JP6105955B2 - スクリュ圧縮機の軸封部における漏出油回収構造 - Google Patents

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Description

本発明はスクリュ圧縮機の軸封部における漏出油回収構造に関し,より詳細には,圧縮機本体のケーシングを貫通する軸孔と,該軸孔内に挿入された駆動軸,及び前記軸孔と駆動軸間の間隔を封止する軸封装置を備えたスクリュ圧縮機の軸封部において,前記軸封装置から漏れ出した潤滑油を回収するための漏出油回収構造に関する。
スクリュ圧縮機では,図示せざるモータやエンジン等の駆動源で発生した回転駆動力をケーシング内に収容されたスクリュロータに伝達するために,圧縮機本体のケーシングを貫通する軸孔を設けると共に,この軸孔を介してケーシング内外を連通する駆動軸を設けることで,ケーシング外に突設された駆動軸に対しエンジンやモータ等で発生した回転駆動力を入力して,ケーシング内に収容されているスクリュロータを回転させている。
そして,前述の軸孔の内周と駆動軸の外周間に形成された隙間から,圧縮機本体内で圧縮された気体や潤滑油等が漏出することがないよう,前記隙間は軸封装置によってシールされている。
ここで,このような軸封装置としては,オイルシールやメカニカルシール等の接触式の軸封装置が広く使用されているが,軸封装置がオイルシールである場合には駆動軸の外周と摺接するシールリップ部を潤滑するために,メカニカルシールである場合には固定リングと回転リングとの摺接面を潤滑するために,いずれも微量の潤滑油を必要とする。
そのため,前述した軸封装置を設けた場合であっても,摺接部の潤滑に使用した微量の潤滑油が継続的に機外に漏出されることとなり,特に,経時に伴い軸封装置の摺接面が摩耗すれば,漏出する潤滑油量も増加する。
このように,軸封装置を設けることによっても微量の潤滑油の漏出が起こるため,圧縮機内で循環させている潤滑油が徐々に減少するため定期的な補充を必要とすると共に,潤滑油の漏出位置において圧縮機本体や周辺機器が潤滑油によって汚染される等の不都合が生じる。
そのため,軸封装置より漏出した微量の潤滑油についても回収して圧縮機内に形成されている潤滑油の循環系に戻す漏出油の回収構造を軸封部に設けることで,潤滑油の消費量を減らし,機器の防汚を図ることも提案されている。
このような漏出油の回収構造として,図6に示すように軸封装置160としてメカニカルシールを備えたスクリュ圧縮機の軸封部において,前記軸封装置160より漏出した潤滑油が溜まる油溜まり空間134を設けると共に,この油溜まり空間134とスクリュ圧縮機の吸気部とを戻し通路135で連通し,軸封装置160を通過して油溜まり空間134内に溜まった潤滑油をスクリュ圧縮機の吸気部を介して潤滑油の循環系内に回収できるようにした漏出油の回収構造が提案されている(特許文献1参照)。
また,図7に示すように,軸受133に隣接して外周をOリングを介して軸孔132の内周面に密着させる第1シールリング171と,駆動軸120の外周面にOリングを介して内周面を密接させる第2シールリング172を設け,第1シールリング171を介して漏出した潤滑油の駆動軸120に沿った流れを第2シールリング172に設けたOリングで遮断すると共に,駆動軸120との共回りにより発生する遠心力で第2シールリング172の外周方向に潤滑油を飛散させ,この第2シールリング172の下側外周面に形成されている飛散油捕捉空間134’で飛散させた潤滑油を回収して圧縮機の吸気路に導入するように構成することも提案されている(特許文献2[0021]〜[0023]欄)。
特開平9−88860号公報 特許第3924135号公報
以上で説明した従来の漏出油回収構造にあっては,軸封装置160や第1シールリング171を介して漏出した潤滑油を,圧縮機本体の吸気流路を介して潤滑油の循環系内に回収することで,潤滑油量の減少防止や機器の防汚を図ることができるものとなっている。
