以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を表面(受光面)側及び裏面側から視てそれぞれ示す平面図及び裏面図である。また、図3(a)、(b)、(c)、(d)は、図1のA−Aに沿った断面図、図1のB−Bに沿った断面図、図1のC−Cに沿った断面図、図1のD−Dに沿った断面図である。更に、図4(a)、(b)は、図1のE−Eに沿った断面図、図1のF−Fに沿った断面図である。また、図5は、図1の太陽電池モジュールの出力端子近傍を示す断面図である。更に、図6(a)、(b)、(c)は、図2における部分I、II、IIIを示す拡大図である。尚、図1乃至図5において、横方向をXとし、縦方向をYとする。
図1乃至図6に示すように太陽電池モジュール1は、太陽光の入射方向に向けられる受光面ガラス板2a、封止樹脂4a、複数の太陽電池セル3、各太陽電池セル3の配線部材、封止樹脂4b、及び裏面ガラス板2bを順次重ね合わせて、各ガラス板2a、2bの間に各太陽電池セル3、各太陽電池セル3の配線部材、及び各封止樹脂4a、4bを挟み込み、各封止樹脂4a、4bにより各太陽電池セル3及びその配線部材を封止したものである。また、各ガラス板2a、2bの各辺に沿って2本の帯状の両面接着テープ5a、5bを設け、各ガラス板2a、2bの端部間に各両面接着テープ5a、5bを重ねて挟み込んでいる。
本実施形態では、受光面ガラス板2a及び裏面ガラス板2bとして、厚さ4mm程度の強化ガラスを適用している。その他に、倍強化ガラスや未強化ガラスを適用しても構わない。
また、各封止樹脂4a、4bとして、可視光領域で透過率の高いエチレンビニルアセテート(EVA)を適用している。その他に、アイオノマー樹脂、オレフィン樹脂等を適用してもよい。
各両面接着テープ5a、5bは、角柱状の基材の両面に接着剤層を形成したものである。基材としては、アクリル系樹脂の発泡体を適用することができ、その他にウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチルゴム等を適用しても構わない。また、各両面接着テープ5a、5bは、後で述べる封止工程において各封止樹脂4a、4bの食み出しを防止したり、各ガラス板2a、2bの間への雨水等の浸入を防止したりするものであるが、太陽光発電及び採光のいずれにも寄与しないことから、それらの幅を7〜10mm程度に設定するのが好ましい。
次に、太陽電池モジュール1の配線部材について説明する。各太陽電池セル3は、例えば結晶系シリコン基板を用いたものであり、太陽光の入射方向に向けられる受光面に2組の負電極が設けられ、裏面に2組の正電極が設けられている。また、各太陽電池セル3は、互いに一定間隔を開けて、横方向の第1列R1と第2列R2とに並べられている。第1及び第2列R1、R2別に、太陽電池セル3の受光面に設けられた2組の負電極とその隣りの他の太陽電池セル3の裏面に設けられた2組の正電極とを2本のインターコネクタ6を通じて接続して、各太陽電池セル3を直列接続してなる太陽電池ストリングを形成している。
また、接続用バスバー7を、太陽電池モジュール1の縦辺1aと平行にかつ第1及び第2列R1、R2の一端近傍に配置している。この接続用バスバー7は、第1列R1の一端の太陽電池セル3の各負電極から導出された各インターコネクタ6に接続され、かつ第2列R2の一端の太陽電池セル3の各正電極から導出された各インターコネクタ6に接続されている。これにより、第1及び第2列R1、R2の全ての太陽電池セル3が直列接続されている。
また、2本のL字型の正電極バスバー11及び負電極バスバー12を、太陽電池モジュール1の他の縦辺1b及び該縦辺1bと直交する横辺1cに沿って配置している。正電極バスバー11及び負電極バスバー12は、絶縁部材を介して各太陽電池セル3の受光面と直交する方向に重ね合わせられており、正電極バスバー11が負電極バスバー12よりも裏面ガラス板2bの近くに位置し、負電極バスバー12が正電極バスバー11よりも受光面ガラス板2aの近くに位置する。
正電極バスバー11は、第1列R1と第2列R2との中間位置まで縦方向Yに延設されて、第1列R1の他端近傍に配置され、第1列R1の他端の太陽電池セル3の各正電極から導出された各インターコネクタ6に接続されている。また、正電極バスバー11は、第1及び第2列R1、R2の中央近くまで横方向Xに延設されており、この正電極バスバー11に接続された1組の正極出力端子13a、13bが各両面接着テープ5a、5bの間から各ガラス板2a、2bの外側に引き出されている。
負電極バスバー12は、正電極バスバー11よりも長く縦方向Yに延設されて、第2列R2の他端近傍に配置され、第2列R2の他端の太陽電池セル3の各負電極から導出された各インターコネクタ6に接続されている。また、負電極バスバー12は、正電極バスバー11よりも長く横方向Xに延設されており、この負電極バスバー12に接続された1組の負極出力端子14a、14bが各両面接着テープ5a、5bの間から各ガラス板2a、2bの外側に引き出されている。
