JP6102803B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内空間の空調を行う車両用空調装置、特に、空気を除湿するためのデシカント材を組み込んだ車両用空調装置に関する。
自動車等の車両には、冷房、暖房、除湿、送風等、車室内空間の空調を行う空調装置が備えられる。このような空調装置においては、例えば、夏季の冷房時は、温湿度の高い外気(車外空間の空気)を導入せずに内気(車室内空間の空気)を循環させ、冬季の暖房時は、湿度の低い外気を導入してウィンドシールドの曇りを防止するのが通例である。しかし、冬季に外気導入すると車室内の温度が下がり暖房効率が低下する。そこで、発熱量の少ない車両、例えば、熱効率の高い内燃機関を搭載した車両や、内燃機関が常には駆動しないハイブリッド車や、そもそも内燃機関を持たない電気自動車等においては、熱源が不足するので、暖房時も内気循環する場合がある。ところが、暖房時に内気循環すると車室内の湿度が高くなるため除湿が必要となる。その場合、一般に、除湿はエバポレータを用いて行われるので、エバポレータを駆動するために燃費やバッテリ電力が低下するという不利益や、エバポレータでいったん冷やされた空調風を加熱するのに余分なエネルギーが必要になるという不利益がある。
そこで、空調装置に空気を除湿するためのデシカント材(乾燥材又は除湿材ともいう)を組み込むことが知られている。デシカント材を用いれば、除湿のための駆動力が不要となり、また空調風が冷やされることもない。しかし、デシカント材は吸湿能力に限界があるため、定期的に吸収した水分を排出(排湿)させて飽和したデシカント材を再生する必要がある。
この点、特許文献1には、デシカント材を空気通過可能な円板に担持させ、この円板を湿った外気を通す除湿側空気通路と、再生のための熱風を通す再生側空気通路との間で回転させることにより、デシカント材の吸湿と排湿(再生)とを連続的に行う技術が開示されている。しかし、この技術は、空調装置の大掛かりな変更を必要とし、車両の重量アップ及びコストアップを招く。
そこで、特許文献2に開示される技術を適用することが考えられる。すなわち、特許文献2には、次のような車両用空調装置が開示されている。通常の空調時に空調風が流れる空調風通路にデシカント材がヒータコアや電気ヒータ等の加熱手段と共に配設され、内気循環で暖房するときは、内気が上記加熱手段及びデシカント材を通過して、加熱及び除湿された空調風が生成し、この空調風が吹出口からウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。上記空調風通路における吹出口の手前に流路切替弁が配設され、デシカント材を再生するときは、上記加熱手段で加熱された内気がデシカント材に供給されて、デシカント材から水分を奪った温風となり、この温風が上記流路切替弁により切り替えられた流路を通って車外空間へ排出される。
特許文献2に開示の技術によれば、デシカント材が既存の空調風通路に配設されるので、空調装置の大掛かりな変更を必要とせず、車両の重量アップ及びコストアップが抑制される。また、内気循環の暖房時に内気の加熱に用いる加熱手段が、デシカント材の再生時にはデシカント材から水分を排湿させるための温風の調製に兼用されるので、これによっても空調装置の大掛かりな変更を必要とせず、またデシカント材を空調装置に組み込んだままデシカント材を再生できる。
しかし、特許文献2に開示の技術では、空調風通路及び加熱手段が内気循環の暖房時とデシカント材の再生時とで兼用されるので、デシカント材の再生中は通常の空調が行えない。そのため、デシカント材の再生中は通常の空調が停止して乗員に違和感を与えてしまう。また、デシカント材の再生中は除湿が行えないので、車室内の湿度が高くなり、乗員に不快感を与えると共に、ウィンドシールドが曇り易くなり、結露予防のために特殊なウィンドシールドを用いる等の対策が必要となる。一方、車両が停車して乗員が不在になるまでデシカント材の再生を遅延させていたのでは、それまで除湿が行えないので、やはり車室内の湿度が高くなり、乗員に不快感を与えると共に、ウィンドシールドが曇り易くなる。
特開2011−110951号公報 特開2012−224135号公報
上記不具合に対処するために、例えば、デシカント材を短時間で再生することが提案される。デシカント材を短時間で再生することができれば、たとえその間通常の空調が行えなくても、乗員が違和感や不快感を感じる度合い、及びウィンドシールドが曇る度合いが少なくて済む。そのため、信号待ち等、車両の運転中の一時停車時にデシカント材を再生することが可能となる。
ところが、次のような新たな課題が生じる。すなわち、デシカント材を短時間で再生するためには、例えば、デシカント材を専用の再生用加熱手段により例えば100℃近い高温まで強制的に急加熱することになる。すると、デシカント材から水分を奪った空気(これを「排湿空気」と記す)もまた高温となるため、この排湿空気を車外空間へ排出する排湿通路の耐熱性が懸念される。また、信号待ち等を利用してデシカント材を再生する場合、高温の排湿空気が車外空間へ排出されるので、車両付近にいる歩行者に上記排湿空気が及ばないように対策する必要が生じ、例えば排湿通路の排湿口のレイアウトが制約を受けることになる。
