JP6103356B2 - 照明装置 - Google Patents
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Description
図10に示す照明装置1Xは、天井10の取付孔11に埋設される有底円筒型の装置本体6と、基板70の表面に発光素子71が実装されてなる発光モジュール7とを有する。さらに照明装置1Xは、発光素子71の出射光を反射させるように配された反射部材8と、発光素子71を覆うように配された透光性のカバー(透明パネル)9等とを有する。
照明装置1Xでは、製造誤差や設計上の理由等により、カバー9の側壁部90と収納空間60内の側面62との間に、外部と直接連通する間隙D4を生じることがある。一方、クランク部61の周辺において、照明装置1Xに振動が外部から加わる等の理由により、カバー9と反射部材8との間に間隙D4と連通する間隙D5を生じることがある。
このため、照明装置1Xを屋外等で使用する場合、間隙D4、D5を通じて微小な昆虫や空気中に浮遊する塵や埃、ゴミ等(以下、これらを単に「異物」と称する。)が入り込み、カバー9の内部に侵入する可能性がある。カバー9の内部に侵入した異物は、発光面に影を生じる原因となりうる。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであって、外部からカバー内への異物の侵入を効果的に防止することが可能な照明装置を比較的低コストで提供することを目的とする。
ここで本発明の別の態様として、前記カバーは前記収納空間との対向面側において、前記中央部の周縁全周に対応する位置に立設された側壁部をさらに備え、前記側壁部が前記収納空間に挿入されている構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様として前記収納空間の開口周縁が、前記開口周縁の外側領域よりも前記収納空間の底面に向けて凹入された段差部となっている構成とすることもできる。
本発明の別の態様として、前記装置本体は、前記収納空間の開口周縁を取り囲むように配された反射部を有する構成とすることもできる。
本発明の別用態様として、前記発光モジュールを保持するホルダをさらに備え、前記発光モジュールは前記ホルダに保持された状態で前記収納空間に収納されている構成とすることもできる。
本発明の別の態様として、前記発光素子をLED素子とすることもできる。
これにより、カバーを覆う透明パネルを用いたり、カバーと収納空間との間の間隙に充填する充填剤等を用いなくても、収納空間の開口周縁付近からカバーと収納空間との間の間隙を伝って異物がカバー内に侵入するのを効果的に防止できる。
尚、以下の説明では便宜上、各図におけるZ方向を「上方」、逆Z方向を「下方」と称する。
<実施の形態1>
(照明装置1の構成)
実施の形態1に係る照明装置1の構成を、図1の上方から見た外観図、及び図2の下方から見た外観図にそれぞれ示す。照明装置1は、円形のダウンライト型としている。
[点灯装置2]
点灯装置2は、外部の商用の交流電源より光源部5に電力供給する。図3の分解図に示すように、具体的構成として点灯装置2は、回路ユニット20と、下ケース21Aと、上ケース21Bと、端子台22と、端子台カバー23とを有してなる。回路ユニット20には、一例として商用の交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路等が組み込まれている。
端子台22は発光モジュール50の配線(不図示)と商用の交流電源とを回路ユニット20に電気接続する。
[取付バネ3]
天井等の造営材には、照明装置を取り付けるための取付孔が形成されている(図10参照)。取付バネ3は照明装置1をその取付孔に固定する手段として用いられる。具体的構成として、取付バネ3は可撓性を有する帯状の金属板(ステンレス板等)で構成される。照明装置1において、取付バネ3は装置本体4の周囲に一定間隔をおいて複数(ここでは3個)設けられる。
[装置本体4]
図2に示すように、装置本体4は、下方(Z方向)より平面視した際に収納空間を有する外観形状を持つ。
収納空間42は、主として光源部5を収納して保持するための空間として用いられる。具体的な構成として、収納空間42を臨む筐体40の表面には、内底面421と、内底面421の周囲を取り囲む側面422とが存在する。筐体40の開口周縁423には、その全周にわたって段差部424が存在する(図4)。
