[第1実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1に示すように、本発明に係る遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26及び下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には発射ハンドル28が設けられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
遊技領域R1には、例えば、液晶モジュールで構成された表示装置13が備えられている。表示装置13は、長方形状の表示画面13Gを前面に有し、その表示画面13Gが遊技領域R1における中央より若干上寄り位置に配置されている。表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。なお、上述した上皿26の上部には、表示画面13Gでの演出に伴って操作される演出用操作ボタン29が備えられている。
遊技領域R1のうち表示画面13Gの下方には、第1と第2の始動入賞口14A,14B及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、表示画面13Gの左側には、第1始動ゲート18が設けられ、表示画面13Gの右側には、第2始動ゲート140が設けられている。そして、第2始動ゲート140の下方に、大入賞口15が設けられている。なお、遊技領域R1には、各種入賞口14A,14B,15や始動ゲート18,140等の役物以外に、遊技球の流下方向を変化させる障害釘や風車等が配置されている。
次に、上述した各役物の構成について詳説する。第1始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。第1始動ゲート18を通過した遊技球は第1始動ゲート18に内蔵された第1始動スイッチ(図示せず)によって検出され、その検出信号に基づいて、普通図柄当否判定が行われる。なお、普通図柄当否判定の判定結果は、普通図柄表示装置18X(図4参照)にて表示される。
第2始動ゲート140は、上述した第1始動ゲート18と同様に、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、第2始動ゲート140を通過した遊技球は、第2始動スイッチ140S(図4参照)によって検出される。なお、本実施形態では、第2始動スイッチ140Sに遊技球が検出されると、後述する「大当り遊技」が開始されるようになっている。
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
詳細には、上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。また、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。両可動翼片14C,14Cは、通常は、起立状態となって第2の始動入賞口14Bへの遊技球の入球を規制する一方、上述した普通図柄当否判定が当りとなったときに、横倒しになって、遊技球を第2の始動入賞口14Bへ案内可能となる。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。この特別図柄当否判定の判定結果は、特別図柄表示装置14X(図4参照)にて表示されると共に、表示装置13の表示画面13Gにおいて図柄の組み合わせで表示される。このように、本実施形態の遊技機10では、各始動入賞口14A,14Bへの遊技球の入球によって特別図柄当否判定を受ける当否判定権利が発生する。そして、当否判定権利に基づく特別図柄当否判定の結果が当りになったことを条件にして、「大当り遊技」が実行される。なお、本実施形態では、各始動入賞口14A,14Bへの遊技球の入球が本発明に係る「当否判定条件」に相当する。
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、「大当り遊技」が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数(例えば、15回)のラウンドが実行されるまで継続する。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき所定個数(例えば、15個)の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
ここで、本実施形態の遊技機10における「大当り遊技」の実行には、特別図柄当否判定の判定結果が当りのときに遊技球が第2始動ゲート140を通過することを必要とする。言い換えれば、遊技機10では、特別図柄当否判定が当りとなることと、第2始動ゲート140を遊技球が通過することの2つの条件が成立したときに、「大当り遊技」が実行される。なお、本実施形態では、第2始動ゲート140(詳細には、第2始動ゲート140の内側の領域)が本発明の「特定進入領域」に相当する。
ところで、図1に示すように、第2始動ゲート140の上方には、本発明に係る保留装置40が備えられている。この保留装置40は、遊技領域R1を流下する遊技球を受け入れて保留し、後述の保留解除条件が成立したときに、保留している遊技球を排出する。そして、保留装置40から排出された遊技球が、第2始動ゲート140を通過可能となっている。以下、保留装置40について詳説する。
図2及び図3に示すように、保留装置40は、遊技盤11の前面から突出したブロック状の本体部40Hの上部と下部とに、遊技球を受容可能な受入口41と排出口42とを備えると共に、本体部40Hの内部に、受入口41と排出口42との間を連絡する内部流下路43を有した構造になっている。なお、受入口41及び排出口42は、遊技球が1球だけ通過可能な大きさになっていて、内部流下路43の流路断面積は、遊技球が1球ずつ通過可能な大きさになっている。