本発明は、デシカント材を組み込んだ車両用空調装置における上記のような現状に鑑みてなされたもので、車両の運転中にデシカント材を強制的に急加熱して短時間で再生する際に、デシカント材の再生効率を維持したまま、排湿空気の温度を低下させることが可能な車両用空調装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、車室内空間の空調を行う車両用空調装置であって、車室内空間の空気が通過する空調風通路に設けられて上記空気を加熱する空調用加熱手段と、上記空調風通路に設けられて上記空気を除湿する除湿手段と、上記空調用加熱手段及び上記除湿手段を制御する制御手段とを有し、上記除湿手段は、デシカント材と、デシカント材を加熱する再生用加熱手段と、デシカント材及び再生用加熱手段の周囲を取り囲む断熱材とを含み、上記除湿手段が空調風通路の断面積の一部のみを占めるように配置されることにより、除湿手段の断熱材と空調風通路の内壁との間に除湿手段の存在しないバイパス空間が設けられ、上記バイパス空間には、当該バイパス空間を開閉する開閉手段が設けられ、上記制御手段は、上記デシカント材を再生するときに、上記再生用加熱手段を作動させてデシカント材を加熱すると共に上記開閉手段を開状態とすることを特徴とする。
本発明によれば、内気循環の暖房時は、空調風通路を通過する空気が空調用加熱手段及び除湿手段を通過するので、空調用加熱手段で加熱され、除湿手段で除湿された空調風が得られる。一方、空調風通路に組み込んだデシカント材を再生するときは、デシカント材を再生用加熱手段で強制的に急加熱することができると共に、空調風通路に残されたバイパス空間が開かれる。そのため、加熱されたデシカント材を通過した高温の排湿空気に、加熱されないバイパス空間を通過した低温の空気が合流し、デシカント材の下流(空気の流れの下流)では、排湿空気の温度が低下する。その結果、排湿空気を排出する排湿通路の耐熱性を懸念する必要がなくなる。また、信号待ち等、車両の運転中の一時停車時にデシカント材を再生する場合でも、歩行者に対する安全性が図られる。その場合、断熱材の存在により、上記バイパス空間を通過する空気、言い換えると、排湿空気冷却用の空気がデシカント材再生用の加熱手段によって温められる、というような不具合が抑制される。さらに、排湿空気の温度を低下させるためにデシカント材の加熱温度を低く抑える、というようなこともせずに済むから、デシカント材の再生効率も低下せず高いレベルに維持される。
以上により、本発明によれば、車両の運転中にデシカント材を強制的に急加熱して短時間で再生する際に、デシカント材の再生効率を維持したまま、排湿空気の温度を低下させることが可能な車両用空調装置が提供される。
本発明においては、好ましくは、上記開閉手段は、所定の付勢力で上記バイパス空間を閉じる側に付勢されていると共に、上記空調風通路に、空気の流れを生成するための送風手段が設けられ、上記制御手段は、デシカント材を再生するときは、上記開閉手段を上記付勢力に抗して開状態とし得る風量が生成されるように上記送風手段を制御する。
この構成によれば、空調風通路に空気の流れ(すなわち空調風)を生成するために設けられている既存の送風手段を利用して開閉手段を開状態又は閉状態とすることができる。そのため、開閉手段を駆動するための専用のアクチュエータを別途備える必要がなくなる。
本発明においては、好ましくは、上記制御手段は、車両の運転中の一時停車時にデシカント材を再生する。
この構成によれば、例えば、信号待ち等を利用してデシカント材が再生される。そのため、デシカント材の再生の機会が増え、空調風の除湿効率が低下せず高いレベルに維持される。
本発明においては、好ましくは、上記空調風通路から分岐して車外空間に連通する分岐通路が、上記除湿手段よりも空気の流れの下流に設けられ、上記空調風通路と上記分岐通路との分岐部に、これらの通路を開閉する流路切替手段が備えられ、上記制御手段は、内気循環で暖房するときは、空調風通路を開くと共に分岐通路を閉じ、デシカント材を再生するときは、分岐通路を開くと共に空調風通路を閉じるように上記流路切替手段を制御する。
この構成によれば、単一の流路切替手段を用いるだけで、空調風通路が開で分岐通路が閉の内気循環暖房時の流路と、分岐通路が開で空調風通路が閉のデシカント材再生時の流路とが確実に切り替えられる。
本発明においては、好ましくは、上記制御手段は、内気循環で暖房するときは、上記開閉手段を閉状態とする。
この構成によれば、内気循環暖房時は、空調風通路に残されたバイパス空間が閉じられる。そのため、内気循環暖房時は、空調風の全量がデシカント材を通過するので、空調風の除湿効率が低下せず高いレベルに維持される。
以上のように、本発明は、車両の運転中にデシカント材を強制的に急加熱して短時間で再生する際に、デシカント材の再生効率を維持したまま、排湿空気の温度を低下させることが可能な車両用空調装置を提供するので、空気を除湿するためのデシカント材を組み込んだ車両用空調装置の技術の発展・向上に寄与する。
