JP6102777B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置の技術分野に関する。
ハイブリッド車両として、第1及び第2回転電機並びに内燃機関を差動機構により連結したものが周知である。また、このような車両構成において、差動機構をロック状態に維持するロック機構を備えたものが周知である。差動機構に係るロック状態とは、駆動輪に繋がる駆動軸と内燃機関との間の、差動機構を介した回転速度の比(即ち、差動機構の変速比)が固定された状態を意味する。
この種のハイブリッド車両を制御する装置として、第2回転電機の温度に応じて、上記差動機構としての動力分配機構を上記ロック状態とするものがある(特許文献1参照)。
また、発電機又は電動機の負荷が相対的に大きく且つこれら発電機又は電動機を含む電気系統又は前記連結機構の温度が所定値以上の場合に、第1クラッチ機構と第2クラッチ機構とを同時に係合させて機械直結変速段を設定するものも提案されている(特許文献2参照)。
また、電動機の温度に基づいて電動機に出力させる力行トルクの上限値である力行トルク制限と電動機に出力させる回生トルクの上限値である回生トルク制限とを力行トルクの出力に比べて回生トルクの出力がより制限される傾向に設定するものも提案されている(特許文献3参照)。
また、電動発電機が電動機として機能させられる場合と該電動発電機が発電機として機能させられる場合とにおいて、該電動発電機に対して用いられる負荷制限値を異なる値に設定するものも提案されている(特許文献4参照)。
この種のハイブリッド車両においては、駆動軸に対するトルクアシストや車両減速時の電力回生等を担う駆動側の回転電機、或いは、この駆動側の回転電機の冷却に供される冷却媒体の温度が、過度に上昇する場合がある。尚、この冷却媒体は、駆動側の回転電機のみならず、反力負担側の回転電機や内燃機関の冷却に用いられてもよい。
ここで、差動機構をロック状態に移行させると、内燃機関と駆動軸とが直結状態となり差動機構の変速比が固定されることから、内燃機関の反力を担う反力負担側の回転電機の負荷を下げることができる。この際、例えば、この反力負担側の回転電機をシャットダウンさせることができる。
反力負担側の回転電機の負荷が低下すると、この反力負担側の回転電機と駆動側の回転電機との間の電力授受を抑制することができるため、必然的に反力負担側の回転電機の負荷状態に応じた駆動側の回転電機の負荷も軽減される。また、差動機構がロック状態にある場合、この駆動側の回転電機から駆動軸に対して供給すべきアシストトルクの絶対値も小さい。従って、差動機構がロック状態にある場合、駆動側の回転電機及び冷却媒体は幾らかなり冷却される。但し、差動機構をロック状態とすることによる冷却効果は、駆動側の回転電機の動作を制限するものではないから、場合によっては冷却効果が不足する。従って、従来、より大きな冷却効果を得ようとした場合には、駆動側の回転電機をシャットダウンする必要がある。
ここで、差動機構がロック状態にある場合には、駆動軸に直結された内燃機関の機関トルクのみで走行可能な場合も多く、駆動側の回転電機をシャットダウンさせても走行に支障が生じない場合もある。
しかしながら、駆動側の回転電機をシャットダウンさせると、駆動側の回転電機により補機駆動用の発電を行うことができなくなることから、補機の駆動に影響が及ぶ可能性がある。また、車両の走行条件が変化する等して駆動用の回転電機からのトルクアシストが要求された場合に、駆動用の回転電機の応答が遅れて動力性能が低下する可能性がある。
即ち、従来の装置には、駆動側の回転電機に十分な温度制御性が担保されないことに起因して、動力性能の低下、補機駆動の制限等の問題が顕在化する可能性がある。本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、駆動側の回転電機或いは冷却媒体の温度を好適に制御可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関と、第1回転電機と、駆動輪に繋がる駆動軸との間でトルクを入出力可能な第2回転電機と、前記内燃機関に接続される第1回転要素、前記第1回転電機に接続される第2回転要素及び前記駆動軸に接続される第3回転要素を含む、相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた差動機構と、前記第1及び第2回転電機との間で電力を入出力可能な蓄電手段と、複数の係合要素を有し、該複数の係合要素が相互に係合してなる係合状態において、前記差動機構を前記内燃機関と前記駆動軸との間の変速比が固定されたロック状態に維持するロック機構とを備えたハイブリッド車両を制御するハイブリッド車両の制御装置であって、前記第2回転電機又は前記第2回転電機の冷却に供される冷却媒体の温度として規定される電気機器温度が所定値以上である場合に、前記複数の係合要素が前記係合状態となるように前記ロック機構を制御する第1制御手段と、前記電気機器温度が所定値以上である場合に、(1)前記ハイブリッド車両の減速期間における前記第2回転電機の電力回生量を低減させる電力回生量低減制御を実行し、且つ、(2)前記電気機器温度の上昇に応じて、前記第2回転電機による前記駆動軸に対するトルクのアシスト量を低減させるアシスト量低減制御を実行する第2制御手段とを具備し、前記第2制御手段は、前記蓄電手段の蓄電残量が低い場合に、高い場合と較べて早期に前記アシスト量低減制御を実行することを特徴とする(請求項1)。
本発明に係るハイブリッド車両において、第1回転電機は上述した反力負担側の回転電機に相当し、第2回転電機は上述した駆動側の回転電機に相当する。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、電気機器温度が所定値以上である場合に、第1制御手段によるロック機構の制御によって、差動機構がロック状態に移行する。差動機構がロック状態に移行すると、第1回転電機の負荷が減少するため、電気機器温度の上昇抑制又は低下促進に有効である。
本発明に係る電気機器温度とは、本発明において便宜的に定義される温度であり、第2回転電機の温度と、少なくともこの第2回転電機の冷却に供される冷却媒体(例えば、冷却水や冷却油)の温度とのうち少なくとも一方を含む。この冷却媒体は、ハイブリッド車両において、内燃機関や第1回転電機等、他の熱源の冷却に供される冷却媒体であってもよい。電機機器温度との比較に供される所定値は、電機機器温度が第2回転電機の温度である場合と、冷却媒体の温度である場合とで異なっていてよい。
尚、ロック機構は、差動機構をロック状態に維持せしめ得る限りにおいて、第2回転要素の回転を停止せしめることにより第1回転電機を回転不能にロックしてもよいし、第1乃至第3回転要素とは異なる他の回転要素の回転を停止せしめることにより第1回転電機を実質的空転状態としてもよい。実質的空転状態とは、この回転が停止した回転要素と第1回転要素と第3回転要素とにより、差動機構の状態が決定されることを意味する。
一方、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、電気機器温度が所定値以上である場合に、第1制御手段による差動機構のロック制御に加えて、第2制御手段により電力回生量低減制御及びアシスト量低減制御が実行される。尚、電力回生量低減制御及びアシスト量低減制御は、電機機器温度の上昇抑制又は低下促進に係る制御であるので、これ以降、これらを包括的に表現する場合には適宜「過熱保護制御」なる言葉を使用する。
電力回生量低減制御は、減速回生制動時の発電負荷(即ち、回生トルク)を低減する制御である。尚、低減する、とは、この電力回生量低減制御が実行されない場合と較べて低減することを意味し、数値的な限定により定義されない趣旨である。電力回生量低減制御が実行されると、回生トルクが低下するため、第2回転電機或いは冷却媒体の温度が低下する。
アシスト量低減制御は、駆動軸に対するトルクアシスト量を低減する制御である。尚、低減する、とは、このアシスト量低減制御が実行されない場合と較べて低減することを意味し、数値的な限定により定義されない趣旨である。アシスト量低減制御が実行されると、駆動軸に供給されるアシストトルクが低下するため、第2回転電機の、或いは、冷却媒体の温度が低下する。