また、保留装置40には、内部流下路43を流下する遊技球を排出口42の手前で堰き止め可能な堰き止め部材45が設けられている。この堰き止め部材45は、保留駆動源46からの動力を受けて、図3(A)に示す堰き止め位置と、図3(B)に示す解除位置との間を往復する。堰き止め位置に配置された堰き止め部材45は、内部流下路43を遮断して内部流下路43内の遊技球の流下を規制する。他方、解除位置に配置された堰き止め部材45は、全体が内部流下路43よりも後側(図3(B)の右側)に退避して、内部流下路43内の遊技球の流下を許容する。このように、保留装置40では、受入口41から受け入れた遊技球を堰き止め部材45で堰き止めることで、遊技球の動きをいったん停止させることが可能となる。なお、本実施形態では、保留駆動源46は例えばソレノイドで構成され、堰き止め部材45は前後方向に直動する。そして、堰き止め部材45は、可動ストロークの前端に配置されたときに、堰き止め位置に配置され、可動ストロークの後端に配置されたときに、解除位置に配置される。
堰き止め部材45は、通常は、解除位置(図3(B)参照)に配置され、特別図柄当否判定の結果が当りとなったときに、堰き止め位置(図3(A)参照)に配置される。堰き止め部材45の解除位置への移動は、遊技者の意思で決定可能となっている。具体的には、図1に示すように、上皿26の上部には、保留解除ボタン110が備えられていて、保留装置40が遊技球を保留している状態で保留解除ボタン110が操作されると、保留解除条件が成立し、堰き止め部材45が解除位置に移動する。即ち、保留装置40は、保留解除ボタン110が操作されたタイミングで、保留している遊技球を排出する。
ここで、遊技機10では、図2に示すように、保留装置40と第2始動ゲート140との間の間隔が遊技球1個分よりも小さくなっていて、保留装置40を経由しない遊技球が第2始動ゲート140を通過することが困難となっている。従って、第2始動ゲート140には、保留装置40から排出された遊技球だけが通過可能となっている。これにより、遊技機10では、遊技者が意図するタイミングで大当り遊技を実行することが可能となる。なお、本実施形態では、保留装置40の内部流下路43を下方に延長した帯状の領域(図2では、2点鎖線で示されている。)が本発明に係る誘導流路140Rとなっている。
なお、保留装置40には、内部流下路43内の遊技球を検出する保留検出センサ47(図4参照)が備えられている。この保留検出センサ47は、例えば、光センサ等で構成され、常には、オフ状態となっている。そして、保留検出センサ47は、特別図柄当否判定が当りとなったときにオンされ、保留解除条件(即ち、保留解除ボタン110の操作)が成立したときにオフされる。従って、保留検出センサ47が遊技球を検出した場合には、その遊技球は堰き止め部材45にて堰き止められることとなり、保留検出センサ47によって遊技球の保留を検出することが可能となる。保留装置40に関する説明は以上である。
このように、本実施形態の遊技機10では、特別図柄当否判定が当りとなったことに加え、遊技球が第2始動ゲート140に進入したことを条件にして、大当り遊技が実行されるので、特別図柄当否判定が当りとなっても自動的に特典遊技が開始されることがなくなり、大当り遊技の実行にあたって遊技者に受動的な印象を与えることが抑制される。しかも、本実施形態では、第2始動ゲート140には、保留装置40から排出された遊技球が進入可能となっていて、その保留装置40の排出は、遊技者が保留解除ボタン110を操作したタイミングで行われるので、大当り遊技の開始タイミングを遊技者に決定させることが可能となり、大当り遊技に参加しているという印象を遊技者に与えることが可能となる。
また、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技の終了後に大当りとなる確率が通常遊技状態よりも高くなる確変状態へ移行するか否かが、第2始動ゲート140を遊技球が通過したことを契機として報知される。具体的には、確変状態への移行抽選は、特別図柄当否判定と共に行われていて、大当り遊技を開始させるために保留解除ボタン110が操作されて遊技球が第2始動ゲート140を通過すると、大当り遊技が実行される前に、確変状態への移行抽選の結果が表示画面13Gにて報知される。従って、遊技機10では、確変状態へ移行するか否かが遊技者自身の操作により決定されたかのような印象を遊技者に付与することが可能となり、大当り遊技の趣向性の更なる向上を図ることが可能となる。
なお、確変状態は、次の大当り遊技が実行されるまで継続してもよいし、所定回数の当否判定権利が発生するまで継続してもよい。本実施形態では、確変状態が本発明の「特典遊技に付随する別の特典」に相当する。
次に、図4を参照しつつ、遊技機10の電気的な構成について説明する。図4に示すように、符号50は、主制御基板50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御基板52を結ぶ入出力回路と、保留駆動源46、保留検出センサ47、第2始動スイッチ140S、大入賞口15等が接続された中継回路80及び払出制御基板等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、CPU51Aが実行するメインプログラムや、制御データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値や確変移行抽選の判定値が書き込まれている。