(a)は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置の全体構成を示すブロック図であり(内気循環の暖房時)、(b)は、(a)の拡大表示部分を空気の流れの上流側から見た断面図である。 上記車両用空調装置に組み込んだデシカント材の吸湿・排湿特性を示すグラフである。 上記車両用空調装置の制御系統を示すブロック図である。 図1(a)に類似のブロック図である(デシカント材の再生時)。 上記車両用空調装置の制御ユニットが行う制御動作の1例を示すフローチャートである。
(1)全体構成
図1(a)は、本実施形態に係る車両1に搭載された車両用空調装置10の全体構成を示すブロック図である。本実施形態においては、車両1は、内燃機関を持たず、モータ(図示せず)のみで走行する電気自動車である。図1(a)において、符号1aは車体、符号1bは車室内空間、符号1cは車外空間(車体1aの外部の空間)を示す。本発明で「上流」「下流」というときは、特に断らない限り、空調装置10における空気の流れに関していう。
空調装置10は、車体1aの前部に配置され、車体1aの後部には、車室内空間1bと車外空間1cとを連通するエキストラクタ1dが配置されている。空調装置10は、車室内空間1bの空調を行うもので、車外空間1cの空気、すなわち外気を空調装置10に導入するための外気導入通路11aと、車室内空間1bの空気、すなわち内気を空調装置10に導入するための内気導入通路11bとを有する。
外気導入通路11a及び内気導入通路11bの下流端に上流通路11cが接続され、上流通路11cの下流端に第1下流通路11d及び第2下流通路11eが接続され、第1下流通路11d及び第2下流通路11eの下流端に吹出口通路11fが接続されている。内気導入通路11b、上流通路11c、第2下流通路11e、及び吹出口通路11fは、それぞれ、本発明の空調風通路の一部に相当する。
吹出口通路11fの下流端に、空調装置10で冷却、加熱、又は除湿された空気(空調風)を車室内空間1bに吹き出すための複数の吹出口11gが設けられている。詳しくは図示しないが、吹出口11gとして、前席の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すベント吹出口、前席の乗員の足元に向けて空調風を吹き出すヒート吹出口、後席の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すリヤベント吹出口、後席の乗員の足元に向けて空調風を吹き出すリヤヒート吹出口、及びフロントウィンドシールド(図示せず)の内面に向けて下方から上方に空調風を吹き出すデフロスタ吹出口等が設けられている。
上流通路11c内に、上流側から、除湿ユニット(除湿手段)20、ブロアファン(送風手段)12、及びエバポレータ13が配置されている。第2下流通路11e内に、上流側から、ヒータコア(空調用加熱手段)14、及びPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ(空調用加熱手段)15が配置されている。
外気導入通路11a及び内気導入通路11bの下流端に内外気切替ダンパ16が配設されている。内外気切替ダンパ16は、外気導入通路11aを閉じる位置(内気循環位置)と内気導入通路11bを閉じる位置(外気導入位置)との間の任意の位置に位置することが可能に構成されている。これにより、外気導入通路11aと内気導入通路11bとの開度の割合が調節され、吹出口11gから吹き出される空調風の外気と内気との混合比率が種々調節される。
ブロアファン12は、内外気切替ダンパ16の下流に配置され、駆動されることにより、外気導入通路11a又は内気導入通路11bから吹出口11gに向けて流れる空気の流れ、すなわち空調風を生成する。
エバポレータ13は、冷房用の熱交換器であり、ブロアファン12の下流に配置され、空調風を冷却する。
第1下流通路11d及び第2下流通路11eの上流端に温度コントロールダンパ17が配設されている。温度コントロールダンパ17は、第1下流通路11dを閉じる位置(暖房時位置)と第2下流通路11eを閉じる位置(冷房時位置)との間の任意の位置に位置することが可能に構成されている。これにより、第1下流通路11dと第2下流通路11eとの開度の割合が調節され、吹出口11gから吹き出される空調風の温度が種々調節される。
ヒータコア14は、暖房用の熱交換器であり、温度コントロールダンパ17の下流に配置され、空調風を加熱する。ヒータコア14は、暖房用の熱源として利用し得るモータ及びインバータ(図示せず)の冷却水がその内部を循環する。
