5には、主として、装飾図柄51と、保留アイコン52とが表示される。図7は、液晶表示器における装飾図柄及び保留アイコンの表示例を示す説明図である。装飾図柄51は、左側領域53a、中間領域53b、右側領域53cの3つの領域に表示される所定の図柄(例えば0〜9の数字を示す演出図柄)によって構成される。以下の説明では、左側領域53aに表示される図柄を左側装飾図柄51a、中間領域53bに表示される図柄を中間装飾図柄51b、右側領域53cに表示される図柄を右側装飾図柄51cと称することがある。
保留アイコン52は、特別図柄判定を行う権利を示す画像である。詳細には、本実施形態における保留アイコン52は、第1特別図柄判定を行う権利と、第2特別図柄判定を行う権利を示す画像である。そして、本実施形態では、保留アイコン52が、現在変動中の特別図柄に係る特別図柄判定を行う権利を除くと、第1特別図柄判定を行う権利と第2特別図柄判定を行う権利の双方を含めて、最大で8つ保留される。例えば、図7では、8つの保留アイコン521〜528が表されており、現在変動中の特別図柄に対応する1つの当該保留(当該変動)アイコン520が変動中領域54にさらに表示されている。
なお、本実施形態では、8つの保留アイコン521〜528及び当該保留アイコン520が、第1特別図柄判定を行う権利に基づくものか、第2特別図柄判定を行う権利に基づくものか、相互間での区別がつかない表示態様(例えば同一色や同一形状)となっている。すなわち、液晶表示器5においては、第1始動口11への遊技球の入賞に係る特別図柄判定の権利であっても、第2始動口a12又は第2始動口b15への遊技球の入賞に係る特別図柄判定の権利であっても、それらに対応する保留アイコン52の表示態様は全て同一である。また、他の実施形態では、8つの保留アイコン521〜528及び当該保留アイコン520が、第1特別図柄判定を行う権利に基づくものか、第2特別図柄判定を行う権利に基づくものか、相互間で区別がつき難い表示態様であっても構わない。例えば、第1特別図柄判定を行う権利に基づく保留アイコンには小さな印(例えば1つのドット)を付け、第2特別図柄判定を行う権利に基づく保留アイコンには当該印は付与しない表示態様である。
液晶表示器5に表示された保留アイコン52は、右端のものから左側に向けて順番に消化される設定となっている。すなわち、前記したように、右端にある当該保留アイコン520は、現在変動中の特別図柄に対応する画像であるため、保留アイコン521は、現在変動中の特別図柄の変動が終了した後に消化される特別図柄判定を行う権利を示す画像ということになる。より具体的には、図7に示す変動中領域54に表示された当該保留アイコン520に係る特別図柄の変動が終了すると、変動中領域54から当該保留アイコン520が消去される。その後、右端の保留アイコン521が、このアイコン521に係る特別図柄の変動に応じて、変動中領域54に移動する。変動中領域54に移動したアイコン521は、当該保留(当該変動)アイコン521として、このアイコン521に係る特別図柄が変動している間、継続して表示される。
また、1つ目の保留アイコン521の左側に隣接する2つ目の保留アイコン522は、当該1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動が終了した後に消化される特別図柄判定を行う権利を示す画像である。同様に、2つ目の保留アイコン522の左側に隣接する3つ目の保留アイコン523は、当該2つ目の保留アイコン522に係る特別図柄の変動が終了した後に消化される特別図柄判定を行う権利を示す画像であり、3つ目の保留アイコン523の左側に隣接する4つ目の保留アイコン524は、当該3つ目の保留アイコン523に係る特別図柄の変動が終了した後に消化される特別図柄判定を行う権利を示す画像であり、4つ目の保留アイコン524の左側に隣接する5つ目の保留アイコン525は、当該4つ目の保留アイコン524に係る特別図柄の変動が終了した後に消化される特別図柄判定を行う権利を示す画像であり、5つ目の保留アイコン525の左側に隣接する6つ目の保留アイコン526は、当該5つ目の保留アイコン525に係る特別図柄の変動が終了した後に消化される特別図柄判定を行う権利を示す画像であり、6つ目の保留アイコン526の左側に隣接する7つ目の保留アイコン527は、当該6つ目の保留アイコン526に係る特別図柄の変動が終了した後に消化される特別図柄判定を行う権利を示す画像であり、7つ目の保留アイコン527の左側に隣接する8つ目の保留アイコン528は、当該7つ目の保留アイコン527に係る特別図柄の変動が終了した後に消化される特別図柄判定を行う権利を示す画像である。このように、連続して並ぶ保留アイコン52は、右側の保留アイコン521〜527が消化されれば、それの左側に隣接する保留アイコン522〜528が次に消化される構成となっている。
なお、図7において、各保留アイコン52の中に示されている数字は、説明の便宜上、消化される順番を示したものであり、液晶表示器5において実際に表示されるものではない。また、以下の説明では、「当該保留アイコン」と表記する場合は、現在変動中の特別図柄を示す当該保留アイコン520を意味し、単に「保留アイコン」を表記する場合は、現在保留されている特別図柄判定の権利を示す保留アイコン521〜528を意味するものとする。
(遊技状態の説明)
続いて、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。遊技状態には、大当たりとなる確率が第1の確率(例えば、1/200)である低確率遊技状態と、当該第1の確率よりも高い第2の確率(例えば、1/60)である高確率遊技状態とがある。
さらに、本実施形態の遊技状態には、非時短遊技状態と、時短遊技状態とがある。時短遊技状態は、非時短遊技状態と比べて、普通図柄判定における当たりと判定される確率が相対的に高く(例えば、1/1.1)、また当たりと判定された場合の電動式開閉役物16の開放時間が相対的に長く(例えば、1.8秒×3回)、また普通図柄の変動時間が相対的に短い(例えば、2秒)状態である。すなわち、時短遊技状態では、遊技球がゲート17を通過すると普通図柄判定が行われて、高い確率で当たりとなり、第2始動口b15が1.8秒×3回開放して遊技球が入賞し易い状態となる。このため、遊技者が「右打ち」をする限り、第2始動口b15へ遊技球が入賞し易くなるため、通常は、第2特別図柄の変動が行われる。
逆に、非時短遊技状態は、時短遊技状態に比べると、普通図柄判定における当たりと判定される確率が相対的に低く(例えば、1/20)、また当たりと判定された場合の電動式開閉役物16の開放時間が相対的に短く(例えば、0.1秒×1回)、普通図柄の変動時間が相対的に長い(例えば、12秒)状態である。すなわち、非時短遊技状態では、遊技球がゲート17を通過すると普通図柄判定が行われても、当たりとなる確率は比較的低く、かつ、第2始動口b15が0.1秒×1回しか開放しないため、遊技球は第2始動口b15に入賞し難い。このため、非時短遊技状態では、通常、遊技者は「右打ち」を行わず、「左打ち」を行う。
本実施形態では、上記4つの遊技状態の組み合わせによって、パチンコ遊技機1の遊技状態が設定される。具体的には、パチンコ遊技機1は、大別して、「通常遊技状態」と、「確変遊技状態」と、「潜伏確変遊技状態」の3つの状態が用意されており、その3つの状態のうちの何れかに設定される。
「通常遊技状態」は、パチンコ遊技機1の初期的設定状態であり、低確率遊技状態且つ非時短遊技状態である。「確変遊技状態」は、大当たり遊技が行われた後に移行し得る状態であり、高確率遊技状態且つ時短遊技状態である。また、「潜伏確変遊技状態」も、大当たり遊技が行われた後に移行し得る状態であり、高確率遊技状態且つ非時短遊技状態である。なお、これら3つの遊技状態とは別に、大当たり遊技が行われている間を「大当たり遊技状態」ということがある。
続いて、本実施形態のパチンコ遊技機1における大当たりについて説明する。上述のように、本実施形態では、特別図柄を始動させる条件の1つとなる第1始動口11(第1特別図柄に対応)と第2始動口a12(第2特別図柄に対応)が、遊技球を交互に入賞させることができる交互入賞タイプの始動口形成部材8によって構成されている。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した場合と、第2特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した場合とで、遊技者に対する遊技利益が異なる場合がある。ここで言う「遊技者に対する遊技利益」には、大当たり遊技によって遊技者に対して払い出される出玉の量(大当たり遊技で賞球が期待できる実質ラウンド数)であったり、大当たり遊技後の時短回数(時短遊技状態で行われる特別図柄の変動回数)等が含まれる。本実施形態では、「遊技者に対する遊技利益」に変化をもたらすべく、各始動口11、12に対応する大当たりの種類とその内容について、それぞれ異なる割合となるように振り分けている。
図8は、各始動口に対応した大当たりの内訳を示す円グラフであり、(A)は第1始動口に係る大当たりの内訳を示し、(B)は第2始動口に係る大当たりの内訳を示す図である。図9は、図8の円グラフにおける大当たり図柄に対応する大当たりの内容を示す図である。
図8,9からも明らかなように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、いずれの大当たり図柄によっても大当たり遊技後に高確率遊技状態に移行し、当該高確率遊技状態が所定期間だけ(例えば、大当たり終了後からの特別図柄の変動回数が70回に至るまで)継続する。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技の後、特別図柄の変動回数が70回に至るまでは高確率遊技状態となり、その規定回数を超えると低確率遊技状態に移行する。なお、以下の説明では、大当たり遊技後、特別図柄の変動回数が70回に至るまで高確率遊技状態が継続することを「ST70」ということがある。
このように、本実施形態では、ST70を前提とした大当たりが設定されている。そして、本実施形態では、この大当たりの種類の割り振りが図8,9に示すように設定されている。すなわち、遊技球が第1始動口11に入賞して第1特別図柄の変動によって大当たりとなった場合には、20%の割合で「大当たり図柄A」によって「16R確変大当たり(時短70回)」となり、50%の割合で「大当たり図柄B」によって「4R確変大当たり(時短70回)」となり、6%の割合で「大当たり図柄C」によって「潜確大当たり(時短0回)」となり、6%の割合で「大当たり図柄D」によって「突確大当たり(時短70回)」となり、12%の割合で「大当たり図柄E」によって「4R確変大当たり(時短20回)」となり、6%の割合で「大当たり図柄F」によって「4R確変大当たり(時短40回)」となる。
また、遊技球が第2始動口a12又は第2始動口b15に入賞して第2特別図柄の変動によって大当たりとなった場合には、50%の割合で「大当たり図柄G」によって「16R確変大当たり(時短70回)」となり、20%の割合で「大当たり図柄H」によって「4R確変大当たり(時短70回)」となり、5%の割合で「大当たり図柄I」によって「4R確変大当たり(時短20回)」となり、10%の割合で「大当たり図柄J」によって「4R確変大当たり(時短40回)」となり、15%の割合で「大当たり図柄K」によって「4R確変大当たり(時短70回)」となる。
各大当たりの内容について詳述すると、「16R確変大当たり(時短70回)」(大当たり図柄A、Gに対応する大当たり)は、3つの同種の装飾図柄51が揃うことで報知される大当たりである。また、「16R確変大当たり(時短70回)」では、所定の条件(例えば、大入賞口13への遊技球の入賞が9個に達するまで、又は、大入賞口13が開放されてから29.5秒が経過するまで)を満たすまで、大入賞口13を比較的長い期間に亘って開放する長開放ラウンドを16回繰り返す大当たり遊技が行われる。そして、大当たり遊技が終了した後に、特別図柄の変動回数が70回に至るまで確変遊技状態として制御される。
同様に、「4R確変大当たり(時短70回)」(大当たり図柄B、H、Kに対応する大当たり)も、3つの同種の装飾図柄51が揃うことで報知される大当たりである。そして、「4R確変大当たり(時短70回)」では、長開放ラウンドを4回繰り返す大当たり遊技が行われる。そして、大当たり遊技が終了した後に、特別図柄の変動回数が70回に至るまで確変遊技状態として制御される。なお、「16R確変大当たり(時短70回)」及び「4R確変大当たり(時短70回)」による大当たり終了後は、確変遊技状態に移行するため、遊技者が「右打ち」をする限り、第2特別図柄の変動が行われ得る。
「潜確大当たり(時短0回)」(大当たり図柄Cに対応する大当たり)は、3つの同種の装飾図柄51が揃うことで報知される大当たりではなく、特定図柄が所定の位置に停止することで報知される大当たりである。また、「潜確大当たり(時短0回)」は、大入賞口13を僅少な期間(例えば0.1秒間)だけ開放する短開放ラウンドを4回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に、潜伏確変遊技状態として制御される。すなわち、「潜確大当たり(時短0回)」は、大当たり遊技においては、大入賞口13が僅少な期間(0.1秒間×4ラウンド)しか開放しないことにより、大当たり遊技による出玉をほぼ期待できない。さらに、大当たり遊技後においては、大当たり後時短回数が0回、つまり非時短遊技状態となるため、大当たり遊技後の高確率遊技状態の間、「16R確変大当たり(時短70回)」や「4R確変大当たり(時短70回)」のように、「右打ち」によって第2特別図柄の変動割合を高めることができない。そのため、「潜確大当たり(時短0回)」では、大当たり遊技終了後、「左打ち」にて遊技が行われる。したがって、「潜確大当たり(時短0回)」による大当たり遊技後は、基本的に、第1特別図柄の変動と、第2特別図柄の変動とが交互に行われる。
「突確大当たり(時短70回)」(大当たり図柄Dに対応する大当たり)も、上記「潜確大当たり(時短0回)」と同様、特定図柄が所定の位置に停止することで報知される大当たりである。そして、「突確大当たり(時短70回)」では、大入賞口13を僅少の期間(例えば、0.1秒間)だけ開放する短開放ラウンドを4回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態が制御される。すなわち、「突確大当たり(時短70回)」は、大当たり遊技においては、大入賞口13が僅少な期間しか開放しないことにより、大当たり遊技による出玉をほぼ期待できない一方で、大当たり遊技後においては、時短回数が70回付与されるため、遊技者が「右打ち」をする限り、第2特別図柄の変動が行われ得る。
「4R確変大当たり(時短20回)」(大当たり図柄E、Iに対応する大当たり)、及び、「4R確変大当たり(時短40回)」(大当たり図柄F、Jに対応する大当たり)は、上記「4R確変大当たり(時短70回)」に対して、大当たり後の時短回数が20回又は40回という点が異なるだけで、その他の大当たりに関する内容は上記「4R確変大当たり(時短70回)」と同様であるため、具体的な説明を省略する。
なお、上記した説明では、「4R」の大当たりにおいて、大入賞口13が開放する正味のラウンド数(4R)を表示する構成を用いて説明したが、別の実施形態では、実質的に賞球が期待できるラウンド数を表示する構成であっても構わない。例えば、「実質4R」の大当たりは、上記長開放ラウンドが4回繰り返されるとともに、大入賞口13が例えば0.01秒開放する短開放ラウンドが12回繰り返される大当たりである。つまり、このような「実質4R」の大当では、ラウンドランプ48によって表示されるラウンド数は16Rとなるが、実質的な出玉の数としては4R分(長開放ラウンド数分)しかない大当たりということになる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における遊技制御部100のメイン処理について説明する。
[遊技制御部によるメイン処理]
図10は、遊技制御部によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源遮断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に示す一連の処理を割込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10〜図20のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムをCPU101が実行することによって行われる。
まず、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び、普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。ここで、大当たり乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりか、ハズレかを決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりであった場合に、大当たりの種類(大当たり図柄)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄判定の結果がハズレの場合に、リーチ有りの演出を行うかあるいはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選又は落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び、普通図柄乱数は、予め定められた範囲(例えば、0〜99の範囲)で変動し、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、ステップS1において、上記各乱数が予め設定されている最大値(例えば、99)に達した場合は、次回の更新時に各乱数はリセット(例えば、0等の最小値)される。
ステップS1に続いて、CPU101は、始動口スイッチ(SW)処理を実行する(ステップS2)。始動口スイッチ処理では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112,118からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数)について、検知信号が入力された時点の値を取得して、RAM103に記憶する。後に、この始動口スイッチ処理について、図11を参照して詳述する。
ステップS2に続いて、CPU101は、ゲートスイッチ(SW)処理を実行する(ステップS3)。ゲートスイッチ処理では、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視し、検知信号の入力があった場合、ステップS1の処理で更新された普通図柄乱数の値を取得して、RAM103に記憶する。後に、このゲートスイッチ処理について、図12を参照して詳述する。
ステップS3に続いて、CPU101は、特別図柄処理を実行する(ステップS4)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、特別図柄判定の結果が大当たりであったか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類(大当たり図柄)が判定される。また、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理で取得された乱数を用いて特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる。後に、特別図柄処理について、図13を参照して詳述する。
ステップS4に続いて、CPU101は、普通図柄処理を実行する(ステップS5)。普通図柄処理では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる。後に、普通図柄処理について、図17を参照して詳述する。
ステップS5に続いて、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理における特別図柄判定で大当たりとなった場合に、大入賞口制御部116を介して、大入賞口13を開閉する大入賞口処理を実行する(ステップS6)。後に、大入賞口処理について、図18を参照して詳述する。
ステップS6に続いて、CPU101は、電動式開閉役物処理を実行する(ステップS7)。電動式開閉役物処理では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、電動式開閉役物開閉部113を介して、電動式開閉役物16の一対の羽根部材を作動させる。後に、電動式開閉役物処理について、図20を参照して詳述する。
ステップS7に続いて、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。具体的には、CPU101は、第1始動口11、第2始動口a12、第2始動口b15、大入賞口13、及び、普通入賞口14の何れかに遊技球が入賞した場合、入賞した場所に応じた個数の賞球を払い出しする。例えば、CPU101は、第1始動口11、第2始動口a12、又は、第2始動口b15に遊技球が入賞した場合は、3個の賞球を払い出し、大入賞口13に遊技球が入賞した場合は10個の賞球を払い出し、普通入賞口14に遊技球が入賞した場合は10個の賞球を払い出す。
ステップS8に続いて、CPU101は、出力処理を実行する(ステップS9)。ステップS9の出力処理では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセットされた各種コマンドを演出制御部130に送信する。
[遊技制御部による始動口スイッチ処理]
図11は、図10におけるステップS2の始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図11に示すように、ステップS201では、遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否か(第1始動口11に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS201:YES)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS203)。そして、CPU101は、ステップS1の処理によって更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS204)。
ここでは、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じて取得された各種乱数がRAM103に格納されることにより、ステップS203で保留数U1を増加させた保留球に係る特別図柄判定を行う権利が保留されることになる。詳細は後述するが、保留された特別図柄判定を行う権利は、ステップS4の特別図柄処理において消化されると、特別図柄が変動表示され、所定時間経過後に停止表示されて、当該特別図柄判定の結果が報知される。
ここで、ステップS204において、CPU101は、遊技球が始動口(第1始動口11、第2始動口a12、第2始動口b15)に入賞した順に保留が消化されるように(いわゆる、ファーストインファーストアウト)、各種乱数をRAM103に格納する。具体的には、RAM103において、始動口に遊技球が入賞したときに取得された各種乱数が1つのキューに格納され、当該キューに最も先に格納された乱数がステップS4の特別図柄処理において取り出されて特別図柄判定が行われる。
続いて、CPU101は、ステップS204でRAM103に格納された各種乱数に基づいて事前判定処理を実行する(ステップS205)。事前判定処理は、保留された特別図柄判定を行う権利についての判定処理であり、当該権利に係る特別図柄の変動を開始する以前に、大当たりか否かや、大当たりの種類、変動パターン等を判定して当該判定結果を示す事前判定情報を生成する処理である。その後、CPU101は、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS206)。保留コマンドは、特別図柄判定を行う権利が保留されたことを通知するためのコマンドであって、図10のステップS9における出力処理において演出制御部130へと送信される。なお、ステップS205の事前判定処理では、ステップS204で取得された各種乱数がそのまま事前判定情報として生成されて、当該事前判定情報が保留コマンドに含められてもよい。
ステップS201で「NO」と判定した場合、ステップS202で「NO」と判定した場合、又は、ステップS206の処理を実行した場合、CPU101は、ステップS207の処理を実行する。ステップS207では、CPU101は、第2始動口スイッチ112(又は118)が「ON」になったと判定した場合(ステップS207:YES)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、予めROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS208)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS208:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS209)。そして、CPU101は、ステップS1の処理で更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS210)。
そして、CPU101は、ステップS210の処理によってRAM103に格納された各種乱数を用いて、上記ステップS205の処理と同様に事前判定処理を実行し(ステップS211)、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS212)。
ステップS207で「NO」と判定された場合、ステップS208で「NO」と判定された場合、又は、ステップS212の処理が行われた場合、CPU101は、始動口スイッチ処理を終了して、ゲートスイッチ処理に処理を進める。
[遊技制御部よるゲートスイッチ処理]
図12は、図10におけるステップS3のゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図12に示すように、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS301)。
CPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS301:YES)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが、普通図柄判定の最大保留数Gmax(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS302)。
CPU101は、保留数Gは最大保留数Gmax未満であると判定した場合(ステップS302:YES)、保留数Gを「1」加算した値に更新し(ステップS303)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、RAM103に格納する(ステップS304)。なお、ステップS304において格納された普通図柄乱数に対して、上記図11のステップS205と同様に事前判定処理が行われ、当該事前判定処理の結果が普通図柄の保留コマンドとして演出制御部130に送信されてもよい。