主制御基板50は、保留解除ボタン110が操作されたときに保留解除ボタン110から信号を受信し、中継回路80を通して保留駆動源46に制御信号を出力する。また、主制御基板50は、保留検出センサ47や第2始動スイッチ140Sからの信号を受信し、サブ制御基板52へ制御信号を出力する。
サブ制御基板52は、主制御基板50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御基板50を結ぶ入出力回路と、表示制御基板54及びランプ制御回路等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御基板54及びランプ制御回路、音声制御回路等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、CPU52Aが実行するメインプログラムや、各種演出の制御データ等が記憶されている。
表示制御基板54は、表示装置13に設けられていて、サブ制御基板52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄、大当り遊技演出を含む各種演出、及び確変遊技状態への移行の有無の表示画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。
主制御基板50、サブ制御基板52、表示制御基板54及びその他の回路(図4の音声制御回路、ランプ制御回路等)は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
次に、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球したとき、即ち、当否判定権利が発生したときに、その当否判定権利に関して遊技機10(主制御基板50、サブ制御基板52等)が行う当否判定遊技処理(S10)の流れについて、図5に基づいて説明する。同図に示すように、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、主制御基板50にて、特別図柄当否判定処理(S11)が行われ、その当否判定の結果が当りであるか否かが判断される(S12)。なお、主制御基板50は、特別図柄当否判定処理(S11)において、特別図柄当否判定が当りである場合には、その当りを起因にして行われる大当り遊技が終了した後に確変状態へ移行するか否かについての抽選も実行する。
当否判定の結果が外れである場合(S12でNo)には、この当否判定遊技処理(S10)を終了する。一方、当否判定の結果が当りである場合(S12でYes)には、主制御基板50によって、保留装置作動処理(S13)が実行される。この保留装置作動処理(S13)では、保留駆動源46を駆動して堰き止め部材45を堰き止め位置(図3(A)参照)に移動させると共に、保留検出センサ47と第2始動スイッチ140SをONにする。なお、特別図柄当否判定が当りとなる前の通常遊技状態では、保留検出センサ47と第2始動スイッチ140Sとは共にOFFに設定されている。
保留装置作動処理(S13)が終了すると、サブ制御基板52及び表示制御基板54によって、保留を促す表示処理(S14)が実行される。この処理(S14)では、例えば、「右打ちして遊技球を保留装置に保留してください」というメッセージを表示画面13Gに表示する。
保留を促す表示処理(S14)が実行されると、遊技球が保留されているか否かが判断され(S15)、保留されていない場合(S15でNo)には、保留を促す表示処理(S14)が再度実行される。遊技球が保留されている場合(S15でYes)には、サブ制御基板52及び表示制御基板54によって、保留解除を促す表示処理(S16)が実行される。この処理(S16)では、例えば、「保留解除ボタンを押してください」というメッセージを表示画面13Gに表示する。
保留解除を促す表示処理(S16)が実行されると、次いで、保留解除ボタン110が操作されたか否かが判断される(S17)。保留解除ボタン110が操作された場合(S17でYes)には、保留解除処理(S19)が実行される。一方、保留解除ボタン110が操作されていない場合(S17でNo)には、所定の制限時間内であるか否かが判断される(S18)。この制限時間は、例えば、保留解除を促す表示処理(S16)の実行を始点にして設定される。制限時間内である場合(S18でYes)には、再度、保留解除を促す表示処理(S16)が実行され、制限時間を経過した、即ち、制限時間内でない場合(S18でNo)には、保留解除処理(S19)が実行される。
保留解除処理(S19)では、主制御基板50により、堰き止め部材45を解除位置(図3(B)参照)へ移動させると共に、保留検出センサ47をOFFにセットする。なお、堰き止め部材45が解除位置に配置されると、保留装置40に保留されていた遊技球が排出される。
保留解除処理(S19)が実行されると、第2始動ゲート140を通過する遊技球を第2始動スイッチ140Sが検出し、その検出信号を主制御基板50が受信する(S20)。そして、この検出信号を受信すると、表示装置13によって、報知処理(S21)が実行される。報知処理(S21)では、特別図柄当否判定処理(S11)で行われた確変状態への移行の有無についての抽選結果を表示画面13Gにて報知する。なお、第2始動スイッチ140Sは、遊技球の通過を検出すると、次に保留装置作動処理(S13)が実行されるまでの間にOFFにセットされる。
報知処理(S21)が実行されると、主制御基板50によって大当り遊技実行処理(S22)が行われて大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技実行処理(S22)が実行されると、一の当否判定権利についての当否判定遊技処理(S10)が終了する。このようにして、遊技機10は、当否判定権利が発生する度に、その当否判定権利について当否判定遊技処理(S10)を繰り返し実行する。