PTCヒータ15もまた、暖房用の熱交換器であり、ヒータコア14の下流に配置され、ヒータコア14で加熱された空調風をさらに加熱する。PTCヒータ15は、電力の供給を受けて作動する電気式ヒータであり、図示しないPTC素子(正特性サーミスタ)に電力が供給されることによって発熱する。PTCヒータ15は、作動時に発熱して温度が上昇すると抵抗値が増大して電流量を抑制する自己温度制御機能を有する。一方、PTCヒータ15は、非作動時に温度が低下すると抵抗値が減少して電流が流れ易くなり、そのため、冷間始動時は多量の電流(突入電流)が流れるという性質を有する。
本実施形態に係る車両1は、内燃機関を持たず、モータのみで走行する電気自動車である。そのため、発熱量が少ないので、ヒータコア14を循環するモータ及びインバータの冷却水の温度が相対的に低くなる。したがって、ヒータコア14だけでは暖房用の熱源として不足するので、それを補うために、追加の暖房用熱源としてPCTヒータ15が用いられている。
上流通路11c内で、ブロアファン12の上流に、空気を除湿するための除湿ユニット20が配設されている。除湿ユニット20は、水分を吸収(吸湿)又は排出(排湿)するデシカント材21を含んでいる。
本実施形態で用いられるデシカント材21は、所定の基準温度未満のときに空気中の水分を吸収(吸湿)し、上記基準温度以上のときに吸収した水分を排出(排湿)するという性質を有する。上記基準温度は吸排湿反転温度ということができる。
図2は、上記デシカント材21の吸湿・排湿特性を示すグラフである。図中、実線Aは、デシカント材21に供給される空気の温度(インプット温度)の時間変化を示し、破線Bは、デシカント材21を通過した空気の温度(アウトプット温度)の時間変化を示す。
インプット温度Aが基準温度Ta以上のとき(A≧Ta)は、デシカント材21は排湿しており再生中である。インプット温度Aが基準温度Ta未満のとき(A<Ta)は、デシカント材21は吸湿中である。
デシカント材21は、吸湿中は発熱する。したがって、デシカント材21の吸湿中は、インプット温度Aよりもアウトプット温度Bが高くなる(B>A)。
デシカント材21は、飽和すると発熱が止まる。したがって、デシカント材21が飽和すると、インプット温度Aとアウトプット温度Bとは略等しくなる(B≒A)。
本実施形態で用いられるデシカント材21としては、例えば、シリカゲル、ポリアクリル酸高分子等、所定の基準温度未満のときに吸湿し、上記基準温度以上のときに排湿するという性質を有するものであれば、特に限定されない。
図1(b)にも示すように、除湿ユニット20は、デシカント材21に加えて、デシカント材21の再生時にデシカント材21を加熱するためのセラミックヒータ(再生用加熱手段)22と、デシカント材21及びセラミックヒータ22の周囲を取り囲む断熱材23とをさらに含んでいる。
デシカント材21はブロック形状であり、セラミックヒータ22は、そのブロック形状のデシカント材21の上面に載置されている。デシカント材21及びセラミックヒータ22は、相互に密着した状態で、上流通路11cと対向する面に断熱材23が巻かれている。具体的に、空気の流れ方向と直交する面に沿った断面形状において、セラミックヒータ22の上面と、デシカント材21の下面と、セラミックヒータ22及びデシカント材21の左側面と、セラミックヒータ22及びデシカント材21の右側面とがそれぞれ断熱材23で覆われ、デシカント材21及びセラミックヒータ22は、その周囲が断熱材23で取り囲まれている。除湿ユニット20は、デシカント材21及びセラミックヒータ22が上記のように周面が断熱材23で覆われた状態で、上流通路11cに配置されている。
除湿ユニット20は、上流通路11cの断面積(流路)の一部のみを占めるように上流通路11cに配置されている。これにより、除湿ユニット20の断熱材23と上流通路11cの内壁との間に、除湿ユニット20の存在しないバイパス空間11sが設けられている。具体的に、除湿ユニット20は、上流通路11cの上部にバイパス空間11sを残して、その全体が上流通路11cに配置されている。除湿ユニット20は、その下面及び左右の両側面が断熱材23を介して上流通路11cと接し、その上面が断熱材23を介してバイパス空間11sと接している。つまり、除湿ユニット20は、上流通路11c及びバイパス空間11sと直接接していないので、デシカント材21の再生時にセラミックヒータ22及びデシカント材21の熱が上流通路11cやバイパス空間11sに伝わることが抑制される。
除湿ユニット20は、空気の流れ方向と直交する上流側の面及び下流側の面が断熱材23で覆われず、デシカント材21が露出している。そのため、上流通路11cを上流側から流れてきた空気はデシカント材21を上流側から下流側に通過する。その結果、内部循環の暖房時は、デシカント材21を通過した空気は、デシカント材21により除湿された空調風となる。一方、デシカント材21の再生時は、セラミックヒータ22で加熱されたデシカント材21を通過した空気は、デシカント材21から水分を奪った高温の排湿空気となる。
除湿ユニット20の上方、つまりバイパス空間11sには、バイパス空間11sを開閉するバイパスダンパ(開閉手段)24が備えられている。バイパスダンパ24は、その回動軸心が上流通路11c側にあり、適宜の付勢手段、例えば上記回動軸心に巻き付けられたコイルスプリング等(図示せず)により、その弁体が所定の付勢力でバイパス空間11sを閉じる側に付勢されている(図1の状態)。一方、バイパスダンパ24は、上流側から上記付勢力を超える力を受けると、その弁体が下流側に回動してバイパス空間11sを開く(図4の状態)ように構成されている。