尚、アシスト量低減制御は、アシストトルクを、本来必要な値から所定割合を減じた値に減少補正する制御であってもよい。また、この場合の所定割合は、固定値であってもよいし、開始時点以降の電気機器温度の上昇の度合いが大きいほど大きく設定される可変値であってもよい。
尚、差動機構がロック状態にある場合、駆動軸へのトルク供給は基本的に内燃機関の機関トルクにより賄われる。一般的に、差動機構がロックされる場合、即ち、固定変速比が選択される場合、ハイブリッド車両は定常走行状態又はそれに近い軽負荷状態にあることが多い。従って、大略的には、駆動軸に要求されるトルクを機関トルクにより賄うことは可能である。しかしながら、機関トルクの応答性は回転電機のトルクの応答性よりも低いため、過渡期間において一時的なトルク不足生じる可能性がある。差動機構がロック状態にある場合の第2回転電機によるトルクアシストは、例えば、このような一時的なトルク不足を補償するために行われる。
ここで、アシスト量低減制御は、車両の加速性能に与える影響が大きい制御であるのに対し、電力回生量低減制御は、回生制動力を制動装置等から供給される油圧制動力に置換することができることから、制動性能への影響が少ない制御である。このため、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置では、電力回生量低減制御がアシスト量低減制御に優先される。
より具体的には、電力回生量低減制御が、第1制御手段による差動機構のロック制御と同様、電機機器温度が所定値以上である場合に実行されるのに対し、アシスト量低減制御は、電力回生量低減制御の実行期間における、電機機器温度の上昇に応じて実行される。端的には、アシスト量低減制御は、電機機器温度が、電力回生量低減制御の実行が開始される所定値よりも高い値に達した時点で開始される。従って、本発明によれば、ハイブリッド車両の動力性能に与える影響を最小限に抑制しつつ、電機機器温度を好適に制御することができる。
ところで、第2回転電機に電力を供給する蓄電手段の、その時点における蓄電残量(例えば、SOC値等により判定される)は、電機機器温度と必ずしも一義的な関係にない。従って、蓄電残量に留意することなくアシスト量低減制御が開始される場合、アシスト量低減制御の実行開始以前に、蓄電残量が大きく低下する可能性がある。このような状態では、ハイブリッド車両に備わる各種電気駆動型補機の駆動に要する電力を確保することが難しくなる。
そこで、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置では、蓄電手段の蓄電残量に余裕が無い場合には、余裕が有る場合と較べて早期にアシスト量低減制御が開始される。従って、蓄電残量に余裕が無い場合において、電気駆動型補機の駆動電力を可及的に確保することができ、電機機器温度の一層好適な制御が可能となる。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の一の態様では、前記第2制御手段は、前記電気機器温度の抑制の要求度合いが大きい場合に、前記第2回転電機をシャットダウンさせる(請求項2)。
上述した過熱保護制御は、電気機器温度に高い制御性を与え得るが、電力回生量低減制御にせよアシスト量低減制御にせよ、第2回転電機におけるトルクの入出力、即ち、第2回転電機における電力の入出力は完全に停止してはない。従って、場合によっては、電機機器温度が過度に高い状態が継続する可能性がある。或いは、この状態がより進行する可能性がある。
この態様によれば、電気機器温度の抑制の要求度合いが大きい場合には、第2回転電機がシャットダウンされる。シャットダウンとは、電力の入出力が停止した状態を意味し、例えば、第2回転電機を駆動するインバータのスイッチング素子がオフ状態とされることを意味する。即ち、第2回転電機のシャットダウンは、第2回転電機の温度を低下させる効能に限って言えば、過熱保護制御よりも効果的である。従って、この態様によれば、電機機器温度の上昇をより強固に抑制することができる。
尚、「電機機器温度の抑制の要求度合い」とは、電機機器温度の絶対値や時間推移等に基づいて取得される、第2回転電機或いは冷却媒体の過熱の度合いを定性的又は定量的に表し得る各種判断基準値を包括する概念である。
尚、この態様では、前記電気機器温度の抑制の要求度合いは、前記電気機器温度の上昇率、前記電気機器温度と前記所定値との偏差、及び、前記電気機器温度が前記所定値以上である状態が継続している時間のうち少なくとも一つにより定義され、各々について、前記上昇率が所定率以上、前記偏差が所定偏差以上、及び、前記時間が所定時間以上である場合に、前記要求度合いが大きいと判定されてもよい(請求項3)。
電機機器温度の抑制の要求度合いとして、これらの判断基準値は好適な一例となる。
例えば、電機機器温度の上昇率、望ましくは電気機器温度が所定値に達する直前の当該上昇率が大きい場合、第2回転電機が急激に温度上昇していることとなり、抑制の要求度合いは大きいものと判断され得る。従って、当該上昇率が、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められ得る所定率以上である場合において、電気機器温度の抑制の要求度合いが大きいとの判定を好適に下すことができる。
また、電機機器温度が所定値から大きく乖離している場合、電気機器温度が過度に高いとの判断が成立する。従って、電気機器温度と所定値との乖離の度合いとしての偏差が、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められ得る所定偏差以上である場合において、電気機器温度の抑制の要求度合いが大きいとの判定を好適に下すことができる。
また、電機機器温度が所定値以上である状態が継続している場合、電機機器温度が恒常的に高温状態にあるとの判断が成立する。従って、電機機器温度が所定値以上である状態が継続している時間が、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められ得る所定時間以上である場合において、電気機器温度の抑制の要求度合いが大きいとの判定を好適に下すことができる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両1の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両1の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、ハイブリッド車両1は、ECU100、PCU(Power Control Unit)11、バッテリ12、車速センサ13、アクセル開度センサ14、SOCセンサ15、MG2温度センサ16及び冷却水温センサ17並びにハイブリッド駆動装置10を備えた、本発明に係る「ハイブリッド車両」の一例である。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM等を備え、ハイブリッド車両1の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って後述する各種処理を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、後述するブレーキ機構BRの動作を制御する、本発明に係る「第1制御手段」の一例たるブレーキ機構ECU、後述するエンジン200の動作を制御するエンジンECU、後述するモータジェネレータMG1の動作を制御するMG1ECU、後述するモータジェネレータMG2の動作を制御する、本発明に係る「第2制御手段」の一例たるMG2ECU等、動作制御対象毎の処理ユニットの集合体である。但し、本実施形態では、説明の煩雑化を防ぐ目的から、これらを区別して説明することは省略し、全てECU100の動作として説明することとする。また、実際に一個のECU100がハイブリッド車両1の動作を制御する構成とすることも可能である。