また、太陽電池モジュール1は、その横辺1cの端面に接着された正電極ボックス15、負電極ボックス16、及びダイオードボックス17を備えている。正電極ボックス15には、正電極バスバー11に接続された一方の正極出力端子13aと正電極ケーブル18とが導入されて、正電極ボックス15の内側で正極出力端子13aと正電極ケーブル18とが接続されている。同様に、負電極ボックス16には、負電極バスバー12に接続された一方の負極出力端子14aと負電極ケーブル19とが導入されて、負電極ボックス16の内側で負極出力端子14aと負電極ケーブル19とが接続されている。更に、ダイオードボックス17には、正電極バスバー11に接続された他方の正極出力端子13bと負電極バスバー13に接続された他方の負極出力端子14bとが導入されて、ダイオードボックス17の内側で正極出力端子13bと負極出力端子14bとがバイパスダイオード21を介して接続されている。
このような太陽電池モジュール1においては、各太陽電池セル3により生成された発電電力が各インターコネクタ6、接続用バスバー7、正電極バスバー11、負電極バスバー12、正電極ケーブル18、及び負電極ケーブル19を通じて伝送されて外部に出力される。また、太陽電池モジュール1を他の太陽電池モジュールと直列接続して用いる場合は、太陽電池モジュール1だけが影に入って、太陽電池モジュール1が逆バイアス状態になったときに、他の太陽電池モジュールからの電流がバイパスダイオード21を通じて流れて、電力損失が低減される。
また、各太陽電池セル3を互いに一定間隔を開けて配置し、各太陽電池セル3を太陽電池モジュール1の各縦辺1a、1b及び各横辺1c、1dから離間させている。このため、太陽光は、受光面ガラス板2aを透過し、各太陽電池セル3の間のスペース及び外周スペースを通過して、裏面ガラス板2bを透過する。よって、この太陽電池モジュール1を採光型のものとして利用することができる。
また、正電極バスバー11と負電極バスバー12とを絶縁部材を介して重ね合わせていることから、各バスバー11、12を2次元平面上に並設した場合と比較すると、各バスバー11、12により太陽光が遮断される面積が低減され、太陽電池モジュール1の採光率が向上する。採光率は、(太陽電池モジュール1を透過する光量)/(太陽電池モジュール1に入射する光量)で表される。
また、受光面ガラス板2aと裏面ガラス板2bの端部間に各両面接着テープ5a、5bを重ねて挟み込んでいることから、各ガラス板2a、2bの間に雨水等が浸入し難く、太陽電池モジュール1の耐久性及び信頼性が向上する。あるいは、各封止樹脂4a、4bが外気に晒されず、水分の吸収等による各封止樹脂4a、4bの変色等を防止することができる。
また、L字型の正電極バスバー11及び負電極バスバー12を太陽電池モジュール1の縦辺1b及び横辺1cに沿って設け、各正極出力端子13a、13b及び各負極出力端子14a、14bを長い方の横辺1cから引き出して、長い方の横辺1cに正電極ボックス15、負電極ボックス16、及びダイオードボックス17を設けている。しかも、接続用バスバー7を1つだけ用いて、第1及び第2列R1、R2の全ての太陽電池セル3を直列接続している。従って、図19等の従来の太陽電池モジュールと比較すると、太陽電池モジュール1の長い方の横辺1cに正電極ボックス15や負電極ボックス16等を取り付けているにもかかわらず、バスバーの数が少なく、バスバーを半田付けする箇所も少なく、部品点数及び半田付け等の接続工程の増大を抑えることができる。
また、正電極ボックス15、負電極ボックス16、及びダイオードボックス17を横辺1cに集めて設けているので、太陽電池モジュール1を窓枠に取り付けた場合に、それらのボックス15、16、17を窓枠の桟の空洞スペースにまとめて隠すことができ、窓の意匠性の低下を防止することができる。
次に、L字型の正電極バスバー11及び負電極バスバー12について詳しく説明する。図7(a)は、図2と同様に正電極バスバー11を裏面側から視て示す裏面図であり、図7(b)は、正電極バスバー11を示す側面図である。図7(a)、(b)から明らかなように正電極バスバー11は、帯状の第1バー部材11aの一端部と帯状の第2バー部材11bの一端部とを半田付け等により接続して、第1及び第2バー部材11a、11bをL字型に配置したものである。太陽電池モジュール1においては、第1バー部材11aが縦辺1bに沿って配置され、第2バー部材11bが横辺1cに沿って配置される。
また、第2バー部材11bには、1組の正極出力端子13a、13bが半田付け等により接続されており、各正極出力端子13a、13bが第2バー部材11bから第1バー部材11aとは反対方向に突出している。
また、図7(a)、(b)には、負電極バスバー12と組合わせて用いられる補助バー部材26も示されている。この補助バー部材26は、正電極バスバー11の第1バー部材11aの延長上に配置され、第1バー部材11aから離間している。