[遊技制御部による特別図柄処理]
図13は、図10におけるステップS4の特別図柄処理を示す詳細フローチャートである。図13に示すように、遊技制御部100のCPU101は、例えばRAM103に記憶されている情報に基づいて、特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、特別遊技中であると判定された場合(ステップS401:YES)、CPU101は、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS401:NO)、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS402)。CPU101は、特別図柄が変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、RAM103を参照して第1特別図柄判定の保留数U1と第2特別図柄判定の保留数U2との和が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS403)、「1」以上でないと判定した場合(ステップS403:NO)、客待ち(待機)コマンドをRAM103にセットして(ステップS404)、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、保留数U1と保留数U2の和が「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、RAM103のキューに格納された最先(最も古い)の各種乱数を取り出す(ステップS405)。すなわち、CPU101は、遊技球が始動口(第1始動口11、第2始動口a12、又は、第2始動口b15)に入賞したときに、RAM103のキューに格納された各種乱数のうち、時期的に最も先に格納された各種乱数を取り出す。ここで取り出された各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理等が行われる。
ステップS405に続いて、CPU101は、保留数U1又は保留数U2を「1」だけ減算する(ステップS406)。具体的には、ステップS405で取り出した各種乱数が第1始動口11への入賞に応じて取得されたものである場合は、保留数U1を「1」だけ減算し、ステップS405で取り出した各種乱数が第2始動口a12又は第2始動口b15への入賞に応じて取得されたものである場合は、保留数U2を「1」だけ減算する。
ステップS406の処理に続いて、CPU101は、大当たり判定処理を実行する(ステップS407)。図14は、図13におけるステップS407の大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。図14に示すように、大当たり判定処理においては、CPU101は、まず、大当たりか否かの判定を行う(ステップS451)。具体的には、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1又は保留数U2を減算させた保留球に係る大当たり乱数(ステップS405の処理で取り出された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。なお、遊技状態が高確率遊技状態である場合(確変遊技フラグが「ON」の場合)は、通常遊技状態よりも大当たりと判定される確率が高い。
ここで、特別図柄判定の結果が大当たりである場合(ステップS451:YES)、CPU101は、上述した大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数に基づいて、図柄乱数判定処理を行う(ステップS452)。具体的には、CPU101は、ステップS405の処理で取り出された図柄乱数が、ROM102に予め記憶されている複数種の大当たり図柄のそれぞれに割り当てられた乱数値のいずれと一致するかを判定することにより、大当たり図柄(大当たりの種類)を判定する。そして、CPU101は、判定した大当たり図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS453)。ここでは、ステップS405で取り出された図柄乱数が第1始動口11への入賞に係るものである場合、図8に示す大当たり図柄A〜Fの中の何れかが大当たり図柄としてRAM103に設定される。また、ステップS405で取り出された図柄乱数が第2始動口a12又は第2始動口b15への入賞に係るものである場合、図8に示す大当たり図柄G〜Kの中の何れかが大当たり図柄としてRAM103に設定される。
一方、ステップS451において、大当たりでないと判定された場合(ステップS451:NO)、CPU101は、特別図柄判定の結果がハズレであることを表すハズレ図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS454)。
ステップS453の処理、又は、ステップS454の処理の後、CPU101は、大当たり判定処理を終了して、図13の特別図柄処理のステップS408以降の処理を進める。
図13の特別図柄処理では、CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理に続いて、変動パターン設定処理を実行する(ステップS408)。図15は、図13におけるステップS408の変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。図15に示すように、変動パターン設定処理においては、CPU101は、現在の遊技状態が通常遊技状態か否かを判定する(ステップS461)。
CPU101は、現在、通常遊技状態と判定した場合(ステップS461:YES)には、通常遊技状態の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS462)。通常遊技状態の変動パターンテーブルには、大当たり判定の結果が大当たりの場合の変動パターン、ハズレであってリーチ有りの場合の変動パターン、ハズレであってリーチ無しの場合の変動パターン等が記憶されている。通常遊技状態の変動パターンテーブルの一例については図30に基づいて後述する。
これに対して、CPU101は、現在、通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS461:NO)、CPU101は、現在の遊技状態が確変遊技状態か否かを判定する(ステップS463)。確変遊技状態であると判定した場合(ステップS463:YES)、CPU101は、確変遊技状態の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS464)。ステップS463において、確変遊技状態でないと判定した場合(ステップS463:NO)、CPU101は、潜伏確変遊技状態の変動パターンをRAM103にセットする(ステップS465)。
CPU101は、ステップS462、ステップS464、又は、ステップS465の処理に続いて、ステップS407の大当たり判定の結果がハズレであったか否かを判定する(ステップS466)。この大当たり判定の結果がハズレでない場合、すなわち、大当たりである場合(ステップS466:NO)は、CPU101は、次のステップ468に処理を進める。
ステップS407の大当たり判定の結果がハズレであると判定した場合(ステップS466:YES)、CPU101は、リーチ乱数判定処理を行う(ステップS467)。リーチ乱数判定処理では、CPU101は、取得したリーチ乱数に基づいてリーチの有無を判定する。そして、ステップS467の処理に続いて、ステップS468の処理を実行する。
ステップS468では、CPU101は、変動パターン乱数判定処理を行う。具体的には、CPU101は、ステップS468において、セットした変動パターンテーブルを用いて、上述した大当たり乱数(ステップS407の判定処理で用いられた大当たり乱数)と、図10におけるステップS2の処理でRAM103に格納された(ステップS405で取り出された)変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを選択する。例えば、CPU101は、図21に示す通常遊技状態の変動パターンテーブルを参照して、大当たりか否かの情報、大当たりである場合は大当たり図柄の情報、ハズレである場合はリーチの有無の情報、今回の特別図柄の変動が第1始動口11への入賞に基づくものかあるいは第2始動口a12(又は第2始動口b15)への入賞に基づくものかの情報、並びに、変動パターン乱数、に基づいて、セットした変動パターンテーブルに含まれる1つの変動パターンを決定する。
このようにして、CPU101は、図10のステップS2で取得された変動パターン乱数と、図15のステップS462、ステップS464,又は、ステップS465でセットした変動パターンテーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。決定された変動パターンは、設定情報としてRAM103に設定される(ステップS469)。ステップS469の処理の後、CPU101は、図15に示す変動パターン設定処理を終了して、図13のステップS409以降の処理を進める。
図13におけるステップS408の処理に続いて、CPU101は、ステップS407の処理で設定した図柄(大当たり図柄やハズレ図柄)の設定情報、ステップS408の処理で設定した変動パターンの設定情報パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んだ特別図柄の変動開始コマンドを生成して、RAM103にセットする(ステップS409)。この特別図柄の変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行を指示するコマンドであって、図10のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS409の処理に続いて、CPU101は、ステップS409の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS410)、変動時間の計測を開始する(ステップS411)。なお、特別図柄の変動表示は、ステップS405で取り出された乱数が第2始動口a12又は第2始動口b15への入賞に係るものである場合(ステップS406で保留数U2が減算された場合)には、第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS405で取り出された乱数が第1始動口11への入賞に係るものである場合(ステップS406で保留数U1が減算された場合)には、第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS402の処理で「YES」と判定した場合、又は、ステップS411の処理を実行した場合、ステップS411における変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS412)。
CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS412:YES)、特別図柄の変動表示が停止されることを通知する特別図柄の変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS413)、ステップS410の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了する(ステップS414)。そして、CPU101は、ステップS414での特別図柄の変動表示の終了によって、計測した変動時間をリセットする(ステップS415)。これにより、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において、ステップS407の大当たり判定処理の判定結果に応じた図柄(大当たりの種類に応じた大当たり図柄やハズレ図柄)が停止表示され、特別図柄判定の結果が報知される。なお、ステップS413の処理でセットされた特別図柄の変動停止コマンドは、図10のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、ステップS415の処理の後、停止中処理を実行する(ステップS416)。後に、停止中処理については、図16を参照して詳述する。
一方、ステップS401で「YES」と判定された場合、ステップS405で「NO」と判定された場合、ステップS412で「NO」と判定された場合、又は、ステップS416の処理が行われた場合、CPU101は、特別図柄処理を終了して、図10におけるステップS5の普通図柄処理を実行する。
[遊技制御部による停止中処理]
図16は、図13におけるステップS416の停止中処理を示す詳細フローチャートである。図16に示すように、停止中処理においては、CPU101は、図13のステップS407の大当たり判定の処理の結果に基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否かを判定する(ステップS480)。そして、CPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS480:YES)、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS481)。
CPU101は、ステップS481の処理に続いて、RAM103に記憶されている時短遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS482)。CPU101は、ステップS482の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS483)、オープニングコマンドをRAM103にセットする(ステップS484)。このオープニングコマンドは、大当たり判定処理の結果に応じて開始されるオープニング演出を、演出制御部130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、図10のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。これにより、大入賞口13が開放されることを遊技者に報知するためのオープニング演出(例えば、「大当たり」と表示する演出)が行われる。なお、オープニングコマンドには、当該大当たりの契機となった特別図柄に関する情報(第1特別図柄の変動によるものか第2特別図柄の変動によるものか)を含ませてもよい。
一方、CPU101は、大当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合(ステップS480:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS485)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS485:YES)、RAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS486)。時短遊技残余回数Jは、時短遊技状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理において設定される。後に、遊技状態設定処理について、図19を参照して詳述する。
ステップS486の処理に続いて、CPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS487)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS487:YES)、CPU101は、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS488)。
ステップS488の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS485:NO)、又は、時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS487:NO)、CPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS489)。
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS489:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該高確率遊技残余回数Xを更新する(ステップS490)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(後述する)において設定される。
ステップS490の処理に続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS491)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS491:YES)、RAM103に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS492)。
ステップS492の処理が実行された場合、ステップS484の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS489:NO)、又は、高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS491:NO)、CPU101は、停止中処理を終了する。
[遊技制御部による普通図柄処理]
図17は、図10におけるステップS5の普通図柄処理を示す詳細フローチャートである。図17に示すように、普通図柄処理においては、まず、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている時短フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。時短フラグは、普通図柄判定の結果が当たりである場合に「ON」に設定されるフラグであり、電動式開閉役物16を作動させる当たり遊技中であるか否かを示すフラグである。電動式開閉役物16は、普通図柄判定の結果が当たりである場合、所定のパターンで動作する。電動式開閉役物16の動作パターンは、遊技機1の状態が時短遊技状態か否か(時短遊技フラグがONか否か)によって異なる。このステップにおいて、時短フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、普通図柄処理を終了する。
時短フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS501:NO)、CPU101は、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS503)。このステップにおいて、保留数Gが「1」以上ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、CPU101は、普通図柄処理を終了する。
CPU101は、保留数Gが「1」以上であると判定した場合(ステップS503:YES)、保留数Gを「1」減算した値に更新し(ステップS504)、普通図柄乱数判定処理を実行する(ステップS505)。具体的には、遊技球がゲート17を通過したことに応じて、図10におけるステップS3の処理で取得された普通図柄乱数が、ROM102に記憶されている普通図柄乱数の当選値(時短遊技状態か否かにより異なる)と一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS506)。なお、遊技状態が時短遊技状態である場合、普通図柄判定の結果が当たりとなる確率は通常よりも高い。
CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりではないと判定した場合(ステップS506:NO)、RAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS507)。
一方、CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりであると判定した場合(ステップS506:YES)、CPU101は、当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS508)。
ステップS507又はステップS508の処理の後、CPU101は、時短遊技状態か否かを判定する(ステップS509)。CPU101は、時短遊技状態ではないと判定した場合(ステップS509:NO)、普通図柄表示器45において普通図柄を変動表示させる時間である普通図柄変動時間を、例えば12秒にセットする(ステップS510)。逆に、時短遊技状態であると判定した場合(ステップS509:YES)、普通図柄変動時間を比較的短い値、例えば2秒にセットする(ステップS511)。このステップS510又はステップS511の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、RAM103に一時的に記憶される。
ステップS510又はステップS511の処理に続いて、CPU101は、ステップS507、又は、ステップS508でセットした図柄の情報と、ステップS510又はステップS511でセットした普通図柄の変動時間を示す情報とを含む普通図柄の変動開始コマンドをRAM103にセットする(ステップS512)。この普通図柄の変動開始コマンドは、図10のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS512に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS513)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始し(ステップS514)、普通図柄処理を終了する。
一方、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS515)。具体的には、ステップS514の処理によって計測を開始した経過時間が、上記ステップS510又はステップS511の処理で設定された普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったか否かを判定する。すなわち、終了のタイミングになっていないと判定した場合(ステップS515:NO)、CPU101は、普通図柄処理を終了する。
CPU101は、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったと判定した場合(ステップS515:YES)、普通図柄の変動開始コマンドをRAM103にセットする(ステップS516)。ステップS516の処理でセットされた普通図柄の変動停止コマンドは、図10のステップS9の出力処理が実行されることによって、演出制御部130へ送信される。
ステップS516に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を終了させる(ステップS517)。具体的には、CPU101は、上記ステップS507、又は、ステップS508の処理でセットした図柄を普通図柄表示器45に停止表示させる。これにより、普通図柄判定の結果が遊技者に対して報知される。
ステップS517の処理に続いて、CPU101は、上記ステップS514の処理によって計測が開始された経過時間をリセットする(ステップS518)。そして、上記ステップS506と同様に、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定し(ステップS519)、当たりであると判定した場合(ステップS519:YES)、時短フラグを「ON」に設定する(ステップ520)。この時短フラグが「ON」に設定されることにより、電動式開閉役物16が作動する。
ステップS520の処理の後、ステップS515の処理でNOと判定した場合、又は、ステップS519の処理でNOと判定した場合、CPU101は、普通図柄処理を終了する。
[遊技制御部による大入賞口処理]
図18は、図10におけるステップS6の大入賞口処理を示す詳細フローチャートである。図18に示すように、遊技制御部100のCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS481でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、CPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、CPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、CPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、R(大当たり遊技におけるラウンド数を示す)に「0」を設定すると共に、Rmaxの値、大入賞口13の開放パターン等を設定する(ステップS604)。
ここで、大当たり図柄によって、Rmaxの値、及び、開放される大入賞口が異なる。例えば、大当たり図柄Aや大当たり図柄Gの場合は、Rmaxに16が設定され、大入賞口13が開放される。また、大当たり図柄Bや大当たり図柄H等の場合は、Rmaxに4が設定され、大入賞口13が開放される。
ステップS604に続いて、CPU101は、Rに「1」を加算してRAM103に保存する(ステップS605)。次に、CPU101は、ステップS604で設定した開放パターンに基づいて大入賞口13A又は13Bの開放制御を開始し(ステップS606)、ラウンドの開始を示すラウンド開始コマンドをRAM103にセットする(ステップS607)。なお、ラウンド開始コマンドには、当該大当たりの契機となった特別図柄に関する情報を含ませてもよい。ステップS607の処理の後、CPU101は、次のステップS611の処理を実行する。
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、CPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS608)。エンディング中であれば(ステップS608:YES)、CPU101は、次にステップS617の処理を実行する。エンディング中でなければ(ステップS608:NO)、CPU101は、ラウンド遊技とラウンド遊技との間のインターバル中か否かを判定する(ステップS609)。インターバル中である場合(ステップS609:YES)、CPU101は、インターバル時間が経過したか否かを判定し(ステップS610)、経過していれば(ステップS610:YES)、次にステップS605の処理を実行する。インターバル時間が経過していない場合は(ステップS610:NO)、CPU101は、大入賞口処理を終了する。