PCU11は、バッテリ12から取り出した直流電力を交流電力に変換して後述するモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ12に供給可能に構成された不図示のインバータを含み、バッテリ12と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ12を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御可能に構成された制御ユニットである。PCU11は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。尚、PCU11におけるインバータは、モータジェネレータMG1を駆動するMG1駆動用インバータと、モータジェネレータMG2を駆動するMG2駆動用インバータとから構成される。
バッテリ12は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能する充電可能な蓄電手段である。バッテリ12は、出力電圧数Vの単位二次電池セルが数百個単位で直列に接続された構成を有している。
車速センサ13は、ハイブリッド車両1の車速SPDを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速SPDは、ECU100に適宜参照される。
アクセル開度センサ14は、ハイブリッド車両1の図示せぬアクセルペダルの操作量たるアクセル開度Taを検出可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Taは、ECU100に適宜参照される。
SOCセンサ15は、バッテリ12のSOC(State Of Charge:充電状態)を表すSOC値Socを検出可能に構成されたセンサである。SOCセンサ15は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたSOC値Socは、ECU100に適宜参照される。
尚、SOC値Socは、バッテリ12の蓄電残量に対応して規格化された値であり、バッテリ12の蓄電残量がゼロである(即ち、完全放電状態である)ことを示す0(%)から、バッテリ12が満充電状態であることを示す100(%)までの値を出力する構成となっている。ハイブリッド車両1では、公知のSOC制御により、このSOC値Socが、システム下限値Socll(0<Socll)以上、且つ、システム上限値Socul(Socul<100)未満の範囲に維持される。
MG2温度センサ16は、モータジェネレータMG2の温度であるMG2温度Thrmを検出可能に構成されたセンサである。MG2温度センサ16は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたMG2温度Thrmは、ECU100に適宜参照される。
尚、MG2温度Thmは、本発明に係る「電機機器温度」の一例であるが、本発明に係る「電気機器温度」は、例えば、MG2駆動用インバータの温度であってもよい。
冷却水温センサ17は、ハイブリッド車両1のシステム冷却水の温度である冷却水温Thwを検出可能に構成されたセンサである。冷却水温センサ17は、ECU100と電気的に接続されており、検出された冷却水温Thwは、ECU100に適宜参照される。
尚、システム冷却水は、ハイブリッド車両1の動作過程で熱源となり得る各部、例えばエンジン200、PCU11、バッテリ12、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2等を冷却する、本発明に係る「冷却媒体」の一例である。即ち、冷却水温度Thwは、本発明に係る「電機機器温度」の一例である。
システム冷却水は、例えば電動ウォータポンプや各種電磁作動式切り替えバルブ等を含む公知の冷却水循環供給装置(不図示)によりハイブリッド車両1の各部に循環供給される構成となっている。尚、ここでは、システム冷却水が上記冷却対象の全てに循環供給される構成としたが、システム冷却水は、例えば、エンジン200とその他の電機機器とで別個に循環供給されてもよい。この場合、その他の電機機器に循環供給される冷却水が、本発明に係る「冷却媒体」として扱われ得る。
尚、図面の煩雑化を防ぐ目的から図示は省略されているが、ハイブリッド車両1には、図示する以外にも、ハイブリッド車両1の状態検出に係る公知の各種センサが搭載されている。例えば、この中には、エンジン200の状態検出に係るセンサ(例えば、クランク位置センサや吸気量センサ等)、PCU11の状態検出に係るセンサ(例えば、インバータ温度センサ等)及びドライバが操作する各種操作手段の操作状態検出に係るセンサ(例えば、ブレーキペダルセンサやシフトスイッチセンサ等)が含まれる。
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両1のパワートレインである。ハイブリッド駆動装置10は、後述するエンジン200、モータジェネレータMG1及びMG2から供給される動力を、駆動輪DWに連結された車軸VSに伝達可能に構成される。
ここで、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ハイブリッド駆動装置10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、ハイブリッド駆動装置10は、エンジン200、動力分割機構300、モータジェネレータMG1、モータジェネレータMG2、ブレーキ機構BR及び減速機構400を備える。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両1の一動力源として機能するように構成されている。本発明における「内燃機関」とは、燃料の燃焼に伴う熱エネルギを運動エネルギに変化して取り出し可能な機関を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る内燃機関の構成は、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。
尚、不図示のクランク軸を介したエンジン200の出力動力たるエンジントルクTeは、ハイブリッド駆動装置10の入力軸ISに入力される。
図2に戻り、モータジェネレータMG1は、本発明に係る「第1回転電機」の一例たる電動発電機であり、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた構成となっている。
モータジェネレータMG2は、本発明に係る「第2回転電機」の一例たる電動発電機であり、モータジェネレータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた構成となっている。
尚、モータジェネレータMG1及びMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える構成となっている。但し、これらは他の構成を有していてもよい。
動力分割機構300は、中心部に設けられた、本発明に係る「第2回転要素」の一例たるサンギアS1と、サンギアS1の外周に同心円状に設けられた、本発明に係る「第3回転要素」の一例たるリングギアR1と、サンギアS1とリングギアR1との間に配置されてサンギアS1の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギアPと、これら各ピニオンギアの回転軸を軸支する、本発明に係る「第1回転要素」の一例たるプラネタリキャリアC1とを備えた、本発明に係る「差動機構」の一例たる遊星歯車機構である。
サンギアS1は、サンギア軸SSを介してモータジェネレータMG1に連結されており、その回転速度は、モータジェネレータMG1の回転速度であるMG1回転速度Nmg1と等価である。
リングギアR1は、駆動軸DSに連結されており、この駆動軸DSは、減速機構400を介して車軸VSに連結されている。減速機構400は、デファレンシャルギア等を含む各種減速ギアから構成されるギア機構である。