除湿ユニット20の下流に、上流通路11cから分岐して車外空間1cに連通する排湿通路(分岐通路)25が設けられている。具体的に、排湿通路25は、上流通路11cのブロアファン12とエバポレータ13との間の部分に接続されている。排湿通路25は、デシカント材21の再生時に、デシカント材21を通過した排湿空気を車外空間1cに排出するためのものである。
排湿通路25の接続部、つまり上流通路11cと排湿通路25との分岐部に、上流通路11c及び排湿通路25を開閉する再生時排湿ダンパ(流路切替手段)26が備えられている。再生時排湿ダンパ26は、排湿通路25を閉じたときは上流通路11cを排湿通路25とエバポレータ13との間で開き(図1(a)の状態)、排湿通路25を開いたときは上流通路11cを排湿通路25とエバポレータ13との間で閉じる(図4の状態)ように構成されている。
(2)制御系統
図3は、上記車両用空調装置10の制御系統を示すブロック図である。
制御ユニット100は、CPU、ROM、RAM等を含む周知の構成のマイクロプロセッサであり、本発明の制御手段に相当する。
制御ユニット100には、空調装置10の操作盤30、上流通路11c内で除湿ユニット20のデシカント材21に流入する空気の温度(すなわちインプット温度)を検知する温度センサ31、モータのスタートスイッチ32、及び車両1の走行速度を検知する車速センサ33から、それぞれ各信号が入力される。
制御ユニット100は、上記各信号等に基いて、上記空調装置10のブロアファン12、エバポレータ13、PTCヒータ15、各ダンパ16,17,26、及び除湿ユニット20のセラミックヒータ22に、それぞれ制御信号を出力する。なお、図示しないが、制御ユニット100は、車両1をモータで走行させるために、インバータにも制御信号を出力する。
(3)制御動作
(3−1)内気循環の暖房時
内気循環の暖房時、制御ユニット100は、図1(a)に示すように、内外気切替ダンパ16を内気循環位置に位置させ、再生時排湿ダンパ26を上流通路11cが排湿通路25とエバポレータ13との間で開く位置(通常時位置)に位置させ、温度コントロールダンパ17を暖房時位置に位置させる。これにより、内気導入通路11b、上流通路11c、第2下流通路11e、及び吹出口通路11fが相互に連通し、全体として内気循環暖房時の空調風通路が形成される。
その上で、制御ユニット100は、空調装置操作盤30からの設定信号に応じた強さでブロアファン12を駆動し、空調装置操作盤30からの設定信号に応じた電力でPTCヒータ15を作動させる。この内気循環暖房時は、ブロアファン12が生成する風量に上限が設定される。そのため、たとえ制御ユニット100がブロアファン12を最大駆動しても、ブロアファン12はバイパスダンパ24の付勢力を超える風量を生成することができない。その結果、この内気循環暖房時は、バイパスダンパ24が閉状態となり、バイパス空間11sが遮断する。これにより、上流通路11cを上流側から流れてきた空気は、その全量がデシカント材21を通過し、空調風が高効率で除湿される。
以上により、この内気循環暖房時は、車室内空間1bの空気、すなわち内気が、内気導入通路11b、上流通路11c、第2下流通路11e、及び吹出口通路11fを通過し、その間に除湿ユニット20のデシカント材21で除湿され、ヒータコア14及びPTCヒータ15で加熱されて、乗員が空調装置操作盤30を操作して設定した温度の空調風が吹出口11gから車室内空間1bに吹き出され、再び内気導入通路11bに導入される。
このときの空気の流れのルートを内気循環暖房時ルートR1とする。
(3−2)デシカント材の再生時
デシカント材21の再生時、制御ユニット100は、図4に示すように、内外気切替ダンパ16を内気循環位置に位置させ、再生時排湿ダンパ26を上流通路11cが排湿通路25とエバポレータ13との間で閉じる位置(再生時位置)に位置させる(温度コントロールダンパ17の位置は問題ではない)。これにより、内気導入通路11b、上流通路11cのエバポレータ13より上流側の部分、及び排湿通路25が相互に連通する。
その上で、制御ユニット100は、除湿ユニット20のセラミックヒータ22を作動させる。これにより、デシカント材21は、基準温度Ta以上の例えば100℃近い高温まで強制的に急加熱される。また、制御ユニット100は、ブロアファン12を最大駆動する。このデシカント材再生時は、ブロアファン12が生成する風量に上限が設定されない。そのため、制御ユニット100がブロアファン12を最大駆動すると、ブロアファン12はバイパスダンパ24の付勢力を超える風量を生成することができる。その結果、このデシカント材再生時は、バイパスダンパ24が開状態となり、バイパス空間11sが開通する。これにより、上流通路11cを上流側から流れてきた空気は、その一部がバイパス空間11sを通過し、デシカント材21を通過した高温の排湿空気を冷却するための冷却用空気となる。