なお、本実施形態では、主制御基板50が、本発明の「当否判定手段」及び「特典遊技実行手段」に相当し、表示装置13が、本発明の「報知手段」に相当する。
次に、本実施形態の遊技機10の作用効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、遊技領域R1に向かって打ち出された遊技球が第1又は第2の始動入賞口14A,14Bに入賞すると(当否判定権利が発生すると)、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定で当選し、大当りになると、保留装置40への遊技球の保留が促される。
そして、保留装置40に遊技球が受け入れられて保留されると、保留解除ボタン110が操作されたタイミングで、堰き止め部材45が解除位置に移動して保留が解除され、遊技球が、第2始動ゲート140へ流下する。そして、第2始動ゲート140を遊技球が通過することにより、大当り遊技の終了後に確変状態へ移行するか否かが報知され、その後、大当り遊技が開始される。
ここで、本実施形態の遊技機10では、当否判定が当りとなったことに加え、遊技球が第2始動ゲート140を通過したことを条件にして、大当り遊技が実行されるので、特別図柄当否判定が当りとなっても自動的に大当り遊技が開始されることがなくなり、大当り遊技の実行にあたって遊技者に受動的な印象を与えることを抑制可能となる。また、本実施形態では、第2始動ゲート140には、保留装置40から排出された遊技球が通過可能となっていて、保留装置40の排出は、保留解除ボタン110が遊技者に操作されたタイミングで行われるので、大当り遊技を実行するタイミングを遊技者に決定させることが可能となり、大当り遊技に参加しているという印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、大当り遊技の趣向性を向上させることが可能となる。
しかも、本実施形態では、特別図柄当否判定が当りとなって第2始動ゲート140を遊技球が通過すると、大当り遊技の実行前に、その大当り遊技終了後に確変状態へ移行するか否かが報知される。従って、本実施形態では、確変状態へ移行するか否かが遊技者自身の操作により決定されたかのような印象を遊技者に付与することが可能となり、大当り遊技の趣向性の更なる向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、保留装置40に受け入れられた遊技球を堰き止め部材45で堰き止めることで、遊技球の動きをいったん停止させることが可能となっているので、保留解除ボタン110が操作されたタイミングで遊技球を再び流下させることが可能となる。このように、本実施形態の保留装置40によれば、いったん停止した遊技球を流下させることが可能となるので、保留解除ボタン110が操作されてから遊技球が排出されるまでの時間のバラつきを小さくすることが可能となる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を図6に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態を変形したものであり、始動入賞口14A、14Bへの遊技球の入球により発生する当否判定権利に関して遊技機10の主制御基板50、サブ制御基板52等が行う当否判定遊技処理が上記第1実施形態と異なっている。
図6に示すように、本実施形態の当否判定遊技処理(S30)では、まず、主制御基板50にて、特別図柄当否判定処理(S31)が行われ、その当否判定の結果が当りであるか否かが判断される(S32)。なお、上記第1実施形態とは異なり、本実施形態では、特別図柄当否判定処理(S31)において確変状態への移行抽選が実行されない。
当否判定の結果が外れである場合(S32でNo)には、この当否判定遊技処理(S30)を終了する。一方、当否判定の結果が当りである場合(S32でYes)には、主制御基板50によって、保留装置作動処理(S33)が実行される。
保留装置作動処理(S33)が終了すると、サブ制御基板52及び表示制御基板54によって、保留を促す表示処理(S34)が実行される。保留を促す表示処理(S34)が実行されると、遊技球が保留されているか否かが判断され(S35)、保留されていない場合(S35でNo)には、保留を促す表示処理(S34)が再度実行される。遊技球が保留されている場合(S35でYes)には、サブ制御基板52及び表示制御基板54によって、保留解除を促す表示処理(S36)が実行される。
保留解除を促す表示処理(S36)が実行されると、次いで、保留解除ボタン110が操作されたか否かが判断される(S37)。保留解除ボタン110が操作された場合(S37でYes)には、保留解除処理(S39)が実行される。一方、保留解除ボタン110が操作されていない場合(S37でNo)には、保留解除を促す表示処理(S36)の開始を起点として設定された制限時間内であるか否かが判断される(S38)。制限時間内である場合(S38でYes)には、再度、保留解除を促す表示処理(S36)が実行され、制限時間を経過した、即ち、制限時間内でない場合(S38でNo)には、保留解除処理(S39)が実行される。
なお、保留装置作動処理(S33)、保留を促す処理(S34)、保留解除を促す処理(S36)及び保留解除処理(S39)の詳細については、上記第1実施形態の各種処理(図5のステップS13,S14,S16,S19)と同じになっている。
保留解除処理(S39)が実行されると、第2始動ゲート140を通過する遊技球を第2始動スイッチ140Sが検出し、その検出信号を主制御基板50が受信する(S40)。主制御基板50は、第2始動ゲート140からの検出信号を受信すると、特典抽選処理(S41)を行う。特典抽選処理(S41)では、大当り遊技の終了後に、確変状態へ移行するか否かが抽選される。なお、この抽選は、例えば、第2始動スイッチ140からの検出信号を受信したタイミングで乱数を取得することにより行われる。