即ち、ハイブリッド駆動装置10において、駆動軸DSの回転速度たる駆動軸回転速度Ndは車速に対し一義的な値を採る。また、駆動軸DSには、モータジェネレータMG2も連結されているため、駆動軸回転速度Nd及びリングギアR1の回転速度は、モータジェネレータMG2の回転速度であるMG2回転速度Nmg2と等価である。即ち、必然的にMG2回転速度Nmg2もまた車速に対し一義的な値を採る。
尚、ここではモータジェネレータMG2が駆動軸DSに直結された構成となっているが、駆動軸DSとモータジェネレータMG2との間には、適宜変速装置や減速装置が介装されていてもよい。
プラネタリキャリアC1は、上述した入力軸ISに連結されている。従って、プラネタリキャリアC1の回転速度は、エンジン200の機関回転速度Neと等価である。
動力分割機構300は、係る構成の下で、エンジン200の出力動力たるエンジントルクTeを、プラネタリキャリアC1とピニオンギアP1とを介してサンギアS1及びリングギアR1に所定の比率(各ギア相互間のギア比に応じた比率)で分配する構成となっている。
この際、動力分割機構300の動作を分かり易くするため、リングギアR1の歯数に対するサンギアS1の歯数としてのギア比ρを定義すると、エンジン200からプラネタリキャリアC1に対しエンジントルクTeを作用させた場合にサンギアS1に作用するトルクTesは下記(1)式により、また駆動軸DSに現れる直達トルクTepは下記(2)式により夫々表すことができる。
Tes=Te×ρ/(1+ρ)・・・(1)
Tep=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
ブレーキ機構BRは、複数の係合要素を備え、これら複数の係合要素が相互に係合又は離間可能に構成された、本発明に係る「ロック手段」の一例たる係合装置である。ブレーキ機構BRの一係合要素は、例えばシャシ等の固定要素に固定されており、他の一係合要素は、サンギアS1に固定されている。従って、ブレーキ機構BRが、複数の係合要素が相互に係合してなる係合状態にある場合、サンギアS1及びサンギアS1に連結されたモータジェネレータMG1は回転不能なロック状態に維持される。一方、ブレーキ機構BRが、複数の係合要素が相互に離間してなる非係合状態にある場合、サンギアS1及びサンギアS1に連結されたモータジェネレータMG1は回転可能な非ロック状態に維持される。
Tep=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
ブレーキ機構BRは、複数の係合要素を備え、これら複数の係合要素が相互に係合又は離間可能に構成された、本発明に係る「ロック手段」の一例たる係合装置である。ブレーキ機構BRの一係合要素は、例えばシャシ等の固定要素に固定されており、他の一係合要素は、サンギアS1に固定されている。従って、ブレーキ機構BRが、複数の係合要素が相互に係合してなる係合状態にある場合、サンギアS1及びサンギアS1に連結されたモータジェネレータMG1は回転不能なロック状態に維持される。一方、ブレーキ機構BRが、複数の係合要素が相互に離間してなる非係合状態にある場合、サンギアS1及びサンギアS1に連結されたモータジェネレータMG1は回転可能な非ロック状態に維持される。
尚、ブレーキ機構BRの物理的構成は何ら限定されない。例えば、ブレーキ機構BRは、公知の油圧制御型湿式多板ブレーキ装置、ドグクラッチ装置、カムロック装置等の形態を採ることができる。いずれにせよ、ブレーキ機構BRは、係合要素を駆動する駆動装置がECU100と電気的に接続されており、ECU100により、その動作状態が制御される構成となっている。
<実施形態の動作>
<変速モードの詳細>
本実施形態に係るハイブリッド車両1の変速モードは、ブレーキ機構BRの動作状態に応じて、固定変速モード又は無段変速モードのいずれかに制御される。
<変速モードの詳細>
本実施形態に係るハイブリッド車両1の変速モードは、ブレーキ機構BRの動作状態に応じて、固定変速モード又は無段変速モードのいずれかに制御される。
ここで、図3を参照し、ハイブリッド車両1の変速モードについて説明する。ここに、図3は、ハイブリッド駆動装置10の一動作共線図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3(a)は無段変速モードに対応する一動作共線図である。縦軸は回転速度を表している。
動力分割機構300は、相互に差動関係にある3個の回転要素により構築された回転二自由度の差動機構であり、サンギアS1(一義的にモータジェネレータMG1)、キャリアC1(一義的にエンジン200)及びリングギアR1(一義的にモータジェネレータMG2)のうち二要素の回転速度が定まった場合に、残余の一回転要素の回転速度が必然的に定まる構成となっている。即ち、動作共線図上において、各回転要素の動作状態は、ハイブリッド駆動装置10の一動作状態に一対一に対応する一の動作共線によって表すことができる。
例えば、図3(a)において、車速と一義的な関係にあるモータジェネレータMG2の動作点が動作点m1であるとする。この場合、モータジェネレータMG1の動作点が動作点g1であれば、残余の回転要素であるキャリアC1に連結されたエンジン200の動作点は動作点e1となる。
ここで、便宜的にリングギアR1の回転速度が一定であるとすると、モータジェネレータMG1の動作点を動作点g2及び動作点g3に変化させた場合には、エンジン200の動作点は夫々動作点e2及び動作点e3へと変化する。即ち、動力分割機構300では、モータジェネレータMG1を回転速度制御装置として利用することによって、エンジン200の機関回転速度Neを自由に変化させることができる。この状態に対応する変速モードが無段変速モードである。無段変速モードでは、エンジン200の動作点(この場合の動作点とは、機関回転速度NeとエンジントルクTeとの組み合わせによって規定されるエンジン200の一動作条件を意味する)は、基本的に、エンジン200の燃料消費率が実質最小となる最適燃費動作点に制御される。
ここで、無段変速モードにおいては、当然ながらMG1回転速度Nmg1は可変である必要がある。従って、無段変速モードが選択される場合、ブレーキ機構BRは、サンギアS1が非ロック状態となるように、その動作状態が制御される。即ち、ブレーキ機構BRの係合要素は相互に離間した状態に維持される。
動力分割機構300において、駆動軸DSに先述した直達トルクTepを供給するためには、エンジントルクTeに応じてサンギアSSに現れる先述したトルクTesと大きさが等しく且つ符合が反転した反力トルクを、モータジェネレータMG1から供給する必要がある。この場合、動作点g1或いは動作点g2といった正回転領域の動作点において、MG1は正回転負トルクの電力回生状態(即ち、発電状態)となる。このように、無段変速モードにおいては、モータジェネレータMG1を反力要素として機能させることにより、駆動軸DSにエンジントルクTeの一部たる直達トルクTepを供給しつつ、サンギア軸SSに分配されるトルクTesを利用した発電を行うことができる。また、駆動軸DSに供給される直達トルクTepが要求トルクに対して不足する場合には、モータジェネレータMG2の出力トルクであるMG2トルクTmg2が駆動軸DSに供給され、適宜トルクアシストが行われる。
一方、例えば高速軽負荷走行時等には、MG1回転速度Nmg1が、例えば動作点g3等に相当する負回転領域の値となることがある。モータジェネレータMG1は、エンジントルクTeの反力トルクとして負トルクを出力しているから、この場合、MG1は、負回転負トルクの状態となって力行状態となる。即ち、この場合、モータジェネレータMG1の出力トルクたるMG1トルクTmg1は、ハイブリッド車両1の駆動トルクとして駆動軸DSに伝達される。
このため、モータジェネレータMG2は、駆動軸DSに出力される過剰なトルクを吸収するべく正回転負トルクの電力回生状態となる。この状態においては、MG1トルクTmg1をモータジェネレータMG2での電力回生に利用し、この回生電力によってモータジェネレータMG1を力行駆動することになり、動力循環と称される非効率な電気パスが生じることとなる。動力循環が生じた状態では、ハイブリッド車両1のエネルギ効率が低下する。