しかし,前述した従来技術の構成中,特許文献1として紹介した構成にあっては,駆動軸120の外周側に圧縮機本体の吸気路と連通する油溜まり空間134を設けているものの,駆動軸120の表面を伝って流れる潤滑油の中にはこの油溜まり空間134を越えて更に軸孔132の端部より機外に漏出するものがあり,この構成のみでは軸封装置160を通過した潤滑油を完全に回収することができない。
これに対し,駆動軸120と共回りする第2シールリング172を設けると共に,この第2シールリング172の外周下側に,圧縮機本体の吸気路と連通する飛散油捕捉空間134’を設けた特許文献2に記載の構成にあっては,第2シールリング172に設けたOリングが駆動軸120の表面に沿った潤滑油の移動を遮断すると共に,第2シールリング172の共回りによって発生する遠心力によって漏出油は油滴として外周方向に飛散して飛散油捕捉空間134’内に捕捉されることから,特許文献1の漏出油回収構造に比較してより効率的に漏出油を回収できるようになっている。
しかし,特許文献2に記載の漏出油回収構造では,軸封装置として軸孔の内面に固定され駆動軸120の外周面と摺接する第1シールリング171の他に,駆動軸120と共回りする第2シールリング172を更にケーシング130の外側寄りに設ける必要があり,第1シールリング171のみならず第2シールリング172を取り付けるための空間を駆動軸120の軸方向に確保する必要があることから,部品点数の増加に伴うコスト増と,第2シールリング172の収容空間を確保するための寸法上,及び設計上の制約が課されることになる。
また,特許文献2に記載の構成において駆動軸120の回転に伴って第2シールリング172を回転させた場合,第2シールリング172は一種の遠心ポンプとして作用して第2シールリング172によって封止しなければならない潤滑油まで強制的に排出してしまうために,軸封部に潤滑不良が生じるおそれがある。
すなわち,特許文献2に記載の構成において第2シールリング172は,第1シールリング171と共にパージ空気供給路180を介して両シールリング171,172間に導入されたパージ空気によってエアシールを形成するものであることから,それ自体,駆動軸120の外周と軸孔130の内周間に形成された間隙を封止する軸封装置として機能を持っている。
このような軸封装置としての機能を発揮させるためには,第2シールリング172の少なくともスクリュロータ側の側面は,前述の飛散油捕集空間134’の側壁に対し摺接配置されている必要があり,この摺接面に毛管張力によって潤滑油の油膜を形成されることで流体のシールを行うことができるものとなっている。
上記の構成より,駆動軸120の回転によって第2シールリング172の側面と飛散油捕集空間134’の側壁間に形成された油膜に対し,図8中に矢印Aで示すように遠心力を加えて摺接部にある潤滑油を排出すると,第2シールリング172の側面と飛散油捕集空間134’の側壁間には油膜の形成が維持されるよう毛管張力によってケーシング130の内側寄りにある潤滑油が図8中に矢印Bで示すように引き込まれ,この作業が繰り返されることで第2シールリング172の取付位置には潤滑油を強制的に機外に排出する遠心ポンプが形成される。
その結果,駆動軸120の回転速度が上昇すると,第2シールリング172を通過して排出される潤滑油量が増大するため第2シールリング172によって漏出の防止が図られなければならない潤滑油まで強制的に排出されることとなるため,油切れ等の潤滑不良が生じ得るものとなっている。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,Oリングやシールリング等の追加の部品を設けることなく,比較的簡単な構成でありながら,軸封装置より漏出した潤滑油を効率的に,かつ,安定的に回収することのできる漏出油回収構造を提供することを目的とする。