一方、インターバル中でない場合(ステップS609:NO)、すなわち、ラウンド遊技中である場合、CPU101は、ラウンド終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS611)。ラウンド終了条件が成立していない場合(ステップS611:NO)、CPU101は、大入賞口処理を終了する。
ここで、ラウンド終了条件は、単一のラウンド(総ラウンドが4Rであれば単一ラウンドは4つ)の終了条件であり、例えば、ステップS606で大入賞口の開放制御を開始してから所定期間(例えば29.5秒)が経過したこと、又は、ステップS606で大入賞口の開放制御を開始してから遊技球の大入賞口への入賞数が所定値(例えば、10個)に至ったこと等である。CPU101は、この2つの条件のうちの何れかの条件が満たされた場合、ラウンド終了条件が成立したと判定する。また、ラウンド終了条件の別の例では、ステップS606で大入賞口の開放制御を開始してから例えば0.1秒が経過したことである。
ラウンド終了条件が成立している場合(ステップS611:YES)、CPU101は、このラウンドにおける大入賞口の開放制御を終了する(ステップS612)。続いて、CPU101は、現在のラウンドRが最大ラウンド数Rmaxと等しいか否かを判定する(ステップS613)。
現在のラウンドRが最大ラウンド数Rmaxと等しくないと判定した場合(ステップS613:NO)、CPU101は、インターバル時間の計測を開始し(ステップS614)、その後、大入賞口処理を終了する。
現在のラウンドRが最大ラウンド数Rmaxと等しいと判定した場合(ステップS613:YES)、CPU101は、エンディングを開始し(ステップS615)、エンディングコマンドをRAM103にセットする(ステップS616)。なお、エンディングコマンドには、当該大当たりの契機となった特別図柄に関する情報を含ませてもよい。
CPU101は、ステップS616の処理を行った場合、又は、ステップS608の処理でYESと判定した場合、ステップS615でエンディングを開始してから予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS617)。エンディング時間が経過していれば(ステップS617:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS618)。なお、後に、遊技状態設定処理の詳細について詳述する。ステップS618の遊技状態設定処理の後、CPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS619)。
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、ステップS617の処理でNOと判定した場合、ステップS610の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS617の処理を実行した場合、又は、ステップS619の処理を実行した場合、CPU101は、大入賞口処理を終了する。
[遊技制御部による遊技状態設定処理]
図19は、図18におけるステップS618の遊技状態設定処理を示す詳細フローチャートである。図19に示すように、遊技制御部100のCPU101は、確変遊技フラグをONに設定する(ステップS631)。続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xに所定の値(例えば、70)を設定する(ステップS632)。なお、別の実施形態では、大当たり図柄に応じて、確変遊技フラグのON/OFFが設定されてもよい。
ステップS632の処理の後、CPU101は、図14のステップS453で設定された大当たりの図柄(以下、当該大当たりに係る図柄といもいう)が「大当たり図柄C」であるか否かを判定する(ステップS633)。当該大当たりに係る図柄が大当たり図柄Cであれば(ステップS633:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を終了する。
当該大当たりに係る図柄が大当たり図柄Cでなければ(ステップS633:NO)、CPU101は、時短遊技フラグをONに設定する(ステップS634)。そして、ステップS634の処理の後、CPU101は、当該大当たりに係る図柄が「大当たり図柄A,B,D,G,H,K」のいずれかであるか否かを判定する(ステップS635)。ステップS635において、当該大当たりに係る図柄が大当たり図柄A,B,D,G,H,Kのいずれかであれば(ステップS635:YES)、CPU101は、時短遊技残余回数Jに所定数(例えば、高確率遊技残余回数Xと同数の70)を設定する(ステップS634)。
一方、当該大当たりに係る図柄が大当たり図柄A,B,D,G,H,Kのいずれでもなければ(ステップS635:NO)、CPU101は、さらに当該大当たりに係る図柄が大当たり図柄E,Iのいずれかであるか否かを判定する(ステップS637)。そして、このステップS637において、当該大当たりに係る図柄が大当たり図柄E,Iのいずれかであれば(ステップS637:YES)、CPU101は、時短遊技残余回数Jに例えば高確率遊技残余回数Xより少ない数の「20」を設定する(ステップS638)。当該大当たりに係る図柄が大当たり図柄E,Iのいずれでもなければ、CPU101は、時短遊技残余回数Jに例えば高確率遊技残余回数Xより少ない数の「40」を設定する(ステップS638)。
ステップS636、ステップS638、あるいは、ステップS639で、時短遊技残余回数Jを設定した場合、CPU101は、遊技状態設定処理を終了する。
[遊技制御部による電動式開閉役物処理]
図20は、図10におけるステップS7の電動式開閉役物処理の詳細フローチャートである。図20に示すように、遊技制御部100のCPU101は、時短フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS701)。このステップにおいて、時短フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS701:NO)、CPU101は、電動式開閉役物処理を終了する。
CPU101は、時短フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS701:YES)、電動式開閉役物16(図20では電式役物ともいう)が動作中であるか否かを判定する(ステップS702)。このステップにおいて、電動式開閉役物16が動作中ではないと判定された場合(ステップS702:NO)、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する(ステップS703)。すなわち、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を判定するべく、時短遊技フラグがONか否かを判定する。
CPU101は、時短遊技状態ではないと判定した場合(ステップS703:NO)、電動式開閉役物16の動作パターンとして、例えば第2始動口b15を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS704)。
一方、CPU101は、時短遊技状態であると判定した場合(ステップS704:YES)、電動式開閉役物16の動作パターンとして、例えば第2始動口b15を1.8秒間開放する動作を3回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS706)。
CPU101は、ステップS704、又は、ステップS705の処理によって、電動式開閉役物16の動作パターンを設定した後、設定した動作パターンでの電動式開閉役物16の動作を電動式開閉役物開閉部113に開始させる(ステップS706)。
CPU101は、ステップS708の処理を実行した場合、又は、電動式開閉役物16の動作中であると判定した場合(ステップS702:YES)、ステップS706の処理で開始された電動式開閉役物16の動作が完了したか否かを判定する(ステップS707)。このステップで、電動式開閉役物16の動作が完了したと判定した場合(ステップS709:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている時短フラグを「OFF」に設定する(ステップS708)。
ステップS701の処理でNOと判定した場合、ステップS707の処理でNOと判定した場合、又は、ステップS708の処理を実行した場合、CPU101は、電動式開閉役物処理を終了する。
[第1実施形態のパチンコ遊技機で行われる演出の主な特徴]
上記したように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、第2始動口a12への入賞に基づいて大当たりとなった方が、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりとなった場合よりも遊技者に有利な大当たり遊技が行われる可能性が高い(図9参照)。そこで、本実施形態では、大当たり遊技が行われるまでの特別図柄の変動中において、現在の特別図柄の変動が、第1始動口11への入賞によるものか第2始動口a12の入賞によるものかを遊技者が容易に認識できるように、各特別図柄の変動に対応した「変動演出」が実行される。この「変動演出」では、液晶表示器5において装飾図柄51を変動させる演出や大当たりを示唆する予告画像等を表示させる演出の他、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39を用いた演出が行われる。
図21は、第1始動口と第2始動口のそれぞれに対応した変動演出の内容の一例を示す図である。パチンコ遊技機1は、図21に示すように、第1始動口11への入賞に基づく変動演出として、変動演出a1〜d1を有する。また、第2始動口a12への入賞に基づく変動演出として、変動演出a2〜b2を有する。また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、第1始動口11と第2始動口a12に共通する変動演出として、変動演出x、変動演出y1〜y4を有する。
変動演出xは、共通リーチ前演出と共通リーチ演出とを含む。共通リーチ前演出は、3つの装飾図柄51が変動開始してから2つの同種の装飾図柄51が揃うまで(リーチ演出が行われるまで)に行われる演出であり、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とで共通の演出である。すなわち、共通リーチ前演出は、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを遊技者が区別することは困難な演出である。
図22は、変動演出の内容を示す画面図の一例であり、(A)及び(B)は共通リーチ前演出を示し、(C)及び(D)は共通リーチ演出を示す図である。共通リーチ前演出では、装飾図柄51が所定の方向(例えば、図23(A)に示すように、上から下方)に送られる演出(図柄送り演出)が行われる。また、共通リーチ前演出では、そのような装飾図柄51の図柄送り演出に加えて、所定の背景画像(後述する第1リーチ前演出や第2リーチ前演出で表示される背景画像とは異なる画像)が表示されたり、また、その後の演出展開を予告する(リーチが成立するか否かや、大当たりか否かを予告する)予告画像として、所定のキャラクタやアイテム(後述する第1リーチ前演出や第2リーチ前演出で表示されるキャラクタやアイテムとは異なる画像(形状だけでなく色のみが異なる画像も含む))等の画像が表示されたりする。
具体的には、共通リーチ前演出では、図22(A)に示すように、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とで共通の共通背景画像(例えば、白色の背景画像)が表示されたり、図22(B)に示すように、予告演出において共通のキャラクタXや共通のアイテムX等の共通予告画像が表示される。
また、本実施形態では、リーチ前演出において、擬似連続予告演出が行われる場合もある。ここで、擬似連続予告演出(以下、単に擬似連ともいう)とは、1回の特別図柄の変動において、装飾図柄51を擬似的に複数回変動させる演出である。すなわち、擬似連は、装飾図柄51を擬似的に変動及び停止させる動作が所定回数(例えば、2〜4回)行われる演出である。
また、共通リーチ演出は、2つの同種の装飾図柄51が停止した後(リーチが成立した後)の演出であり、遊技者に大当たりを期待させる演出である。共通リーチ演出は、上記共通リーチ前演出と同様、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とで共通の演出であり、遊技者が第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを区別することが困難な演出である。
共通リーチ演出では、装飾図柄51を所定の態様で表示する演出が行われる。また、共通リーチ演出では、そのような装飾図柄51を用いた演出に加えて、所定の背景画像(後述する第1リーチ演出や第2リーチ演出で表示される背景画像とは異なる画像)が表示されたり、また、共通のキャラクタや共通のアイテムが表示されたりする。
具体的には、共通リーチ演出では、図22(C)に示すように、装飾図柄51が共通図柄態様(例えば、黒色のゴシック体)で表示されると共に、共通背景画像が表示されたり、図22(D)に示すように、キャラクタXやアイテムX等の共通キャラ等画像が表示される。
変動演出a1は、上記共通リーチ前演出と第1リーチ演出とを含む。第1リーチ演出は、2つの同種の装飾図柄51が停止した後(リーチが成立した後)の演出であり、遊技者に大当たりを期待させる演出(残りの1つの装飾図柄51が所定の位置に停止するか否かの演出)である。第1リーチ演出は、第1特別図柄専用のリーチ演出であるため、第1特別図柄が変動していることを遊技者が容易に認識可能な演出である。
また、変動演出b1は、第1リーチ前演出と上記第1リーチ演出とを含む。第1リーチ前演出は、リーチ演出が行われるまでに行われる演出であって、第1特別図柄専用の演出である。すなわち、第1リーチ前演出は、第1特別図柄が変動していることを遊技者が容易に認識可能な演出である。
図23は、変動演出の内容を示す画面図の一例であり、(A)及び(B)は第1リーチ前演出を示し、(C)及び(D)は第1リーチ演出を示す図である。まず、変動演出b1の第1リーチ前演出から説明すると、第1リーチ前演出は、装飾図柄51が所定の方向(上記共通リーチ前演出における図柄送り方向とは異なる方向であって、例えば、図23(A)に示すように、下から上方)に送られる図柄送り演出が行われる。また、第1リーチ前演出では、そのような装飾図柄51の図柄送り演出に加えて、所定の背景図柄(上記共通リーチ前演出で表示される背景画像とは異なる画像)を表示したり、また、所定のキャラクタやアイテム(上記共通リーチ前演出で表示されるキャラクタやアイテムとは異なる画像)等の画像が表示されたりする。
具体的には、第1リーチ前演出では、図23(A)に示すように、第1背景画像(例えば、灰色(図ではドット表示)の背景画像)が表示されたり、図23(B)に示すように、予告演出においてキャラクタMやアイテムM等の第1キャラ等画像が表示される。
一方、第1リーチ演出では、装飾図柄51を上記共通リーチ演出における所定の態様とは異なる態様で表示する演出が行われる。また、第1リーチ演出では、そのような装飾図柄51で表示態様の演出に加えて、上記共通リーチ演出で表示される背景画像とは異なる背景画像が表示されたり、また上記共通リーチ演出で表示されるキャラクタやアイテムとは異なる画像が表示されたりする。
具体的には、第1リーチ演出では、図23(C)に示すように、装飾図柄51が第1図柄態様(例えば、青色斜体のゴシック体)で表示されると共に、第1背景画像が表示されたり、図23(D)に示すように、キャラクタMやアイテムM等の第1キャラ等画像が表示される。
変動演出c1は、特定演出(長)を含む。特定演出(長)は、特定の大当たり(大当たり図柄C,D)を示唆する演出であり、特定図柄が停止することを期待させる演出である。具体的には、特定演出(長)は、特定図柄が特定の位置に停止することを期待させる演出である。特定演出(長)は、第1特別図柄専用の演出であるため、第1特別図柄が変動していることを遊技者が容易に認識可能な演出となっている。
変動演出d1は、上記特定演出(長)と同様、特定図柄を用いて特定の大当たりを期待させる演出であって、特定演出(短)を含む。特定演出(短)は、第1特別図柄専用の演出であるため、第1特別図柄が変動していることを遊技者が容易に認識可能な演出となっている。
変動演出a2は、上記共通リーチ前演出と第2リーチ演出を含む。第2リーチ演出は、リーチが成立した後の演出であり、遊技者に大当たりを期待させる演出である。第2リーチ演出は、第2特別図柄専用のリーチ演出であり、第2特別図柄が変動していることを遊技者が容易に認識可能な演出である。
また、変動演出b2は、第2リーチ前演出と上記第2リーチ演出を含む。第2リーチ前演出は、リーチ演出が行われる前の演出であって、第2特別図柄専用のリーチ前演出である。すなわち、第2リーチ前演出は、第2特別図柄が変動していることを遊技者が容易に認識可能な演出である。
図24は、変動演出の内容を示す画面図の一例であり、(A)及び(B)は第2リーチ前演出を示し、(C)及び(D)は第2リーチ演出を示す図である。まず、変動演出b2の第2リーチ前演出から説明すると、第2リーチ前演出は、装飾図柄51が所定の方向(上記共通リーチ前演出及び上記第1リーチ前演出における図柄送り方向とは異なる方向であって、例えば図24(A)に示すように、右から左方向)に送られる図柄送り演出が行われる。また、第2リーチ前演出では、そのような装飾図柄51の図柄送り演出に加えて、所定の背景画像(上記共通リーチ前演出及び上記第1リーチ前演出で表示される背景画像とは異なる画像)を表示したり、また所定のキャラクタやアイテム(上記共通リーチ前演出で表示されるキャラクタやアイテムとは異なる画像)等の画像が表示されたりする。
具体的には、第2リーチ前演出では、図24(A)に示すように、第2背景画像(例えば、黒色(図では斜線表示)の背景画像)が表示されたり、図24(B)に示すように、予告演出においてキャラクタNやアイテムN等の第2キャラ等画像が表示される。
一方、第2リーチ演出では、装飾図柄51を上記共通リーチ演出及び第1リーチ演出における所定の態様とは異なる態様で表示する演出が行われる。また、第2リーチ演出では、そのような装飾図柄51の表示態様の演出に加えて、上記共通リーチ演出及び上記第1リーチ演出で表示される背景画像とは異なる背景画像が表示されたり、また、上記共通リーチ演出で表示されるキャラクタやアイテムとは異なる画像が表示されたりする。
具体的には、第2リーチ演出では、図24(C)に示すように、装飾図柄51が第2図柄態様(例えば、赤色斜体のゴシック体)で表示されると共に、第2背景画像が表示されたり、図24(D)に示すように、キャラクタNやアイテムN等の第2キャラ等画像が表示される。
変動演出y1〜y4は、いずれも共通ハズレ演出を含む。共通ハズレ演出は、リーチが成立することなく装飾図柄51がハズレの態様で停止する演出である。また、共通ハズレ演出は、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とで共通の演出である。すなわち、共通ハズレ演出は、遊技者によって、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを区別することが困難な演出である。
上述のように、本実施形態では、通常遊技状態において第1特別図柄と第2特別図柄とが交互に変動し得る。また、図7を参照して説明したように、液晶表示器5には保留アイコンが表示されるが、これらの保留アイコンは第1特別図柄判定を行う権利に係るものと、第2特別図柄判定を行う権利に係るものとで区別できない態様で表示される。このため、特別図柄の変動開始時には、遊技者は、第1特別図柄が変動したのか、第2特別図柄が変動したのかを識別し難い。その一方で、第2特別図柄の変動に基づいて大当たりとなる方が、第1特別図柄の変動に基づいて大当たりとなる場合よりも、遊技者にとって有利である。
このような前提条件の下、本実施形態では、例えば、上記変動演出a2が選択された場合、所定のタイミングまで(リーチ演出の開始まで)は第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とで共通の演出が行われ、上記所定のタイミング以降では、第2特別図柄の変動であることが容易に認識可能な第2リーチ演出が行われる。このため、遊技者は、所定のタイミングまでは第1特別図柄と第2特別図柄のどちらが変動しているのか認識できず、大当たりに対する期待度の高い第2リーチ演出が開始されることで第2特別図柄が変動していることを認識する。これにより、本実施形態では、遊技者の期待を一気に高めることができる。
また、例えば、上記共通リーチ前演出を含んだ変動演出a1又は変動演出a2が選択された場合において、共通リーチ前演出中に、大当たりに対する期待度の高い所定の予告演出が行われるとする。この場合、大当たりに対する期待度が高いことが、リーチ演出の開始前に遊技者に認識される。しかしながら、この時点では、遊技者は、第1特別図柄と第2特別図柄とでどちらが変動しているのか認識し難い。第2特別図柄の変動に基づいて大当たりとなった方が遊技者に有利であるため、共通リーチ前演出中は、遊技者は、第2特別図柄の変動であることを期待しながら遊技を行うことになる。そして、変動演出a2が選択されていた場合には、共通リーチ前演出の後に第2リーチ演出が行われる。これにより、第2特別図柄が変動していることを遊技者に認識させることができ、遊技者の期待を一気に高めることができる。一方、変動演出a1が選択されていた場合には、共通リーチ前演出の後に第1リーチ演出が行われる。すると、遊技者は、第1特別図柄が変動していることを認識するため、第2リーチ演出が行われたときよりは期待は上がらないものの、大当たりに対する期待度は高いため、遊技者の期待を極端に下げてしまうことはない。
また、本実施形態では、第1始動口11又は第2始動口a12への入賞に基づいて、上記変動演出x(共通リーチ前演出+共通リーチ演出)も選択され得る。この変動演出xも選択可能であるため、演出にバリエーションを持たせることができ、演出が単純になることを防止することができる。また、変動演出a1、変動演出a2、および、変動演出xの何れかが実行されることで、共通リーチ前演出中に、リーチ成立後にどの演出(第1リーチ演出、第2リーチ演出、共通リーチ演出)に発展するのかについて遊技者に期待させることができる。
また、本実施形態では、特別図柄が停止した後の大当たり遊技中に、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動に対応する「大当たり遊技演出」をさらに実行させることができる。なお、この大当たり遊技演出では、上記「変動演出」と同様、液晶表示器5を用いた演出の他、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39を用いた演出が行われる。
図25は、第1始動口と第2始動口のそれぞれに対応した大当たり遊技演出の内容の一例を示す図である。パチンコ遊技機1は、図25に示すように、第1始動口11への入賞に基づく大当たりにおける大当たり遊技演出として、大当たり遊技演出a1〜d1を有する。また、パチンコ遊技機1は、第2始動口a12への入賞に基づく大当たりにおける大当たり遊技演出として、大当たり遊技演出a2〜d2を有する。また、パチンコ遊技機1は、第1始動口11への入賞に基づく大当たりか、第2始動口a12(又は第2始動口b15)への入賞に基づく大当たりか、遊技者が区別することが困難な大当たり遊技演出として、大当たり遊技演出xを有する。
大当たり遊技演出xは、共通オープニング演出と共通ラウンド演出と共通エンディング演出とを含む。共通オープニング演出は、大当たり遊技が開始されることを示す演出であり、例えば、大当たりであること及び遊技者に右打ちを行わせることを報知する演出である。また、共通オープニング演出は、第1特別図柄の変動に基づいて大当たり遊技が行われる場合と、第2特別図柄の変動に基づいて大当たり遊技が行われる場合とで共通した演出である。すなわち、共通オープニング演出は、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動によるものか第2特別図柄の変動によるものかを遊技者が区別することが困難な演出である。
共通ラウンド演出は、大当たり遊技中の各ラウンド遊技が行われる間の演出である。また、共通ラウンド演出は、第1特別図柄の変動に基づいて大当たり遊技が行われる場合と、第2特別図柄の変動に基づいて大当たり遊技が行われる場合とで共通した演出である。すなわち、共通ラウンド演出は、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動によるものか第2特別図柄の変動によるものかを遊技者が区別することが困難な演出である。
共通エンディング演出は、大当たり遊技の終了を示す演出である。また、共通エンディング演出は、第1特別図柄の変動に基づいて大当たり遊技が行われた場合と、第2特別図柄の変動に基づいて大当たり遊技が行われた場合とで共通した演出である。すなわち、共通エンディング演出は、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動によるものか第2特別図柄の変動によるものかを遊技者が区別することが困難な演出である。
したがって、大当たり遊技演出xは、大当たり遊技を構成する「オープニング」、「ラウンド遊技」、「エンディング」のいずれのタイミングにおいても、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動によるものか第2特別図柄の変動によるものかを遊技者が区別することが困難である。
なお、大当たり遊技演出xでは、共通オープニング演出と、共通ラウンド演出と、共通エンディング演出とのいずれにおいても、上記した共通リーチ前演出や共通リーチ演出と同様、共通背景画像が表示されたり、キャラクタXやアイテムX等の共通キャラ等画像が表示される。
大当たり遊技演出a1は、上記共通オープニング演出と上記共通ラウンド演出と第1エンディング演出とを含む。第1エンディング演出は、大当たり遊技の終了を示す演出であり、第1特別図柄専用の大当たり遊技演出である。すなわち、第1エンディング演出は、大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったことを遊技者が容易に認識可能な演出である。
したがって、大当たり遊技演出a1では、共通オープニング演出及び共通ラウンド演出において、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったか第2特別図柄の変動であったかを区別することは困難であるが、第1エンディング演出が行われることにより、当該大当たりの契機が第1特別図柄の変動によるものであることを遊技者が容易に認識することができる。
なお、大当たり遊技演出a1では、第1エンディング演出において、上記した第1リーチ前演出や第1リーチ演出と同様、第1背景画像が表示されたり、キャラクタMやアイテムM等の第1キャラ等画像が表示される。