そこで、ハイブリッド車両1では、予めこのような動力循環が生じ得る運転領域において、MG1ロック要求フラグRqLkがオン設定され、ECU100の制御によるブレーキ機構BRの制御により、サンギアS1がロック状態に制御される。
図3(b)には、その様子が示される。ブレーキ機構BRによりサンギアS1がロック状態に移行すると、サンギアS1は回転不能となり、モータジェネレータMG1の動作点は図示動作点g0に固定される。
この場合、MG1回転速度Nmg1(Nmg1=0)と、車速と一義的なMG2回転速度Nmg2とにより、残余の機関回転速度Neは一義的に決定される(図示e0参照)。即ち、モータジェネレータMG1がロック状態になると、機関回転速度Neと、車速SPDと一義的なMG2回転速度Nmg2及び駆動軸回転速度Ndとの比たる変速比は一定となる。このロック状態に対応する変速モードが固定変速モードである。
固定変速モードでは、トルクTesに対抗する反力トルクを、ブレーキ機構BRを介して負担することができる。従って、モータジェネレータMG1をシャットダウンさせることができる。そのため、ハイブリッド駆動装置10における電気的損失が減少し、エネルギ効率が向上する。
尚、固定変速モードにおいては、ハイブリッド車両1の要求出力であるシステム要求出力Psysは、基本的にエンジン200の出力であるエンジン出力Peにより賄われる。しかしながら、物理的に回転不能なモータジェネレータMG1と異なり、固定変速モードにおいてもモータジェネレータMG2の動作は制限されない。
従って、実践的には、アクセル操作に応じた要求駆動力の変化に対して駆動軸DSに供給される直達トルクTepの応答が遅れ、過渡的に駆動軸DSのトルクが不足する場合等には、MG2トルクTmg2により適宜トルクアシストが行われる。このため、固定変速モードにおいてもハイブリッド車両1の駆動力応答性は確保されている。また、ハイブリッド車両1の減速時には、モータジェネレータMG2から回生トルクが出力され、この回生トルクによる回生制動が行われる。回生制動により得られた発電電力は、バッテリ12の充電用電力又は各種電気駆動型補機を駆動するための補機駆動用電力として利用される。また、この減速時の回生制動とは別に、通常走行時においても、モータジェネレータMG2は、例えば補機駆動用電力等を適宜発電している。この場合、エンジン直達トルクTepの一部が発電に利用されるため、エンジン直達トルクTepは、駆動力として駆動軸DSに要求される駆動軸要求トルクに対し、この発電負荷に相当する分が上乗せされる。
尚、システム要求出力Psysは、例えば、予めROMに格納された要求出力マップから、アクセル開度Ta及び車速SPDに該当する値を選択することによって決定される駆動用要求出力を、バッテリ12のSOC値Soc、充電制限値Win、放電制限値Wout及び補機消費電力等に基づいて決定される補機要求発電量に応じて適宜補正することによって決定される。尚、システム要求出力Psysの算出方法は公知の各種方法を適用可能である。
<MG2過熱保護制御の詳細>
ハイブリッド車両1では、ECU100によりモータジェネレータMG2の過度な温度上昇を防止するためのMG2過熱保護制御が行われる。MG2過熱保護制御は、MG2過熱保護判定処理、ロック要求判定処理、MG1ロック実行判定処理及びMG2過熱保護処理から構成される。
ハイブリッド車両1では、ECU100によりモータジェネレータMG2の過度な温度上昇を防止するためのMG2過熱保護制御が行われる。MG2過熱保護制御は、MG2過熱保護判定処理、ロック要求判定処理、MG1ロック実行判定処理及びMG2過熱保護処理から構成される。
始めに、図4を参照し、MG2過熱保護判定処理の詳細について説明する。ここに、図4はMG2過熱保護判定処理のフローチャートである。
図4において、ECU100は、MG2温度Thmを取得する(ステップS110)。MG2温度Thmが取得されると、この取得されたMG2温度Thmが過熱保護判定値Thmot以上であるか否かが判定される(ステップS120)。
MG2温度Thmが過熱保護判定値Thmot以上である場合(ステップS120:YES)、モータジェネレータMG2が過熱状態にあるか否かを示す過熱保護要求フラグRqRdThmが、モータジェネレータMG2が過熱状態である旨を示す「ON」に設定される(ステップS130)。過熱保護要求フラグRqRdThmがオン設定されると、MG2過熱保護判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS110に戻される。
一方、MG2温度Thmが過熱保護判定値Thmot未満である場合(ステップS120:NO)、更にMG2温度Thmが、過熱保護判定値Thmotからヒステリシス設定値Thmothsを減じてなる復帰判定値以下であるか否かが判定される(ステップS140)。MG2温度Thmが復帰判定値よりも高い場合(ステップS140:NO)には、ハンチングを防ぐ目的からMG2過熱保護判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS110に戻される。
MG2温度Thmが復帰判定値以下である場合(ステップS140:YES)、上記過熱保護要求フラグRqRdThmが、モータジェネレータMG2が過熱状態にないことを示す「OFF」に設定される。過熱保護要求フラグRqRdThmがオフ設定されると、MG2過熱保護判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS110に戻される。
MG2過熱保護判定処理は以上のように実行される。
次に、図5を参照し、ロック要求判定処理の詳細について説明する。ここに、図5はロック要求判定処理のフローチャートである。
図5において、ECU100は、MG2過熱保護要求の有無を判定する(ステップS210)。即ち、具体的には、過熱保護要求フラグRqRdThmが「ON」であるか否かが判定される。
MG2過熱保護要求が有る場合(ステップS210:YES)、即ち、過熱保護要求フラグRqRdThmがオン設定されている場合、過熱保護のためのMG1ロックが必要であるか否かを示すMG1ロック要求フラグRqLkRdThmが、モータジェネレータMG2の過熱保護のためのMG1ロックが必要である旨を示す「ON」に設定される(ステップS220)。MG1ロック要求フラグRqLkRdThmがオン設定されると、ロック要求判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS210に戻される。
一方、MG2過熱保護要求が無い場合(ステップS210:NO)、即ち、過熱保護要求フラグRqRdThmがオフ設定されている場合、上記MG1ロック要求フラグRqLkRdThmが、モータジェネレータMG2の過熱保護のためのMG1ロックが不要である旨を示す「OFF」に設定される(ステップS230)。MG1ロック要求フラグRqLkRdThmがオフ設定されると、ロック要求判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS210に戻される。
ロック要求判定処理は以上のように実行される。
次に、図6を参照し、MG1ロック実行判定処理の詳細について説明する。ここに、図6は、MG1ロック実行判定処理のフローチャートである。
始めに、ECU100は、MG1ロック要求の有無を判定する(ステップS310)。即ち、具体的には、上述した、MG2過熱保護のためのMG1ロック要求フラグRqLkRdThm、又は、他の要件(例えば、上記動力循環の発生防止による燃費向上要求等)に起因するMG1ロック要求フラグRqLkがオン設定されているか否かが判定される。
MG1ロック要求が有る場合(ステップS310:YES),更にMG1ロックが禁止されていないか否かが判定される(ステップS320)。具体的には、MG1ロックが禁止されているか否かを示すMG1ロック禁止フラグIhLkが、MG1ロックが禁止されていない旨を示す「OFF」であるか否かが判定される。