なお,図6及び図7を参照して説明した特許文献1,2に記載の漏出油回収構造では,オス又はメスのいずれか一方のスクリュロータに設けたロータ軸をケーシングを貫通させて機外に突出させて前述の駆動軸120とし,この駆動軸120(ロータ軸)とケーシングに設けた軸孔間の間隔を封止する軸封部より漏出した潤滑油を回収するものとして説明したが,例えば圧縮機本体が駆動ギヤと従動ギヤから成る増速装置を備える場合のように,ロータ軸を直接ケーシング外に突設せず,増速装置を介してロータ軸と連結された入力軸を設けてこれをケーシング外に突設した構成である場合,この入力軸がケーシングを貫通する部分についても同様に軸封部を設ける必要があると共に,漏出した潤滑油の回収を行う必要があることから,本発明における漏出油回収構造を設ける軸封部と成り得る。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするために記載したものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明のスクリュ圧縮機の軸封部における漏出油回収構造は,圧縮機本体1のケーシング30に設けた軸孔32の内周と,前記軸孔32に挿入される駆動軸20の外周間の間隔を,軸封装置60によって封止したスクリュ圧縮機の軸封部において,
前記駆動軸20を,駆動軸本体(21又は22)と駆動軸本体(21又は22)の少なくとも一方の端部に取り付けられた動力伝達手段(41,42a,43a)によって構成し,
前記軸封装置60に対し前記ケーシング30の外側寄りの位置における前記駆動軸20の周囲に,前記軸封装置60より漏出した潤滑油を回収する油溜まり空間34を設けると共に,
前記動力伝達手段(41,42a,43a)は,前記駆動軸本体(21又は22)に外嵌されたボス45を備え,該ボス45の少なくとも一部を,該ボス45の端面45aが前記油溜まり空間34の内周に位置するように前記軸孔32内に挿入して,前記ボス45の端面45aで段差部23を形成したことを特徴とする(請求項1)。
上記構成の漏出油回収構造において,前記段差部23は,前記油溜まり空間34の内壁と非接触の状態に形成することが好ましい(請求項2)。
以上で説明した本発明の漏出油回収構造をスクリュ圧縮機の軸封部に設けることで,以下の効果を得ることができた。
軸孔32内に油溜まり空間34を形成すると共に,この油溜まり空間34の内周位置における駆動軸20の外周に段差部23を設けたことで,駆動軸20を伝って流れる漏出油がこの段差部23において遠心力を受けて油滴として外周方向に飛散し,油溜まり空間34で捕集されることで,効率的に漏出油を回収することができた。
しかも,圧縮機本体1の駆動軸20は,一般的に駆動軸本体(21又は22)と動力伝達手段(41,42a,43a)を必須の構成要素とし,この駆動軸20の必須の構成要素上に直接,前述の段差部23を形成することで,段差部23を形成するためにOリングやシールリング等の,駆動軸20の構成要素以外の部材を別途設ける必要がなく,その結果,部品点数の増加に伴うコスト増や,増加部品の配置スペースを確保することに伴う装置の大型化や設計上の制約が生じることがなく,既存のスクリュ圧縮機本体1の構造を僅かに変更するだけで,効率的に漏出油の回収を行うことができる漏出油の回収構造を設けることができた。
前述の段差部23を,前記油溜まり空間34の内壁と非接触の状態に設けた構成により,駆動軸20の回転速度の変化に伴う遠心力の変化によっても軸封装置60を通過する潤滑油量が変化せず,その結果,駆動軸20の回転速度に拘わらず軸封部より漏出,回収される潤滑油量を安定したものとすることができた。
この段差部23は,駆動軸20の外径をケーシングの内側寄りで太く,ケーシングの外側寄りで細くすることにより形成したものであっても良いが,好ましくは,駆動軸20の外径をケーシングの内側寄りで細く,外側寄りを太くすることにより形成することで,駆動軸20の細径部を伝ってケーシング外に向かって漏出しようとする潤滑油は,段差部23と衝突してその移動を阻止されると共に,遠心力によって段差部23で外向きに加速されることで油切れが良くなり,油溜まり空間34により一層捕捉し易いものとすることができた。
前記段差部23を,プーリやギヤ等の動力伝達手段(41,42a)に設けたボス45の端面45aによって形成した構成にあっては,駆動軸20に対し特別な加工を行うことなく,駆動軸本体(21又は22)に対して動力伝達手段41,42aを取り付けるだけで,漏出油の回収に有効な段差部23を極めて容易に形成することができた。