図8(a)は、図2と同様に負電極バスバー12を裏面側から視て示す裏面図であり、図8(b)は、負電極バスバー12を示す側面図である。図8(a)、(b)から明らかなように負電極バスバー12は、帯状の第1バー部材12aの一端部と帯状の第2バー部材12bの一端部とを半田付け等により接続して、第1及び第2バー部材12a、12bをL字型に配置したものである。また、第2バー部材12bは、2本のバー部材12c、12dを半田付け等により接続して継いだものである。太陽電池モジュール1においては、第1バー部材12aが縦辺1bに沿って配置され、第2バー部材12bが横辺1cに沿って配置される。
また、第2バー部材12bの先端側のバー部材12dには、1組の負極出力端子14a、14bが半田付け等により接続されており、各負極出力端子14a、14bがバー部材12dから第1バー部材12aとは反対方向に突出している。
正電極バスバー11、負電極バスバー12、各正極出力端子13a、13b、各負極出力端子14a、14b、及び補助バー部材26は、例えば帯状の銅材の表面に半田メッキを施したものであり、それらの厚み及び幅が同一である。
図9は、正電極バスバー11、負電極バスバー12、補助バー部材26、各バスバー11、12の間に挟み込まれる絶縁部材22、補助バー部材26と負電極バスバー12との間に挟み込まれる絶縁部材27を示す分解斜視図である。図9に示すように正電極バスバー11と負電極バスバー12とは、絶縁部材22を介して重ねられ、絶縁部材22により各バスバー11、12の間が絶縁されている。太陽電池モジュール1においては、負電極バスバー12、絶縁部材22、及び正電極バスバー11が各太陽電池セル3の受光面と直交する方向に重なり合う。
また、負電極バスバー12の第1バー部材12aの先端側略半分には、絶縁部材27及び補助バー部材26が正電極バスバー11とは反対側(図9では下側)から重ねられ、絶縁部材27により補助バー部材26と第1バー部材12aとの間が絶縁さている。
絶縁部材22は、帯状の第1絶縁部材22aと帯状の第2絶縁部材22bとをL字型に配置したものであって、そのL字型の角部が各バスバー11、12のL字型の角部に重ね合わされる。また、第1絶縁部材22aは、正電極バスバー11の第1バー部材11aよりも縦方向Yに僅かに長く、第1バー部材11aの全体と負電極バスバー12の第1バー部材12aの一部(少なくとも第1バー部材11aに重なる部分)との間に介在して、第1バー部材11aと第1バー部材12aとを絶縁する。更に、第2絶縁部材22bは、正電極バスバー11の第2バー部材11bよりも横方向Xに僅かに長く、第2バー部材11bの全体と負電極バスバー12の第2バー部材12bの一部(少なくとも第2バー部材11bに重なる部分)との間に介在して、第2バー部材11bと第2バー部材12bとを絶縁する。
また、絶縁部材27は、補助バー部材26よりも縦方向Yに僅かに長く、補助バー部材26の全体と負電極バスバー12の第1バー部材12aの先端側部分(少なくとも補助バー部材26に重なる部分)との間に介在して、補助バー部材26と第1バー部材12aとを絶縁する。
絶縁部材22(第1及び第2絶縁部材22a、22b)は、その両面に接着剤層を有しており、正電極バスバー11及び負電極バスバー12のいずれにも接着されて、各バスバー11、12を一体的に保持する。同様に、絶縁部材27は、その両面に接着剤層を有しており、負電極バスバー12の第1バー部材12a及び補助バー部材26のいずれにも接着されて、第1バー部材12a及び補助バー部材26を一体的に保持する。従って、正電極バスバー11、負電極バスバー12、及び補助バー部材26は、各絶縁部材22、27により絶縁されかつ一体的に保持されている。
例えば、各絶縁部材22、27は、厚さ25μmのポリイミドフィルムの両面に厚さ30μmのエポキシ系の接着剤層を形成したものであり、全体の厚さが略85μmである。接着剤層として、絶縁性に優れたエポキシ系を適用しているので、ポリイミドフィルムを格別に厚くしなくても、各絶縁部材22、27の絶縁性を十分に高くすることができ、コストを低減させることができる。
図10は、正電極バスバー11の第1バー部材11a、負電極バスバー12の第1バー部材12a、及び補助バー部材26等を縦方向Yに沿って破断して示す断面図と、該断面図における部分IVを示す拡大図である。図10に示すように負電極バスバー12の第1バー部材12aは、そのL字型の角部側の略半分が第1絶縁部材22aを介して正電極バスバー11の第1バー部材11aに重ねられ、その先端側の略半分が絶縁部材27を介して補助バー部材26に重ねられている。また、第1バー部材11aに重ねられている部位では第1バー部材12aが第1バー部材11aよりも受光面ガラス板2aの近くに位置し、補助バー部材26に重ねられている部位では第1バー部材12aが補助バー部材26よりも裏面ガラス板2bの近くに位置する。