段差部424は、カバー53におけるフランジ部532の裏面532aと面接触する部位として用いられる。具体的構成として段差部424は、開口周縁423が、その外側領域よりも収納空間42の内底面421に向けて凹入されてなる。段差部424の表面は、光源部5のランプ軸(Z)方向と直交する平面(XY平面)に沿って平坦化されている。
枠部44は、天井の取付孔(図10の取付孔11を参照)に照明装置1を埋設した際、取付孔の周縁と当接する部位として用いられる。
プレート45は、天井と枠部44との間に配される緩衝部材である。
[光源部5]
光源部5は、発光モジュール50と、放熱シート51と、ホルダ52と、カバー53とを有してなる(図4)。
(i)発光モジュール50
発光モジュール50は、図5(a)のカバー53周辺の部分断面図に示すように、基板500と、基板500の一方の表面に形成された発光部501とを有する。発光部501は、複数の発光素子502と、発光素子502を封止する透光性の波長変換部材503とを有する。
波長変換部材503は、透光性の封止樹脂材料に蛍光体材料を含有させてなる。波長変換部材503は、発光素子502の出射光における青色発光波長の一部を長波長側に波長変換する。これにより、発光モジュール50からの出射光が白色に調整される。
(ii)放熱シート51
放熱シート51は、発光モジュール50の駆動熱を装置本体4の台座部429側に効率よく放熱させる手段として用いられる。照明装置1において、放熱シート51は台座部429と発光モジュール50との間に挟設される(図4)。これにより発光モジュール50が放熱シート51を介して台座部429と熱結合される。具体的構成として、放熱シート51は伝熱性に優れるシリコーン樹脂等を用いたシートで構成される。
(iii)ホルダ52
ホルダ52は、発光モジュール50を保持する手段として用いられる。ホルダ52の外観形状は収納空間42の内部に収納可能な高さを有する円柱状である。具体的構成として、ホルダ52は下方側のZ方向端面に設けられた反射部520を有する(図3、図4)。反射部520の中央には、発光モジュール50の発光部501を露出させる窓孔521が存在する(図4、図5(a))。また、ホルダ52は反射部520の周囲より上方側に向けて立設された円筒状の側壁部522と、側壁部522の外面に突設された係合爪523とを有する(図4)。側壁部522の高さ(Z方向高さ)は収納空間42の深さ(Z方向深さ)より低めに設定されている。
ホルダ52は白色顔料を混合した樹脂材料を射出成形して構成される。あるいはホルダ52は金属材料の表面に白色塗料を塗布して構成される。
(iv)カバー53
カバー53は、ホルダ52の窓孔521から露出する発光モジュール50の発光部501を覆う。またカバー53は、発光部501の出射光を外部に出射させる。カバー53は、全体としてホルダ52の形状に合わせた有底筒状の形状を有する。
側壁部530は、円筒状に形成された部位である。側壁部530の高さ(Z方向高さ)はホルダ52の側壁部522の高さと同等に、収納空間42の深さ(Z方向深さ)より低く設定される。側壁部530は収納空間42に嵌り込むように配される。側壁部530の内径はカバー53の外形とほぼ一致させている。尚、側壁部530の内面には、ホルダ52の係合爪523と係合するための係合溝533が存在する。
フランジ部532は、中央部531の周囲と連続して形成される。フランジ部532は、その直径P2が収納空間42の直径P1よりも大きくなるように設定されている(図5(a))。また、フランジ部532は、その裏面532aが装置本体2の段差部424の表面と同様に、光源部5のランプ軸(Z)方向と直交する平面(XY平面)に沿って平坦化されている(図5(a))。
さらにカバー53は、図5(a)における領域Aの拡大断面図(図5(b))に示すように、中央部531の平均厚みをt1、フランジ部532の平均厚みをt2とするとき、t1<t2の関係が成立するように構成される。
(光源部5の取付方法)
まず、ホルダ52にカバー53を被せる。このときホルダ52の係合爪523をカバー53の係合溝533と係合させる。これによりホルダ52とカバー53とを一体とする。
(照明装置1の設置方法)
照明装置1を天井に設置する際の方法を説明する。作業者は各取付バネ3を装置本体4の高さ(Z)方向に沿って撓ませる(図1)。この状態で、点灯装置2及び装置本体4を天井に設けた取付孔に挿入する。枠部44が天井に当接した状態で作業者が取付バネ3から手を放すと、取付バネ3が復元して照明装置1が取付孔の周囲に係止される。これにより照明装置1を天井の取付孔に埋設することができる。