なお,前述の段差部23は,駆動軸本体22の外径を変化させることによって形成する場合にも,シールリング等の別途の部品を準備することなく,駆動軸に対し直接設けることができた。
本発明の漏出油回収構造を備えた圧縮機本体の平面断面図。 本発明の漏出油回収構造を備えた圧縮機本体の要部断面図。 本発明の漏出油回収構造を備えた圧縮機本体の要部断面図。 本発明の漏出油回収構造を備えた圧縮機本体の要部断面図。 本発明の漏出油回収構造を備えた圧縮機本体の要部断面図。 従来の圧縮機本体の軸封部の断面図(特許文献1に対応)。 従来の圧縮機本体軸封部の断面図(特許文献2に対応)。 図7の第2シールリング部の作用説明図。
次に,本発明の実施形態につき添付図面を参照しながら説明する。
図1において符合1は,軸封部に本発明の漏出油回収構造を備えたスクリュ圧縮機本体であり,このスクリュ圧縮機本体1は,オスロータ10及びメスロータ11から成る一対のスクリュロータと,このスクリュロータ10,11を噛み合い状態で収容するロータ室31を備えたケーシング30を備えている。
このケーシング30の吸入側の端部には,オスロータ10のロータ軸21を受け入れてケーシング30外に突出させるための軸孔32が形成されていると共に,この軸孔32内に挿入されたロータ軸11の一端に,モータ等の図示せざる駆動源からの回転駆動力を伝達するためのプーリ41が動力伝達手段として取り付けられており,このプーリ41に対し,図示せざるプーリベルト等を介して図示せざる駆動源からの回転駆動力を入力することにより,圧縮機本体1を駆動することができるように構成されている。
従って,図1に示す実施形態にあって,駆動軸本体であるロータ軸21と,このロータ軸21に動力伝達手段として取り付けられたプーリ41が,本発明における駆動軸20に該当する。
なお,図1に示す実施形態にあっては,プーリ41とプーリベルト(図示せず)から成る動力伝達機構を設け,この動力伝達機構を構成する動力伝達手段であるプーリ41を駆動軸本体であるロータ軸21に取り付けたものを,圧縮機本体1の駆動軸20としたが,このような動力伝達機構を,図1に示すプーリ41とプーリベルト(図示せず)の組合せに代えて,例えば図2に示すようにインナーギヤ42aとアウターギヤ42bによって構成されるカップリング42とし,このカップリング42を構成するギヤの一方,図示の例ではインナーギヤ42aを前述の動力伝達手段として駆動軸本体であるロータ軸21の一端に取り付けるものとしても良い。
また,図1,2,4に示す実施形態にあっては,オスロータ10のロータ軸21を前述の駆動軸本体とする構成例を示したが,図3に示すように,圧縮機本体1が増速装置43を備える場合,この増速装置43に対する入力軸22を前述の駆動軸本体として使用しても良い。
この増速装置43は,従動ギヤ43bと,前記従動ギヤ43bと噛合して回転する,前記従動ギヤ43bに対して大径に形成された駆動ギヤ43aによって構成されており,オスロータ10のロータ軸21’の一端に前述の従動ギヤ43bを取り付けると共に,前記従動ギヤ43bと噛合する駆動ギヤ43aに取り付けた前述の入力軸22を,ケーシング30に設けた軸孔32を介してケーシング32外に突出させて,この入力軸22に対しモータやエンジンの回転駆動力を入力することでスクリュロータ10,11を増速回転することができるようにしている。
図3に示す実施形態では,駆動軸本体である入力軸22には,一端に前述の増速装置43を構成する駆動ギヤ43aが動力伝達手段として取り付けられていると共に,他端に図示せざる駆動源からの回転駆動力を入力するためのカップリング42のインナーギヤ42aが動力伝達手段として取り付けられている。
これに対し図5に示すように,同様に増速装置43を備えた圧縮機本体1において,増速装置43の駆動ギヤ43aに取り付けられた入力軸22を図示せざるモータの出力軸によって構成する等して,入力軸22の他端を,動力伝達手段を介さずに直接,モータ等の駆動源に連結するものとしても良い。