図11は、正電極バスバー11の第2バー部材11b、及び負電極バスバー12の第2バー部材12b等を横方向Xに沿って破断して示す断面図である。図11に示すように負電極バスバー12の第2バー部材12bは、そのL字型の角部側の略半分(バー部材12c)が第2絶縁部材22bを介して正電極バスバー11の第2バー部材11bに重ねられ、その先端側略半分(バー部材12d)が第2絶縁部材22b及び第2バー部材11bのいずれにも重ねられていない。また、第2バー部材11bに重ねられている部位では第2バー部材12b(バー部材12c)が第2バー部材11bよりも受光面ガラス板2aの近くに位置する。
図12は、正電極バスバー11と負電極バスバー12とが重なる部位を拡大して示す断面図(図1及び図10のA−Aと図1及び図11のE−Eとに沿った断面図)である。
図12に示すように第1及び第2絶縁部材22a、22bの幅は、正電極バスバー11の第1及び第2バー部材11a、11bの幅並びに負電極バスバー12の第1及び第2バー部材12a、12bの幅よりも広くされている。
そして、第1絶縁部材22aは、各第1バー部材11a、12aの両側端部のいずれからも食み出しており、縦辺1bに向く各第1バー部材11a、12aの片側端部からより大きく食み出した第1絶縁部材22aの部分が第1バー部材12aの片面に折り返されて接着されている。このため、各第1バー部材11a、12aと第1絶縁部材22aとの間に位置ずれが生じ難く、また誤差程度の位置ずれが生じても、各第1バー部材11a、12aが第1絶縁部材22aにより確実に絶縁される。
同様に、第2絶縁部材22bは、各第2バー部材11b、12bの両側端部のいずれからも食み出しており、横辺1cに向く各第2バー部材11b、12bの片側端部からより大きく食み出した第2絶縁部材22bの部分が第2バー部材12bの片面に折り返されて接着されている。このため、各第2バー部材11b、12bと第2絶縁部材22bとの間に位置ずれが生じ難く、また誤差程度の位置ずれが生じても、各第2バー部材11b、12bが第2絶縁部材22bにより確実に絶縁される。
更に、正電極バスバー11及び負電極バスバー12は、絶縁性被覆樹脂23により被覆されている。例えば、絶縁性被覆樹脂23は、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に厚さ10μmの接着剤層を形成したものである。
この絶縁性被覆樹脂23は、正電極バスバー11の全体及び負電極バスバー12の各バー部材12c、12dの接続箇所を除く部分(負電極バスバー12の略全体)を被覆している。
図13は、負電極バスバー12と補助バー部材26とが重なる部位を拡大して示す断面図(図1及び図10のB−Bに沿った断面図)である。図13に示すように絶縁部材27の幅は、負電極バスバー12の第1バー部材12a及び補助バー部材26の幅よりも広く設定されている。そして、絶縁部材27は、第1バー部材12a及び補助バー部材26の両側端部のいずれからも食み出しており、縦辺1bに向く第1バー部材12a及び補助バー部材26の片側端部からより大きく食み出した絶縁部材27の部分が補助バー部材26の片面に折り返されて接着されている。これにより、第1バー部材12aと補助バー部材26との間に位置ずれが生じ難く、また誤差程度の位置ずれが生じても、第1バー部材12a及び補助バー部材26が絶縁部材27により確実に絶縁される。
また、第1バー部材12a及び補助バー部材26は、絶縁性被覆樹脂23により被覆されている。
図14は、第2絶縁部材22b及び正電極バスバー11の第2バー部材11bのいずれにも重ならない負電極バスバー12の第2バー部材12bの先端側略半分(バー部材12d)を拡大して示す断面図(図1及び図11のF−Fに沿った断面図)である。図14に示すように第2バー部材12bの先端側略半分(バー部材12d)では、第2絶縁部材22bが存在せず、絶縁性被覆樹脂23によりバー部材12dが被覆されている。
また、図1、図2、図5に示すように絶縁性被覆樹脂23により各正極出力端子13a、13bの先端を除く部分及び各負極出力端子14a、14bの先端を除く部分が被覆されている。それらの先端を被覆していない理由は、正電極ボックス15の内側で正極出力端子13aの先端を正電極ケーブル18に半田付け等により接続したり、負電極ボックス16の内側で負極出力端子14aの先端を負電極ケーブル19に半田付け等により接続したり、ダイオードボックス17の内側で正極出力端子13bの先端及び負極出力端子14bの先端をバイパスダイオード21の両端子に半田付け等により接続したりするためである。
図5に示すように絶縁性被覆樹脂23による各出力端子13a、13b、14a、14bの被覆範囲は、各両面接着テープ5a、5bの外側端面から外部へと延ばされていることが望ましい。本実施形態においては、絶縁性被覆樹脂23による被覆範囲をその外側端面から外部へと約3mm延ばしている。各両面接着テープ5a、5bの外側端面とは、受光面ガラス板2a及び裏面ガラス板2bの表面又は裏面と直交し、各封止樹脂4a、4bとは反対方向に向く端面である。