尚、MG1ロック禁止フラグIhLkは、予め設定されたMG1ロック禁止条件が成立した場合に、MG1ロックが禁止される旨を示す「ON」に、ロック禁止条件が成立しない場合に、MG1ロックが禁止されない旨を示す「OFF」に、夫々設定される。また、ロック禁止条件は、例えば、駆動軸要求トルクがMG1ロック状態におけるエンジン200の直達トルクTepの上限値以上である場合、車速SpdがMG1ロック下限車速未満である場合、又は、MG1駆動用インバータの温度が所定値以上である場合等に成立する。
MG1ロックが禁止されていない場合(ステップS320:YES)、ECU100は、ブレーキ機構BRを制御し、モータジェネレータMG1をロックする(ステップS330)。ステップS330は、本発明に係る「第1制御手段」の動作の一例である。
尚、モータジェネレータMG1がロックされた状態は、動力分割機構300が本発明に係る「ロック状態」に移行した状態と等価である。モータジェネレータMG1がロック状態に移行すると、MG1ロックが実行されているか否かを示すMG1ロックフラグExLkが、MG1ロックが実行されている旨を示す「ON」に設定される。
一方、MG1ロックが禁止されている場合(ステップS320:NO)、或いは、ステップS310においてMG1ロック要求が無い場合(ステップS310:NO)、ECU100は、モータジェネレータMG1のロックを解除する(ステップS340)。尚、この時点でモータジェネレータMG1が既に非ロック状態にある場合には、実質的には何も行われない。モータジェネレータMG1のロック状態が解除されると、MG1ロックが実行されているか否かを示すMG1ロックフラグExLkが、MG1ロックが実行されていない旨を示す「OFF」に設定される。
ステップS330又はS340が実行されると、所定のインタバルを経て処理は再びステップS310に戻される。MG1ロック実行判定処理は以上のように実行される。
次に、図7を参照し、MG2過熱保護処理の詳細について説明する。ここに、図7は、MG2過熱保護処理のフローチャートである。
図7において、ECU100は、MG2温度Thm及びバッテリ12のSOC値Socを取得する(ステップS410)。
次に、ECU100は、バッテリ12のSOCに余裕が有るか否かを判定する(ステップS420)。ステップS420においては、具体的には、取得されたSOC値Socが判定基準値Socct以上であるか否かが判定される。判定基準値Socctは、上述したシステム下限値Socllより大きい値であり、予め実験的に、経験的に又は理論的に、SOC値Socがその変化の過程でシステム下限値Socllに抵触することのないように、後述する各種過熱保護措置の効果の度合いに応じて決定される。
バッテリ12のSOCに余裕が有る場合(ステップS420:YES)、即ち、SOC値Socが判定基準値Socct以上である場合、ECU100は、MG2過熱保護に係る第1過熱保護処理を実行する(ステップS430)。一方、バッテリ12のSOCに余裕が無い場合(ステップS420:NO)、即ち、SOC値Socが判定基準値Socct未満である場合、ECU100は、MG2過熱保護に係る第2過熱保護処理を実行する(ステップS440)。ステップS430又はS440が実行されると、MG2過熱保護処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS410に戻される。MG2過熱保護処理は以上のように実行される。
尚、第1及び第2過熱保護処理の実行は、本発明に係る「第2制御手段」の動作の一例である。
次に、図8を参照し、第1及び第2過熱保護処理の詳細について説明する。ここに、図8は、第1及び第2過熱保護処理における各過熱保護措置の制御規則を説明する図である。
図8において、MG2温度Thmに対する、第1過熱保護処理(上段)及び第2過熱保護処理(下段)の過熱保護措置の実行タイミングが例示される。
第1過熱保護処理はP1乃至P4の各過熱保護措置から構成され、第2過熱保護措置はP1、P2及びP4の各過熱保護措置から構成される。
第1過熱保護処理及び第2過熱保護処理共に、MG2温度Thmが過熱保護判定値Thmotに達した時点で過熱保護措置P1が実行される。
過熱保護措置P1は、モータジェネレータMG2の減速回生量を低減させる措置であり、本発明に係る「電力回生量低減制御」の一例である。過熱保護措置P1においては車両減速時の回生制動が、ハイブリッド車両1に備わる制動装置の制動力に置換される。この置換の割合は特に限定されないが、過熱保護措置P1においては、例えば、好適な一形態として、補機駆動用の発電負荷及びハイブリッド駆動装置10の電気的及び機械的損失分に相当する発電負荷を除いて、減速時の電力回生が停止される。
また、第1過熱保護処理及び第2過熱保護処理共に、MG2温度Thmが許容上限値Thm4(Thmot<Thm4<Thmmax)に達した時点で過熱保護措置P4が実行される。尚、Thmmaxは、モータジェネレータMG2の物理的規格(例えば、動作保証温度範囲)に由来する絶対的許容上限値である。
過熱保護措置P4は、モータジェネレータMG2をシャットダウンする措置である。シャットダウンとは、PCU11におけるMG2駆動用インバータの各スイッチング素子を非通電としてその動作を停止させることを意味する。過熱保護措置P4は、モータジェネレータMG2における熱の発生が停止するため、モータジェネレータMG2の過熱保護効果が最も高い措置である。
第1過熱保護処理においては、過熱保護措置P1が実行された後、MG2温度Thmが更に上昇し、Thm2(Thmot<Thm2<Thm4)に達すると、過熱保護措置P2の実行が開始される。尚、過熱保護措置P1についてはそのまま継続される。
過熱保護措置P2は、モータジェネレータMG2による駆動軸DSに対するトルクアシストを制限する措置であり、本発明に係る「アシスト量低減制御」の一例である。モータジェネレータMG1がロックされた状態において、ハイブリッド車両1は、既に述べたように基本的にエンジン直達トルクTepのみで走行する。この際、モータジェネレータMG2によるトルクアシストは、加速時の応答遅れ等を補償する目的で行われる。過熱保護措置P2では、このトルクアシストに係るアシストトルクが低減される。尚、低減の度合いは特に限定されず、例えば、本来必要とされるアシストトルクを、一定又は不定の補正係数により減少側に補正してもよい。或いは、MG2温度Thmの上昇に応じて低減の度合いを大きくしてもよい。
第1過熱保護処理においては、過熱保護措置P2が実行された後、MG2温度Thmが更に上昇し、Thm3(Thmo2<Thm3<Thm4)に達すると、過熱保護措置P3の実行が開始される。尚、過熱保護措置P1及びP2についてはそのまま継続される。
過熱保護措置P3は、補機駆動用電力及びハイブリッド駆動装置10における電気的及び機械的損失分に相当する電力に相当する発電負荷を低減する措置である。過熱保護措置P3をもってしてもモータジェネレータMG2の温度上昇が止まらずに上述した許容上限値Thm4に達すると、上述した過熱保護措置P4が開始される。第1過熱保護処理は、このような制御規則に従って各過熱保護措置が実行される。
一方、第2過熱保護処理においては、過熱保護判定値Thmotにおいて過熱保護措置P1が実行された後、MG2温度Thmが上昇し、Thm1(Thmot<Thm1<Thm2)に達すると、過熱保護措置P2の実行が開始される。以後、MG2温度Thmが許容上限値Thm4に達するまで、過熱保護措置P2が継続する。尚、過熱保護措置P1についてはそのまま継続される。
このように、第2過熱保護処理においては、第1過熱保護処理よりも早期に過熱保護措置P2が発動する。これは、バッテリ12の蓄電残量に余裕がないことに起因する。即ち、バッテリ12の蓄電残量に応じた制御規則の切り替えが実行されない場合、MG2温度Thmを制御要件として過熱保護措置P2が発動する以前に、SOC値Socが上述したシステム下限値Socll付近まで低下し、補機駆動用電力や損失補償用電力が不足する可能性がある。MG2温度Thmとバッテリ12の蓄電残量との間には元々相関がないため、従来、この種の事態の発生は看過されてきたのである。
これに対し、ハイブリッド車両1において実施される過熱保護制御、特にMG2過熱保護処理によれば、バッテリ12の蓄電残量(ここでは、SOC値Soc)に応じて各過熱保護措置の制御規則が切り替えられる。従って、バッテリ12の状態を好適に維持しつつ、MG2温度Thmの上昇を抑制することが、或いは、MG2温度Thmの低下を促すことが可能となっている。