大当たり遊技演出b1は、上記共通オープニング演出と第1ラウンド演出と上記第1エンディング演出とを含む。第1ラウンド演出は、大当たり遊技中の各ラウンド遊技中に行われる演出であって、第1特別図柄専用の大当たり遊技演出である。すなわち、第1ラウンド演出は、大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったことを遊技者が容易に認識可能な演出である。
したがって、大当たり遊技演出b1では、共通オープニング演出において、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったか第2特別図柄の変動であったかを区別することは困難であるが、第1ラウンド演出や第1エンディング演出が行われることにより、当該大当たりの契機が第1特別図柄の変動によるものであることを遊技者が容易に認識することができる。
なお、大当たり遊技演出b1では、第1ラウンド演出において、上記した第1エンディング演出と同様、第1背景画像が表示されたり、キャラクタMやアイテムM等の第1キャラ等画像が表示される。
大当たり遊技演出c1は、第1オープニング演出と上記共通ラウンド演出と上記共通エンディング演出とを含む。第1オープニング演出は、大当たり遊技が開始されることを示す演出であり、第1特別図柄専用の大当たり遊技演出である。すなわち、第1オープニング演出は、大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったことを遊技者が容易に認識可能な演出である。
したがって、大当たり遊技演出c1では、共通ラウンド演出及び共通エンディング演出において、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったか第2特別図柄の変動であったかを区別することは困難であるが、第1オープニング演出が行われることにより、当該大当たりの契機が第1特別図柄の変動によるものであることを遊技者が容易に認識することができる。
なお、大当たり遊技演出c1では、第1オープニング演出において、上記した第1ラウンド演出や第1エンディング演出と同様、第1背景画像が表示されたり、キャラクタMやアイテムM等の第1キャラ等画像が表示される。
大当たり遊技演出d1は、上記第1オープニング演出と上記第1ラウンド演出と上記第1エンディング演出とを含む。したがって、大当たり遊技演出d1では、大当たり遊技を構成する「オープニング」、「ラウンド遊技」、「エンディング」のいずれのタイミングにおいても、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動によるものであることを遊技者が容易に認識することができる。
大当たり遊技演出a2は、上記共通オープニング演出と上記共通ラウンド演出と第2エンディング演出とを含む。第2エンディング演出は、大当たり遊技の終了を示す演出であり、第2特別図柄専用の大当たり遊技演出である。すなわち、第2エンディング演出は、大当たりの契機となった特別図柄の変動が第2特別図柄の変動であったことを遊技者が容易に認識可能な演出である。
したがって、大当たり遊技演出a2では、共通オープニング演出及び共通ラウンド演出において、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったか第2特別図柄の変動であったかを区別することは困難であるが、第2エンディング演出が行われることにより、当該大当たりの契機が第2特別図柄の変動によるものであることを遊技者が容易に認識することができる。
なお、大当たり遊技演出a2では、第2エンディング演出において、上記した第2リーチ前演出や第2リーチ演出と同様、第2背景画像が表示されたり、キャラクタNやアイテムN等の第2キャラ等画像が表示される。
大当たり遊技演出b2は、上記共通オープニング演出と第2ラウンド演出と上記第2エンディング演出とを含む。第2ラウンド演出は、大当たり遊技中の各ラウンド遊技中に行われる演出であって、第2特別図柄専用の大当たり遊技演出である。すなわち、第2ラウンド演出は、大当たりの契機となった特別図柄の変動が第2特別図柄の変動であったことを遊技者が容易に認識可能な演出である。
したがって、大当たり遊技演出b2では、共通オープニング演出において、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったか第2特別図柄の変動であったかを区別することは困難であるが、第2ラウンド演出や第2エンディング演出が行われることにより、当該大当たりの契機が第2特別図柄の変動によるものであることを遊技者が容易に認識することができる。
なお、大当たり遊技演出b2では、第2ラウンド演出において、上記した第2エンディング演出と同様、第2背景画像が表示されたり、キャラクタNやアイテムN等の第2キャラ等画像が表示される。
大当たり遊技演出c2は、第2オープニング演出と上記共通ラウンド演出と上記共通エンディング演出とを含む。第2オープニング演出は、大当たり遊技が開始されることを示す演出であり、第2特別図柄専用の大当たり遊技演出である。すなわち、第2オープニング演出は、大当たりの契機となった特別図柄の変動が第2特別図柄の変動であったことを遊技者が容易に認識可能な演出である。
したがって、大当たり遊技演出c2では、共通ラウンド演出及び共通エンディング演出において、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であったか第2特別図柄の変動であったかを区別することは困難であるが、第2オープニング演出が行われることにより、当該大当たりの契機が第2特別図柄の変動によるものであることを遊技者が容易に認識することができる。
なお、大当たり遊技演出c2では、第2オープニング演出において、上記した第2ラウンド演出や第2エンディング演出と同様、第2背景画像が表示されたり、キャラクタNやアイテムN等の第2キャラ等画像が表示される。
大当たり遊技演出d2は、上記第2オープニング演出と上記第2ラウンド演出と上記第2エンディング演出とを含む。したがって、大当たり遊技演出d2では、大当たり遊技を構成する「オープニング」、「ラウンド遊技」、「エンディング」のいずれのタイミングにおいても、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第2特別図柄の変動によるものであることを遊技者が容易に認識することができる。
なお、他の実施形態では、大当たり遊技演出において、ラウンド遊技中にのみ第1特別図柄専用演出又は第2特別図柄専用演出を行う演出構成を採用しても構わない。例えば、上記大当たり遊技演出a1〜d1及び上記大当たり遊技演出a2〜d2に加えて、大当たり遊技演出e1及び大当たり遊技演出e2をさらに備え、当該大当たり遊技演出e1が、共通オープニング演出と第1ラウンド演出と共通エンディング演出を含み、当該大当たり遊技演出e2が、共通オープニング演出と第2ラウンド演出と共通エンディング演出を含むようにしても良いし、上記大当たり遊技演出a1〜d1及び上記大当たり遊技演出a2〜d2のいずれかの大当たり遊技演出の内容に替えて、共通オープニング演出と第1ラウンド演出と共通エンディング演出を含んだ第1特別図柄専用演出を採用したり、共通オープニング演出と第2ラウンド演出と共通エンディング演出を含んだ第2特別図柄専用演出を採用しても良い。
図25に示すように、パチンコ遊技機1では、演出制御部130が、大当たりの契機となった始動口11,12,15に対応する上記変動演出に応じて、特別図柄の停止後における大当たり遊技演出として、上記複数の大当たり遊技演出のうちから何れかを選択する。
大当たり遊技演出xは、遊技球が第1始動口11、第2始動口a12、又は、第2始動口b15へ入賞して、変動演出xが行われた場合に選択される。
大当たり遊技演出a1〜d1のそれぞれは、遊技球が第1始動口11へ入賞し、変動演出として変動演出a1〜d1のうちの何れかが行われた場合に選択される。
大当たり遊技演出a2〜d2のそれぞれは、遊技球が第2始動口a12へ入賞し、変動演出として変動演出b2,c2のうちの何れかが行われた場合に選択される。
このように、本実施形態では、大当たりの契機となった特別図柄の変動において、第1特別図柄専用の変動演出が行われた場合には、大当たり遊技中の「オープニング」、「ラウンド遊技」、「エンディング」のうちの少なくとも1つのタイミングで第1特別図柄に対応する大当たり遊技演出が行われ、また、大当たりの契機となった特別図柄の変動において、第2特別図柄専用の変動演出が行われた場合には、大当たり遊技中の「オープニング」、「ラウンド遊技」、「エンディング」のうちの少なくとも1つのタイミングで第2特別図柄に対応する大当たり遊技演出が行われる。そのため、本実施形態では、特別図柄の変動中に、いずれの始動口11,12,15によって当該特別図柄の変動が行われたか判別できなかった場合であっても、大当たり遊技中に、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動によるものか第2特別図柄の変動によるものかといった区別を行うことができる。
次に、上述した演出をおこなうための演出制御の詳細について説明する。
[演出制御部による演出制御処理]
図26は、演出制御部において行われるタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。以下では、図26〜図29に示す処理を演出制御部130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部又は全部は、演出制御部130、画像音響制御部140、及び、ランプ制御部150の何れかにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、図26に示す一連の処理を割込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図26のフローチャートにしたがうと、演出制御部130は、ステップS1001において、コマンド受信処理を実行する。コマンド受信処理は、遊技制御部100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御部130は、遊技制御部100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に実行させるためのコマンドを生成する。このコマンド受信処理の詳細については、後に、図27を参照して詳述する。
ステップS1001の処理に続いて、演出制御部130は、操作受付処理を実行する(ステップS1002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。
そして、演出制御部130は、ステップS1001で生成したコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する(ステップS1003)。また、演出制御部130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(ステップS1002)を送信する。このコマンドに応じて、画像音響制御部140及びランプ制御部150は、所定の演出を実行する。以上のようにして、ステップS1001〜ステップS1003の動作を繰り返し実行する。
[演出制御部によるコマンド受信処理]
図27は、図26のステップS1001のコマンド受信処理を示す詳細フローチャートである。図27に示すように、コマンド受信処理では、演出制御部130が、遊技制御部100において図11のステップS206又はステップS212の処理でセットされた保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1301:YES)、演出制御部130は、保留コマンド処理を実行する(ステップS1302)。
ステップS1302の保留コマンド処理では、演出制御部130は、保留コマンドを受信したことに応じて、当該保留コマンドに対応する保留アイコン52を液晶表示器5に表示させる。この場合において、演出制御部130は、第1始動口11に遊技球が入賞した場合と、第2始動口a12に遊技球が入賞した場合とで、同じ表示態様の保留アイコンを表示する。
なお、演出制御部130は、保留コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて、事前判定演出を行うか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて事前判定演出の内容を決定して実行する。具体的には、演出制御部130は、受信した保留コマンドに係る特別図柄判定において大当たりとなるか否か等を判定し、判定結果に応じて、事前判定演出を実行する。例えば、演出制御部130は、事前判定演出として、保留アイコン52を通常とは異なる態様で表示させる。この場合においても、変化後の保留アイコンの表示態様は、第1始動口11に遊技球が入賞した場合と、第2始動口a12(又は第2始動口b15)に遊技球が入賞した場合とで、遊技者が区別できない態様である。
ステップS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1301:NO)、演出制御部130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1303:YES)、演出制御部130は、変動開始コマンド処理を実行する(ステップS1304)。具体的には、演出制御部130は、変動開始コマンドに含まれる変動パターン(図13のステップS408で設定される変動パターン)、図柄情報等に基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる変動演出の内容を決定し、当該演出を実行させるためのコマンドをセットする。このコマンドは、上記ステップS1003において画像音響制御部140やランプ制御部150に送信され、画像音響制御部140はこのコマンドを受信したことに応じて装飾図柄51を用いた変動演出を行う。
ここで、図13のステップS408の処理において変動パターンを決定するために用いられる通常遊技状態の変動パターンテーブルの一例について説明する。図30は、通常遊技状態の変動パターンテーブルの一例を示す図である。なお、図は省略するが、パチンコ遊技機1には、確変遊技状態や潜伏確変遊技状態等の他の遊技状態のときに選択される別の変動パターンテーブルも用意されている。
図30に示すように、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA101〜PA105の何れかが選択される。具体的には、大当たり図柄A、B、E、Fのうち、いずれかが判定された場合、変動パターンPA101〜PA103のうちの何れかが選択される。例えば、変動パターンPA101は、変動演出xに対応する変動パターンであり、変動時間は30秒である。また、変動パターンPA102は、変動演出a1に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また、変動パターンPA103は、変動演出b1に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。また、変動パターンPA104は、変動演出c1に対応する変動パターンであり、変動時間は40秒である。また変動パターンPA105は、変動演出d1に対応する変動パターンであり、変動時間は18秒である。そして、選択された変動パターンに応じた変動時間だけ変動演出が行われる。
また、図30に示すように、第2始動口a12又は第2始動口b15への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA101〜PA103の何れかが選択される。具体的には、大当たり図柄G〜Kのうち、いずれかが判定された場合、変動パターンPA101、PA121、PA122のうちの何れかが選択される。例えば、変動パターンPA101は、変動演出xに対応する変動パターンであり、変動時間は30秒である。また、変動パターンPA121は、変動演出a2に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また、変動パターンPA122は、変動演出b2に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。
一方、図30に示すように、第1始動口11への遊技球の入賞に応じてハズレと判定され、且つ、リーチ有りと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA201〜PA205の何れかが選択される。変動パターンPA201は、上記した変動演出xに対応する変動パターンであり、変動時間は30秒である。また、変動パターンPA202は、上述した変動演出a1に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また、変動パターンPA203は、上述した変動演出b1に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。また、変動パターンPA204は、上述した変動演出c1に対応する変動パターンであり、例えば変動時間は40秒である。また同様に、変動パターンPA205は、上述した変動演出d1に対応する変動パターンであり、例えば変動時間は18秒である。
また、図30に示すように、第2始動口a12又は第2始動口b15への遊技球の入賞に応じてハズレと判定され、且つ、リーチ有りと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA201、PA221、PA222の何れかが選択される。変動パターンPA221は、上述した変動演出a2に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また、変動パターンPA222は、上述した変動演出b2に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。
また、図30に示すように、特別図柄判定の結果がハズレと判定され、且つ、リーチ無しと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動演出y1〜y4に対応する変動パターンPA301〜PA304の何れかが選択される。変動パターンPA301〜PA304はいずれも、共通ハズレ演出が行われる変動パターンである。ここで言う「共通ハズレ」とは、装飾図柄51を用いて、上述のようなリーチ演出が行われない、単純にハズレを報知するための演出であり、3つの異なる種類の装飾図柄51が、例えば左、右、中の順に停止する演出である。図30に示すように、特別図柄判定の保留数(変動パターン決定時における保留数U1+保留数U2の値)に応じて、変動パターンPA301〜PA304の何れかが選択される。
図27のステップS1304の処理では、図30に示す変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターンに基づいて、変動演出が選択されて実行される。以下、ステップS1304の処理の詳細について説明する。
図28は、図27のステップS1304における変動開始コマンド処理を示す詳細フローチャートである。図28に示すように、変動開始コマンド処理では、演出制御部130が、まず変動開始コマンドに含まれる情報から、特別図柄判定によって大当たりと判定されたか否かを判定する(ステップS1321)。
大当たりであると判定した場合(ステップS1321:YES)、演出制御部130は、当該大当たり判定の契機となった特別図柄の変動が、第2始動口a12に係るもの(図28では特2変動ともいう)か否かを判定する(ステップS1322)。今回の大当たりが特2変動に係るものであると判定すると(ステップS1322:YES)、演出制御部130は、最終的に大当たりの結果を報知する変動演出x、a2〜b2のいずれかを選択する(ステップS1324)。
一方、大当たりであると判定し(ステップS1321:YES)、且つ、今回の大当たりが特2変動に係るものではないと判定(特1変動に係るものと判定)した場合(ステップS1322:NO)、演出制御部130は、当該大当たりに係る大当たり図柄が如何なるものかを判定する(ステップS1325)。具体的には、このステップS1325では、特1変動に係る大当たり図柄が、「大当たり図柄A,B,E,F」の何れかであるか否かを判定する。第1変動に係る大当たり図柄が、「大当たり図柄A,B,E,F」の何れでもないと判定した場合、つまり「大当たり図柄C,D」の何れかであると判定した場合(ステップS1325:NO)、演出制御部130は、最終的に大当たりの結果を報知する変動演出c1,d1の何れかを選択する(ステップS1328)。
特1変動に係る大当たり図柄が、「大当たり図柄A,B,E,F」の何れかであると判定した場合(ステップS1325:YES)、演出制御部130は、最終的に大当たりの結果を報知する変動演出x、a1〜b1の何れかを選択する(ステップS1329)
一方、大当たりではないと判定した場合(ステップS1321:NO)、演出制御部130は、この変動開始コマンドに応じた変動において、リーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS1323)。リーチ演出は行われないと判定した場合(ステップS1323:NO)、演出制御部130は、最終的にハズレの結果を報知する変動演出y1〜y4の何れかを選択する(ステップS1326)。
リーチ演出は行われると判定した場合(ステップS1323:YES)、演出制御部130は、今回の特別図柄の変動が、第2始動口a12に係るものか否か、つまり特2変動に対応するものか否かを判定する(ステップS1327)。特2変動であると判定した場合(ステップS1327:YES)、演出制御部130は、最終的にハズレの結果を報知する変動演出x、a2〜b2の何れかを選択する(ステップS1330)。第2変動でないと判定した場合、つまり特1変動であると判定した場合、演出制御部130は、最終的にハズレの結果を報知する変動演出x、a1〜d1の何れかを選択する(ステップS1331)。
ステップS1324の処理を実行した場合、ステップS1328の処理を実行した場合、ステップS1329の処理を実行した場合、ステップS1326の処理を実行した場合、ステップS1330の処理を実行した場合、あるいは、ステップS1331の処理を実行した場合、演出制御部130は、選択した変動演出を開始する(ステップS1332)。そして、演出制御部130は、変動開始コマンド処理を終了して、図27のステップS1305以降の処理を進める。
なお、変動開始コマンド処理では、図示を省略するが、上記した処理の中途において、演出制御部130が、液晶表示器5に表示されている保留アイコンを消化方向(例えば、図7では右方向)に移動させる処理を実行する。
図27のステップS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信しなかった場合(図27のステップS1303:NO)、演出制御部130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1305:YES)、演出制御部130は、変動演出終了処理を実行する(ステップS1306)。具体的には、演出制御部130は、ステップS1304で開始した演出を終了させるためのコマンドをセットし、当該コマンドに応じて、画像音響制御部140が装飾図柄51を停止させる。
ステップS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1305:NO)、演出制御部130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1307:YES)、演出制御部130は、オープニング処理を実行する(ステップS1308)。オープニング処理では、演出制御部130は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出を決定して実行すると共に、ラウンド遊技中に行われるラウンド演出、及び、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定する。すなわち、演出制御部130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出やラウンド演出、エンディング演出の内容を決定する。
図29は、図27におけるステップステップS1308のオープニング処理を示す詳細フローチャートである。図29に示すように、オープニング処理では、演出制御部130が、第2特別図柄の変動に基づく大当たりか否かを判定する(ステップS1341)。具体的には、演出制御部130は、大当たり図柄に基づいて、今回の大当たりが第1特別図柄の変動(第1始動口11への入賞に基づく図柄変動)に基づく大当たりか、第2特別図柄の変動(第2始動口a12への入賞に基づく図柄変動)に基づく大当たりかを判定する。なお、演出制御部130は、変動開始コマンドや変動停止コマンドを受信した場合、これらのコマンドに含まれる図柄情報(大当たり図柄やハズレ図柄の情報)を記憶しておく。そして、演出制御部130は、この記憶された図柄情報に基づいて、ステップS1341の判定を行う。
また、別の実施形態では、オープニングコマンドに図柄情報が含まれていてもよく、演出制御部130は、オープニングコマンドに含まれる図柄情報に基づいて、ステップS1341の判定を行ってもよい。
今回の大当たりが第2特別図柄の変動に基づく大当たりであると判定した場合(ステップS1341:YES)、演出制御部130は、特別図柄の変動の際に、特2変動専用演出が実行されたか否かを判定する(ステップS1343)。なお、特2変動専用演出は、変動演出において、上記した第2リーチ前演出及び第2リーチ演出のうち少なくともいずれか一方を含んだ変動演出であり、本実施形態では、図21に示す変動演出a2,b2である。
特2変動専用演出は実行されなかったと判定した場合(ステップS1343:NO)、演出制御部130は、大当たり共通演出パターンを設定する(ステップS1344)。大当たり共通演出パターンとは、今回の大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動によるものか第2特別図柄の変動によるものかを遊技者が区別することが困難な演出パターンであり、本実施形態では、図25に示す共通オープニング演出、共通ラウンド演出、及び、共通エンディング演出を含んだ大当たり遊技演出xである。これに対して、特2変動専用演出が実行されたと判定した場合(ステップS1343:YES)、演出制御部130は、大当たり第2演出パターンを設定する(ステップS1345)。大当たり第2演出パターンとは、今回の大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第2特別図柄の変動によるものと認識できる演出パターンであり、本実施形態では、第2オープニング演出、第2ラウンド演出、並びに、第2エンディング演出のうちの少なくとも1つを含んだ大当たり遊技演出a2〜d2である。
一方、今回の大当たりが第2特別図柄の変動に基づく大当たりではないと判定した場合、つまり特1変動に基づく大当たりであると判定した場合(ステップS1341:NO)、演出制御部130は、特別図柄の変動の際に、特1変動専用演出が実行されたか否かを判定する(ステップS1342)。なお、特1変動専用演出は、変動演出において、第1リーチ前演出と第1リーチ演出と特定演出の少なくともいずれか1つを含んだ変動演出であり、本実施形態では、図21に示す変動演出a1〜d1である。