このように絶縁性被覆樹脂23を各両面接着テープ5a、5bの外側端面から外部へと延ばすことで、太陽電池モジュール1の耐候性をより向上させることができる。ここで、2つの比較例と本実施形態とを比較して、そのような耐候性の向上について説明する。まず、第1比較例では、絶縁性被覆樹脂23により各出力端子13a、13b、14a、14bを全く被覆せず、各出力端子13a、13b、14a、14bを各両面接着テープ5a、5bや各封止樹脂4a、4bに直接接触させてみたが、その結果、各出力端子13a、13b、14a、14bに接触又は近接する各封止樹脂4a、4bの一部が長期間を経て黄変又は変色した。また、第2比較例では、絶縁性被覆樹脂23により各出力端子13a、13b、14a、14bの一部を被覆し、絶縁性被覆樹脂23による被覆範囲を各両面接着テープ5a、5bの間の位置までにして本実施形態よりも短くしてみたが、各出力端子13a、13b、14a、14bに接触又は近接する各封止樹脂4a、4bの一部が黄変又は変色する傾向にあった。これに対して本実施形態では、絶縁性被覆樹脂23による被覆範囲を各両面接着テープ5a、5bの外側端面から外側へと約3mm延ばしているので、各出力端子13a、13b、14a、14bの近傍において各封止樹脂4a、4bが長期間を経ても黄変又は変色することはなく、耐候性の明らかな向上を確認することができた。尚、各封止樹脂4a、4bの黄変又は変色は、各出力端子13a、13b、14a、14bの表面に沿って侵入した水分に含まれる酸素により各封止樹脂4a、4bが酸化して発生したと推測される。
次に、接続用バスバー7について説明する。図15は、接続用バスバー7を拡大して示す断面図である。図15に示すように接続用バスバー7は、帯状の第1バー部材7a及び第2バー部材7bを備え、第1及び第2バー部材7a、7bが絶縁部材24を介して重ね合わせられている。太陽電池モジュール1においては、第1及び第2バー部材7a、7b、絶縁部材24が各太陽電池セル3の受光面と直交する方向に重なり合う。
第1及び第2バー部材7a、7bは、例えば帯状の銅材の表面に半田メッキを施したものであり、それらの長さ、厚み、及び幅が同一である。絶縁部材24は、絶縁部材22と同様に帯状のものであって、例えば厚さ25μmのポリイミドフィルムの両面に厚さ30μmのエポキシ系接着剤の層を形成してなり、その両面に第1バー部材7a及び第2バー部材7bが接着されて保持される。
また、絶縁部材24の幅は、第1及び第2バー部材7a、7bの幅よりも広く設定されている。そして、絶縁部材24は、第1及び第2バー部材7a、7bの両側端部のいずれからも食み出しており、縦辺1aに向く第1及び第2バー部材7a、7bの片側端部からより大きく食み出した絶縁部材24の部分が第2バー部材7bの片面に折り返されて接着されている。これにより、第1及び第2バー部材7a、7bと絶縁部材24との間に位置ずれが生じ難く、また誤差程度の位置ずれが生じても、第1及び第2バー部材7a、7bが絶縁部材24により確実に絶縁される。
更に、第1及び第2バー部材7a、7bは、絶縁性被覆樹脂25により被覆されている。絶縁性被覆樹脂25は、絶縁性被覆樹脂23と同様に、厚さ50μmのPETフィルムの片面に厚さ10μmの接着剤層を形成したものである。これにより、第1及び第2バー部材7a、7bの絶縁性がより高められている。
また、正電極バスバー11、負電極バスバー12、各正極出力端子13a、13b、各負極出力端子14a、14b、接続用バスバー7、及び補助バー部材26のいずれも、帯状の銅材の表面に半田メッキを施したものなので、それらの表面に色艶のむらがあり、これが太陽電池モジュール1の意匠性を損なう原因となり得る。ところが、絶縁性被覆樹脂23、25により各バスバー7、11、12、各出力端子13a、13b、14a、14b、及び補助バー部材26の殆どを被覆すると、それらの表面の色艶のむらを視認することができなくなり、太陽電池モジュール1の意匠性が損なわれずに済む。
更に、絶縁性被覆樹脂23、25として黒色のPETフィルムを適用した場合は、絶縁性被覆樹脂23、25の色が各太陽電池セル3の色に近くなり、統一感のある太陽電池モジュール1の外観を得ることができる。勿論、黒色ばかりでなく、他の色のPETフィルムを適用してもよく、透明なPETフィルムを適用しても構わない。
次に、本実施形態の太陽電池モジュール1の製造手順を、予備工程、載置工程、及び封止工程に分けて順次説明する。まず、予備工程では、複数の太陽電池セル3をそれぞれのインターコネクタ6を通じて直列接続してなる太陽電池ストリングを2本作製しておく。また、正電極バスバー11と負電極バスバー12とを絶縁部材22を介して重ね合わせ、負電極バスバー12の第1バー部材12aと補助バー部材26とを絶縁部材27を介して重ね合わせ、絶縁性被覆樹脂23により正電極バスバー11、負電極バスバー12、及び補助バー部材26等を被覆しておく。更に、接続用バスバー7の第1及び第2バー部材7a、7bを絶縁部材24を介して重ね合わせ、絶縁性被覆樹脂25により接続用バスバー7等を被覆しておく。