この検出信号を受信すると、表示装置13によって、報知処理(S42)が実行される。報知処理(S42)では、特典抽選処理(S41)で行われた確変状態への移行抽選の結果を表示画面13Gにて報知する。
報知処理(S42)が実行されると、主制御基板50によって大当り遊技実行処理(S43)が行われ、大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技実行処理(S42)が実行されると、一の当否判定権利についての当否判定遊技処理(S30)が終了する。このようにして、遊技機10は、当否判定権利が発生する度に、その当否判定権利について当否判定遊技処理(S30)を繰り返し実行する。
本実施形態に係る当否判定遊技処理(S30)の説明は以上である。次に、本実施形態に係る遊技機10の作用効果について説明する。
本実施形態の遊技機10によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。また、本実施形態では、特別図柄当否判定が当りとなって第2始動ゲート140を遊技球が通過すると、確変状態への移行抽選が行われる。ここで、第2始動ゲート140には、保留装置40から排出された遊技球が通過可能となっていて、保留装置40からの遊技球の排出のタイミングは、遊技者により決定される。従って、本実施形態では、確変状態へ移行するか否かが遊技者自身の操作により決定されることとなり、大当り遊技の趣向性の更なる向上を図ることが可能となる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を図7に基づいて説明する。本実施形態の遊技機10では、大当りとなるためには、始動入賞口14A,14Bへの入球に起因した当否判定が当りになるだけでなく、別の当否判定が当りとなることが必要となる点が、上記第1、第2実施形態とは異なる。以下、始動入賞口14A,14Bへの入賞に起因した当否判定を「1次当否判定」、別の当否判定を「2次当否判定」と適宜称して説明を行う。
1次当否判定は、上記第1、第2実施形態の特別図柄当否判定と同様にして行われる。即ち、何れかの始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、当否判定権利が発生し、その当否判定権利に基づいて、主制御基板50にて当否判定が行われる。
2次当否判定は、1次当否判定が当りとなったときにのみ行われ、1次当否判定が外れのときには行われない。2次当否判定は、第2始動ゲート140(第1実施形態の図1参照)に遊技球が通過したことを条件にして行われる。具体的には、第2始動スイッチ140S(第1実施形態の図4参照)からの検出信号を主制御基板50が受信すると、その受信タイミングに基づいて2次当否判定用の乱数を取得し、取得した乱数に基づいて当否判定を行う。そして、2次当否判定で当りとなると、大当り遊技が実行される。
図7には、始動入賞口14A,14Bへ遊技球が入球して当否判定権利が発生したときに、その当否判定権利について遊技機10の主制御基板50、サブ制御基板52等が行う当否判定遊技処理(S50)が示されている。この当否判定遊技処理(S50)では、1次当否判定処理(S51)が行われ、次いで、その1次当否判定の結果が当りであるか否かが判断される(S52)。1次当否判定処理(S51)では、始動入賞口14A,14Bへの入球に起因して、主制御基板50が1次当否判定を行う。なお、1次当否判定の結果は、表示画面13Gにて、例えば、図柄の組合せにより報知される。
1次当否判定の結果が外れである場合(S52でNo)には、この当否判定遊技処理(S50)を終了する。一方、1次当否判定の結果が当りである場合(S52でYes)には、主制御基板50によって、保留装置作動処理(S53)が実行され、次いで、保留を促す表示処理(S54)が実行される。
保留を促す表示処理(S54)が実行されると、遊技球が保留されているか否かが判断される(S55)。遊技球が保留されていない場合(S55でNo)には、保留を促す表示処理(S54)の開始を起点として設定された制限時間内であるか否かが判断され(S56)、制限時間内である場合(S56でYes)には、保留を促す表示処理(S54)が再度実行される。一方、制限時間内でない場合、即ち、制限時間を経過している場合(S56でNo)には、事後処理(S61)を実行して、この当否判定遊技処理(S50)を終了する。事後処理(S61)では、堰き止め部材45を解除位置(図3(B)参照)へ移動させると共に、保留検出センサ47をOFFにセットする。なお、事後処理(S61)の内容は、後述する保留解除処理(S60)と同じになっている
遊技球が保留されている場合(S55でYes)には、保留解除を促す表示処理(S57)が実行され、次いで、保留解除ボタン110が操作されたか否かが判断される(S58)。保留解除ボタン110が操作された場合(S58でYes)には、保留解除処理(S60)が実行される。一方、保留解除ボタン110が操作されていない場合(S58でNo)には、上述した制限時間内であるか否かが判断される(S59)。制限時間内である場合(S59でYes)には、再度、保留解除を促す表示処理(S57)が実行され、制限時間を経過した、即ち、制限時間内でない場合(S59でNo)には、保留解除処理(S60)が実行される。
なお、保留装置作動処理(S53)、保留を促す処理(S54)及び保留解除を促す処理(S57)については、上記第1実施形態の各種処理(図5のステップS13,S14,S16,S19)と同じになっている。