以上により、このデシカント材再生時は、車室内空間1bの空気、すなわち内気が、内気導入通路11b、上流通路11cのエバポレータ13より上流側の部分、及び排湿通路25を通過し、その間に除湿ユニット20のデシカント材21を通過した空気は、セラミックヒータ22で基準温度Ta以上の温度まで加熱されたデシカント材21から水分を奪った高温の排湿空気となり、バイパス空間11sを通過した空気は、低温の排湿空気冷却用の空気となって、両者がデシカント材21の下流で合流し、排湿空気の温度が低下する。そして、この温度が低下した排湿空気が排湿通路25を通って車外空間1cに排出される。
なお、このデシカント材再生時は、車室内空間1bの空気が車外空間1cに排出されるので、それを補うために、エキストラクタ1dが開いて、車外空間1cの空気が車室内空間1bに導入される。
このときの空気の流れのルートをデシカント材再生時ルートR2とする。
(3−3)フローチャート
図5は、上記制御ユニット100が行う制御動作の1例を示すフローチャートである。このフローチャートは、車両1の始動時からスタートする。
制御ユニット100は、スタートスイッチ32がオンされると、ステップS1で、インバータに制御信号を出力して、車両1をREADY(走行可能)状態とする。
制御ユニット100は、ステップS2で、ブロアファン12、PTCヒータ15、及び各ダンパ16,17,26に制御信号を出力して、空調装置10を通常のエアコンモード、詳しくは内気循環の暖房モードとする(図1の状態)。このとき、バイパス空間11sが遮断し、空調風は、その全量がデシカント材21を通過して、高効率で除湿される。
制御ユニット100は、ステップS3で、車速センサ33からの信号に基づき、車両1が停車状態又は加速状態か否かを判定する。停車状態とは、始動直後のアクセルペダルをまだ踏み込んでいない状態(発進前)や、あるいは、信号待ち等、車両1の運転中(スタートスイッチ32がオンされている状態)の一時停車の状態等が含まれる。加速状態とは、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれることにより車両1の速度が増大している状態である。制御ユニット100は、YESのときはステップS4に進み、NOのときはステップS2に戻る(エアコンモードの継続)。
制御ユニット100は、ステップS4で、デシカント材21が飽和状態か否かを判定する。この判定は、例えば、前回デシカント材21を再生してからの走行距離や走行時間等から行うことができる(上記走行距離や走行時間が長いほど飽和状態に近い)。あるいは、上述したように、デシカント材21のインプット温度Aとアウトプット温度Bとが略等しいか否かにより行うことができる(いままでB>AだったのがB≒Aに近づくほど飽和状態に近い)。制御ユニット100は、YESのときはステップS5に進み(エアコンモードから再生モードへの切替え)、NOのときはステップS2に戻る(エアコンモードの継続)。
制御ユニット100は、ステップS5で、ブロアファン12、各ダンパ16,17,26、及びセラミックヒータ22に制御信号を出力して、空調装置10をデシカント材21の再生モードとする(図4の状態)。詳しくは、再生時排湿ダンパ26を開(排湿通路25を開、上流通路11cを閉)とし、ブロアファン12を全開(最大駆動)とする。また、セラミックヒータ22をON(作動)とする。このとき、バイパス空間11sが開通し、除湿ユニット20のデシカント材21を通過した高温の排湿空気と、バイパス空間11sを通過した低温の冷却用空気とが合流して、温度が低下した排湿空気が安全に排湿通路25を経由して車外空間1cに排出される。
制御ユニット100は、ステップS6で、デシカント材21の再生度合いを計算する。この計算は、例えば、再生モードの実行時間、デシカント材21の容量、セラミックヒータ22の加熱温度等から行うことができる(上記実行時間が長いほど、上記容量が小さいほど、上記加熱温度が高いほど再生度合いが大きい)。
制御ユニット100は、ステップS7で、デシカント材21の再生度合いが所定の閾値(例えば90%等)以上か否かを判定する。制御ユニット100は、YESのときはステップS2に戻り(再生モードから通常のエアコンモードへの切替え)、NOのときはステップS5に戻る(再生モードの継続)。
以上により、このフローチャートによれば、再生モードは、乗員が車両1に乗車している車両1の運転中に行われる(ステップS3でYES)。
(4)作用等
以上説明したように、本実施形態では、車室内空間1bの空調を行う車両用空調装置10において、次のような特徴的構成が採用されている。
内気が通過する空調風通路(=内気導入通路11b+上流通路11c+第2下流通路11e+吹出口通路11f)の第2下流通路11eに、内気を加熱するヒータコア14及びPTCヒータ15が設けられ、同じく内気が通過する空調風通路の上流通路11cに、内気を除湿する除湿ユニット20が設けられている。