特1変動専用演出は実行されなかったと判定した場合(ステップS1342:NO)、演出制御部130は、上記ステップS1343でNOと判定された場合と同様、大当たり共通演出パターンを設定する(ステップS1344)。これに対して、第1変動専用演出が実行されたと判定した場合(ステップS1332:YES)、大当たり第1演出パターンを設定する(ステップ1336)。大当たり演出パターンとは、今回の大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動によるものと認識できる演出パターンであり、本実施形態では、第1オープニング演出、第1ラウンド演出、並びに、第1エンディング演出のうちの少なくとも1つを含んだ大当たり遊技演出a1〜d1である。なお、演出制御部130は、変動演出として特定演出が行われた場合は、大当たり遊技演出a1〜d1とは異なる大当たり遊技演出を設定してもよい。
ステップS1344の処理を実行した場合、ステップS1345の処理を実行した場合、あるいは、ステップS1346の処理を実行した場合、演出制御部130は、設定した大当たり演出パターンに基づいて、オープニング演出を開始する(ステップS1347)。例えば、大当たり第2演出パターンの設定によって、大当たり遊技演出a2が設定されている場合においては、演出制御部130は、ステップS1347において共通オープニング演出を実行する。そして、演出制御部130は、このオープニング処理を終了して、図27のステップS1309以降の処理を進める。
図27のステップS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信しなかった場合(図27のステップS1307:NO)、演出制御部130は、ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1309)。
ラウンド開始コマンドを受信した場合(ステップS1309:YES)、演出制御部130は、ラウンド遊技制御処理を実行する(ステップS1310)。このステップでは、演出制御部130が、大当たり遊技における各ラウンドの開始に応じて大当たり演出の進行を制御する。例えば、ステップS1308のオープニング処理によって、大当たり第1演出パターンが設定されて、ラウンド遊技中に第1ラウンド演出を実行すると決定している場合においては、演出制御部130は、ラウンド開始コマンドの受信に応じた所定のタイミングで第1ラウンド演出を実行する。なお、ラウンド演出は、全てのラウンドにおいて、その他のラウンド演出と異なる演出であってもよいし、一部だけが異なる演出であってもよい。
ステップS1310の処理を実行した場合、又は、ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1309:NO)、演出制御部130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1311)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップS1311:YES)、演出制御部130は、大当たり遊技の終了を示すエンディング演出を行う(ステップS1312)。なお、エンディング演出において、例えば、ステップS1308のオープニング処理によって、大当たり第1演出パターンが設定されて、エンディング中に第1エンディング演出を実行すると決定している場合においては、演出制御部130は、エンディングコマンドの受信に応じた所定のタイミングで第1エンディング演出を実行する。
ステップS1312の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1311:NO)、演出制御部130は、このコマンド受信処理を終了する。
以上のように、通常遊技状態において、第1始動口11及び第2始動口a12に遊技球が交互に入賞可能な構成にされたパチンコ遊技機では、遊技者は第1始動口11への入賞に基づいて特別図柄の変動が行われたか、第2始動口a12への入賞に基づいて特別図柄の変動が行われたかを認識し難い。本実施形態では、このように構成された遊技機において、所定の条件を満たした場合に、特別図柄の変動の際に、第1始動口11への入賞に基づいた特別図柄の変動(特1変動)か、第2始動口a12への入賞に基づいた特別図柄の変動(特2変動)かを区別可能な変動演出や大当たり遊技演出が行われる。ここで、「所定の条件」は、特別図柄判定の結果に基づくものとして、リーチ演出が行われることや、特定の演出(第1特別図柄専用、又は第2特別図柄専用のリーチ演出やその他の予告演出、擬似連等)を行わせる特定の変動パターンが選択されたことであってもよい。
また、「所定の条件」は、特別図柄判定の結果に基づかないものとして、RTC134によって計時される日時に基づく条件であってもよい。具体的には、特別図柄判定の結果に基づく所定の条件として、特定の変動パターンが選択された場合には、特1変動か特2変動かを識別可能な変動演出や大当たり遊技演出を行い、特定の変動パターンが選択されなかった場合には、特1変動か特2変動かを識別できない共通の変動演出や大当たり遊技演出を行うように構成される。また、特別図柄判定の結果に基づかない所定の条件として、例えば、特定の時間帯や時期、電源投入からの時間が所定の範囲である場合は、特1変動か特2変動かを識別可能な変動演出を行い、所定の範囲でない場合は、特1変動か特2変動かを識別できない共通の変動演出や大当たり遊技演出を行うように構成される。また、特定の時間帯や時期、電源投入からの時間が所定の範囲である場合には、遊技球がいずれかの始動口11、12に入賞して所定の条件を満たした場合、特別図柄に対応した変動演出や大当たり遊技演出が行われる確率が、所定の範囲でない場合よりも高くなるように構成してもよい。
また、大当たり遊技が行われる場合には、今回の大当たりの契機となった特別図柄の変動時において、特1変動に対応する特1変動専用演出又は特2変動に対応する特2変動専用演出が行われたという事実を条件に、それぞれの特別図柄の変動に対応する大当たり遊技演出が行われる。すなわち、本実施形態では、特別図柄の変動時と、特別図柄の停止後に行われる大当たり遊技時に亘って、特1変動又は特2変動に応じた演出を行うことができるため、大当たりの契機となった特別図柄の変動がいずれであったかを容易に区別することができる。
なお、本実施形態では、変動演出において、特1変動専用演出や特2変動専用演出が実行された場合に、大当たり遊技において、特別図柄の変動に対応した大当たり遊技演出を実行する構成を示したが、本発明はこれに限定されない。別の実施形態では、変動演出において、特1変動専用演出や特2変動専用演出が実行されなかった場合であっても、大当たり遊技において、特別図柄の変動に対応した大当たり遊技演出を実行しても構わない。例えば、特別図柄の変動中に第1特別図柄の変動か第2特別図柄の変動かを識別できない共通の変動演出を行い、大当たり遊技中に第1特別図柄の変動か第2特別図柄の変動かを報知する報知演出が行われてもよい。
具体的には、第1始動口11又は第2始動口a12への入賞に応じて、共通の変動演出を行い、当該変動演出の結果として、大当たり図柄A,B,G,Hの何れかの大当たりであることを示す大当たり報知(すなわち、大当たり遊技後に時短70回が付与される16R確変大当たり又は4R確変大当たりであることを報知する大当たり報知)を行い、その後の大当たり遊技中に、第1特別図柄の変動に基づく大当たりか、第2特別図柄の変動に基づく大当たりかを報知する第1報知演出を行う。例えば、第1報知演出において第2特別図柄の変動に基づく大当たりであることが報知された後に、大当たりの種類(16Rか4Rか)が報知される。このような第1報知演出は、出玉の多い大当たりの可能性が高いか否かを報知する演出である。特別図柄の変動中に第1特別図柄の変動か第2特別図柄の変動かを報知せずに、大当たり中に第1報知演出を行うことで有利な(出玉の多い)大当たり遊技の可能性が高いか否かを遊技者に期待させることができる。
また、例えば、第1始動口11又は第2始動口a12への入賞に応じて、共通の変動演出を行い、当該変動演出の結果として、大当たり図柄E,F,I,J,Kの何れかの大当たりであることを示す大当たり報知(すなわち、4Rの大当たりであって、大当たり遊技後に付与される時短回数が20回、40回、70回の何れかであることを報知する大当たり報知)を行う。その後の大当たり遊技中に、第1特別図柄の変動に基づく大当たりか、第2特別図柄の変動に基づく大当たりかを報知する第2報知演出を行う。例えば、第2報知演出において第2特別図柄の変動に基づく大当たりであることが報知された後に、大当たり遊技後の遊技状態(時短20回か、40回か、70回か)が報知される。このような第2報知演出は、大当たり遊技後に遊技者に有利な遊技状態に移行する可能性が高いか否かを報知する演出である。特別図柄の変動中に第1特別図柄の変動か第2特別図柄の変動かを報知せずに、大当たり中に第2報知演出を行うことで、大当たり遊技後に有利な遊技状態(時短回数の多い)に移行する可能性が高いか否かを遊技者に期待させることができる。
また、他の実施形態では、特1変動専用演出や特2変動専用演出が実行された場合に、大当たり遊技において、特別図柄の変動に対応しない大当たり遊技演出、つまり特1変動と特2変動のいずれであっても同一(特1変動と特2変動で共通する)の大当たり遊技演出を実行しても構わない。また、特別図柄の変動時において、実際とは異なる特別図柄に対応する変動演出を行って、大当たり遊技演出において、実際に大当たりの契機となった特別図柄の変動に対応した大当たり遊技演出を行っても構わない。例えば、実際は、第2始動口a12に遊技球が入賞したにも関わらず、第2特別図柄の変動に伴って第1特別図柄専用の変動演出(ガセの演出)を行い、大当たり遊技演出において、第2特別図柄の変動に対応した大当たり遊技演出を行ってもよい。また、特別図柄に対応する変動演出のみを行い、大当たり遊技においては、当該大当たりの契機となった特別図柄の変動に対応する大当たり遊技演出を行わない構成であっても構わない。
また、上記実施形態では、リーチ前演出及びリーチ演出において、背景画像、キャラクタやアイテム、装飾図柄の図柄送り方向、装飾図柄の表示態様等を異ならせることで、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを識別可能にした。他の実施形態では、これらのうちの少なくともいずれか1つ(例えば、キャラクタ)が第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とで異なるようにしてもよいし、また演出用の可動役物を用いて、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを識別可能にしてもよい。例えば、第1特別図柄専用の第1可動役物と、第2特別図柄専用の第2可動役物とを有し、所定の条件が満たされている場合には、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動に応じて、第1可動役物又は第2可動役物を動作させてもよい。
[第2実施形態]
本発明では、後述する保留先読み演出を行った後、上記した各特別図柄の変動に対応する演出を行っても構わない。以下、保留先読み演出機能を備えた第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と共通する構成や処理に関する説明は省略し(同一部材等については同一の符番をする)、第1実施形態と異なる点に注目して説明する。
ここで、保留先読み演出機能とは、遊技制御部100から出力された事前判定情報に基づいて、演出制御部130が、保留された特別図柄判定を行う権利に対する先読み演出を実行する機能である。すなわち、保留先読み演出とは、保留された特別図柄判定を行う権利に対して、当該権利に係る特別図柄の変動が行われる前に、液晶表示器5や盤ランプ25等を用いて、その特別図柄判定の結果を予告する演出である。そして、本実施形態では、保留先読み演出として、複数の特別図柄の変動に亘る一連の連続演出(ゾーン演出)が行われる。
図31は、保留先読み演出の制御の概要を示すフローチャートである。図32は、特別図柄の1変動目にゾーン演出の実行期間を示す説明図であり、(A)は先読み演出対象に係る保留が表示された直後の状態を示し、(B)はゾーン演出が実行された直後の状態を示す図である。図33は、特別図柄の3変動目にゾーン演出の実行期間を示す説明図であり、(A)は先読み演出対象に係る保留が表示された直後の状態を示し、(B)は1番目の保留に係る特別図柄の変動中における表示状態を示し、(C)は2番目の保留に係る特別図柄の変動中における表示状態を示し、(D)はゾーン演出が実行された直後の状態を示す図である。
具体的には、保留先読み演出は、図31に示す制御フローにしたがって、制御が行われる。すなわち、いずれかの始動口11,12,15に遊技球が入賞し、その入賞に基づいて行われた事前判定の結果、保留先読み演出を行うと決定されると、所定の保留先読み演出が実行される。
例えば、図32に示すように、既に5つの保留がされた状態で、第1始動口11に遊技球が入賞(保留アイコン526)したとすると、まず、遊技制御部100において、その入賞による保留アイコン526に対応する第1特別図柄判定を行う権利が保留される(図31のステップS10)。続いて、遊技制御部100は、この保留アイコン526に対応する特別図柄判定の権利に対する事前判定を行う(ステップS11)。詳細には、遊技球が第1始動口11に入賞した際に取得される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等)に基づいて、遊技制御部100は、保留された特別図柄判定の権利が大当たりか否か、大当たりである場合の大当たりの種類(図柄)や、特別図柄の変動パターン(変動時間)等を判定する。この事前判定の結果は、演出制御部130に送信される。
演出制御部130は、事前判定の結果を受信すると、保留先読み演出を行うか否かを判定する(ステップS12)。詳細には、ステップS12では、事前判定の結果に基づいて、乱数を用いた抽選を行うことにより、保留先読み演出を行うか否かを判定する。例えば、事前判定の結果、保留された特別図柄判定を行う権利が大当たりであると判定された場合は、比較的高い確率で、保留先読み演出を行うと判定する。また、事前判定の結果、保留された特別図柄判定の権利がハズレであっても、所定の変動パターンが事前判定された場合には、保留先読み演出を行うと判定される場合もある。
図32(A)に示すように、6つ目の保留アイコン526に対する事前判定の結果に基づいて、演出制御部130は、保留先読み演出を行う判定をして(ステップS12:YES)、保留先読み演出を実行する(ステップS13)。ここでは、上記したように、保留先読み演出として、複数の特別図柄の変動に亘る一連したゾーン演出が行われる。詳細は後述するが、この「ゾーン演出」は、液晶表示器5の背景画像を通常の背景画像(後に説明する図34に示す基本ステージの背景画像)とは異なる別の背景画像に切り替え、遊技者の期待感を高める演出である。例えば、本実施形態では、図32(A)に示す1番目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動から当該演出の契機となった保留(図32(A)では6番目の保留アイコン526)に係る特別図柄(先読み対象に係る特別図柄)の変動まで、一連したゾーン演出が行われる(図32(B))。つまり、ゾーン演出は、先読み対象に係る特別図柄を変動させる前に開始され、当該先読み対象に係る特別図柄の変動(具体的には、当該変動が開始してから当該変動開始後所定の時間が経過するまでのタイミング)において終了する。なお、ここで言う「ゾーン演出」は、複数回の特別図柄の変動に亘って行われる場合があるため、「一連の連続演出」として説明したが、保留の数によっては、1回の特別図柄の変動においてだけ行われる場合もある。すなわち、以下の説明においても、「ゾーン演出」は、複数回の特別図柄の変動に亘る演出に限られるわけではなく、単一回の特別図柄の変動に係る演出も含むものとする。
一方、ステップS12において、保留先読み演出を実行しない、つまりNOと判定された場合は、保留先読み演出としてのゾーン演出は実行されない。
次に、本実施形態におけるゾーン演出の実行期間について説明する。上述のように、ゾーン演出は、事前判定の結果に基づいて、実行するか否かが決定される。ゾーン演出を行うと決定された場合には、それに伴い、ゾーン演出を行う期間が決定される。
例えば、図32では、ゾーン演出の実行決定後、特別図柄の1変動目で開始される場合が例示されている。すなわち、この場合は、図32(A)に示す0番目の当該保留アイコン520による特別図柄の変動が終了し、次の特別図柄の変動に応じて、図32(A)に示す1番目の保留アイコン521が変動中領域54に移動して図32(B)に示す当該保留アイコン520となり、その特別図柄の変動開始から所定のタイミング(その特別図柄が停止するまでのいずれかのタイミング)で、ゾーン演出に移行する。
また、図33では、ゾーン演出の実行決定後、特別図柄の3変動目で開始される場合が例示されている。すなわち、この場合は、図33(A)に示す0番目の当該保留アイコン520による特別図柄の変動が終了し、さらにその後、図33(A)に示す1,2番目の保留アイコン521,522が右隣に移動して当該1,2番目の保留アイコン521,522による特別図柄の変動が終了する(図33(B),(C))。そして、図33(A)に示す3番目の保留アイコン523に係る特別図柄の変動が開始すると、この3番目の保留アイコン523が変動中領域54に移動して、図33(D)に示す当該保留アイコン520となり、その特別図柄の変動開始から所定のタイミングで、ゾーン演出に移行する。
また、図示は省略するが、ゾーン演出の決定の契機となった保留に係る特別図柄の変動において、つまり図32(A)、図33(A)を基準にすれば6変動目において、ゾーン演出が開始されてもよい。すなわち、1回の特別図柄の変動において、ゾーン演出が行われてもよい。
このように、ゾーン演出が行われる期間は様々であるため、ゾーン演出の実施期間にバリエーションを持たすことが可能となる。つまり、パチンコ遊技機1では、図32に示すように、実質的にゾーン演出の実行期間を長くしたり(図33の場合よりも相対的に長い)、図33に示すように、実質的にゾーン演出の実行期間を短くすることができる(図32の場合よりも相対的に短い)。
なお、ゾーン演出が行われる期間では、ゾーン演出の最終変動(図32や図33の先読み対象)を除いて、ハズレの変動パターン(図52の変動パターンPA301〜PA304)による特別図柄の変動が行われる。すなわち、最終変動を除くゾーン演出中の途中の変動では、大当たりになったり、大当たりに対する期待度(信頼度;確率)の高いリーチ演出が行われないように、ゾーン演出の実行期間及び実行するか否かが決定される。
また、ゾーン演出の開始タイミングは、特別図柄の変動開始と同時であっても、当該変動開始タイミングから若干ずらしても構わない。特に、ゾーン演出の開始タイミングを、特別図柄の変動開始タイミングとずらす(遅らせる)場合は、例えば、装飾図柄51を用いた擬似連続予告演出における装飾図柄の疑似変動又は疑似停止のタイミングに合わせることが考えられる。
次に、ゾーン演出の種類及びゾーン演出の移行について説明する。ゾーン演出が実行される条件が満たされると、複数のゾーン演出のうちから1つのゾーン演出が実行される。図34は、通常遊技状態における基本ステージと各ゾーンとの関係を概念的に示す説明図である。図35は、各ゾーンに設けられた各種テーマに関するゾーンを示すブロック図であり、(A)は共通ゾーンの各種テーマに関するゾーンを示し、(B)は弱ゾーンの各種テーマに関するゾーンを示し、(C)は強ゾーンの各種テーマに関するゾーンを示す図である。
本実施形態では、複数のゾーン演出として、図34に示すように、共通ゾーンに関わる演出、弱ゾーン(第1ゾーン)に関わる演出、及び、強ゾーン(第2ゾーン)に関わる演出が用意されている。また、本実施形態では、図34に示すように、通常遊技状態においては、通常、基本ステージによる演出が行われている。すなわち、ゾーン演出が行われていない基本ステージにおいて、事前判定の結果、後述する所定の条件が満たされると、通常遊技状態を維持しつつも、当該基本ステージを脱し、いずれかのゾーンに関わるゾーン演出が実行される。具体的には、基本ステージを脱すると、前記した共通ゾーン、弱ゾーン、あるいは、強ゾーンに移行して、ゾーン演出が実行される。以下、各ゾーンついて説明する。
共通ゾーンは、原則として、弱ゾーンや強ゾーンへ移行する際の経由ゾーンとしての機能を果たすゾーンである。すなわち、共通ゾーンは、ゾーン演出の一環として後述する弱ゾーンや強ゾーンに至るまでの単なるシナリオの1要素である。そのため、ゾーン演出が実行されて、共通ゾーンが選択された場合は、その後、概ね弱ゾーン又は強ゾーンに移行する。ただし、共通ゾーンは、経由ゾーンとしての役割を果たさず当該共通ゾーンでシナリオが終了する場合がある。すなわち、このような場合は、弱ゾーンや強ゾーンに移行することはなく、共通ゾーンが最終ゾーン(後述する)として機能する。共通ゾーンは、大当たりに対する期待度は低く、そのため、共通ゾーンに突入した後、弱ゾーンや強ゾーンに移行しない場合は、大抵の場合、ハズレが報知されて当該共通ゾーンから基本ステージに戻る。なお、共通ゾーンから弱ゾーン又は強ゾーンに移行することなく、大当たりに対する期待度の高いリーチ演出等が行われて、大当たりとなることがあってもよい。
また、共通ゾーンは、テーマにより区分された3つのテーマゾーンを有しており、ゾーン演出が行われる場合は、そのいずれかのテーマゾーンに振り分けられる。具体的には、共通ゾーンは、図35(A)に示すように、互いにテーマの異なる共通テーマゾーンC1,C2,C3が設けられている。共通ゾーンにおけるテーマとしては、例えば、キャラクタA及びキャラクタBの会話をテーマにしたゾーンであったり、またはキャラクタAが属するグループと、キャラクタBが属するグループとの戦況をテーマにしたゾーンであったり、キャラクタA及びキャラクタBに関わるルーレットを行うテーマ等が挙げられる。
弱ゾーンは、事前判定の結果に基づいて決定され得るゾーンであり、ゾーン演出における最終ゾーンとしての機能を果たすゾーンである。すなわち、最終ゾーンとして機能を果たす弱ゾーンは、基本ステージにて変動演出が行われるよりも大当たりに対する期待度が比較的高い演出である。ここで、「最終ゾーン」は、そのゾーン演出においてゾーン移行する、あるいはゾーン移行しない場合の最終的なゾーンであり、この最終ゾーンにおいてゾーン演出(複数の特別図柄の変動にわたる連続演出)における特別図柄の最終変動が行われる。すなわち、弱ゾーンは、弱ゾーンの演出が行われる期間における特別図柄の最終の変動において、大当たりになることを期待させる演出であり、当該最終変動においては、大当たりに対する期待度の高い演出が行われる可能性が高い。
また、弱ゾーンは、テーマにより区分された2つのテーマゾーンを有しており、ゾーン演出が行われる場合は、そのいずれかのテーマゾーンに振り分けられる。具体的には、弱ゾーンは、図35(B)に示すように、互いにテーマの異なる弱ゾーンA,Bが設けられている。例えば、弱ゾーンは、キャラクタAに関することをテーマにした弱ゾーンAと、キャラクタBに関することをテーマにした弱ゾーンBとを含む。
強ゾーンは、弱ゾーンと同様、事前判定の結果に基づいて決定され得るゾーンであり、ゾーン演出における最終ゾーンとしての機能を果たすゾーンである。すなわち、最終ゾーンとして機能を果たす強ゾーンは、大当たりに対する期待度(信頼度)が比較的高い演出であり、上記弱ゾーンよりも大当たりに対する期待度が高い演出である。すなわち、強ゾーンは、強ゾーンの演出が行われる期間における特別図柄の最終の変動において、大当たりになることを期待させる演出であり、当該最終変動においては、大当たりに対する期待度の高い演出が行われる。また、強ゾーン演出が開始されると、所定のタイミング(例えば、強ゾーンへの突入タイミングや、最終変動の開始タイミング等)で可動役物7を用いた演出が行われる。一方で、弱ゾーン演出が開始されても、所定のタイミングで可動役物7を用いた演出は行われない。このように、強ゾーン演出では、遊技者に期待感を抱かせるために、弱ゾーンよりも派手な演出が行われてもよい。
また、強ゾーンは、テーマにより区分された2つのテーマゾーンを有しており、ゾーン演出が行われる場合は、そのいずれかのテーマゾーンに振り分けられる。具体的には、強ゾーンは、図35(C)に示すように、互いにテーマの異なる強ゾーンA,Bが設けられている。例えば、強ゾーンは、キャラクタAに関することをテーマにした強ゾーンAと、キャラクタBに関することをテーマにした強ゾーンBを含む。より具体的には、強ゾーンAは、弱ゾーンAと関連するテーマを有し、強ゾーンBは、弱ゾーンBと関連するテーマを有する。
各ゾーン間の移行について説明すると、図34に示すように共通ゾーン(C1〜C3)から弱ゾーンにも強ゾーンにも移行し得る。また、共通ゾーンを経由せずに、基本ステージから弱ゾーンに突入する場合もある。同様に、共通ゾーンを経由せずに、基本ステージから強ゾーンに突入する場合もある。また、弱ゾーンからさらに強ゾーンに移行する場合もある。
より具体的には、図35に示す共通ゾーンC1〜C3からは、弱ゾーンA又は弱ゾーンBに移行することがあり、強ゾーンA又は強ゾーンBに移行することがある。また、同様に、基本ステージから弱ゾーンA又は弱ゾーンBに突入することがあり、強ゾーンA又は強ゾーンBに突入することがある。
また、弱ゾーンAからは強ゾーンAに移行する場合があり、弱ゾーンAから強ゾーンBにも移行する場合がある。
一方、弱ゾーンBからは強ゾーンBに移行する場合があるが、弱ゾーンBからは強ゾーンAには移行しない。
次に、ゾーン演出の最終ゾーンとして、弱ゾーン、強ゾーン、並びに、共通ゾーンが選択される条件について説明する。
このように、本実施形態(第2実施形態)では、遊技者の期待感を高めるべく、前記したように、保留先読み演出としてゾーン演出を実行する。そして、ゾーン演出を実行する場合においては、事前判定の結果に応じて、最終ゾーン、すなわち事前判定対象となった特別図柄判定を行う権利に係る図柄変動時にどのゾーン演出(共通ゾーン、弱ゾーン、強ゾーン)を行うかが選択される。さらにはこれら3つの種類のゾーンの中から特定のテーマに関するゾーンが選択される。
ここで、本実施形態では、図9に示すように、第1特別図柄の変動を契機に大当たりに当選するよりも、第2特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した方が、「16R確変当たり」に当選する割合が高いため、遊技者は、第2特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した方が、出玉等の条件上の有利な状態を獲得し易いと言える。
そこで、第2実施形態では、上記した第1実施形態と同様、興趣性を高めるという観点から、第1始動口11への入賞によってゾーン演出を実行すると決定されたか、第2始動口a12への入賞によってゾーン演出を実行すると決定されたか、を条件の1つとして、上記3種類のゾーンのうちの何れかのゾーンを最終ゾーンとして選択する。