保留解除処理(S60)では、主制御基板50により、堰き止め部材45を解除位置(図3(B)参照)へ移動させると共に、保留検出センサ47をOFFにセットする。なお、堰き止め部材45が解除位置に配置されると、保留装置40に保留されていた遊技球が排出される。
保留解除処理(S60)が実行されると、第2始動ゲート140を通過する遊技球を第2始動スイッチ140Sが検出し(S62)、その検出信号を受信した主制御基板50が2次当否判定処理(S63)を実行する。2次当否判定処理(S63)では、主制御基板50が、第2始動スイッチ140Sからの検出信号を受信したタイミングで2次当否判定用の乱数を取得し、その取得した乱数に基づいて2次当否判定を行う。また、この処理(S63)では、2次当否判定の結果を、例えば、表示画面13Gにて報知する。
2次当否判定処理(S63)が実行されると、次いで、2次当否判定の結果が当りであるか否かが判断される(S64)。2次当否判定の結果が外れである場合(S64でNo)には、この当否判定遊技処理(S50)を終了する。一方、2次当否判定の結果が当りである場合(S64)には、大当り遊技実行処理(S65)を実行する。大当り遊技実行処理(S65)が実行されると、一の当否判定権利についての当否判定遊技処理(S50)が終了する。このようにして、遊技機10は、当否判定権利が発生する度に、その当否判定権利について当否判定遊技処理(S50)を繰り返し実行する。
本実施形態に係る当否判定遊技処理(S50)の説明は以上である。次に、本実施形態に係る遊技機10の作用効果について説明する。
本実施形態の遊技機10によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。また、本実施形態では、1次当否判定が当りとなって第2始動ゲート140を遊技球が通過すると、2次当否判定が行われ、その2次当否判定が当りとなったときに、大当り遊技が実行される。ここで、第2始動ゲート140へは、保留装置40から排出された遊技球が進入可能となっていて、保留装置40からの遊技球の排出のタイミングは、遊技者により決定される。従って、本実施形態では、大当り遊技が実行されるか否かが遊技者自身の操作により決定されることとなり、大当り遊技の趣向性の更なる向上を図ることが可能となる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態において、保留装置40と第2始動ゲート140との間を連絡する連絡通路141(本発明の「誘導流路」に相当する。)を備えた構成としてもよい。その際、第2始動ゲート140は、保留装置40から遊技球1個分以上離れて配置されてもよいし、図8(A)に示すように、保留装置40の下方から側方にずれた位置に配置されてもよい。何れの場合であっても、第2始動ゲート140には、保留装置40から排出された遊技球のみが通過可能となり、遊技者が意図するタイミングで大当り遊技を実行することが可能となる。また、第2、第3実施形態においては、遊技者が意図するタイミングのみによって第2始動ゲート140に遊技球が通過することになるので、確変状態への抽選や2次当否判定の結果が遊技者の操作に依拠して決定されることとなり、保留解除ボタン110を操作する遊技者にドキドキ感を与えることが可能となる。なお、図8(A)では、連絡通路141を構成する通路構成壁141Hの内部に第2始動ゲート140が配置されている例が示されているが、第2始動ゲート140は、通路構成壁141Hの外部に配置されてもよい。
(2)上記実施形態において、図8(B)に示すように、保留装置40と第2始動ゲートとの間の間隔を遊技球1個分以上として、保留装置40を経由しない遊技球が第2始動ゲート140を通過可能な構成としてもよい。この構成によれば、遊技者が意図するタイミングで、大当り遊技が実行される場合と、遊技者が意図しないタイミングで大当り遊技が実行される場合の両方が混在することとなり、特典遊技の実行にあたり趣向性の向上を図ることが可能となる。また、第2、第3実施形態においては、遊技者が意図するタイミングだけでなく、遊技者が意図しないタイミングで遊技球が第2始動ゲート140を通過する場合があるので、確変状態への移行抽選や2次当否判定のランダム性を増加させることが可能となる。
(3)上記第2、第3実施形態において、保留解除ボタン110の操作を促す際に、図9に示すように、表示画面13Gにルーレットを表示して、確変状態への移行抽選又は2次当否判定における当り外れを視覚的に認識させるようにしてもよい。その際、表示画面13Gに表示されたルーレットの当り外れの目を、そのまま、確変状態への移行抽選又は2次当否判定の当り外れに対応させると共に、保留解除ボタン110が操作されたタイミングでルーレットが停止するようにしてもよい。さらに、ルーレットをゆっくり回転させることで、遊技者の意思により当り外れを決定可能な構成としてもよい。
(4)上記第1、第2実施形態では、第2始動ゲートへの遊技球の通過により報知又は抽選される対象が、次回大当りまで継続する確変状態への移行の有無であったが、回数限定付きの確変状態であるスペシャルタイム(ST)への移行の有無或いは普通図柄の当否判定が当りとなる確率が高くなる時短遊技への移行の有無であってもよい。また、大当り遊技の終了後に必ずST又は時短遊技へ移行する場合には、ST回数又は時短回数の大小を報知又は抽選する構成としてもよい。なお、この場合、ST又は時短遊技が本発明の「特典遊技に付随する別の特典」に相当し、ST回数又は時短回数の大小が本発明の「別の特典の大小」に相当する。