除湿ユニット20は、デシカント材21と、デシカント材21を加熱するセラミックヒータ22と、デシカント材21及びセラミックヒータ22の周囲を取り囲む断熱材23とを含んでいる。
除湿ユニット20が上流通路11cの断面積の下部のみを占めるように配置されることにより、除湿ユニット20の上部の断熱材23と上流通路11cの上部の内壁との間に除湿ユニット20の存在しないバイパス空間11sが設けられ、バイパス空間11sには、当該バイパス空間11sを開閉するバイパスダンパ24が設けられている。
PTCヒータ15及び除湿ユニット20のセラミックヒータ22を制御する制御ユニット100が備えられ、制御ユニット100は、デシカント材21を再生するときに、セラミックヒータ22を作動させてデシカント材21を加熱すると共にバイパスダンパ24を開状態とする。
この構成によれば、内気循環の暖房時は、空調風通路を通過する空気がヒータコア14及びPTCヒータ15並びに除湿ユニット20を通過するので、ヒータコア14及びPTCヒータ15で加熱され、除湿ユニット20で除湿された空調風が得られる。一方、上流通路11cに組み込んだ除湿ユニット20のデシカント材21を再生するときは、デシカント材21をセラミックヒータ22で強制的に急加熱することができると共に、上流通路11cに残されたバイパス空間11sが開かれる。そのため、加熱されたデシカント材21を通過した高温の排湿空気に、加熱されないバイパス空間11sを通過した低温の空気が合流し、デシカント材21の下流では、排湿空気の温度が低下する。その結果、排湿空気を排出する排湿通路25の耐熱性を懸念する必要がなくなる。また、信号待ち等、車両1の運転中の一時停車時にデシカント材21を再生する場合でも、歩行者に対する安全性が図られる。その場合、断熱材23の存在により、バイパス空間11sを通過する空気、言い換えると、排湿空気冷却用の空気がデシカント材再生用のセラミックヒータ22によって温められる、というような不具合が抑制される。さらに、排湿空気の温度を低下させるためにデシカント材21の加熱温度を低く抑える、というようなこともせずに済むから、デシカント材21の再生効率も低下せず高いレベルに維持される。
以上により、本実施形態によれば、車両1の運転中にデシカント材21を強制的に急加熱して短時間で再生する際に、デシカント材21の再生効率を維持したまま、排湿空気の温度を低下させることが可能な車両用空調装置10が提供される。
本実施形態では、バイパスダンパ24は、所定の付勢力でバイパス空間11sを閉じる側に付勢されていると共に、上流通路11cに、空気の流れを生成するためのブロアファン12が設けられ、制御ユニット100は、デシカント材21を再生するときは、バイパスダンパ24を上記付勢力に抗して開状態とし得る風量が生成されるようにブロアファン12を制御する。
この構成によれば、空調風通路に空気の流れ(すなわち空調風)を生成するために設けられている既存のブロアファン12を利用してバイパスダンパ24を開状態又は閉状態とすることができる。そのため、バイパスダンパ24を駆動するための専用のアクチュエータを別途備える必要がなくなる。
本実施形態では、制御ユニット100は、車両1の運転中(スタートスイッチ32がオンされている状態)の一時停車時にデシカント材21を再生する(ステップS3でYES)。
この構成によれば、例えば、信号待ち等の時間帯を利用してデシカント材21が再生される。そのため、デシカント材21の再生の機会が増え、空調風の除湿効率が低下せず高いレベルに維持される。また、信号待ち等の期間中は、アイドルストップが働く等して、燃費節減のために空調が弱められる場合がある。したがって、そのような時間帯を利用してデシカント材21が再生されるので、たとえデシカント材21の再生中は通常の空調が行えなくても、乗員が違和感や不快感を感じる度合いが少なくて済む。
また、例えば、車両1の始動直後の発進前の時間帯を利用してデシカント材21が再生される。始動直後の発進前はそもそも空調が効きにくい状態である。したがって、そのような時間帯を利用してデシカント材21が再生されるので、たとえデシカント材21の再生中は通常の空調が行えなくても、乗員が違和感や不快感を感じる度合いが少なくて済む。
本実施形態では、制御ユニット100は、車両1の加速時にデシカント材21を再生する(ステップS3でYES)。
この構成によれば、乗員の意識が車両1の挙動に向く時間帯を利用してデシカント材21が再生される。そのため、たとえデシカント材21の再生中は通常の空調が行えなくても、乗員が違和感や不快感を感じる度合いが少なくて済む。
本実施形態では、上流通路11cから分岐して車外空間1cに連通する排湿通路25が除湿ユニット20の下流に設けられ、上流通路11cと排湿通路25との分岐部に、これらの通路11c,25を開閉する再生時排湿ダンパ26が備えられ、制御ユニット100は、内気循環で暖房するときは、上流通路11cを開くと共に排湿通路25を閉じ(図1(a)の状態)、デシカント材21を再生するときは、排湿通路25を開くと共に上流通路11cを閉じる(図4の状態)ように再生時排湿ダンパ26を制御する。