したがって、本実施形態(第2実施形態)では、事前判定の結果に基づいて、ゾーン演出を実行するか否かが決定され、ゾーン演出を実行すると決定された場合には、上記3種類のゾーンのうちから、第1特別図柄の変動に対応する何れかのゾーン又は第2特別図柄の変動に対応する何れかのゾーンが最終ゾーンとして選択される。図36を参照して、以下に具体的に説明する。
図36は、最終ゾーンとして選択される各ゾーンと、当該各ゾーンが選択される場合の条件とを対応付けた対応表であり、(A),(B)は第1始動口への遊技球の入賞を条件とした各ゾーンとの対応表を示し、(C)は第2始動口への遊技球の入賞を条件とした各ゾーンとの対応表を示す図である。まず、先読み演出対象に係る保留が第1特別図柄を変動させる場合、つまり、この保留が第1始動口11への入賞により発生した場合について説明すると、この場合は、図36(A),(B)に示すように、選択され得る最終ゾーンとして、弱ゾーンにおける「弱ゾーンA」又は「弱ゾーンB」、あるいは、強ゾーンにおける「強ゾーンA」が設定される。換言すれば、第1始動口11に遊技球が入賞した場合は、選択され得る最終ゾーンとして、強ゾーンにおける「強ゾーンB」が設定されることはない。
具体的には、遊技制御部100における上記事前判定の結果、大当たりと判定され、その大当たり図柄が図柄A,B,E,Fのいずれか(図8の円グラフ参照)であり、ゾーン演出を実行すると決定されれば、図36(A)にしたがって最終ゾーンが選択される。すなわち、上記した条件の下、さらにSPSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、80%の割合で強ゾーンAが選択され、15%の割合で弱ゾーンAが選択され、5%の割合で弱ゾーンBが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第1始動口11に入賞したことにより発生したものであり、さらにこの保留に基づく大当たり図柄が図柄A,B,E,Fのいずれかで、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されている場合は、強ゾーンにおける強ゾーンAが選ばれ易くなっている。
同様に、大当たりと判定され、その大当たり図柄が図柄A,B,E,Fのいずれかが決定され、ゾーン演出を実行すると決定された場合においては、図36(A)に示すように、さらにSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、55%の割合で弱ゾーンAが選択され、45%の割合で弱ゾーンBが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第1始動口11に入賞したものであり、さらに当該保留に基づく大当たり図柄が図柄A,B,E,Fのいずれかで、SPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されている場合は、若干弱ゾーンAが選ばれ易くなっている。
一方、大当たりと判定され、その大当たり図柄が図柄C,Dであり、ゾーン演出を実行すると決定されれば、図36(B)にしたがって最終ゾーンが選択される。すなわち、前記した条件の下、さらに特定演出(ゾーン演出の具体的な流れの説明の際に詳述する)に対応する変動パターンが決定されていれば、100%の割合で弱ゾーンAが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第1始動口11に入賞したものであり、さらに当該保留に基づく大当たり図柄が図柄C,Dで、特定演出に対応する変動パターンが決定されていれば、実行するゾーン演出としては必ず弱ゾーンAが選ばれる。
次に、先読み演出対象に係る保留が第2特別図柄を変動させる場合、つまり、この保留が第2始動口a12への入賞により発生した場合について説明すると、この場合において、ゾーン演出を実行すると決定されれば、図36(C)に示すように、選択され得る最終ゾーンとして、弱ゾーンにおける「弱ゾーンB」、あるいは、強ゾーンにおける「強ゾーンB」が設定される。換言すれば、第2始動口a12に遊技球が入賞した場合は、選択され得る最終ゾーンとして、弱ゾーンにおける「弱ゾーンA」、及び、強ゾーンにおける「強ゾーンA」が設定されることはない。
具体的には、遊技制御部100における上記事前判定の結果、大当たりと判定され、その大当たり図柄が図柄G〜Kのいずれかであれば、図36(C)にしたがって最終ゾーンが選択される。すなわち、上記した条件の下、さらにSPSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、80%の割合で強ゾーンBが選択され、20%の割合で弱ゾーンBが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第2始動口a12に入賞したことにより発生したものであり、さらにこの保留による大当たり図柄が図柄G〜Kのいずれかで、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、強ゾーンBが選ばれ易くなっている。
同様に、大当たりと判定され、その大当たり図柄として図柄G〜Kのいずれかが決定された場合においては、図36(C)に示すように、さらにSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、100%の割合で弱ゾーンBが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第2始動口a12に入賞したものであり、さらに当該保留による大当たり図柄が図柄G〜Kのいずれかで、SPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、実行するゾーン演出としては、確実に、弱ゾーンBが選ばれる。
なお、各ゾーンは乱数を用いた抽選により選択されため、上述した選択割合は単なる例示に過ぎない。
このように、本実施形態では、先読み対象の保留が、第1始動口11への遊技球の入賞によるものなのか、あるいは、第2始動口a12への遊技球の入賞によるものなのか、さらには、この保留は事前判定によって、大当たり判定が下されているのか、大当たりであれば、いかなる図柄が決定されているのか、そしてそれに関わる演出はいかなる演出(SPSPリーチ演出、SPリーチ演出、あるいは、特定演出)であるか(演出を決定するための変動パターンはいかなる変動パターンか)等の情報に基づいて、様々なゾーン演出を実行することが可能であるため、従来のものに比べると、遊技の興趣性を飛躍的に向上させることができる。また、本実施形態は、各始動口に対応したゾーン演出が用意されているため、遊技者が、いずれの特別図柄の変動に対応したゾーン演出が行われているかを容易に区別することができる。
なお、ここで言う「SPリーチ演出」及び「SPSPリーチ演出」は、いずれも左中右の領域に位置する3つの装飾図柄51のうちのいずれか2つの装飾図柄51が同種の図柄で仮停止した状態で行われる演出(装飾図柄51を用いた演出)であり、3つの同種の装飾図柄51が停止することを遊技者に期待させる演出である。「SPリーチ演出」及び「SPSPリーチ演出」は、いずれも遊技制御部100において決定される特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応している。すなわち、「SPリーチ演出」に対応する変動パターンが選択されると、その変動パターンに応じて特別図柄が変動するとともに、その変動パターンに応じてSPリーチ演出が行われる。また、「SPSPリーチ演出」に対応する変動パターンが選択されると、その変動パターンに応じて特別図柄が変動するとともに、その変動パターンに応じてSPSPリーチ演出が行われる。ここで、「SPリーチ演出」に対応する変動パターンが示す変動時間は、「SPSPリーチ演出」に対応する変動パターンが示す変動時間よりも相対的に短く設定されている。例えば、「SPリーチ演出」に対応する変動パターンは、変動時間30秒の変動パターンであり、「SPSPリーチ演出」に対応する変動パターンは、変動時間60秒の変動パターンである。なお、「SPリーチ演出」および「SPSPリーチ演出」は異なる種類の演出であり、「SPSPリーチ演出」は、「SPリーチ演出」よりも大当たりに対する期待度の高い演出である。
また、「特定演出」は、特定の大当たり(大当たり図柄C,D)を示唆する演出であり、特定図柄55(例えば、図39(I)に示すWarning図柄)が停止することを期待させる演出である。具体的には、「特定演出」は、3つの同種の装飾図柄51が停止することを期待させる演出ではなく、特定図柄55が特定の位置に停止するか否かの演出である。遊技制御部100において「特定演出」に対応する変動パターンが選択されると、その変動パターンに基づく特別図柄の変動に応じて、特定演出を含む演出が実行される。
なお、図36では、事前判定の結果が大当たりである場合について説明したが、事前判定の結果がハズレである場合であっても、事前判定された変動パターンに応じて、上述した各ゾーンが決定される。例えば、第1始動口11への遊技球の入賞によって保留が発生した場合、この保留に対する事前判定が行われる。事前判定の結果がハズレであって、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン(上記大当たりの場合とは異なり、最終的にハズレが報知されるSPSPリーチ演出に対応する変動パターン)が判定された場合は、弱ゾーンが選択され易いように、何れかのゾーン演出が選択される。例えば、この場合、70%の割合で弱ゾーンが選択され、30%の割合で強ゾーンAが選択される。一方で、上記したように、事前判定の結果が大当たりであって、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが判定された場合には、強ゾーンAが選択され易くなっている。このため、遊技者においては、強ゾーンの演出が行われた場合には、大当たりになる確率が比較的高いと推察でき、逆に、弱ゾーンの演出が行われた場合には、大当たりになる確率が基本ステージ等、ゾーン演出以外の演出に比べれば高いが強ゾーンよりは低いと推察することができる。
ここで、図36に示すように、本実施形態では、最終ゾーンとしての強ゾーンBは、第2始動口a12への入賞に基づく事前判定の結果に基づいてのみ行われる。すなわち、最終ゾーンとしての強ゾーンBは、第2始動口a12への入賞に係る専用演出である。また、最終ゾーンとしての弱ゾーンAおよび強ゾーンAは、第1始動口11への入賞に基づく事前判定の結果に基づいてのみ行われる。すなわち、最終ゾーンとしての弱ゾーンAおよび強ゾーンAは、第1始動口11への入賞に係る専用演出である。
また、本実施形態では、上述のように、保留アイコンは、第1始動口11への入賞に係る保留と第2始動口a12への入賞に係る保留とを区別して表示しない。したがって、通常、保留アイコンによって、次に第1特別図柄が変動するのか、第2特別図柄が変動するのか、現在変動しているのはどちらの特別図柄なのかを認識することは困難である。本実施形態では、このような状況において、弱ゾーンAの演出が行われると、当該ゾーンの演出によって、第1始動口11への入賞に応じた演出であると遊技者に認識させることができる。その一方で、この弱ゾーンAは、大当たりに対する期待度は強ゾーンよりも低く、また、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりとなると、出玉が少ない又は出玉が無い大当たり遊技(遊技者にとっては出玉の多い大当たりよりは有利ではない)が行われる可能性が高いため、弱ゾーンAの演出によってどちらの特別図柄の変動かを認識できても遊技者の期待感は高まりにくい。
しかしながら、上述のように、弱ゾーンAから強ゾーンAに移行する場合がある(図35)。すなわち、事前判定の結果、最終ゾーンとして強ゾーンAが選択された場合には、弱ゾーンAの演出を行った後、強ゾーンAに移行する場合がある。強ゾーンAは、弱ゾーンAよりも大当たりに対する期待度が高いため、弱ゾーンAから強ゾーンAへ移行させることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、図35に示すように、弱ゾーンAから強ゾーンBにも移行する場合がある。すなわち、事前判定の結果、最終ゾーンとして強ゾーンBが選択された場合には、弱ゾーンAの演出を行った後、強ゾーンBに移行する場合がある。強ゾーンBは、第2始動口a12への入賞に係る専用演出であるため、強ゾーンBが行われることによって、第2始動口a12への入賞に基づいて強ゾーンBの演出が行われたと遊技者は認識する。強ゾーンBは、大当たりに対する期待度が弱ゾーンよりも高く、また、第2始動口a12への入賞に基づいて大当たりとなると、出玉の多い大当たり遊技(遊技者にとっては出玉の少ない又は無い大当たりより有利)が行われる可能性が高い。このため、強ゾーンBの演出が行われると遊技者の期待感は高まる。特に、大当たりに対する期待度が強ゾーンより低く、かつ、出玉の少ない(又は無い)大当たりを想起させる弱ゾーンAから、大当たりに対する期待度がより高く、かつ出玉の多い大当たりを想起させる強ゾーンBに移行すると、遊技者の期待感を一気に高めることができる。
また、図36に示すように、最終ゾーンとしての弱ゾーンBは、第1始動口11への入賞に基づく事前判定の結果、又は、第2始動口a12への入賞に基づく事前判定の結果に基づいて行われる。すなわち、最終ゾーンとしての弱ゾーンBは、第1始動口11への入賞によっても、第2始動口a12への入賞によっても行われる演出である。上述のように、第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技と、第2始動口a12への入賞に係る大当たり遊技とで有利さが異なる。このため、弱ゾーンBの演出が行われると、遊技者は、何れの始動口への入賞に基づいてこの演出が行われたのかについて、高い関心を持ちながら遊技を進めることになる。このような状況において、弱ゾーンBから強ゾーンBに移行すると、大当たりに対する期待度がさらに高まると共に、より有利な大当たり遊技が行われることに対する期待を高めることができる。すなわち、第1始動口11および第2始動口a12のいずれへの入賞に基づいて弱ゾーンBの演出が行われたのか判別できない状態から、より大当たりに対する期待度の高い状態であって、出玉の多い大当たり遊技が行われる可能性の高い状態に移行させることで、遊技者の期待感を高めることができる。
このように、あるゾーンから別のゾーンに移行させることによって、遊技者の期待をより高めることができる。本実施形態においては、第1始動口11と第2始動口a12とで大当たりになったときの有利さが異なる。また、第1始動口11への入賞に基づいて行われるゾーン演出と、第2始動口a12への入賞に基づいて行われるゾーン演出と、がある。これらのゾーン演出を行うと共に、ゾーン演出を移行させることによって、興趣性を向上させることができる。
なお、図35に示すように、弱ゾーンBからは強ゾーンAには移行しない。これは、第1始動口11への遊技球の入賞に基づいて行われたこと、および第2始動口a12への遊技球の入賞に基づいて行われたことの何れをも想起させる弱ゾーンBから、第1始動口11への遊技球の入賞に基づく強ゾーンAに移行させても、遊技者の期待感を高め難いからである。すなわち、弱ゾーンBから強ゾーンAに移行させると、大当たりに対する期待度は高まっても、実質的な利益(出玉)が得られない可能性が高くなるため、遊技者の期待感はむしろ低くなる可能性がある。したがって、本実施形態では、弱ゾーンBから強ゾーンAへの移行は無いものとする。なお、他の実施形態では、弱ゾーンBから強ゾーンAへの移行はあってもよい。
続いて、ゾーン演出の具体的な流れについて説明する。以下においては、図36(A)〜(C)に示す条件の中から、それぞれ1例ずつ取り上げて具体的に説明する。
まず、図36(A)にしたがって、第1始動口11に遊技球が入賞して保留され、当該保留に係る事前判定の結果、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが取得されたと事前判定されてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出の流れについて説明する。
図37は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。本実施形態では、ゾーン演出の実行が決定されると、前記したように、特別図柄の変動開始から所定のタイミングで、通常ステージの演出からゾーン演出に移行する。例えば、図37(A)に示すように、所定のタイミングが到来すれば、ゾーン演出が開始され、最終ゾーンたる強ゾーンAに突入する場合がある。そして、ゾーン演出が開始されると、液晶表示器5において、該当するゾーン名が表示される。図37(A)においては、該当するゾーン名として、「強ゾーンA」という表記がなされる。またこのとき、図37(A)においては、3つの保留アイコン521〜523(図37では符番を省略する)が表示されると共に、変動中領域54に1つの当該保留アイコン520(図16では符番を省略する)が表示された状態であり、3つ目の保留アイコン523が先読み演出対象に係る保留となっている。
なお、図37においては、便宜上、3つの保留アイコンの表示態様を異なるように表現している、実際には3つの保留アイコンの表示態様は同じである。すなわち、図37では、第1始動口11への入賞に係る保留アイコンを黒で表示し、第2始動口a12への入賞に係る保留アイコンを白で表示しているが、実際には、本実施形態では、第1始動口11への入賞に係る保留アイコンと第2始動口a12への入賞に係る保留アイコンとを区別して表示しない。また、これら3つの保留アイコン521〜523は、第1始動口11に係る保留、第2始動口a12に係る保留が交互になっており、図37では、先読み演出対象に係る保留から右方向(消化される方向)に、第1始動口11に係る保留、第2始動口a12に係る保留、第1始動口11に係る保留となっている。
そして、液晶表示器5においては、ゾーン演出が開始された際に変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、それに伴って、図37(B)に示すように、装飾図柄51が所定の態様(例えば、ハズレを示す態様や特定の図柄が特定の領域に停止する態様)で停止表示される。そして、図37(A)における1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動が開始される。すなわち、図37(C)に示すように、図37(A)における1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動に伴って、装飾図柄51の変動制御が行われる。具体的には、1つ目の保留アイコン521は、第1始動口11に係る保留を表示するものであるため、装飾図柄51は、第1特別図柄の変動に伴って変動制御される。なおこのとき、図37(A)における1つ目の保留アイコン521は、変動中領域54に移動する。そして、第1特別図柄が停止表示されると共に、装飾図柄51が所定の態様で停止表示される(図37(D))。また同様に、図37(A)における2つ目の保留アイコン521に係る図柄の変動及び停止制御が行われ(図37(E))、装飾図柄51が所定の態様で停止表示される(図37(F))。すなわち、2つ目の保留アイコン522は、第2始動口11に係る保留を表示するものであるため、装飾図柄51は、第2特別図柄の変動に伴って変動制御される。
このように、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第1始動口11への入賞によるものであって、既にその保留に基づいたゾーン演出が行われている状況下において、第2始動口a12に係る保留を消化する場合(すなわち、第2特別図柄が変動する場合)であっても、当該ゾーン演出が中断されることはない。同様に、先読み演出対象に係る保留が、第2始動口a12への入賞によるものであって、既にその保留に基づいたゾーン演出が行われている状況下において、第1始動口11に係る保留を消化する場合であっても、当該ゾーン演出が中断されることはない(後に説明する図19に示す画面図)。すなわち、本実施形態によれば、第1始動口11又は第2始動口a12への入賞に基づいて、一旦ゾーン演出が開始されると、その間に消化される保留が第1始動口11に基づくものであろうが、第2始動口a12に基づくものであろうが、当該ゾーン演出を継続する制御が実行される。これにより、ゾーン演出の一貫性が保たれるため、遊技者に対して、より一層の期待感を抱かせることができる。
こうして、ゾーン演出が開始されてから、先読み演出対象に係る保留に至るまでは、基本的に、装飾図柄51はハズレの態様で停止表示される。つまり、ゾーン演出では、これらの過程を経て、先読み対象に係る特別図柄の変動が開始される。なお、1回の図柄変動でゾーン演出が行われる場合は、特別図柄の変動が開始されると、その変動においてゾーン演出が開始されて、その変動においてゾーン演出は終了する。
先読み対象に係る特別図柄、つまり第1特別図柄の変動が開始されると、図37(G)に示すように、それに伴って変動制御された装飾図柄51は、リーチ演出を展開することとなる。例えば、リーチ演出として、図37(H)に示すように、装飾図柄51のうち、左側領域53aに表示される左側装飾図柄51aと、右側領域53cに表示される右側装飾図柄51cが、同種の装飾図柄51(図37(H)では図柄3)で停止し、中間領域53bにおいて装飾図柄51が変動表示する場合がある。そして、その後、当該リーチ演出は、図37(I)に示すように、例えば、SPSPリーチ演出へと発展する場合がある。なお、本実施形態では、SPSPリーチ演出やSPリーチ演出に発展した時点で、背景画像としてのゾーン演出は終了する。またそれに伴い、液晶表示器5において、「強ゾーンA」といった表記も消去される。
そして、特別図柄判定の結果と、大当たりと判定された場合の大当たり図柄に関する情報とに基づいて、特別図柄及び装飾図柄51が停止表示される。図37(J)においては、特別図柄判定の結果が大当たりであると判定されているため、装飾図柄51は、最終的に大当たりの態様(図37(J)では左中右の3つの図柄が図柄「3」で停止表示)で停止表示されている。そして、装飾図柄51による大当たりの報知の後、図37(K)において、大当たりを直接的に報知するべく、「大当たり」という表示がされる。なお、この3つの図柄が「3」で停止したときは、上記「4R確変当たり」(大当たり図柄B,E,F,H,I,J,Kのいずれかの図柄)を示す。なお、大当たり判定の結果がハズレの場合は、中間領域53bの装飾図柄51のみが、左右の装飾図柄51と異なる図柄(例えば、図37を基準とすれば図柄2又は4等)で停止する。
図38は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。また、図38に示すように、ゾーン演出の実行が決定されて、特別図柄の変動開始から所定のタイミングでゾーン演出に移行する一方で、それに合わせて最終ゾーンに突入しない場合もある。すなわち、最終ゾーンに至るまで、当該最終ゾーンとは異なるゾーンを経由するケースである。
例えば、図38(A)に示すように、ゾーン演出が開始され、最終ゾーンたる強ゾーンAに突入せず、最終ゾーンではない共通ゾーンC1(あるいは共通ゾーンC2又はC3)に突入する場合がある。この場合においては、液晶表示器5に「共通ゾーンC1」という表記がなされる。なおこのとき、図38(A)においては、3つの保留アイコン521〜523及び当該保留アイコン520が、図38(A)と同様の態様で表示されている。
そして、ゾーン演出が開始された際に変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、それに伴って、図38(B)に示すように、液晶表示器5における装飾図柄51が所定の態様で停止表示される。そして、図38(A)における1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動に応じて、装飾図柄51の変動が開始される。すなわち、1つ目の保留アイコン521は、第1始動口11に係る保留を表示するものであるため、装飾図柄51は、第1特別図柄の変動に伴って変動制御される。そして同時に、ゾーン演出における背景画像が共通ゾーンC1から、弱ゾーンAへと切り替わる。すなわち、図38(C)においては、上記1つ目の保留アイコン521に係る第1特別図柄の変動に応じて、比較的大当たりの期待度が低いゾーンから、比較的大当たりの期待度の高いゾーンへと、ゾーン移行する昇格演出が行われる。これに伴い、液晶表示器5においては、「共通ゾーンC1」という表記から「弱ゾーンA」という表記に切り替わる。
そして、昇格演出を伴った第1特別図柄の停止表示がされると、それに伴って、図38(D)に示すように、液晶表示器5における装飾図柄51が所定の態様で停止表示される。そして、図38(A)における2つ目の保留アイコン522に係る特別図柄の変動に応じて、装飾図柄51の変動が開始される。すなわち、2つ目の保留アイコン522は、第2始動口a12に係る保留を表示するものであるため、装飾図柄51は、第2特別図柄の変動に伴って変動制御される。そして同時に、ゾーン演出における背景画像が弱ゾーンAから、強ゾーンAへと切り替わる。すなわち、図38(E)においては、上記2つ目の保留アイコン522に係る第2特別図柄の変動に応じて、弱ゾーンAから強ゾーンAへの昇格演出が行われて、最終ゾーンたる強ゾーンAに突入する。これに伴い、液晶表示器5においては、「弱ゾーンA」という表記から「強ゾーンA」という表記に切り替わる。
このように、ゾーン演出が開始されたタイミングにおいては、最終ゾーンに突入せず、別のゾーンを経由して、昇格演出を経て最終ゾーンに突入する場合もある。なお、昇格演出が行われるゾーン演出においても、上記した昇格演出が行われないゾーン演出と同様、先読み対象に係る特別図柄の変動まで、ゾーン演出は継続する。
そして、図38(F)〜(I)では、上記した図37(F)〜(I)と同様の演出が行われる。すなわち、先読み対象に係る第1特別図柄の変動が開始されると、装飾図柄51を用いたリーチ演出が行われる。そして、当該リーチ演出としては、図38(I)に示すように、例えば、SPSPリーチ演出に発展する。そして、特別図柄判定の結果に基づいて、液晶表示器5において、装飾図柄51が停止表示される。図38においては、特別図柄判定の結果が大当たりであると判定されているため、装飾図柄51は、最終的に大当たりの態様(図38(J)では左中右の3つの図柄が図柄「3」で停止表示)で停止表示される。そして、装飾図柄51による大当たりの報知の後、図38(K)において、大当たりを直接的に報知するべく、「大当たり」という表示がされる。なお、この3つの図柄が「3」で停止したときは、上記「4R確変当たり」(大当たり図柄B,E,F,H,I,J,Kのいずれかの図柄)を示す。
次に、図36(B)にしたがって、第1始動口11に遊技球が入賞して保留され、当該保留に係る事前判定の結果、「特定演出」に対応する変動パターンが取得されたと事前判定されてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出の流れについて説明する。