(5)上記第1,第2実施形態では、第2始動ゲートへの遊技球の通過により報知又は抽選される対象が、次回大当りまで継続する確変状態への移行の有無であったが、大当り遊技としてラウンド数が異なる複数種類が設けられている場合には、ラウンド数の大小を報知又は抽選の対象としてもよい。また、大当り遊技のラウンド数は固定されているが、1ラウンドにおける開放時間として遊技球の入球が困難な程度に短いものが含まれていて、実質的に遊技球を入球可能なラウンド数に差異がある場合には、実質的に遊技球が入球可能なラウンド数の大小を報知又は抽選の対象としてもよい。なお、本構成では、ラウンド数(実質的に遊技球が可能なラウンド数を含む。)の大小が「特典遊技における特典の大小」に相当する。
(6)上記第2、第3実施形態では、保留を促す表示処理(S54)や保留解除を促す表示処理(S36)の開始から、保留や保留解除がなされずに所定の制限時間が経過すると、次の処理を実行していたが、制限時間を設けずに、保留や保留解除が行われるまで次の処理を実行しない構成としてもよい。
(7)上記実施形態において、保留装置40の代わりに、図10(A)に示す保留装置40Vを用いてもよい。保留装置40Vは、内部流下路43の途中に備えた円形受容部43Jに、遊技球を受容可能な凹部145Aを外周部に備えた球受回転部材145を回転可能に受容した構成としてもよい。保留装置40Vでは、球受入口41から流下してきた遊技球を凹部145Aにて受け入れ、保留解除条件が成立すると、球受回転部材145が回転し、球排出口42から遊技球が排出される。
(8)上記実施形態において、保留装置40の代わりに、図10(B)に示す保留装置40Wを用いてもよい。保留装置40Wは、内部流下路43の途中に備えた円形受容部43Jに風車146を回転可能に収容している。円形受容部43Jは、風車146の羽根146Aによって、遊技球を1つだけ受け入れ可能な複数の部屋147に区画され、球受入口41から流下してきた遊技球は一の部屋147に受容される。そして、保留解除条件が成立すると、風車146が回転し、当該一の部屋147に受容されている遊技球が球排出口42から排出される。
(9)上記実施形態では、保留装置40が遊技球を1つだけ保留可能に構成されていたが、遊技球を複数保留可能に構成されてもよい。この場合において、第2始動スイッチ140Sは、[A]保留遊技球を複数検出可能な構成であってもよいし、[B]保留遊技球を1個だけ検出可能な構成であってもよい。構成[A]の例としては、1個目の保留遊技球の検出による抽選(大当り抽選、確変以降抽選、ST移行抽選等)の内容と2個目以降の保留遊技球の検出による抽選の内容を同じにすることが挙げられる。具体的には、1個目の保留遊技球を用いた抽選の結果が外れであった場合には、2個目以降の保留遊技球を用いて再度抽選を行う。また、構成[A]の別の例としては、1個目の保留遊技球の検出による当否判定や抽選の内容と2個目以降の保留遊技球の検出による当否判定や抽選の内容を異ならせること挙げられる。具体的には、1個目の保留遊技球を用いて、大当り抽選を実行し、その結果が当りであった場合に、2個目以降の保留遊技球を用いて、大当り遊技でのラウンド数や確変、STの有無を抽選する。構成[B]の例としては、保留装置40と第2始動ゲート140との間のスペースに保留装置40を経由しない遊技球が進入可能な構成として、保留装置140から排出された1個目の保留遊技球が保留装置40を経由しない他の遊技球と衝突して第2始動ゲート140を通過しなかったときに、2個目以降の保留遊技球を排出することが挙げられる。
(10)図11(A)及び図11(B)に示すように、保留装置240に複数の排出口42を備えて、各排出口42に対応させて複数の第2始動ゲート140を設けた構成としてもよい。その際、保留装置240は、各排出口42に対応した堰き止め部材45を備え、保留解除ボタン110が操作される毎に、複数の堰き止め部材45を所定の順序で解除位置へ移動させる構成(図11(B)参照)としてもよいし、1つの堰き止め部材45で複数の排出口42を同時に開閉する構成としてもよい。なお、本構成においては、第2始動ゲート140の遊技球の通過による抽選の内容は、複数の第2始動ゲート140の間で同じにしてもよいし、異ならせてもよい。各場合における具体的な抽選内容については、上記(9)で説明した通りである。
(11)上記実施形態では、保留装置40は、保留する遊技球をいったん停止可能に構成されていたが、遊技球を停止させることなく絶えず転動させる構成であってもよい。具体的には、保留装置40内に遊技球を転動可能なクルーン等の転動部材を設けると共に、その転動部材に遊技球を下方に流下させる排出孔を形成した構成としてもよい。
(12)上記実施形態では、保留装置40の球受入口41は常時開放した構成になっていたが、球受入口41を開閉する部材を備えて、保留装置40が作動しているときにのみ球受入口41を開放する構成としてもよい。
[上記実施形態及び上記他の実施形態の構成のまとめ]
上記実施形態及び上記他の実施形態には、以下の[1]〜[7]の構成が含まれている。
[1]
遊技媒体が流下可能な遊技領域が前面に形成された遊技盤と、
遊技の進行に応じて発生する当否判定条件の成立に起因して、遊技に関する当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定が当りとなったことを条件として、遊技者に特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、
遊技者が任意のタイミングで操作可能な操作部と、
前記遊技領域内を流下する遊技媒体を受け入れて保留し、前記操作部が操作されたタイミングで、保留している遊技媒体を前記遊技領域に排出して再び流下させる保留装置と、
前記遊技領域に設けられて、前記保留装置から排出された遊技媒体が進入可能な特定進入領域と、を備え、
前記特典遊技実行手段は、前記当否判定が当りのときに、前記特定進入領域に遊技媒体が進入したことを条件として、前記特典遊技を実行することを特徴とする遊技機。