次に、載置工程では、受光面ガラス板2aを水平に支持して、受光面ガラス板2a上に封止樹脂4aを載せて重ね合わせる。封止樹脂4aは、その縦幅及び横幅が受光面ガラス板2aよりも両面接着テープ5a、5bの幅の2倍分だけ小さくされており、この封止樹脂4aを受光面ガラス板2aの各辺よりも両面接着テープ5a、5bの幅の分だけ内側に退かせて配置する。
そして、封止樹脂4aの上に複数の太陽電池セル3を直列接続してなる2本の太陽電池ストリングを第1及び第2列R1、R2に配置し、絶縁性被覆樹脂23により被覆された正電極バスバー11、負電極バスバー12、及び補助バー部材26を配置し、絶縁性被覆樹脂25により被覆された接続用バスバー7を配置する。このとき、太陽電池モジュール1の他の縦辺1b及び横辺1cに沿ってかつ第1及び第2列R1、R2の他端近傍に2本のL字型の正電極バスバー11及び負電極バスバー12を配置し、また太陽電池モジュール1の縦辺1aと平行にかつ第1及び第2列R1、R2の一端近傍に接続用バスバー7を配置する。
引き続いて、第1及び第2列R1、R2の一端の各太陽電池セル3から導出された4本のインターコネクタ6との4つの接続箇所で、図16に示すように接続用バスバー7の第1バー部材7aを被覆する絶縁性被覆樹脂25を切除して、第1バー部材7aの半田表面を露出させ、該各インターコネクタ6を第1バー部材7aの4つ接続箇所の半田表面にそれぞれ半田付けする。このとき、半田付けにより第1バー部材7aが加熱されるものの、接続用バスバー7が第1及び第2バー部材7a、7b、絶縁部材24からなる3層構造であることから、第1バー部材7aの熱が第2バー部材7b及び絶縁部材24に伝導されて分散され、第1バー部材7aの温度が速やかに低下し、第1バー部材7aの熱により絶縁性被覆樹脂25や封止樹脂4aが加熱溶融することはない。また、第2バー部材7bを被覆する絶縁性被覆樹脂25及び封止樹脂4aが加熱溶融しないため、受光面ガラス板2aの側から視たときの太陽電池モジュール1の意匠性が損なわれることはない。
また、第1列R1の他端の太陽電池セル3の正電極から導出された2本のインターコネクタ6との2つの接続箇所で、図16に示すように正電極バスバー11の第1バー部材11aを被覆する絶縁性被覆樹脂23を切除して、第1バー部材11aの半田表面を露出させ、該各インターコネクタ6を第1バー部材11aの2つ接続箇所の半田表面にそれぞれ半田付けする。この場合も、半田付けによる第1バー部材11aの熱が負電極バスバー12の第1バー部材12a及び第1絶縁部材22aに伝導されて分散され、第1バー部材11aの温度が速やかに低下し、第1バー部材11aの熱により絶縁性被覆樹脂23や封止樹脂4aが加熱溶融することはなく、受光面ガラス板2aの側から視たときの太陽電池モジュール1の意匠性が損なわれずに済む。
更に、第2列R2の他端の太陽電池セル3の各負電極から導出された2本のインターコネクタ6との2つの接続箇所で、図16に示すように負電極バスバー12の第1バー部材12aを被覆する絶縁性被覆樹脂23を切除して、第1バー部材12aの半田表面を露出させ、該各インターコネクタ6を第1バー部材12aの2つ接続箇所の半田表面にそれぞれ半田付けする。この場合も、半田付けによる第1バー部材12aの熱が補助バー部材26及び絶縁部材27に伝導されて分散され、第1バー部材12aの温度が速やかに低下し、第1バー部材12aの熱により絶縁性被覆樹脂23や封止樹脂4aが加熱溶融することはなく、受光面ガラス板2aの側から視たときの太陽電池モジュール1の意匠性が損なわれずに済む。尚、絶縁性被覆樹脂23、25の切除作業は、予備工程で行うことも可能である。
こうしてそれぞれのインターコネクタ6を各第1バー部材7a、11a、12aに半田付けした後、図17に示すように各第1バー部材7a、11a、12aの片側端部より食み出したインターコネクタ6の食み出し部分6aをニッパ等の工具を用いて切断する。このとき、第1絶縁部材22a、絶縁部材24、又は絶縁部材27に工具が接近するものの、それらの片側端部で第1絶縁部材22a、絶縁部材24、又は絶縁部材27が折り返されているので、第1絶縁部材22a、絶縁部材24、又は絶縁部材27が工具により切断されることはなく、それらの切断が原因となって、正電極バスバー11の第1バー部材11aと負電極バスバー12の第1バー部材12aとの接触や短絡、接続用バスバー7の第1バー部材7aと第2バー部材7bとの接触や短絡、あるいは補助バー部材26と第1バー部材12aとの接触や短絡が生じるようなことはない。
尚、正電極バスバー11の第1バー部材11aと負電極バスバー12の第1バー部材12aとの接触や短絡は生じてはならないが、接続用バスバー7の第1バー部材7aと第2バー部材7bとの接触や短絡あるいは補助バー部材26と第1バー部材12aとの接触や短絡は問題になることがない。