このようにして圧縮機本体1のケーシング30に設けられた軸孔32に挿入された駆動軸20は,軸孔32内に設けられた軸受33等によって回転可能に軸承されていると共に,駆動軸の外周と軸孔32の内周間が軸封装置60によって封止され,この間隔を介した流体の漏出が防止されている。
この軸封装置60は,図1〜3に示すようにオイルシール61であっても良く,又は,図4,5に示すように回転リング62aと固定リング62bとによって構成されたメカニカルシール62であっても良い。
このようにして,駆動軸20の外周と軸孔32内周間をシールする軸封装置60に対し,更にケーシング30の外側寄りの位置に,前述の軸封装置60を介して漏出した潤滑油を捕捉するための,油溜まり空間34を前記軸孔32内に周方向に連続して形成すると共に,前記駆動軸20のうち,この油溜まり空間34の内周側に位置する部分の外径を変化させて,前記駆動軸20のうち前記油溜まり空間34内に位置する部分に段差部23を形成している。
図示の実施形態において,この段差部23は,駆動軸20のケーシングの内側寄り部分に小径部を,ケーシング外側寄りの部分に大径部を形成して,前記小径部と大径部との境界に前述した段差部23を形成するものとしたが,これとは逆に,駆動軸20のケーシングの内側寄りの部分を大径部と,ケーシング外側寄りの部分を小径部とし,この大径部と小径部の境界に段差部23を形成するものとしても良い。
また,段差部23は,油溜まり空間34の内壁面に対し非接触の状態で設けることが好ましい。すなわち,段差部23を油溜まり空間34の内壁に摺接配置する場合,摺接面間に形成された微小な間隔に導入された潤滑油は,毛管張力によって油膜を形成し,この油膜となっている潤滑油に遠心力を加えて外周方向に向かう流れを生じさせると,この間隔には,油膜切れが生じないように段差部23に対しケーシングの内側寄りにある潤滑油が吸い込まれるために,潤滑油の漏出量が駆動軸の回転速度の上昇に伴って増加することとなるが,前述したように段差部23を軸孔32の内壁と非接触の状態に形成することで,油膜が形成される微小間隔が発生せず,その結果,軸封装置60を介した潤滑油の漏出量を,駆動軸20の回転速度に関わりなく常に一定量に安定させることができる。
以上のように,漏出した潤滑油を駆動軸20の回転に伴う遠心力によって油溜まり空間34に向かって飛散させる作用を有する段差部23は,本発明では従来技術として紹介した特許文献2に記載の構成のように,シールリング等の部品を別途準備することなく,駆動軸20の構成要素である駆動軸本体21,22や動力伝達手段41,42a上に直接形成する。
このような段差部23の形成は,例えば駆動軸20が図1〜4に示すように,ケーシング30外に突出させた駆動軸本体21,22の端部にプーリ41やインナギヤ42a等の動力伝達手段を取り付けた構成である場合,動力伝達手段に設けた円筒状のボス45を駆動軸本体21,22の端部に外嵌することにより取り付け可能に構成すると共に,このボス45を,該ボス45の端面45aが前記油溜まり空間34の内周位置に至るように前記軸孔32内に挿入することで,このボス45の端面45aを,前述の段差部23とするものとしても良い。
または,図5に示すように,駆動軸本体22の外径を,ケーシング30の内側寄りの部分において細く,ケーシング30の外側寄りの部分において太く形成する等して,駆動軸本体22に対し直接段差部23を形成するものとしても良い。
なお,図示の実施形態に示したように,軸封装置60を駆動軸本体21,22の細径部に取り付けたカーラー24上に設ける場合には,駆動軸本体21,22の大径部をカーラー24の外径よりも大径に形成し,カーラー24の取り付けによってもカーラー24と大径部との境界に段差部23が形成されるように構成する。
また,図1〜3の実施形態では,カーラー24の取付によって軸受33の内輪の位置固定を行うものとしているが,カーラー24を設けることなく直接オイルシール61を駆動軸本体21,22の外周に取り付ける場合には,軸受33の内輪を固定するためのスナップリング(図示せず)を設ける構成としても良い。