また、過熱保護制御、特にMG2過熱保護処理によれば、モータジェネレータMG2の温度低下を促す各種過熱保護措置が、所定の制御規則に従って組み合わされつつ段階的に実行される。このため、モータジェネレータMG2の発熱を段階的に制御することができ、MG2温度Thmに良好な制御性が付与されている。
また、過熱保護措置P2は、上記の通りハイブリッド車両1の動力性能の低下を招き得る措置であるのに対し、過熱保護措置P1は、基本的に制動装置による制動力により代替することのできる措置である。この点に鑑み、第1及び第2過熱保護処理共に、過熱保護措置P1が過熱保護措置P2に優先される構成となっている。即ち、ハイブリッド車両1の走行性能の低下を抑制しつつ、モータジェネレータMG2の発熱を段階的に制御することができる構成となっている。その結果、モータジェネレータMG2の過熱保護を図りつつ、ハイブリッド車両1の走行性能の低下を可及的に抑制することが可能となっているのである。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、ハイブリッド車両1のシステム冷却水の過熱が、ECU100により実行される冷却水温過熱保護制御により抑制される。尚、第2実施形態に係る車両構成は第1実施形態と等しいものとする。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、ハイブリッド車両1のシステム冷却水の過熱が、ECU100により実行される冷却水温過熱保護制御により抑制される。尚、第2実施形態に係る車両構成は第1実施形態と等しいものとする。
<冷却水温過熱保護制御の詳細>
冷却水温過熱保護制御は、冷却水温抑制判定処理、ロック要求判定処理、MG1ロック実行判定処理及びMG2シャットダウン処理から構成される。
冷却水温過熱保護制御は、冷却水温抑制判定処理、ロック要求判定処理、MG1ロック実行判定処理及びMG2シャットダウン処理から構成される。
始めに、図9を参照し、冷却水温抑制判定処理の詳細について説明する。ここに、図9は冷却水温抑制判定処理のフローチャートである。
図9において、ECU100は、冷却水温Thwを取得する(ステップS510)。冷却水温Thwが取得されると、この取得された冷却水温Thwが抑制判定値Thmow以上であるか否かが判定される(ステップS520)。
冷却水温Thwが抑制判定値Thmow以上である場合(ステップS520:YES)、システム冷却水が過熱状態にあるか否かを示す冷却水温抑制要求フラグRqRdThwが、システム冷却水が過熱状態である旨を示す「ON」に設定される(ステップS530)。冷却水温抑制要求フラグRqRdThwがオン設定されると、冷却水温抑制判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS510に戻される。
一方、冷却水温Thwが抑制判定値Thwot未満である場合(ステップS520:NO)、更に冷却水温Thwが、抑制判定値Thwotからヒステリシス設定値Thwothsを減じてなる復帰判定値以下であるか否かが判定される(ステップS540)。冷却水温Thwが復帰判定値よりも高い場合(ステップS540:NO)には、ハンチングを防ぐ目的から冷却水温抑制判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS510に戻される。
冷却水温Thwが復帰判定値以下である場合(ステップS540:YES)、上記冷却水温抑制要求フラグRqRdThwが、システム冷却水が過熱状態にないことを示す「OFF」に設定される。冷却水温抑制要求フラグRqRdThwがオフ設定されると、冷却水温抑制判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS510に戻される。
冷却水温抑制判定処理は以上のように実行される。
次に、図10を参照し、ロック要求判定処理の詳細について説明する。ここに、図10はロック要求判定処理のフローチャートである。
図10において、ECU100は、冷却水温抑制要求の有無を判定する(ステップS610)。即ち、具体的には、冷却水温抑制要求フラグRqRdThwが「ON」であるか否かが判定される。
冷却水温抑制要求が有る場合(ステップS610:YES)、即ち、冷却水温抑制要求フラグRqRdThwがオン設定されている場合、冷却水温抑制のためのMG1ロックが必要であるか否かを示すMG1ロック要求フラグRqLkRdThwが、冷却水温抑制のためのMG1ロックが必要である旨を示す「ON」に設定される(ステップS620)。MG1ロック要求フラグRqLkRdThwがオン設定されると、ロック要求判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS610に戻される。
一方、冷却水温抑制要求が無い場合(ステップS610:NO)、即ち、冷却水温抑制要求フラグRqRdThwがオフ設定されている場合、上記MG1ロック要求フラグRqLkRdThwが、冷却水温抑制のためのMG1ロックが不要である旨を示す「OFF」に設定される(ステップS630)。MG1ロック要求フラグRqLkRdThwがオフ設定されると、ロック要求判定処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS610に戻される。
ロック要求判定処理は以上のように実行される。
次に、図11を参照し、MG1ロック実行判定処理の詳細について説明する。ここに、図11は、MG1ロック実行判定処理のフローチャートである。
始めに、ECU100は、MG1ロック要求の有無を判定する(ステップS710)。即ち、具体的には、上述した、冷却水温抑制のためのMG1ロック要求フラグRqLkRdThw、又は、他の要件(例えば、上記動力循環の発生防止による燃費向上要求等)に起因するMG1ロック要求フラグRqLkがオン設定されているか否かが判定される。
MG1ロック要求が有る場合(ステップS710:YES),更にMG1ロックが禁止されていないか否かが判定される(ステップS720)。具体的には、MG1ロックが禁止されているか否かを示すMG1ロック禁止フラグIhLkが、MG1ロックが禁止されていない旨を示す「OFF」であるか否かが判定される。尚、MG1ロック禁止フラグIhLkについては、第1実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
MG1ロックが禁止されていない場合(ステップS720:YES)、ECU100は、ブレーキ機構BRを制御し、モータジェネレータMG1をロックする(ステップS730)。ステップS730は、本発明に係る「第1制御手段」の動作の一例である。モータジェネレータMG1がロック状態に移行すると、MG1ロックが実行されているか否かを示すMG1ロックフラグExLkが、MG1ロックが実行されている旨を示す「ON」に設定される。
一方、MG1ロックが禁止されている場合(ステップS720:NO)、或いは、ステップS710においてMG1ロック要求が無い場合(ステップS710:NO)、ECU100は、モータジェネレータMG1のロックを解除する(ステップS740)。尚、この時点でモータジェネレータMG1が既に非ロック状態にある場合には、実質的には何も行われない。モータジェネレータMG1のロック状態が解除されると、MG1ロックが実行されているか否かを示すMG1ロックフラグExLkが、MG1ロックが実行されていない旨を示す「OFF」に設定される。
ステップS730又はS740が実行されると、所定のインタバルを経て処理は再びステップS710に戻される。MG1ロック実行判定処理は以上のように実行される。
次に、図12を参照し、MG2シャットダウン処理の詳細について説明する。ここに、図12は、MG2シャットダウン処理のフローチャートである。
図12において、ECU100は、冷却水温抑制要求が大であるか否かを判定する(ステップS810)。冷却水温抑制要求が大である場合(ステップS810:YES)、ECU100はモータジェネレータMG2をシャットダウンする(ステップS820)。