(照明装置1において奏される効果)
以上の構成を有する照明装置1では、以下の諸効果を期待できる。
[異物侵入の防止効果]
照明装置1では、雌ねじ524、525と雄ねじB1、B2の締結により、カバー53がホルダ52とともに収納空間42の内底面421まで引き上げられて固定されている。これにより、カバー53のフランジ部532の裏面532aが収納空間42の開口周縁423の全周にわたり、段差部424の表面に圧接されて面接触している(図5(a))。また、照明装置1に対して外部より振動が加わっても、フランジ部532の裏面532aと段差部424との面接触を維持することができる。従って、仮にカバー53の側壁部530と収納空間42の側面422との間に、外部と直接連通する間隙D1が存在しても、異物が間隙D1に侵入するのを効果的に防止できる。よって、発光面に異物の影を生じて発光特性を低下させる問題を回避することができる。この効果を得るためには、カバー53を外部より被覆する透明パネルや、間隙D1を埋める充填剤を別途用いる必要がない。結果として、屋外で使用する場合であっても、外部からカバー53内への異物の侵入を効果的に防止することが可能な照明装置1を比較的低コストで提供できる。
また、実際に照明装置1を製造する場合には、カバー53の側壁端部534又はホルダ52の側壁端部526と収納空間42の内底面421との間に微小な間隙を設けることがある(図3、図4)。このような構成であっても、フランジ部532が開口周縁423の全周にわたり、段差部424の表面と面接触していれば、上記効果を期待できる。
[導光効果]
比較のため図7(b)の拡大断面図に、フランジ部532を有さず、中央部531Xの周縁が反射部43に近接配置されるカバー53Xを用いた照明装置を示す。この構成において、駆動時に中央部531Xの周縁よりやや外側に向けて発光モジュールより出射される出射光L3を想定する。出射光L3が側壁部530Xに当たる際、側壁部530Xを突き抜けて側面422X付近に当たると、出射光L3を反射部43でうまく反射させることができない。そのため、出射光L3を照明光として効率よく利用することが困難な場合が想定される。
[カバー53の破損防止効果]
照明装置1では、カバー53のフランジ部532の平均厚みt2を比較的厚く設定している。これによりフランジ部532と、フランジ部532に近接する側壁部530の周辺とが肉厚に形成されている。よって、カバー53の機械的強度が高められている。従って、カバー53をホルダ52とともに装置本体4に取り付ける際、雌ねじ524、525と雄ねじB1、B2の締結トルクをある程度高めても、側壁端部534(図6)が内底面421と当接してカバー53が破損するのを防止できる。また同様に、フランジ部532の裏面532aと段差部424とが圧接する際に、フランジ部532が破損するのを防止できる。
<実施の形態2>
実施の形態2に係る照明装置のカバー53周辺の構成を、図8の部分拡大図に示す。実施の形態2の照明装置が実施の形態1の照明装置1と異なる点は、収納空間42とフランジ部532との間に介挿されたパッキンPを有する点である。パッキンPは、一例としてシリコーン樹脂や合成ゴム等からなる透光性のエラストマー材料で構成される。パッキンPは収納空間42の開口周縁423の全周にわたり、無端環状に配されている。図8に示すように、フランジ部532はパッキンPを介し、収納空間42の開口周縁423における段差部424と間接的に面接触している。パッキンPの厚みを調節することで、XY方向に沿ったフランジ部532と段差部424との間の隙間はパッキンPでほぼ封止されている。
この実施の形態2においても、実施の形態1と同様の諸効果を期待できる。さらにパッキンPの配設によりカバー53付近の防水性が高められているので、照明装置を屋外使用する際に雨滴等の水滴がかかっても、水分が照明装置の内部に侵入するのを防止できる。結果として、止水効果による照明装置の長寿命化を期待できる。また、実施の形態2は、実施の形態1の照明装置1において、パッキンPをカバー53と収納空間42との間に設けることで実現できる。従って、比較的高い実現性を有する。
また、実施の形態2において、パッキンPはフランジ部532と段差部424との間に配設する構成に限定されない。パッキンPは、少なくとも収納空間42とカバー53との間に介挿されていればよい。従って、例えばカバー53の側壁部530と収納空間42内の側面422の間にのみパッキンPを設けることもできる。