このようにして,駆動軸20に形成された段差部23の外周位置において軸孔の内周面に設けられた油溜まり空間34は,ケーシング30の肉厚を貫通して設けられた排出流路35に連通されており,この排出流路35を介して油溜まり空間34内に捕捉された潤滑油を排出できるようになっている。
この排出流路35は,スクリュ圧縮機が圧縮作用空間内に被圧縮気体と共に潤滑油を導入する油冷式のものである場合,これを圧縮機本体1の吸気路に連通することで,油溜まり空間34内に捕捉された潤滑油を再度,圧縮機本体1内に回収して潤滑油の循環系内に戻すことができるように構成しても良く,このように構成することで,経時に伴う潤滑油の減少量を少なく抑えることができるようにしても良い。
以上のように,軸封部に本発明の漏出油回収構造を備えたスクリュ圧縮機では,前述の駆動軸20に対し図示せざるモータやエンジン等の駆動源からの回転駆動力を入力すると,オス,メス一対のスクリュロータが噛み合い回転を開始して,被圧縮流体の圧縮が開始される。
駆動軸20の外周と軸孔32の内周間の間隔は,オイルシール61やメカニカルシール62等の軸封装置60によって潤滑油等が漏出しないようにシールされているが,オイルシール61やメカニカルシール62等の軸封装置60は,摺接面の潤滑に潤滑油を必要とすることから,微量の潤滑油が軸封装置を通過して,更にケーシング30の外側に向かって漏出する。
しかし,本発明の漏出油回収構造を備えた圧縮機本体1では,シールリング等の部品を別途設けることなく,駆動軸20に直接形成された段差部23によって,駆動軸20に沿ってケーシング30の外側に向かう潤滑油の移動が規制されると共に,この段差部23で駆動軸20の回転に伴う遠心力を受けて駆動軸20の外周方向に飛散されて油溜まり部34に捕捉されるように構成されていることから,漏出した潤滑油をより効率的に,且つ,安定的に回収することができた。
1 圧縮機本体(スクリュ圧縮機本体)
10 オスロータ
11 メスロータ
20 駆動軸
21 ロータ軸(駆動軸本体)
21’ ロータ軸
22 入力軸(駆動軸本体)
23 段差部
24 カーラー
30 ケーシング
31 ロータ室
32 軸孔
33 軸受
34 油溜まり空間
35 排出流路
41 プーリ(動力伝達手段)
42 カップリング(動力伝達機構)
42a インナーギヤ(動力伝達手段)
42b アウターギヤ
43 増速装置(動力伝達機構)
43a 駆動ギヤ(動力伝達手段)
43b 従動ギヤ
45 ボス
45a 端面(ボスの)
60 軸封装置
61 オイルシール
62 メカニカルシール
62a 回転リング
62b 固定リング
120 駆動軸
130 ケーシング
132 軸孔
133 軸受
134 油溜まり空間
134’ 飛散油捕捉空間
135 戻し流路
160 軸封装置
171 第1シールリング
172 第2シールリング
180 パージ空気供給路
181 集油環状溝

Claims (2)

  1. 圧縮機本体のケーシングに設けた軸孔の内周と,前記軸孔に挿入される駆動軸の外周間の間隔を,軸封装置によって封止したスクリュ圧縮機の軸封部において,
    前記駆動軸を,駆動軸本体と駆動軸本体の少なくとも一方の端部に取り付けられた動力伝達手段によって構成し,
    前記軸封装置に対し前記ケーシングの外側寄りの位置における前記駆動軸の周囲に,前記軸封装置より漏出した潤滑油を回収する油溜まり空間を設けると共に,
    前記動力伝達手段は,前記駆動軸本体に外嵌されたボスを備え,該ボスの少なくとも一部を,該ボスの端面が前記油溜まり空間の内周に位置するように前記軸孔内に挿入して,前記ボスの端面で段差部を形成したことを特徴とするスクリュ圧縮機の軸封部における漏出油回収構造。
  2. 前記段差部を,前記油溜まり空間の内壁と非接触の状態に形成したことを特徴とする請求項1記載のスクリュ圧縮機の軸封部における漏出油回収構造。
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