図39は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。例えば、図39(A)に示すように、ゾーン演出の実行が決定されて、所定のタイミングが到来し、ゾーン演出が開始されたとする。図39では、前記したように、事前判定の結果によって、特定演出に対応する変動パターンが事前判定されてゾーン演出を行うと決定されているため、ゾーン演出の開始に伴って最終ゾーンたる弱ゾーンAに突入する。なお、図38で説明したように、弱ゾーンAに至るまでに、共通ゾーンを経由してから弱ゾーンAに突入する昇格演出を行う場合もある。そして、図39(A)に示すように、ゾーンに突入すれば、液晶表示器5において、該当するゾーン名が表示される。図39(A)においては、弱ゾーンに突入した状態が示されているため、「弱ゾーンA」という表記がなされる。なおこのとき、図39(A)においては、3つの保留アイコン521〜523及び当該保留アイコン520が、図37(A)及び図38(A)と同様の態様で表示されている。
そして、図39(B)〜(F)では、上記した図37(B)〜(F)と同様の演出が行われる。すなわち、先読み対象の保留に至るまでの図39(A)に示す1つ目の保留アイコン521及び2つ目の保留アイコン522に係る特別図柄の変動に応じて、装飾図柄51が変動及び停止表示される。そして、先読み対象に係る特別図柄、つまり第1特別図柄の変動制御が行われる。すなわち、図39(G)に示すように、当該第1特別図柄の変動制御に伴って、装飾図柄51が変動制御される。そして、図39(H)に示すように、左側領域53a及び右側領域53cの2つの装飾図柄51が同種の図柄(図39(H)では図柄3)で仮停止し、中間領域53bにおいて装飾図柄51が変動表示した状態となる。
ここで、図39では、上記したように、「特定演出」に対応する変動パターンが選択されており、特定演出が実行されることが決定されている。そのため、特定演出が行われることが決定されている場合、左右中の3つの装飾図柄51が同種の図柄で停止することによって、大当たりが報知されることはない。
具体的には、「特定演出」に対応する変動パターンが選択された場合は、装飾図柄51によるリーチ演出を行い(図39(H))、その後、所定のタイミングで特定演出に移行するように制御される。例えば、特定演出(長)は、SPリーチ演出中に行われる。図39(I)に示すように、特定演出(長)としては、例えば、「Warning」の文字列が出現するような遊技者の注意を惹く演出が行われる。このとき、警告音(ブザー音)を鳴らしたり、警告音に合わせてライトを照らす演出を行っても構わない。そして、その後、特定図柄55が現れて、遊技者の期待感を煽る演出が行われる(図39(J))。例えば、特定図柄55が、液晶表示器5の上方から下方に向かってゆっくりと移動して特定の位置(中央)に停止するかのような演出が行われ、特定図柄55が液晶表示器5の当該特定の位置に停止する。図39では、特別図柄判定において、大当たりの判定がなされているため、特定図柄55が特定の位置に停止した後、大当たりが報知される。すなわち、図39(K)に示すように、特定図柄55の表示態様が変化するなどして、大当たりを表示するための所定の図柄(例えば「チャンス」図柄)が停止表示される。なお、「特定演出」に対応する変動パターンは、大当たり図柄C,Dのうちのいずれかが決定された場合に選択され得る。すなわち、図39に示すような、特定演出を含む大当たりが報知される演出は、第1特別図柄の変動に応じて大当たり図柄C,Dのうちのいずれかで大当たりとなった場合に行われる。
続いて、図36(C)にしたがって、第2始動口11に遊技球が入賞して保留され、当該保留に係る事前判定の結果、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが事前判定されてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出の流れについて説明する。
ここで、図36(C)にしたがって行われるゾーン演出の流れは、図36(A)において説明したゾーン演出の流れと比較すると、先読み対象の保留が第2始動口a12に遊技球が入賞して保留されたものである点と、選択される最終ゾーンが異なる点を除いて、概ね同様の流れである。そこで、以下においては、図40を用いて簡単に説明する。図40は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。
すなわち、図40(A)に示すように、ゾーン演出の実行が決定されて、ゾーン演出が開始されると、先読み対象の保留が第2始動口a12に係るものであるため、弱ゾーンB又は強ゾーンBに突入する。図40では、第2特別図柄の変動開始から所定のタイミングで、最終ゾーンたる強ゾーンBに突入する。そのため、液晶表示器5においては、「強ゾーンB」という表記がなされる。なお、このとき、3つの保留アイコン521〜523は、先読み演出対象に係る保留から右方向(消化される方向)に、第2始動口a12に係る保留、第1始動口11に係る保留、第2始動口a12に係る保留となっている。なお、最終ゾーンたる強ゾーンBは、共通ゾーンや弱ゾーンA又はBを経由して突入してもよい。
そして、ゾーン演出が開始された際に変動表示されていた第2特別図柄が停止表示されると、それに伴って、図40(B)に示すように、液晶表示器5における装飾図柄51が所定の態様で停止表示される。これと同様の演出が、図40(C)〜(F)まで続く。そして、図40(G)において、先読み対象に係る第2特別図柄の変動が開始されると、それに伴って変動制御された装飾図柄51は、リーチ演出を展開することとなる(図40(H))。そして、当該リーチ演出としては、図40(I)に示すように、SPSPリーチ演出に発展する。そして、特別図柄判定の結果に基づいて、液晶表示器5において、装飾図柄51が停止表示される。図40においては、特別図柄判定の結果が大当たりであると判定されているため、装飾図柄51は、最終的に大当たりの態様(図38(J)では左中右の3つの図柄が図柄「7」で停止表示)で停止表示される。そして、装飾図柄51による大当たりの報知の後、図40(K)において、大当たりを直接的に報知するべく、「大当たり」という表示がされる。このように、3つの同種の装飾図柄51が停止して大当たりが報知される。なお、この3つの図柄が図柄「7」で停止したときは、上記「16R確変当たり」(大当たり図柄A又はG)を示す。
ここで、上述したように、最終ゾーンが強ゾーンA(又は強ゾーンB)に決定しているにも関わらず、共通ゾーン(C1〜C3)に突入する場合がある。また同様に、最終ゾーンが弱ゾーンA又はBに決定しているにも関わらず、共通ゾーン(C1〜C3)に突入する場合がある。これは、大当たりへの期待度が比較的低いゾーンから、大当たりへの期待度が比較的高いゾーンに移行する昇格演出を行って、先読み対象に係る特別図柄の変動が行われるまでの遊技者の期待感を高めることを意図したものである。しかしながら、唐突に昇格演出を行ったのでは、遊技者に気づかれず、意図した効果を得ることができない場合が懸念される。そこで、本実施形態では、共通ゾーンに突入して、ゾーンの昇格演出が行われる場合には、ゾーンの昇格を示唆する演出(次に移行するゾーンを示唆する演出)が行われる場合がある(以下、ゾーン昇格示唆演出という)。
本実施形態では、最終ゾーンが強ゾーン又は弱ゾーンであるにも関わらず、共通ゾーンに突入した場合に、ゾーン昇格示唆演出が実行される場合がある。図41は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。図42は、図41の画面図の一部であり、ゾーン昇格を示唆する具体的な表示態様を示す図である。図41には、最終ゾーンは強ゾーンAであったが、ゾーン演出の開始と同時に共通ゾーンC1に突入した例が示されている。
ここで、共通ゾーンは、上述したように、3つの異なるテーマに区分されている。そして、本実施形態では、共通ゾーンの3つのテーマのうちの1つとして、キャラクタAとキャラクタBとの会話をテーマにしたゾーン(以下、このテーマのゾーンを共通ゾーンC1とする)が用意されている。また、上述したように、キャラクタAは、強ゾーンA及び弱ゾーンAに関連した登場人物であり、キャラクタBは、強ゾーンB及び弱ゾーンBに関連した登場人物である。このような条件の下、ゾーン昇格示唆演出においては、キャラクタAに関連するゾーン、つまり強ゾーンA又は弱ゾーンAに移行する場合に、キャラクタAの会話の文字を所定の表示態様(例えば、文字の色を赤色にする等)で表示する示唆演出を行い、キャラクタBに関連するゾーン、つまり強ゾーンB又は弱ゾーンBに移行する場合に、キャラクタBの会話の文字が前記所定の表示態様で表示される示唆演出を行う。
したがって、図41では、最終ゾーンが強ゾーンBとなっているため、ゾーン演出が開始された際に突入した共通ゾーンC1では、キャラクタBを用いたゾーン昇格示唆演出が行われる場合がある。具体的には、図41においては、先読み対象の保留の1つ前の保留、つまり1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動時に(図41(C))、会話によるゾーン昇格示唆演出が行われる。なお、このゾーン昇格示唆演出は、先読み対象に係る特別図柄の変動の際に行うようにしても構わない。
共通ゾーンC1におけるゾーン昇格示唆演出では、液晶表示器5において、キャラクタAとキャラクタBによる会話を用いた演出が行われる。本実施形態では、液晶表示器5の所定の位置(図42では右下)にキャラクタAが現れ、キャラクタAとは異なる位置(図42では左上)にキャラクタBが現れて、それぞれがセリフを言う設定である。例えば、図42に示すように、キャラクタAが、例えば、「俺たちずっと友達だろ」と問いかけ、キャラクタBが、例えば、「7年前からずっと」と答える。また、キャラクタAとキャラクタBのセリフは、キャラクタB側が問い掛け、キャラクタA側がそれに答える内容であっても良いし、互いに言い捨てるような内容(相手の応答を期待しない内容)、例えば、「お前を倒す」等であっても構わない。また、各キャラクタA,Bの会話の順番は、内容によって入れ替わる場合があり、図42に示すキャラクタAから始まり、キャラクタBで終わるということに限定されるわけではないし、複数回の会話のやりとりが行われてもよい。
共通ゾーンC1では、通常、キャラクタA、Bのセリフの文字の色は、白色が設定されている。つまり、昇格演出を行わない場合には、キャラクタA及びキャラクタBのセリフの文字色を白色に制御される場合がある。一方で、本実施形態では、ゾーンの昇格を行う場合には、ゾーン移行先に関連したキャラクタのセリフの文字色を通常と異なる態様にして、移行先のゾーンを示唆する場合がある。すなわち、図41では、強ゾーンBへの移行が決まっているため、強ゾーンBに関連したキャラクタBのセリフの文字色が通常とは異なる所定の態様で表示される。具体的には、この場合においては、キャラクタBのセリフの文字色が、赤色に変化した表示態様となる。なお、図42においては、図面上において色を変えて表示することができないため、色を変える代わりに、セリフの吹き出しの部分の表示態様を変化させている。実際には、このようなセリフの吹き出し部を互いに異なる表示態様にしないが、図示したように吹き出し部の表示態様を変えて、ゾーンの移行先を示唆しても構わない。
このように、図41(C)のゾーン昇格示唆演出によって、移行先のゾーンが示唆されると、その示唆に応じた強ゾーンBに突入する(図41(D))。強ゾーンBに突入した後は、当該1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動を停止表示し(図41(E))、先読み対象に係る特別図柄の変動を開始する(図41(F))。なお、図41に示すように、ある特別図柄の変動においてゾーン昇格示唆演出が行われて移行先のゾーンが示唆された後、その変動において、示唆されたゾーンに移行してもよい。あるいは、ある特別図柄の変動においてゾーン昇格示唆演出が行われた後、その変動が終了して次の変動において、示唆されたゾーンに移行してもよい。そして、特別図柄判定の結果に基づいて、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが選択されていれば、図41(H)に示すように、SPSPリーチ演出が行われて、大当たりあるいはハズレの態様で図柄が停止表示される。なお、図41においては、SPSPリーチ演出以降は、先に説明した図37,38と同様であるため、具体的な図は省略する。
なお、上記では、ゾーン移行先が強ゾーンBであることを示唆するため、強ゾーンBに関連するキャラクタBのみのセリフの文字色を所定の表示態様にしたが、これに加えて、キャラクタAのセリフの文字色も所定の表示態様にしても構わない。つまり、キャラクタA及びBのセリフの文字色を所定の表示態様にして、ゾーンの昇格だけを示唆する演出であっても構わない。したがって、キャラクタA及びBのセリフの文字色を所定の表示態様にして、ゾーンの昇格だけを示唆することで、どっちのゾーンに行くのかという、遊技者の想像を膨らませ、高揚感を高めることが期待できる。
また、上記ではキャラクタA、Bのセリフの文字の色が何れも通常の色であればゾーンの昇格が行われないとしたが、キャラクタA、Bのセリフの文字の色が何れも通常の色であっても、ゾーンの昇格が行われてもよい。すなわち、セリフの文字色の表示態様を変えることによって、ゾーンが昇格し得る確率を演出しても構わない。例えば、キャラクタAのセリフの文字が通常の表示態様で、キャラクタBのセリフの文字も通常の表示態様である場合は、ゾーンの昇格が行われる可能性が低い(例えば、5%の割合でゾーンの昇格が行われる)が、何れのゾーンに移行するかは示唆されず、ゾーンA(弱ゾーンA又は強ゾーンA)に移行する割合とゾーンB(弱ゾーンB又は強ゾーンB)に移行する割合とが等しい。また、キャラクタAのセリフの文字が所定の表示態様で、キャラクタBのセリフの文字も所定の表示態様である場合は、ゾーンの昇格が行われる可能性が高い(例えば、80%の割合でゾーンの昇格が行われる)が、何れのゾーンに移行するかは示唆されず、ゾーンAに移行する割合とゾーンBに移行する割合とが等しい。また、キャラクタAのセリフの文字が所定の表示態様で、キャラクタBのセリフの文字が通常の表示態様である場合は、ゾーンの昇格が行われる可能性が高く、かつ、ゾーンAに移行する割合の方がゾーンBに移行する割合よりも高い。また、キャラクタAのセリフの文字が通常の表示態様で、キャラクタBのセリフの文字が所定の表示態様である場合は、ゾーンの昇格が行われる可能性が高く、かつ、ゾーンBに移行する割合の方がゾーンAに移行する割合よりも高い。
また、上記したゾーン昇格示唆演出では、キャラクタAとキャラクタBの会話において、そのセリフの文字色の表示態様を通常と異なる表示態様にすることで、移行先のゾーンを示唆することを例に説明したが、他の実施形態では、強ゾーンA及び弱ゾーンAに関連するオブジェクトAと、強ゾーンB及び弱ゾーンBに関連するオブジェクトBとを用いて、他のテーマを用いた示唆演出を行っても構わない。例えば、オブジェクトA、Bを、戦闘機等にして、いずれのオブジェクトA,Bの数が多く残るかといった演出で、移行先のゾーンを示唆しても構わない。また、オブジェクトA,Bをルーレット等にして、いずれのオブジェクトA,Bに矢が刺さるかといった演出で、移行先のゾーンを示唆しても構わない。なお、このような別の実施形態の示唆演出であっても、会話をテーマにしたゾーンと同様、双方のオブジェクトA,Bを同様の表示態様とし、ゾーンの昇格だけを示唆する演出を行っても構わない。
また、本実施形態では、上記したように、共通ゾーンからより遊技者の期待感を高めるゾーンへ昇格する際に示唆演出を行う場合があるが、他の実施形態では、大当たりに対する期待度が同等のゾーン間、例えばゾーンAからゾーンBへのゾーン移行を行うような場合に、上述したような示唆演出を行うようにしても構わない。
図37〜図41において例示したゾーン演出のシナリオは、事前判定の結果に基づいてゾーン演出を行うと決定される際に決定される。ここで、「ゾーン演出のシナリオ」とは、予め定められたゾーン演出の移行の流れを示すものであり、最初のゾーン(ゾーン演出の最初に行われるゾーンの種類)、最終ゾーン、最初のゾーンから最終ゾーンに至るまでの途中のゾーンを定めたゾーンの移行の仕方を示すものである。
図43は、第1始動口11への入賞に基づいてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出のシナリオを決定するためのテーブルの一例を示す図である。図44は、第2始動口a12への入賞に基づいてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出のシナリオを決定するためのテーブルの一例を示す図である。
図43及び図44に示すように、ゾーン演出の最終変動におけるゾーンや、その最終変動にいたる前の変動におけるゾーンが予め定められており、このテーブルに基づいてゾーン演出のシナリオが決定される。例えば、図43に示すように、第1始動口11への入賞に基づいてゾーン演出を行うと決定された場合において、3変動においてゾーン演出が行われる場合、4つのシナリオが用意されている。例えば、最終変動よりも2つ前の変動において共通ゾーンに突入し、1つ前の変動において弱ゾーンAに移行し、最終変動において弱ゾーンAにて演出が行われるシナリオ8が用意されている。また、最終変動よりも2つ前の変動において共通ゾーンに突入し、1つ前の変動において弱ゾーンBに移行し、最終変動において弱ゾーンBにて演出が行われるシナリオ9が用意されている。また、最終変動よりも2つ前の変動において共通ゾーンに突入し、1つ前の変動において弱ゾーンAに移行し、最終変動において強ゾーンAに移行するシナリオ10が用意されている。これら複数のシナリオの中から、ゾーン演出の期間、最終変動の変動パターン等に基づいて、1のシナリオが決定され、決定されたシナリオに従って、ゾーン演出の制御が行われる。
本実施形態では、演出制御部130において、始動口に遊技球が入賞したときに、ゾーン演出のシナリオが決定される。なお、始動口に遊技球が入賞したときに、最初のゾーンと最終のゾーンだけ演出制御部130が決定し、決定した情報を画像音響制御部140に送信して、画像音響制御部140がその他のシナリオ(最初のゾーンから最終ゾーンに至るまでの移行シナリオ)を決定することで、演出制御部130の処理負担を軽減させてもよい。また、始動口に遊技球が入賞したときにシナリオを決定せずに、最初のゾーンと最終ゾーンだけ決定して、最終ゾーンに至るまでのゾーン移行については、その都度(特別図柄の変動開始時)抽選によって決定してもよい。
ところで、本実施形態では、上述したように、特定の大当たり(大当たり図柄C,D)を示唆する特定演出に対応する変動パターンが用意されている。そして、上記においては、ゾーン演出中に特定演出が実行される例について説明をした。すなわち、上記では、事前判定において特定演出に対応する変動パターンを判定し、特定演出が行われることを示唆するゾーン演出を行った。しかしながら、本実施形態では、ゾーン演出中でなくても(基本ステージにおいても)特定演出が実行される場合がある。そこで、以下においては、基本ステージにおいて、特定演出が行われるケースについて説明する。
まず、基本ステージにおいて、特定演出が行われる条件について説明する。図45は、基本ステージにおいて選択され得る特定演出と、当該特定演出が選択される場合の条件とを対応付けた対応表を示す図である。
基本ステージでは、特別図柄判定の結果に基づいて特定演出が行われる場合がある。本実施形態では、図45に示すように、原則として、第1始動口11への遊技球の入賞に係る第1特別図柄の変動に対しては、遊技制御部100において、特定演出に対応する変動パターンが選択される場合がある。すなわち、第1始動口11に遊技球が入賞し、その入賞に係る保留の特別図柄判定の結果が大当たり図柄C,Dでの大当たりであれば、特定演出に対応する変動パターンが選択される。また、第1始動口11に遊技球が入賞し、その入賞に係る保留の特別図柄判定の結果がハズレであっても、特定演出に対応する変動パターンが選択される場合がある。遊技制御部100において、特定演出に対応する変動パターンが選択されると、特定演出が実行される。例えば、特定演出に対応する変動パターンとしては、SPリーチ演出からwarning図柄が出現する演出(図39の(H)〜(J))を演出制御部130に行わせる変動パターンが用意されている。
それに対して、本実施形態では、図45に示すように、遊技制御部100において、第2始動口a12への遊技球の入賞に係る第2特別図柄の変動に対して、特定演出に対応する変動パターンは用意されていない。これは、第2特別図柄判定においては大当たり図柄C,Dが選択されることはないため、大当たり図柄C,Dでの大当たりを示唆する(期待させる)特定演出に対応する変動パターンを用意する必要がないからである。つまり、第2始動口a12に遊技球が入賞し、その入賞に係る保留の特別図柄判定の結果が大当たりであっても、遊技制御部100において特定演出に対応する変動パターンが選択される場合はない。また同様に、第2始動口a12に遊技球が入賞し、その入賞に係る保留の特別図柄判定の結果がハズレであっても、遊技制御部100において、特定演出に対応する変動パターンが選択される場合はない。
したがって、基本ステージにおいても、ゾーン演出を行う場合と同様、第1始動口11に遊技球が入賞した場合にのみ、遊技制御部100において、特定演出に対応する変動パターンが選択される制御構成となっている。
ところが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合にのみ、特定演出を実行するようにすると、「特定演出は第1始動口11に遊技球が入賞した場合にしか実行されない」、と遊技者に容易に推測されてしまう。すると、特別図柄の変動に応じて特定演出が開始された場合には、この変動は第1始動口11への遊技球の入賞に基づく変動であると遊技者に容易に認識され、遊技の興趣性が低下してしまうおそれがある。またその結果、パチンコ遊技機1の商品価値が著しく低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、第2始動口a12に遊技球が入賞した場合であって、特別図柄判定においてハズレと判定された場合においては、所定の変動パターン(本実施形態ではSPリーチ演出に対応する変動パターン)が選択されたことを条件に、演出制御部130において、特定演出を行うか否かの抽選を行い、その抽選の結果に応じて、特定演出を行うことを可能にした。以下、第2始動口a12に遊技球が入賞して、特定演出が実行される場合について説明する。なお、以下の説明で使用する図46には、便宜上、液晶表示器5の画面図において「基本ステージ」と表記しているが、実際にはこの「基本ステージ」の表記はされていない。
例えば、図45に示すように、第2始動口a12への入賞に係る特別図柄判定の結果、ハズレと判定され、さらにSPリーチ演出に対応する変動パターンが選択されたとする。これにより、当該判定結果の情報が、演出制御部130に送信され、当該判定結果の情報に基づいて、特定演出を実行するか否かの抽選が行われる。この抽選で、特定演出の実行が決定されれば、SPリーチ演出が行われて、そのSPリーチ演出中に特定演出が実行される。一方で、前記抽選によって、特定演出の実行が選択されなければ、遊技制御部100から送信されたSPリーチ演出に対応する変動パターンに基づいたSPリーチ演出が行われる。
図46では、演出制御部130において行われた前記抽選によって、特定演出を実行すると判定された場合が示されている。すなわち、図46では、液晶表示器5において、遊技制御部100から送信された変動パターンに対応するSPリーチ演出に替えて、特定演出が行われる。具体的には、図46(A)においては、基本ステージにおいて、第2特別図柄の変動表示に伴って、装飾図柄51が変動表示されている。そして、第2特別図柄の変動開始から所定の時間の経過後、図46(B)に示すように、左側領域53a及び右側領域53cの2つの装飾図柄51が同種の図柄で仮停止し、且つ、中間領域53bの装飾図柄51が変動表示された状態となる。ここで、前記したように、第2始動口a12への入賞に基づいて特定演出が実行される場合においては、演出制御部130は、遊技制御部100からSPリーチ演出に対応する変動パターンに関する情報が受信されている。そのため、第2始動口a12に遊技球が入賞したことを条件に特定演出を行う場合は、装飾図柄51によるリーチ演出を行い、その後、所定のタイミングで特定演出に移行するように制御される。例えば、特定演出は、SPリーチ演出中に行われる。特定演出としては、図46(C)に示すように、図39の特定演出と同様の演出が行われる。すなわち、「Warning」の文字列が出現するような遊技者の注意を惹く演出を行ったり(図46(C))、それに加えて、警告音(ブザー音)を鳴らしたり、警告音に合わせてライトを照らす等の演出を行う。
図46で示したように、本実施形態では、第2始動口a12に遊技球が入賞した場合も、所定の条件が満たされると、第1始動口11に遊技球が入賞した際に実行される特定演出(図38の(I)に示す特定図柄の出現を示唆する演出)と同様の演出(図46の(C))が行われるため、特定演出がいずれの始動口への入賞に基づくものなのかという推測を、遊技者に容易にさせるおそれがない。なお、本実施形態では、特定演出が行われて最終的に大当たりが報知されるのは、第1始動口11に遊技球が入賞した場合だけであるため、特別図柄判定の結果が大当たりであることを条件に、遊技者は、第1特別図柄の変動か第2特別図柄の変動かを区別することは可能である。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、特別図柄が停止した後の大当たり遊技演出において、当該大当たりの契機となった特別図柄に対応した大当たり遊技演出を行うようにしても構わない。
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機における演出制御の詳細について説明する。
[演出制御部による演出制御処理]
図47は、演出制御部において行われるタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。以下では、図47〜図51に示す処理を演出制御部130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部又は全部は、演出制御部130、画像音響制御部140、及び、ランプ制御部150の何れかにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、図47に示す一連の処理を割込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
演出制御部130は、コマンド受信処理を実行する(ステップS2001)。コマンド制御処理は、遊技制御部100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御部130は、遊技制御部100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に実行させるためのコマンドを生成する。このコマンド受信処理の詳細については、図48に基づいて後に詳述する。
ステップS2001の処理に続いて、演出制御部130は、操作受付処理を実行する(ステップS2002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。