モータジェネレータMG2がシャットダウンされるか、又は、ステップS810において冷却水温抑制要求が大ではないと判定された場合(ステップS810:NO)、MG2シャットダウン処理は終了し、所定のインタバルを経て処理は再びステップS810に戻される。MG2シャットダウン処理は以上のように実行される。
ここで、図13を参照し、冷却水温抑制要求が大である場合について説明する。ここに、図13は冷却水温抑制要求が大である場合を説明するための冷却水温Thwの一時間推移を例示する図である。
図13において、上段に冷却水温Thwの時間推移が、下段に冷却水温抑制要求フラグRqRdThwの時間推移が夫々例示される。
ここで、冷却水温Thwが、上段の図示実線で示される推移を示したとする。この場合、冷却水温抑制要求フラグRqRdThwは、冷却水温Thwが上述した抑制判定値Thwotに達した時刻t1においてオン設定され、冷却水温Thwが上述した復帰判定値に相当する復帰判定値ThWot’まで低下した時刻t3においてオフ設定される。
ここで特に、図13には、冷却水温抑制要求の定量的指標が(1)乃至(3)の三種類示される。
図示(1)は、冷却水温抑制要求フラグRqRdThwがオン設定される直前の冷却水温Thwの傾き(図示矢線の傾き)の値である。この値が、予め実験的に、経験的に又は理論的に決定された判定値(即ち、本発明に係る「所定率」の一例)以上である場合に、冷却水温抑制要求が大であるとの判定が下される。即ち、この傾きが大きい場合、冷却水温Thwが抑制判定値Thwotに達して以降も冷却水温Thwが急速に上昇すると考えられるため、冷却水温抑制要求が大であるとの判定を下すことができる。
図示(2)は、冷却水温Thwと抑制判定値Thwotとの偏差である。この値が、予め実験的に、経験的に又は理論的に決定された判定値(即ち、本発明に係る「所定偏差」の一例)以上である場合に、冷却水温抑制要求が大であるとの判定が下される。即ち、この偏差が大きい場合、システム冷却水が過熱状態にあると考えられるため、冷却水温抑制要求が大であるとの判定を下すことができる。尚、上記(2)の要件により冷却水温抑制要求が大であると判定される場合とは、第1実施形態において、MG2温度Thmが許容上限値Thm4に達した場合と等価である。
図示(3)は、冷却水温抑制要求フラグRqRdThwがオン設定されている期間の長さである。この値が、予め実験的に、経験的に又は理論的に決定された判定値(即ち、本発明に係る「所定時間」の一例)以上である場合に、冷却水温抑制要求が大であるとの判定が下される。即ち、当該フラグがオン設定される期間が長い場合、システム冷却水は恒常的に過熱状態にあると考えられるため、冷却水温抑制要求が大であるとの判定を下すことができる。
本実施形態によれば、このように、モータジェネレータMG1がロックされた状態において冷却水温抑制要求が大である場合には、モータジェネレータMG2がシャットダウンされる。従って、ハイブリッド車両1のシステム冷却水に過熱を好適に抑制することができる。
尚、第2実施形態では説明が省略されているが、第1実施形態において、図8を参照して説明した、バッテリ12のSOCに応じた過熱保護措置の制御規則の切り替えは、第2実施形態においても適用される。
一方、第2実施形態において図13を参照して説明した、冷却水温抑制要求が大であるか否かの判定について、冷却水温ThwをMG2温度Thmに置き換え、第1実施形態に係るモータジェネレータMG2の過熱抑制に利用することもできる。この場合、図8に例示したMG2温度Thmによる要件以外の要件によってもモータジェネレータMG2のシャットダウンに係る過熱保護措置P4が発動し、モータジェネレータMG2の一層良好な温度制御が実現され得る。
尚、第1及び第2実施形態においては、本発明に係る差動機構として動力分割機構300を例示したが、差動機構の態様はこれに限定されない。また、差動機構の態様に応じて、ブレーキ機構BRがロック対象とする回転要素も変化し得る。
例えば、本発明に係る差動機構の一例として、動力分割機構300に相当する一の差動機構と、他の差動機構とを連結した複合型差動機構を構築することもできる。この際、各々の差動機構における二つ回転要素同士を連結し、複合型差動機構全体として4個の回転要素を有する構成としてもよい。例えば、動力分割機構300のリングギアR1を他の差動機構のキャリアに連結し、キャリアC1をリングギアに連結する構成とし、これらと、サンギアS1と、他の差動機構のサンギアとで4個の回転要素を実現してもよい。
このような構成においても、複合型差動機構全体としては回転二自由度の差動機構であり、他の差動機構のサンギアをブレーキ機構でロックする構成とすれば、このサンギアの回転速度(ゼロ回転)と車速Spdとにより機関回転速度Neは一義的に決定される。即ち、変速比は固定される。この場合、モータジェネレータMG1はロックされないが、回転の自由度は失われるため、また、トルクTesに対する反力トルクはブレーキ機構が担うため、モータジェネレータMG1をシャットダウンすることができる。このような車両構成に対しても、上述したMG2過熱保護制御や冷却水温抑制制御を適用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…ハイブリッド車両、10…ハイブリッド駆動装置。100…ECU、200…エンジン、300…動力分割機構、MG1…モータジェネレータ、MG2…モータジェネレータ、BR…ブレーキ機構。
Claims (3)
- 内燃機関と、
第1回転電機と、
駆動輪に繋がる駆動軸との間でトルクを入出力可能な第2回転電機と、
前記内燃機関に接続される第1回転要素、前記第1回転電機に接続される第2回転要素及び前記駆動軸に接続される第3回転要素を含む、相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた差動機構と、
前記第1及び第2回転電機との間で電力を入出力可能な蓄電手段と、
複数の係合要素を有し、該複数の係合要素が相互に係合してなる係合状態において、前記差動機構を前記内燃機関と前記駆動軸との間の変速比が固定されたロック状態に維持するロック機構と
を備えたハイブリッド車両を制御するハイブリッド車両の制御装置であって、
前記第2回転電機又は前記第2回転電機の冷却に供される冷却媒体の温度として規定される電気機器温度が所定値以上である場合に、前記複数の係合要素が前記係合状態となるように前記ロック機構を制御する第1制御手段と、
前記電気機器温度が所定値以上である場合に、(1)前記ハイブリッド車両の減速期間における前記第2回転電機の電力回生量を低減させる電力回生量低減制御を実行し、且つ、(2)前記電気機器温度の上昇に応じて、前記第2回転電機による前記駆動軸に対するトルクのアシスト量を低減させるアシスト量低減制御を実行する第2制御手段と
を具備し、
前記第2制御手段は、前記蓄電手段の蓄電残量が低い場合に、高い場合と較べて早期に前記アシスト量低減制御を実行する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 前記第2制御手段は、前記電気機器温度の抑制の要求度合いが大きい場合に、前記第2回転電機をシャットダウンさせる
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記電気機器温度の抑制の要求度合いは、前記電気機器温度の上昇率、前記電気機器温度と前記所定値との偏差、及び、前記電気機器温度が前記所定値以上である状態が継続している時間のうち少なくとも一つにより定義され、各々について、前記上昇率が所定率以上、前記偏差が所定偏差以上、及び、前記時間が所定時間以上である場合に、前記要求度合いが大きいと判定される
ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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-
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