<実施の形態3>
実施の形態3に係る照明装置のカバー53周辺の部分拡大図を図9に示す。実施の形態3が実施の形態1と異なる点は、装置本体4Aが装置本体4のように反射部43を持たない構成とした点である。この場合、カバー53のフランジ部532は装置本体4Aの表面より上方に膨出するように配置される(図9)。しかしながら、このような構成であっても、実施の形態1と同様の効果を期待することができる。すなわち、反射部43は本発明に必須の構成ではなく、適宜省略することが可能である。
<その他の事項>
実施の形態1では、発光モジュールとして、基板表面にCOB技術により発光素子を実装した構成を例示した。本発明の発光モジュールにおける発光素子の実装方法はこれに限定されない。例えば基板をプリント基板とし、発光素子をSMD(表面実装型デバイス)として実装した構成としてもよい。また、複数の発光モジュールを収納空間42の内部に並べて収納してもよい。
実施の形態1の照明装置1では、装置本体4に点灯装置2を直接固定する構成を例示したが、装置本体4と点灯装置2とは互いに離間して設けてもよい。この場合、点灯装置2は天井の裏等に載置することができる。
本発明の照明装置は、異物と接触しやすい屋外使用時に特に高い効果を奏する。しかしながら本発明の照明装置は、屋内で使用しても屋外使用時と同様に優れた効果を期待することができる。
P1 収納空間の直径
P2 フランジ部の直径
P パッキン
t1 中央部の平均厚み
t2 フランジ部の平均厚み
1、1X 照明装置
2 点灯装置
3 取付バネ
4、4A、6 装置本体
5 光源部
10 天井
11 取付孔
42、60 収納空間
51 発光モジュール
52 ホルダ
53 カバー
421 内底面
422 側面
423 開口周縁
424 段差部
429 台座部
500 基板
501 発光部
502 発光素子
503 波長変換部材
521 窓孔
522 ホルダの側壁部
530 カバーの側壁部
531 中央部
532 フランジ部
532a フランジ部の裏面
Claims (10)
- 基板の表面に発光素子が実装されてなる発光モジュールと、前記発光モジュールを収納
する収納空間を有する装置本体と、前記収納空間に前記発光モジュールが収納された状態
で、前記収納空間を外部より被覆するように装着された透光性のカバーとを備える照明装
置であって、
前記カバーは、前記収納空間を被覆する中央部と、前記中央部の周縁に形成されたフラ
ンジ部とを有し、且つ前記フランジ部が前記収納空間の開口周縁の全周にわたり面接触す
るように、前記装置本体に固定されており、
前記収納空間の開口周縁が、前記開口周縁の外側領域よりも前記収納空間の底面に向け
て凹入された段差部となっている
照明装置。 - 前記カバーにおいて、前記中央部の平均厚みをt1とし、前記フランジ部の平均厚みを
t2とするとき、t1<t2の関係が成立する
請求項1に記載の照明装置。 - 前記カバーは前記収納空間との対向面側において、前記中央部の周縁全周に対応する位
置に立設された側壁部をさらに備え、
前記側壁部が前記収納空間に挿入されている
請求項1または2に記載の照明装置。 - 少なくとも、前記収納空間と前記カバーの側壁部との間に介挿されたパッキンをさらに
備える
請求項3に記載の照明装置。 - 前記収納空間の開口周縁の形状が円形である
請求項1に記載の照明装置。 - 前記装置本体は、前記収納空間の開口周縁を取り囲むように配された反射部を有する
請求項1〜5のいずれかに記載の照明装置。 - 前記発光モジュールを保持するホルダをさらに備え、
前記発光モジュールは前記ホルダに保持された状態で前記収納空間に収納されている
請求項1〜6のいずれかに記載の照明装置。 - 前記ホルダと前記カバーとは互いに係合されており、
前記ホルダと前記カバーの少なくとも一方が締結部材を用いて前記装置本体側に密着し
た状態で固定されることにより、
前記フランジ部が前記開口周縁の全周にわたり面接触している
請求項7に記載の照明装置。 - 前記発光素子はLED素子である
請求項1〜8のいずれかに記載の照明装置。 - 前記発光素子に電力を供給するための点灯装置をさらに備える
請求項1〜9のいずれかに記載の照明装置。
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