引き続いて、両面接着テープ5aを受光面ガラス板2aの端部に貼り付ける。封止樹脂4aが受光面ガラス板2aの各辺よりも両面接着テープ5a、5bの幅の分だけ内側に退いて配置されていることから、両面接着テープ5aを受光面ガラス板2aの端部に貼り付けることができる。このとき、両面接着テープ5aを各正極出力端子13a、13bと受光面ガラス板2aの端部との間に差し入れ、また両面接着テープ5aを各負極出力端子14a、14bと受光面ガラス板2aの端部との間に差し入れ、各正極出力端子13a、13bの先端及び各負極出力端子14a、14bの先端を受光面ガラス板2aの外側に突出させる。
そして、両面接着テープ5bを両面接着テープ5aに重ね合わせて貼り付け、各両面接着テープ5a、5bを受光面ガラス板2aの端部に設け、各正極出力端子13a、13bの先端及び各負極出力端子14a、14bの先端を各両面接着テープ5a、5bの間を通じて受光面ガラス板2aの外側に突出させる。
更に、封止樹脂4bを重ね合わせる。封止樹脂4bは、封止樹脂4aと同一サイズであって、受光面ガラス板2aの各辺よりも両面接着テープ5a、5bの幅の分だけ内側に退いて配置される。このため、両面接着テープ5bが封止樹脂4bにより覆われることなく露出する。そして、封止樹脂4b及び両面接着テープ5bの上に、裏面ガラス板2bに載せて重ね合わせ、裏面ガラス板2bの端部を両面接着テープ5bに接着させる。これにより、受光面ガラス板2aと裏面ガラス板2bとの間に各太陽電池セル3、各封止樹脂4a、4b、接続用バスバー7、正電極バスバー11、及び負電極バスバー12等が挟み込まれる。また、各両面接着テープ5a、5bにより各封止樹脂4a、4bが囲まれて保持され、各封止樹脂4a、4bの間に各太陽電池セル3、接続用バスバー7、正電極バスバー11、及び負電極バスバー12等が挟まれて保持される。このため、次の封止工程を行うべく、太陽電池モジュール1を搬送しても、各封止樹脂4a、4b、各太陽電池セル3、各バスバー7、11、12等の位置ずれが生じるようなことはない。
次に、封止工程では、ラミネータ装置を用いて、太陽電池モジュール1を封止する。まず、ラミネータ装置のチャンバー室のヒータ板上に、載置工程で処理された太陽電池モジュール1を、その受光面ガラス板2aを下側に向けて載置する。そして、チャンバー室を真空引きし、ヒータ板を規定温度に発熱させて、太陽電池モジュール1を加熱し、この状態を一定時間維持する。これにより、受光面ガラス板2aと裏面ガラス板2bとの間の空気や各封止樹脂4a、4bに含まれる空気が各ガラス板2a、2bの端部の各両面接着テープ5a、5bを通じて外部へと抜ける。また、各封止樹脂4a、4bが軟化して、各封止樹脂4a、4bにより各太陽電池セル3、接続用バスバー7、正電極バスバー11、及び負電極バスバー12等が封止される。このとき、各両面接着テープ5a、5bは、軟化した各封止樹脂4a、4bが各ガラス板2a、2bの端部から食み出すことを防止する。
ここで、第1及び第2絶縁部材22a、22bや各絶縁部材24、27の折り返し部分は、太陽電池モジュール1の外側(縦辺1a、1b、横辺1c)に向く正電極バスバー11の片側端部、負電極バスバー12の片側端部、接続用バスバー7の片側端部、及び補助バー部材26の片側端部に重なって嵩張ることから、各封止樹脂4a、4b間の空気が抜け難くなっている。ところが、採光型の太陽電池モジュール1では、受光面ガラス板2a及び裏面ガラス板2bの割れを防止するために、各封止樹脂4a、4bの厚さを厚くする必要があり、これに伴ってラミネータ装置による加熱及び真空引きの処理時間を採光型ではない他の種類の太陽電池モジュールよりも長くしているので、第1及び第2絶縁部材22a、22bや各絶縁部材24、27をそのように折り返していても、空気を確実に抜くことができる。
こうして各封止樹脂4a、4bにより各太陽電池セル3、接続用バスバー7、正電極バスバー11、及び負電極バスバー12等を封止した後、チャンバー室を大気圧に戻して、太陽電池モジュール1を1気圧で加圧し、各封止樹脂4a、4bの密着状態を向上させ安定化させてから、太陽電池モジュール1をチャンバー室から取り出す。
更に、キュア工程を行ってもよい。キュア工程は、各封止樹脂4a、4bとしてEVAを適用した場合に必要となる工程であって、EVAの架橋反応を進行させて封止状態を安定させる工程であり、太陽電池モジュール1をラミネータ装置のヒータ板に載せたまま、加熱時間を長くして行ってもよいし、熱処理装置を別途用意して行っても構わない。
尚、上記実施形態の太陽電池モジュール1では、各正極出力端子13a、13bの先端及び各負極出力端子14a、14bの先端を、受光面ガラス板2aと裏面ガラス板2bとの間に挟み込まれた各両面接着テープ5a、5bの間を通じて引き出しているが、裏面ガラス板2bの端部に4つの孔を形成して、各正極出力端子13a、13bの先端及び各負極出力端子14a、14bの先端をそれらの孔を通じて引き出しても構わない。この場合は、正電極ボックス15、負電極ボックス16、及びダイオードボックス17を裏面ガラス板2bの端部の外側表面に設けることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態及び変形例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