この構成によれば、単一の再生時排湿ダンパ26を用いるだけで、上流通路11cが開で排湿通路25が閉の内気循環暖房時ルートR1と、排湿通路25が開で上流通路11cが閉のデシカント材再生時ルートR2とが確実に切り替えられる。
本実施形態では、制御ユニット100は、内気循環で暖房するときは、バイパスダンパ24を閉状態とする。
この構成によれば、内気循環暖房時は、上流通路11cに残されたバイパス空間11sが閉じられる。そのため、内気循環暖房時は、空調風の全量がデシカント材21を通過するので、空調風の除湿効率が低下せず高いレベルに維持される。
なお、上記実施形態では、バイパスダンパ24を開状態又は閉状態とするために、既存のブロアファン12を利用したが、これに限らず、バイパスダンパ24を駆動するための専用のアクチュエータを別途備えてもよい。
また、ステップS3で、車両1の急減速時にデシカント材21を再生してもよい。この構成によっても、乗員の意識が車両1の挙動に向く時間帯を利用してデシカント材21が再生される。
さらに、第2下流通路11eのPTCヒータ15に代えて、例えば電熱式ヒータや遠赤外線ヒータ等を用いてもよく、除湿ユニット20のセラミックヒータ22に代えて、例えばPTCヒータを用いてもよい。
さらに、空調風通路において、除湿ユニット20をブロアファン12の下流に配設してもよく、除湿ユニット20をヒータコア14及びPTCヒータ15の下流に配設してもよい。
さらに、デシカント材21の再生中に内外気切替ダンパ16を駆動して外気導入を行ってもよい。この場合、比較的低温であるが低湿度の外気を加熱してデシカント材21の再生に用いることとなり、デシカント材21の排湿、すなわち再生を促進することができる。
1 車両(電気自動車)
1b 車室内空間
1c 車外空間
10 車両用空調装置
11b 内気導入通路(空調風通路)
11c 上流通路(空調風通路)
11e 第2下流通路(空調風通路)
11f 吹出口通路(空調風通路)
11s バイパス空間
12 ブロアファン(送風手段)
14 ヒータコア(空調用加熱手段)
15 PTCヒータ(空調用加熱手段)
20 除湿ユニット(除湿手段)
21 デシカント材
22 セラミックヒータ(再生用加熱手段)
23 断熱材
24 バイパスダンパ(開閉手段)
25 排湿通路(分岐通路)
26 再生時排湿ダンパ(流路切替手段)
100 制御ユニット(制御手段)
Ta 基準温度(吸排湿反転温度)

Claims (5)

  1. 車室内空間の空調を行う車両用空調装置であって、
    車室内空間の空気が通過する空調風通路に設けられて上記空気を加熱する空調用加熱手段と、
    上記空調風通路に設けられて上記空気を除湿する除湿手段と、
    上記空調用加熱手段及び上記除湿手段を制御する制御手段とを有し、
    上記除湿手段は、デシカント材と、デシカント材を加熱する再生用加熱手段と、デシカント材及び再生用加熱手段の周囲を取り囲む断熱材とを含み、
    上記除湿手段が空調風通路の断面積の一部のみを占めるように配置されることにより、除湿手段の断熱材と空調風通路の内壁との間に除湿手段の存在しないバイパス空間が設けられ、
    上記バイパス空間には、当該バイパス空間を開閉する開閉手段が設けられ、
    上記制御手段は、上記デシカント材を再生するときに、上記再生用加熱手段を作動させてデシカント材を加熱すると共に上記開閉手段を開状態とすることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    上記開閉手段は、所定の付勢力で上記バイパス空間を閉じる側に付勢されていると共に、
    上記空調風通路に、空気の流れを生成するための送風手段が設けられ、
    上記制御手段は、デシカント材を再生するときは、上記開閉手段を上記付勢力に抗して開状態とし得る風量が生成されるように上記送風手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用空調装置において、
    上記制御手段は、車両の運転中の一時停車時にデシカント材を再生することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
    上記空調風通路から分岐して車外空間に連通する分岐通路が、上記除湿手段よりも空気の流れの下流に設けられ、
    上記空調風通路と上記分岐通路との分岐部に、これらの通路を開閉する流路切替手段が備えられ、
    上記制御手段は、内気循環で暖房するときは、空調風通路を開くと共に分岐通路を閉じ、デシカント材を再生するときは、分岐通路を開くと共に空調風通路を閉じるように上記流路切替手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
    上記制御手段は、内気循環で暖房するときは、上記開閉手段を閉状態とすることを特徴とする車両用空調装置。
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