[1]の構成では、当否判定が当りとなったことに加え、遊技媒体が特定進入領域に進入したことを条件にして、特典遊技が実行されるので、当否判定が当りとなっても自動的に特典遊技が開始されることがなくなり、特典遊技の実行にあたって遊技者に受動的な印象を与えることを抑制可能となる。ここで、本発明では、特定進入領域には、保留装置から排出された遊技媒体が進入可能となっていて、保留装置の排出は、操作部が遊技者に操作されたタイミングで行われるので、特典遊技を実行するタイミングを遊技者に決定させることが可能となり、特典遊技に参加しているという印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、特典遊技の趣向性を向上させることが可能となる。
[2]
前記当否判定手段は、前記当否判定が当りのときには、前記特典遊技における特典の大小、又は、前記特典遊技に付随する別の特典の有無若しくは大小を決定し、
前記当否判定が当りのときに前記特定進入領域に遊技媒体が進入したことに起因して、前記特典遊技の実行前に前記特典の大小又は前記別の特典の有無若しくは大小を報知する報知手段を備えたことを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[2]の構成では、当否判定が当りとなって特定進入領域に遊技媒体が進入すると、特典遊技が実行される前に、特典遊技における特典の大小又は特典遊技に付随する別の特典の有無若しくは大小が報知される。ここで、特定進入領域へは、保留装置から排出された遊技媒体が進入可能となっていて、保留装置からの遊技媒体の排出のタイミングは、遊技者により決定される。従って、本発明では、特典の大小又は別の特典の有無若しくは大小が遊技者自身の操作により決定されたかのような印象を遊技者に付与することが可能となり、特典遊技の趣向性の更なる向上を図ることが可能となる。
[3]
前記当否判定が当りのときに前記特定進入領域に遊技媒体が進入したことに起因して、前記特典遊技における特典の大小又は前記特典遊技に付随する別の特典の有無若しくは大小を抽選する特定抽選手段と、
前記特定抽選手段の抽選結果を報知する特定抽選結果報知手段と、を備えたことを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[3]の構成では、当否判定が当りとなって特定進入領域に遊技媒体が進入すると、特典遊技における特典の大小又は特典遊技に付随する別の特典の有無若しくは大小が抽選される。ここで、特定進入領域へは、保留装置から排出された遊技媒体が進入可能となっていて、保留装置からの遊技媒体の排出のタイミングは、遊技者により決定される。従って、本発明では、特典の大小又は別の特典の有無若しくは大小が遊技者自身の操作により決定されることとなり、特典遊技の趣向性の更なる向上を図ることが可能となる。
[4]
前記当否判定が当りのときに前記特定進入領域に遊技媒体が進入したことに起因して、特定当否判定を行う特定当否判定手段を備え、
前記特典遊技実行手段は、前記特定当否判定が当りとなったときに、前記特典遊技を実行することを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[4]の構成では、当否判定が当りとなって特定進入領域に遊技媒体が進入すると、特定当否判定が行われ、その特定当否判定が当りとなったときに、特典遊技が実行される。ここで、特定進入領域へは、保留装置から排出された遊技媒体が進入可能となっていて、保留装置からの遊技媒体の排出のタイミングは、遊技者により決定される。従って、本発明では、特典遊技が実行されるか否かが遊技者自身の操作により決定されることとなり、特典遊技の趣向性の更なる向上を図ることが可能となる。
[5]
前記保留装置には、遊技媒体を受け入れ可能な受入口と、前記受入口から受け入れた遊技媒体を排出可能な排出口と、前記受入口から前記排出口へ流下する遊技媒体を堰き止め可能な堰き止め位置とその堰き止めを解除する解除位置との間を移動可能な堰き止め部材と、が設けられ、
前記堰き止め部材は、前記操作部が操作されたタイミングで前記堰き止め位置から前記解除位置へ移動することを特徴とする[1]乃至[4]の何れか1に記載の遊技機。
[5]の構成では、保留装置に受け入れられた遊技媒体を堰き止め部材で堰き止めることで、遊技媒体の動きをいったん停止させることが可能となる。そして、操作部が操作されると、堰き止め部材が堰き止め位置から解除位置へ移動するので、操作部が操作されたタイミングで遊技媒体を再び流下させることが可能となる。このように、本発明の保留装置によれば、停止している遊技媒体を流下させることが可能となるので、操作部が操作されてから遊技媒体が排出されるまでの時間のバラつきを小さくすることが可能となる。
[6]
前記保留装置と前記特定進入領域との間には、前記保留装置から排出された遊技媒体を前記特定進入領域へと誘導すると共に、前記保留装置を経由しないで流下してきた遊技媒体の前記特定進入領域への進入を規制する誘導流路が設けられていることを特徴とする[1]乃至[5]のうち何れか1に記載の遊技機。
[6]の構成によれば、特定進入領域には、保留装置から排出された遊技媒体だけが進入可能となっているので、遊技者が意図するタイミングで特典遊技を実行することが可能となる。
[7]
前記特定進入領域は、前記保留装置の排出口から遊技球1個分以上の間隔をあけて配置されて、前記保留装置を経由しない遊技媒体が進入可能に構成されていることを特徴とする[1]乃至[5]のうち何れか1に記載の遊技機。
[7]の構成によれば、特定進入領域には、保留装置から排出された遊技媒体だけでなく、保留装置を経由しない遊技媒体も進入可能となっているので、遊技者が意図するタイミングで特典遊技が実行される場合と、遊技者が意図しないタイミングで特典遊技が実行される場合の両方が混在することとなり、特典遊技の実行にあたり趣向性の向上を図ることが可能となる。