上記実施形態の説明から明らかなように、本発明の太陽電池モジュール(太陽電池モジュール1)は、複数の太陽電池セル(太陽電池セル3)を互いに接続し、前記各太陽電池セルの発電電力をバスバー(正電極バスバー11、負電極バスバー)を通じて出力する太陽電池モジュールであって、前記バスバーは、L字型を形成する第1バー部材(第1バー部材11a、12a)及び第2バー部材(第2バー部材11b、12b)を有し、前記第1バー部材を前記太陽電池モジュールの一辺(縦辺1b)に沿って配置して太陽電池セルの電極に接続し、前記第2バー部材を前記一辺と直交する前記太陽電池モジュールの他辺(横辺1c)に沿って配置している。
このような本発明では、L字型を形成する第1バー部材及び第2バー部材からなるバスバーを用い、第1バー部材を太陽電池モジュールの一辺に沿って配置して太陽電池セルの電極に接続し、第2バー部材をその一辺と直交する太陽電池モジュールの他辺に沿って配置している。このため、各太陽電池セルの発電電力を太陽電池モジュールの一辺及び他辺(短辺及び長辺)のいずれからも取り出すことができ、各太陽電池セルの接続構成の自由度が高くなり、その接続構成の簡単化を図ることができる。
また、本発明においては、前記各太陽電池セルの発電電力を出力する出力端子(正極出力端子13a、13b、負極出力端子14a、14b)を前記第2バー部材に接続している。この場合は、第2バー部材を太陽電池モジュールの長辺に沿って配置すれば、各太陽電池セルの発電電力をその長辺側から出力することができる。
また、本発明においては、前記バスバーとして、正電極バスバー(正電極バスバー11)及び負電極バスバー(負電極バスバー12)を備え、前記正電極バスバーの第1バー部材(第1バー部材11a)及び第2バー部材(第2バー部材11b)と前記負電極バスバーの第1バー部材(第1バー部材12a)及び第2バー部材(第2バー部材12b)とを絶縁部材(絶縁部材22)を介して太陽電池セルの受光面と直交する方向に重ね合わせ、前記正電極バスバーの第1バー部材及び前記負電極バスバーの第1バー部材を前記太陽電池モジュールの一辺(縦辺1b)に沿って配置して太陽電池セルの正電極及び他の太陽電池セルの負電極にそれぞれ接続し、前記正電極バスバーの第2バー部材及び前記負電極バスバーの第2バー部材を前記一辺と直交する前記太陽電池モジュールの他辺(横辺1c)に沿って配置している。このように正電極バスバーと負電極バスバーとを重ね合わせた場合は、これらのバスバーの占有面積が低減して、太陽電池モジュールの採光率が向上する。採光率は、(太陽電池モジュールを透過する光量)/(太陽電池モジュールに入射する光量)である。
また、本発明においては、前記他辺には、前記出力端子又はバイパスダイオード(バイパスダイオード21)が設けられている。このように太陽電池モジュールの他辺に出力端子及びバイパスダイオードを集めて設けると、出力端子及びバイパスダイオードを窓枠の桟等により容易に隠すことができる。
また、本発明においては、前記絶縁部材は、前記正電極バスバーの側端部又は前記負電極バスバーの側端部で折り返されて該側端部を被覆している。これにより、正電極バスバー、負電極バスバー、及び絶縁部材の間に位置ずれが生じ難く、また誤差程度の位置ずれが生じても、各バスバーが絶縁部材により確実に絶縁される。
また、本発明においては、前記バスバーは、絶縁性被覆樹脂(絶縁性被覆樹脂23)により被覆されている。これにより、バスバーの絶縁性がより高められる。
また、本発明においては、前記太陽電池モジュールは、前記各太陽電池セルを挟み込む2枚の透光板(受光面ガラス板2a、裏面ガラス板2b)と、前記各透光板の端部の間に重ねて貼り付けられた2本の両面接着テープ(各両面接着テープ5a、5b)とを備え、前記他辺において、前記各両面接着テープの間から前記第2バー部材に接続された出力端子(正極出力端子13a、13b、負極出力端子14a、14b)を前記各透光板の外部に引き出している。このように各透光板の端部の間に重ねて貼り付けられた各両面接着テープの間から出力端子を引き出すことにより、各透光板の間への水分等の浸入を防止することができ、太陽電池モジュールの耐久性及び信頼性が向上する。
また、本発明においては、前記各太陽電池セルの間を接続する他のバスバー(接続用バスバー7)を備え、前記他のバスバーは、2つのバー部材(第1バー部材7a、第2バー部材7b)を備え、前記各バー部材を絶縁部材(絶縁部材24)を介して太陽電池セルの受光面と直交する方向に重ね合わせている。この場合は、太陽電池セルの配線を一方のバス部材に半田付けするときに、そのバス部材の熱が他のバス部材や絶縁部材に伝導されて分散されるので、バスバーの周辺部材(絶縁性被覆樹脂23、25、封止樹脂4a)の加熱溶融を防止することができる。