そして、演出制御部130は、ステップS1001で生成したコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する(ステップS2003)。また、演出制御部130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(ステップS2002)を送信する。このコマンドに応じて画像音響制御部140及びランプ制御部150は、所定の演出を実行する。以上で、図47に示す処理は終了する。
[演出制御部によるコマンド受信処理]
図48は、図47のステップS2001のコマンド受信処理を示す詳細フローチャートである。図48に示すように、コマンド受信処理では、演出制御部130が、遊技制御部100において図11のステップS206又はステップS212の処理でセットされた保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS2301:YES)、演出制御部130は、事前判定演出処理を実行する(ステップS2302)。
ステップS2302の処理では、演出制御部130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定して実行する。具体的には、演出制御部130は、受信した保留コマンドに係る特別図柄判定において大当たりとなるか否か、当該保留コマンドに係る特別図柄の変動において所定の演出が行われるか否か等を判定し、判定結果に応じて、事前判定演出(上述した保留先読み演出)を行う。
より詳細に、事前判定演出処理について、図49を参照して説明する。事前判定演出処理では、図49に示すように、まず、演出制御部130が、保留コマンドに含まれる情報の解析を行う(ステップS2321)。すなわち、ステップS1321の処理では、演出制御部130が、保留コマンドに含まれる情報から、解析対象となった保留は、第1始動口11に係るものか、あるいは第2始動口a12に係るものか、さらに大当たりであるのか否か、大当たりであれば図柄は何か、また変動パターンは如何なるものか等の判定を行う。
保留コマンドの解析処理が終わると、演出制御部130は、当該解析結果に基づいて、一連の連続演出(ゾーン演出)を実行するか否かを判定する(ステップS2322)。すなわち、ステップS2322の処理では、演出制御部130が、保留コマンドを解析した結果(ステップ2321)、所定の条件(ゾーン演出を行う条件(図36))を満たしていると判定した場合、所定の抽選を行って、当該抽選結果に基づいて、一連の連続演出の実行を決定する(ステップS2322:YES)。
一連の連続演出の実行を決定した場合(ステップS2322:YES)、演出制御部130は、当該一連の連続演出の内容を決定する(ステップS2323)。具体的には、ステップS2323での処理では、演出制御部130は、最終ゾーンや、ゾーン演出の実行期間、最終ゾーンに至るまでのシナリオ(例えば、ゾーン演出の開始と同時に共通ゾーンに突入し、所定のタイミングで最終ゾーンたる強ゾーンに突入するといったゾーン演出のシナリオ)、さらにはステップS2322での一連の連続演出の決定後、どのようなタイミングでゾーン演出を開始するか、どのようなタイミングであるゾーンから別のゾーンへ移行させるか等を決定する。なお、ゾーン演出のシナリオは、上述のように図43又は図44に示すテーブルを用いて、事前判定された大当たりか否かの情報、大当たりである場合の大当たり図柄、および、変動パターンに基づいて決定される。
そして、ステップS2324の処理において、演出制御部130は、連続演出フラグをONに設定して、RAM133に記憶する。
一連の連続演出を実行しないと判定した場合(ステップS2322:NO)、又は、ステップ1324の処理を実行した場合、演出制御部130は、液晶表示器5において、保留アイコンを表示し(ステップS2325)、図49の処理を終了して、図48に処理を戻す。
一方、図48のステップS2302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(図48のステップS2301:NO)、演出制御部130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS2303:YES)、演出制御部130は、変動開始コマンド処理を実行する(ステップS2304)。具体的には、演出制御部130は、変動開始コマンドに含まれる変動パターンに基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる演出の内容を決定し、当該演出を実行させるためのコマンドをセットする。このコマンドは、上記ステップS2003において画像音響制御部140やランプ制御部150に送信され、画像音響制御部140はこのコマンドを受信したことに応じて装飾図柄51の変動演出を行う。
より詳細に、変動開始コマンド処理について、図50を参照して説明する。変動開始コマンド処理では、図50に示すように、まず、演出制御部130が、受信した変動開始コマンドの解析を行う(ステップS2331)。すなわち、演出制御部130は、変動開始コマンドに含まれる変動パターン(遊技制御部100によってセットされる変動パターン)が如何なるものであるか等の判定を行う。
ここで、第2実施形態において採用される通常遊技状態の変動パターンテーブルの一例について説明する。
図52は、通常遊技状態の変動パターンテーブルの一例を示す図である。なお、図52では、遊技状態が通常遊技状態のときに選択される変動パターンテーブルが示されており、図示はしないが、パチンコ遊技機1には他の遊技状態(確変遊技状態、潜伏確変遊技状態)のときに選択されるテーブルも用意されている。
図52に示すように、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA101〜PA104の何れかが選択される。具体的には、大当たり図柄A、B、E、Fのうち、いずれかが判定された場合、変動パターンPA101〜PA103のうちの何れかが選択される。例えば、変動パターンPA101は、上述したSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は30秒である。また、変動パターンPA102は、上述したSPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また、変動パターンPA103は、上述したSPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。
したがって、第1始動口11への入賞に応じて大当たりと判定され、かつ、大当たり図柄A、B、E、Fのうち、いずれかが判定された場合は、図13のステップS405で取り出された変動パターン乱数に基づいて、これら3つの変動パターンの中から何れかが選択される。そして、選択された変動パターンに応じた変動時間だけ特別図柄が変動表示され、特別図柄の変動表示に伴って演出が行われる。これらの変動パターンが選択された場合には、2つの同種の装飾図柄51が揃って1の装飾図柄51が変動するリーチ演出が行われ、最終的に3つの同種の装飾図柄51が揃って大当たりが報知される演出が行われる。
また、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定され、かつ、大当たり図柄がC又はDと判定された場合には、変動パターンPA104又はPA105が選択される。変動パターンPA104及びPA105は、上述した特定演出に対応する変動パターンであり、例えば変動時間はそれぞれ40秒、18秒である。変動パターンPA104が選択されると、特定演出(特定図柄が停止するか否かの演出)が行われ、最終的に特定図柄が停止する(図39参照)。例えば、変動時間40秒の変動パターンPA104が選択されると、特定演出(長)が行われ、この特定演出(長)では、装飾図柄51を用いたSPリーチ演出が行われ、SPリーチ演出中に特定図柄を示唆する特定演出が行われ、特定図柄が停止する。一方で、変動時間18秒の変動パターンPA105が選択されると、特定演出(短)が行われ、この特定演出(短)では、異なる種類の装飾図柄51が左右に停止した後に、特定図柄を示唆する特定演出が行われ、特定図柄が停止する。
また、図52に示すように、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA101〜PA103の何れかが選択される。具体的には、大当たり図柄G〜Kのうち、いずれかが判定された場合、変動パターンPA101〜PA103のうちの何れかが選択される。例えば、変動パターンPA101は、SPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は30秒である。また、変動パターンPA102は、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また変動パターンPA103は、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。このように、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定された場合には、特定演出に対応する変動パターンPA104およびPA105は選択されない。
なお、図52では、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンPA101〜PA103を、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンPA101〜PA103と同じものとしたが、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンを第1始動口11への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンとは異なるものにしてもよい。すなわち、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンとして、変動パターンPA101〜PA103と同じ演出を演出制御部130に行わせる変動パターンPA111〜PA113が用意されてもよい。このように、同じ演出を行わせる変動パターンを始動口の種類別に用意することで、演出制御部130においては、変動パターンだけでどちらの始動口への入賞に係るものかを判別することができる。一方、図52に示すように、始動口の種類別に変動パターンを分けない場合には、変動パターンの情報に加えて、どちらの始動口への入賞に係るものかの情報を演出制御部130に送信する必要がある。
一方、図52に示すように、第1始動口11への遊技球の入賞に応じてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA201〜PA205の何れかが選択される。変動パターンPA201は、上述したSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は30秒である。また、変動パターンPA202は、上述したSPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また、変動パターンPA203は、上述したSPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。また、変動パターンPA204は、上述した特定演出に対応する変動パターン(特定演出(長)に対応する変動パターン)であり、例えば変動時間は40秒である。また、変動パターンPA205は、上述した特定演出に対応する変動パターン(特定演出(短)に対応する変動パターン)であり、例えば変動時間は18秒である。
変動パターンPA201〜PA203が選択された場合には、2つの同種の装飾図柄51が揃って1の装飾図柄51が変動するリーチ演出が行われ、最終的に3つの同種の装飾図柄51が揃わずにハズレが報知される演出が行われる。また、変動パターンPA204が選択された場合には、上述のようにSPリーチ演出中に特定図柄が停止するか否かの特定演出が行われ、最終的に特定図柄は停止しない。また、変動パターンPA205が選択された場合には、異なる種類の装飾図柄51が左右に停止した後に、特定図柄を示唆する特定演出が行われ、最終的に特定図柄は停止しない。
また、図52に示すように、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA201〜PA203の何れかが選択される。なお、この場合の上記と同様に、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンを第1始動口11への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンとは異なるものにしてもよい。
なお、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じてハズレと判定され、かつ、SPリーチ演出に対応する変動パターンPA201が選択された場合には、上述のように、演出制御部130において所定の抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて、特定演出を含む演出(図46参照)、又は、通常のSPリーチ演出のうちの何れか一方が実行される。所定の抽選の結果、特定演出を含む演出を行うと決定された場合には、図46に示したようにSPリーチ演出中に特定演出が行われる。所定の抽選の結果、SPリーチ演出を行うと決定された場合には、2つの同種の装飾図柄51が揃って1の装飾図柄51が変動するSPリーチ演出が行われ、最終的に3つの同種の装飾図柄51が揃わずにハズレが報知される演出が行われる。
また、図52に示すように、特別図柄判定の結果がハズレと判定され、かつ、リーチ無しと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA301〜PA304の何れかが選択される。変動パターンPA301〜PA304は、単純ハズレの演出が行われる変動パターンである。ここで「単純ハズレ」とは、装飾図柄51を用いて上述のようなリーチ演出が行われない、単純にハズレを報知するための演出であり、3つの異なる種類の装飾図柄51が、例えば左、右、中の順に停止する演出である。図52に示すように、特別図柄判定の保留数(変動パターン決定時におけるU1+U2の値)に応じて、変動パターンPA301〜PA304の何れが選択される。
このように、第2実施形態では図52に示す変動パターンテーブルに基づいて、特別図柄の変動パターンが選択される。そして、選択された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄が変動表示されるとともに、液晶表示器5において変動パターンに基づく演出が行われる。
図50のフローチャートの説明に戻ると、ステップ2331で変動開始コマンドの解析が行われると、演出制御部130は、当該解析の結果に基づいて、変動演出を決定して開始する(ステップS2332)。すなわち、演出制御部130は、解析によって判定された変動パターンに基づいて変動演出を決定し、その決定した変動演出を実行する。例えば、今回の特別図柄の変動が第1始動口11への遊技球の入賞に係るものであり、大当たり且つ特定演出に対応する変動パターンであれば、演出制御部130は、特定演出に対応した変動パターンに基づいて特定演出を選択して実行する。また、今回の特別図柄の変動が第2始動口a12への遊技球の入賞に係るものであり、ハズレ且つSPリーチ演出に対応する変動パターンであれば、演出乱数を用いた抽選により、特定演出を行うか否かを決定する。そして、演出制御部130が、特定演出を行うと決定すれば、特定演出を含む演出を選択して実行する。一方、演出制御部130が、特定演出を行わないと決定すれば、SPリーチ演出に対応した変動パターンに基づいてSPリーチ演出を選択して実行する。
ステップS2332において、変動演出が決定されて開始されると、演出制御部130は、液晶表示器5に表示されている保留アイコンを消化方向(例えば、図37では右方向)に移動させる(ステップS2333)。
ステップ2333において、液晶表示器5上の保留アイコンが移動されると、演出制御部130は、RAM133に記憶されている連続演出フラグがONか否かを判定する(ステップS2334)。
連続演出フラグがONであると判定された場合(ステップS2334:YES)、演出制御部130は、ステップS2323で決定された演出の内容に基づいて、一連の連続演出の制御を行う(ステップS2335)。例えば、演出制御部130は、今回の特別図柄の変動においてゾーン演出を開始すると決定されている場合には、ゾーン演出を開始する。また、例えば、今回の特別図柄の変動においてあるゾーンから別のゾーンへ移行させると決定されている場合には、演出制御部130は、ゾーンを移行させる。
連続演出フラグがONでない(OFF)と判定された場合(ステップS2334:NO)、又は、ステップS2335の処理を実行した場合、演出制御部130は、図50の処理を終了して、図48に処理を戻す。
一方、図48のステップS2304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信しなかった場合(図48のステップS2303:NO)、演出制御部130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップS2305:YES)、演出制御部130は、変動演出終了処理を実行する(ステップS2306)。具体的には、演出制御部130は、ステップS2304で開始した演出を終了させるためのコマンドをセットし、当該コマンドに応じて、画像音響制御部140は装飾図柄51を停止させる。
より詳細に、変動演出終了処理について、図51を参照して説明する。変動演出終了処理では、図51に示すように、まず、演出制御部130が、連続演出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2341)。
連続演出フラグがONであると判定された場合(ステップS2341:YES)、現在の特別図柄の変動が、実行中の一連の連続演出の最終変動であるか否かが判定される。すなわち、現在の特別図柄の変動の停止と共に、現在実行中の連続演出を終了するか否かが判定される。
現在の特別図柄の変動が、実行中の一連の連続演出の最終変動であると判定された場合(ステップS2342:YES)、連続演出フラグをOFFに設定する。
ステップS2341において連続演出フラグがONでなかった場合(ステップS2341:NO)、ステップS2342において現在の特別図柄の変動が現在実行中の一連の連続演出の最終変動でなかった場合(S2342:NO)、又は、ステップ2343の処理を実行した場合、演出制御部130は、装飾図柄を停止させて、特別図柄の変動に応じた変動演出を終了する(ステップS2344)。そして、演出制御部130は、図51の処理を終了して、図48に処理を戻す。
一方、図48のステップS2306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(図48のステップS2305:NO)、演出制御部130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS2307:YES)、演出制御部130は、オープニング処理を実行する(ステップS2308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。演出制御部130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御部140やランプ制御部150に実行させる。
ステップS2308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS2307:NO)、演出制御部130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップS2309:YES)、演出制御部130は、エンディング処理を実行する(ステップS2310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定して実行する処理である。演出制御部130は、エンディング処理に基づくコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150に送信してエンディング演出を実行させる。
ステップS2310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS2309:NO)、演出制御部130は、図48に示す処理を終了する。
[その他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の結果が大当たりであった場合、大当たり遊技中(オープニング中、ラウンド遊技中、エンディング中)に当該大当たりの契機となった特別図柄の変動に対応した大当たり遊技演出を行う構成について説明した。すなわち、上記実施形態では、大入賞口13を連続開放させる場合(いわゆる、役物連続作動装置を作動させる場合)において、上記大当たり遊技演出を行った。しかしながら、本発明はこれに限定されず、大入賞口13を1回だけ開放させる(役物連続作動装置を作動させない)遊技であって、遊技状態の変更を伴わない特別遊技(いわゆる、小当たり遊技)中に、上記大当たり遊技演出が行われてもよい。
上記実施形態では、第1特別図柄判定を行う権利と第2特別図柄判定を行う権利の最大保留数が最大8つのパチンコ遊技機を用いて説明したが、本発明はそれに限定されず、別の実施形態では、最大保留数がそれ以上であってもそれ以下であっても構わない。また、本発明は、上記したST機に限られたものではなく、確変大当たり後、次回の大当たりが当選するまで、確変遊技状態が継続するタイプの遊技機(いわゆるループ機)であっても構わない。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[本発明に係るパチンコ遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本実施形態の遊技機は、以下のような構成であっても構わない。
一実施形態に係る遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配された第1始動領域(11)及び第2始動領域(12)と、所定の図柄を表示可能な図柄表示手段(4)と、前記第1始動領域又は第2始動領域への遊技球の通過を条件として、取得情報を取得する取得手段(S204,S210)と、前記取得情報に基づいて、遊技利益の異なる複数の特別遊技のうち、いずれか1つの特別遊技を実行するか否かの特別遊技判定を行う判定手段(S407)と、前記図柄表示手段に表示される前記図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記図柄制御手段により前記特別遊技を行うと判定された場合に、前記第1始動領域を遊技球が通過したときと、前記第2始動領域を遊技球が通過したときとで、遊技利益が異なるように前記特別遊技を制御する特別遊技制御手段(S6)と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、所定の演出を実行する演出制御手段(130)と、を備え、前記演出制御手段は、前記第1始動領域への遊技球の通過によって取得された取得情報に基づいて前記特別遊技判定が行われた場合、前記図柄の変動に応じて、第1変動演出を実行し、前記第2始動領域への遊技球の通過によって取得された取得情報に基づいて前記特別遊技判定が行われた場合、前記図柄の変動に応じて、前記第1変動演出とは異なる第2変動演出を実行する。
かかる構成によれば、例えば、第1始動口への入賞よりも第2始動口への入賞の方が遊技者に高い利益を与える大当たり遊技が行われ易い場合において、特別図柄の変動中に、大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動か第2特別図柄の変動かを、遊技者が容易に区別することができる。
また、他の構成では、前記演出制御手段は、前記第1始動領域への遊技球の通過によって取得された取得情報に基づいて特別遊技を行うと判定された場合、前記第1変動演出を行った後、前記特別遊技の実行中に、第1特別遊技演出を実行し、前記第2始動領域への遊技球の通過によって取得された取得情報に基づいて特別遊技を行うと判定された場合、前記第2変動演出を行った後、前記特別遊技の実行中に、前記第1特別遊技演出とは異なる第2特別遊技演出を実行してもよい。
かかる構成によれば、大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動か第2特別図柄の変動かを、遊技者がより簡単に区別することができる。
また、他の一実施形態に係る遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配された第1始動領域(11)及び第2始動領域(12)と、所定の図柄を表示可能な図柄表示手段(4)と、前記第1始動領域又は第2始動領域への遊技球の通過を条件として、取得情報を取得する取得手段(S204,S210)と、前記取得情報に基づいて、遊技利益の異なる複数の特別遊技のうち、いずれか1つの特別遊技を実行するか否かの特別遊技判定を行う判定手段(S407)と、前記図柄表示手段に表示される前記図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記図柄制御手段により前記特別遊技を行うと判定された場合に、前記第1始動領域を遊技球が通過したときと、前記第2始動領域を遊技球が通過したときとで、遊技利益が異なるように前記特別遊技を制御する特別遊技制御手段(S6)と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、所定の演出を実行する演出制御手段(130)と、特定の条件が満たされているか否かを判定する条件判定手段(S1304)と、を備え、前記演出制御手段は、前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技球の通過によって取得された前記取得情報に基づいて前記特別遊技判定が行われ、且つ、前記特定の条件が満たされていない場合に、共通演出を行う共通演出実行手段と、前記第1始動領域への遊技球の通過によって取得された前記取得情報に基づいて前記特別遊技判定が行われ、且つ、前記特定の条件が満たされている場合に、前記共通演出を行ってから第1演出を行う第1演出実行手段と、前記第2始動領域への遊技球の通過によって取得された前記取得情報に基づいて前記特別遊技判定が行われ、且つ、前記特定の条件が満たされている場合に、前記共通演出を行ってから前記第1演出とは異なる第2演出を行う第2演出実行手段と、を有する。
かかる構成によれば、例えば、第1始動口への入賞よりも第2始動口への入賞の方が遊技者に高い利益を与える大当たり遊技が行われ易い場合において、特別図柄の変動中に、大当たりの契機となった特別図柄の変動が、第1特別図柄の変動か第2特別図柄の変動かを、遊技者が容易に区別することができる。
また、他の構成では、前記特定の条件は、前記判定手段の判定結果に基づいた条件であってもよい。
かかる構成によれば、例えば、リーチが成立する場合等を条件とすることができるため、遊技における興趣性を向上させることができる。